本発明の第1実施形態に係るパチンコ遊技機について、図面を参照して説明する。本実施形態は、本発明をパチンコ遊技機に適用した一例である。なお、以下に示すパチンコ遊技機の構成は、本発明が適用された一例に過ぎないものであり、本発明の範囲が本実施形態のパチンコ遊技機の構成に限定されるものではなく、例えば、スロットマシンなどの他の遊技機にも適用可能である。
<1.構成の概要:図1>
図1は、本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機の遊技盤3を示す。図1に示すように、遊技盤3の略中央部には、3つ(左、中、右)の表示エリアにおいて、独立して数字やキャラクタや記号などによる図柄(装飾図柄)の変動表示が可能である画像表示装置としての液晶表示装置36が配設されている。この液晶表示装置36の真下には、第1の特別図柄始動口である上始動口34と、第2の特別図柄始動口である下始動口35とが上下に配設され、それぞれの内部には、入賞球を検出する特別図柄始動口センサ34a、35a(図2参照)が設けられている。下始動口35には、左右一対の可動翼片47が下始動口35を開閉可能に設けられ、いわゆるチューリップ型の電動役物(普通変動入賞装置41)を構成している。
上始動口34より上左側には、ゲートからなる普通図柄始動口37が配設されており、上記下始動口35の下方には、大入賞口40を開閉する開放扉42bで開閉可能に構成した特別変動入賞装置42が配設され、また特別変動入賞装置42の両側には一般入賞口43が計4つ配設されている。
遊技領域3aの右上縁付近には、7セグを3桁に並べて構成される特別図柄表示装置38と、2個のLEDからなる普通図柄表示装置39が設けられている。さらに、遊技領域3aには、センター飾り48、遊技球の落下方向変換部材としての風車44や複数の遊技釘(図示せず)、複数の発光装置(ランプ、LED等:図示せず)などが配設されている。さらに遊技機には、遊技盤3の両側端部近傍に、装飾ランプ45などのランプ表示装置やLED装置が配設されているとともに、遊技盤3より上方に回転灯52が配設されている。
回転灯52は、光源としてのランプ(またはLED)52aと、このランプ52aからの光を反射させる反射体としての反射鏡52bとを備え、この反射鏡52bを回転させることで、光源から発光された光の進行方向を変化させるように構成されている。
ここで、図13に示すように、回転灯52は、機械的な機構により可動できるように構成されており、モータF(53)などの駆動源により駆動される。モータF(53)は、演出制御部24の演出制御CPU241により駆動命令を受けたドライバ(駆動部F)51により駆動制御される。なお、モータF(53)として、例えば、ステッピングモータが用いられる。
液晶表示装置36の上右部近傍には、第1演出部材100が設けられている。第1演出部材100は、大砲をモチーフとした可動役物であり、遊技開始時や通常の遊技状態では、センター飾り48の裏面側に収容されている(第1の位置)。このとき、遊技者は、第1演出部材100を視認できない。また、所定の遊技状態(例えば、大当り遊技や確変遊技など)に突入した場合には、第1演出部材100の一部が液晶表示装置36の前方に移動する(第2の位置)。このとき、遊技者が第1演出部材100を視認できる。そして、所定の遊技状態(例えば、大当り遊技や確変遊技など)が終了して通常の遊技状態に戻った場合には、第1演出部材100がセンター飾り48の裏面側に収容される(第1の位置)。
ここで、図13に示すように、第1演出部材100は、機械的な機構により可動できるように構成されており、モータA(102)やソレノイド(図示省略)などの駆動源により駆動される。モータA(102)あるいはソレノイドは、演出制御部24の演出制御CPU241により駆動命令を受けたドライバ(駆動部A)104により駆動制御される。なお、モータA(102)として、例えば、ステッピングモータが用いられる。
図1に示すように、液晶表示装置36の上左部近傍には、第2演出部材106が設けられている。第2演出部材106は、魚雷(ミサイル)をモチーフとした可動役物であり、遊技開始時や通常の遊技状態では、センター飾り48の裏面側に収容されている(第1の位置)。このとき、遊技者は、第2演出部材106を視認できない。また、所定の遊技状態(例えば、大当り遊技や確変遊技など)に突入した場合には、第2演出部材106の一部が液晶表示装置36の前方に移動する(第2の位置)。このとき、遊技者が第2演出部材106を視認できる。そして、所定の遊技状態(例えば、大当り遊技や確変遊技など)が終了して通常の遊技状態に戻った場合には、第2演出部材106がセンター飾り48の裏面側に収容される(第1の位置)。
ここで、図13に示すように、第2演出部材106は、機械的な機構により可動できるように構成されており、モータB(108)やソレノイド(図示省略)などの駆動源により駆動される。モータB(108)あるいはソレノイドは、演出制御部24の演出制御CPU241により駆動命令を受けたドライバ(駆動部B)110により駆動制御される。なお、モータB(108)として、例えば、ステッピングモータが用いられる。
図1に示すように、液晶表示装置36の下左部近傍には、第3演出部材112が設けられている。第3演出部材112は、潜水艦をモチーフとした可動役物であり、遊技開始時や通常の遊技状態では、センター飾り48の裏面側に収容されている(第1の位置)。このとき、遊技者は、第3演出部材112を視認できない。また、所定の遊技状態(例えば、大当り遊技や確変遊技など)に突入した場合には、第3演出部材112の一部が液晶表示装置36の前方に移動する(第2の位置)。このとき、遊技者が第3演出部材112を視認できる。そして、所定の遊技状態(例えば、大当り遊技や確変遊技など)が終了して通常の遊技状態に戻った場合には、第3演出部材112がセンター飾り48の裏面側に収容される(第1の位置)。
ここで、図13に示すように、第3演出部材112は、機械的な機構により可動できるように構成されており、モータC(114)やソレノイド(図示省略)などの駆動源により駆動される。モータC(114)あるいはソレノイドは、演出制御部24の演出制御CPU241により駆動命令を受けたドライバ(駆動部C)116により駆動制御される。なお、モータC(114)として、例えば、ステッピングモータが用いられる。
図1及び図13に示すように、液晶表示装置36の下方と上始動口34との間のスペースには、回胴部材118が設けられている。回胴部材118は、2つの回転体120A、120Bと、各回転体120A、120Bをそれぞれ回転駆動するための2つのモータD(122A)、モータE(122B)と、で構成されている。各回転体120A、120Bの外周面には、所定の図柄が表示されている。遊技開始時や通常の遊技状態では、各回転体120A、120Bの両方の回転が停止している。また、所定の遊技状態(例えば、大当り遊技や確変遊技など)に突入した場合には、各回転体120A、120Bのいずれか一方又は両方が回転駆動する。そして、所定の遊技状態(例えば、大当り遊技や確変遊技など)が終了して通常の遊技状態に戻ったときには、各回転体120A、120Bの両方の回転が停止している。
ここで、図13に示すように、回胴部材118は、機械的な機構により可動できるように構成されており、モータD(122A)、モータE(122B)やソレノイド(図示省略)などの駆動源により駆動される。モータD(122A)、モータE(122B)あるいはソレノイドは、演出制御部24の演出制御CPU241により駆動命令を受けたドライバ(駆動部D)124A、ドライバ(駆動部E)124Bにより駆動制御される。なお、モータD(122A)、モータE(122B)として、例えば、ステッピングモータが用いられる。
なお、本明細書では、説明の便宜上、適宜、第1演出部材100、第2演出部材106、第3演出部材112、回胴部材118及び回転灯52をまとめて、「各可動部材」と総称する。
遊技球が上始動口34または下始動口35に入賞したことに基づき、主制御部20(図2参照)において乱数抽選による大当りに関する抽選(大当り抽選)が行なわれる。この抽選結果に応じて特別図柄を特別図柄表示装置38に変動表示させて、特別図柄変動表示ゲーム(図柄遊技)を開始し、一定時間経過後に、その結果を特別図柄表示装置38に表示するようになっている。このとき、上記特別図柄変動表示ゲームに連動する形態で、装飾図柄を液晶表示装置36に変動表示させて、装飾図柄変動表示ゲームを開始し、上記一定時間経過後に、特別図柄表示装置38に抽選結果が表示されると共に、液晶表示装置36にも装飾図柄によりその結果が表示される。
したがって、特別図柄表示装置38での特別図柄変動表示ゲームの結果が「大当り」であった場合、この液晶表示装置36の装飾図柄変動表示ゲームの結果も「大当り」を反映させた演出が現出される。また、特別図柄表示装置38には、大当りを示す特別図柄が所定の表示態様(たとえば、2個の7セグが全て「7」の表示状態)で停止表示され、液晶表示装置36には、「左」「中」「右」の各表示エリアにおいて、当り有効ライン上で装飾図柄が上記大当り抽選結果を反映させた所定の表示態様(たとえば、「左」「中」「右」の各表示エリアにおいて、3個の装飾図柄が「7」「7」「7」の表示状態)で停止表示される。
この大当たり変動中に確変大当り確定予告(いわゆる一発告知)をなす場合は、特別図柄の変動開始と同時に告知音が発生されるとともに、特別図柄の変動開始から変動停止までの長い変動期間中(たとえば5分間)にわたって回転灯52が作動される。すなわち、回転灯52のランプ52aが点灯され続けると共に、モータF(53)により反射鏡52bが回転され続ける。これにより遊技者は、上記の特別図柄変動表示ゲームの結果が液晶表示装置36に表示される前に、確変大当りに当選したことを衝撃的に知ることができる。
また、上記大当たり変動中に確変大当り確定予告(いわゆる一発告知)をなす場合は、所定のタイミングで、第1演出部材100が駆動してその一部が液晶表示装置36の前方に移動する。この状態では、遊技者は、第1演出部材100の一部を視認することが可能になる。また、所定のタイミングで、第2演出部材106が駆動して、その一部が液晶表示装置36の前方に移動する。この状態では、遊技者は、第2演出部材106の一部を視認することが可能になる。また、所定のタイミングで、第3演出部材112が駆動して、その一部が液晶表示装置36の前方に移動する。この状態では、遊技者は、第3演出部材112の一部を視認することが可能になる。
さらに、上記大当たり変動中に確変大当り確定予告(いわゆる一発告知)をなす場合は、所定のタイミングで、回胴部材118が回転駆動する。具体的には、2つの回転体120A、120Bが同時に又は時差を設けて回転し、所定の図柄で停止する。
なお、第1演出部材100、第2演出部材106、第3演出部材112、回胴部材118及び回転灯52の駆動は、所定の演出パターンに基づいて実行される。各部材の駆動タイミング等については、後述する。
そして、この大当りとなった場合には、特別変動入賞装置ソレノイド42a(図2参照)が作動して開放扉42bが開き、これにより大入賞口40が所定パターンで開閉制御されて、通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態(大当り遊技)が発生する。この大当り遊技では、開放扉42bが所定時間(たとえば、30秒)開放して大入賞口40が開放されるか、または所定個数(たとえば、9個)の遊技球が入賞するまで大入賞口40が開放され、その後、所定時間(たとえば、2秒)開放扉42bが閉まって大入賞口40を閉鎖する、といった動作(ラウンド遊技)が所定回数(たとえば、最大15回(最大15R(ラウンド))繰り返されるようになっている。
上記大当り遊技は、上記図柄変動表示ゲームにて大当りを示す図柄が確定表示されてから開始される。大当りが開始すると、最初に大当り開始ファンファーレによるオープニング演出が行われ、オープニング演出が終了した後、大入賞口40が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数を上限として複数回行われる。また、ラウンド遊技中では、対応するラウンド演出が行われる。そして、規定ラウンド数終了後には、大当り終了ファンファーレによるエンディング演出が行われ、大当りが終了する。
また、遊技球が普通図柄始動口37を通過したことに基づき、主制御部20において乱数抽選による補助当りに関する抽選(補助当り抽選)が行なわれる。この抽選結果に応じて2個のLEDにより表現される普通図柄を普通図柄表示装置39に変動表示させて、普通図柄変動表示ゲームを開始し、一定時間経過後に、その結果をLEDの点灯と非点灯の組合せまたは双方点灯の組合せにて停止表示するようになっている。普通図柄表示装置39での普通図柄変動表示ゲームの結果が「補助当り」であった場合、普通図柄表示装置39の表示部を所定パターン(たとえば、2個のLEDが双方共に点灯状態)にて停止表示させる。
そして、補助当りとなった場合には、左右の可動翼片47を駆動させるための普通変動入賞装置ソレノイド41a(図2参照)が作動し、上記可動翼片47が逆「ハ」の字状に開いて下始動口35が開放または拡大されて遊技球が流入し易い状態となり、遊技者に有利な補助遊技状態(以下、「普電開放遊技」と称する)が発生する。この普電開放遊技では、普通変動入賞装置41の可動翼片47が、所定時間(たとえば、0.2秒)開放して下始動口35が開放されるか、または所定個数(たとえば、5個)の遊技球が普通変動入賞装置41(下始動口35)に入賞するまで下始動口35が開放され、その後、所定時間(たとえば、0.5秒)可動翼片47が閉まって下始動口35を閉鎖する、といった動作が所定回数(たとえば、1回)繰り返されるようになっている。
また、上記普電開放遊技中に遊技球が下始動口35に入賞した場合にも、同様に上記特別図柄変動表示ゲームが行なわれ、これに伴い装飾図柄変動表示ゲームが行なわれる。各入賞口に入賞しなかった遊技球は、アウト口49を介して遊技領域3aから排出される。
なお、上記特別図柄変動表示ゲームまたは上記普通図柄変動表示ゲームを行う最中に、さらに特別図柄始動口センサ34a、35aまたは普通図柄始動口センサ37aからの検出信号の入力がある場合には、この検出信号に基づいて各変動表示ゲームを行わせるための始動権利に関するデータである始動記憶(いわゆる、作動保留球)を、変動表示中にかかわるものを除き、上限の所定個数まで記憶する。そして、この始動記憶個数を遊技者に明らかにするため、パチンコ遊技機1の適所にまたは液晶表示装置36による画面中に画像として表示させる。通常は、この始動記憶の発生順に、各始動記憶に対する変動表示ゲームが実行制御される。本実施形態では、上記上限の所定個数として、特別図柄、普通図柄に関する始動記憶をそれぞれ4個まで主制御部20に設けられるRAM203(図2参照)に記憶され、特別図柄または普通図柄の変動確定回数として保留される。
次に、大当り遊技終了後に発生する特定遊技状態について説明する。この特定遊技状態は、大当りの種別に応じてあらかじめ定められたものであり、以下の機能が作動することで、種々の特定遊技状態が発生することになる。
本実施形態のパチンコ遊技機1は、主制御部20(主制御CPU201:図2参照)がその機能部を担う、確率変動(以下、「確変」と称する)機能を備えている。これには特別図柄に係る確変機能(以下、「特別図柄確変機能」と称する)と普通図柄に係る確変機能(以下、「普通図柄確変機能」と称する)の二種類がある。
特別図柄確変機能は、大当り終了後に大当りの抽選確率が低確率である通常確率(たとえば、348分の1)から高確率(たとえば34.8分の1)に変動する大当り確変状態を付与する機能である。すなわち、大当り確変状態においては、大当り抽選確率が低確率である低確率状態から、大当り抽選確率が高確率である高確率状態に変動している。この特別図柄確変機能の作動契機となる大当りを「確変大当り」と称し、特別図柄確変機能の作動契機とはならない大当りを「非確変大当り」称する。上記特別図柄確変機能が動作中の遊技状態(高確遊技状態)下では、大当り抽選確率が高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、上記「確変大当り」は遊技者が最も期待する大当り種別と言える。
なお、大当り確変状態を継続させる条件は適宜定めることができる。たとえば、所定回数(たとえば、4回)の特別図柄変動表示ゲームが終了する迄の間(いわゆる、「回数切り確変(ST)」)、または次回の大当り遊技が開始される迄の間、もしくは所定の抽選により低確率状態に移行することが決定される迄の間(いわゆる、「転落抽選」)などを条件とすることができ、いずれの条件を付与するかは自由である。また、確変大当りを複数種類設けることにより、各確変大当りごとに、いずれの条件を付与するかを適宜定めても良い。
普通図柄確変機能は、大当り遊技終了後に補助当り抽選確率が低確率である通常確率(たとえば、256分の1)から高確率(たとえば、256分の255)に変動する補助当り確変状態を付与する機能である。普通図柄確変機能が動作中の遊技状態下では、補助当り抽選確率が高確率に変動して補助当りが生起され易くなるため、普電開放遊技が頻繁に発生し、通常遊技状態よりも単位時間当りの可動翼片47の作動率が向上する作動率向上状態となる。なお、本実施形態のパチンコ遊技機1では、上記普通図柄確変機能の作動契機は、後述する特別図柄時短機能の作動契機と同期する形態となっている。
さらにまた、本実施形態のパチンコ遊技機1は、主制御CPU201がその機能部を担う、変動時間短縮(以下、「時短」と称する)機能を備えている。これには特別図柄に係る時短機能(以下、「特別図柄時短機能」と称する)と普通図柄に係る時短機能(以下、「普通図柄時短機能」と称する)の二種類がある。
特別図柄時短機能は、大当りの抽選結果を導出する特別図柄変動表示ゲームにおける特別図柄の変動時間が短縮された特別図柄時短状態を付与する機能である。特別図柄時短機能が動作中の遊技状態下では、1回の特別図柄変動表示ゲームの時間(特別図柄が変動を開始してから確定表示される迄の時間)が、たとえば、平均時間もしくはリーチなしハズレ変動において、30秒(時短状態が付与されていないとき)から5秒(時短状態が付与されているとき)に短縮され、単位時間当りの大当り抽選回数が向上する抽選回数向上状態となる。
普通図柄時短機能は、補助当りの抽選結果を導出する普通図柄変動表示ゲームにおける普通図柄の変動時間が短縮された普通図柄時短状態を付与する機能である。普通図柄時短機能が動作中の遊技状態下では、1回の普通図柄変動表示ゲームの時間(普通図柄が変動を開始してから確定表示される迄の時間)が、たとえば、10秒(時短状態が付与されていないとき)から1秒(時短状態が付与されているとき)に短縮され、通常遊技状態よりも単位時間当りの可動翼片47の作動率が向上する作動率向上状態となる。なお、本実施形態のパチンコ遊技機1では、上記普通図柄時短機能の作動契機は、上記特別図柄時短機能の作動契機と同期する形態となっている。
開放延長機能は、普通変動入賞装置41の可動翼片47を開動作させる期間およびその開放回数を延長した開放延長状態を遊技者に付与する機能である。開放延長機能が動作中の遊技状態下では、開放延長状態が付与されると、可動翼片47の開動作期間がたとえば0.2秒から1.7秒に延長され、また開閉回数が、たとえば最大2回(開放延長状態が付与されていないとき)から最大3回(開放延長状態が付与されているとき)に延長され、通常遊技状態よりも単位時間当りの可動翼片47の作動率が向上する作動率向上状態となる。本実施形態のパチンコ遊技機1では、上記開放延長機能の作動契機は、上記特別図柄時短機能の作動契機と同期する形態となっている。したがって、開放延長機能が動作中の遊技状態下では、普通図柄確変機能および普通図柄時短機能も動作中となるので、可動
翼片47の作動率が著しく向上するようになっている。
次に、本実施形態のパチンコ遊技機1における大当りについて説明する。ここで、本実施形態のパチンコ遊技機1は、上述したように、特別図柄確変機能、普通図柄確変機能、特別図柄時短機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能を有している。また、普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能の作動契機は、特別図柄時短機能の作動契機と同期するようになっている。
以下では、説明の便宜上、特別図柄時短機能、普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能が動作する遊技状態を「時短遊技状態(以下、「時短状態」と略す)」と称し、この時短状態に加えてさらに特別図柄確変機能が動作する遊技状態を「確変遊技状態(以下、「確変状態」と略す)」と称し、特別図柄確変機能のみが動作する遊技状態を「潜伏確変遊技状態(以下、「潜伏確変状態」と略す)」と称し、いずれの機能も動作中でない状態(大当り遊技中は除く)を「通常遊技状態」と称する。
本実施形態のパチンコ遊技機1では、上記の特別図柄変動表示ゲームで抽選される大当りの種別として、非確変大当りの「15R非確変大当り」と、確変大当りの「15R確変大当り」「2R突然確変大当り(2R突確大当り)」および「2R潜伏確変大当り」と、が設けられている。
これらの大当りによる大当り遊技のうち、15R非確変大当りと15R確変大当りでは、ラウンド遊技数(大入賞口40の開放回数)が最大規定回数の15ラウンド行われ、2R突確大当りと2R潜伏確変大当りでは、2ラウンド行われる。また、上記2R突確大当りと2R潜伏確変大当りについては、1回のラウンド遊技中の大入賞口40の開放時間が15R非確変大当りや15R確変大当りよりも短く(たとえば、0.5秒)設定されている。
また、大当り遊技終了後には、その大当りに応じた特定遊技状態が発生するようになっている。具体的には、15R確変大当りと2R突確大当りとには次回大当りが確定(大当り遊技が発生)するまで「確変状態」が発生し、2R潜伏確変大当りには次回大当りとなるまで潜伏確変状態が発生し、15R非確変大当りには特別図柄変動表示ゲーム回数が所定回数(たとえば、100回)終了するまでの間か、またはその所定回数内で大当りが確定するまでの間、「時短状態」が発生するようになっている。
また、上述した大当りの他、2R潜伏確変大当りによる大当り遊技の場合と実質的に同じ遊技動作態様で大入賞口40が2回開閉される当り状態(小当り遊技)が付与される「小当り」を設けてある。つまり、この小当り遊技は、2R潜伏確変大当りによる大当り遊技中の遊技動作態様との違いを遊技者が識別困難とする遊技動作態様で行われる。
上記のいずれかの大当りに当選した場合、特別図柄表示装置38における特別図柄に関しては、そのまま抽選結果が反映した特別図柄が表示される。つまり特別図柄表示装置38には、確変大当りを報知する特別図柄または非確変大当りを報知する特別図柄もしくは確変大当りか非確変大当りかいずれかの可能性があることを報知する特別図柄が表示される。一方、液晶表示装置36には、当選した大当りが確変大当りであっても、装飾図柄に関しては必ずしも最初から当該確変大当りが明らかとなる図柄で表示することを行わない。通常、遊技者は液晶表示装置36の装飾図柄変動表示ゲームを見ながら遊技に興じているので、当該ゲーム結果が非確変大当り種別を示す図柄であっても、遊技者に確変大当りへの期待感を残すためである。
次に、遊技状態おける演出の演出モードについて説明する。本実施形態のパチンコ遊技機1には、報知すべき現在の遊技状態に関連した演出の演出モードとして、大当り抽選確率が高確率状態であることを確定的に報知する演出をなす「確変確定演出モード」と、時短状態であることを確定的に報知する演出をなす「時短演出モード」と、大当り当選確率状態を隠匿状態とする演出モード、具体的には、大当り抽選確率が高確率状態であるかのように装い、現在の遊技状態を隠匿して遊技者に潜伏確変状態の期待感を与える「確変隠匿演出モード」とが設けられている。
さらにまた、小当りの当選情報、すなわち小当りフラグが設定状態であるかまたは非設定状態であるかに依存して決定される2つの演出モードを備えている。その一つは小当りフラグが非設定状態のときにとる「通常演出モード」であり、他の一つは小当りフラグが設定状態のときにとる確変隠匿演出モード(ガセの場合)である。なお、上記小当りフラグは、小当りの当選を契機に設定状態にされ、所定の抽選(モード転落抽選)によりその設定が非設定状態に変更される。この「通常演出モード」では1回の図柄変動動作毎に完結する演出が表示される。
本実施形態のパチンコ遊技機1では、上記のように遊技状態に応じた複数の演出モードを設定し、その演出モード間の行き来を可能に構成している。具体的には、確変状態であれば「確変確定演出モード」に、時短状態であれば「時短演出モード」に、潜伏確変状態であれば「確変隠匿演出モード(本物)」に移行制御され、通常遊技状態においては、小当りフラグに依存して「通常演出モード」または「確変隠匿演出モード(ガセ)」に移行制御される。特に、通常遊技状態から小当りまたは2R潜伏確変大当りに当選した場合、その大当り遊技中の遊技動作態様は実質的に同じ動作に制御され、その大当り遊技終了後の演出モードも同じ「確変隠匿演出モード」に移行制御され、さらにまた大当り遊技終了後に開放延長機能が作動せずに可動翼片47の作動率向上状態ともならない。結果として大当り抽選確率状態が隠匿され、現在の遊技状態の識別が困難になる。
<2.制御装置:図2>
図2は、上記のような遊技の進行状況に応じた遊技機制御を行う制御装置の概要を示した制御ブロック図である。
この制御装置は、遊技動作全般の制御を司る主制御基板からなる主制御部20と、主制御部20から演出制御コマンドを受けて、画像と光と音についての演出制御とを行う演出制御部24と、を中心に構成される。そして、演出制御部24には、画像表示装置としての液晶表示装置36が接続されている。なお本明細書において、演出装置といった場合、液晶表示装置36やランプやLEDや音響発生装置、可動体など、画像や光や音、可動体の動作態様によって演出を行う装置を広く指す。
また、主制御部20には払出制御基板29が接続され、これに発射装置32を制御する発射制御基板28および遊技球払出装置19が接続されている。符号31は電源基板であり、電源基板31は外部電源(図示せず)に接続され、変圧トランスから供給される交流電圧(AC24V:メイン電源)から所要の電源を生成し、各制御基板にそれぞれ供給する。なお、図2には電源供給ルートは省略してある。
(2−1.主制御部20)
主制御部20は、主制御CPU201を内蔵したマイクロプロセッサを搭載すると共に、一連の遊技機制御手順を記述した制御プログラムや制御データ等を格納した主制御ROM202と、ワークエリアが形成される主制御RAM203を搭載して、1チップマイクロコンピュータを構成している。また図示はしていないが、一定周期のパルス出力を作成する機能や時間計測の機能等を有するCTC(Counter Timer Circuit)やCPUに割り込み信号を付与する割り込みコントローラ回路が設けられている。
また、主制御部20には、上始動口34への入賞を検出する特別図柄始動口センサ34aと、下始動口35への入賞を検出する特別図柄始動口センサ35aと、普通図柄始動口37の通過を検出する普通図柄始動口センサ37aと、一般入賞口43への入賞を検出する一般入賞口センサ43aと、大入賞口40への入賞を検出する大入賞口センサ40aとが接続され、主制御部20はこれらの各検出信号を受信可能となっている。
また、主制御部20には、特別図柄表示装置38、普通図柄表示装置39、下始動口35の可動翼片47を開閉制御するための普通変動入賞装置ソレノイド41a、および、大入賞口40の幅広な開放扉42bを開閉制御するための特別変動入賞装置ソレノイド42aが接続され、主制御部20は各装置を制御するための制御信号を送信可能となっている。
また、主制御部20は、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる「大当り」またはこの特別遊技状態を発生させない「ハズレ」のいずれであったかを抽選するとともに、その抽選結果である当否情報に応じて特別図柄の変動パターンや停止図柄を決定し、少なくともこの抽選結果と変動パターンとを含む演出制御コマンドや、決定された停止図柄に基づく特別図柄指定コマンドを作成して演出制御部24に送信する構成となっている。
主制御部20からの演出制御コマンドは、一方向通信により演出制御部24に送信される。これは、外部からのゴト行為による不正な信号が演出制御部24を介して主制御部20に入力されることを防止するためである。
(2−2.演出制御部24)
演出制御部24は、演出制御CPU241を内蔵したマイクロプロセッサを搭載すると共に、演出制御手順を記述した制御プログラムや演出データ等を格納した演出制御ROM242と、ワークエリアが形成される演出制御RAM243と、を搭載している。また図示はしていないが、音源IC、CTC、および割り込みコントローラ回路などが設けられている。この演出制御部24の主な役割は、主制御部20からの演出制御コマンドの受信、演出パターンの抽選、液晶表示装置36の制御、スピーカ46の音制御、枠ランプ・LEDの発光制御、可動体の可動制御、各種エラーの報知などである。この可動体の可動制御には、第1演出部材100、第2演出部材106、第3演出部材112及び回胴部材118の駆動制御と、回転灯52の回転制御と、が含まれる。
演出制御部24は、光と音についての演出処理を行うため、装飾ランプ45やLEDを含む光表示装置45aに対する光表示制御部と、スピーカ46を含む音響発生装置46aに対する音響制御部と、を備えている。
また、演出制御部24には、ドライバ(駆動部F)51を介して、回転灯52の回転駆動源であるモータF(53)が接続されている。モータF(53)はφA〜φDの4相のステータコイルをもったステッピングモータである。ドライバ(駆動部F)51は、図3に示すように、トランジスタTr1〜Tr4から構成されている。各トランジスタTr1〜Tr4には、そのコレクタ−エミッタ回路に直列にモータF(53)の励磁コイル(ステータコイル)54a〜54dの一端がそれぞれ接続され、各励磁コイル54a〜54dの他端は直流電源(12V)に接続されている。各励磁コイル54a〜54dには、それぞれ1つのフライホールダイオード55a〜55dが、直流電源側がカソード側となるように並列に接続されている。フライホールダイオード55a〜55dは、トランジスタTr1〜Tr4がOFFするときに励磁コイル54a〜54dの端子間に発生する逆起電圧を抑制する電気的ダンパとして動作し、逆起電力でトランジスタTr1〜Tr4が破壊されるのを防止する働きをする。
また、図13に示すように、演出制御部24には、各ドライバ(駆動部A〜E)104、110、116、124A、124Bを介して、第1演出部材100の駆動源であるモータA(102)と、第2演出部材106の駆動源であるモータB(108)と、第3演出部材112の駆動源であるモータC(114)と、回胴部材118の回転駆動源であるモータD(122A)、モータE(122B)と、が接続されている。なお、各モータ102、108、114、122A、122Bの構成については、上記モータF(53)の構成と同様であるので説明を省略する。
一方、演出制御部24には、ROM243に記憶されCPU241の制御の下で実行される制御プログラムの一環として、各ドライバ(駆動部A〜F)を介して各モータA〜Fを回転制御するためのモータ制御部がソフト的に設けられている。
このモータ制御部は、モータF(53)を2相励磁方式または1−2相励磁方式または1相励磁方式のいずれかの励磁シーケンス(回転させるための順序)に沿って励磁符号配列パターンを作成する。
ここで、図21に示すように、1相励磁方式は、常にステータコイル1相のみに電流を流してモータF(53)を駆動する方式である。1相励磁方式の長所は、コイルの消費電力及び発熱量が少なく、静止角度に優れている点にある。
図22に示すように、2相励磁方式は、常にステータコイルの2相に電流を流して駆動する方式である。2相励磁方式の長所は、常に2つのコイルに電流を流すため、その分出力トルクが大きくなり、そのうえダンピング効果も優れている点である。
図23に示すように、1−2相励磁方式は、1相励磁と2相励磁を交互に切り替えて励磁する方式である。1−2相励磁方式は、1相励磁と2相励磁の中間的な特性を有している。
図21〜図23に示すように、これらの時間軸に沿った励磁符号配列パターンは駆動パルス信号PS1〜PS4として、ドライバ(駆動部F)51を構成するトランジスタTr1〜Tr4のベースに入力され、これらのトランジスタTr1〜Tr4を通して励磁コイル54a〜54dを付勢し、モータF(53)を回転させる。
なお、モータ制御部によるモータA(102)、モータB(108)、モータC(114)、モータD(122A)、モータE(122B)の回転制御についても、モータF(53)の回転方式と同じである。
また、演出制御部24は、演出制御コマンドを受けて、変動パターンに対応する演出パターンを抽選し、液晶表示装置36の画面に映像で演出表示をさせる。
また、演出制御部24には、演出介入操作手段となる枠演出ボタン13が接続されている。この枠演出ボタン13は遊技者が操作可能な押しボタンからなり、遊技者参加型の昇格演出ゲームに遊技者が参加するときなどにおいて遊技者により操作される。
演出制御CPU241は、主制御CPU201から演出制御コマンドを受けて各種演出を実行制御する演出実行制御手段として機能する。上記したモータ制御部もこの演出実行制御手段の一部としてソフト的に構成される。
また、演出制御部24は、液晶表示装置36の表示制御を行うために必要な制御データを生成してVDPに出力する液晶制御CPUと、液晶制御CPUの動作手順を記述したプログラムを内蔵する液晶制御ROMと、ワークエリアやバッファメモリとして機能する液晶制御RAMと、を有している。
また、演出制御部24には、液晶制御CPUに接続されて画像展開処理を行う映像表示プロセッサVDP(Video Display Processor)と、VDPが画像展開する必要な画像データを格納した画像データROMと、VDPが展開した画像データを一時的に記憶するVRAMなども設けられている。
遊技状態に関する情報は、まず、大当り抽選の結果(大当りかハズレかの別)に基づく特別図柄変動パターン、現在の遊技状態、作動保留球数、抽選結果に基づき停止させる装飾図柄等に必要となる基本情報が、演出制御コマンドにより主制御部20から演出制御部24へと送信される。
演出制御部24は、遊技制御部20から送信される演出制御コマンドに応じて液晶表示装置36、光表示装置45aおよび音響発生装置46aを制御することにより、遊技上の演出を制御する。液晶表示装置36に表示する装飾図柄に関しては、変動パターンコマンド(変動パターン指定コード)により指定された変動パターンのタイムスケジュールに従って、装飾図柄を変動させ、図柄指定コマンドの受信により最終的な図柄を確定し、特別図柄変動中用タイマが管理する所定の変動時間の経過後に図柄停止コマンドを受信することにより、図柄変動を停止させる。この動きは特別図柄表示装置38における特別図柄の変動と連動しており、最終停止図柄が、大当り図柄(3つの装飾図柄が揃った状態)であれば、遊技機が大当り状態となり、特別変動入賞球装置42が開口されることになる。
上記演出を実行するため、演出制御部24側は、図柄変動を含めた演出シナリオを特定する演出パターンテーブルを有している。この演出パターンテーブルは、上記変動パターン指定コードと装飾図柄の図柄変動と変動時間とをあらかじめ対応付けた演出パターンを、変動パターン指定コードの数だけ有しており、1つの演出パターン指定コードには複数の演出パターンが対応付けられている。
変動パターンコマンド(変動パターン指定コード)が受信された場合、演出制御部24側は、上記演出パターンテーブルを参照し、演出パターン指定コードに対応付けられている一群の演出パターンの中から、抽選により一つの演出パターンを選択し決定する。この決定された演出パターンを実行指示する制御信号が、演出制御部24から液晶表示装置36、音響発生装置46aおよび光表示装置45aに送られ、当該演出パターンに対応した液晶表示装置36での画像の再生と、演出パターンに対応する効果音の再生と、装飾ランプ45およびLED等の点灯点滅駆動とが実現される。
なお、演出制御コマンドは、1バイト長のモード(MODE)と、同じく1バイト長のイベント(EVENT)からなり、これらの情報を有効なものとして送信する場合、モードおよびイベント各々に対応してストローブ信号が出力される。すなわち、主制御CPU201は、送信すべきコマンドがある場合、演出制御部24にコマンドを送信するためのモード情報の設定および出力を行い、この設定から所定時間経過後に1回目のストローブ信号の送信を行なう。
さらに、このストローブ信号の送信から所定時間経過後にイベント情報の設定および出力を行い、この設定から所定時間経過後に2回目のストローブ信号の送信を行なう。演出制御CPU241は、ストローブ信号が送信されて来ると、これに対応して割り込みを発生させ、この割込処理によってコマンドを受信する。ストローブ信号は主制御CPU201により、演出制御CPU241が確実にコマンドを受信することが可能な所定期間アクティブ状態に制御される。
<3.主制御側の処理:図4〜図7>
次に、図4〜図7を参照して、主制御部20側における処理内容を説明する。
(3−1.主制御側メイン処理:図4)
パチンコ遊技機1に電源が投入されると、電源基板31によって各制御基板に電圧が印加され、主制御CPU201が図4に示す主制御側メイン処理を開始する。
この主制御側メイン処理において、まず遊技動作開始前における必要な初期設定処理を実行する(ステップS101)。
次に、図示してない入力ポートを介して入力されるRAMクリアスイッチの出力信号の状態(オン、オフ)を確認し、RAMクリアスイッチがオンである場合(ステップS102:YES)にはステップS105の処理に進み、RAMの初期化処理として記憶エリアをクリアする。
しかし、RAMクリアスイッチがオンでない場合(ステップS102:NO)、次に電源断が発生した際にバックアップRAMに記憶されたバックアップ用データが有効であるか否かを判断する(ステップS103)。電源復旧の際には、チェックサムの比較を行うことにより、バックアップデータが有効であるか否かを確認している。
バックアップデータが有効である場合には(ステップS103:YES)、バックアップデータに基づき、電源遮断前におけるスタックポインタを復帰し、電源遮断時の処理状態から遊技を開始するために必要な遊技復旧処理を実行し(ステップS104)、ステップS107の処理に進む。
バックアップデータが有効でない場合には(ステップS103:NO)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定し、RAMを初期化する(ステップS105)。そして、このRAMの初期化に伴い、RAMクリア情報を初期化コマンドとして各制御基板に送信する(ステップS106)。
次に、CPUに設けられているCTCの設定を行う(ステップS107)。本処理では、4msごとに定期的にタイマ割り込みがかかるように、初期値として4msに相当する値をCTCの時間定数レジスタに設定する。
ステップS101〜S107での電源初期投入後の処理を終えた後、正常動作時の処理(ステップS108〜S112)として、割込禁止(ステップS108)と割込許可(ステップS112)とを繰り返すとともに、その間に、各種乱数の更新処理を実行する(ステップS109〜S111)。
乱数の更新処理として、Sステップ108の処理後、まず変動パターン用乱数値更新処理を実行する(ステップS109)。この変動パターン用乱数値更新処理では、主として、特別図柄変動パターンコマンドを抽選に用いる変動パターン用乱数値を更新する。
続いて、普通図柄当り判定用初期値乱数更新処理(ステップS110)と特別図柄当り判定用初期値乱数更新処理(ステップS111)を実行する普通図柄当り判定用初期値乱数更新処理(ステップS110)では、普通図柄変動表示ゲームの当否抽選に使用する普通図柄当り判定用乱数の初期値変更に使用する乱数を更新(たとえば、カウンタのカウント値を更新する処理)し、特別図柄当り判定用初期値乱数更新処理(ステップS111)では、前記特別図柄変動表示ゲームの当否抽選に使用する特別図柄当り判定用乱数の初期値変更に使用する乱数を更新する。
(3−2.主制御側タイマ割込処理:図5)
図5は、主制御側メイン処理において、一定時間(4ms)ごとの割り込みで起動される主制御側のタイマ割込処理を示すフローチャートである。
まず、主制御CPU201は、レジスタを所定のスタック領域に退避させる退避処理(ステップS201)を実行する。
次いで、各変動表示ゲームに係る乱数を定期的に更新する定期乱数更新処理を実行する(ステップS202)。定期乱数更新処理では、普通図柄変動表示ゲームや特別図柄変動表示ゲームの当否抽選に使用する各種乱数を定期的に更新する。
次いで、遊技動作に用いられるタイマを管理制御するためのタイマ管理処理を実行する(ステップS203)。遊技機制御に用いる各種のタイマのタイマ値はここで更新される。
次いで、入力管理処理を実行する(ステップS204)。この入力管理処理では、パチンコ遊技機1に設けられた各種センサによる検出情報を、図示しない自身内のレジスタに読み込み格納する。各種センサによる検出情報とは、普通図柄始動口センサ37a、大入賞口センサ40a、特別図柄始動口センサ34a、35a、一般入賞口センサ43a等が検出した信号である。
次いで、エラー管理処理を実行する(ステップS205)。このエラー管理処理では、上記入力管理処理で読み込み格納したデータを把握してスイッチのチェックを行い、不正入賞を監視したり、遊技動作状態を監視したりして、パチンコ遊技機1の異常を監視する。
次いで、賞球管理処理を実行する(ステップS206)。この賞球管理処理では、遊技球払出装置19に払出し動作を行わせるための制御情報(賞球数を指定する賞球払出制御コマンド)を出力する。
次いで、普通図柄管理処理を実行する(ステップS207)。この普通図柄管理処理では、普通図柄変動表示ゲームにおける当否抽選を実行し、その抽選結果に基づいて普通図柄の変動パターンや普通図柄の停止表示態様を決定したりする。
次いで、普通変動入賞装置管理処理を実行する(ステップS208)。普通変動入賞装置管理処理では、普通図柄管理処理(ステップS207)における当否抽選の結果に基づき、ソレノイド制御用の励磁制御信号を普通変動入賞装置ソレノイド41aに送信し、普通変動入賞装置41の可動翼片47の一連の動作を制御する。
次に、特別図柄管理処理を実行する(ステップS209)。この特別図柄管理処理では、特別図柄変動表示ゲームにおける大当り抽選(大当り判定処理)を実行し、その抽選の結果に基づいて特別図柄の変動パターンや特別図柄の停止表示態様(停止特別図柄)を決定する。
(3−3.特別図柄管理処理:図6〜図7)
次に、大当り抽選に係るステップS209の特別図柄管理処理について説明する。図6および図7は、特別図柄管理処理の詳細を示すフローチャートである。ここでは、上始動口34、下始動口35への入賞を検出したことを条件に、大当り判定処理、特別図柄停止図柄設定、変動パターン設定、特別図柄に関する演出制御コマンドの送信等の処理を行う。
図6において、主制御部20(主制御CPU201)は、まず上始動口34または下始動口35において入賞球を検出したか否かを確認する(ステップS301)。入賞球を検出した場合(ステップS301:YES)、入賞を示す特別図柄始動口入賞コマンド(上始動口34については上始動口入賞コマンド、下始動口35については下始動口入賞コマンド)を演出制御部24に送信する(ステップS302)。この入賞コマンドは、特別図柄の作動保留球数を液晶表示装置36に表示する際に利用される。
続いてステップS303の処理に進み、特別図柄の作動保留球数が4以上であるか否か判断する(ステップS303)。特別図柄の作動保留球数(以下、「特別図柄作動保留球数」と称する)が4以上でない場合、つまり4未満の場合は(ステップS303:NO)、特別図柄作動保留球数を1加算し(ステップS304)、増加した保留球数に対応した保留コマンドを送信する(ステップS305)。
次いで特別図柄当り判定用乱数値、特別図柄用停止図柄乱数、および変動パターン用乱数値のカウンタの現在値を取得して、それぞれRAM203の取得数値記憶エリアに格納する(ステップS306)。そして、ステップS307の処理に進む。
ステップS301の処理において入賞球を検出していなかった場合(ステップS301:NO)や、ステップS303の処理において特別図柄作動保留球数が4以上の場合(ステップS303:YES)には、上記のステップS302〜ステップS306の処理を行わずに、ステップS307の処理に進む。
ステップS307の処理に進むと「大当り中」であるか否かを判断して、「大当り中」であれば(ステップS307:YES)、特別図柄を管理する必要がないので、これにより特別図柄管理処理を終了し、図5のステップS210の特別変動入賞装置管理処理に移行する。
一方、ステップS307の処理で「大当り中」でないと判断された場合(ステップS307:NO)、特別図柄の挙動を示す処理状態が「特別図柄待機中」「特別図柄変動中」「特別図柄停止中」のいずれであるかを順に判断し(ステップS308、ステップS312、ステップS322)、該当する場合はそれぞれの処理状態に属する処理を行う。
なお、「特別図柄待機中」とは特別図柄の変動が行なわれておらず次回の変動のための待機状態であることを示し、「特別図柄変動中」とは特別図柄が現在変動中であることを示し、「特別図柄停止中」とは特別図柄の変動が終了して停止中であることを示している。
以下、上記処理状態が「特別図柄待機中」「特別図柄変動中」「特別図柄停止中」である場合の処理内容について順に説明していく。
特別図柄待機中の場合は(ステップS308:YES)、特別図柄の作動保留球数(保留記憶)がゼロかどうかを判断する(ステップS309)。
特別図柄作動保留球数がゼロの場合(ステップS309:YES)、特別図柄が待機中でかつ保留記憶なしの状態となったのであり、この状態に突入したことを演出制御部24側に報せて、待機演出(本実施形態の場合、直前の画像が引き続き表示される待機状態と、これに続いて表示されるデモ演出状態とを含めた概念を指す)を開始させる必要がある。このため、本実施形態では待機演出コマンドの送信を行う。ただし特別図柄作動保留球数がゼロの場合に条件なしに待機演出コマンドを送信すると、特別図柄作動保留球数がゼロである間4msの周期で待機演出コマンドの送信を繰り返すことになり、不必要な送信が発生する。
そこで、待機演出コマンドが未送信であるか否かを判断し(ステップS310)、未送信の場合は(ステップS310:YES)、待機演出コマンドを演出制御部24に送信する(ステップS311)。このため、デモ演出表示を行うか否かの判断は演出制御部24に委ねられる。そして、この特別図柄管理処理を終了する。
しかし、既に待機演出コマンドが送信済みである場合は(ステップS310:NO)、待機演出コマンドを演出制御部24に送信することなく、この特別図柄管理処理を終了する。
一方、特別図柄作動保留球数がゼロでない場合(ステップS309:NO)、図7のフローに進み、特別図柄作動保留球数を1減算し(ステップS315)、減少した保留球数に対応した保留コマンドを送信する(ステップS316)。次いで、ステップS306で取得した乱数値が大当り判定値に属するか否かの判定処理(大当り判定処理)を実行する(ステップS317)。この判定処理では、大当りの抽選を遊技状態(低確率状態、確変状態)に応じた抽選確率で行なう。
次に、ステップS317における大当りの判定結果とステップS306で取得した特別図柄用停止図柄乱数値とに基づいて、停止図柄(特別図柄停止図柄)を抽選により選択する(ステップS318)。この処理で抽選される特別図柄停止図柄により、大当り態様(たとえば、大当り遊技中のラウンド数を幾つにするか)および大当り終了後の遊技状態(たとえば、確率変動、時短状態、開放延長中等を設定するかどうか)が最終的に決定される。
次に、変動パターンの設定処理を実行する(ステップS319)。この変動パターン設定処理では、ステップS318の停止図柄の抽選結果とステップS306で取得した変動パターン用乱数値とに基づいて、特別図柄の変動パターンが決定され、さらにこの変動パターンに対応する変動時間が決定される。そして、処理状態を「特別図柄変動中」に切り替え(ステップS320)、特別図柄変動コマンドを演出制御部24に送信する(ステップS321)。
ここでいう「特別図柄変動コマンド」とは、「特別図柄変動パターン」コマンドの他、「特別図柄指定」コマンドや「装飾図柄表示」コマンドも、演出制御部24に送信される。したがって、これらの演出制御コマンドは、特別図柄の変動開始条件が成立したことを条件に演出制御部24に送信されることになる。これにより、この特別図柄管理処理を終了して、特別変動入賞装置管理処理(図5)に移行する。
特別図柄変動中の場合は(ステップS312:YES)、特別図柄変動時間が経過するのを待つ(ステップS313:NO)。特別図柄変動時間が経過した場合(ステップS313:YES)、処理状態を「特別図柄停止中」に切り替え、特別図柄の変動が終了し停止したことを示す「図柄停止」コマンドを演出制御部24に送信する(ステップS314)。これにより、この特別図柄管理処理を終了して、特別変動入賞装置管理処理(図5)に移行する。
特別図柄停止中の場合は(ステップS322:YES)、停止図柄を特別図柄表示装置38に表示させるための一定時間が経過するのを待ち(ステップS323:NO)、一定時間が経過したならば(ステップS323:YES)、その停止図柄が大当り図柄であるか否かを判断する(ステップS324)。
大当り図柄である場合は(ステップS324:YES)、処理状態を「大当り中」に設定し(ステップS325)、「特別図柄待機中」に切り替える(ステップS326)。
また、停止図柄が大当り図柄でない場合は(ステップS324:NO)、ステップS325の処理を行わずにステップS326に進み、「特別図柄待機中」に切り替える(ステップS326)。これにより、この特別図柄管理処理を終了して、特別変動入賞装置管理処理(図5)に移行する。
図5に戻り、上記特別図柄管理処理(ステップS209)に次いで、特別変動入賞装置管理処理を実行する(ステップS210)。この特別変動入賞装置管理処理は、特別図柄管理処理(ステップS209)における大当りの当否抽選の結果に基づき、ソレノイド制御用の励磁制御信号を特別変動入賞装置ソレノイド42aに送信し、特別変動入賞装置42の大入賞口40を所定のパターンに従い開閉制御して、大当りに関する遊技を実行制御する処理である。
主制御基板(主制御CPU)20は、上記の特別変動入賞装置管理処理に次いで「LED管理処理」を実行する(ステップS211)。このLED管理処理は、処理の進行状態に応じて、普通図柄表示装置39や特別図柄表示装置38への出力データを作成したり、当該データに基づく制御信号を出力したりする処理である。
そして、上記のようにステップS202〜ステップS211の処理を実行した後、レジスタの内容を復帰させ(ステップS212)、タイマ割込処理を終了する。
<4.演出制御部側の処理:図8〜図20>
次に、図8〜図20を参照して、演出制御部24側における処理内容について説明する。
(4−1.演出制御側メイン処理:図8)
遊技機本体に電源が投入され、電源基板31から電源投入信号を受信した演出制御部24は、図8に示す演出制御側メイン処理を開始する。
この演出制御側メイン処理では、電源投入が行われてから初めての処理としてステップS501が行われ、これ以外の場合には正常動作時の処理としてステップS502〜S505が行われる。
まず、演出制御基板24は、電源投入が行われてから初めての処理として、遊技動作開始前における必要な初期設定を実行する(ステップS501)。
次に、正常動作時の処理として演出用乱数更新処理を実行する(ステップS502)。この演出用乱数更新処理では、主として、演出内容を選択するために利用される演出抽選用の乱数値を定期的に更新している。
次に、コマンド受信割り込み、タイマ割り込み、外部INT等を許可する割り込み許可状態に設定し(ステップS503)、その後、割り込み禁止状態に設定する(ステップS504)。そして、ウォッチドッグタイマをクリアして(ステップS505)、電断が発生しない限り、ステップS503からステップS505の処理をループ処理にて実行する。
(4−2.コマンド受信割込処理:図9)
図9は、演出制御側のコマンド受信割込処理を示すフローチャートである。ここではレジスタを所定のスタック領域に退避させた後(ステップS511)、制御コマンドをRAM242の所定領域に格納する処理を行い(ステップS512)、レジスタを復帰(ステップS513)する。
主制御部27から送られてくる各種制御コマンドを受けた場合、INT割り込みが発生し、この受信割込処理にて、制御コマンドを受信した時点で、これをコマンド受信バッファに格納する。このコマンド受信割込処理は、次に述べる演出制御側タイマ割込処理(図10)よりも優先して処理される。
(4−3.演出制御側タイマ割込処理:図10)
図10は、演出制御基板24における演出制御側メイン処理において、一定時間(2ms)ごとの割り込みで起動される演出制御側タイマ割込処理を示すフローチャートである。
まず、演出制御CPU241は、レジスタを所定のスタック領域に退避させるレジスタ退避処理を実行する(ステップS521)。次いでプログラム異常を監視しているウォッチドッグタイマをクリアして、タイマのカウントを再スタートさせる(ステップS522)。プログラムが暴走状態となった場合は、ウォッチドッグタイマがタイムアップし、演出用CPUが自動的にリセットされて前記暴走状態から復帰する。
次いで、定期更新処理を行う(ステップS523)。この定期更新処理では、演出パターンを選択するために利用される演出用乱数の初期値や、演出パターンの実行に必要な各種タイマの内容を割り込みごとに更新する。
上記各種タイマの代表的なものは、演出の発生に関するタイムスケジュールを管理するタイマである。たとえば、特別図柄表示装置38に特別図柄が変動されている変動期間内(特別図柄の変動期間内)と実質的に同一期間内である液晶表示装置36の画面に装飾図柄が変動表示されている変動期間内(装飾図柄変動期間内)において、その時間軸上で、どのような演出パターンの演出内容を、どれだけの時間幅をもって、演出手段である装飾ランプ45やスピーカ46や液晶表示装置36などにより現出させるかについての時間的なスケジュールが、このタイマにより時間管理される。
次いで、演出決定管理処理として、受信した制御コマンドに基づいて演出のシナリオを決定するコマンド解析処理(ステップS524)と、演出シナリオに基づき、音出力、LED出力設定を行う演出シナリオ更新処理(ステップS525)とを実行する。
図11に示すように、コマンド解析処理では、主制御部20から制御コマンドを受信したか否か、つまりコマンド受信バッファに制御コマンドが格納されているか否かを割り込みごとに監視する(ステップS531)。制御コマンドとして変動パターンコマンドが受信され、変動パターン指定コードが受信バッファに格納されている場合(ステップS531:YES)、コマンド受信処理において、この変動パターン指定コードを読み出し、演出パターンテーブルを参照して、対応する演出パターンを決定する(ステップS532)。
ここで、演出パターンテーブルは、少なくとも変動パターン指定コードと図柄の変動パターンと変動時間とをあらかじめ対応付けて演出パターンとし、1つの変動パターン指定コードごとに複数の演出パターンを対応付けたテーブルである。この演出パターンテーブルを参照することにより、当該変動パターン指定コードに対応する演出パターンを、当該変動パターン指定コードに属する演出パターン群のうちから1つを抽選により選択することで決定する(ステップS532)。
特に、演出パターンテーブルには、各演出部材100、106、112による動作、回胴部材118による動作及び回転灯52による動作に関する複数の演出パターンが設定されている。具体的には、各演出部材100、106、112の動作開始・停止のタイミング、回胴部材118の動作開始・停止のタイミング及び回転灯52の動作開始・停止のタイミング、各可動部材の各動作の継続時間、各可動部材の動作開始・停止の順序などを規定した複数の演出パターンが存在する。
上記演出パターンテーブルに設定されている演出パターンは、各可動部材の動作を実現したときに過電流が発生しないように設定されている。すなわち、本実施形態では、6個のモータ(ステッピングモータ)が用いられているが、同時に全てのモータ(ステッピングモータ)の励磁コイルに電流を供給して励磁をONの状態にすると、過電流になる問題が生じる。このため、過電流を抑制するため、同時に最大5個のモータ(ステッピングモータ)までの励磁が許容されるように設定されている。換言すれば、6個のモータ(ステッピングモータ)に対して同時に重複して励磁がONにされることはない。
なお、モータの個数については、パチンコ遊技機1で規定されている最大電流値に応じて適宜設定される。このため、同時に励磁可能なモータの最大個数値として、例えば10個が許容されている場合には、11個以上のモータを使用した場合でも、10個までのモータに対して同時に励磁可能となり、11個以上のモータが同時に励磁される状態にはならないように設定されている。
この同時に励磁可能な設定とは、モータ以外の駆動源、例えば、ソレノイドを用いた場合でも、同様である。
また、演出パターンテーブルに設定されている演出パターンには、各モータ(各ステッピングモータ)に対する励磁のON−OFFを規定する励磁パターンが含まれている。なお、図24〜図27の制動励磁制御に関する励磁パターンも含まれる。
ここで、本明細書の実施形態において「各モータ(各ステッピングモータ)に対する励磁がONの状態」とは、各モータ(各ステッピングモータ)を励磁する2相励磁方式、1−2相励磁方式又は1相励磁方式のいずれかの励磁シーケンスの規則性に基づき、各励磁コイルに電流を供給し各モータ(各ステッピングモータ)の回転駆動が可能な状態を意味する。
また「各モータ(ステッピングモータ)に対する励磁がOFFの状態」とは、各モータ(各ステッピングモータ)の全ての相分の励磁コイルに対して電流を供給せず、各モータ(各ステッピングモータ)の回転駆動が不可能な状態を意味する。
なお、本実施形態ではモータとしてステッピングモータを用いた構成を例示したが、その他のモータを用いた構成や、モータに替えてあるいはモータとともにソレノイドを用いた構成でも、励磁方式が異なるものの、これらの駆動源に対する励磁のON/OFFの定義は、ステッピングモータの場合と同様に考えることができる。
演出制御部は、この変動パターンコマンドを受信したことにより、装飾図柄の変動を開始し、演出パターンによる演出シナリオに沿って演出を実行して行くことになる。その後、タイマが管理する所定の変動時間の経過後に主制御部20から図柄停止コマンドが送信され、これを演出制御部24が受信することで図柄変動が停止することになる。上記の演出パターンはこの変動開始から停止までの間における図柄の動きパターンなどを制御することになる。
また、この演出パターンの決定に関連して、予告演出処理を実行する(ステップS533)。この予告演出処理では、演出シナリオの追加的な構成要素として「各演出部材による予告演出」、「回胴部材による予告演出」及び「回転灯による予告演出」を抽選する。この予告演出の詳細は図12において後述する。
図10に戻り、次いで、演出シナリオ更新処理(ステップS525)を実行する。この演出シナリオ更新処理では、上記コマンド解析処理(図11)において決定された上記演出シナリオの内容に基づいてランプやLEDやスピーカ46を作動させる制御信号(発光制御信号や音声制御信号)の作成を行う。そして、作成した上記制御信号をRAM243の所定の格納領域に格納して、ステップS525の演出シナリオ更新処理を終了する。
上記ステップS525の処理に続いて、各演出部材100、106、112の回転駆動源であるモータA(102)、モータB(108)、モータC(114)、回胴部材118の回転駆動源であるモータD(122A)、モータE(122B)、及び回転灯52の回転駆動源であるモータF(53)を回転させるためのモータ駆動処理を行う(ステップS526)。
上記ステップS526の処理に続いて、上記所定のコマンド格納領域において再生する音データの音声制御信号が有るか否かを判断し(ステップS527)、再生する音データの音声制御信号が有る場合には(ステップS527:YES)、音の再生が必要なタイミングで、サウンドLSIの音声制御信号を入力し、音源ICを通じてスピーカ46から音を出力させる(ステップS528)。これにより、演出シナリオに沿った効果音がスピーカ46から発生される。
続いて、LED出力処理を実行する(ステップS529)。このLED出力処理は、上記音声制御信号がサウンドLSIに送信された場合、この情報を受け、対応する演出に伴い発光制御信号を装飾ランプ45やLEDなどに送信し点灯もしくは点滅させて光による演出を実現する。
そして、退避したレジスタの内容を復帰させ(ステップS530)、これにより演出制御側タイマ割込処理を終了する。
(4−3−1.予告演出処理:図12)
図12は予告演出処理(ステップS533、図11)の詳細を示したものである。
図12においては、変動パターンコマンドを受信したか否か(ステップS601)、また、図柄停止コマンドを受信したか否かをチェックする(ステップS607)。変動パターンコマンドを受信した場合(ステップS601:YES)、その変動パターンコマンドが特定パターンKのものであるか否かを判断する(ステップS602)。ここで「特定パターンK」とは、変動パターンのうちで、特別演出モードに移行するか否かについての抽選を行う契機となるパターンであり、本実施形態の場合は変動時間の長い確変大当り(プレミアム予告演出発生)となる変動パターンを指す。
変動パターンコマンドを受信していない場合(ステップS601:NO)、受信してもその変動パターンコマンドが特定パターンKでない場合(ステップS602:NO)、および図柄停止コマンドを受信していない場合(ステップS607:NO)は、何もしないで、この予告演出処理を終了する。
受信コマンドが特定パターンKの変動パターンコマンドであった場合(ステップS602:YES)、特別演出中フラグが設定(=1)されているか否かをチェックする(ステップS603)。既に回転灯が回転している特別演出モード中であれば特別演出モード抽選を行う必要性がないからであり、既に特別演出中フラグが設定されている場合は(ステップS603:NO)特別演出抽選処理(ステップS604)を行わずに直ちにステップS607に移行する。まだ特別演出中フラグが設定されていなければ(ステップS603:YES)、特別演出抽選処理(ステップS604)を行い、その後にステップS607に移行する。
特別演出抽選処理(ステップS604)では、特別演出抽選用乱数を抽選し、その乱数が当り、ハズレのいずれに該当するかを判定する。この抽選に当選し、特別演出を実施すべき場合には(ステップS605:YES)、「特別演出中フラグ」を設定(=1)する(ステップS606)。これにより、モータ駆動処理を経て、各演出部材100、106、112による各動作の実行、回胴部材118による回転動作の実行の他、回転灯52のランプ52aが点灯すると共に、そのステップS613〜ステップS616によりモータF(53)が作動して反射鏡52bが回転することになる。
上記特別演出抽選に関する処理(ステップS601〜S606)を終えると、ステップS607に進み、その後に図柄停止コマンドを受信したか否かをチェックする(ステップS607)。図柄停止コマンドを受信した場合(ステップS607:YES)は特別演出中フラグが設定(=1)されているか否かを判断し(ステップS608)、特別演出中フラグが設定されていない場合(ステップS608:NO)、何も行わずに、この予告演出処理を終了し、図11のステップS533にリターンする。
一方、ステップS608の判断において、特別演出中フラグが設定(=1)されている場合(ステップS608:YES)、図柄停止コマンドの受信と同時に特別演出中フラグを非設定(=0)に戻し(ステップS609)、その後、図11のステップS533に戻る。特別演出中フラグが非設定(=0)に戻ることにより、各演出部材100、106、112による各動作の停止、回胴部材118による回転動作の停止の他、回転灯52のランプ52aが消灯する(ステップS617)と共に、モータF(53)による反射鏡52bの回転も停止する。この結果、各演出部材100、106、112、回胴部材118、及び回転灯52は特別図柄の変動開始と同時に作動し始め、所定の変動時間たとえば5分が経過して、特別図柄が停止すると同時に停止することになる。
(4−4.演出制御部と各可動部材の駆動部との関係:図13)
次に、演出制御部と各可動部材の駆動部との関係について説明する。図13に示すように、演出制御部24の演出制御CPU241は、各ドライバ(駆動部A〜F)に対して各モータA〜Fの駆動パルス信号を出力する。各ドライバ(駆動部A〜F)は、前記駆動パルス信号を受けて、各モータA〜Fの回転を制御する。
(4−5.各可動部材の動作に関する演出パターンの一例:図14)
次に、各可動部材が演出パターンAに基づいて動作を実行する場合について考える。図14は、演出パターンAの場合に関する各モータの励磁のON−OFFを示したタイミングチャートである。
なお、演出パターンAは、ほんの一例であり、当然ながら、当該演出パターンAに限られるものではなく、各モータの励磁開始・停止のタイミング及び励磁の順序を入れ替えて、種々の演出パターンを用いることができる。
以下では、各可動部材の初期状態を出発点として説明する。この初期状態では、一例として、図15に示すように、第1演出部材100、第2演出部材106及び第3演出部材112が退避位置に配置されており、遊技者が視認できないようになっている。また、回胴部材118の各回転体120A、120B及び回転灯52の反射鏡52bは、回転せずに停止している。なお、初期状態では、全てのモータA〜Fに対する励磁がOFFになっている。
なお、各可動部材の初期状態では、第1演出部材100、第2演出部材106及び第3演出部材112の少なくとも一部が遊技者に視認可能になっている構成でもよい。
[演出パターンAが開始してから時間T1が経過するまでのモータの駆動制御]
図14に示すように、演出パターンAが開始してから時間T1が経過するまでは、モータA(102)の励磁がONとなって回転駆動し、他のモータB〜F(108、114、122A、122B、53)の励磁がOFFとなって回転駆動しない。このため、第1演出部材100のみが動作可能になる。
時間T1経過後における各可動部材の状態は、図16に示されている。図16に示すように、第1演出部材100が駆動して、その一部が液晶表示装置36の前方に移動する(第1の位置から第2の位置への移動)。これにより、遊技者は、第1演出部材100を視認することができる。なお、このとき、第2演出部材106及び第3演出部材112は隠れており、遊技者が視認できないようになっている。また、回胴部材118の各回転体120A、120B及び回転灯52の反射鏡52bは、回転せずに停止している。
また、図14に示すように、時間T1が経過するまでにおけるタイミングでは、1個のモータA(102)に対する励磁がONになっているが、5個のモータB〜F(108、114、122A、122B、53)に対する励磁がOFFになっている。このため、6個のモータA〜Fに対する励磁ONが同じタイミングで重複していない。この結果、演出パターンAにより6個のモータA〜Fを用いた演出を実行する場合でも、過電流を抑制することができる。
[演出パターンAの時間T1が経過した後から時間T2が経過するまでのモータの駆動制御]
次に、図14に示すように、演出パターンAの時間T1が経過した後から時間T2が経過するまでは、モータA(102)の励磁がOFFとなって回転駆動が停止し、他のモータB〜F(108、114、122A、122B、53)の励磁がONとなって回転駆動する。このため、第2演出部材106及び第3演出部材112が駆動し、その一部が液晶表示装置36の前方に移動する。また、回胴部材118の2つの回転体120A、120B及び回転灯52の反射鏡52bも回転する。なお、第1演出部材100は、モータA(102)が励磁されないため、液晶表示装置36の前方に移動したままである(第2の位置)。
時間T1の経過後から時間T2が経過するまでにおける各可動部材の動作演出は、図17に示されている。図17に示すように、第2演出部材106及び第3演出部材112が駆動して、その一部が液晶表示装置36の前方に移動する。これにより、遊技者は、第2演出部材106及び第3演出部材112を視認することができる。なお、このとき、第1演出部材100を駆動させるためのモータA(102)に対する励磁がOFFになっているため、第1演出部材100は液晶表示装置36の前方に露出したままの状態になる。当然ながら、遊技者は、第1演出部材100を視認することができる。また、回胴部材118の各回転体120A、120B及び回転灯52の反射鏡52bは、回転している。この状況では、第1演出部材100を駆動させるためのモータA(102)に対する励磁がOFFになっているものの、第1演出部材100が露出しているため、遊技者の目には、全ての可動部材の動作が実行しているように写る。この結果、遊技者に豪華な演出のイメージを与えることが可能になる。
また、時間T1の経過後から時間T2が経過するまでにおけるタイミングでは、5個のモータB〜F(108、114、122A、122B、53)に対する励磁がONになっているものの、1個のモータA(102)に対する励磁がOFFになっている。このため、6個のモータA〜Fに対する励磁ONが同じタイミングで重複していない。この結果、演出パターンAにより6個のモータA〜Fを用いた演出を実行する場合でも、過電流を抑制することができる。
[演出パターンAの時間T2が経過した後から時間T3が経過するまでのモータの駆動制御]
次に、図14に示すように、演出パターンAの時間T2が経過した後から時間T3が経過するまでは、モータA(102)の励磁がONとなって回転駆動し、モータB〜E(108、114、122A、122B)の励磁がOFFとなって回転駆動が停止し、モータF(53)の励磁がONのままとなって回転駆動が継続する。このため、第1演出部材100は、液晶表示装置36の前方位置から退避位置に戻る(第2の位置から第1の位置へ移動)。また、第2演出部材106及び第3演出部材112は、液晶表示装置36の前方に移動したままである。回胴部材118の2つの回転体120A、120Bの回転駆動が停止して所定の図柄が表示される。また、回転灯52の反射鏡52bの回転動作は継続する。
時間T2の経過後から時間T3が経過するまでにおける各可動部材の動作演出は、図18に示されている。図18に示すように、第1演出部材100は、モータA(102)に対する励磁がONになるため、退避位置に移動しようとする。第2演出部材106及び第3演出部材112は、モータB、C(108、114)に対する励磁がOFFになっているため、動作せず、液晶表示装置36の前方に露出したままの状態になる。回胴部材118の2つの回転体120A、120Bは、所定の図柄(停止図柄)を表示して停止している。さらに、回転灯52の反射鏡52bの回転動作が継続中である。
また、時間T2の経過後から時間T3が経過するまでにおけるタイミングでは、2個のモータA、F(102、53)に対する励磁がONになっているものの、4個のモータB〜E(108、114、122A、122B)に対する励磁がOFFになっている。このため、6個のモータA〜Fに対する励磁ONが同じタイミングで重複していない。この結果、演出パターンAにより6個のモータA〜Fを用いた演出を実行する場合でも、過電流を抑制することができる。
[演出パターンAの時間T3が経過した後から時間T4が経過する(終了する)までのモータの駆動制御]
次に、図14に示すように、演出パターンAの時間T3が経過した後から時間T4が経過する(終了する)までは、モータA(102)の励磁がOFFとなって回転駆動が停止し、モータB、C(108、114)の励磁がONとなって回転駆動し、モータD、E(122A、122B)の励磁がOFFのままとなって回転駆動の停止が継続し、モータF(53)の励磁がONのままとなって回転駆動が継続する。このため、第1演出部材100は、退避位置で停止している(第1の位置)。また、第2演出部材106及び第3演出部材112は、液晶表示装置36の前方から退避位置に移動する。回胴部材118の2つの回転体120A、102Bは、停止状態である。回転灯52の反射鏡52bの回転動作は継続する。
時間T3の経過後から時間T4が経過する(終了する)までにおける各可動部材の動作演出は、図19に示されている。図19に示すように、第1演出部材100は、モータA(102)に対する励磁がOFFになるため、退避位置に移動したままである(第1の位置)。第2演出部材106及び第3演出部材112は、モータB、C(108、114)に対する励磁がONになり、液晶表示装置36の前方から退避位置に移動しようとする。回胴部材118の2つの回転体120A、120Bは、所定の図柄(停止図柄)を表示して停止している。回転灯52の反射鏡52bの回転動作が継続中である。
また、時間T3の経過後から時間T4が経過する(終了する)までにおけるタイミングでは、3個のモータB、C、F(108、114、53)に対する励磁がONになっているものの、3個のモータA、D、E(102、122A、122B)に対する励磁がOFFになっている。このため、6個のモータA〜Fに対する励磁ONが同じタイミングで重複していない。この結果、演出パターンAにより6個のモータA〜Fを用いた演出を実行する場合でも、過電流を抑制することができる。
なお、演出パターンAの時間T4が経過した直後は、各モータA〜Fに対する励磁がOFFになる。そして、初期状態に戻り、次の演出パターンに基づいた演出に備える。なお、演出パターンAに続いて別の演出パターンが設定されている場合には、当該別の演出パターンによる演出が引き続き開始される。そのときの、各モータA〜Fに対する励磁状態(ON−OFF)は、当該別の演出パターンに含まれる励磁パターンに従うものとなる。
また、演出パターンAの時間T4が経過した直後の各可動部材の状態は、図20に示すようになる。この状態では、第1演出部材100、第2演出部材106及び第3演出部材112は、退避位置で待機しており、遊技者が視認することはできない。また、回胴部材118の各回転体120A、120Bの回転が停止し、回転灯52の反射鏡52bの回転動作も停止する。
上記実施形態では、第1演出部材100の移動(第1の位置→第2の位置→第1の位置)が中心となる演出パターンAを例示して説明したが、当該演出パターンAに限定されるものではない。例えば、第2演出部材106、第3演出部材112の移動(第1の位置→第2の位置→第1の位置)が中心となる演出パターンの他に、回胴部材118あるいは回転灯52の回転動作(第1の位置→第2の位置→第1の位置)が中心となる演出パターンなどを設定して用いてもよい。
以上のように、本実施形態では、6個以上のモータ(ステッピングモータ)を同時期に励磁ONとすることがないため、過電流を防止することができる。
その一方で、過電流を抑制すると同時に、複数のモータ(ステッピングモータ)を利用して複数の可動部材を自在に駆動することができるため、演出効果を高めることができる。
また、複数のモータ(ステッピングモータ)に対する励磁のON−OFFを規定する複数の励磁パターンに基づいて制御するため、モータ(ステッピングモータ)の制御が容易になる。特に、モータ(ステッピングモータ)の全ての相のコイルに対して電流の供給を停止することにより、モータ(ステッピングモータ)への励磁がOFFに制御される。これにより、モータとしてステッピングモータを用いた場合でも、発熱量を低減できるとともに、過電流を容易に抑制することができる。
なお、モータ(ステッピングモータ)の個数は、6個に限られるものではない。7個以上のモータ(ステッピングモータ)を用いた場合でも、過電流を防止する観点から、同時のタイミングで励磁可能なモータの最大個数(基準値)を予め決めておき、全てのモータ(ステッピングモータ)を同時期に励磁しなければよく、前記基準値を越えない範囲で、様々な組み合わせの励磁パターンを用いた演出パターンを設定することができる。
(5−1.各可動部材の駆動/停止制御に関する励磁パターン:図24−図27)
次に、各可動部材の停止制御に関する励磁パターンについて説明する。図14に示すように、各可動部材は、各モータのON/OFF制御により、駆動又は停止可能になる。ここでは可動部材の一例として、第1演出部材100を例に挙げて説明する。
なお、説明は省略するが、第2演出部材106、第3演出部材112、回胴部材118、回転灯52の駆動/停止制御に関しても、第1演出部材100と同様である。
第1演出部材100が駆動しているとき(例えば、図14中のT1、T3)には、モータAがONになっている。この場合、図24に示す1相励磁方式、図25に示す2相励磁方式、図26及び図27に示す1−2相励磁方式のいずれかの励磁方式でモータAが励磁制御されている。
[1相励磁方式→1相励磁方式(制動励磁)→全相非励磁]
図24は、第1演出部材100がモータAの通常の1相励磁方式により駆動し、所定時間、所定の1相のみに対して励磁する1相励磁方式(制動励磁状態)を経て、完全停止する状態を示した入力パルス図である。
図24に示すように、第1演出部材100が駆動しているときから停止するまでの間(例えば、図14中のT1→T2、T3→T4)の制動励磁状態では、モータAの全部の相ではなく、所定の1相のコイルのみに励磁電流が供給され続ける。なお、所定の1相のコイルのみに励磁電流が供給され続ける時間の情報は、各可動物の重量や慣性力に基づいて決定されており、予め励磁パターン中に設定されている。
具体的には、モータAの4つの相のうち、1相のコイル(例えば、図24中のA相)のみに励磁電流が供給され続けることにより、第1演出部材100が完全停止する。このように、モータAは、規則的な1相励磁制御の後、所定時間に及ぶ所定の1相のみに対して励磁する1相励磁状態(制動励磁状態)を経て、最終的には当該1相励磁状態(制動励磁状態)が解除される(全相非励磁状態)。このような励磁制御が実行されることにより、第1演出部材100の駆動が完全停止する。
なお、モータAの4つの相のうち、A相以外のB相、C相、D相のいずれか1相のコイルのみに励磁電流を供給し続けて、第1演出部材100の駆動を停止するようにしてもよい。
[2相励磁方式→2相励磁方式(制動励磁)→全相非励磁]
図25は、第1演出部材100がモータAの通常の2相励磁方式により駆動し、所定時間、所定の2相のみに対して励磁する2相励磁方式(制動励磁状態)を経て、完全停止する状態を示した入力パルス図である。
図25に示すように、第1演出部材100が駆動しているときから停止するまでの間(例えば、図14中のT1→T2、T3→T4)の制動励磁状態では、モータAの全部の相ではなく、所定の2相のコイルのみに励磁電流が供給され続ける。なお、所定の2相のコイルのみに励磁電流が供給され続ける時間の情報は、各可動物の重量や慣性力に基づいて決定されており、予め励磁パターン中に設定されている。
具体的には、モータAの4つの相のうち、2相のコイル(例えば、図25中のA相及びB相)のみに励磁電流が供給され続けることにより、第1演出部材100が完全停止する。このように、モータAは、規則的な2相励磁制御の後、所定時間に及ぶ所定の2相のみに対して励磁する2相励磁状態(制動励磁状態)を経て、最終的には当該2相励磁状態(制動励磁状態)が解除される(全相非励磁状態)。このような励磁制御が実行されることにより、第1演出部材100の駆動が完全停止する。
なお、モータAの4つの相のうち、A相及びB相に限られるものではなく、A相、B相、C相、D相のいずれか2相のコイルのみに励磁電流を供給し続けて、第1演出部材100の駆動を停止するようにしてもよい。
[1−2相励磁方式→1相励磁方式(制動励磁)→全相非励磁]
図26は、第1演出部材100がモータAの通常の1−2相励磁方式により駆動し、所定時間、所定の1相のみに対して励磁する1相励磁方式(制動励磁状態)を経て、完全停止する状態を示した入力パルス図である。
図26に示すように、第1演出部材100が駆動しているときから停止するまでの間(例えば、図14中のT1→T2、T3→T4)の制動励磁状態では、モータAの全部の相ではなく、所定の1相のコイルのみに励磁電流が供給され続ける。なお、所定の1相のコイルのみに励磁電流が供給され続ける時間の情報は、各可動物の重量や慣性力に基づいて決定されており、予め励磁パターン中に設定されている。
具体的には、モータAの4つの相のうち、1相のコイル(例えば、図26中のA相)のみに励磁電流が供給され続けることにより、第1演出部材100が完全停止する。このように、モータAは、規則的な1−2相励磁制御の後、所定時間に及ぶ所定の1相のみに対して励磁する1相励磁状態(制動励磁状態)を経て、最終的には当該1相励磁状態(制動励磁状態)が解除される(全相非励磁状態)。このような励磁制御が実行されることにより、第1演出部材100の駆動が完全停止する。
なお、モータAの4つの相のうち、A相以外のB相、C相、D相のいずれか1相のコイルのみに励磁電流を供給し続けて、第1演出部材100の駆動を停止するようにしてもよい。
[1−2相励磁方式→2相励磁方式(制動励磁)→全相非励磁]
図27は、第1演出部材100がモータAの通常の1−2相励磁方式により駆動し、所定時間、所定の2相のみに対して励磁する2相励磁方式(制動励磁状態)を経て、完全停止する状態を示した入力パルス図である。
図27に示すように、第1演出部材100が駆動しているときから停止するまでの間(例えば、図14中のT1→T2、T3→T4)の制動励磁状態では、モータAの全部の相ではなく、所定の2相のコイルのみに励磁電流が供給され続ける。なお、所定の2相のコイルのみに励磁電流が供給され続ける時間の情報は、各可動物の重量や慣性力に基づいて決定されており、予め励磁パターン中に設定されている。
具体的には、モータAの4つの相のうち、2相のコイル(例えば、図27中のA相及びB相)のみに励磁電流が供給され続けることにより、第1演出部材100が完全停止する。このように、モータAは、規則的な2相励磁制御の後、所定時間に及ぶ所定の2相のみに対して励磁する2相励磁状態(制動励磁状態)を経て、最終的には当該2相励磁状態(制動励磁状態)が解除される(全相非励磁状態)。このような励磁制御が実行されることにより、第1演出部材100の駆動が完全停止する。
なお、モータAの4つの相のうち、A相及びB相に限られるものではなく、A相、B相、C相、D相のいずれか2相のコイルのみに励磁電流を供給し続けて、第1演出部材100の駆動を停止するようにしてもよい。
(5−1−1.制動励磁制御における励磁パターンの設定)
次に、1−2相励磁方式で駆動している可動部材に対する制動励磁制御において、1相励磁ではなく、2相励磁に設定するための制御方法について説明する。
この場合の制動励磁制御では、遊技機に備えられている励磁カウンタの値を利用する。すなわち、図28に示すように、演出制御部24には、駆動部A(104)に対して出力する駆動データである励磁パルスを表す励磁カウンタA(302)と、駆動部B(110)に対して出力する駆動データである励磁パルスを表す励磁カウンタB(304)と、駆動部C(116)に対して出力する駆動データである励磁パルスを表す励磁カウンタC(306)と、駆動部D(124A)に対して出力する駆動データである励磁パルスを表す励磁カウンタD(308)と、駆動部E(124B)に対して出力する駆動データである励磁パルスを表す励磁カウンタE(310)と、駆動部F(51)に対して出力する駆動データである励磁パルスを表す励磁カウンタF(312)と、が設けられている。
本明細書では、説明の便宜上、励磁カウンタA〜Fを総称して、単に「励磁カウンタ」と称する。
なお、励磁カウンタA(302)が駆動部A(104)に一体に構成されていても良い。また、励磁カウンタB(304)が駆動部B(110)に一体に構成されていても良い。また、励磁カウンタC(306)が駆動部C(116)に一体に構成されていても良い。また、励磁カウンタD(308)が駆動部D(124A)に一体に構成されていても良い。また、励磁カウンタE(310)が駆動部E(124B)に一体に構成されていても良い。さらに、励磁カウンタF(312)が駆動部F(51)に一体に構成されていても良い。
ここで、1−2相励磁方式で使用する励磁カウンタについて説明する。
励磁カウンタは、励磁するコイルと駆動パルス信号とカウンタ値との対応関係を規定するものである。例えば、図29に示すように、励磁カウンタのカウント値が「0」の場合には、演出制御部24から駆動部に出力される駆動パルス信号が「1,0,0,0」となり、励磁されるコイルがA相のみになる(1相励磁)。
励磁カウンタのカウント値が「1」の場合には、演出制御部24から駆動部に出力される駆動パルス信号が「1,1,0,0」となり、励磁されるコイルがA相及びB相の両相になる(2相励磁)。
励磁カウンタのカウント値が「2」の場合には、演出制御部24から駆動部に出力される駆動パルス信号が「0,1,0,0」となり、励磁されるコイルがB相のみになる(1相励磁)。
励磁カウンタのカウント値が「3」の場合には、演出制御部24から駆動部に出力される駆動パルス信号が「0,1,1,0」となり、励磁されるコイルがB相及びC相の両相になる(2相励磁)。
励磁カウンタのカウント値が「4」の場合には、演出制御部24から駆動部に出力される駆動パルス信号が「0,0,1,0」となり、励磁されるコイルがC相のみになる(1相励磁)。
励磁カウンタのカウント値が「5」の場合には、演出制御部24から駆動部に出力される駆動パルス信号が「0,0,1,1」となり、励磁されるコイルがC相及びD相の両相になる(2相励磁)。
励磁カウンタのカウント値が「6」の場合には、演出制御部24から駆動部に出力される駆動パルス信号が「0,0,0,1」となり、励磁されるコイルがD相のみになる(1相励磁)。
励磁カウンタのカウント値が「7」の場合には、演出制御部24から駆動部に出力される駆動パルス信号が「1,0,0,1」となり、励磁されるコイルがA相及びD相の両相になる(2相励磁)。
なお、励磁カウンタのカウント値が「7」になれば、次回のカウント値が「0」に戻る。
このように、モータが正回転する場合には、1−2相励磁方式では、励磁カウンタのカウント値が「0」から順に「7」までカウントされ、「7」に到達すると、「0」に戻る。一方、モータが逆回転する場合には、励磁カウンタのカウント値が正回転時とは逆の順番になるようにカウントされていく。
制動励磁制御における励磁パターンの設定では、励磁カウンタのカウント値「1」、「3」、「5」、「7」の時に、制動励磁として2相励磁が実行される。ここで、励磁カウンタのカウント値には、2相励磁を示す「1」、「3」、「5」、「7」の他に、1相励磁を示す「0」、「2」、「4」、「6」がある。そこで、制動励磁制御において、2相励磁を実行するために、励磁カウンタの強制更新処理が必要になる。
(5−1−2.励磁カウンタの強制更新処理:図30)
図30は、演出制御部のCPUで実行する励磁カウンタの強制更新処理を示したフローチャートである。
図30に示すように、可動部材の駆動停止タイミングか否かが演出制御部24のCPU241により判断される(S702)。S702では、タイマを用い、所定の時間が経過したか否かで判断してもよいし、主制御部20から送信される駆動停止命令に基づいて判断しても良い。
S702において可動部材の駆動停止タイミングであると判断された場合(S702:YES)には、CPU241が励磁カウンタのカウント値を参照する(S704)。
ここで、S704において励磁カウンタのカウント値が、2相励磁を示す「1」、「3」、「5」、「7」の場合(S706:YES)であれば、各モータのコイルに励磁電流を供給する。これにより、2相励磁になる(図27参照)。そして、上述した通り、可動部材の駆動が停止する。
一方、S704において励磁カウンタのカウント値が、1相励磁を示す「0」、「2」、「4」、「6」の場合(S706:NO)であれば、CPU241が励磁カウンタのカウント値を『+1』だけ加算して更新する(S708)。なお、励磁カウンタのカウント値を『+1』だけ加算するかわりに、『−1』だけ加算(減算)しても良い。これにより、励磁カウンタのカウント値が2相励磁を示す「1」、「3」、「5」、「7」になる。そして、各モータのコイルに励磁電流を供給して、2相励磁にする(図27参照)。これにより、上述した通り、可動部材の駆動が停止する。
このように、励磁カウンタの強制更新処理を実行することにより、1−2相励磁方式で可動部材が駆動している場合でも、制動励磁制御において常に2相励磁を実行することができる。そして、制動励磁制御において2相励磁を行うことにより、可動部材をより円滑に停止させることができる。
本実施形態によれば、回胴部材118を含めた可動部材の駆動停止時においてモータの全部の相に励磁するのではなく、一部の相にのみ励磁する制動励磁制御を実行する。これにより、モータの熱量の発生を抑制することができる。この結果、比較的小型の可動部材を用いた場合でも、可動部材が高熱により破損することを防止できる。
特に、1−2相励磁方式で可動部材を駆動させている場合には、励磁カウンタを利用して、かつ励磁カウンタの更新処理を実行することにより、可動部材の駆動を停止する時の制動励磁制御において、強制的に2相励磁を実行することが可能になる。これにより、可動部材を円滑に停止させることができる。
なお、上記した可動部材の制動励磁制御は、第1演出部材100の駆動停止時の適用に限られるものではなく、第2演出部材106、第3演出部材112、回胴部材118及び回転灯52の駆動停止時に対しても容易に適用することができる。
また、本発明では、直線移動、回転移動、回転駆動など様々な動作を行う可動部材の励磁制御(制動励磁制御)に対して適用することができる。また、パチンコ遊技機に限定されるものではなく、スロットマシンの回転体(リール)や付随する演出役物の駆動制御(制動励磁制御)に対しても適用することができる。
(6−1.各可動部材の初期位置の位置決め制御:図31−図40)
次に、各可動部材の初期位置の位置決め制御について説明する。図14に示すように、各可動部材は、各モータのON/OFF制御により、駆動又は停止可能になる。そして、各可動部材の駆動が開始する前に、各可動部材の初期位置が決定される。ここでは可動部材の一例として、回胴部材118を例に挙げて説明する。
回胴部材118の初期位置の位置決め制御は、例えば、図14に示す演出パターンAにおいてモータD及びモータEの駆動がONになるタイミングT2の開始前(換言すれば、演出パターンAが開始されてからT1経過後)に実行される。詳細には、T1とT2との間、あるいはT2の一部に、回胴部材118の初期位置の位置決め制御を実行するための僅かな調整時間が介在している。
なお、説明は省略するが、第1演出部材100、第2演出部材106、第3演出部材112、回転灯52の初期位置の位置決め制御に関しても、各可動部材の駆動開始前に、回胴部材118の初期位置の位置決め制御の要領と同様に行われる。
[各可動部材の初期位置の位置決め制御を実現するための基本構成]
図31に示すように、回胴部材118の各回転体120A、120Bの軸方向一方側端部及びその近傍には、初期位置決定手段402A、402Bがそれぞれ設けられている。以下、回転体120Aの初期位置決定手段402Aを一例にとり、説明する。なお、回転体120Bの初期位置決定手段402Bは、回転体120Aの初期位置決定手段402Aの構成と同様であるので、説明を省略する。
初期位置決定手段402Aは、図32、図33及び図35に示すように、例えば、発光部404Aと、モータD(122A)の1ステップ分に対応した単位光検知部408A(408A1、408A2、408A3、408A4、408A5)が複数かつ奇数個(1、3、5、7、…(個):図面では5個の態様を図示)連続して形成された光検知部406Aと、単位光検知部408Aを介して発光部404Aからの光を受光可能な受光部410Aと、を有している。
図34に示すように、発光部404A及び受光部410Aは、演出制御部24に対して電気的に接続されている。
発光部404A及び受光部410Aは、一般に使用されている光センサの発光素子及び受光素子が用いられる。ここで、光センサは、可視光線(400nm〜800nm(ナノメートル)の波長の光)や不可視光線(紫外線・赤外線)などを検知する。光センサとして、例えば、透過型フォトセンサと、反射型フォトセンサと、がある。
透過型フォトセンサとは、図32に示すように、発光部404Aの光が受光部で受光するように双方が向かい合った構造の光センサのことをいい、発光部404Aの光が遮光されることにより変化する受光部410Aでの出力をとらえるセンサである。
反射型フォトセンサとは、図33に示すように、発光部404Aと受光部410Aが同方向を向いた構造になった光センサであり、発光部404Aからの光を検知物(本実施形態の「単位光検知部408A」に相当する)に当て、反射してくる光を受光部410Aで受けて検知するものである。受・発光部が同じ側にあるため、大きな形状のものや透過型フォトセンサが使用し難い平面での検知に適している。
光検知部406Aの一形態として、上記透過型フォトセンサを使用する場合には、光を透過する光透過部が採用される。具体的には、単位光検知部408Aは、光が透過可能な単位光透過部である。単位光透過部は、無色透明の樹脂又はビニール、あるいは開口部で構成されている。当該単位光検知部408Aが複数かつ奇数個(1、3、5、7、…(個))連続形成されて光検知部406Aが構成されている。
なお、光検知部406Aが位置していない各回転体120Aの軸方向端部側の外周面の部位は、光が透過できない黒色部材で形成され、あるいは黒色の塗料が塗布されて構成されている。
一例として、図32に示すように、光検知部406Aの長手方向に沿って、光が透過可能な単位光検知部408A(408A1、408A2、408A3、408A4、408A5)が複数かつ奇数個(5個)連続形成されている。これによれば、モータD(122A)が1ステップ分だけ駆動する度に、回転体120Aの回転方向に沿う外周面に形成された単位光検知部408Aが発光部404Aと受光部410Aとの間に位置するようになる。なお、発光部404Aと受光部410Aの位置は、回転体120Aの外側と内側の位置で固定されている。
図36(A)、(B)に示すように、例えば、光検知部406Aの一方端部側の第1単位光検知部408A1が発光部404Aと受光部410Aとの間に位置している状態(発光部404Aの光が第1単位光検知部408A1を透過して受光部410Aで受光可能な状態)を基準として、モータD(122A)が1ステップ分だけ駆動すると第1単位光検知部408A1に隣接する第2単位光検知部408A2が発光部404Aと受光部410Aとの間に位置する。この状態において、発光部404Aの光が第2単位光検知部408A2を透過して受光部410Aで受光可能になる。
次に、図36(B)、(C)に示すように、光検知部406Aの第2単位光検知部408A2が発光部404Aと受光部410Aとの間に位置している状態(発光部404Aの光が第2単位光検知部408A2を透過して受光部410Aで受光可能な状態)を基準として、モータD(122A)が1ステップ分だけさらに駆動すると第2単位光検知部408A2に隣接する第3単位光検知部408A3が発光部404Aと受光部410Aとの間に位置する。この状態において、発光部404Aの光が第3単位光検知部408A3を透過して受光部410Aで受光可能になる。
次に、図36(C)、(D)に示すように、光検知部406Aの第3単位光検知部408A3が発光部404Aと受光部410Aとの間に位置している状態(発光部404Aの光が第3単位光検知部408A3を透過して受光部410Aで受光可能な状態)を基準として、モータD(122A)が1ステップ分だけさらに駆動すると第3単位光検知部408A3に隣接する第4単位光検知部408A4が発光部404Aと受光部410Aとの間に位置する。この状態において、発光部404Aの光が第4単位光検知部408A4を透過して受光部410Aで受光可能になる。
次に、図36(D)、(E)に示すように、光検知部406Aの第4単位光検知部408A4が発光部404Aと受光部410Aとの間に位置している状態(発光部404Aの光が第4単位光検知部408A4を透過して受光部410Aで受光可能な状態)を基準として、モータD(122A)が1ステップ分だけさらに駆動すると第4単位光検知部408A4に隣接する第5単位光検知部408A5が発光部404Aと受光部410Aとの間に位置する。この状態において、発光部404Aの光が第5単位光検知部408A5を透過して受光部410Aで受光可能になる。
さらに、光検知部406Aの第5単位光検知部408A5が発光部404Aと受光部410Aとの間に位置している状態(発光部404Aの光が第5単位光検知部408A5を透過して受光部410Aで受光可能な状態)を基準として、単位光検知部408Aのいずれもが発光部404Aと受光部410Aとの間に位置せず、発光部404Aの光が受光部410Aにおいて受光不可能になる。
また、光検知部406Aの他の形態として、図33に示すように、反射型フォトセンサを使用する場合には、光を反射する光反射部が採用される。具体的には、単位光検知部408Aは、光を反射する光反射部である。単位光検知部408Aは、例えば、反射塗料が塗布されたもの、鏡、あるいは光反射板などで構成されている。当該単位光検知部408Aが複数かつ奇数個(1、3、5、7、…個)連続して形成されて光検知部406Aが構成されている。
なお、光検知部406Aが位置していない回転体120Aの軸方向端部の外周面の部位は、光が反射できない部材で形成され、あるいは光が反射できない塗料が塗布されて構成されている。
一例として、図33に示すように、光検知部406Aの長手方向に沿って、光が反射可能な単位光検知部408Aが複数かつ奇数個(5個)連続形成されている。これによれば、モータD(122A)が1ステップ分だけ駆動する度に、回転体120Aの回転方向に沿う外周面に形成された単位光検知部408Aが発光部404A及び受光部410Aの真上(あるいは真下)に位置するようになる。なお、発光部404Aと受光部410Aの位置は、回転体120Aの内側(あるいは外側)の位置で固定されている。
例えば、図37(A)、(B)に示すように、光検知部406Aの一方端部側の第1単位光検知部408A1が発光部404A及び受光部410Aの真上に位置している状態(発光部404Aの光が第1単位光検知部408A1を反射して受光部410Aで受光可能な状態)を基準として、モータD(122A)が1ステップ分だけ駆動すると第1単位光検知部408A1に隣接する第2単位光検知部408A2が発光部404A及び受光部410Aの真上の位置に到達する。この状態において、発光部404Aの光が第2単位光検知部408A2を反射して受光部410Aで受光可能になる。
次に、図37(B)、(C)に示すように、光検知部406Aの第2単位光検知部408A2が発光部404A及び受光部410Aの真上に位置している状態(発光部404Aの光が第2単位光検知部408A2を反射して受光部410Aで受光可能な状態)を基準として、モータD(122A)が1ステップ分だけさらに駆動すると第2単位光検知部408A2に隣接する第3単位光検知部408A3が発光部404A及び受光部410Aの真上の位置に到達する。この状態において、発光部404Aの光が第3単位光検知部408A3を反射して受光部410Aで受光可能になる。
次に、図37(C)、(D)に示すように、光検知部406Aの第3単位光検知部408A3が発光部404A及び受光部410Aの真上に位置している状態(発光部404Aの光が第3単位光検知部408A3を反射して受光部410Aで受光可能な状態)を基準として、モータD(122A)が1ステップ分だけさらに駆動すると第3単位光検知部408A3に隣接する第4単位光検知部408A4が発光部404A及び受光部410Aの真上の位置に到達する。この状態において、発光部404Aの光が第4単位光検知部408A4を反射して受光部410Aで受光可能になる。
次に、図37(D)、(E)に示すように、光検知部406Aの第4単位光検知部408A4が発光部404A及び受光部410Aの真上に位置している状態(発光部404Aの光が第4単位光検知部408A4を反射して受光部410Aで受光可能な状態)を基準として、モータD(122A)が1ステップ分だけさらに駆動すると第4単位光検知部408A4に隣接する第5単位光検知部408A5が発光部404A及び受光部410Aの真上の位置に到達する。この状態において、発光部404Aの光が第5単位光検知部408A5を反射して受光部410Aで受光可能になる。
さらに、光検知部406Aの第5単位光検知部408A5が発光部404A及び受光部410Aの真上に位置している状態(発光部404Aの光が第5単位光検知部408A5を反射して受光部410Aで受光可能な状態)を基準として、単位光検知部408Aのいずれもが発光部404A及び受光部410Aの真上の位置に存在せず、発光部404Aの光が受光部410Aにおいて受光不可能になる。
また、図34に示すように、演出制御部24のCPU241は、光検知部406Aの一方側端部又は他方側端部に位置する単位光検知部408Aを介した光が受光部410Aで受光された後、光検知部406Aの一方側端部からのモータD(122A)のステップ数と他方側端部からのモータD(122A)のステップ数とが同じになる距離にある単位光検知部408Aを介した光が受光部410Aで受光されたときの回胴部材118の位置を初期位置と決定する。
具体的には、「光検知部406Aの一方側端部又は他方側端部に位置する単位光検知部408A」とは、本実施形態では、第1単位光検知部408A1又は第5単位光検知部408A5に相当する。
また、「光検知部406Aの一方側端部からのモータD(122A)のステップ数と他方側端部からのモータD(122A)のステップ数とが同じになる距離にある単位光検知部408A」とは、本実施形態では、第3単位光検知部408A3に相当する。
[演出制御部における各可動部材の初期位置の位置決め処理]
次に、演出制御部における各可動部材の初期位置の位置決め処理について、図38に示すフローチャートに基づいて説明する。なお、以下では、回胴部材118の回転体120Aの初期位置の位置決め処理について、透過型センサを用いた形態を一例として説明する。
図38に示すように、先ず、1回目の受光の有無がCPU241により判断される(S802)。すなわち、例えば、受光部410Aにおいて発光部404Aの光が受光されていない状態で、各回転体120Aを回転駆動させていくと、やがて、第1単位光検知部408A1又は第5単位光検知部408A5が発光部404Aと受光部410Aとの間に位置する。このとき、図39(A)及び図40(A)に示すように、受光部410Aで発光部404Aからの光が受光される(S802:YES:最初(1回目)の受光)。
なお、1回目の受光が確認できない場合(S802:NO)には、一旦、演出制御部24における各可動部材の初期位置の位置決め処理を強制終了する。そして、モータD(122A)を所定ステップ数だけ調整駆動した後、再度、演出制御部24における各可動部材の初期位置の位置決め処理を開始する。このような演出制御部24における各可動部材の初期位置の位置決め処理のリトライは、数回実行される。前記リトライの回数は、カウンタなどによりカウントされており、規定回数に達すると、液晶表示装置36に「エラー」と表示されるとともに、遊技プログラムの実行が強制終了され、あわせてエラー報告を示す警告信号がホールコンピュータに出力される。
ここで、光が受光部410Aで受光されたときには、光検知信号が演出制御部24に対して出力される。演出制御部24は、受光部410Aからの光検知信号を受けて、CPU241の光検知カウンタにより検知回数「1」がセットされる。これが、現在実行されている初期位置の位置決め制御において、最初(1回目)の光検知信号になる。
次に、CPU241の光検知カウンタにより検知回数「1」がセットされた状態から、モータD(122A)が2ステップ分だけ正回転又は逆回転で駆動される(S804)。これにより、図39(B)及び図40(B)に示すように、第3単位光検知部408A3が発光部404Aと受光部410Aとの間に位置する。このとき、受光部410Aで発光部404Aからの光が受光される(S806:YES:2回目の受光)。
なお、CPU241の光検知カウンタにより検知回数「1」がセットされた状態から駆動されるモータD(122A)のステップ数は、真中に位置する単位光検知部408Aが発光部404Aと受光部410Aとの間に位置するようなステップ数となるように、演出制御部24のROM242に予め記憶されている。本実施形態では、5つの単位光検知部408Aが設定されているため、CPU241の光検知カウンタにより検知回数「1」がセットされた状態から駆動されるモータD(122A)のステップ数は、2ステップになる。
ここで、光が受光部410Aで受光されたときには、光検知信号が演出制御部24に出力される。演出制御部24は、受光部410Aからの光検知信号を受けて、CPU241の光検知カウンタにより検知回数「2」がセットされる。これが、現在実行されている初期位置の位置決め制御において、2回目の光検知信号になる。
次に、演出制御部24に2回目の光検知信号が入力され、CPU241の光検知カウンタにより検知回数「2」がセットされたときの回転部材120Aの位置が初期位置として演出制御部24のCPU241により認定される(S808)。その後、演出制御部24のCPU241の光検知カウンタの検知回数(カウント値)がリセットされる。
なお、1回目の受光を確認した後、2回目の受光が確認できない場合(S806:NO)には、一旦、演出制御部24における各可動部材の初期位置の位置決め処理を強制終了する。そして、モータD(122A)を所定ステップ数だけ調整駆動した後、再度、演出制御部24における各可動部材の初期位置の位置決め処理を開始する。このような演出制御部24における各可動部材の初期位置の位置決め処理のリトライは、数回実行される。前記リトライの回数は、カウンタなどによりカウントされており、規定回数に達すると、液晶表示装置36に「エラー」と表示されるとともに、遊技プログラムの実行が強制終了され、あわせてエラー報告を示す警告信号がホールコンピュータに出力される。
以上のように、本実施形態の回胴部材118の回転体120Aの初期位置の位置決め制御によれば、回胴部材118の回転体120Aの初期位置を正確かつ容易に決定することができる。そして、回胴部材118の回転体120Aの初期位置が常に同じ位置となるように設定することができる。加えて、回胴部材118の回転体120Aが初期位置にあるときに、入賞ライン上のシンボルを常に同じシンボルとなるように設定することができる。
特に、図39及び図40に示すように、回胴部材118を正回転させる場合又は逆回転させる場合でも、1回目の受光から2回目の受光までのステップ数が同じステップ数になる。このため、同じステップ数による画一的な制御が可能になり、回転体120Aの正回転と逆回転を混在させた演出を実行した場合でも、回転体120Aの初期位置が常に同じ初期位置になるように制御することが可能になる。
なお、単位光検知部が偶数個(2、4、6、…(個))設定されている構成では、1回目の受光から2回目の受光までのステップ数がモータの正回転と逆回転とで異なるようになる。このため、1回目の受光から同じステップ数で回転体120Aを初期位置に戻すことが不可能になる場合があるため、不都合が生じる。
また、本実施形態では、回胴部材118の初期位置の位置決め制御を例にとり説明したが、これに限られるものではない。例えば、上下方向や左右方向に沿って直線運動する可動部材や円弧上の運動軌跡を実現する可動部材など、他の可動部材の初期位置の位置決め制御に対しても容易に適用することができる。
また、本実施形態では、パチンコ遊技機1の回胴部材118の初期位置の位置決め制御を例にとり説明したが、これに限られるものではない。例えば、スロットマシンの回胴部材や可動部材の初期位置の位置決め制御に対しても容易に適用することができる。