ところで、特許文献1の図1および図4に記載された車両用前照灯では、特許文献1の図1に記載されているように、光源支持部(光源ホルダ)とリフレクタとが一部材によって形成されている。そのため、特許文献1の図1および図4に記載された車両用前照灯では、車両用前照灯を車両本体から取り外したり、アウターレンズをリフレクタから取り外したりしなければ発光素子光源のメンテナンスを行うことができない。
前記問題点に鑑み、本発明は発光素子光源のメンテナンス性を向上させることができる車両用前照灯を提供するを目的とする。
詳細には、本発明は、発光素子光源のメンテナンス性および冷却性を向上させると共に、ヒートパイプの劣化を抑制することができる車両用前照灯を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明によれば、
リフレクタとアウターレンズとによって画定される灯室内に複数の発光素子光源を配置し、
前記リフレクタと前側表面から前記灯室内に突出せしめられた光源支持部によって前記複数の発光素子光源を支持し、
前記複数の発光素子光源からの光を反射する複数の放物系反射面を前記複数の発光素子光源に対応させて前記リフレクタの前記前側表面に形成し、
前記リフレクタが車両用前照灯ハウジングとしての機能を有する車両用前照灯において、
前記灯室内に収容される前記光源支持部と、前記灯室外に露出せしめられる放熱部と、金属材料製の前記リフレクタの支持部に接合されるフランジ部とを有する金属材料製のヒートシンクを設け、
前記ヒートシンクの前記光源支持部と前記放熱部とを熱的に接続するヒートパイプを前記ヒートシンクの前記光源支持部、前記フランジ部および前記放熱部内に埋設し、
前記ヒートシンクの前記放熱部に放熱フィンを形成し、
前記リフレクタの後側表面のうち、前記ヒートシンクの前記フランジ部が接合される前記リフレクタの前記支持部以外の部分に、前記ヒートシンクの前記放熱部に形成された前記放熱フィンとは別に、放熱フィンを形成し、
前記ヒートパイプを前記ヒートシンクの前記光源支持部、前記フランジ部および前記放熱部内に挿入するための開口を、前記灯室外に露出せしめられない前記ヒートシンクの前記光源支持部の前面のみに配置し、前記ヒートパイプの前端部以外の部分が前記ヒートシンクによって覆われていることを特徴とする車両用前照灯が提供される。
請求項2に記載の発明によれば、前記複数の発光素子光源から前記ヒートパイプまでの距離が互いに等しくなるように前記複数の発光素子光源を配置したことを特徴とする請求項1に記載の車両用前照灯が提供される。
請求項3に記載の発明によれば、前記複数の発光素子光源が配置されている位置における前記ヒートシンクの前記光源支持部の肉厚よりも、前記複数の発光素子光源が配置されている位置より後側の位置における前記ヒートシンクの前記光源支持部の肉厚が小さくなるように、前記ヒートシンクの前記光源支持部を形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用前照灯が提供される。
請求項4に記載の発明によれば、前記複数の発光素子光源は、少なくとも第1発光素子光源と第2発光素子光源と第3発光素子光源を有し、
すれ違いビーム用配光パターンの形成時に、前記第1発光素子光源および前記第2発光素子光源を点灯すると共に、前記第3発光素子光源を消灯し、
走行ビーム用配光パターンの形成時に、前記第2発光素子光源および前記第3発光素子光源を点灯すると共に、前記第1発光素子光源を消灯し、
すれ違いビーム用配光パターンの形成時における前記第1発光素子光源および前記第2発光素子光源に対する通電量と、走行ビーム用配光パターンの形成時における前記第2発光素子光源および前記第3発光素子光源に対する通電量とを等しくすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の車両用前照灯が提供される。
請求項5に記載の発明によれば、前記複数の発光素子光源は、少なくとも第1発光素子光源と第2発光素子光源と第3発光素子光源を有し、すれ違いビーム用配光パターンの形成時に、前記第1発光素子光源および前記第2発光素子光源を点灯すると共に、前記第3発光素子光源を消灯し、走行ビーム用配光パターンの形成時に、前記第1発光素子光源、前記第2発光素子光源および前記第3発光素子光源を点灯し、すれ違いビーム用配光パターンの形成時における前記第1発光素子光源および前記第2発光素子光源に対する通電量よりも、走行ビーム用配光パターンの形成時における前記第1発光素子光源および前記第2発光素子光源に対する通電量を減少させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の車両用前照灯が提供される。
請求項1に記載の車両用前照灯(100)では、リフレクタ(5)とアウターレンズ(9)とによって画定される灯室(100c)内に複数の発光素子光源(1a,1b,1c)が配置されている。また、リフレクタ(5)の前側表面(5a)から灯室(100c)内に突出せしめられた光源支持部(3a)によって複数の発光素子光源(1a,1b,1c)が支持されている。更に、複数の発光素子光源(1a,1b,1c)からの光を反射する複数の放物系反射面(5a1a,5a1b,5a1c)が、各発光素子光源(1a,1b,1c)に対応してリフレクタ(5)の前側表面(5a)に形成されている。また、リフレクタ(5)が車両用前照灯ハウジングとしての機能を有する。
つまり、請求項1に記載の車両用前照灯(100)では、リフレクタ(5)とは別個に車両用前照灯ハウジングが設けられていない。そのため、請求項1に記載の車両用前照灯(100)では、車両用前照灯(100)の光軸(100’)の調整時に、車両用前照灯ハウジングに対するリフレクタ(5)の位置(姿勢)が調整されるのではなく、車両本体に対するリフレクタ(5)の位置(姿勢)が調整される。
詳細には、請求項1に記載の車両用前照灯(100)では、灯室(100c)内に収容される光源支持部(3a)と、灯室(100c)外に露出せしめられる放熱部(3c)と、金属材料製のリフレクタ(5)の支持部(5b1)に接合されるフランジ部(3b)とを有する金属材料製のヒートシンク(3)が設けられている。
つまり、請求項1に記載の車両用前照灯(100)では、発光素子光源(1a,1b,1c)のメンテナンス時に、複数の発光素子光源(1a,1b,1c)を支持するヒートシンク(3)がリフレクタ(5)から取り外される。すなわち、請求項1に記載の車両用前照灯(100)では、発光素子光源(1a,1b,1c)のメンテナンス時に、車両用前照灯(100)を車両本体から取り外したり、アウターレンズ(9)をリフレクタ(5)から取り外したりする必要がない。
そのため、請求項1に記載の車両用前照灯(100)によれば、光源支持部(3a)とリフレクタ(5)とが一部材によって形成されている特許文献1の図1に記載された車両用前照灯のように、車両用前照灯(100)を車両本体から取り外したり、アウターレンズ(9)をリフレクタ(5)から取り外したりしなければ発光素子光源(1a,1b,1c)のメンテナンスを行うことができない場合よりも、発光素子光源(1a,1b,1c)のメンテナンス性を向上させることができる。
更に、請求項1に記載の車両用前照灯(100)では、ヒートシンク(3)の光源支持部(3a)と放熱部(3c)とを熱的に接続するヒートパイプ(3d)が、ヒートシンク(3)の光源支持部(3a)、フランジ部(3b)および放熱部(3c)内に埋設されている。
そのため、請求項1に記載の車両用前照灯(100)によれば、ヒートパイプ(3d)が設けられていない場合よりも、ヒートシンク(3)の光源支持部(3a)から放熱部(3c)への伝熱性を向上させることができ、発光素子光源(1a,1b,1c)の冷却性を向上させることができる。
また、請求項1に記載の車両用前照灯(100)では、ヒートシンク(3)の放熱部(3c)に放熱フィン(3c1)が形成されている。更に、リフレクタ(5)の後側表面(5b)のうち、ヒートシンク(3)のフランジ部(3b)が接合される支持部(5b1)以外の部分に放熱フィン(5b2a)が形成されている。
つまり、請求項1に記載の車両用前照灯(100)では、発光素子光源(1a,1b,1c)が発生した熱が、ヒートシンク(3)の光源支持部(3a)およびヒートパイプ(3d)を介して放熱部(3c)およびフランジ部(3b)に伝熱される。次いで、ヒートシンク(3)の放熱部(3c)に伝熱された熱が、ヒートシンク(3)の放熱フィン(3c1)から放熱される。更に、ヒートシンク(3)のフランジ部(3b)に伝熱された熱が、金属材料製のリフレクタ(5)に伝熱され、リフレクタ(5)の放熱フィン(5b2a)から放熱される。
そのため、請求項1に記載の車両用前照灯(100)によれば、ヒートシンク(3)またはリフレクタ(5)に放熱フィン(3c1,5b2a)が形成されていない場合よりも、発光素子光源(1a,1b,1c)の冷却性を向上させることができる。
更に、請求項1に記載の車両用前照灯(100)では、ヒートパイプ(3d)をヒートシンク(3)の光源支持部(3a)、フランジ部(3b)および放熱部(3c)内に挿入するための開口(3a4a)が、灯室(100c)外に露出せしめられるヒートシンク(3)のフランジ部(3b)または放熱部(3c)には配置されず、灯室(100c)外に露出せしめられないヒートシンク(3)の光源支持部(3a)のみに配置されている。
詳細には、請求項1に記載の車両用前照灯(100)では、ヒートパイプ(3d)の表面のうち、ヒートパイプ(3d)の前端部以外の部分がヒートシンク(3)によって覆われている。
そのため、請求項1に記載の車両用前照灯(100)によれば、ヒートパイプ(3d)をヒートシンク(3)の光源支持部(3a)、フランジ部(3b)および放熱部(3c)内に挿入するための開口(3a4a)がヒートシンク(3)のフランジ部(3b)または放熱部(3c)に配置されるのに伴って、ヒートパイプ(3d)の表面が灯室(100c)外の湿気などに曝されてしまうおそれを排除することができる。
換言すれば、請求項1に記載の車両用前照灯(100)によれば、発光素子光源(1a,1b,1c)のメンテナンス性および冷却性を向上させると共に、ヒートパイプ(3d)の劣化を抑制することができる。
請求項2に記載の車両用前照灯(100)では、各発光素子光源(1a,1b,1c)からヒートパイプ(3d)までの距離が互いに等しくなるように各発光素子光源(1a,1b,1c)が配置されている。そのため、請求項2に記載の車両用前照灯(100)によれば、すべての発光素子光源(1a,1b,1c)の冷却性を均等に向上させることができる。
請求項3に記載の車両用前照灯(100)では、複数の発光素子光源(1a,1b,1c)が配置されている位置におけるヒートシンク(3)の光源支持部(3a)の肉厚よりも、複数の発光素子光源(1a,1b,1c)が配置されている位置より後側の位置におけるヒートシンク(3)の光源支持部(3a)の肉厚が小さくなるように、ヒートシンク(3)の光源支持部(3a)が形成されている。
つまり、請求項3に記載の車両用前照灯(100)では、発光素子光源(1a,1b,1c)が発生した熱の大部分がヒートパイプ(3d)を介してヒートシンク(3)の放熱部(3c)およびフランジ部(3b)に伝熱されるように、複数の発光素子光源(1a,1b,1c)が配置されている位置より後側の位置におけるヒートシンク(3)の光源支持部(3a)の肉厚が、複数の発光素子光源(1a,1b,1c)が配置されている位置におけるヒートシンク(3)の光源支持部(3a)の肉厚よりも小さくされている。
そのため、請求項3に記載の車両用前照灯(100)によれば、複数の発光素子光源(1a,1b,1c)が配置されている位置におけるヒートシンク(3)の光源支持部(3a)の肉厚と、複数の発光素子光源(1a,1b,1c)が配置されている位置より後側の位置におけるヒートシンク(3)の光源支持部(3a)の肉厚とが等しくされており、発光素子光源(1a,1b,1c)が発生した熱の多くがヒートパイプ(3d)を介することなくヒートシンク(3)の放熱部(3c)およびフランジ部(3b)に伝熱される場合よりも、ヒートパイプ(3d)を介して伝熱される熱の量を増加させることができ、発光素子光源(1a,1b,1c)の冷却性を向上させることができる。
請求項4に記載の車両用前照灯(100)では、すれ違いビーム用配光パターン(P1)の形成時に、第1発光素子光源(1a)および第2発光素子光源(1b)が点灯されると共に、第3発光素子光源(1c)が消灯される。また、走行ビーム用配光パターン(P2)の形成時に、第2発光素子光源(1b)および第3発光素子光源(1c)が点灯されると共に、第1発光素子光源(1a)が消灯される。更に、すれ違いビーム用配光パターン(P1)の形成時における第1発光素子光源(1a)および第2発光素子光源(1b)に対する通電量と、走行ビーム用配光パターン(P2)の形成時における第2発光素子光源(1b)および第3発光素子光源(1c)に対する通電量とが等しくされる。
そのため、請求項4に記載の車両用前照灯(100)によれば、すれ違いビーム用配光パターン(P1)の形成時における車両用前照灯(100)からの照射光の明るさと、走行ビーム用配光パターン(P2)の形成時における車両用前照灯(100)からの照射光の明るさとを等しくすると共に、すれ違いビーム用配光パターン(P1)の形成時におけるヒートパイプ(3d)による伝熱量と走行ビーム用配光パターン(P2)の形成時におけるヒートパイプ(3d)による伝熱量とを等しくすることができる。
請求項5に記載の車両用前照灯(100)では、すれ違いビーム用配光パターン(P1)の形成時に、第1発光素子光源(1a)および第2発光素子光源(1b)が点灯されると共に、第3発光素子光源(1c)が消灯される。また、走行ビーム用配光パターン(P2)の形成時に、第1発光素子光源(1a)、第2発光素子光源(1b)および第3発光素子光源(1c)が点灯される。更に、すれ違いビーム用配光パターン(P1)の形成時における第1発光素子光源(1a)および第2発光素子光源(1b)に対する通電量よりも、走行ビーム用配光パターン(P2)の形成時における第1発光素子光源(1a)および第2発光素子光源(1b)に対する通電量が減少せしめられる。
そのため、請求項5に記載の車両用前照灯(100)によれば、すれ違いビーム用配光パターン(P1)の形成時における車両用前照灯(100)からの照射光の明るさと、走行ビーム用配光パターン(P2)の形成時における車両用前照灯(100)からの照射光の明るさとを等しくすると共に、すれ違いビーム用配光パターン(P1)の形成時におけるヒートパイプ(3d)による伝熱量と走行ビーム用配光パターン(P2)の形成時におけるヒートパイプ(3d)による伝熱量とを等しくすることができる。
以下、本発明の車両用前照灯の第1の実施形態について説明する。図1〜図3は第1の実施形態の車両用前照灯100を示した図である。詳細には、図1(A)は第1の実施形態の車両用前照灯100の正面図、図1(B)は図1(A)のA−A線に沿った概略的な水平断面図、図2(A)は図1(A)のB−B線に沿った概略的な鉛直断面図、図2(B)は図1(A)のC−C線に沿った概略的な鉛直断面図、図3は図1(A)のD−D線に沿った概略的な鉛直断面図である。図4は左上側かつ前側から見た第1の実施形態の車両用前照灯100の分解斜視図である。図5は右上側かつ後側から見た第1の実施形態の車両用前照灯100の斜視図である。
図6〜図8は第1の実施形態の車両用前照灯100の一部を構成する光源モジュール4を示した図である。詳細には、図6(A)は左上側かつ前側から見た光源モジュール4の斜視図、図6(B)は右上側かつ前側から見た光源モジュール4の斜視図である。図7(A)は光源モジュール4の正面図、図7(B)は光源モジュール4の右側面図、図7(C)は図7(A)のE−E線に沿った概略的な鉛直断面図、図8(A)は図7(A)のF−F線に沿った概略的な水平断面図、図8(B)は図7(B)のG−G線に沿った概略的な鉛直断面図である。図9は第1の実施形態の車両用前照灯100の一部を構成するインナーレンズ8の拡大図である。詳細には、図9(A)は図1(A)のB−B線に沿ったインナーレンズ8の鉛直断面図、図9(B)は図1(A)のC−C線に沿ったインナーレンズ8の鉛直断面図である。
図10〜図13は第1の実施形態の車両用前照灯100の光路図である。詳細には、図10(A)は図1(B)に示す水平断面内における発光素子光源1aからの光L1aおよび発光素子光源1bからの光L1bを示した図、図10(B)は図1(B)に示す水平断面内における発光素子光源1aからの光L1a8aおよび発光素子光源1bからの光L1b8bを示した図である。図11は図3に示す鉛直断面内における発光素子光源1cからの光L1cを示した図、図12(A)は図2(A)に示す鉛直断面内における発光素子光源1aからの光L1a8aを概略的に示した図、図12(B)は図2(B)に示す鉛直断面内における発光素子光源1bからの光L1b8bを概略的に示した図である。図13(A)は図9(A)に示す鉛直断面内における発光素子光源1aからの光L1a8aを概略的に示した図、図13(B)は図9(B)に示す鉛直断面内における発光素子光源1bからの光L1b8bを概略的に示した図である。
図14および図15は第1の実施形態の車両用前照灯100によって形成されるすれ違いビーム用配光パターンP1、走行ビーム用配光パターンP2等を示した図である。詳細には、図14(A)は発光素子光源1a,1bからの光によって形成されるすれ違いビーム用配光パターンP1を示している。図14(B)は発光素子光源1aから照射され、リフレクタ5の発光素子光源1a用の放物系反射面5a1aによって反射された反射光により形成される配光パターンP1aを示している。図14(C)は発光素子光源1aから照射され、リフレクタ5の発光素子光源1a用の放物系反射面5a1aの自車線側カットライン形成用反射部5a1a2によって反射された反射光により形成される配光パターンP1a2を示している。図14(D)は発光素子光源1bから照射され、リフレクタ5の発光素子光源1b用の放物系反射面5a1bによって反射された反射光により形成される配光パターンP1bを示している。図15(A)は発光素子光源1aから照射され、インナーレンズ8の発光素子光源1a用の導光部8aを透過せしめられた光により形成される配光パターンP1a8aを示している。図15(B)は発光素子光源1bから照射され、インナーレンズ8の発光素子光源1b用の導光部8bを透過せしめられた光により形成される配光パターンP1b8bを示している。図15(C)は発光素子光源1b,1cからの光によって形成される走行ビーム用配光パターンP2を示している。図15(D)は発光素子光源1cから照射され、リフレクタ5の発光素子光源1c用の放物系反射面5a1cによって反射された反射光により形成される配光パターンP1cを示している。
図16は第2の実施形態の車両用前照灯100の走行ビーム用配光パターンP2等を示した図である。詳細には、図16(A)は発光素子光源1aから照射され、リフレクタ5の発光素子光源1a用の放物系反射面5a1aによって反射された反射光により形成される配光パターンP1aを示している。図16(B)は発光素子光源1bから照射され、リフレクタ5の発光素子光源1b用の放物系反射面5a1bによって反射された反射光により形成される配光パターンP1bを示している。図16(C)は発光素子光源1cから照射され、リフレクタ5の発光素子光源1c用の放物系反射面5a1cによって反射された反射光により形成される配光パターンP1cを示している。図16(D)は図16(A)に示す配光パターンP1a、図16(B)に示す配光パターンP1b、図16(C)に示す配光パターンP1c等を重ね合わせることにより得られる第2の実施形態の車両用前照灯100の走行ビーム用配光パターンP2を示している。
第1の実施形態の車両用前照灯100では、例えばLEDなどのような発光素子光源1a(図1(B)、図2(A)、図4、図6(A)、図8および図9(A)参照)と、発光素子光源1b(図1(B)、図2(B)、図6(B)、図7(B)、図8および図9(B)参照)と、発光素子光源1c(図3、図4、図6(A)、図6(B)、図7(B)、図7(C)、図8(B)および図11参照)とが設けられている。また、発光素子光源1aからの光を反射する放物系反射面5a1a(図1(A)、図1(B)および図2(A)参照)と、発光素子光源1bからの光を反射する放物系反射面5a1b(図1(A)、図1(B)、図2(B)および図4参照)と、発光素子光源1cからの光を反射する放物系反射面5a1c(図1(A)、図2(A)、図2(B)および図3参照)とが、例えばアルミニウムダイキャスト、亜鉛ダイキャストなどのような金属材料によって形成されたリフレクタ5(図1、図2、図3および図4参照)の前側表面5a(図1(B)、図2(A)、図2(B)、図3および図4参照)に形成されている。詳細には、放物系反射面5a1a,5a1b,5a1cが、例えば回転放物面、放物柱面等をベースとする自由曲面によって構成されている。
また、第1の実施形態の車両用前照灯100では、リフレクタ5(図1、図2、図3および図4参照)の放物系反射面5a1a(図1(A)、図1(B)および図2(A)参照)からの反射光L1a(図10(A)参照)によって配光パターンP1a(図14(B)参照)が形成されるように、リフレクタ5の放物系反射面5a1aが構成されている。詳細には、リフレクタ5の放物系反射面5a1aの自車線側カットライン形成用反射部5a1a2(図1(A)参照)からの反射光によって配光パターンP1a2(図14(C)参照)が形成されるように、リフレクタ5の放物系反射面5a1aの自車線側カットライン形成用反射部5a1a2が構成されている。更に詳細には、放物系反射面5a1aの焦点上またはその近傍に発光素子光源1a(図1(B)、図2(A)、図4、図6(A)、図8および図9(A)参照)が配置されている。
更に、第1の実施形態の車両用前照灯100では、リフレクタ5(図1、図2、図3および図4参照)の放物系反射面5a1b(図1(A)、図1(B)および図2(B)参照)からの反射光L1b(図10(A)参照)によって配光パターンP1b(図14(D)参照)が形成されるように、リフレクタ5の放物系反射面5a1bが構成されている。詳細には、放物系反射面5a1bの焦点上またはその近傍に発光素子光源1b(図1(B)、図2(B)、図6(B)、図7(B)、図8および図9(B)参照)が配置されている。
つまり、第1の実施形態の車両用前照灯100では、発光素子光源1a(図1(B)、図2(A)、図4、図6(A)、図8および図9(A)参照)と、発光素子光源1b(図1(B)、図2(B)、図6(B)、図7(B)、図8および図9(B)参照)とを点灯することにより、すれ違いビーム用配光パターンP1(図14(A)参照)を形成することができる。
また、第1の実施形態の車両用前照灯100では、リフレクタ5(図1、図2、図3および図4参照)の放物系反射面5a1c(図1(A)、図2(A)、図2(B)、図3および図11参照)からの反射光L1c(図11参照)によって配光パターンP1c(図15(D)参照)が形成されるように、リフレクタ5の放物系反射面5a1cが構成されている。詳細には、放物系反射面5a1cの焦点上またはその近傍に発光素子光源1c(図3、図4、図6(A)、図6(B)、図7(B)、図7(C)、図8(B)および図11参照)が配置されている。
つまり、第1の実施形態の車両用前照灯100では、発光素子光源1b(図1(B)、図2(B)、図6(B)、図7(B)、図8および図9(B)参照)と、発光素子光源1c(図3、図4、図6(A)、図6(B)、図7(B)、図7(C)、図8(B)および図11参照)とを点灯することにより、走行ビーム用配光パターンP2(図15(C)参照)を形成することができる。
詳細には、第1の実施形態の車両用前照灯100では、基板2a(図1(B)、図4、図6、図7(A)および図8参照)に搭載された発光素子光源1a(図1(B)、図2(A)、図4、図6(A)、図8および図9(A)参照)が、例えばアルミニウムダイキャスト、亜鉛ダイキャストなどのような金属材料によって形成されたヒートシンク3(図1(B)、図4、図6、図7および図8参照)の光源支持部3a(図1(B)、図4、図6、図7および図8参照)の左側面3a1(図1(B)、図4および図6(A)参照)上に配置されている。また、基板2b(図1(B)、図6、図7(A)、図7(B)および図8参照)に搭載された発光素子光源1b(図1(B)、図2(B)、図6(B)、図7(B)、図8および図9(B)参照)が、ヒートシンク3の光源支持部3aの右側面3a2(図1(B)および図6(B)参照)上に配置されている。更に、基板2c(図4、図6、図7および図8(B)参照)に搭載された発光素子光源1c(図3、図4、図6(A)、図6(B)、図7(B)、図7(C)、図8(B)および図11参照)が、ヒートシンク3の光源支持部3aの上面3a3(図4および図6参照)上に配置されている。更に、ヒートシンク3の光源支持部3aがリフレクタ5(図1、図2、図3および図4参照)の中心軸線5’(図1(A)、図1(B)および図3参照)上に配置されている。また、発光素子光源1a,1b,1cと基板2a,2b,2cとヒートシンク3とによって光源モジュール4(図1(B)、図4、図6、図7および図8参照)が構成されている。更に、光源モジュール4が例えばねじ止めなどによってリフレクタ5(図1、図2、図3および図4参照)に接続されている。詳細には、ヒートシンク3のフランジ部3b(図1(B)、図4、図6、図7および図8(A)参照)が、リフレクタ5の後側表面5b(図1(B)、図2、図3および図4参照)の支持部5b1(図1(B)、図2、図3および図4参照)によって支持されている。
更に、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図1(B)および図3に示すように、リフレクタ5とアウターレンズ9とによって画定される灯室100c内に発光素子光源1a,1b,1cが配置されている。また、図1(B)に示すように、ヒートシンク3の光源支持部3aが、リフレクタ5の前側表面5aから灯室100c内に突出せしめられている。更に、リフレクタ5が車両用前照灯ハウジングとしての機能を有する。
つまり、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図1(B)、図4および図5に示すように、リフレクタ5とは別個に車両用前照灯ハウジングが設けられていない。そのため、第1の実施形態の車両用前照灯100では、車両用前照灯100の光軸100’(図1(B)および図3参照)の調整時に、車両用前照灯ハウジングに対するリフレクタ5の位置(姿勢)が調整されるのではなく、車両本体に対するリフレクタ5の位置(姿勢)が調整される。
詳細には、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図1(B)に示すように灯室100c内に収容される光源支持部3a(図6、図7および図8参照)と、図1(B)および図5に示すように灯室100c(図1(B)参照)外に露出せしめられる放熱部3c(図6、図7および図8参照)と、図1(B)に示すようにリフレクタ5の支持部5b1に接合されるフランジ部3b(図6、図7および図8参照)とを有するヒートシンク3(図6、図7および図8参照)が設けられている。
つまり、第1の実施形態の車両用前照灯100では、例えば発光素子光源1a,1b,1c(図6参照)のメンテナンス時に、図4に示すように発光素子光源1a,1b,1cを支持するヒートシンク3がリフレクタ5から取り外される。すなわち、第1の実施形態の車両用前照灯100では、発光素子光源1a,1b,1cのメンテナンス時に、車両用前照灯100を車両本体(図示せず)から取り外したり、図4に示すようにアウターレンズ9をリフレクタ5から取り外したりする必要がない。そのため、第1の実施形態の車両用前照灯100によれば、光源支持部3aとリフレクタ5とが一部材によって形成されている特許文献1の図1に記載された車両用前照灯のように、車両用前照灯100を車両本体から取り外したり、アウターレンズ9をリフレクタ5から取り外したりしなければ発光素子光源1a,1b,1cのメンテナンスを行うことができない場合よりも、発光素子光源1a,1b,1cのメンテナンス性を向上させることができる。
更に、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図7(C)および図8(A)に示すように、ヒートシンク3の光源支持部3aと放熱部3cとを熱的に接続するために、例えば特開2006−308240号公報の図1に記載されているような公知のヒートパイプ3dが、ヒートシンク3の光源支持部3a、フランジ部3bおよび放熱部3c内に埋設されている。詳細には、ヒートパイプ3dを収容するための穴がヒートシンク3に予め形成され、次いで、その穴にヒートパイプ3dが挿入され、次いで、例えば熱拡管法などによってヒートパイプ3dがその穴に固定される。そのため、第1の実施形態の車両用前照灯100によれば、ヒートパイプ3dが設けられていない場合よりも、ヒートシンク3の光源支持部3aから放熱部3cへの伝熱性を向上させることができ、発光素子光源1a,1b,1c(図7(C)および図8(A)参照)の冷却性を向上させることができる。
また、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図1(B)、図5および図8(A)に示すように、ヒートシンク3の放熱部3cに放熱フィン3c1が形成されている。更に、図1(B)および図5に示すように、リフレクタ5の後側表面5bのうち、ヒートシンク3のフランジ部3b(図1(B)参照)が接合される支持部5b1(図1(B)参照)以外の部分である放熱部5b2に放熱フィン5b2aが形成されている。つまり、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図7(C)および図8(A)に示すように、発光素子光源1a,1b,1cが発生した熱が、ヒートシンク3の光源支持部3aおよびヒートパイプ3dを介して放熱部3cおよびフランジ部3bに伝熱される。次いで、ヒートシンク3の放熱部3cに伝熱された熱が、ヒートシンク3の放熱フィン3c1(図1(B)、図5および図8(A)参照)から放熱される。更に、図1(B)に示すように、ヒートシンク3のフランジ部3bに伝熱された熱が、リフレクタ5に伝熱され、リフレクタ5の放熱フィン5b2a(図1(B)および図5参照)から放熱される。そのため、第1の実施形態の車両用前照灯100によれば、ヒートシンク3またはリフレクタ5に放熱フィン3c1,5b2aが形成されていない場合よりも、発光素子光源1a,1b,1cの冷却性を向上させることができる。
更に、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図6〜図8に示すように、ヒートパイプ3dをヒートシンク3の光源支持部3a、フランジ部3bおよび放熱部3c内に挿入するための開口(穴の入口)3a4aが、灯室100c(図1(B)参照)外に露出せしめられるヒートシンク3のフランジ部3bまたは放熱部3cには配置されず、灯室100c(図1(B)参照)外に露出せしめられないヒートシンク3の光源支持部3aの前面3a4のみに配置されている。詳細には、第1の実施形態の車両用前照灯100では、ヒートパイプ3dの表面のうち、ヒートパイプ3dの前端部(図7(C)の左端部、図8(A)の下端部)以外の部分がヒートシンク3によって覆われている。そのため、第1の実施形態の車両用前照灯100によれば、ヒートパイプ3dをヒートシンク3の光源支持部3a、フランジ部3bおよび放熱部3c内に挿入するための開口3a4aがヒートシンク3のフランジ部3bまたは放熱部3cに配置されるのに伴って、ヒートパイプ3dの表面が灯室100c(図1(B)参照)外の湿気などに曝されてしまうおそれを排除することができる。
また、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図8(B)に示すように、発光素子光源1aからヒートパイプ3dまでの距離d1aと、発光素子光源1bからヒートパイプ3dまでの距離d1bと、発光素子光源1cからヒートパイプ3dまでの距離d1cとが互いに等しくなるように、ヒートシンク3の光源支持部3aが形成され、各発光素子光源1a,1b,1cが配置されている。そのため、第1の実施形態の車両用前照灯100によれば、すべての発光素子光源1a,1b,1cの冷却性を均等に向上させることができ、その結果、発光素子光源1a,1b,1cの昇温に伴う発光素子光源1a,1b,1cからの光束の低減を均等に抑制することができる。
更に、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図8(A)に示すように、発光素子光源1aが配置されている位置におけるヒートシンク3の光源支持部3aの肉厚t1aよりも、発光素子光源1aが配置されている位置より後側(図8(A)の上側)の位置におけるヒートシンク3の光源支持部3aの肉厚t2aが小さくなるように、ヒートシンク3の光源支持部3aが形成されている。また、図8(A)に示すように、発光素子光源1bが配置されている位置におけるヒートシンク3の光源支持部3aの肉厚t1bよりも、発光素子光源1bが配置されている位置より後側(図8(A)の上側)の位置におけるヒートシンク3の光源支持部3aの肉厚t2bが小さくなるように、ヒートシンク3の光源支持部3aが形成されている。更に、図7(C)に示すように、発光素子光源1cが配置されている位置におけるヒートシンク3の光源支持部3aの肉厚t1cよりも、発光素子光源1cが配置されている位置より後側(図7(C)の右い側)の位置におけるヒートシンク3の光源支持部3aの肉厚t2cが小さくなるように、ヒートシンク3の光源支持部3aが形成されている。
つまり、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図7(C)および図8(A)に示すように、発光素子光源1a,1b,1cが発生した熱の大部分がヒートシンク3の光源支持部3aからヒートパイプ3dを介してヒートシンク3の放熱部3cおよびフランジ部3bに伝熱されるように、発光素子光源1a,1b,1cが配置されている位置より後側(図7(C)の右側、図8(A)の上側)の位置におけるヒートシンク3の光源支持部3aの肉厚t2a,t2b,t2cが、発光素子光源1a,1b,1cが配置されている位置におけるヒートシンク3の光源支持部3aの肉厚t1a,t1b,t1cよりも小さくされている。そのため、第1の実施形態の車両用前照灯100によれば、発光素子光源1a,1b,1cが配置されている位置におけるヒートシンク3の光源支持部3aの肉厚t1a,t1b,t1cと、発光素子光源1a,1b,1cが配置されている位置より後側(図7(C)の右側、図8(A)の上側)の位置におけるヒートシンク3の光源支持部3aの肉厚t2a,t2b,t2cとが等しくされており、発光素子光源1a,1b,1cが発生した熱の多くがヒートシンク3の光源支持部3aからヒートパイプ3dを介することなくヒートシンク3の放熱部3cおよびフランジ部3bに伝熱される場合よりも、ヒートパイプ3dを介して伝熱される熱の量を増加させることができ、発光素子光源1a,1b,1cの冷却性を向上させることができる。
また、第1の実施形態の車両用前照灯100では、発光素子光源1a(図1(B)、図2(A)、図4、図6(A)、図8および図9(A)参照)から車両用前照灯100の照射方向の前側(図1(B)の下側、図2(A)の左側)に放射される光のうち、リフレクタ5(図1、図2、図3および図4参照)の放物系反射面5a1a(図1(A)、図1(B)および図2(A)参照)に入射しない光を配光制御する導光部8a(図1、図2(A)、図4および図9(A)参照)と、発光素子光源1b(図1(B)、図2(B)、図6(B)、図7(B)、図8および図9(B)参照)から車両用前照灯100の照射方向の前側に放射される光のうち、リフレクタ5の放物系反射面5a1b(図1(A)、図1(B)、図2(B)および図4参照)に入射しない光を配光制御する導光部8b(図1、図2(B)、図4および図9(B)参照)とを有するインナーレンズ8(図1(A)、図2、図4および図9参照)が設けられている。詳細には、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図4に示すように、点灯回路基板6などを覆うためのエクステンション7が、例えばねじ止めなどによってリフレクタ5に接続されている。また、例えばフック止め(スナップフィット)などによって、インナーレンズ8がエクステンション7に接続されている。更に、例えばフック止めなどによって、アウターレンズ9がハウジング5に接続されている。
更に、第1の実施形態の車両用前照灯100では、発光素子光源1a(図1(B)、図2(A)、図4、図6(A)、図8および図9(A)参照)から車両用前照灯100の照射方向の前側(図1(B)の下側、図2(A)の左側)に放射される上向きの光のうち、リフレクタ5(図1、図2、図3および図4参照)の放物系反射面5a1a(図1(A)、図1(B)および図2(A)参照)に入射しない光L1aU1,L1aU2(図13(A)参照)を屈折させて水平光または下向きの光L1a8a(図13(A)参照)を出射する屈折部8a1(図2(A)および図9(A)参照)が、インナーレンズ8(図1(A)、図2、図4および図9参照)の導光部8a(図1、図2(A)、図4および図9(A)参照)に設けられている。そのため、第1の実施形態の車両用前照灯100によれば、発光素子光源1aから車両用前照灯100の照射方向の前側に放射される上向きの光L1aU1,L1aU2が車両用前照灯100の照射方向の前側にグレア光として照射されてしまうおそれを排除することができる。更に、第1の実施形態の車両用前照灯100によれば、発光素子光源1aから車両用前照灯100の照射方向の前側に放射される上向きの光L1aU1,L1aU2がシェードによって遮られ、車両用前照灯100の照射方向の前側に照射されない特許文献1の段落〔0018〕、図1および図4に記載された車両用前照灯よりも、発光素子光源1aからの光の利用効率を向上させることができる。
また、第1の実施形態の車両用前照灯100では、発光素子光源1b(図1(B)、図2(B)、図6(B)、図7(B)、図8および図9(B)参照)から車両用前照灯100の照射方向の前側(図1(B)の下側、図2(B)の左側)に放射される上向きの光のうち、リフレクタ5(図1、図2、図3および図4参照)の放物系反射面5a1b(図1(A)、図1(B)、図2(B)および図4参照)に入射しない光L1bU1,L1bU2(図13(B)参照)を屈折させて水平光または下向きの光L1b8b(図13(B)参照)を出射する屈折部8b1(図2(B)および図9(B)参照)が、インナーレンズ8(図1(A)、図2、図4および図9参照)の導光部8b(図1、図2(B)、図4および図9(B)参照)に設けられている。そのため、第1の実施形態の車両用前照灯100によれば、発光素子光源1bから車両用前照灯100の照射方向の前側に放射される上向きの光L1bU1,L1bU2が車両用前照灯100の照射方向の前側にグレア光として照射されてしまうおそれを排除することができる。更に、第1の実施形態の車両用前照灯100によれば、発光素子光源1bから車両用前照灯100の照射方向の前側に放射される上向きの光L1bU1,L1bU2がシェードによって遮られ、車両用前照灯100の照射方向の前側に照射されない特許文献1の段落〔0019〕、図1および図4に記載された車両用前照灯よりも、発光素子光源1bからの光の利用効率を向上させることができる。
詳細には、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図1(B)に示すように、リフレクタ5の中心軸線5’を含む鉛直面の左側に発光素子光源1aおよび放物系反射面5a1aが配置され、リフレクタ5の中心軸線5’を含む鉛直面の右側に発光素子光源1bおよび放物系反射面5a1bが配置されている。更に、図3に示すように、リフレクタ5の中心軸線5’を含む水平面の上側に発光素子光源1cおよび放物系反射面5a1cが配置されている。
更に、第1の実施形態の車両用前照灯100では、インナーレンズ8(図1(A)、図2、図3、図4および図9参照)の導光部8a(図1、図2(A)、図4および図9(A)参照)の屈折部8a1(図2(A)および図9(A)参照)が、リフレクタ5(図1、図2、図3および図4参照)の放物系反射面5a1a(図1(A)、図1(B)および図2(A)参照)の前端部5a1a1(図1(B)参照)よりも車両用前照灯100の照射方向の後側(図1(B)の上側)に配置されている。また、インナーレンズ8の導光部8b(図1、図2(B)、図4および図9(B)参照)の屈折部8b1(図2(B)および図9(B)参照)が、リフレクタ5の放物系反射面5a1b(図1(A)、図1(B)および図2(B)参照)の前端部5a1b1(図1(B)および図4参照)よりも車両用前照灯100の照射方向の後側(図1(B)の上側)に配置されている。そのため、第1の実施形態の車両用前照灯100によれば、インナーレンズ8の導光部8aの屈折部8a1がリフレクタ5の放物系反射面5a1aの前端部5a1a1よりも車両用前照灯100の照射方向の前側(図1(B)の下側)に配置されている場合や、インナーレンズ8の導光部8bの屈折部8b1がリフレクタ5の放物系反射面5a1bの前端部5a1b1よりも車両用前照灯100の照射方向の前側(図1(B)の下側)に配置されている場合よりも、車両用前照灯100全体の前後方向寸法(照射方向寸法)(図1(B)の上下方向寸法)を小型化することができる。
また、第1の実施形態の車両用前照灯100では、発光素子光源1a(図1(B)、図2(A)、図4、図6(A)、図8および図9(A)参照)の光軸1a1(図1(B)参照)が車両用前照灯100の左後向き(図1(B)の左上向き)に指向せしめられている。そのため、第1の実施形態の車両用前照灯100によれば、発光素子光源1aの光軸1a1が車両用前照灯100の左向き(図1(B)の左向き)に指向せしめられている場合や、発光素子光源1aの光軸1a1が車両用前照灯100の左前向き(図1(B)の左下向き)に指向せしめられている場合よりも、発光素子光源1aから車両用前照灯100の照射方向の前側(図1(B)の下側)に放射される光の量を少なくすることができ、その結果、インナーレンズ8(図1(A)、図2、図4および図9参照)の導光部8a(図1、図2(A)、図4および図9(A)参照)の屈折部8a1(図2(A)および図9(A)参照)を小さくすることができる。
更に、第1の実施形態の車両用前照灯100では、発光素子光源1b(図1(B)、図2(B)、図6(B)、図7(B)、図8および図9(B)参照)の光軸1b1(図1(B)参照)が車両用前照灯100の右後向き(図1(B)の右上向き)に指向せしめられている。そのため、第1の実施形態の車両用前照灯100によれば、発光素子光源1bの光軸1b1が車両用前照灯100の右向き(図1(B)の右向き)に指向せしめられている場合や、発光素子光源1bの光軸1b1が車両用前照灯100の右前向き(図1(B)の右下向き)に指向せしめられている場合よりも、発光素子光源1bから車両用前照灯100の照射方向の前側(図1(B)の下側)に放射される光の量を少なくすることができ、その結果、インナーレンズ8(図1(A)、図2、図4および図9参照)の導光部8b(図1、図2(B)、図4および図9(B)参照)の屈折部8b1(図2(B)および図9(B)参照)を小さくすることができる。
また、第1の実施形態の車両用前照灯100では、インナーレンズ8(図1(A)、図2、図4および図9参照)の導光部8a(図1、図2(A)、図4および図9(A)参照)の屈折部8a1(図2(A)および図9(A)参照)に入射面8a1a(図9(A)参照)と出射面8a1b1,8a1b2(図9(A)参照)とが設けられている。
更に、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図13(A)に示すように、発光素子光源1aを含む水平面H1aに対して第1の角度をなして発光素子光源1aから車両用前照灯100の照射方向の前側(図13(A)の左側)に放射される上向きの光L1aU1が、インナーレンズ8の導光部8aの屈折部8a1(図2(A)および図9(A)参照)の入射面8a1a(図9(A)参照)に入射する時に屈折せしめられ、次いで、インナーレンズ8の導光部8aの屈折部8a1の出射面8a1b1から出射する時に屈折せしめられ、水平光または下向きの光L1a8aとなって車両用前照灯100の照射方向の前側(図13(A)の左側)に照射される。
また、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図13(A)に示すように、発光素子光源1aを含む水平面H1aに対して第1の角度より大きい第2の角度をなして発光素子光源1aから車両用前照灯100の照射方向の前側(図13(A)の左側)に放射される上向きの光L1aU2が、インナーレンズ8の導光部8aの屈折部8a1(図2(A)および図9(A)参照)の入射面8a1a(図9(A)参照)に入射する時に屈折せしめられ、次いで、インナーレンズ8の導光部8aの屈折部8a1の出射面8a1b2から出射する時に屈折せしめられ、水平光または下向きの光L1a8aとなって車両用前照灯100の照射方向の前側(図13(A)の左側)に照射される。
詳細には、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図9(A)に示すように、インナーレンズ8の導光部8aの屈折部8a1の出射面8a1b1の上端部8a1b1bが、インナーレンズ8の導光部8aの屈折部8a1の出射面8a1b2の下端部8a1b2aよりも車両用前照灯100の照射方向の後側(図9(A)の右側)に配置されている。そのため、第1の実施形態の車両用前照灯100によれば、インナーレンズ8の導光部8aの屈折部8a1の出射面8a1b1の上端部8a1b1bがインナーレンズ8の導光部8aの屈折部8a1の出射面8a1b2の下端部8a1b2aよりも車両用前照灯100の照射方向の後側(図9(A)の右側)に配置されていない場合よりも、インナーレンズ8の導光部8aの屈折部8a1のうち、発光素子光源1aを含む水平面H1aに対して第1の角度をなして発光素子光源1aから車両用前照灯100の照射方向の前側に放射される上向きの光L1aU1(図13(A)参照)が透過せしめられる部分の厚さ寸法(入射面8a1aと出射面8a1b1との間隔)を小さくすることができる。
また、第1の実施形態の車両用前照灯100では、インナーレンズ8(図1(A)、図2、図4および図9参照)の導光部8b(図1、図2(B)、図4および図9(B)参照)の屈折部8b1(図2(B)および図9(B)参照)に入射面8b1a(図9(B)参照)と出射面8b1b1,8b1b2(図9(B)参照)とが設けられている。
更に、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図13(B)に示すように、発光素子光源1bを含む水平面H1bに対して第3の角度をなして発光素子光源1bから車両用前照灯100の照射方向の前側(図13(B)の左側)に放射される上向きの光L1bU1が、インナーレンズ8の導光部8bの屈折部8b1(図2(B)および図9(B)参照)の入射面8b1a(図9(B)参照)に入射する時に屈折せしめられ、次いで、インナーレンズ8の導光部8bの屈折部8b1の出射面8b1b1から出射する時に屈折せしめられ、水平光または下向きの光L1b8bとなって車両用前照灯100の照射方向の前側(図13(B)の左側)に照射される。
また、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図13(B)に示すように、発光素子光源1bを含む水平面H1bに対して第3の角度より大きい第4の角度をなして発光素子光源1bから車両用前照灯100の照射方向の前側(図13(B)の左側)に放射される上向きの光L1bU2が、インナーレンズ8の導光部8bの屈折部8b1(図2(B)および図9(B)参照)の入射面8b1a(図9(B)参照)に入射する時に屈折せしめられ、次いで、インナーレンズ8の導光部8bの屈折部8b1の出射面8b1b2から出射する時に屈折せしめられ、水平光または下向きの光L1b8bとなって車両用前照灯100の照射方向の前側(図13(B)の左側)に照射される。
詳細には、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図9(B)に示すように、インナーレンズ8の導光部8bの屈折部8b1の出射面8b1b1の上端部8b1b1bが、インナーレンズ8の導光部8bの屈折部8b1の出射面8b1b2の下端部8b1b2aよりも車両用前照灯100の照射方向の後側(図9(B)の右側)に配置されている。そのため、第1の実施形態の車両用前照灯100によれば、インナーレンズ8の導光部8bの屈折部8b1の出射面8b1b1の上端部8b1b1bがインナーレンズ8の導光部8bの屈折部8b1の出射面8b1b2の下端部8b1b2aよりも車両用前照灯100の照射方向の後側(図9(B)の右側)に配置されていない場合よりも、インナーレンズ8の導光部8bの屈折部8b1のうち、発光素子光源1bを含む水平面H1bに対して第3の角度をなして発光素子光源1bから車両用前照灯100の照射方向の前側に放射される上向きの光L1bU1(図13(B)参照)が透過せしめられる部分の厚さ寸法(入射面8b1aと出射面8b1b1との間隔)を小さくすることができる。
更に、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図13(A)に示すように、発光素子光源1aから車両用前照灯100の照射方向の前側(図13(A)の左側)に放射される水平光または下向きの光のうち、リフレクタ5(図1、図2、図3および図4参照)の放物系反射面5a1a(図1(A)、図1(B)および図2(A)参照)に入射しない光L1aDを素通りさせて水平光または下向きの光L1a8aを出射する素通し部8a2(図2(A)および図9(A)参照)が、インナーレンズ8の導光部8aに設けられている。詳細には、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図13(A)に示すように、発光素子光源1aから車両用前照灯100の照射方向の前側(図13(A)の左側)に放射される水平光または下向きの光のうち、リフレクタ5の放物系反射面5a1aに入射しない光L1aDが、インナーレンズ8の導光部8aの素通し部8a2の入射面8a2aを透過せしめられ、次いで、出射面8a2bを透過せしめられ、水平光または下向きの光L1a8aとなって車両用前照灯100の照射方向の前側(図13(A)の左側)に照射される。そのため、第1の実施形態の車両用前照灯100によれば、発光素子光源1aから車両用前照灯100の照射方向の前側(図13(A)の左側)に放射される水平光または下向きの光L1aDがインナーレンズ8の導光部8aによって屈折せしめられ、上向きのグレア光となって車両用前照灯100の照射方向の前側(図13(A)の左側)に照射されてしまうおそれを排除することができる。更に、第1の実施形態の車両用前照灯100によれば、発光素子光源1aから車両用前照灯100の照射方向の前側(図13(A)の左側)に放射される下向きの光L1aDが遮光部材によって遮られ、車両用前照灯100の照射方向の前側(図13(A)の左側)に照射されない場合よりも、発光素子光源1aからの光の利用効率を向上させることができる。
また、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図13(B)に示すように、発光素子光源1bから車両用前照灯100の照射方向の前側(図13(B)の左側)に放射される水平光または下向きの光のうち、リフレクタ5(図1、図2、図3および図4参照)の放物系反射面5a1b(図1(A)、図1(B)、図2(B)および図4参照)に入射しない光L1bDを素通りさせて水平光または下向きの光L1b8bを出射する素通し部8b2(図2(B)および図9(B)参照)が、インナーレンズ8の導光部8bに設けられている。詳細には、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図13(B)に示すように、発光素子光源1bから車両用前照灯100の照射方向の前側(図13(B)の左側)に放射される水平光または下向きの光のうち、リフレクタ5の放物系反射面5a1bに入射しない光L1bDが、インナーレンズ8の導光部8bの素通し部8b2の入射面8b2aを透過せしめられ、次いで、出射面8b2bを透過せしめられ、水平光または下向きの光L1b8bとなって車両用前照灯100の照射方向の前側(図13(B)の左側)に照射される。そのため、第1の実施形態の車両用前照灯100によれば、発光素子光源1bから車両用前照灯100の照射方向の前側(図13(B)の左側)に放射される水平光または下向きの光L1bDがインナーレンズ8の導光部8bによって屈折せしめられ、上向きのグレア光となって車両用前照灯100の照射方向の前側(図13(B)の左側)に照射されてしまうおそれを排除することができる。更に、発光素子光源1bから車両用前照灯100の照射方向の前側(図13(B)の左側)に放射される下向きの光L1bDが遮光部材によって遮られ、車両用前照灯100の照射方向の前側(図13(B)の左側)に照射されない場合よりも、発光素子光源1bからの光の利用効率を向上させることができる。
更に、第1の実施形態の車両用前照灯100では、インナーレンズ8(図1(A)、図2、図4および図9参照)の導光部8a(図1、図2(A)、図4および図9(A)参照)の素通し部8a2(図2(A)および図9(A)参照)が、リフレクタ5(図1、図2および図4参照)の放物系反射面5a1a(図1(A)、図1(B)および図2(A)参照)の前端部5a1a1(図1(B)参照)よりも車両用前照灯100の照射方向の後側(図1(B)の上側、図2(A)の右側、図9(A)の右側)に配置されている。また、インナーレンズ8の導光部8b(図1、図2(B)、図4および図9(B)参照)の素通し部8b2(図2(B)および図9(B)参照)が、リフレクタ5の放物系反射面5a1b(図1(A)、図1(B)、図2(B)および図4参照)の前端部5a1b1(図1(B)および図4参照)よりも車両用前照灯100の照射方向の後側(図1(B)の上側、図2(B)の右側、図9(B)の右側)に配置されている。そのため、第1の実施形態の車両用前照灯100によれば、インナーレンズ8の導光部8aの素通し部8a2がリフレクタ5の放物系反射面5a1aの前端部5a1a1よりも車両用前照灯100の照射方向の前側に配置されている場合や、インナーレンズ8の導光部8bの素通し部8b2がリフレクタ5の放物系反射面5a1bの前端部5a1b1よりも車両用前照灯100の照射方向の前側に配置されている場合よりも、車両用前照灯100全体の前後方向寸法(照射方向寸法)を小型化することができる。
詳細には、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図13(A)に示すように、インナーレンズ8の導光部8aの屈折部8a1(図2(A)および図9(A)参照)の出射面8a1b1から出射する光L1a8aと、インナーレンズ8の導光部8aの屈折部8a1(図2(A)および図9(A)参照)の出射面8a1b2から出射する光L1a8aと、インナーレンズ8の導光部8aの素通し部8a2(図2(A)および図9(A)参照)の出射面8a2bから出射する光L1a8aとによって配光パターンP1a8a(図15(A)参照)が形成される。更に、図13(B)に示すように、インナーレンズ8の導光部8bの屈折部8b1(図2(B)および図9(B)参照)の出射面8b1b1から出射する光L1b8bと、インナーレンズ8の導光部8bの屈折部8b1(図2(B)および図9(B)参照)の出射面8b1b2から出射する光L1b8bと、インナーレンズ8の導光部8bの素通し部8b2(図2(B)および図9(B)参照)の出射面8b2bから出射する光L1b8bとによって配光パターンP1b8b(図15(B)参照)が形成される。
換言すれば、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図10(A)に示すように、リフレクタ5の放物系反射面5a1a(図1(A)および図1(B)参照)からの反射光L1aおよびリフレクタ5の放物系反射面5a1b(図1(A)および図1(B)参照)からの反射光L1bが、すれ違いビーム用配光パターンP1(図14(A)参照)を形成するために用いられるのみならず、図12(A)、図12(B)、図13(A)および図13(B)に示すように、インナーレンズ8の導光部8aの屈折部8a1(図2(A)および図9(A)参照)の出射面8a1b1から出射する光L1a8a、インナーレンズ8の導光部8aの屈折部8a1(図2(A)および図9(A)参照)の出射面8a1b2から出射する光L1a8a、インナーレンズ8の導光部8aの素通し部8a2(図2(A)および図9(A)参照)の出射面8a2bから出射する光L1a8a、インナーレンズ8の導光部8bの屈折部8b1(図2(B)および図9(B)参照)の出射面8b1b1から出射する光L1b8b、インナーレンズ8の導光部8bの屈折部8b1(図2(B)および図9(B)参照)の出射面8b1b2から出射する光L1b8b、および、インナーレンズ8の導光部8bの素通し部8b2(図2(B)および図9(B)参照)の出射面8b2bから出射する光L1b8bのすべてが、すれ違いビーム用配光パターンP1(図14(A)参照)を形成するために用いられる。
そのため、第1の実施形態の車両用前照灯100によれば、インナーレンズ8の導光部8aの屈折部8a1の出射面8a1b1から出射する光L1a8a、インナーレンズ8の導光部8aの屈折部8a1の出射面8a1b2から出射する光L1a8a、インナーレンズ8の導光部8aの素通し部8a2の出射面8a2bから出射する光L1a8a、インナーレンズ8の導光部8bの屈折部8b1の出射面8b1b1から出射する光L1b8b、インナーレンズ8の導光部8bの屈折部8b1の出射面8b1b2から出射する光L1b8b、および、インナーレンズ8の導光部8bの素通し部8b2の出射面8b2bから出射する光L1b8bのいずれかがすれ違いビーム用配光パターンP1を形成するために用いられない場合よりも、発光素子光源1a,1bからの光がすれ違いビーム用配光パターンP1を形成するために用いられる効率を向上させることができる。
更に、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図4に示すように、導光部8aの素通し部8a2(図2(A)および図9(A)参照)と導光部8bの素通し部8b2(図2(B)および図9(B)参照)とを連結する連結部8cが、インナーレンズ8に設けられている。また、イルミネーション光(図示せず)を出射する前側表面8d2と後側表面8d1(図9参照)とを有する出射部8dがインナーレンズ8に設けられている。
また、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図2(A)および図2(B)に示すように、リフレクタ5の内側表面5aのうち、放物系反射面5a1a,5a1b,5a1c以外の部分に鏡面加工を施すことによりイルミネーション光用反射面5a2が形成されている。
更に、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図4に示すように、発光素子光源1aからの光を拡散させて反射するための拡散部7aと、発光素子光源1b(図6(B)参照)からの光を拡散させて反射するための拡散部7bと、ヒートシンク3の光源支持部3aを覆うための化粧部7cと、点灯回路基板6を覆うための化粧部7dとが、エクステンション7に設けられている。更に、インナーレンズ8の導光部8a,8bおよび連結部8cを挿入するための開口部7d1が、エクステンション7の化粧部7dに形成されている。
また、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図10(A)および図11に示すように、リフレクタ5の放物系反射面5a1b(図1(A)および図1(B)参照)からの反射光L1b(図10(A)参照)およびリフレクタ5の放物系反射面5a1c(図1(A)および図3参照)からの反射光L1c(図11参照)が、走行ビーム用配光パターンP2(図15(C)参照)を形成するために用いられるのみならず、図13(B)に示すように、インナーレンズ8の導光部8bの屈折部8b1(図2(B)および図9(B)参照)の出射面8b1b1から出射する光L1b8b、インナーレンズ8の導光部8bの屈折部8b1(図2(B)および図9(B)参照)の出射面8b1b2から出射する光L1b8b、および、インナーレンズ8の導光部8bの素通し部8b2(図2(B)および図9(B)参照)の出射面8b2bから出射する光L1b8bのすべてが、走行ビーム用配光パターンP2(図15(C)参照)を形成するために用いられる。
そのため、第1の実施形態の車両用前照灯100によれば、インナーレンズ8の導光部8bの屈折部8b1の出射面8b1b1から出射する光L1b8b、インナーレンズ8の導光部8bの屈折部8b1の出射面8b1b2から出射する光L1b8b、および、インナーレンズ8の導光部8bの素通し部8b2の出射面8b2bから出射する光L1b8bのいずれかが走行ビーム用配光パターンP2を形成するために用いられない場合よりも、発光素子光源1bからの光が走行ビーム用配光パターンP2を形成するために用いられる効率を向上させることができる。
更に、第1の実施形態の車両用前照灯100では、すれ違いビーム用配光パターンP1(図14(A)参照)の形成時に、発光素子光源1a,1b(図1(B)、図2および図6参照)が点灯されると共に、発光素子光源1c(図3、図4および図6参照)が消灯される。また、走行ビーム用配光パターンP2(図15(C)参照)の形成時に、発光素子光源1b,1cが点灯されると共に、発光素子光源1aが消灯される。更に、すれ違いビーム用配光パターンP1の形成時における発光素子光源1aおよび発光素子光源1bに対する通電量と、走行ビーム用配光パターンP2の形成時における発光素子光源1bおよび発光素子光源1cに対する通電量とが等しくされる。そのため、第1の実施形態の車両用前照灯100によれば、すれ違いビーム用配光パターンP1の形成時における車両用前照灯100からの照射光の明るさと、走行ビーム用配光パターンP2の形成時における車両用前照灯100からの照射光の明るさとを等しくすると共に、すれ違いビーム用配光パターンP1の形成時におけるヒートパイプ3d(図7(C)および図8(A)参照)による伝熱量と走行ビーム用配光パターンP2の形成時におけるヒートパイプ3dによる伝熱量とを等しくすることができる。
第1の実施形態の車両用前照灯100では、走行ビーム用配光パターンP2(図15(C)参照)の形成時に、発光素子光源1b,1cが点灯されると共に、発光素子光源1aが消灯されるが、第2の実施形態の車両用前照灯100では、代わりに、走行ビーム用配光パターンP2の形成時に、発光素子光源1a,1b,1cを点灯することも可能である。つまり、第2の実施形態の車両用前照灯100では、発光素子光源1aから照射され、リフレクタ5の発光素子光源1a用の放物系反射面5a1aによって反射された反射光により、図16(A)に示す配光パターンP1aが形成される。また、発光素子光源1bから照射され、リフレクタ5の発光素子光源1b用の放物系反射面5a1bによって反射された反射光により、図16(B)に示す配光パターンP1bが形成される。更に、発光素子光源1cから照射され、リフレクタ5の発光素子光源1c用の放物系反射面5a1cによって反射された反射光により、図16(C)に示す配光パターンP1cが形成される。その結果、第2の実施形態の車両用前照灯100では、図16(A)に示す配光パターンP1a、図16(B)に示す配光パターンP1b、図16(C)に示す配光パターンP1c等を重ね合わせることにより得られる走行ビーム用配光パターンP2(図16(D)参照)が形成される。
詳細には、第2の実施形態の車両用前照灯100では、すれ違いビーム用配光パターンP1(図14(A)参照)の形成時における発光素子光源1a,1bに対する通電量よりも、走行ビーム用配光パターンP2の形成時における発光素子光源1a,1bに対する通電量が減少せしめられる。そのため、第2の実施形態の車両用前照灯100によれば、すれ違いビーム用配光パターンP1の形成時における車両用前照灯100からの照射光の明るさと、走行ビーム用配光パターンP2の形成時における車両用前照灯100からの照射光の明るさとを等しくすると共に、すれ違いビーム用配光パターンP1の形成時におけるヒートパイプ3d(図7(C)および図8(A)参照)による伝熱量と走行ビーム用配光パターンP2の形成時におけるヒートパイプ3dによる伝熱量とを等しくすることができる。
第1および第2の実施形態の車両用前照灯100では、車両用前照灯100の前側から見た車両用前照灯100(図1(A)参照)の外形形状が円形に設定されているが、第3の実施形態の車両用前照灯100では、代わりに、車両用前照灯100の前側から見た車両用前照灯100の外形形状を、例えば四角形などのような円形以外の任意の形状に設定することも可能である。
第4の実施形態では、上述した第1から第3の実施形態を適宜組み合わせることも可能である。