図1を参照して、この実施例の携帯電話機10は携帯通信端末の一種であり、CPUまたはコンピュータと呼ばれるプロセッサ24を含む。このプロセッサ24には、無線通信回路14、A/D16、D/A20、キー入力装置26、表示ドライバ28、フラッシュメモリ32、RAM34およびLED制御回路36が接続される。また、無線通信回路14にはアンテナ12が接続され、A/D16にはマイク18が接続され、D/A20にはアンプ(図示せず)を介して、スピーカ22が接続される。また、表示ドライバ28にはディスプレイ30が接続される。さらに、LED制御回路36にはLED38が接続される。
プロセッサ24は、携帯電話機10の全体制御を司り、時刻情報を出力するRTC24aを含む。記憶部とも呼ばれるRAM34は、プロセッサ24の作業領域(描画領域を含む)ないしバッファ領域として用いられる。フラッシュメモリ32には、携帯電話機10の文字、画像、音声、音および映像のようなコンテンツのデータが記録される。
A/D16は、当該A/D16に接続されたマイク18を通して入力される音声ないし音についてのアナログ音声信号を、デジタル音声信号に変換する。D/A20は、デジタル音声信号をアナログ音声信号に変換(復号)して、アンプを介してスピーカ22に与える。したがって、アナログ音声信号に対応する音声ないし音がスピーカ22から出力される。
入力部であるキー入力装置26は、カーソルキー、通話キー、終話キー、機能キーおよび確定キーを含むキー群26aを備えるとともに、「0」−「9」キー、「*」キーおよび「#」キーを含むダイヤルキー26bも備える。そして、使用者が操作したキーの情報(キーデータ)はプロセッサ24に入力される。
なお、キー入力装置26に含まれる各キーが操作されると、フィードバック処理が実行され、図示しないスピーカからフィードバック音が出力される。そのため、使用者は、フィードバック音を聞くことで、キー入力操作に対する操作感を得ることができる。
表示ドライバ28は、プロセッサ24の指示の下、当該表示ドライバ28に接続されたディスプレイ30の表示を制御する。なお、表示ドライバ28は表示する画像データを一時的に記憶するビデオメモリ(図示せず)を含む。
LED制御回路36は、プロセッサ24の指示の下、当該LED制御回路36に接続されたLED38の発光を制御する。また、発光パターンが点滅である場合には、LED制御回路36は、レジスタ36aに設定された時間に基づいて、LED38を点滅させる。そして、LED38が発光することで、音声着信やメール着信などが通知される。なお、プロセッサ24は、LED38の発光パターンを点滅にする場合には、LED制御回路36に対して点滅の命令を発行するとともに、点滅周期をレジスタ36aに設定する。そのため、LED制御回路36およびLED38は、発光部と呼ばれることもある。
無線通信回路14は、CDMA方式での無線通信を行うための回路である。たとえば、使用者がキー入力装置26を用いて音声発信を指示すると、無線通信回路14は、プロセッサ24の指示の下、音声発信処理を実行し、アンテナ12を介して音声発信信号を出力する。音声発信信号は、基地局および通信網(図示せず)を経て相手の電話機に送信される。そして、相手の電話機において着信処理が行われると、接続状態(通信可能状態)が確立され、プロセッサ24は通話処理を実行する。
通常の通話処理について具体的に説明すると、相手の電話機から送られてきた変調音声信号(高周波信号)はアンテナ12によって受信される。受信された変調音声信号には、無線通信回路14によって復調処理および復号処理が施される。そして、これらの処理によって得られた受話音声信号は、D/A20によってアナログ音声信号に変換された後、スピーカ22から出力される。一方、マイク18を通して取り込まれた送話音声信号は、A/D16によってデジタル音声信号に変換された後、プロセッサ24に与えられる。デジタル音声信号に変換された送話信号には、プロセッサ24の指示の下、無線通信回路14によって符号化処理および変調処理が施され、アンテナ12を介して出力される。したがって、変調音声信号は、基地局および通信網を介して相手の電話機に送信される。
また、相手の電話機からの発呼信号がアンテナ12によって受信されると、無線通信回路14は、音声着信(着呼ともいう)をプロセッサ24に通知する。これに応じて、プロセッサ24は、表示ドライバ28を制御して、着信通知に記述された発信元情報(電話番号)をディスプレイ30に表示する。また、これとほぼ同時に、プロセッサ24は、図示しないスピーカから着信音(着信メロディ、着信音声と言うこともある。)を出力させる。また、プロセッサ24はLED38を点滅させ、図示しないモータを駆動(回転)させることで携帯電話機10を振動させる。
そして、使用者が、通話キーを用いて応答操作を行うと、無線通信回路14は、プロセッサ24の指示の下、音声着信処理を実行し、接続状態(通信可能状態)が確立され、プロセッサ24は上述した通常の通話処理を実行する。
また、通話可能状態に移行した後に終話キーによって通話終了操作が行われると、プロセッサ24は、無線通信回路14を制御して、通話相手に通話終了信号を送信する。通話終了信号の送信後、プロセッサ24は通話処理を終了する。また、先に通話相手から通話終了信号を受信した場合も、プロセッサ24は通話処理を終了する。さらに、通話相手によらず、移動通信網から通話終了信号を受信した場合も、プロセッサ24は通話処理を終了する。なお、携帯電話機10は、発呼信号を受信すると、発信元情報に含まれる電話番号とRTC24aが出力する時刻情報とを関連付けて、着信履歴としてRAM34に記憶する。また、キー入力装置26に対して着信履歴を参照する操作が行われると、携帯電話機10はディスプレイ30に着信履歴を表示する。
また、携帯電話機10は、ネットワークに接続される図示しないメールサーバとのデータ通信を確立することで、電子メールの送受信を行う電子メール機能も有している。たとえば、携帯電話機10の使用者は、メール機能を実行することで、電子メールの送受信を行うことができる。なお、本実施例では、電子メールを受信する事を、メール着信と言うことにする。
また、携帯電話機10は、アドレス帳機能を有している。アドレス帳機能は、他の端末や電話機の持ち主の氏名および宛先情報(電話番号、メールアドレス)などを含むアドレスデータを管理するための機能である。また、RAM34(またはフラッシュメモリ32)には、複数のアドレスデータから構成されるアドレス帳データが記憶されている。
さらに、携帯電話機10は、RTC24aが出力する時刻情報を利用するアラーム機能も有している。そのため、使用者によって任意に決められた時刻になると、図示しないスピーカから音が出力されるとともに、LED38が発光する。
図2(A)はスライド型の携帯電話機10の閉状態の外観を示す外観図であり、図2(B)はスライド型の携帯電話機の開状態の外観を示す外観図である。図2(A),(B)を参照して、携帯電話機10は、各々が平面矩形の第1筐体C1および第2筐体C2を有する。また、第1筐体C1および第2筐体C2の厚みは略同じである。
第1筐体C1は第2筐体C2の上に重ねられた状態で、図示しないスライド機構によって連結される。したがって、図2(B)に示すように、第1筐体C1は第2筐体C2の長さ方向にスライド可能である。なお、第1筐体C1および第2筐体C2にそれぞれ内蔵される基板は、フレキシブル・プリント配線基板によって電気的に接続されている。
図示しないマイク18は第2筐体C2に内蔵され、内蔵されたマイク18に通じる開口OP2は第2筐体C2の長さ方向一方の上面に設けられる。また、図示しない第1スピーカ22aは第1筐体C1に内蔵され、内蔵された第1スピーカ22aに通じる開口OP1は第1筐体C1の長さ方向一方の上面に設けられる。
キー入力装置26は、キー群26aおよびダイヤルキー26bを含む。キー群26aは、先述したとおり、カーソルキー、通話キー、終話キー、機能キーおよび確定キーなどから構成されており、第1筐体C1の上面に設けられる。また、第2キー群26bは、「0」−「9」キー、「*」キーおよび「#」キーを含み、第2筐体C2の上面に設けられる。また、ディスプレイ30は、モニタ画面が第1筐体C1の上面に露出するように取り付けられる。
たとえば、使用者は、ディスプレイ30を確認しながら、ダイヤルキーを操作して電話番号を入力し、通話キーによって発呼操作を行い、終話キーによって通話終了操作を行う。また、使用者は、機能キーを操作することでメニュー画面を表示し、カーソルキーなどによって任意のメニューを選択することができる。さらに、使用者は、確定キーを操作することで、選択されたメニューを確定することができる。そして、使用者は、終話キーを長押しすることで携帯電話機10の電源をオン/オフすることができる。
また、第1筐体C1の長さ方向一方の上面には、LED38に通じる窓Wが設けられ、この窓Wには、可視光を透過するプラスチックがはめ込まれている。これにより、使用者は、第1筐体C1の上面を視認することで、LED38の発光の有無も確認できる。
さらに、携帯電話機10の開閉状態は、図示しない磁気センサおよび磁石によって検出される。たとえば、磁気センサと磁石とは、図2(A)に示す閉状態で、磁気センサと最も近い状態となるように、第1筐体C1および第2筐体C2に内蔵される。そのため、磁気センサは、図2(A)に示す状態では最大値を出力し、図2(B)に示す状態では最小値を出力する。そして、プロセッサ24は、磁気センサが最大値を出力すると開状態を検出し、磁気センサが最小値を出力すると閉状態を検出する。
なお、アンテナ12、無線通信回路14、プロセッサ24、表示ドライバ28、フラッシュメモリ32、RAM34、LED制御回路36は、第1筐体C1または第2筐体C2に内蔵されており、図2(A),(B)では図示されない。
ここで、音声着信があったときに使用者によって応答操作が行われない場合には、不在着信の履歴が記録される。また、不在着信の履歴が記録されると、携帯電話機10はLED38を点滅させることで、未確認の不在着信があることを使用者に通知する。そして、本実施例では、アドレス帳データおよび着信履歴データに基づいて、LED38の点滅周期を設定することで携帯電話機10の消費電力を抑える。以下、LED38の点滅周期を設定する処理について具体的に説明する。
まず、図3はRAM34に記憶されるアドレス帳データの構成を示す図解図である。図3を参照して、アドレス帳データは、「名前」、「電話番号」および「電子メールアドレス」などの列から構成されるテーブルであり、1行毎にアドレスデータを示す。たとえば、名前が「AAA」のアドレスデータは、電話番号が「0900000XXXX」であり、電子メールアドレスが「YYYY@aaa.**.jp」である。また、名前が「BBB」のアドレスデータは、電話番号が「072888XXYY」であり、電子メールアドレスが「XXYY@aaa.**.jp」である。なお、本実施例では、最大1000件までのアドレスデータを登録する事ができる。
また、図4はRAM34に記憶される着信履歴データの構成を示す図解図である。図4を参照して、着信履歴データは、「時刻」、「電話番号」および「不在着信」の列から構成され、1行毎に着信履歴を示す。つまり、「時刻」の列には着信があった時の時刻が記録され、「電話番号」の列には、相手の電話機に設定されている電話番号が記録される。そして、「不在着信」の列には、不在着信でないことを示す数値「0」または不在着信であることを示す数値「1」が記録される。たとえば、「20XX年、7月17日、8時30分」に、電話番号「0900000XXXX」が設定された携帯電話機からの着信に対して応答していなければ、着信履歴は着信履歴データの1行目のように記録される。
なお、「電話番号」の列に記録される数字列は、発信元情報に含まれる電話番号である。また、着信履歴テーブルには、最大50件の着信履歴が記録される。
次に、図5は点滅周期におけるLED38のオン/オフを示す図解図である。図5を参照して、点滅周期において、LED38は発光状態よりも消灯状態の方が長い。たとえば、点滅周期が6秒の場合、LED38の発光状態の時間は0.1秒であり、消灯状態の時間は5.9秒である。そして、LED38の発光状態の時間は、点滅周期の長さによらず一定である。つまり、点滅周期が長くなったとしても、発光状態の時間は常に0.1秒であり、消灯状態の時間だけが長くなる。
また、図6はアドレス帳データと着信履歴データとの関係に基づく点滅周期テーブルの構成を示す図解図である。図6を参照して、不在着信における電話番号がアドレス帳データに含まれており、かつ前回の着信との間隔(期間)が一週間未満であれば、プロセッサ24は、LED制御回路36のレジスタ36aに、点滅周期が3秒となるように設定する。たとえば、図3および図4にあるように、7月17日の不在着信(電話番号:0900000XXXX)については、電話番号がアドレス帳データ(名前:AAA)に含まれ、かつ5日前の7月12日にも着信があるため、不在着信を通知するLED38の点滅周期は3秒となる。
また、不在着信における電話番号がアドレス帳データに含まれているが、前回の着信との間隔が一週間以上であれば、レジスタ36aには点滅周期が6秒となるように設定される。たとえば、図3および図4にあるように、7月16日の不在着信(電話番号:072888XXYY)については、電話番号はアドレス帳データ(名前:BBB)に含まれるが、前回の着信が13日前であるため、LED38の点滅周期は6秒となる。
さらに、不在着信における電話番号がアドレス帳データに含まれないが、前回の着信との間隔が一週間未満であれば、点滅周期が6秒となるように、プロセッサ26はレジスタ36aを設定する。たとえば、図3および図4にあるように、7月15日の不在着信(電話番号:075111YYYY)については、電話番号がアドレス帳データに含まれていないが、4日前にも着信があるため、LED38の点滅周期は6秒となる。
そして、不在着信における電話番号がアドレス帳データに含まれず、前回の着信との間隔も一週間以上であれば、点滅周期は12秒に設定される。たとえば、図3および図4にあるように、7月14日の不在着信(電話番号:0801111YYXX)については、着信履歴データに前回の着信が登録されていない、つまり前回の着信との間隔が一週間以上であるため、LED38の点滅周期は12秒となる。
このように、不在着信を通知する場合に、アドレス帳に対する登録の有無および過去の着信の頻度の組み合わせに基づいて、LED38の点滅周期が設定される。そのため、上記した条件を満足する場合は、点滅周期が長くなるように設定されるため、携帯電話機10の消費電力が抑えられる。また、これらの組み合わせから着信の重要度が判断されてもよい。たとえば、アドレスデータとして登録されておらず、所定期間内に着信が無い相手は、使用者にとって関係ないと判断することができ、LED38の点滅周期が一番長く設定される。このように、着信の重要度が低いほど携帯電話機10の消費電力がより抑えられる。
また、本実施例では、LED38の点滅によって不在着信を通知している間に、0時から5時(24時制表記)までの深夜時間帯(所定時間帯)になると、点滅周期に時間が加算される。さらに、不在着信が確認されず放置されたとしても、30分(所定時間)毎に、点滅周期に時間が加算される。
図7を参照して、上記のように加算される時間が記録された加算時間テーブルには、深夜時間帯となった場合に加算される時間として2秒が記録される。図8(A)を参照して、点滅周期が3秒に設定された状態で深夜時間帯になると、点滅周期は5(=3+2)秒となる。そして、この深夜時間帯は使用者によって任意に設定できるため、使用者は自身が携帯電話機10を使用する時間帯を深夜時間帯として設定する事ができる。つまり、使用者は、自身が携帯電話機10を使用する可能性に合わせて、点滅周期を変更することができる。なお、深夜時間帯に不在着信と判断された場合には、点滅周期が設定された直後に時間が加算される。
また、図7の加算時間テーブルには、不在着信があってから30分放置される毎に加算される時間として2秒(放置時間)が記録される。図8(B)を参照して、LED38が3秒毎に点滅している状態で、携帯電話機10が2時間(120分=30×4)放置されると、点滅周期は11(=3+(2×4))秒となる。このように、不在着信が確認されないまま放置されると、点滅周期は30分毎に長くなる。したがって、使用者が不在着信に気付かずに携帯電話機10を放置しても、携帯電話機10の電池の消耗を抑えることができる。
たとえば、図4を参照して、7月14日の23時20分(0714,2320)に不在着信があり、点滅周期が12秒に設定されている場合、携帯電話機10が放置され続けると、点滅周期が次のように変化する。まず、不在着信があってから30分経過して23時50分になると、点滅周期は14(=12+(2×1))秒になる。また、さらに10分経過して7月15日の0時になると、深夜時間帯になるため、点滅周期は16(=14+2)秒になる。さらに、4時55分まで携帯電話機10が放置されると、点滅周期は36(16+(2×10))秒になる。
そして、さらに時間が経過して、5時を超えて深夜時間帯でなくなると、加算した時間が初期化されて、元の点滅周期(12秒)に戻る。つまり、携帯電話機10が使用者に確認される可能性が高い時間帯になれば、点滅周期に加算された時間は初期化される。
ただし、アラーム機能が有効であり、使用者によって設定されたアラーム時刻が早朝時間帯(たとえば、5時から8時)に含まれている場合には、設定されたアラーム時刻になるまで、加算された時間が初期化されることは無い。つまり、アラーム機能が利用されている場合には、使用者が携帯電話機10を確認する時刻になるまで、点滅周期に加算された時間が初期化されることは無い。
また、本実施例では、前回の着信との間隔は、図9に示すGUIを利用し、使用者によって任意に設定する事ができる。図9を参照して、ディスプレイ30の表示領域は、状態表示領域60および機能表示領域62から構成される。状態表示領域60には、アンテナ12による電波受信状態および電池の残電池容量を示すアイコン(ピクトと言うこともある。)と、現在時刻とが表示される。なお、現在時刻は、RTC24aが出力する時刻情報に基づく。
また、機能表示領域62には着信間隔設定画面が表示されており、着信間隔設定画面には設定可能な着信間隔に対応するチェックボックス70a−70e(特に区別しない場合にはチェックボックス70と言う)が含まれる。また、携帯電話機10が出荷された直後は、着信間隔が一週間に設定されているため、一週間のチェックボックス70cにチェックがされている。そして、使用者は、キー入力装置26に対するキー操作によって、任意の着信間隔に対応するチェックボックス70にチェックを入れるだけで、着信間隔を設定する事ができる。
図10は、RAM34のメモリマップ300を示す図解図である。RAM34のメモリマップ300には、プログラム記憶領域302およびデータ記憶領域304が含まれる。また、プログラムおよびデータの一部は、フラッシュメモリ32から一度に全部または必要に応じて部分的かつ順次的に読み出され、RAM34に記憶されてからプロセッサ24によって処理される。
プログラム記憶領域302には、携帯電話機10を動作させるためのプログラムが記憶されている。たとえば、携帯電話機10を動作させるためのプログラムは、着信プログラム310、点滅周期設定プログラム312および初期化プログラム314などから構成されている。
着信プログラム310は、音声着信における着信履歴を記録したり、不在着信であるか否かを判断したりするためのプログラムである。点滅周期設定プログラム314は、不在着信を通知するLED38の点滅周期を設定するためのプログラムである。初期化プログラム316は、点滅周期に加算された時間を初期化するためのプログラムである。
なお、図示は省略するが、携帯電話機10を動作させるためのプログラムには、音声着信状態を通知するためのプログラム、通話状態を確立するためのプログラム、アドレスデータを新たに登録するためのプログラムおよびアラーム機能を制御するためのプログラムなどが含まれる。
続いて、データ記憶領域304には、時刻バッファ330および初期時間バッファ332などが設けられるとともに、着信履歴データ334、アドレス帳データ336、点滅周期テーブルデータ338、加算時間テーブルデータ340およびアラーム時刻データ342などが記憶される。また、データ記憶領域304には、不在着信フラグ344、加算フラグ346、アラームフラグ348およびタイマカウンタ350などが設けられる。
時刻バッファ330には、RTC24aが出力した時刻情報が格納される。初期時間バッファ332には、点滅周期として最初に設定された時間が格納される。そのため、点滅周期に加算した時間が初期化される場合、プロセッサ24は初期時間バッファ332に格納された時間をレジスタ36aに設定する。
着信履歴データ334は、複数の着信履歴を含むデータであり、図4に示すように構成されている。アドレス帳データ336は、複数のアドレスデータから構成されたデータであり、図3に示すように構成されている。点滅周期テーブルデータ338は、設定される点滅周期の時間(周期)が記録されたテーブルであり、図6に示すように構成されている。加算時間テーブルデータ340は、点滅周期に加算される時間が記録されたテーブルであり、図7に示すように構成されている。アラーム時刻データ342は、使用者によって予め設定されたアラーム時刻のデータであり、たとえば「0730(7時30分)」などの数字列から構成されている。
不在着信フラグ344は、最新の着信が不在着信であるか否かを判断するためのフラグである。たとえば、不在着信フラグ344は1ビットのレジスタで構成される。たとえば、不在着信フラグ344がオン(成立)にされると、レジスタにはデータ値「1」が設定される。一方、不在着信フラグ344がオフ(不成立)にされると、レジスタにはデータ値「0」が設定される。そして、不在着信フラグ344は、音声着信が通知されている状態で応答操作がされなければオンにされる。
加算フラグ346は、深夜時間帯と判断されて点滅周期に時間が加算されたか否かを判断するためのフラグである。アラームフラグ348は、アラーム機能が有効であるか否かを判断するためのフラグである。なお、これらのフラグは、先述した不在着信フラグ344と同じであるため、フラグの構成の詳細な説明は省略する。
タイマカウンタ350は、30分を計測するためのカウンタである。また、タイマカウンタ350は、携帯電話機10の電源がオンであれば常にカウントされおり、カウントが満了した状態で初期化されると、再び30分を計測することができる。また、タイマカウンタ350は、満了する前に初期化されることもある。
たとえば、タイマカウンタ350は着信が不在着信と判断された場合にリセットされ、不在着信があってからの時間がタイマカウンタ350によって計測される。そして、タイマカウンタ350が満了する度に、点滅周期に時間が加算される。なお、タイマカウンタ350は30分タイマとも呼ばれる。
なお、図示は省略するが、データ記憶領域304には、GUIを表示するためのデータなどが記憶されると共に、携帯電話機10の動作に必要なカウンタや、フラグも設けられる。
プロセッサ24は、Android(登録商標)およびREXなどのLinux(登録商標)ベースのOSや、その他のOSの制御下で、図11に示す着信処理、図12に示す点滅周期設定処理および図13に示す初期化処理などを含む、複数のタスクを並列的に処理する。
図11は着信処理のフロー図である。たとえば、携帯電話機10の電源がオンにされると、プロセッサ24は、ステップS1で発呼信号を受信したか否かを判断する。つまり、アンテナ12によって発呼信号が受信されたか否かを判断する。ステップS1で“NO”であれば、つまり発呼信号を受信していなければステップS1の処理を繰り返す。一方、ステップS1で“YES”であれば、つまり発呼信号を受信すれば、ステップS3で時刻と発信元情報とを記録する。つまり、発呼信号と共に受信した発信元情報に含まれる電話番号と、時刻バッファ330に格納された時刻情報とを関連付けて、着信履歴データ334に記録する。なお、ステップS3の処理を実行するプロセッサ24は記録部として機能する。
続いて、ステップS5では、応答操作か否かを判断する。つまり、キー入力装置26の通話キーが操作れたか否かを判断する。ステップS5で“NO”であれば、つまり応答操作がされなければ、ステップS7で発呼信号が途絶したか否かを判断する。つまり、アンテナ12によって発呼信号を受信する事ができなくなったか否かを判断する。ステップS7で“NO”であれば、つまり発呼信号が途絶していなければ、再びステップS5で応答操作か否かを判断する。
一方、ステップS7で“YES”であれば、たとえば、相手の電話機において携帯電話機10に対する呼び出し処理が終了して発呼信号が受信できなくなると、ステップS9で不在着信フラグ344をオンにする。つまり、今回の着信が不在着信であることを示すために不在着信フラグ344がオンにされる。なお、ステップS9の処理が実行されると、ステップS3で記録した着信履歴における不在着信の列にも「1」が記録される。続いて、ステップS11では、30分タイマをリセットする。つまり、今回の着信が不在着信であるため、不在着信と判断されてからの時間を計測するために、タイマカウンタ350が初期化される。なお、ステップS5,S7の処理を実行するプロセッサ24は不在着信判断部として機能する。
また、ステップS5で“YES”であれば、つまり応答操作がされると、ステップS13で通話が終了したか否かを判断する。たとえば、終話キーが操作されたか否かを判断する。そして、ステップS13で“NO”であれば、終話キーが操作されるまでステップS13の処理を繰り返し実行する。一方、ステップS13で“YES”であれば、たとえば終話キーが操作されればステップS1に戻る。
図12は点滅周期設定処理のフロー図である。不在着信フラグ344がオンにされると、プロセッサ24は、ステップS21で発信元情報がアドレス帳に含まれているか否かを判断する。つまり、着信履歴データ334において、最も新しい不在着信の履歴における電話番号がアドレス帳データ336に含まれているか否かを判断する。なお、ステップS21の処理を実行するプロセッサ24はアドレス帳判断部として機能する。
ステップS21で“NO”であれば、つまりアドレス帳データ336に不在着信における電話番号が含まれていなければ、ステップS27に進む。
一方、ステップS21で“YES”であれば、つまりアドレス帳データ336に不在着信における電話番号が含まれていれば、ステップS23で前回の着信から所定期間が経過したか否かを判断する。つまり、ステップS23では、着信履歴データ334において、最新の不在着信の履歴に含まれる電話番号が他の着信履歴に含まれるかを検索し、含まれていた場合にはその着信履歴の時刻と最新の不在着信の履歴と間隔、つまり期間を算出する。そして、ステップS23では算出した期間が一週間(所定期間)未満であるか否かを判断する。なお、期間を算出する際には、着信履歴データにおける時刻の欄に記録される数字列に基づいて算出される。
ステップS23で“YES”であれば、つまり、算出された期間が一週間以上、または最新の不在着信の履歴に含まれる電話番号が他の着信履歴に含まれていなければ、ステップS29に進む。
一方、ステップS23で“NO”であれば、つまり算出した期間が一週間未満あれば、前回の着信から所定期間が経過していないため、ステップS25で点滅周期を3秒に設定し、ステップS33に進む。つまり、ステップS25では、点滅周期テーブルデータ338から不在着信の電話番号がアドレス帳に登録されており、前回の着信との期間が一週間未満である場合の周期、つまり3秒(第1周期)を読み出して、レジスタ36aに設定する。なお、ステップS25の処理を実行するプロセッサ24は第1設定部として機能する。
また、最新の不在着信における電話番号がアドレス帳データ336に含まれていなければ、ステップS27でステップS23と同様に、前回の着信から所定期間が経過したか否かを判断する。なお、ステップS23またはステップS27の処理を実行するプロセッサ24は期間判断部として機能する。
ステップS27で“NO”であれば、つまり最新の不在着信の履歴において、電話番号がアドレス帳データに含まれていないが、前回の着信との間隔が一週間未満であれば、ステップS29で点滅周期を6秒に設定する。つまり、ステップS25と同様、点滅周期テーブルデータ338から上記条件を満たす周期、つまり6秒(第2周期)を読み出して、レジスタ36aに設定する。なお、ステップS29の処理を実行するプロセッサ24は第2設定部として機能する。また、ステップS29の処理が終了すれば、プロセッサ24はステップS33に進む。
ここで、不在着信の電話番号がアドレス帳に登録されており、前回の着信との間隔が一週間以上である場合も、ステップS29の処理が実行される。つまり、最新の不在着信の履歴において、電話番号がアドレス帳データに含まれていないが、前回の着信との間隔が一週間未満である場合と同様に、点滅周期として第2周期(6秒)が設定される。なお、本実施例では、上記2つの条件が異なっても同じ周期が設定されたが、他の実施例では上記2つの条件毎に設定される周期が異なっていてもよい。たとえば、ステップS23で“YES”と判断された場合にはステップS29が実行されるが、ステップS27で“NO”と判断された場合、つまり最新の不在着信の履歴において、電話番号がアドレス帳データに含まれていないが、前回の着信との間隔が一週間未満である場合には、点滅周期を9秒に設定する処理が実行される。
一方、ステップS27で“YES”であれば、つまり、最新の不在着信の履歴において、電話番号がアドレス帳データに含まれておらず、前回の着信との間隔が一週間以上であれば、ステップS31で点滅周期を12秒に設定する。つまり、上記条件を満たす周期、つまり12秒(第3周期)が読み出され、レジスタ36aに設定される。また、ステップS31の処理を実行するプロセッサ24は第3設定部として機能する。
なお、ステップS25,S29,S31の処理が実行されると、点滅周期がレジスタ36aに設定されるだけでなく、LED38を点滅させる命令もLED制御回路36に発行される。また、レジスタ36aに点滅周期が設定されると、設定された周期が初期時間バッファ332にも格納される。
ステップS33では、30分タイマが満了したか否かを判断する。たとえば、新たに記録された着信履歴が不在着信と判断されてから30分経過したかを、タイマカウンタ350のカウント値に基づいて判断する。ステップS33で“YES”であれば、つまり不在着信と判断されてから30分経過していれば、ステップS35で点滅周期に2秒(放置時間)を加算する。たとえば、レジスタ36aに設定されている点滅周期が3秒であれば、レジスタ36aに設定された点滅周期は5(=3+2)秒となる。続いて、ステップS37では30分タイマをリセットし、ステップS51に進む。つまり、ステップS37では再び時間を計測するために、タイマカウンタ350を初期化する。なお、ステップS35の処理を実行するプロセッサ24は放置加算部として機能する。
また、ステップS33で“NO”であれば、たとえば不在着信と判断されてから30分経過していなければ、ステップS39で、深夜時間帯か否かを判断する。つまり、時刻バッファ330に格納された現在時刻が0時から5時の深夜時間帯に含まれているか否かを判断する。ステップS39で“YES”であれば、たとえば現在時刻が0時であれば、ステップS41で加算済みであるか否かを判断する。つまり、既に点滅周期に時間(2秒)が加算され、加算フラグ346がオンにされているか否かを判断する。ステップS41で“NO”であれば、つまり点滅周期に時間が加算されていなければ、ステップS43で点滅周期に2秒を加算する。たとえば、RTC24aが出力する時刻が0時になれば、点滅周期に対して2秒が加算される。なお、ステップS43の処理を実行するプロセッサ24は深夜加算部として機能する。
続いて、ステップS45で加算フラグ346をオンし、ステップS51に進む。また、ステップS41で“YES”であっても、つまり点滅周期に時間が加算されていれば、点滅周期に時間が加算されることなくステップS51に進む。
また、ステップS39で“NO”であれば、つまり現在時刻が深夜時間帯でなければ、ステップS47でステップS41と同様に、加算済みか否かを判断する。ステップS47では、現在時刻が深夜時間帯から抜けたため深夜時間帯でなくなったかを判断するために、加算フラグ346がオンであるか否かを判断する。そして、ステップS47で“YES”であれば、つまり現在時刻が深夜時間帯から抜けたため深夜時間帯でなくなったのであれば、加算した時間(2秒)および放置時間(2×n秒)を初期化するために、ステップS49で初期化処理を実行する。なお、初期化処理については、図13に示すフロー図を用いて詳細に説明するため、ここでの説明は省略する。
また、ステップS47で“NO”であれば、たとえば、LED38によって不在着信が通知されてから一度も深夜時間帯になっていなければ、初期処理を実行する必要は無いため、ステップS51で不在着信の確認操作か否かを判断する。たとえば、不在着信を確認するために、キー入力装置26に対して着信履歴を確認する操作がされたか否かを判断する。ステップS51で“YES”であれば、つまり不在着信が確認されれば、点滅周期設定処理を終了する。また、点滅周期設定処理が終了すると、プロセッサ24はLED制御回路36に対してLED38の点滅を停止する命令を発行する。
一方、ステップS51で“NO”であれば、つまり不在着信の確認操作がされていなければ、ステップS53で新たな不在着信か否かを判断する。つまり、不在着信を通知している状態で着信し、その着信も不在着信であると判断されたか否かを判断する。ステップS53で“NO”であれば、つまり新たな不在着信が無ければステップS33に戻る。つまり、時刻の変化に応じて、点滅周期に時間を加算したり、初期化したりするためにステップS33に戻る。また、ステップS53で“YES”であれば、つまり新たな着信が不在着信であると判断されれば、ステップS21に戻る。つまり、新たな不在着信に応じた点滅周期を設定するためにステップS21に戻る。このように、複数の着信が連続して不在着信と判断されたとしても、点滅周期は最後の不在着信にのみ基づいて設定される。
図13は初期化処理のフロー図である。点滅周期設定処理のステップS49が実行されると、プロセッサ24はステップS71でアラームがオンか否かを判断する。つまり、アラーム機能が有効にされており、アラームフラグ348がオンであるか否かを判断する。ステップS71で“YES”であれば、つまりアラーム機能が有効であれば、ステップS73でアラーム時刻が早朝時間帯(特定時間帯)に含まれているか否かを判断する。たとえば、アラーム時刻が5時から8時の早朝時間帯に含まれているか否かを判断する。また、ステップS73で“YES”であれば、たとえばアラーム時刻が7時30分であり、早朝時間帯に含まれていれば、ステップS75でアラーム時刻であるか否かを判断する。たとえば、時刻バッファ330に格納された現在時刻が7時30分であるか否かを判断する。
ステップS75で“YES”であれば、たとえば現在時刻が7時30分(アラーム時刻)であれば、ステップS77で点滅周期を初期化する。つまり、使用者が携帯電話機10を確認する可能性が非常に高いため、点滅周期をステップS25,S29またはS31で設定された周期に戻す。
具体的には、初期時間バッファ332には、周期はステップS25,S29またはS31で設定された点滅周期が格納されているため、初期時間バッファ332に格納された時間をレジスタ36aに設定する。
なお、ステップS71,S73で“NO”であれば、つまりアラーム機能が有効でないか、アラーム時刻が早朝時間帯に含まれていなければ、ステップS77が実行され点滅周期が初期化される。また、ステップS77の処理を実行するプロセッサ24は初期化部として機能する。
一方、ステップS75で“NO”であれば、つまり現在時刻がアラーム時刻でなければ、点滅周期は初期化されることなく、初期化処理は終了する。そして、初期化処理が終了すれば、プロセッサ24は点滅周期設定処理に戻る。
以上の説明から分かるように、携帯電話機10は、電話番号を含むアドレスデータを記憶するRAM34および不在着信を視覚的に通知するLED38を備える。携帯電話機10は、発呼信号を受信したときに、現在時刻と相手の電話番号とが関連付けられた着信履歴を記録するとともに、着信中に発呼信号が途絶すると、その着信を不在着信と判断する。また、プロセッサ24は、不在着信の電話番号を含むアドレスデータが登録されており、前回の着信との期間が一週間未満であれば、LED38の点滅周期を3秒に設定する。一方、不在着信の電話番号を含むアドレスデータが登録されておらず、前回の着信との期間が一週間以上あれば、LED38の点滅周期を12秒に設定する。
このように、不在着信が所定の条件を満たす場合、LED38の点滅周期が長くなるため、携帯電話機10の消費電力を抑えつつ、不在着信を通知できる。
なお、前回の着信との期間が1週間以上である場合のLED38の点滅周期は、12秒(第3周期)に限定されるものではない。たとえば、他の実施例では、第3周期は、図6に示される点滅周期テーブルにおける、3秒(第1周期)より長く、6秒(第2周期)より短くてもよい。
また、電子メールのメール着信や、SMS(Short Message Service)のメッセージ着信が確認されていない場合でも、本実施例と同様に、LED38の点滅周期が設定されてもよい。
また、点滅周期に加算された時間が初期化される場合には、深夜時間帯と判断されたことで加算された時間だけが初期化されてもよい。
また、加算される放置時間は、一定時間であってもよいし、一定時間では無く、たとえば、徐々に長くなったり、徐々に短くなったりしてもよい。さらに、放置時間は、一定時間まで長く、または短くなった後、その後、一定時加算時間となるなど、適宜変化してもよい。
また、携帯電話機10の通信方式はCDMA方式であるが、LTE(Long Term Evolution)方式、W-CDMA方式、GSM方式、TDMA方式、FDMA方式およびPHS方式などが採用されてもよい。
また、着信プログラム310、点滅周期設定プログラム312および初期化プログラム314は、データ配信用のサーバのHDDに記憶され、通信を介して携帯電話機10に配信されてもよい。また、メモリカードなどの記憶媒体にこれらのプログラムを記憶させた状態で、その記憶媒体が販売または配布されてもよい。
さらに、本願発明は、携帯電話機10のみに限らず、スマートフォンおよびPDA(Personal Digital Assistant)に適用されてもよい。
そして、本明細書中で挙げた、時間や、時間帯、時刻などの具体的な数値は、いずれも単なる一例であり、製品の仕様などの必要に応じて適宜変更可能である。