JP5413241B2 - 熱流束計の校正装置 - Google Patents
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Description
図6に従来の熱流束計の校正装置を示し、この校正装置は、熱発生源であるヒータ51の一方の面に断熱材52を設け他方の面に熱流束計53を設け、さらに熱流束計53のヒータ51が設けられている面の反対側の面には放熱体54が設けられている。
このような構成により、ヒータ51を加熱することにより、ヒータ51から発生した熱が熱流束計53を通過し、放熱体54に吸収される。この際、熱流束計53を通過した熱流束とヒータに供給した電力値によって熱流束計の校正を行っている。
そのため、熱流束計53の測定値を補正するため、以下の(1)式が用いられる。
S=(V×Surface)/(P×ηheat)・・・(1)
(1)式のうち、Sは熱流束計の校正値[V/(W/m2)]、Vは熱流束計の出力電圧[V]、Surfaceは、ヒータ、熱流束計の面積[m2]、Pはヒータの消費電力[W]、ηheatは断熱材の熱効率である。
このように、断熱材の熱効率などを考慮して、熱量を計っていたが、断熱材の熱効率の誤差が大きく、熱流束計の誤差が大きく精確な熱量の校正を行うことができなかった。
上記熱流束計の校正装置は、前記第2流束値が略ゼロになるように、前記制御装置が第2熱量調節部材を制御することが好ましい。
上記熱流束計の校正装置は、ヒータの消費電力および温度が一定になったときに第1熱流束センサーの熱流束値と第1熱量調節部材への供給電力とを用いて第1熱流束センサーの校正をすることができる。
上記熱流束計の校正装置は、前記第1熱量調節部材、前記第2熱量調節部材、前記第1熱流束センサー及び前記第2熱流束センサーが同形状、同サイズとすることが好ましい。
上記熱流束計の校正装置は、前記第1熱流束センサーと第2熱流束センサーが、各々積層時にヒータと接触する面の面積が側面の面積和以上とすることが好ましい。
上記熱流束計の校正装置は、前記第2熱量調節部材に断熱材を重ねることが好ましい。
上記熱流束計の校正装置の前記第2熱量調節部材はペルチェ素子とすることができる。
上記熱流束計の校正装置は、前記第2流束値が略ゼロになるように、前記制御装置が第2熱量調節部材を制御するようにしたので、校正操作を容易にすることができる。
上記熱流束計の校正装置は、ヒータが消費電力および温度が一定になったときに第1熱流束センサーの熱流束値を用いて第1熱流束センサーの校正をするようにしたので、校正操作をより容易にすることができる。
上記熱流束計の校正装置は、前記第2熱量調節部材に断熱材を重ねるので、断熱材によって消費電力を節約できるので、コストの軽減を計ることができる。
上記熱流束計の校正装置の前記第2熱量調節部材は、加熱機能とともに冷却機能を有するようにしたので、常温や冷温での校正ができるようになった。
上記熱流束計の校正装置は、前記第2熱量調節部材はペルチェ素子としたので、反応が速く高性能の校正装置を得ることができる。
図1に示す熱流束計の校正装置には、熱流束計20を設けている。この熱流束計20は、第1熱流束センサー2と第1熱流束検知部6とを備え、第1熱流束センサー2は、第1発熱体3と放熱体1との間に設けられている。そして、第1発熱体3には、第2熱流束センサー4が重ねられ、この第2熱流束センサー4には第2発熱体5が重ねられている。
熱流束センサーには、第1熱流束センサー2に第1熱流束検知部6が配線を介して接続され、第1発熱体3には第1供給電源8が接続されている。第1熱流束検知部6は制御部10に各々の熱流束値を出力することができる。
第2発熱体5には配線を介して第2供給電源9が接続され、第2供給電源9は、第2発熱体5に電圧を印加する。第2熱流束センサー4には、第2熱流束検知部7が配線を介して接続され、流束センサー4から熱流束を測定できる。
第2熱流束検知部7は制御部10に熱流束値を出力することができ、制御部10はその熱流束値や第1及び第2の発熱体3,5の加熱性能などを加味して、制御部10に設けた演算部によって、第2供給電源9の電圧制御を行う。
なお、校正装置21には、第2発熱体5の温度を計測する温度測定器や、第1発熱体3及び第2発熱体5の電力を測定する測定装置等が設けられている。
初めに、ステップAに示すように、校正装置21を作動させ、制御部10の制御によって第1供給電源8が第1発熱体3に一定の電力を供給する。この際、同時に第1熱流束センサー2及び第2熱流束センサー4の熱流束を測定できる状態にしておく。次いで、ステップBに示すように、第2熱流束センサー4の流束値の値が0になるように、第2供給電源9の電力を制御部10によって制御する。そして、ステップCにシフトし第1発熱体3の温度が一定値になっているかを検知する。ここで、第1発熱体3の温度に変動がある場合はステップAに戻り、第1発熱体3の温度が一定値になるまで、A、B、Cまでのステップを循環する。
第1発熱体3の温度が一定値になったと判断した場合は、ステップDにシフトする。ステップDでは、第2熱流束センサー4の熱流束値を測定し、熱流束値が0となっていない場合は、ステップA、Bに戻り、第2熱流束センサー4の値が0となるように、制御部10が第2供給電源9の電力を制御する。そして、第2熱流束センサー4の流束値が0となった状態で、ステップEにシフトし、第1熱流束センサー2の値を第2熱流束検知部7が測定し、熱流束値が制御部10に入力される。
S=(V×Surface)/(P)・・・(2)
S、V、Surface、Pの単位については、上記(1)式と同じである。
このように、校正装置21は、第2熱流束センサー4を0判別に使用するが、校正装置21は原理的に熱流束が0のときに出力が0となるため、0点のみを判別すればよく、この校正の必要はない。これにより第1熱流束センサー2に与えた電力のうち、熱流束センサー4側に放出される熱を第2発熱体5によって補い、熱流束センサー2に第1発熱体3で生じたすべての熱を、第1熱流束センサー2へ通過させることができ、誤差要因となる断熱材の熱効率を必要としない(2)式を用いて熱流束計20の校正値を求めることができる。
なお、上記第1の実施形態と同一部分については同一符合を付して説明し、その詳細な説明を省略する。
図3に示す熱流束計20は、第1熱流束センサー2と第1熱流束検知部6とを備え、熱流束計20が校正対象となる熱流束計である。第1熱流束センサー2は、第1発熱体3と放熱体1との間に設けられている。
本発明に係る校正装置22は、本実施形態では図3に示す第2熱流束センサー4、第2発熱体5、第2熱流束検知部7,第2供給電源9及び制御部10を具備していることでは、上記第1の実施形態と同じであり、本実施形態では第2発熱体5にさらに、断熱材11を積層している。この他については、上記第1の実施形態と同じである。
本実施形態では、上記第1の実施形態の図2に示すフロー図と同じ流れによって、校正装置21が熱流束計20の熱流束の校正を計ることができる。第2発熱体5に断熱材11を積層することによって、第2発熱体5の余計な熱の発熱を抑えることができ、校正に必要な電力を少なくすることができる。
なお、上記第1の実施形態と同一部分については同一符合を付して説明する。
図4に示す熱流束計20は、第1熱流束センサー2と第1熱流束検知部6とを備え、本実施形態では、熱流束計20が校正対象となる熱流束計である。第1熱流束センサー2は、第1発熱体3と放熱体1との間に設けられている。そして、第1発熱体3には、第2熱流束センサー4が重ねられ、この第2熱流束センサー4には熱量調節部材としてのペルチェ素子13が重ねられている。これらの第1発熱体3及び熱流束センサー2,4は、同形状、同サイズとすることが望ましく、板状のものを使用できるが、薄膜で形成されたものを使用することが好ましい。具体的には、第1及び第2発熱体3,5、第1及び第2流束センサー2,4が正方形であるときに表面積をAとし、側面積をBとした場合に、A>4B(Aは4Bに対して非常に大である)の関係とすることが好ましい。第1熱流束センサー2には、第1熱流束センサー2に第1熱流束検知部6が配線を介して接続され、第1発熱体3には第1供給電源8が接続されている。第1熱流束検知部6は制御部10に各々の熱流束値を出力することができる。
ペルチェ素子13には配線を介して第2供給電源9が接続され、第2供給電源9は、ペルチェ素子13に電圧を印加する。第2熱流束センサー4には、第2熱流束検知部7が配線を介して接続され、熱流束センサー4を測定して熱流束を検知できる。
なお、ペルチェ素子13とは、2種類の金属の接合部に電流を流すと、片方の金属からもう片方へ熱が移動するという「ペルチェ効果」を利用した素子であり、電源の極性を入れ替えることにより、加熱効果と冷却効果を入れ替えることができる。したがって、ペルチェ素子13の第2供給電源9については、図示しない電源の±の極性を入れ替える±極性切換回路が内部に設けられ、制御部10の制御によって、ペルチェ素子13へ印加する電圧の極性を切り換えることができる。
初めに、ステップAに示すように、制御部10の制御によって第1供給電源8が第1発熱体3に一定の電力を供給する。この際、同時に第1熱流束センサー2及び第2熱流束センサー4の熱流束を測定できる状態にしておく。次いで、ステップBに示すように、第2熱流束センサー4の流束値の値が0になるように、第2供給電源9の電力を制御部10によって制御する。
この際、第1発熱体3が加熱状態にあるような場合では、放熱体1に熱が伝わるが、放熱体1と反対側では、第1発熱体3の熱が第2熱流束センサー4、ペルチェ素子13、断熱材11の順に伝達するので、流出した熱の分だけペルチェ素子13が加熱状態となる。一方、ペルチェ素子13によって加熱しすぎたような状態では、第2熱流束センサー4の流束値が正の状態から負の状態になるようなときが考えられる。このような状態では、余分な熱量に相当する分だけ冷却する必要がある。そのため、ステップGにおいて示されるように、必要がある場合は第2供給電源9が、ペルチェ素子13の電源極性を反転し、加熱状態にあったペルチェ素子を冷却状態にできるようにしてある。よって、ステップGでは第2供給電源9の極性が制御された後に、ステップCにシフトする。このように、ペルチェ素子13の温度を素早く調整することによって、より早い反応で第2熱流束センサー4の熱流束の値を0にすることができる。
なお、熱流束計20を常温や冷温で行うような場合では、第1発熱体3を常温や冷温ができる温度調整手段として、常温、冷温に対応できる校正装置を作成することが可能である。
従来の放熱体の評価装置では、従来例で説明した図6に示すように、ヒータ51の一方を断熱材を用いて断熱し、もう一方に評価対象の放熱体54を設置し、ヒータの温度を一定として周囲温度とヒータ温度との差をヒータに与えた電力で除した熱抵抗値、またはヒータと放熱体との間の熱流束を測定することで評価している。
しかし、周囲温度や断熱材の熱効率による影響が正確な評価が行えていないのが実態であったが、図3(第2の実施形態)及び図4(第3の実施形態)に示すものと同じ装置を用い、以下の(3)式によって評価値を求めることができる。
F=(V×Surface)/(S/P)・・・(3)
(3)式のうち、Sは熱流束計の校正値[V/(W/m2)]、Vは熱流束計の出力電圧[V]、Surfaceは、Fは放熱体の評価値[−]、ヒータ、熱流束計の面積[m2]、Pはヒータの消費電力[W]である。
例えば、上記実施形態では、熱流束値を0となるように、電源9を制御したが、複雑となるが熱流束センサー2,13の熱流束値が一定値になるように若しくは熱流束値に応じてヒータパネルへ3の熱量を制御してもよい。
2 第1熱流束センサー
3 第1発熱体
4 第2熱流束センサー
5 第2発熱体
6 第1熱流束検知部
7 第2熱流束検知部
8 第1供給電源
9 第2供給電源
10 制御部
11 断熱材
13 ペルチェ素子
20 熱流束計
21,22,23 校正装置
Claims (7)
- 熱を放熱する放熱体と、該放熱体を積層し単位時間、単位面積当たりに流れる熱量を検知する第1熱流束センサーと、該第1熱流束センサーを積層する第1熱量調節部材と、該第1熱量調節部材を積層する第2流束センサーと、該第2流束センサーを積層する第2熱量調節部材とを備え、
該第2熱流束センサーの熱流束値が一定値になるように、第2熱量調節部材への供給電力を制御する制御装置と第1熱量調節部材への供給電力を一定に制御する制御装置を設け、
前記第2熱量調節部材は加熱機能とともに冷却機能を有することを特徴とする熱流束計の校正装置。 - 前記第2流束値が略ゼロになるように、前記制御装置が第2熱量調節部材を制御するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の熱流束計の校正装置。
- ヒータの消費電力および温度が一定になったときに第1熱流束センサーの熱流束値と第1熱量調節部材への供給電力とを用いて第1熱流束センサーの校正をするようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の熱流束計の熱校正装置。
- 前記第1熱量調節部材、前記第2熱量調節部材、前記第1熱流束センサー及び前記第2熱流束センサーが同形状、同サイズであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱流束計の校正装置。
- 前記第1熱流束センサーと第2熱流束センサーは、各々積層時にヒータと接触する面の面積が側面の面積和以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱流束計の校正装置。
- 前記第2熱量調節部材に断熱材を重ねたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱流束計の校正装置。
- 前記第2熱量調節部材はペルチェ素子であることを特徴とする請求項1に記載の熱流束計の校正装置。
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