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JP5421980B2 - 射出成形機の制御装置 - Google Patents

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JP5421980B2 JP2011265283A JP2011265283A JP5421980B2 JP 5421980 B2 JP5421980 B2 JP 5421980B2 JP 2011265283 A JP2011265283 A JP 2011265283A JP 2011265283 A JP2011265283 A JP 2011265283A JP 5421980 B2 JP5421980 B2 JP 5421980B2
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Description

本発明は、射出装置及び型締装置を制御することにより成形を行う成形機コントローラを備える射出成形機の制御装置に関する。
従来、金型を型締(型開閉を含む)する型締装置と、加熱筒内のスクリュの回転により可塑化溶融した樹脂をスクリュの前進により金型に射出充填する射出装置とをそれぞれ制御することにより成形を行うコンピュータ機能を有する成形機コントローラを備える射出成形機の制御装置は知られており、通常、この種の制御装置は、型締装置を制御することにより高圧の型締力により金型を型締するとともに、射出装置を予め設定した成形条件(射出速度,スクリュ位置,V−P(速度−圧力)切換点,保圧力等)により制御することにより樹脂を金型に射出充填して成形を行う(特許文献1参照)。
一方、二酸化炭素の排出削減や資源節約等の地球環境保護の観点から、射出成形機等の産業機械には、省エネルギ化が要請されており、既に、本出願人も、この要請に応え得る射出成形方法を特許文献2により提案した。この射出成形方法は、金型に対する圧力を必要な時に必要な量だけ付加することにより、二酸化炭素の排出削減や資源節約等の地球環境保護の観点からの省エネルギ化の要請に応えることを目的としたものであり、具体的には、型開閉装置に支持された固定型と可動型を有する金型に射出装置から溶融樹脂を射出充填して射出成形を行うに際し、予め、射出成形時に溶融樹脂が侵入しない固定型と可動型間の隙間(設定間隔)を設定し、成形時に、設定間隔に基づく隙間を空けた状態で金型を閉じ、この金型に射出装置から溶融樹脂を射出充填するとともに、少なくとも射出充填中は設定間隔が固定されるように可動型に対する位置制御を行うものである。
特開昭55−67435号公報 特開2007−118349号公報
しかし、上述した特許文献2の射出成形方法をはじめ、従来の射出成形機に搭載される制御装置による成形方法は、次のような解決すべき課題が存在した。
第一に、基本的には、型締装置の型締条件を固定条件として設定し、これに基づいて、射出装置の射出条件を設定するため、射出条件を正確かつ的確に設定した場合であっても、金型に充填された樹脂は、金型や型締機構における温度変動等の影響を受けるとともに、最終的な成形品の品質及び均質性も影響を受ける。特に、温度や圧力等に敏感に影響を受けやすい特性を有する樹脂の場合には、この問題が大きくなり、高度の成形品質を確保する観点からは不十分である。
第二に、成形条件は、主に射出装置側で設定するため、射出速度,速度切換位置,V−P切換点,射出圧力,保圧力等の正確性の要求される射出条件をはじめ、正確な計量が要求されるスクリュ位置等の計量条件を含む各種成形条件を設定する必要がある。したがって、成形条件に対する設定作業が容易でないとともに、成形時における動作制御も煩雑化する。しかも、通常、射出速度に対する多段の制御や保圧力に対する制御などの一連の制御が行われるため、成形サイクル時間が長くなる傾向があり、成形サイクル時間の短縮化、更には量産性を高めるには限界があった。
第三に、成形方法(成形方式)が単一であり、成形方式のバリエーションに欠けるため、ユーザは、成形を行うに際し、形態や成形材料が異なる様々な成形品に対して異なる成形方式を選択する余地が無く、成形処理の多様性及び融通性に欠ける。したがって、成形処理に対する最適化、成形品質の向上、更には射出成形機の付加価値及び商品性を高める観点からは更なる改善の余地がある。
本発明は、このような背景技術に存在する課題を解決した射出成形機の制御装置の提供を目的とするものである。
本発明は、上述した課題を解決するため、金型2を型締(型開閉を含む)する型締装置Mc及び加熱筒3内のスクリュ4の回転により可塑化溶融した樹脂をスクリュ4の前進により金型2に射出充填する射出装置Miを制御することにより成形を行うコンピュータ機能を有する成形機コントローラ5を備える射出成形機Mの制御装置1を構成するに際し、射出装置Mi側に対して設定した成形条件を優先させて樹脂の射出充填を行う射出側設定優先モードEiと、型締装置Mc側に対して設定した成形条件を優先させて樹脂の射出充填を行う型締側設定優先モードEcと、二つのモードEi,Ecを選択するモード選択機能Fmと、射出側設定優先モードEiの選択時に当該射出側設定優先モードEiに対応する射出側優先設定画面Viをディスプレイ6に表示し、かつ型締側設定優先モードEcの選択時に当該型締側設定優先モードEcに対応する型締側優先設定画面Vcをディスプレイ6に表示する設定画面表示機能Fdとを有する成形機コントローラ5を備えてなることを特徴とする。
この場合、発明の好適な態様により、設定画面表示機能Fdは、射出側優先設定画面Vi及び型締側優先設定画面Vcにおける、同一設定対象に対する設定部Viv…の一部又は全部を、それぞれ同一の位置に表示し、かつ型締側優先設定画面Vcで不要となる射出側優先設定画面Viにおける設定部Vic…を、当該型締側優先設定画面Vcにおいて設定不能にすることができる。この際、型締側優先設定画面Vcにおいて不要となる射出側優先設定画面Viの設定部Vic…を、型締側優先設定画面Vcで非表示にして当該型締側優先設定画面Vcに非表示エリアVcoを設けることができる。なお、非表示エリアVcoには、型締側優先設定画面Vcに関連する他の関連項目(Dm…,Dd)を表示してもよいし、型締側優先設定画面Vcにおいて不要となる射出側優先設定画面Viの設定項目Vx…を、型締側優先設定画面Vcにおいて表示色及び/又は表示濃度を異ならせて表示してもよい。一方、設定画面表示機能Fdは、型締側優先設定画面Vcにおける射出速度に対するリミット速度を設定するリミット速度設定部Vcvを、射出側優先設定画面Viにおける射出速度を設定する射出速度設定部Vivの表示位置に対応させて表示し、また、型締側優先設定画面Vcにおける樹脂に対する可塑化条件を設定する可塑化設定部Vcmを、射出側優先設定画面Viにおける射出する樹脂量に係わる計量条件を設定する計量設定部Vimの表示位置に対応させて表示し、さらに、型締側優先設定画面Vcにおける射出圧力を設定する射出圧力設定部Vcpを、射出側優先設定画面Viにおける射出圧力に対するリミット圧力を設定するリミット圧力設定部Vipの表示位置に対応させて表示することができる。加えて、設定画面表示機能Fdは、射出側優先設定画面Viにおけるグラフデータ表示部Vigの横軸を位置軸で表示するとともに、型締側優先設定画面Vcにおけるグラフデータ表示部Vcgの横軸を、時間軸又は位置軸を選択して表示可能にすることができる。他方、射出側設定優先モードEiにより優先させる成形条件には、スクリュ4を前進させる射出速度,射出する樹脂量に係わる計量条件,の少なくとも一つを含ませることができるとともに、型締側設定優先モードEcにより優先させる成形条件には、少なくとも、樹脂の充填時に金型2の可動型2mと固定型2c間に生じる所定の隙間(パーティング開量)Lmを含ませることができる。
このような構成を有する本発明に係る射出成形機Mの制御装置1によれば、次のような顕著な効果を奏する。
(1) 射出装置Miに対して設定した成形条件を優先させて樹脂の射出充填を行う射出側設定優先モードEiと、型締装置Mcに対して設定した成形条件を優先させて樹脂の射出充填を行う型締側設定優先モードEcと、を選択するモード選択機能Fmを備えるとともに、射出側設定優先モードEiの選択時に当該射出側設定優先モードEiに対応する射出側優先設定画面Viをディスプレイ6に表示し、かつ型締側設定優先モードEcの選択時に当該型締側設定優先モードEcに対応する型締側優先設定画面Vcをディスプレイ6に表示する設定画面表示機能Fdを備えるため、ユーザは、成形を行うに際し、形態や成形材料が異なる様々な成形品に対して、二つの異なる成形方式に係わるモードを選択することができる。したがって、成形処理の多様性及び融通性を高めることができるとともに、異なる成形方式の選択により成形処理に対する最適化を可能にし、成形品質の向上、更には射出成形機の付加価値及び商品性を高めることができる。
(2) 型締側設定優先モードEcを選択することにより、相互に影響し合う、射出速度,V−P切換点,保圧力等の正確性の要求される射出条件をはじめ、正確な計量が要求されるスクリュ位置等の計量条件を含む各種成形条件の設定が不要になるため、成形条件のシンプル化及び設定容易化、更には品質管理の容易化を図ることができるとともに、生産時における動作制御も容易に行うことができる。しかも、射出速度に対する多段の制御や保圧力に対する制御などの一連の制御が不要となるなど、成形サイクル時間の短縮を図れるとともに、量産性及び経済性を高めることができる。
(3) 好適な態様により、設定画面表示機能Fdにより、射出側優先設定画面Vi及び型締側優先設定画面Vcにおける、同一設定対象に対する設定部Viv…の一部又は全部を、それぞれ同一の位置に表示すれば、型締側優先設定画面Vc又は射出側優先設定画面Viに切換えた際における使い勝手を高めることができる。また、型締側優先設定画面Vcで不要となる射出側優先設定画面Viにおける設定部Vic…を、当該型締側優先設定画面Vcにおいて設定不能にすれば、設定時における無用な混乱や設定ミスを防止し、ユーザの利便性をより高めることができる。
(4) 好適な態様により、型締側優先設定画面Vcにおいて不要となる射出側優先設定画面Viの設定部Vic…を、型締側優先設定画面Vcで非表示にして当該型締側優先設定画面Vcに非表示エリアVcoを設ければ、型締側優先設定画面Vcでは不要な設定項目Dx…が表示されないため、最もシンプルな表示となり、視認性及び操作性等の設定容易性の向上に寄与できる。
(5) 好適な態様により、設定画面表示機能Fdにより、非表示エリアVcoに、型締側優先設定画面Vcに関連する他の関連項目(Dm…,Dd)を表示すれば、例えば、型締装置Mc側における他の設定項目Dm…やモニタ項目Ddを表示することにより、型締側優先設定画面Vcの更なる使い勝手及び利便性の向上に寄与できるとともに、全体の管理性を高めることができる。具体的には、型締力を設定する型締力設定部を表示することにより、パーティング開量Lmに影響を及ぼす型締力の設定を、他の設定部(射出圧力設定部等)を見ながら的確かつ容易に行うことができる。また、リアルタイムで得られるパーティング開量Lmのアナログモニタ表示部を表示することにより、グラフデータ表示部に表示されるパーティング開量Lmの時間に対する変化状態とアナログモニタ表示部に表示されるパーティング開量Lmのリアルタイムの数値(大きさ)を同時に確認し、両者に基づく相乗効果によりパーティング開量Lmに対する最適なモニタリングを実現することができる。
(6) 好適な態様により、設定画面表示機能Fdにより、型締側優先設定画面Vcにおいて不要となる射出側優先設定画面Viの設定項目Vx…を、型締側優先設定画面Vcにおいて表示色及び/又は表示濃度を異ならせて表示すれば、型締側優先設定画面Vcと射出側優先設定画面Viにおける設定項目Ds…の相違や関連を容易に把握できるとともに、各画面Vi,Vcを選択する参考情報として利用できる。
(7) 好適な態様により、設定画面表示機能Fdにより、型締側優先設定画面Vcにおける射出速度に対するリミット速度を設定するリミット速度設定部Vcvを、射出側優先設定画面Viにおける射出速度を設定する射出速度設定部Vivの表示位置に対応させて表示すれば、型締側設定優先モードEcと射出側設定優先モードEiの射出速度に関係する設定部位を容易に把握できるとともに、双方の設定項目Ds…の位置付けや影響等を容易に把握できる。
(8) 好適な態様により、設定画面表示機能Fdにより、型締側優先設定画面Vcにおける樹脂に対する可塑化条件を設定する可塑化設定部Vcmを、射出側優先設定画面Viにおける射出する樹脂量に係わる計量条件を設定する計量設定部Vimの表示位置に対応させて表示すれば、型締側設定優先モードEcと射出側設定優先モードEiの樹脂の可塑化溶融に関係する設定部位を容易に把握できるとともに、双方の設定項目Ds…の位置付けや影響等を容易に把握できる。
(9) 好適な態様により、設定画面表示機能Fdにより、型締側優先設定画面Vcにおける射出圧力を設定する射出圧力設定部Vcpを、射出側優先設定画面Viにおける射出圧力に対するリミット圧力を設定するリミット圧力設定部Vipの表示位置に対応させて表示すれば、型締側設定優先モードEcと射出側設定優先モードEiの射出圧力に関係する設定部位を容易に把握できるとともに、双方の設定項目Ds…の位置付けや影響等を容易に把握できる。
(10) 好適な態様により、設定画面表示機能Fdにより、射出側優先設定画面Viにおけるグラフデータ表示部Vigの横軸を位置軸で表示するとともに、型締側優先設定画面Vcにおけるグラフデータ表示部Vcgの横軸を、時間軸又は位置軸を選択して表示可能にすれば、成形時における各特性データの時間と位置に対する変化を対比して把握できるため、成形条件を最適化する微調整等を容易に行うことができるとともに、パーティング開量Lm等の変化データをより的確にモニタリングし、必要なデータ解析等を容易かつ緻密に行うことができる。
(11) 好適な態様により、射出側設定優先モードEiにより優先させる成形条件に、スクリュ4を前進させる射出速度,射出する樹脂量に係わる計量条件,の少なくとも一つを含ませれば、従来より広く普及している最もポピュラな成形方式として機能させることができる。
(12) 好適な態様により、型締側設定優先モードEcにより優先させる成形条件に、少なくとも、樹脂の充填時に金型2の可動型2mと固定型2c間に生じる所定の隙間(パーティング開量)Lmを含ませれば、成形時の型締力と成形時の射出圧力の相対的な力関係により所定のパーティング開量Lmを生じさせることができる。この結果、樹脂の射出充填が終了した後に型締力による自然圧縮を生じさせることができるとともに、成形品の高度の品質及び均質性を確保できる。したがって、温度や圧力等に敏感に影響を受けやすい特性を有する低粘性の樹脂の成形に最適となる。
本発明の好適実施形態に係る制御装置の要部を示す機能ブロック図、 同制御装置を搭載する射出成形機の構成図、 同制御装置により表示される射出側優先設定画面の表示画面図、 同制御装置により表示される型締側優先設定画面の表示画面図、 同制御装置を搭載する射出成形機の動作概要を説明するためのフローチャート、 同制御装置の型締側設定優先モードによる生産時の処理手順を説明するためのフローチャート、 同制御装置の射出側設定優先モードによる生産時の処理手順を説明するためのフローチャート、 同制御装置の型締側設定優先モードによる処理を説明するための型締力に対する成形品の良否結果を示すデータ表、 同制御装置の型締側設定優先モードによる生産時の時間に対する射出圧力,射出速度及び型隙間の変化特性図、 同制御装置の型締側設定優先モードによる生産時における金型の状態を示す模式図、 同制御装置により表示される変更例に係る型締側優先設定画面の表示画面図、 同制御装置により表示される他の変更例に係る型締側優先設定画面の表示画面図、 同制御装置の型締側設定優先モードにおいて表示される波形画面の表示画面図、
次に、本発明に係る好適実施形態を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。
まず、本実施形態に係る制御装置1を搭載した射出成形機Mの概略構成について、図1及び図2を参照して説明する。
図2において、Mは射出成形機であり、射出装置Miと型締装置Mcを備える。射出装置Miは、前端に射出ノズル3nを、後部にホッパ3hをそれぞれ有する加熱筒3を備え、この加熱筒3の内部にはスクリュ4を挿入するとともに、加熱筒3の後端にはスクリュ駆動部23を配設する。スクリュ駆動部23は、片ロッドタイプの射出ラム24rを内蔵する射出シリンダ(油圧シリンダ)24を備え、射出シリンダ24の前方に突出するラムロッド24rsはスクリュ4の後端に結合する。また、射出ラム24rの後端には、射出シリンダ24に取付けた計量モータ(オイルモータ)25のシャフトがスプライン結合する。26は、射出装置Miを進退移動させて金型2に対するノズルタッチ又はその解除を行う射出装置移動シリンダを示す。これにより、射出装置Miは、射出ノズル3nを金型2にノズルタッチし、金型2のキャビティ内に溶融(可塑化)した樹脂R(図10)を射出充填することができる。
一方、型締装置Mcには、型締シリンダ(油圧シリンダ)27の駆動ラム27rにより可動型2mを変位させる直圧方式の油圧式型締装置を備える。型締装置Mcに、このような油圧式型締装置を用いれば、射出充填時に射出圧力により可動型2mを変位させ、必要な隙間(パーティング開量)Lm(Lmp,Lmr)を生じさせる場合に最適である。型締装置Mcは、位置が固定され、かつ離間して配した固定盤28と型締シリンダ27間に架設した複数のタイバー29…にスライド自在に装填した可動盤30を有し、この可動盤30には型締シリンダ27から前方に突出したラムロッド27rsの先端を固定する。また、固定盤28には固定型2cを取付けるとともに、可動盤30には可動型2mを取付ける。この固定型2cと可動型2mは金型2を構成する。これにより、型締シリンダ27は金型2に対する型開閉及び型締を行うことができる。なお、31は金型2を開いた際に、可動型2mに付着した成形品G(図10)の突き出しを行う突出しシリンダを示す。
他方、35は油圧回路であり、油圧駆動源となる可変吐出型油圧ポンプ36及びバルブ回路37を備える。油圧ポンプ36は、ポンプ部38とこのポンプ部38を回転駆動するサーボモータ39を備える。40はサーボモータ39の回転数を検出するロータリエンコーダを示す。また、ポンプ部38は、斜板型ピストンポンプにより構成するポンプ機体41を内蔵する。したがって、ポンプ部38は、斜板42を備え、斜板42の傾斜角(斜板角)を大きくすれば、ポンプ機体41におけるポンプピストンのストロークが大きくなり、吐出流量が増加するとともに、斜板角を小さくすれば、同ポンプピストンのストロークが小さくなり、吐出流量が減少する。よって、斜板角を所定の角度に設定することにより、吐出流量(最大容量)が所定の大きさに固定される固定吐出流量を設定することができる。斜板42には、コントロールシリンダ43及び戻しスプリング44を付設するとともに、コントロールシリンダ43は、切換バルブ(電磁バルブ)45を介してポンプ部38(ポンプ機体41)の吐出口に接続する。これにより、コントロールシリンダ43を制御することにより斜板42の角度(斜板角)を変更することができる。
さらに、ポンプ部38の吸入口は、オイルタンク46に接続するとともに、ポンプ部38の吐出口は、バルブ回路37の一次側に接続し、さらに、バルブ回路37の二次側は、射出成形機Mにおける射出シリンダ24,計量モータ25,型締シリンダ27,突出しシリンダ31及び射出装置移動シリンダ26に接続する。したがって、バルブ回路37には、射出シリンダ24,計量モータ25,型締シリンダ27,突出しシリンダ31及び射出装置移動シリンダ26にそれぞれ接続する切換バルブ(電磁バルブ)を備えている。なお、各切換バルブは、それぞれ一又は二以上のバルブ部品をはじめ、必要な付属油圧部品等により構成され、少なくとも、射出シリンダ24,計量モータ25,型締シリンダ27,突出しシリンダ31及び射出装置移動シリンダ26に対する作動油の供給,停止,排出に係わる切換機能を有している。
これにより、サーボモータ39の回転数を可変制御すれば、可変吐出型油圧ポンプ36の吐出流量及び吐出圧力を可変でき、これに基づいて、上述した射出シリンダ24,計量モータ25,型締シリンダ27,突出しシリンダ31及び射出装置移動シリンダ26に対する駆動制御を行うことができるとともに、成形サイクルにおける各動作工程の制御を行うことができる。このように、斜板角の変更により固定吐出流量を設定可能な可変吐出型油圧ポンプ36を使用すれば、ポンプ容量を所定の大きさの固定吐出流量(最大容量)に設定できるとともに、固定吐出流量を基本として吐出流量及び吐出圧力を可変できるため、制御系による制御を容易かつ円滑に実施できる。
次に、本実施形態に係る制御装置1の具体的な構成について、図1〜図4を参照して説明する。
制御装置1は、成形機コントローラ5及びこの成形機コントローラ5に付属するディスプレイ6を備える。また、成形機コントローラ5は、図1に示すように、コントローラ本体51及びこのコントローラ本体51に接続したサーボアンプ52を備える。そして、このサーボアンプ52の出力部には上述したサーボモータ39を接続するとともに、サーボアンプ52のエンコーダパルス入力部にロータリエンコーダ40を接続する。さらに、図2に示すように、成形機コントローラ5の制御信号出力ポートには上述したバルブ回路37を接続する。一方、金型2の外側面には位置検出器(隙間センサ)11を付設する。この隙間センサ11は、可動型2mと固定型2cの相対位置、即ち、パーティング開量Lmの大きさを検出する機能を有し、例えば、図2に示すように、固定型2c(又は可動型2m)に取付けた反射板11pと、可動型2m(又は固定型2c)に取付けることにより、光又は電波を反射板11pに投射して測距する反射型測距センサ11sの組合わせにより構成できる。この際、隙間センサ11を、金型2の上面に設ける場合は、左右方向中央付近に、金型2の側面に設ける場合は、上下方向中央付近に配することが望ましい。このような隙間センサ11を用いれば、パーティング開量Lmの大きさを直接検出できるため、隙間センサ11以外の誤差要因を極力排した正確なパーティング開量Lm、更にはその変化データを得れる利点がある。さらに、油圧回路35におけるバルブ回路37の一次側には、油圧を検出する圧力センサ12を付設するとともに、油温を検出する温度センサ13を付設する。そして、隙間センサ11,圧力センサ12及び温度センサ13は成形機コントローラ5のセンサポートに接続する。
他方、ディスプレイ6は、ディスプレイ本体6d及びこのディスプレイ本体6dに付設したタッチパネル6tを備え、このディスプレイ本体6d及びタッチパネル6tは表示インタフェース53を介してコントローラ本体51に接続する。したがって、このタッチパネル6tにより各種設定操作及び選択操作等を行うことができる。
また、図1には、本実施形態に係る制御装置1における全体の機能ブロック図を示す。コントローラ本体51は、CPU及び内部メモリ等のハードウェアを内蔵するコンピュータ機能を備えている。したがって、内部メモリには、各種データ類を記憶可能なデータエリア51mを有するとともに、各種演算処理及び各種制御処理(シーケンス制御)を実行するため制御プログラム(ソフトウェア)を格納したプログラムエリア51pを有する。特に、制御プログラムには、本実施形態に係る制御装置1を機能させるための制御プログラム、即ち、射出側設定優先モードEiと型締側設定優先モードEcの二つのモードにより成形を行うことができる各制御プログラムを備える。また、二つのモードEi,Ecを選択するモード選択機能Fmを備えるとともに、射出側設定優先モードEiの選択時に当該射出側設定優先モードEiに対応する射出側優先設定画面Viをディスプレイ6に表示し、かつ型締側設定優先モードEcの選択時に当該型締側設定優先モードEcに対応する型締側優先設定画面Vcをディスプレイ6に表示する設定画面表示機能Fdを有する制御プログラムを備えている。
この場合、射出側設定優先モードEiは、射出装置Mi側で設定した成形条件を優先させて樹脂Rの射出充填を行うモードであり、いわゆる一般的(汎用的)な成形方式により成形を行うことができる。このため、ディスプレイ6には、図3に示す射出側優先設定画面Viが表示される。この射出側優先設定画面Viには、射出速度を設定する射出速度設定部Viv,射出する樹脂量に係わる計量条件であるスクリュ位置等を設定する計量設定部Vim及び射出圧力に対するリミット圧力を設定するリミット圧力設定部Vipを備えるとともに、さらに、速度制御から圧力制御に切換えるポイントとなるV−P切換点を設定するV−P切換設定部Vic及び保圧力を設定する保圧力設定部Vihを備える。したがって、射出側設定優先モードEiでは、いわば、型締装置Mc側が静止した非制御状態になるとともに、射出装置Mi側が樹脂Rの射出充填を行う動的な制御状態になる。このように、射出側設定優先モードEiにより優先させる成形条件に、スクリュ4を前進させる射出速度,射出する樹脂量に係わる計量条件,の少なくとも一つを含ませれば、従来より広く普及している最もポピュラな成形方式として機能させることができる。
一方、型締側設定優先モードEcは、型締装置Mc側で設定した成形条件を優先させて樹脂Rの射出充填を行うモードであり、本実施形態により提案する新たな成形方式により成形を行うことができる。このため、ディスプレイ6には、図4に示す型締側優先設定画面Vcが表示される。この型締側優先設定画面Vcには、射出速度に対するリミット速度を設定するリミット速度設定部Vcv,樹脂Rに対する可塑化条件を設定する可塑化設定部Vcm及び射出圧力を設定する射出圧力設定部Vcpを備える。この場合の射出圧力は、定格値に基づいて決定する後述する成形射出圧力となり、実質的にはリミット圧力として設定される。また、例示の場合、別画面により、樹脂Rの充填時に金型2の可動型2mと固定型2c間に生じる所定の隙間となるパーティング開量Lmを設定することができる。型締側設定優先モードEcでは、このパーティング開量Lmが重要となるため、優先して設定される。即ち、良品成形可能となることを前提として、このパーティング開量Lmが得られる型締力(成形型締力)Pcと射出圧力(成形射出圧力)Piが設定される。したがって、型締側設定優先モードEcでは、いわば、型締装置Mc側がパーティング開量Lmを得るための制御状態になるとともに、射出装置Mi側が単純な射出を行う非制御状態になる。このように、型締側設定優先モードEcにより優先させる成形条件に、少なくとも、パーティング開量Lmを含ませれば、成形時の型締力と成形時の射出圧力の相対的な力関係により所定のパーティング開量Lmを生じさせることができる。この結果、樹脂の射出充填が終了した後に型締力による自然圧縮を生じさせることができるとともに、成形品の高度の品質及び均質性を確保できる。したがって、温度や圧力等に敏感に影響を受けやすい特性を有する低粘性の樹脂の成形に最適となる。
他方、本実施形態では、設定画面表示機能Fdにより、図3及び図4に示すように、射出側優先設定画面Vi及び型締側優先設定画面Vcにおける、同一設定対象に対する設定部Viv…の一部又は全部を、それぞれ同一の位置に表示する。具体的には、型締側優先設定画面Vcにおける射出速度に対するリミット速度を設定するリミット速度設定部Vcvを、射出側優先設定画面Viにおける射出速度を設定する射出速度設定部Vivの表示位置に対応させて表示する。この場合、設定対象は双方ともスクリュ4の速度となる。これにより、型締側設定優先モードEcと射出側設定優先モードEiの射出速度に関係する設定部位を容易に把握できるとともに、双方の設定項目Ds…の位置付けや影響等を容易に把握できる。また、型締側優先設定画面Vcにおける樹脂に対する可塑化条件を設定する可塑化設定部Vcmを、射出側優先設定画面Viにおける射出する樹脂量に係わる計量条件を設定する計量設定部Vimの表示位置に対応させて表示する。この場合、設定対象は双方とも樹脂Rの可塑化となる。これにより、型締側設定優先モードEcと射出側設定優先モードEiの樹脂の可塑化溶融に関係する設定部位を容易に把握できるとともに、双方の設定項目Ds…の位置付けや影響等を容易に把握できる。さらに、型締側優先設定画面Vcにおける射出圧力を設定する射出圧力設定部Vcpを、射出側優先設定画面Viにおける射出圧力に対するリミット圧力を設定するリミット圧力設定部Vipの表示位置に対応させて表示する。この場合、設定対象は双方とも射出圧力となる。これにより、型締側設定優先モードEcと射出側設定優先モードEiの射出圧力に関係する設定部位を容易に把握できるとともに、双方の設定項目Ds…の位置付けや影響等を容易に把握できる。このように、設定画面表示機能Fdにより、射出側優先設定画面Vi及び型締側優先設定画面Vcにおける、同一設定対象に対する設定部Viv…の一部又は全部を、それぞれ同一の位置に表示すれば、型締側優先設定画面Vc又は射出側優先設定画面Viに切換えた際における使い勝手を高めることができる。
加えて、設定画面表示機能Fdにより、図3及び図4に示すように、型締側優先設定画面Vcで不要となる射出側優先設定画面Viにおける設定部Vic…を、当該型締側優先設定画面Vcにおいて設定不能にする。例示の場合、射出側優先設定画面Viにおける保圧力を設定する保圧力設定部Vihと、V−P切換点を設定するV−P切換設定部Vicとが、型締側優先設定画面Vcにおいて不要になるため、この二つの設定部Vih,Vicを型締側優先設定画面Vcでは非表示にし、当該型締側優先設定画面Vcに非表示エリアVcoを設けるとともに、設定不能にした。これにより、設定時における無用な混乱や設定ミスを防止し、ユーザの利便性をより高めることができる。このように、型締側優先設定画面Vcにおいて不要となる射出側優先設定画面Viの設定部Vic…を、型締側優先設定画面Vcで非表示にして当該型締側優先設定画面Vcに非表示エリアVcoを設ければ、型締側優先設定画面Vcでは不要な設定項目Dx…が表示されないため、最もシンプルな表示となり、視認性及び操作性等の設定容易性の向上に寄与できる。
さらに、設定画面表示機能Fdは、射出側優先設定画面Viにおけるグラフデータ表示部Vigの横軸を位置軸で表示するとともに、型締側優先設定画面Vcにおけるグラフデータ表示部Vcgの横軸を、時間軸又は位置軸を選択して表示可能にする機能を備える。したがって、型締側優先設定画面Vcには、図4に示すように、時間軸又は位置軸を選択する選択キーKc…を表示する。例示の場合、選択キーKc…は、各設定部Vck,Vcp…に設けため、各設定部Vck,Vcp…毎に時間軸又は位置軸を選択することができる。これにより、成形時における各特性データの時間と位置に対する変化を対比して把握できるため、成形条件を最適化する微調整等を容易に行うことができるとともに、パーティング開量Lm等の変化データをより的確にモニタリングし、必要なデータ解析等を容易かつ緻密に行える利点がある。
次に、本実施形態に係る制御装置1の動作について、図1〜図4及び図8〜図10を参照しつつ図5(図6,図7)に示すフローチャートに従って順次説明する。
まず、成形方式のモードを選択する。即ち、型締側設定優先モードEcにより成形を行うか射出側設定優先モードEiにより行うかの選択を行う(ステップS1)。今、ユーザが、例えば、比較的使い慣れている一般的な成形方式である射出側設定優先モードEiを選択した場合を想定する(ステップS2)。これにより、ディスプレイ6には、図3に示す射出側優先設定画面Viが表示される(ステップS3)。したがって、ユーザは、この射出側優先設定画面Viを用いて各種成形条件の設定を行うことができる(ステップS4)。具体的には、射出速度設定部Vivを用いた射出速度(通常、複数段)の設定、計量設定部Vimを用いた計量条件(背圧,スクリュ位置等)の設定、リミット圧力設定部Vipを用いた射出圧力に対するリミット圧力(通常、複数段)の設定,V−P切換設定部Vicを用いたV−P切換点(通常、スクリュ位置)の設定、保圧力設定部Vihを用いた保圧力の設定等を行うことができる。そして、以上の設定が終了したなら成形処理(試し成形)を行う(ステップS5,S6)。
図6は、射出側設定優先モードEiを用いた成形処理手順を示す。成形時、射出装置Miでは、スクリュ4の回転により樹脂Rを可塑化溶融するとともに、スクリュ4を設定した計量位置まで後退させる(ステップS21)。また、型締装置Mcでは、金型2に対する型締を行う(ステップS22)。この場合、型締力は、射出充填時に金型2が開くことのない高圧型締となる。次いで、設定した射出速度によりスクリュ4を前進させ、計量した樹脂Rを金型2のキャビティ内に射出充填する(ステップS23)。この際、速度制御が行われる。射出充填により射出圧力が上昇するため、もし、射出圧力がリミット圧力に達すれば、射出圧力はリミット圧力に制限される(ステップS24,S25)。そして、スクリュ4がV−P切換点(V−P切換位置等)に達すれば、速度制御から圧力制御に切換えられ、金型2に充填した樹脂Rに対して保圧力が付与される(ステップS26,S27)。この後、設定した保圧時間が経過すれば、設定した冷却時間だけ冷却させる(ステップS28,S29)。冷却時間が経過すれば、型開きを行い、突出しシリンダ31によりエジェクタピンを突出させて成形品の突出しを行う(ステップS30)。以上の成形処理を、例えば、良品が成形されるまで微調整等を行いながら繰り返す(ステップS31,S21…)。これにより、良好な成形が可能であれば、そのまま生産稼動に移行することができる(ステップS7,S8,S9)。
他方、射出側設定優先モードEiを用いた成形処理の結果、ヒケ不良が発生するなど、良好な成形を行うことができなかった場合を想定する。この場合、ユーザは、他方のモードである型締側設定優先モードEcによる成形処理を試みることができるため、前述したモード選択において型締側設定優先モードEcを選択する(ステップS1,S10)。型締側設定優先モードEcは、本実施形態により提案する新たな成形方式である。型締側設定優先モードEcを選択することにより、ディスプレイ6には、図4に示す型締側優先設定画面Vcが表示される(ステップS11)。したがって、ユーザは、この型締側優先設定画面Vcを用いて成形条件の設定を行うことができる(ステップS12)。
以下、成形条件の設定方法について具体的に説明する。まず、生産時に使用する成形型締力Pcと成形射出圧力Piを求めるとともに、成形条件として設定する。この際、
(x) 射出充填時に、固定型2cと可動型2m間に適切なパーティング開量(自然隙間)Lmが生じること、
(y) 成形品には、バリ,ヒケ及びソリ等の成形不良が発生しないこと、
を条件とする。また、自然隙間Lmは、ガス抜き及び樹脂Rの圧縮(自然圧縮)を考慮して、最大時のパーティング開量となる成形隙間Lmpと、冷却時間Tcが経過した後のパーティング開量となる残留隙間Lmrを考慮し、
(xa) 成形隙間Lmpは、0.03〜0.30〔mm〕、
(xb) 残留隙間Lmrは、0.01〜0.10〔mm〕、
の各許容範囲を満たすことを条件とする。さらに、生産時には、設定した成形型締力Pcにより型締を行うこと、成形射出圧力Piをリミット圧力に設定すること、の成形条件により樹脂Rは単純に射出する。したがって、このような成形方式によれば、射出充填時には、金型2において自然隙間Lm及び自然圧縮が発生する。この結果、射出装置Miにより射出充填される樹脂Rの挙動が不安定であっても、型締装置Mcが不安定な樹脂Rの挙動に適応し、高度の品質及び均質性を有する成形品が得られる。
具体的な処理手順を以下に示す。まず、予め、成形条件となる成形射出圧力Piと成形型締力Pcを求めるとともに、成形条件として設定する。なお、この成形条件の設定時には、別の設定画面がウィンドウ表示される。最初に、射出装置Mi側の射出条件となる射出圧力を、射出圧力設定部72により初期設定する。このときの射出圧力は、射出装置Miの能力(駆動力)に基づく射出圧力を設定できる。この場合、射出圧力は、射出シリンダ24に接続した油圧回路35における圧力センサ12により検出した油圧Poにより求めることができる。射出圧力は、絶対値として正確に求める必要がないため、検出した油圧Poの大きさを用いてもよいし、演算により射出圧力に変換して用いてもよい。また、型締装置Mc側の型締条件となる型締力を、型締力設定部12により初期設定する。このときの型締力は、型締装置Mcの能力(駆動力)に基づく型締力を設定できる。この場合、型締力は、型締シリンダ27に接続した油圧回路35における圧力センサ12により検出した油圧Poにより求めることができる。型締力は、絶対値として正確に求める必要がないため、検出した油圧Poの大きさを用いてもよいし、演算により型締力に変換して用いてもよい。なお、油圧回路35はバルブ回路37により切換えられ、型締時には型締装置Mc側の油圧回路として機能するとともに、射出時には射出装置Mi側の油圧回路として機能する。射出圧力及び型締力として、このような油圧Poを用いれば、成形型締力Pc及び成形射出圧力Piに係わる設定を容易に行うことができる。しかも、絶対値としての正確な成形型締力Pc及び成形射出圧力Piの設定は不要となるため、より誤差要因の少ない高精度の動作制御を行うことができる。
次いで、初期設定した型締力に対する最適化処理を行うことにより生産時に用いる成形型締力Pcを求めるとともに、初期設定した射出圧力に対する最適化処理を行うことにより生産時に用いる成形射出圧力Piを求める。型締力及び射出圧力を最適化する方法の一例について、図8を参照して説明する。例示の場合、初期設定した型締力は40〔kN〕である。初期設定した型締力及び射出圧力を用いて試し成形を行った結果は、図8に示すように、成形隙間Lmp及び残留隙間Lmrはいずれも0となる。即ち、型締力が大きいため、バリは発生しない(◎)とともに、ヒケ,ソリ,ガス抜きに関してはいずれも不良(▲ ▲▲)となる。
そこで、型締力の大きさ及び射出圧力の大きさを、図8に示すように、段階的に低下させ、それぞれの段階で試し成形を行うことにより、固定型2cと可動型2m間のパーティング開量Lm(Lmp,Lmr)を測定するとともに、成形品の良否状態を観察する。図8が、この結果を示している。なお、図8に、射出圧力のデータがないが、射出圧力の最適化は、射出充填時に可動型2mと固定型2c間にパーティング開量Lmが生じ、かつ良品成形可能となることを条件に、設定し得る最小値又はその近傍の値を成形射出圧力Piとすることができる。したがって、具体的には、型締力を変更(低下)した際に、適宜、射出圧力も変更(低下)し、樹脂Rが金型2に対して正常に充填しなくなる手前の大きさを選択することができる。成形射出圧力Piとして、このような最小値又はその近傍の値を選択すれば、これに伴って、成形型締力Pcも最小値又はその近傍の値に設定可能となるため、省エネルギ性を高める観点から最適なパフォーマンスを得ることができるとともに、機構部品等の保護及び長寿命化を図ることができる。そして、求めた成形射出圧力Piは、生産時の射出圧力に対するリミッタ圧力として設定する。
他方、図8における各段階において、仮想線枠Zuで囲まれる14,15,16〔kN〕の型締力のとき、成形隙間Lmp及び残留隙間Lmrはいずれも許容範囲を満たしている。即ち、成形隙間Lmpは、0.03〜0.30〔mm〕の許容範囲、更には、0.03〜0.20〔mm〕の許容範囲をも満たしている。また、残留隙間Lmrは、0.01〜0.10〔mm〕の許容範囲、更には、0.01〜0.04〔mm〕の許容範囲をも満たしている。しかも、バリ,ヒケ及びソリのいずれも発生しない(◎)とともに、ガス抜きも良好(◎)に行われ、良品成形品を得るという条件を満たしている。したがって、成形型締力Pcは、三つの型締力14,15,16〔kN〕から選択して設定できる。そして、選択した型締力は、生産時に型締を行う際の成形型締力Pcとして設定する。
なお、図8の場合、成形隙間Lmpが、0.03〜0.20〔mm〕の許容範囲を満たすとともに、残留隙間Lmrが、0.01〜0.04〔mm〕の許容範囲を満たすことがバリの発生しない最良成形品を得ることができるが、バリは成形品取出後に除去できるとともに、少しのバリがあっても良品として使用できる場合もあるため、図8に(〇)や(△)で示す低度のバリ発生は即不良品となるわけではない。したがって、図8に示す結果を考慮すれば、成形品Gの種類等によっては、仮想線枠Zusで囲まれる型締力12,13〔kN〕の選択も可能である。即ち、成形隙間Lmpが、0.03〜0.30〔mm〕の許容範囲を満たすとともに、残留隙間Lmrが、0.01〜0.10〔mm〕の許容範囲を満たせば、良品成形品を得ることが可能となる。
図8は、成形型締力Pcと成形射出圧力Piの設定手法を説明するための実験的なデータである。したがって、実際の設定に際しては、例えば、型締力を、40,30,20,10等のように、数回程度の変更実施により目的の成形型締力Pc及び成形射出圧力Piを求めることができる。また、型締力及び射出圧力の大きさは、オペレータが任意に設定してもよいし、射出成形機Mに備えるオートチューニング機能等を併用しつつ自動又は半自動により求めてもよい。オートチューニング機能を利用した場合には、バリが発生する直前の型締力を容易に求めることができる。
一方、射出装置Miの射出速度に対するリミッタ速度を設定する。このリミッタ速度は、必ずしも設定する必要はないが、設定することにより、万が一、射出速度が過度に速くなった場合でも、金型2やスクリュ4等に対して機械的な保護を図ることができる。したがって、リミッタ速度には、金型2やスクリュ4等に対して機械的な保護を図ることができる大きさを設定する。さらに、他の必要事項の設定を行う。例示の射出成形機Mは、成形型締力Pcを、油圧回路35における温度センサ13により検出した油温Toの大きさにより補正する補正機能を備えている。この補正機能は、成形型締力Pcに対する温度ドリフト等による油温Toの影響を排除するための機能であり、成形型締力Pcを常に一定に維持できるため、動作制御の更なる高精度化及び安定化を図れるとともに、成形品の高度の品質及び均質性に寄与できる。したがって、他の必要事項の設定としては、補正機能により補正する際に使用する補正係数等を適用できる。そして、以上の設定が終了したなら成形処理(試し成形)を行う(ステップS13,S14)。
図7は、型締側設定優先モードEcを用いた成形処理手順を示す。まず、バルブ回路37の切換及びサーボモータ39の制御により、射出装置Miの計量モータ25を駆動し、樹脂Rを可塑化処理する(ステップS41)。この成形方式では、射出側設定優先モードEiのように、樹脂Rを正確に計量する計量工程は不要である。即ち、一般的な計量工程における計量動作は行うが、正確な計量値を得るための計量制御は行わない。いわば樹脂Rが不足する前に樹脂Rを追加する動作となる。また、バルブ回路37の切換及びサーボモータ39の制御により、型締装置Mcの型締シリンダ27を駆動し、型締力が成形型締力Pcとなるように、金型2に対する型締を行う(ステップS42)。このときの金型2の状態を図10(a)に示す。
次いで、バルブ回路37の切換及びサーボモータ39の制御により、射出装置Miの射出シリンダ24を駆動し、図9に示す射出開始時点tsから樹脂Rの射出充填を行う(ステップS43)。この場合、スクリュ4は定格動作により前進させればよく、スクリュ4に対する速度制御及び圧力制御は不要である。これにより、加熱筒3内の可塑化溶融した樹脂Rは金型2のキャビティ内に充填される。樹脂Rの充填に伴い、図9に示すように、射出圧力Pdが上昇する(ステップS44)。この際、万が一、射出速度Vdがリミッタ速度VLに達すれば、射出速度Vdはリミッタ速度VLに制限される(ステップS45)。そして、リミット圧力Psに近づき、リミット圧力Psに達すれば、リミット圧力Psに維持するための制御、即ち、オーバーシュートを防止する制御が行われ、射出圧力Pdはリミット圧力Ps(成形射出圧力Pi)に維持される(ステップS46)。したがって、射出動作では実質的な一圧制御が行われる。
また、金型2のキャビティ内に樹脂Rが満たされることにより、金型2は樹脂Rに加圧され、固定型2cと可動型2m間に型隙間Lmが生じるとともに、最大時には成形隙間Lmpが生じる(ステップS47)。この成形隙間Lmpは、予め設定した成形型締力Pc及び成形射出圧力Piにより、0.03〜0.30〔mm〕の許容範囲、望ましくは、0.03〜0.20〔mm〕の許容範囲となり、良好なガス抜きが行われるとともに、不良の排除された良品成形が行われる。このときの金型2の状態を図10(b)に示す。一方、時間の経過に伴って金型2のキャビティ内における樹脂Rの固化が進行するとともに、この固化に伴って樹脂Rの圧縮(自然圧縮)が行われる(ステップS48)。
そして、設定した冷却時間Tcが経過すれば、バルブ回路37の切換及びサーボモータ39の制御により、型締シリンダ27を駆動し、可動型2mを後退させることにより型開きを行うとともに、バルブ回路37の切換及びサーボモータ39の制御により、突出しシリンダ31を駆動し、可動型2mに付着した成形品Gの突き出しを行う(ステップS49,S50)。これにより、成形品Gが取り出され、一成形サイクルが終了する。なお、冷却時間は、射出開始時点tsからの経過時間として予め設定することができる。また、図9に示すように、冷却時間の経過した時点teでは、樹脂Rの自然圧縮により、固定型2cと可動型2m間の残留隙間Lmrは、予め設定した成形型締力Pc及び成形射出圧力Piにより、0.01〜0.10〔mm〕の許容範囲、望ましくは、0.01〜0.04〔mm〕の許容範囲となり、金型2のキャビティ内における樹脂Rに対する自然圧縮が確実に行われるとともに、成形品Gにおける高度の品質及び均質性が確保される。このときの金型2の状態を図10(c)に示す。以上の成形処理を、例えば、良品が成形されるまで、微調整等を行いながら繰り返す(ステップS51,S41…)。以上の成形処理により、良好な成形が可能であれば、そのまま生産稼動に移行することができる(ステップS15,S8,S9)。
このように、型締側設定優先モードEcによる成形方式を選択すれば、相互に影響し合う、射出速度,V−P切換点,保圧力等の正確性の要求される射出条件をはじめ、正確な計量が要求されるスクリュ位置等の計量条件を含む各種成形条件の設定が不要になるため、成形条件のシンプル化及び設定容易化、更には品質管理の容易化を図ることができるとともに、生産時における動作制御も容易に行うことができる。しかも、射出速度に対する多段の制御や保圧力に対する制御などの一連の制御が不要となるなど、成形サイクル時間の短縮を図れるとともに、量産性及び経済性を高めることができる。
よって、このような本実施形態に係る制御装置1によれば、射出装置Miに対して設定した成形条件を優先させて樹脂の射出充填を行う射出側設定優先モードEiと、型締装置Mcに対して設定した成形条件を優先させて樹脂の射出充填を行う型締側設定優先モードEcと、を選択するモード選択機能Fmを備えるとともに、射出側設定優先モードEiの選択時に当該射出側設定優先モードEiに対応する射出側優先設定画面Viをディスプレイ6に表示し、かつ型締側設定優先モードEcの選択時に当該型締側設定優先モードEcに対応する型締側優先設定画面Vcをディスプレイ6に表示する設定画面表示機能Fdを備えるため、ユーザは、成形を行うに際し、形態や成形材料が異なる様々な成形品に対して、二つの異なる成形方式に係わるモードを選択することができる。したがって、成形処理の多様性及び融通性を高めることができるとともに、異なる成形方式の選択により成形処理に対する最適化を可能にし、成形品質の向上、更には射出成形機の付加価値及び商品性を高めることができる。
次に、本実施形態に係る制御装置1により表示される変更例に係る型締側優先設定画面Vcについて、図11及び図12を参照して説明する。
図11は、設定画面表示機能Fdにより、非表示エリアVco(図4)に、型締側優先設定画面Vcに関連する他の関連項目(Dm…,Dd)を表示したものである。これにより、型締側優先設定画面Vcの更なる使い勝手及び利便性の向上に寄与できるとともに、全体の管理性を高めることができる。図11は、型締装置Mc側における他の設定項目Dm…及びモニタ項目Ddを表示した例を示す。型締装置Mc側における他の設定項目Dm…としては、型締力(成形型締力)Pcを設定する型締力設定部Vcq及びパーティング開量Lmを設定するパーティング開量設定部Xcsを表示できる。成形型締力Pcとパーティング開量Lmは、前述の場合、別画面で設定する場合を示したが、この変更例では、非表示エリアVcoを利用して表示したものである。このような型締力設定部Vcq及びパーティング開量設定部Xcsを表示することにより、パーティング開量Lmに影響を及ぼす成形型締力Pcの設定を他の設定項目Ds…、即ち、同時に表示される射出圧力設定部Vcpによる成形射出圧力Pi等を見ながら的確かつ容易に行うことができる。また、モニタ項目Ddとしては、リアルタイムで得られるパーティング開量Lmのアナログモニタ表示部Vdpを表示できる。これにより、グラフデータ表示部Vcgに表示されるパーティング開量Lmの時間に対する変化状態と、アナログモニタ表示部Vdpに表示されるパーティング開量Lmのリアルタイムの数値(大きさ)とを同時に確認し、両者に基づく相乗効果によりパーティング開量Lmに対する最適なモニタリングを実現できる。
図12は、設定画面表示機能Fdにより、型締側優先設定画面Vcにおいて不要となる射出側優先設定画面Viの設定項目Vx…を、型締側優先設定画面Vcにおいて表示色及び/又は表示濃度を異ならせて表示したものであり、不要となる射出側優先設定画面Viの設定項目Vx…は設定不能になる。この変更例によれば、型締側優先設定画面Vcと射出側優先設定画面Viにおける設定項目Ds…の相違や関連を容易に把握できるとともに、各画面Vi,Vcを選択する参考情報として利用できる利点がある。
他方、図13は、本実施形態に係る制御装置1の型締側設定優先モードEcにおいて、波形画面に切換えた場合に表示可能な波形画面Vwを示す。前述したように、設定画面表示機能Fdには、型締側優先設定画面Vcにおけるグラフデータ表示部Vcgの横軸を、時間軸又は位置軸を選択して表示可能にする機能を設けため、図13に示す波形画面Vwを選択すれば、同じ特性データを、横軸を時間軸としたグラフデータ表示部Vcgtと、横軸を位置軸としたグラフデータ表示部Vcgxを、上下に並べて表示できる。これにより、成形時における各特性データの時間又は位置に対する変化を対比して把握できるため、例えば、成形条件を最適化する微調整等を容易に行うことができるとともに、パーティング開量Lm等の変化データをより的確にモニタリングし、必要なデータ解析等を容易かつ緻密に行うことができる。
以上、好適実施形態について詳細に説明したが、本発明は、このような実施形態に限定されるものではなく、細部の構成,形状,数値,手法等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更,追加,削除することができる。
例えば、設定画面表示機能Fdにより、射出側優先設定画面Vi及び型締側優先設定画面Vcにおける、同一設定対象に対する設定部Viv…の一部又は全部を、それぞれ同一の位置に表示した例を示したが、同一の位置以外に表示する場合を排除するものではない。また、例示の実施形態では、射出側設定優先モードEiを用いた成形処理の結果、良好な結果を得れない場合に、型締側設定優先モードEcを用いた成形処理を試みる場合を示したが、あくまでも使用方法の一例であり、射出側設定優先モードEiと型締側設定優先モードEcは、任意に選択して用いることができる。さらに、隙間センサ11として反射型測距センサ11sを例示したが、近接センサ等の非接触かつ隙間等を精度よく検出できる各種センサを利用できる。一方、冷却時間の経過後における可動型2mと固定型2c間に所定の残留隙間Lmrを生じさせることが望ましいが、残留隙間Lmrを生じさせない場合を排除するものではない。他方、射出成形機Mとして、直圧方式の油圧式型締装置を用いた場合を例示したが、トグル方式の電動式型締装置を用いてもよい。この場合、トグルリンク機構を非ロックアップ状態にして型締を行うようにすれば、本来の使用態様では自然圧縮を実現できないトグル方式の型締装置Mcであっても自然圧縮が可能となり、直圧方式の油圧式型締装置を用いた場合と同様に実現することができる。その他、成形隙間Lmpとして、0.03〜0.30〔mm〕の許容範囲を、残留隙間Lmrとして、0.01〜0.10〔mm〕の許容範囲をそれぞれ例示したが、これらの範囲に限定されるものではなく、新しい樹脂Rの種類等に応じて変更可能である。また、成形射出圧力Piは、良品成形可能な最小値又はその近傍の値に設定することが望ましいが、このような最小値又はその近傍の値以外となる場合を排除するものではない。さらに、成形型締力Pcとして、型締シリンダ27に接続した油圧回路35における圧力センサ12により検出した油圧Poを用いる場合を示したが、型締シリンダ27内の油圧を用いてもよいし、可動盤(可動型)等の機構部分における圧力を用いてもよい。
本発明に係る制御装置は、射出装置及び型締装置を制御することにより成形を行う成形機コントローラを備える各種の射出成形機に利用できる。
1:制御装置,2:金型,2m:可動型,2c:固定型,3:加熱筒,4:スクリュ,5:成形機コントローラ,6:ディスプレイ,Mc:型締装置,Mi:射出装置,M:射出成形機,Ei:射出側設定優先モード,Ec:型締側設定優先モード,Fm:モード選択機能,Fd:設定画面表示機能,Vi:射出側優先設定画面,Vc:型締側優先設定画面,Vco:非表示エリア,Viv:射出速度設定部,Vcv:リミット速度設定部,Vim:計量設定部,Vcm:可塑化設定部,Vip:リミット圧力設定部,Vcp:射出圧力設定部,Vig:グラフデータ表示部,Vcg:グラフデータ表示部,Ds…:設定項目,Dx…:不要となる設定項目,Dm…:他の関連項目,Dd:他の関連項目,Lm:パーティング開量

Claims (11)

  1. 金型を型締(型開閉を含む)する型締装置及び加熱筒内のスクリュの回転により可塑化溶融した樹脂をスクリュの前進により前記金型に射出充填する射出装置を制御することにより成形を行うコンピュータ機能を有する成形機コントローラを備える射出成形機の制御装置において、前記射出装置側に対して設定した成形条件を優先させて樹脂の射出充填を行う射出側設定優先モードと、前記型締装置側に対して設定した成形条件を優先させて樹脂の射出充填を行う型締側設定優先モードと、前記二つのモードを選択するモード選択機能と、前記射出側設定優先モードの選択時に当該射出側設定優先モードに対応する射出側優先設定画面をディスプレイに表示し、かつ前記型締側設定優先モードの選択時に当該型締側設定優先モードに対応する型締側優先設定画面をディスプレイに表示する設定画面表示機能とを有する成形機コントローラを備えてなることを特徴とする射出成形機の制御装置。
  2. 前記設定画面表示機能は、前記射出側優先設定画面及び前記型締側優先設定画面における、同一設定対象に対する設定部の一部又は全部を、それぞれ同一の位置に表示し、かつ前記型締側優先設定画面で不要となる前記射出側優先設定画面における設定部を、当該型締側優先設定画面において設定不能にすることを特徴とする請求項1記載の射出成形機の制御装置。
  3. 前記設定画面表示機能は、前記型締側優先設定画面において不要となる前記射出側優先設定画面の設定部を、前記型締側優先設定画面で非表示にして当該型締側優先設定画面に非表示エリアを設けることを特徴とする請求項2記載の射出成形機の制御装置。
  4. 前記設定画面表示機能は、前記非表示エリアに、前記型締側優先設定画面に関連する他の関連項目を表示することを特徴とする請求項3記載の射出成形機の制御装置。
  5. 前記設定画面表示機能は、前記型締側優先設定画面において不要となる前記射出側優先設定画面の設定項目を、前記型締側優先設定画面において表示色及び/又は表示濃度を異ならせて表示することを特徴とする請求項2に記載の射出成形機の制御装置。
  6. 前記設定画面表示機能は、前記型締側優先設定画面における射出速度に対するリミット速度を設定するリミット速度設定部を、前記射出側優先設定画面における射出速度を設定する射出速度設定部の表示位置に対応させて表示することを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の射出成形機の制御装置。
  7. 前記設定画面表示機能は、前記型締側優先設定画面における樹脂に対する可塑化条件を設定する可塑化設定部を、前記射出側優先設定画面における射出する樹脂量に係わる計量条件を設定する計量設定部の表示位置に対応させて表示することを特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載の射出成形機の制御装置。
  8. 前記設定画面表示機能は、前記型締側優先設定画面における射出圧力を設定する射出圧力設定部を、前記射出側優先設定画面における射出圧力に対するリミット圧力を設定するリミット圧力設定部の表示位置に対応させて表示することを特徴とする請求項2〜7のいずれかに記載の射出成形機の制御装置。
  9. 前記設定画面表示機能は、前記射出側優先設定画面におけるグラフデータ表示部の横軸を位置軸で表示するとともに、前記型締側優先設定画面におけるグラフデータ表示部の横軸を、時間軸又は位置軸を選択して表示可能にすることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の射出成形機の制御装置。
  10. 前記射出側設定優先モードにより優先させる成形条件には、スクリュを前進させる射出速度,射出する樹脂量に係わる計量条件,の少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の射出成形機の制御装置。
  11. 前記型締側設定優先モードにより優先させる成形条件には、少なくとも、樹脂の充填時に前記金型の可動型と固定型間に生じる所定の隙間(パーティング開量)を含むことを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の射出成形機の制御装置。
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