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JP4913924B2 - 射出成形機の射出速度プログラムパターンの作成方法および射出成形機の制御装置 - Google Patents

射出成形機の射出速度プログラムパターンの作成方法および射出成形機の制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、プログラム制御によって自動運転する射出成形機おいて、制御の目標条件とするための射出速度プログラムパターンの作成方法、および射出速度プログラムパターンを作成するとともに作成した射出速度プログラムパターンに基づいて射出成形機をプログラム制御する制御装置に関する。
近時における射出成形機は、使用する樹脂の種類、可塑化シリンダの温度、毎ショットサイクルの射出樹脂量、射出動作に際しての射出圧力、射出速度、射出動作完了後における保圧力等の運転条件の最適値を制御用のコンピュータに予め記憶させ、射出成形機の各部を記憶させた運転条件に従ってフィードバック制御しながら自動運転することによって、均質な製品を量産することができるようにされている。
また、近時における射出成形機の運転指針は、単位時間当りいかにして多数個の製品を生産することができるかという生産効率重視の方針から、例えば、単位個数当りの生産に消費されるエネルギー量をいかに削減することができるかという、環境負荷を削減することを重視する方針に変化している。これは、環境負荷に対する代価が製品価格に含まれることとなるような社会情勢の変化が背景となっている。
したがって、射出成形機を制御するプログラムの内容である各種の運転条件は、生産される製品の品質維持の要請のほか、金型等の耐用期間を短縮することなく、いかに低消費エネルギーで射出成形機を稼動させることができるかという要請にも適合するものとする必要がある。
射出成形機を制御するプログラムの内容である各種の運転条件のうち、溶融樹脂を射出シリンダから金型キャビィティ内に強制的に移送完了するまでの工程である射出工程を制御する射出条件の内容は、製品品質や金型寿命、射出成形機の運転に消費されるエネルギーに大きな影響力を有するものとして業界においても殊更に注目度が高い技術分野であり、射出条件の決定方法の策定には、多くの時間と労力とが傾注されている(下記先行技術文献欄参照)。
射出開始から金型キャビィティ内に必要量の溶融樹脂が充填完了され、保圧工程に移行する直前に至るまでの射出工程の制御要素としては、射出速度と射出圧力とがある。また、射出速度と射出圧力とのいずれを基準として射出工程を制御する場合においても、これらの制御要素は、射出期間内における時間軸あるいは射出プランジャや射出スクリュの前進位置に沿って一定の固定値のパターンまたは時間軸あるいは射出プランジャや射出スクリュの前進位置に沿って変化する値のパターンとして設定される(以下、射出速度を基準とする射出条件を「射出速度プログラムパターン」、射出圧力を基準とする射出条件を「射出圧力プログラムパターン」という。)。
一般に、射出工程の制御を射出速度プログラムパターンに基づいて速度フィードバック制御する場合には、射出開始から射出完了までの時間が一定となることから、1ショット毎の成形サイクルが安定となり、隣接工程との連携を円滑に行うことができる。しかし、この制御方法においては、射出圧力の変化にかかわらず射出速度が射出速度プログラムパターンに一致するように維持されることから、特に、射出工程の完了間際における射出速度の僅かの揺らぎによってオーバパック(過充填)や充填不良の問題が発生し、金型破損や製品欠陥の原因となることが知られている。したがって、射出速度プログラムパターンの決定は、射出成形機の制御部のフィードバック制御能力までを考慮しなければならない難しい熟練を要する作業となる。
一方、射出工程の制御を射出圧力プログラムパターンに基づいて圧力フィードバック制御する場合には、射出工程内において射出圧力が異常に高まるような事態は起こらないという利点がある反面において、射出速度が無視されることとなるため、1ショット毎の成形サイクルが不安定となり、連続ショットを行う際の再現性ないし繰り返し精度に乏しいという射出圧力プログラムパターンを利用することによる固有の問題がある。
上記、一般的な問題に対して、射出速度プログラムパターンの策定を容易に行えるようにした射出速度設定方法が提案されている(特許文献1参照)。
上記文献の方法は、初期条件として射出圧力を低圧側の固定値である一圧値に設定し、射出圧力優先制御で試ショットを行い、成形品の充填不良に応じて射出圧力設定値を徐々に大きくしていきながら成形を繰返し、良品を得たときの1ショットの射出工程の全域で変化する実測された射出速度の平均値、すなわち、一速値を求める。そして、実際の成形では、その一速値の射出速度プログラムパターンを用いて、射出速度優先制御で成形が行われる。良品を得た際の圧力値を用いた射出圧力優先制御とせずに、射出速度優先制御とするのは、成形サイクルを安定化させながら再現性を高める必要があるからである。
しかし、上記のようにして作成された一速値の射出速度プログラムパターンを用いて射出工程を制御する場合においては、射出工程において無駄な運転エネルギーを消耗してしまうという問題がある。これは、射出速度プログラムパターンを作成するための試ショットに使用される圧力値が金型キャビティ全体に溶融樹脂を充填するのに必要とされる高い値に設定されるためである。このため大きな射出圧力を必要としないスプルやランナおよび金型キャビティ前半部分等に対しては、必要以上の速度で溶融樹脂が駆動され、無駄なエネルギーが消費されるとともに、金型および周辺機器に大きな負荷が加わる。
また、試ショットを圧力値で上限を規制した射出速度優先制御と、オープン制御による射出圧力優先制御との併用によって実施して射出速度プログラムパターンを作成する方法が提案されている(特許文献2参照)。
上記方法は、初期条件として、熟練者が金型キャビティの観察から予想するところの仮の射出速度パターンと、一圧値の射出圧力規制値を設定して試ショットを行い、射出開始から射出圧力の実測値が設定された規制値に達するまでを射出速度フィードバック制御で成形し、規制値に達した以後、オープン制御による射出圧力優先制御に切り換えて成形を続行するようにされている。そして、このような方法による複数回の試ショットによって良品を得た際の射出速度の実測値パターンを量産運転時の射出速度プログラムパターンとするものである。
上記のような方法で作成される射出速度プログラムパターンにおいては、試ショット時において、射出圧力が最も高まる射出工程の後期で圧力優先制御に切り換えるので、オーバーパックが防止され、試ショット時における金型破損や、量産運転時における金型寿命の延長が期待できる。しかし、試ショットの際の射出工程前期は、熟練オペレータの推測に基づく射出速度パターンによる速度優先制御が行われているので、射出圧力値に基づく客観的な実測値が検出されておらず、したがって、この条件が最良であるかの保障はなく、また、不慣れなオペレータによっては再現することができないという問題がある。
特許第2598747号公報 特許第3430189号公報
ところで、金型装置内のスプル部、ランナ部、ゲート部、製品部は、それぞれ形状や断面積が違い、溶融樹脂を充填するのに最低限必要な射出圧力も形状や断面積が違う部分でそれぞれ違うものである。そのため、特許文献1で生成された射出速度条件で射出成形をした場合には、必要以上の射出圧力で溶融樹脂が流動する部分ができる。
また、スプル部やランナ部の形状や断面寸法は、製品部の形状や寸法によって決定されるよりも、金型設計者の思想によって決定されることが多い。そのため、同じ製品を成形する金型装置が複数あったとしても、それら金型装置の設計者が違えば、スプル部やランナ部の形状およびそれらの断面寸法が違うこともあり得る。そのため、特許文献1では、最も昇圧される充填工程後期に合わせて一圧値が設定されるため、充填工程前期すなわちスプル部やランナ部に溶融樹脂が流動する際に実際に発生する射出圧力値が金型装置毎に異なる場合があり得る。一方、特許文献2では、試し成形時に射出圧力が一番高まる充填工程の後期で、圧力優先制御に切り換えられるので、あくまでオーバーパック防止が目的である。試し成形の際の充填工程前期は、射出速度条件による射出速度優先制御がされているので、圧力優先制御による実速度値の検出を行っていない。あくまで充填工程前期の射出速度条件は、オペレータが試行錯誤して設定しなければいけない。
そこで本発明は、金型装置内の流路の形状や断面寸法の違いに応じた最適な射出速度条件を生成可能な射出成形機の射出速度プログラムパターンの作成方法、およびその射出速度プログラムパターンを作成するとともに作成した射出速度プログラムパターンに基づいて射出成形機をプログラム制御することができる射出成形機の制御装置を提供することを目的とする。
本発明の射出成形機の射出速度プログラムパターンの作成方法は、金型キャビティ内における溶融樹脂の流路に対して、その流路形状やその流路断面積が変化する箇所のうちから少なくとも1箇所以上の任意のn箇所を選択し、選択したn箇所を境として溶融樹脂が金型キャビティ内に充填される際の上流側から順次に金型キャビティ内を第1充填区間、第2充填区間のように第n+1充填区間までに区間設定し、第1充填区間から第n+1充填区間までのうちから任意の順序で選択する全ての各充填区間に対して段階的に射出圧力を高めながら複数回の試ショットを実施することによって、各充填区間ごとに当該各充填区間に溶融樹脂が試ショットの対象となる特定の充填区間に完全に溶融樹脂が充填された状態の満充填に至る以前の状態であって満状態に近い状態となるほぼ満充填可能な射出圧力の上限値である圧力上限値を求めるとともに、各充填区間に対応する射出スクリュまたは射出プランジャの前進位置である圧力変更点を求め、
各充填区間で区間ごとに求めた圧力上限値と圧力変更点とが射出成形機の制御装置に設定された状態で、圧力優先制御によって試ショットを実施した際の射出速度を実測し、全充填区間を通じて得られた射出速度の実測値パターンを速度優先制御によって射出成形機をプログラム制御するための射出速度プログラムパターンとすることを特徴とする。
上記射出成形機の射出速度プログラムパターンの作成方法においては、先ず、金型キャビティ内に区間設定を行う。区間設定は、金型キャビティを目視する等して、例えば、溶融樹脂の流路の分岐箇所や流路断面積が段階的に変化する箇所のうちから少なくとも1箇所以上の任意のn箇所を選択し(nは1以上の自然数)、選択した箇所を境界として認識し、かつ境界の前後を異なる充填区間として扱う方法で実施する。溶融樹脂の流路の分岐箇所等の判断は、非熟練者においても明らかなものであることから、この作業は容易であり、かつ非熟練者の判断で足りる。
ここで、「金型キャビティ内における溶融樹脂の流路に対して、その流路形状やその流路断面積が変化する箇所」とは、製品部の形状や流路断面積が変化する箇所のみならず、金型装置内のスプル部、ランナ部、ゲート部も含まれ、流路の分岐部分、合流部分又は流路の角度変更部分も含まれる。また、流路の分岐位置(製品を多数個とりする場合の分岐位置)も含まれる。なお、製品内部にゲート部等を有するものもあるが、これらも含まれる。そして、製品部については、前記形状が相違する箇所や流路断面積が変化する箇所は、製品の形状や断面積が段階的に変化する箇所のすべての箇所であることが好ましい。
金型キャビティ内に何箇所の充填区間を設定するかの判断は、当該金型によって製造される製品の要求精度等から逆算的に、すなわち、客観的に決定することができるのでこの判断にも高度の経験的知見は必要とされない。ただし、金型キャビティ内に多数の区間設定を行うことにより、最終的に作成される射出速度プログラムパターンの精度を向上させることができる反面において、後続の試ショット作業の回数が増えるという関係があることを認識して区間設定を行うことが好ましい。なお、金型キャビティ内は、選択した境界の箇所数に1を加えた数の充填区間に区間設定される。設定された充填区間は、溶融樹脂が金型キャビティ内に充填される際の上流側から順次に第1充填区間、第2充填区間、第n+1充填区間のように順序付けをして扱う。
次いで、各充填区間ごとに試ショットを行う。この際いずれの充填区間から試ショットを開始するかは、任意である。なお、ここで行われる試ショットは、一般的におこなわれるところの製品の良否判定のための試ショットではなく、金型キャビティの各充填区間内に溶融樹脂をほぼ満充填することができる射出圧力を求めることを目的とする試ショットである。ここで「満充填」とは、試ショットの対象となる特定の充填区間に完全に溶融樹脂が充填された状態をいい、したがって「ほぼ満充填」とは、満充填に至る以前の状態であって満充填に近い状態をいう。例えば、(a)製品部の角まで完全に充填していなくても良く、(b)ヒケ(製品表面に凹凸あり)があっても良い。なお、最終的に製品の角まできっちり充填させたり、ヒケを防止させたりするのは、従来通りに射出工程に続いて行われる保圧工程で行う。
各充填区間に対する試ショットは、段階的に射出圧力を高めながら複数回実施することによって金型キャビティの各充填区間内に溶融樹脂をほぼ満充填可能な射出圧力の圧力上限値を求めるとともに、各充填区間においてほぼ満充填状態を得られた際の射出スクリュまたは射出プランジャの前進位置を圧力変更点として求める。なお、各充填区間に溶融樹脂がほぼ満充填されているか否かの判定は、目視判定による。例えば、第n充填区間の圧力上限値および圧力変更点を求める場合において、(1)射出上限圧を前より高めて射出し、(2)金型内の溶融樹脂が固化したら金型を開き、(3)目視判定をし、(4)成形品を金型から取り出し、(5)金型を閉じる(さらに型締めする。)。以上を第n充填区間がほぼ満充填されるまで繰り返す。また、上記(4)の成形品を金型から取り出してからの目視判定も可能である。
次いで、第1充填区間から第n+1充填区間の各充填区間ごとに求めた上記圧力上限値と圧力変更点とが射出成形機の制御装置に設定された状態での圧力優先制御による試ショットに際しての射出速度の実測値パターンを速度優先制御によって射出成形機をプログラム制御するための射出速度プログラムパターンとする。なお、各充填区間ごと圧力上限値と圧力変更点は、各充填区間についての試ショット完了ごとに制御装置に設定してもよく、すべての充填区間についての試ショットが完了した後に、まとめて設定しても、結果は同じである。
上記のようにして最終的に得られた射出速度プログラムパターンは、各充填区間ごとに設定された圧力上限値に従って各充填区間ごとに射出圧力を変化させながら射出動作が行われた際の射出速度の変化パターンであると位置付けることができる。すなわち、射出動作が、この射出速度プログラムパターンに基づいて速度優先制御によって実行される限り、各充填区間における射出圧力が射出速度プログラムパターンを求めた際の圧力上限値を超えないことが保障されるのである。
本発明の射出成形機の射出速度プログラムパターンの作成方法は、上記基本発明を前提として、各充填区間ごとに当該充填区間に対応する圧力上限値を求めた際の射出速度を実測し、各充填区間ごとに得られた射出速度の実測値パターンを連結して射出速度プログラムパターンを作成する構成とすることができる。
上記構成を採用する場合には、第1充填区間から第n+1充填区間に対して任意の順序によって試ショットを実施し、各充填区間ごとに当該充填区間に対応する圧力上限値を求めた際の射出速度を実測することによって、最後の充填区間に対する試ショットの完了と同時に射出速度プログラムパターンを得るための前提となる各充填区間ごとの圧力上限値や圧力変更点が求められるので、最後の充填区間に対する試ショットの完了と同時に各充填区間ごとに得られた射出速度の実測値パターンを連結した状態の射出速度プログラムパターンを得ることができる。したがって、射出速度プログラムパターンの作成工程を省き、短時間で特定の金型に適合する射出速度プログラムパターンを作成することができる。
本発明の射出成形機の射出速度プログラムパターンの作成方法は、上記本発明のいずれの構成についても、各充填区間に対する試ショットを第1充填区間から第n+1充填区間に向かって順次に実施し、各充填区間において段階的に射出圧力を高めながら実施する複数回の試ショットにおいて求めるべき圧力上限値の初期値を既に求めた直近の前充填区間の圧力上限値とする構成とすることができる。
上記構成を採用する場合には、各充填区間に対する試ショットが第1充填区間から順次に実施されるので、特定の充填区間についての試ショットによって求めるべき圧力上限値が、その充填区間の前の順位の充填区間の圧力上限値以下ではありえないという自明の理を最大限に活用して短時間で射出速度プログラムパターンを作成することができる。つまり、特定の充填区間に対する試ショットは、既に求めた直近の前充填区間の圧力上限値未満の範囲を除外して実施することができるのである。
本発明の射出成形機の制御装置は、少なくとも、各種の成形条件を設定するための設定器と、成形条件記憶部と、ショットごとの実測値データを記憶する実測値記憶部と、モニターを駆動する表示制御部と、射出成形機の諸機構をフィードバック制御する機構制御部とを備え、金型キャビティ内における溶融樹脂の流路に対して、その流路形状やその流路断面積が変化する箇所のうちから少なくとも1箇所以上の任意のn箇所を選択し、選択したn箇所を境として溶融樹脂が金型キャビティ内に充填される際の上流側から順次に金型キャビティ内を第1充填区間、第2充填区間のように第n+1充填区間までに区間設定し、第1充填区間から第n+1充填区間までのうちから任意の順序で選択する全ての各充填区間に対して段階的に射出圧力を高めながら実施する複数回の試ショットであり、各充填区間ごとに当該各充填区間に溶融樹脂が試ショットの対象となる特定の充填区間に完全に溶融樹脂が充填された状態の満充填に至る以前の状態であって満状態に近い状態となるほぼ満充填可能な射出圧力の上限値である圧力上限値を求めるとともに、各充填区間に対応する射出スクリュまたは射出プランジャの前進位置である圧力変更点を求め、各充填区間で区間ごとに求めた圧力上限値と圧力変更点とが射出成形機の制御装置に設定された状態で、圧力優先制御によって実施した試ショットによって、設定器を介して段階的に射出圧力を変化させながら成形条件記憶部に記憶させ、成形条件記憶部は、設定器を介して入力された射出圧力データを機構制御部に出力し、機構制御部は、成形条件記憶部から送られた射出圧力データに基づいて射出成形機の射出機構を制御し、実測値記憶部は、所定の充填状態が得られた際の各充填区間で区間ごとに射出速度および射出スクリュまたは射出プランジャの位置データを記憶することによって全充填区間を通じての射出速度の実測値データを作成し、実測値記憶部は、作成した全充填区間を通じての射出速度の実測値データを直接または表示制御部を経由して成形条件記憶部に出力して射出速度プログラムパターンとして記憶し、機構制御部は、成形条件記憶部から出力させる射出速度プログラムパターンを目標として射出機構を制御することを特徴とする。
上記構成による射出成形機の制御装置は、それぞれ上記機能を有する設定器、成形条件記憶部、実測値記憶部、表示制御部、機構制御部との機能連携によって、金型キャビティの各充填区間に対するオープン方式の圧力優先制御による試ショットの成果から射出速度プログラムパターンを作成し、作成した射出速度プログラムパターンに基づいて射出成形機の射出機構を制御することができる。
本発明の射出成形機の射出速度プログラムパターンの作成方法は、金型キャビティ全体に対する試ショットを実施するに先立ち、金型キャビティ内を樹脂の流路の形状や流路断面積が変化する箇所を境(基準)に複数の充填区間に区分し、各充填区間ごとに溶融樹脂をほぼ満充填することができる最低限の射出圧力を各充填区間ごとに実施する試ショットによって求めた後、求めた射出圧力を目標値とする圧力優先制御によって金型全体に対する試ショットを行い、この試ショットの際の射出速度を実測することによって最終的に必要とされる射出速度プログラムパターンを作成する。したがって、金型内の流路の形状や断面積の違いに対応した最適な射出圧力で成形したときの射出速度プログラムパターンを生成可能である。
各充填区間ごとに行う試ショットの作業内容は、溶融樹脂を試ショットの対象となる充填区間に徐々に射出圧力を高めながら満充填されるに至るまでの範囲で行う単純な内容であるので、金型に加わる圧力負荷の予測等の高度の経験判断が不要であって、非熟練者においても金型破損等の事故を伴うことなく確実に実施することができる。
射出速度プログラムパターンを得るための金型全体に対する試ショット工程は、各充填区間ごとに求めた圧力上限値を目標値とする圧力優先制御によって実施されるので、この工程において金型に加わる圧力は、設定された圧力上限値を上回ることはないので、試ショット時の圧力上限値の予測ミス等に起因する金型破損を確実に予防することができる。
最終的に得られたところの射出速度プログラムパターンは、金型キャビティの各充填区間ごとに最適に設定された圧力上限値と客観的な相関関係によって成立しているところから、その射出速度プログラムパターンを制御目標として用いる成形品の試ショットおよび量産運転においては、射出成形機の省エネルギー運転化や金型寿命の延長を実現することができる。
本発明の一実施の形態の射出速度プログラムパターンの作成方法を実行する際に使用する制御装置のブロック構成を射出成形機と関連付けて示す制御概念説明図である。 上記一実施の形態の射出速度プログラムパターンの作成対象とする金型キャビティ形状で成形される成形品の説明図であり、(a)はその正面図であり、(b)はその側面図である。 上記一実施の形態の射出速度プログラムパターンの作成例を成形品の形状(金型キャビティ形状)とともに作成段階的順序で示す図である。 上記一実施の形態の射出速度プログラムパターンをプランジャ位置と関連付けて示す説明図である。
以下、図面を引用しながらプリプラ式の射出成形機を例示して本発明の射出成形機の制御装置30および射出成形機の射出速度プログラムパターンVPTを作成する方法を説明する(図1ないし図4)。本発明の方法によって作成される射出速度プログラムパターンVPT(図4に示す)は、使用する個々の金型の金型キャビティに対応して固有のパターンを呈するものであり、ここでは、説明の複雑化を避けるため金型キャビティ形状により成型される成形品Z(最終製品部を符号Z1で示す。)について説明する(図2)。なお、プリプラ式とは、成形材料を別に設けた可塑化専用スクリュで可塑化させ、これをプランジャ前部へ送り込んだ後、プランジャを前進させて射出する方式の射出成形機をいい、熱可塑性樹脂の成形に採用されている。
射出成形機は、樹脂材料を可塑化することを目的とする可塑化部10と、可塑化された樹脂材料を金型キャビティ内に射出することを目的とする射出部20とからなり、両者は、溶融樹脂の連通路16を設けたジャンクション部17において接続している(図1)。
可塑化部10は、樹脂ペレットを供給するためのホッパ13を備える可塑化シリンダ15と、可塑化シリンダ15内のスクリュ14を駆動するスクリュ駆動装置11およびスクリュ14の前後動作を制御する逆止装置12等からなる。
一方、射出部20は、先端部にノズルシリンダ2Aを介して射出ノズル21を取り付けた射出シリンダ2Bと、そのシリンダ2B内に備える射出プランジャ2Cと、そのプランジャ2Cを駆動する射出駆動装置27等からなる。射出駆動装置27の主要部は、作動ロッド3A、ピストン3Cおよびシリンダ3Bからなる油圧シリンダである。
射出駆動装置27には、射出プランジャ2Cの位置を検出するための位置センサG1と、射出圧力を検出するための圧力センサG2が組み込まれ、制御装置30側から射出プランジャ2Cの動作状態および射出圧力値が監視される。なお、本願において単に「射出プランジャの位置」と表現しているのは、厳密な意味においては、射出プランジャ2Cの先端位置のことである。
このような射出成形機における射出動作の概要は、可塑化シリンダ15内のスクリュ14を僅かに後退させることによって、スクリュ14の先端部で塞がれていたジャンクション部17の連通路16を開き、可塑化シリンダ15から連通路16を介して溶融樹脂を射出シリンダ2B側に供給する。一方、射出シリンダ2B側では、射出プランジャ2Cが後退動作しながら1ショット分の溶融樹脂を受け入れ、溶融樹脂は射出プランジャ2Cの後退量によって計量される。
計量工程後、スクリュ14の前進によって連通路16が閉鎖される。次いで、射出プランジャ2Cが前進駆動され、射出シリンダ2B内に受け入れられた溶融樹脂を金型キャビティ内に所定の射出速度で射出する。金型キャビティ内に溶融樹脂が充填完了し、つまり、射出工程が完了した後、射出プランジャ2Cは、さらに前進方向に駆動され、溶融樹脂に対して引き続く保圧工程に必要な保圧力を加える。
保圧工程では、保圧力によって溶融樹脂が金型キャビティ内において微量に流動をしながら金型キャビティ内に完全充填されるとともに、金型によって冷却されることによって流動性を失い、所定形状の成形品Zとなる。なお、成形品Zのゲート5Cを切り離すと最終製品Z1になる。
射出成形機における上記のような一連の連携動作は、図示しない型締装置を含め、制御装置30によって予めプログラムされた各種の条件を充足するようにフィードバック制御される。
制御装置30は、特定の機能を担当する機能手段としての成形条件記憶部31、実測値記憶部32、実測値変換処理部33を含む表示制御部34、フィードバック制御部35を含む機構制御部36を主要部としてなり、設定器37としてのキー入力装置および表示装置38を伴う。
制御装置30には、前記射出駆動装置27の位置センサG1および圧力センサG2を含むセンサ群Gが接続されるとともに、制御装置30からの情報信号は、オペレータに視覚情報を提供する表示装置38の外、射出駆動装置27用のドライバを含むドライバ群Dに接続されている。すなわち、制御装置30の基本的動作は、センサ群Gから送られてくる情報を予めプログラムされた情報との関連において演算処理し、ドライバ群D等に送り出す動作である。
具体的に、制御装置30における成形条件記憶部31は、設定機37から入力された各種の成形条件や実測値を変換処理して記憶する。実測値記憶部32は、センサ群Gからの実測値情報を記憶または更新記憶する。機構制御部36は、成形条件と実測値をもとにフィードバック制御によって射出駆動装置27その他の各種機構を制御する。表示制御部34は、各種データを変換処理して表示装置に出力するとともに、表示制御部34に含まれる実測値変換処理部33は、射出速度の実測値波形をステップ状や折れ線状に変換処理して成形条件記憶部31に出力することができる。
ここで、射出速度の実測値は、射出プランジャ2Cの前進位置を検出する位置センサG1から逐次送出される位置実測値を制御装置30の基準クロックを参照して速度データに変換する方式で検出される。また、射出圧力の実測値は、射出プランジャ2Cを駆動する油圧を介して圧力センサG2によって検出される。そして、射出プランジャ2Cの前進時の射出速度や射出圧力が後述する表示制御部34によって、下記の所定条件を目標にフィードバック制御される。
本発明の射出速度プログラムパターンVPTの作成方法にサンプルとして使用する金型50の固定金型51と可動金型52とによって形成される金型キャビティは、スプル5A、ランナ5B、ゲート5C、および製品部分である凸部5D、凹部5E、凸部5Fが順次に連通するキャビティ形状を有する(図2,図3)。ここでは、スプル5Aとランナ5Bの部分(位置S0から位置S1)を第1充填区間K1、ゲート5Cと製品前半の凸部5Dとを第2充填区間K2、製品Z1の凹部5Eと後半の凸部5Fとを第3充填区間K3として区間設定している。ちなみに、スプル5A、ランナ5B、成形品Zの形状によっては、ゲート5Cを境界にした2つの区間に分けても良いし、スプル5Aやランナ5Bの部分を複数の区間に分けたり、最終製品部Z1を複数の区間に分けたりして4つ以上の区間に分けても良い。上記区間の数は、形状や断面積が異なる箇所を境に少なくとも2区間が必要になる。上記ゲート5Cを境界にした2つの区間に分けることは、最終製品部Z1の加工精度がスプル5Aやランナ5Bの部分よりも高い場合に有利である。なお、スプル5Aとランナ5Bの部分(位置S0から位置S1)を充填工程前期とし、ゲートC5と最終製品部Z1とを充填工程後期と呼ぶとすると、これら前期と後期の2つの区間に分けても良い。
以下、上記の射出成形機および制御装置30を使用し、第1充填区間K1から第3充填区間K3に向けて順次に試ショットを実施して本発明の射出速度プログラムパターンVPTの作成する態様の作成方法を説明する(図1ないし図4)。
なお、射出速度プログラムパターンVPTの作成開始に当り、1ショット当たりの溶融樹脂の計量値をクッション量を考慮に入れて設定しておくものとし、さらに、リミッタとして射出時間上限値と射出速度上限値を設定しておく必要がある。リミッタは、いずれも異常事態に備えるものであり、射出時間上限値は、射出圧力が立ち上がらずに充填不全となった際に射出成形機の運転を停止するものであり、射出速度上限値は、射出速度が異常に高まった際に運転条件を射出速度優先制御に強制的に切り換えるように機能する。
上記、事前設定の上、制御装置30の設定器37を介して徐々に射出圧力の圧力上限値P1を上げながら第1充填区間K1であるスプル5Aとランナ5Bの部分に溶融樹脂をほぼ満充填されるに至るまで試ショットを実施する(図3(A))。スプル5Aとランナ5Bの部分に溶融樹脂がほぼ充填され、かつ溶融樹脂が第2充填区間K2の領域に流動していないときの圧力上限値が第1充填区間K1について適用される圧力上限値P1となり、そのときの射出プランジャ2Cの位置が、第1充填区間K1と第2充填区間K2との間の圧力変更点S1として求められる。また、この際の射出速度の実測値V1は、実測値記憶部32に記憶される。
制御装置30に求めた圧力上限値P1と圧力変更点S1とを設定し、これらの値を基準にして第2充填区間K2であるゲート5Cと製品前半部の凸部5Dについて試ショットを実施する(図3(B))。試ショットの作業要領は、第1充填区間K1についての試ショットと同様であるが、第1充填区間K1について求められ、かつ制御装置30に設定された圧力上限値P1が初期値とされる点が異なる。試ショットの結果、ゲート5Cと製品Zの凸部5Dに溶融樹脂がほぼ十分に充填され、かつ溶融樹脂が第3充填区間K3の領域に流動していないときの射出圧力の上限値が第2充填区間K2について適用される圧力上限値P2となり、そのときの射出プランジャ2Cの位置が、第2充填区間K2と第3充填区間K3との間の圧力変更点S2となる。また、この際の射出速度の実測値V2は、実測値記憶部32に記憶される。
次いで、制御装置30に圧力上限値P2と圧力変更点S2とを設定し、これらの値を基準にして第3充填区間K3である製品中間部の凹部5Eと製品後半部の凸部5Fについて試ショットを実施し、圧力上限値P3と圧力変更点S3を求め、制御装置30に設定する(図3(C))。圧力上限値P3が求められた時点での射出速度の実測値V3は、実測値記憶部32に記憶され、先に記憶された射出速度の実測値V1,V2と圧力変更点S1,S2を連結点として連結された状態の射出速度プログラムパターンVPTが得られる。作成された射出速度プログラムパターンVPTは、必要に応じて表示制御部34の実測値変換処理部33を介して表示装置38に出力されるとともに、成形条件記憶部31に出力されて記憶される。
上記のようにして作成された射出速度プログラムパターンVPTは、臨界的条件によって作成されたものであるため、良品を得るためには、さらに試ショットを行って部分的に修正を加える必要がある場合もありえる。この場合には、既に作成された射出速度プログラムパターンVPTは、金型破損を起しえない安全な試ショット用の射出速度プログラムパターンとしての意義をも有することとなる。
また、実際の成形においては、射出速度プログラムパターンVPTを追従目標とする射出速度優先制御が行われる。したがって、射出速度優先制御の優位性である繰返し精度が高い利点を損ねることなく、当該射出速度プログラムパターンVPTの作成段階の各充填区間K1,K2,K3における必要最低限の圧力上限値P1,P2,P3との相関関係が反映されていることにより、金型寿命の延長効果、オーバーパック防止効果、省エネルギー運転効果が実現されるのである。なお、図3(A)(B)(C)において、「実圧力値」とは、試ショットの実施の際に圧力センサG2で検出された実際の圧力値を示すものである。
ここで、作成された射出速度プログラムパターンVPTは、ステップ状や折れ線状に変換して使用することも可能であり、この場合においても、オリジナルの射出速度プログラムパターンVPTの特性が大きく損なわれることはない。また、射出速度プログラムパターンVPTの作成においては、プリプラ式の射出成形機を用いているが、射出スクリュで直接に射出動作を行う射出成形機によって作成してもよく、その結果作成された射出速度プログラムパターンVPTは、そのような方式の射出成形機に好適に使用することができるものとなる。
上記射出速度プログラムパターンVPTの作成方法では、第1充填区間K1から順次に試ショットを実施しているが、試ショットは、無作為に選択した順序で実施してもよい。各充填区間K1,K2,K3ごとの試ショットの結果を制御装置30に記憶させておくことによって、最後の充填区間に対する試ショットの完了によって射出速度プログラムパターンVPTを得ることができるからである。また、上記射出速度プログラムパターンVPTの作成方法においては、各充填区間K1,K2,K3の試ショットごとに射出速度を実測しているが、すべての充填区間K1,K2,K3の圧力上限値P1,P2,P3を求めて設定した後に、圧力優先制御による全充填区間K1,K2,K3を通しての試ショットを実施し、この試ショットに際しての射出速度の実測値V1,V2,V3をそのまま射出速度プログラムパターンVPTとすることもできる。
さらに、制御装置30に各充填区間K1,K2,K3の境界を認識させる意義を有する圧力変更点S1,S2,S3は、射出プランジャ2Cがそれぞれ圧力変更点S1,S2,S3に到達するまでに要した実測時間に変換して利用することもできるものとする。この場合、例えば、第1充填区間K1であれば、求められた圧力上限値P1をプランジャ2Cが圧力変更点S1に到達するのに要した期間の間維持するように制御することになる。
VPT 射出速度プログラムパターン
V1,V2… 射出速度の実測値
S1,S2… 圧力変更点
P1,P2… 圧力上限値
K1 第1充填区間
K2 第2充填区間
K3 第3充填区間
2B 射出シリンダ
30 制御装置
31 設定器
32 実測値記憶部
34 表示制御部
36 機構制御部
Z 成形品
Z1 製品

Claims (4)

  1. 金型キャビティ内における溶融樹脂の流路に対して、その流路形状やその流路断面積が変化する箇所のうちから少なくとも1箇所以上の任意のn箇所を選択し、選択したn箇所を境として溶融樹脂が金型キャビティ内に充填される際の上流側から順次に金型キャビティ内を第1充填区間、第2充填区間のように第n+1充填区間までに区間設定し、
    第1充填区間から第n+1充填区間までのうちから任意の順序で選択する全ての各充填区間に対して段階的に射出圧力を高めながら複数回の試ショットを実施することによって、各充填区間ごとに当該各充填区間に溶融樹脂が試ショットの対象となる特定の充填区間に完全に溶融樹脂が充填された状態の満充填に至る以前の状態であって満状態に近い状態となるほぼ満充填可能な射出圧力の上限値である圧力上限値を求めるとともに、各充填区間に対応する射出スクリュまたは射出プランジャの前進位置である圧力変更点を求め、
    各充填区間で区間ごとに求めた圧力上限値と圧力変更点とが射出成形機の制御装置に設定された状態で、圧力優先制御によって試ショットを実施した際の射出速度を実測し、全充填区間を通じて得られた射出速度の実測値パターンを速度優先制御によって射出成形機をプログラム制御するための射出速度プログラムパターンとすることを特徴とする射出成形機の射出速度プログラムパターンの作成方法。
  2. 前記全充填区間を通じて得られた射出速度の実測値パターンは、各充填区間で当該各充填区間に対応する圧力上限値を求める際の試ショット時の射出速度を実測し、各充填区間で区間ごとに得られた射出速度の実測値パターンを連結して得られ、この連結して得られた実測値パターンを速度優先制御によって射出成形機をプログラム制御するための射出速度プログラムパターンとすることを特徴とする請求項1記載の射出成形機の射出速度プログラムパターンの作成方法。
  3. 各充填区間に対する試ショットを第1充填区間から第n+1充填区間に向かって順次に実施し、各充填区間において段階的に射出圧力を高めながら実施する複数回の試ショットにおいて求めるべき圧力上限値の初期値を既に求めた直前の充填区間の圧力上限値とすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の射出成形機の射出速度プログラムパターンの作成方法。
  4. 少なくとも、各種の成形条件を設定するための設定器と、成形条件記憶部と、ショットごとの実測値データを記憶する実測値記憶部と、モニターを駆動する表示制御部と、射出成形機の諸機構をフィードバック制御する機構制御部とを備え、
    金型キャビティ内における溶融樹脂の流路に対して、その流路形状やその流路断面積が変化する箇所のうちから少なくとも1箇所以上の任意のn箇所を選択し、選択したn箇所を境として溶融樹脂が金型キャビティ内に充填される際の上流側から順次に金型キャビティ内を第1充填区間、第2充填区間のように第n+1充填区間までに区間設定し、第1充填区間から第n+1充填区間までのうちから任意の順序で選択する全ての各充填区間に対して段階的に射出圧力を高めながら実施する複数回の試ショットであり、各充填区間ごとに当該各充填区間に溶融樹脂が試ショットの対象となる特定の充填区間に完全に溶融樹脂が充填された状態の満充填に至る以前の状態であって満状態に近い状態となるほぼ満充填可能な射出圧力の上限値である圧力上限値を求めるとともに、各充填区間に対応する射出スクリュまたは射出プランジャの前進位置である圧力変更点を求め、各充填区間で区間ごとに求めた圧力上限値と圧力変更点とが射出成形機の制御装置に設定された状態で、圧力優先制御によって実施した試ショットによって、設定器を介して段階的に射出圧力を変化させながら成形条件記憶部に記憶させ、成形条件記憶部は、設定器を介して入力された射出圧力データを機構制御部に出力し、機構制御部は、成形条件記憶部から送られた射出圧力データに基づいて射出成形機の射出機構を制御し、実測値記憶部は、所定の充填状態が得られた際の各充填区間で区間ごとに射出速度および射出スクリュまたは射出プランジャの位置データを記憶することによって全充填区間を通じての射出速度の実測値データを作成し、
    実測値記憶部は、作成した全充填区間を通じての射出速度の実測値データを直接または表示制御部を経由して成形条件記憶部に出力して射出速度プログラムパターンとして記憶し、機構制御部は、成形条件記憶部から出力させる射出速度プログラムパターン目標として射出機構を制御することを特徴とする射出成形機の制御装置。
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