JP5430143B2 - 基板の製造方法 - Google Patents
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Description
本実施形態の基板の製造方法は、平面を有するブロックを準備する工程と、ブロックの平面に第一の速度で走行するワイヤーを進め、ブロックの切断を開始する工程と、第一の速度より速い第二の速度で走行するワイヤーにより、第一の速度で切断されたブロックの中心部分を切断する工程と、を有する。
(ア)まず、複数列に設けられたワイヤー3と、ブロック1とを準備する。
(イ)次に、ブロック1の平面1sに向かって第一の速度で走行するワイヤー3を進め、ブロック1の切断を開始する。
(ウ)その後、第一の速度より速い第二の速度で走行するワイヤー3により、第一の速度で切断されたブロック1の中心部分を切断する。
ワイヤー3はワイヤー供給リール7から供給され、メインローラー5に巻きつけて所定間隔に配列している。メインローラー5が所定の回転速度で回転させることによって、ワイヤー3の長手方向にワイヤー3を走行させることができる。第一の実施形態においてはワイヤー3を往復走行させずに一方向走行させることによって、ワイヤー3を回転させる主軸を駆動させるモーターの負荷を減らし装置寿命を延ばすことができる。
ブロック1の切断は、切断部近傍に設けられた供給ノズル4より走行しているワイヤー3に向かって切削液を供給しながら、ブロック1を下降させてワイヤー3に近づけ、ワイヤー3にブロック1の平面1sを相対的に押圧することによりなされる。ブロック1は、例えば厚さ200μm以下の複数枚の基板1aに分割される。このとき、ワイヤー3の張力、ワイヤー3が走行する速度(走行速度)、ブロックを下降させる速度(フィード速度)は適宜制御されている。
次に、第二の実施形態について、第一の本実施形態と異なる点を説明する。第二の実施形態においては初めから砥粒をワイヤーに固着させた砥粒固着ワイヤーで切断する固着砥粒タイプのワイヤーソー装置が用いられる。
(ア)まず、複数列に設けられたワイヤー3と、ブロック1とを準備する。
(イ)次に、ブロック1の平面1sに向かって第一の速度で走行するワイヤー3を進め、ブロック1の切断を開始する。
(ウ)その後、第一の速度より速い第二の速度で走行するワイヤー3により、第一の速度で切断されたブロック1の中心部分を切断する。
第二の実施形態においてはワイヤー3を往復走行させることによって、ワイヤー3に固着した砥粒を有効に利用し、生産性を向上させることができる。
ブロック1の切断は、切断部近傍に設けられた供給ノズル4より走行しているワイヤー3に向かってクーラント液を供給しながら、ブロック1を下降させてワイヤー3に近づけ、ワイヤー3にブロック1の平面1sを相対的に押圧することによりなされる。ブロック1は、例えば厚さ200μm以下の複数枚の基板1aに分割される。
以下、実施例について説明する。
その結果を表1に表す。
次に、実施例1のスライス条件の一部を下記記載の条件として、シリコンブロックのスライスを実施した。スライス条件については、初期の切断時におけるワイヤーの走行速度を350m/min、切削液の供給流量を60L/min、72L/min、80L/min、90L/min、96L/min、110L/minの6条件とした。
その結果を表2に表す。
まず、カーボンからなるスライスベースにエポキシ系接着剤を塗布し、156mm×156mm×300mmの直方体の多結晶シリコンブロックをスライスベースに設置し接着剤を硬化させた。図1に示されるように、2本のスライスベースに接着したシリコンブロックをワイヤーソー装置に設置し、グリコールからなるクーラント液を双方向に走行しているダイヤモンドの砥粒(平均粒径10μm)が固着したワイヤー(線径120μm)に供給しながら、スライスベースに接着したブロックをスライスして、平均厚み200μmのシリコン基板を作製した。スライス条件は、初期の切断時におけるワイヤーの走行速度を300m/min、350m/min、400m/min、450m/min、500m/min、550m/min、600m/min、700m/minの8条件、シリコンブロックのフィード速度を300μm/min、中心部分の切断時におけるワイヤーの走行速度を800m/min、シリコンブロックのフィード速度を500μm/minとした。なお、切り始め端部から10mm切断した際に中心部分の切断時の条件となるように、各値を連続的に大きくした。
その結果を表3に表す。
1 :ブロック
1a :基板
1s:ブロックの平面
3 :ワイヤー
Claims (13)
- 平面を有し断面形状が略矩形の角型のブロックを準備する工程と、
前記ブロックの前記平面に向かって第一の速度で走行するワイヤーを進め、前記ブロックの切断を開始する工程と、
前記第一の速度より速い第二の速度で走行するワイヤーにより、前記第一の速度で切断された前記ブロックの中心部分を切断する工程と、
を有する基板の製造方法。 - 前記ブロックの切断は、砥粒を含む切削液が供給されて行われ、前記切削液の供給流量は、前記ブロックの前記中心部分の切断時よりも切断開始時の方が小さいことを特徴とする請求項1に記載の基板の製造方法。
- 前記ブロックを前記ワイヤーに向けて移動させるフィード速度は、前記ブロックの前記中心部分の切断時よりも切断開始時の方が遅いことを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の基板の製造方法。
- 前記ワイヤーの走行速度を切断開始時から段階的または連続的に速くすることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の基板の製造方法。
- 前記切削液の供給流量を切断開始時から段階的にまたは連続的に大きくすることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の基板の製造方法。
- 前記ブロックのフィード速度を切断開始時から段階的にまたは連続的に速くすることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の基板の製造方法。
- 前記ワイヤーの走行速度を、前記ブロックの前記平面から2mm以上50mm以下の深さ範囲で前記第一の速度から前記第二の速度に移行することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の基板の製造方法。
- 前記第一の速度は、200m/min以上500m/min以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の基板の製造方法。
- 前記第二の速度は、600m/min以上1000m/min以下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の基板の製造方法。
- 前記切断開始時の前記切削液の供給流量は、前記中心部分の切断時の前記切削液の供給流量の60%以上80%以下であることを特徴とする請求項2〜9のいずれかに記載の基板の製造方法。
- 前記切断開始時の前記ブロックのフィード速度は、前記中心部分の切断時のフィード速度の30%以上60%以下であることを特徴とする請求項3〜10のいずれかに記載の基板の製造方法。
- 前記ワイヤーの前記第一の速度が、前記第二の速度になるまでに前記ブロックが切断された深さは、前記切削液の供給流量が切断開始時から定常状態になるまでに前記ブロックが切断された深さよりも深いか、または同じであることを特徴とする請求項2〜11のいずれかに記載の基板の製造方法。
- 前記ワイヤーの前記第一の速度が、前記第二の速度になるまでに前記ブロックが切断された深さは、前記ブロックのフィード速度が切断開始時から定常状態になるまでに前記ブロックが切断された深さよりも浅い、または同じであることを特徴とする請求項3〜12のいずれかに記載の基板の製造方法。
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