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JP5409659B2 - クリーニング装置及びこれを搭載した画像形成装置 - Google Patents

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JP5409659B2 JP2011009469A JP2011009469A JP5409659B2 JP 5409659 B2 JP5409659 B2 JP 5409659B2 JP 2011009469 A JP2011009469 A JP 2011009469A JP 2011009469 A JP2011009469 A JP 2011009469A JP 5409659 B2 JP5409659 B2 JP 5409659B2
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Description

本発明は、転写の際に感光体ドラムの表面に残った残留トナー等を除去するクリーニング装置及びこれを搭載した画像形成装置に関するものである。
この種の画像形成装置では電子写真方式が用いられており、帯電器が感光体ドラムを予め帯電し、露光部が感光体ドラムの表面に光を照射すると、この感光体ドラムの表面には静電潜像が形成される。また、現像器はトナーを担持しており、トナーが静電潜像に付着して感光体ドラムの表面にはトナー像が現像される。そして、この可視化されたトナー像を用紙に、或いは中間転写体を介して用紙に転写して定着させる。
上記帯電器には、感光体ドラムの表面に直接に接触する帯電ローラーが知られている。コロナ放電時のオゾン(O)の発生を避け、環境への影響を減らせるからである。
一方、この帯電ローラーによる接触帯電では、感光体ドラムの表面に過剰な電圧が印加されると、感光体ドラムの表面の絶縁破壊が起き、電流のリークが発生する。
詳しくは、感光体ドラムの表面にはピンホールが形成され、出力画像には色点として現れて画像不良を招く。この不具合は感光体ドラムを交換しなければ解消できない。
より具体的には、高温高湿の環境状態などの如く感光体ドラムの表面に水分が多くなり、帯電ローラーが吸湿する環境になれば、帯電ローラーからの電圧が低くても感光体ドラムの表面に印加されてしまい、上記電流のリークが容易に発生してしまう。
つまり、電流のリークを防止には感光体ドラムの表面の水分を除去することが適切であり、例えば、乾いた多量のトナーを現像器から帯電前の感光体ドラムの表面に供給する運転手法(ドラムリフレッシュモード)などがある。しかし、この運転手法の期間が長期に及ぶと、画像形成の開始時期が非常に遅くなるし、また、現像器から新品のトナーを供給するのは必ずしも効率的であるとは云えない。
そこで、回収される残留トナーを帯電前の感光体ドラムの表面に供給することが考えられ、クリーニング装置の内部に集められた残留トナーの回収に関する構造(例えば、特許文献1〜4参照)を検討した。
実開平3−11264号公報 特開平4−287092号公報 特開平4−172484号公報 特開平6−314049号公報
しかしながら、従来の技術では、回収される残留トナーを感光体ドラム表面の水分除去のために再利用できないという問題があった。
詳しくは、特許文献1ではスクリューを有した回転軸が、また、特許文献2ではブレードを有した回転軸がクリーニング装置の内部に設置されているが、このクリーニング装置内に溜まる廃トナーの堆積を防止してその回収を容易にするものであり、この廃トナーを感光体ドラム表面に供給する構造ではないからである。
一方、特許文献3や特許文献4は、感光体ドラム表面のトナー凝集を解消するブレードや磁石であって、やはりクリーニング装置内に溜まる廃トナーを感光体ドラム表面に供給する構造ではない。さらに、特許文献3のブレードは感光体ドラム表面に直に接触可能であり、また、特許文献4の磁石はトナーの穂による磁気ブラシを形成し、このブラシが感光体ドラム表面に接触するため、感光体ドラム表面が負荷によって損傷するのである。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解消し、回収される廃トナーを感光体ドラム表面の水分除去のために再利用することができるクリーニング装置及びこれを搭載した画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するための第1の発明は、トナー像が形成された感光体ドラムの表面を清掃するクリーニング装置であって、感光体ドラム表面から残留トナーを除去するクリーニング部材と、クリーニング部材から除去した残留トナーを貯留するトナー貯留部と、トナー貯留部に貯留した残留トナーを飛翔させて感光体ドラム表面に供給する飛翔トナー供給手段とを具備し、この飛翔トナー供給手段は、トナー貯留部で回転駆動される回転軸と、この回転軸の回転に伴って、トナー貯留部の内壁に接触して撓み、トナー貯留部に貯留した残留トナーを掻き上げるとともに、この内壁との接触が解除されて弾性回復することによりこの掻き上げた残留トナーをクリーニング部材による清掃前の感光体ドラム表面に向けて弾き飛ばすトナー飛翔部材とを備える。
本発明は、廃トナーを感光体ドラム表面の水分除去のために再利用する点に着目したものである。
そして、第1の発明によれば、クリーニング装置は、クリーニング部材を有し、感光体ドラム表面を清掃する。詳しくは、クリーニング部材は、転写の際に感光体ドラム表面に残った残留トナーを除去し、この除去した残留トナーはトナー貯留部の内部に集められて回収される。一方、このトナー貯留部に集められた残留トナーは感光体ドラム表面にも供給されるのである。
詳しくは、トナー貯留部の内部には、可撓性を有したトナー飛翔部材が設けられており、回転軸との回転過程にて、トナー貯留部の内壁に接触して撓み状態になる。この際、トナー貯留部に集められた残留トナーを掻き上げる。
次いで、このトナー飛翔部材は、その回転過程にて、トナー貯留部の内壁との接触が解除されると、弾性回復する。つまり、トナー飛翔部材が感光体ドラム表面に接触することなく、この掻き上げた残留トナーを感光体ドラム表面に向けて弾き飛ばすことができる。
よって、感光体ドラム表面を損傷させることなく残留トナーを供給でき、仮に、高温高湿の環境状態などの如く感光体ドラム表面に水分が多くなったとしても、残留トナーを付着させて感光体ドラム表面の水分を除去することができ、感光体ドラム表面へのピンホール発生を回避できる。
しかも、クリーニング装置外へ回収するはずの残留トナーを再利用するので、現像器から新品のトナーを供給しなくて済み、トナーを効率良く使用できる。
第2の発明は、第1の発明の構成において、トナー飛翔部材は、トナー貯留部に貯留した残留トナーを掻き上げるすくい面を有し、このすくい面は、その周縁が回転軸の回転方向に向けて反り上がるスコップ状に形成されていることを特徴とする。
第2の発明によれば、第1の発明の作用に加えてさらに、トナー飛翔部材のすくい面の周縁が反り上がってスコップ状に形成されており、掻き上げた残留トナーをすくい面に確実に保持し、多量の残留トナーを感光体ドラム表面に向けて弾き飛ばすことができる。
第3の発明は、第1や第2の発明の構成において、回転軸には、トナー貯留部に貯留した残留トナーを回収容器に向けて搬送可能なスクリューが設置されていることを特徴とする。
第3の発明によれば、第1や第2の発明の作用に加えてさらに、回転軸が、トナー飛翔部材の他、トナー貯留部に貯留した残留トナーを回収容器に回収するためのスクリューを回転させており、このスクリュー用の回転軸を別個に設置した場合に比して、部品点数が少なく、省スペース化を達成したクリーニング装置を提供できる。
第4の発明は、第1から第3の発明の構成において、トナー飛翔部材は、掻き上げた残留トナーを、感光体ドラム表面のうちこの感光体ドラムの回転軸線方向でみた現像幅の外側領域であって帯電幅の内側領域に対応する箇所に向けて弾き飛ばしていることを特徴とする。
第4の発明によれば、第1から第3の発明の作用に加えてさらに、現像幅が帯電幅よりも狭くなると、この対応する感光体ドラムの端部分は、電流が付与される範囲であるにも拘わらず、乾いたトナーが供給され難い。つまり、電流のリークの発生し易い箇所になる。しかし、このクリーニング装置によれば、現像幅の外側領域であって帯電幅の内側領域に向けて残留トナーを飛翔させており、当該領域における感光体ドラム表面の水分を確実に除去できる。
第5の発明は、第1から第4の発明のクリーニング装置を搭載した画像形成装置であって、感光体ドラム表面に接触して帯電させる帯電器を備えていることを特徴とする。
第5の発明によれば、第1から第4の発明の作用に加えてさらに、感光体ドラム表面に直に接触して帯電させる接触帯電は、コロナ帯電に比して有害性が低いものの、感光体ドラム表面の水分の除去が不十分になると、絶縁破壊が容易に発生して電流のリークが生ずる。しかし、上記クリーニング装置によれば適量のトナーを溜めて水分の除去に利用できるため、環境にやさしいこの帯電器を使用しても感光体ドラムの耐久性が向上する。
しかも、この画像形成装置では、例えばドラムリフレッシュモードのような感光体ドラムの表面の水分を除去するための運転を設けなくて済み、画像形成の開始時期が早くなる。
本発明によれば、トナー飛翔部材の束縛及び解放によってトナー貯留部に集められた残留トナーを感光体ドラム表面に向けて弾き飛ばしているため、回収される廃トナーを感光体ドラム表面の水分除去のために再利用できるクリーニング装置及びこれを搭載した画像形成装置を提供することである。
本実施例のプリンターの概略構成図である。 図1のドラムユニット周辺の断面図である。 図2の感光体ドラム、帯電ローラー、現像ローラーの幅の説明図である。 図2のクリーニング装置周辺の断面図である。 図4のトナー飛翔パドルの斜視図である。 図2のクリーニング装置によるトナー飛翔の説明図である。 他の実施例のクリーニング装置によるトナー飛翔の説明図である。
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1には、画像形成装置の一例であるカラー印刷可能なプリンター1の構造が概略的に示されている。この図1に示す断面はプリンター1の左側面からみたものである。このため、プリンター1の前面は図1の右側に、プリンター1の背面は左側にそれぞれ位置する。
このプリンター1は装置本体2を有し、この装置本体2の上方には排紙トレイ36が設けられる。また、この排紙トレイ36の近傍には、ユーザの各種操作に供される複数の操作キーや、各種情報を表示する画面を有したフロントカバー5が配置されている。
一方、この装置本体2の下方には給紙カセット4が配置され、その収容部40には、枚葉の用紙が積層された状態で収納されている。
この図1でみて収容部40の右上方には給紙ローラー46が設置される。そして、用紙は図1でみて給紙カセット4の右上方に向けて送出され、この送出された用紙は、装置本体2の内部でプリンター1の前面に沿って上方に向けて搬送される。
また、給紙カセット4は、プリンター1の前面側、つまり、図1の右方向に向けて引き出し可能に構成されており、この引き出した状態にて、収容部40に新たな用紙を補充したり、用紙を別の種類の用紙に入れ替え可能となる。
装置本体2の内部には、給紙カセット4からの用紙搬送方向でみて下流側に、搬送ローラー10、レジストローラー14、画像形成部16及び2次転写部30が順番に配置されている。
本実施例の画像形成部16には4個のドラムユニット17が並設され、各ドラムユニット17には感光体ドラム18がそれぞれ設けられている(図1や図2)。各感光体ドラム18は回転自在に設置され、図示しない駆動モーターによって図1や図2の時計回りにそれぞれ駆動する。
本実施例の感光体ドラム18は、例えばφ30mm程度の直径で形成され、その表面に有機系の感光層を有したOPC(Organic Photoconductor)ドラムであり、単層型、具体的には、電荷輸送剤の層や電荷発生剤の層を積層するのではなく、電荷輸送剤及び電荷発生剤を同じ層内に分散させたOPCドラムである。
また、この感光体ドラム18と給紙カセット4との間には露光部15が備えられており(図1)、この露光部15からは、レーザー光が各感光体ドラム18に向けてそれぞれ照射される。
さらに、これら図1や図2に示されるように、各感光体ドラム18の周囲の適宜位置には、帯電器20、現像器24、中間転写ローラー13、クリーニング装置50がそれぞれ設けられている。
この帯電器20は、図2にも示される如く感光体ドラム18の下方に位置し、感光体ドラム18に直接に接する帯電ローラー21、及びこの帯電ローラー21の表面を摺擦して清掃するクリーニングブラシ22を有し、感光体ドラム18の表面を正帯電させる。本実施例の帯電ローラー21は、例えばエピクロルヒドリンゴム製であり、φ12mm程度の直径で形成され、感光体ドラム18の表面に対して直流電圧を印加している。
現像器24は図2でみてドラムユニット17の左方に配置され、感光体ドラム18に対峙する現像ローラー25を有する。この現像ローラー25は図示しない駆動モーターによって図2の反時計回りに駆動する。
なお、この図2の参照符号26はギャップ規制コロである。当該ギャップ規制コロ26は、現像ローラー25の両端に設けられており、感光体ドラム18に連れ回って現像ローラー25と感光体ドラム18とのギャップを設定する(図3)。
画像形成部16はゴム製の中間転写ベルト12を有し、当該中間転写ベルト12は各感光体ドラム18の上方に配置されており、中間転写ローラー13は中間転写ベルト12を上方から押圧し、感光体ドラム18と中間転写ベルト12とを圧接させる。
また、中間転写ベルト12と排紙トレイ36との間には4個のトナーコンテナ23が配設されている(図1)。これら各トナーコンテナ23は、プリンター1の背面側から前面側に向けて、マゼンタ用、シアン用、イエロー用、そして、ブラック用の順に配設され、このブラック用のトナーコンテナの容量が最も大きく構成される。
2次転写部30には2次転写ローラー31が備えられ、この2次転写ローラー31は中間転写ベルト12に対して斜め下方から圧接可能に構成されている。これら中間転写ベルト12と2次転写ローラー31とは、トナー像を用紙に転写するためのニップ部を形成する。
また、用紙搬送方向でみて2次転写部30の下流側には、定着部32、排出分岐部34及び排出ローラー35の順に配置されている。
さらに、2次転写部30と手差しトレイ3との間に両面印刷搬送路38が形成される。この両面印刷搬送路38は、排出分岐部34から装置本体2の前面側で分岐して下方に向けて延び、レジストローラー14の上流側に連結する。
ここで、本実施例のトナーには、微量の研磨剤(酸化チタン、シリカ、アルミナなど)が含まれており、クリーニング装置50にて感光体ドラム18の表面の清掃に利用される。
詳しくは、クリーニング装置50は、図2に示されるように、感光体ドラム18の回転方向でみて中間転写ベルト12との転写位置の下流側にて、この感光体ドラム18に向けて開口したハウジング51を備えており、このハウジング51の適宜位置に、クリーニングブレード(クリーニング部材)52やトナー回収室(トナー貯留部)80を有している。
具体的には、クリーニングブレード52は、ハウジング51の下端に固定される亜鉛鋼板の本体や、この本体に溶着されたポリウレタンゴム製のブレード部分からなり、このブレード部分のエッジが感光体ドラム18の回転軸線に沿って延びている。そして、当該ブレード部分のエッジが感光体ドラム18の回転軸線よりも低い位置にてカウンタ方向で接し(図2)、感光体ドラム18の表面に付着した研磨剤を含む残留トナーや放電生成物などを掻き取っている。
このクリーニングブレード52によって感光体ドラム18の表面から掻き取られた残留トナー等は、トナー回収室80から図示しない回収容器に回収される。
詳しくは、トナー回収室80は、ハウジング51の底近傍に螺旋状のスクリュー88を有する。このスクリュー88は、図2でみてクリーニングブレード52の右側に設置されており、感光体ドラム18の回転軸線方向に沿って延び、その先端が図示しない駆動モーターに連結されている。そして、この駆動モーターが駆動すると、ハウジング51内の残留トナー等は、スクリュー88を経由して上記回収容器に集められる。
ところで、図2に示した現像ローラー25、帯電ローラー21、及び感光体ドラム18などの各回転軸線を並べてみると、これらの各幅(軸方向の長さ)は同じではない。
具体的には、これら各構成の幅の関係を説明した図3に示される如く、この図3に破線で示された感光体ドラム18の感光層の幅(ドラム幅)は、図3に2点鎖線で示された帯電幅よりも広く設定される。なお、上述した中間転写ベルト12の幅は、ドラム幅と帯電幅の間、或いはこの帯電幅と同等に設定される。
また、この帯電幅は、図3に実線で示された現像幅よりも広く設定される。仮に帯電幅が現像幅よりも狭いと、この帯電幅の外側領域にトナーが付着し続けるからである。
なお、この現像幅は、図3に1点鎖線で示された通紙幅よりも常に広く設定される。用紙の左右両端にもトナー像を形成可能にするためである。
すなわち、感光体ドラム18の表面において、この感光体ドラム18の回転軸線方向でみた現像幅の外側領域は、この現像幅の内側領域に比してトナーが付着し難い範囲になる。
また、この現像幅の外側領域であって帯電幅の内側領域は、帯電ローラー21の端部に対峙しており、帯電ローラー21から感光体ドラム18の表面への流れ込み電流が通紙幅の内側領域よりも増える。
特に、感光体ドラム18のうち帯電ローラー21のエッジ近傍、換言すれば、図3に2点鎖線で示された帯電幅の境界位置の周辺には、帯電ローラー21からの押圧力が集中し易く、過剰な放電現象が起こり易い。なお、この帯電幅の境界位置の周辺とは、帯電される範囲であり、帯電幅のやや外側領域も含まれる。
このように、感光体ドラム18の表面のうち、現像幅の外側領域であって帯電幅の内側領域、つまり、図3の斜線で示された領域90,90では、トナーが付着し難い範囲であるにも拘わらず、流れ込み電流が増える範囲に相当するので、感光体ドラム18の表面の絶縁破壊が起き易いことが分かる。
しかも、高温高湿の環境状態にて感光体ドラム18の表面に水分が多くなると、この水分を除去しなければ、感光体ドラム18の表面の絶縁破壊によって電流のリークが容易に発生してしまう。
この場合に、ドラムリフレッシュモードを実施し、乾いた多量のトナーを現像器24から感光体ドラム18の表面に供給しても、この運転期間が長期に及ぶと、画像形成の開始時期が非常に遅くなってしまう。
そこで、本実施例では飛翔トナー供給手段60をトナー回収室80に設置している。
具体的には、図4に示されるように、本実施例の飛翔トナー供給手段60は、可撓性を有し、高反発弾性体として機能できる樹脂製のトナー飛翔パドル(トナー飛翔部材)64を備える。
このトナー飛翔パドル64は、上記螺旋状のスクリュー88を有した回転軸62のうち上記領域90に対峙した位置に2枚ずつ設けられており、回転軸62と一体に回転してトナー回収室80に集めた残留トナーを感光体ドラム18の表面に供給している。
より詳しくは、このトナー飛翔パドル64はスコップ状に形成され、その撓む前の姿勢を示した図5の如く、その中央部分にすくい面65を有する。
なお、この図5では、すくい面65を視認できるトナー飛翔パドル64が図の右下側に、すくい面65の裏側に位置した裏面66を視認できるトナー飛翔パドル64が図の左上側に示されているが、図の右下側に示したトナー飛翔パドル64を上下反転させれば、図の左上側に示したトナー飛翔パドル64の姿勢になり、これらは同じ形状である。
詳しくは、すくい面65は長方形状に形成され、その周縁には、回転軸62の回転方向(図4で云えば反時計回り)に向けて突出した折り返し67,68,69が形成されている。折り返し67と折り返し69とが回転軸62の回転軸線に沿ってそれぞれ形成され、すくい面65を挟んでこの回転軸線に対して直交方向で対峙している。
また、折り返し68,68は、回転軸62の回転軸線に対して直交方向に延びて折り返し67や折り返し69の両端を連結しており、これら折り返し67,68,69で囲まれたすくい面65は、トナー回収室80に集められた残留トナーを掻き上げる機能を有する。
さらに、すくい面65を挟んで折り返し67の反対側には、すくい面65や裏面66を延長した根元70が形成されており、例えば根元70を回転軸62に差し込めば、スコップ状のトナー飛翔パドル64を回転軸62に固定できる。
なお、本実施例では好適な例としてスコップ状の形状としているが、トナーをすくい面65に保持して回転できる形状であれば、いずれの形状でも構わない。
一方、本実施例のトナー回収室80は、トナー飛翔パドル64を撓ませる形状で構成される。
詳しくは、図4に示される如く、内壁82がハウジング51の底近傍で湾曲しており、内壁82は、この図4でみて時計の9時方向から反時計回りで2時方向(回転軸62を含んだ水平面よりも上方に位置する)に亘る連続した曲線で形成され、この内壁82から回転軸62の外周壁までの距離は、折り返し68の長さよりも短く形成されている。
つまり、この内壁82に接触したトナー飛翔パドル64は撓む。これに対し、上記時計の2時方向の位置には飛翔補助壁84が設けられ、この飛翔補助壁84を超えた位置では、回転軸62の周壁までの距離が折り返し68の長さよりも長く形成されている。このように、トナー飛翔パドル64は、内壁82に接触し始めてから飛翔補助壁84に到達するまでは撓んだままになり、この飛翔補助壁84を超えた瞬間に伸びて自然長になる。
具体的には、クリーニングブレード52で掻き取った残留トナーを上記回収容器に集めるために、回転軸62が図4でみて反時計回りに回転し、スクリュー88がトナー回収室80の残留トナーを搬送すると(この搬送方向を図6に実線の矢印で示す)、この図6にて領域90に近接しているトナー飛翔パドル64のように、自然長になったすくい面65は、その折り返し67がやがて内壁82に接触する。
つまり、図4で左側に示したトナー飛翔パドル64の如く、この折り返し67が、回転軸62に埋まった根元70に対して遅れる方向に位置し(図4)、内壁82に対して撓んだ状態で摺接する。これにより、スクリュー88で搬送途中の残留トナーがすくい面65で掻き取られる。
次いで、このすくい面65は、回転軸62の回転に伴って内壁82に対して撓んだ状態で摺接し続け、残留トナーを掻き上げた状態で飛翔補助壁84の手前まで到達する。
回転軸62がさらに回転し、このすくい面65の折り返し67が飛翔補助壁84を超えると、図4の右側に示したトナー飛翔パドル64のように、すくい面65が急激に延びて弾性回復し、自然長になる。
そして、このすくい面65に載っていた残留トナーは、飛翔補助壁84との接触が解除された瞬間にすくい面65から離れ、スクリュー88の上方、クリーニングブレード52の上方を経由し、感光体ドラム18の表面に向かって弾き飛ばされる(この飛翔経路を図6に破線の矢印で示す)。
これにより、ハウジング51内を飛翔した残留トナーは、領域90に付着してその水分を除去する。
その後、この弾性回復していたすくい面65は、その折り返し67が回転軸62の回転過程で内壁82に再び接触すると、この折り返し67がすくい面65に引っ張られるように撓んで内壁82に接し、スクリュー88で搬送途中の残留トナーを掻き上げることになる。
再び図1に戻り、上記プリンター1が印刷を行う際は、給紙ローラー46によって給紙カセット4から用紙が1枚ずつ分離して送出される。送出された用紙はレジストローラー14に到達する。このレジストローラー14は、用紙の斜め送りを矯正しつつ、画像形成部16で形成されるトナー像との画像転写タイミングを計りながら、用紙を所定の給紙タイミングにて2次転写部30へと送出する。
一方、図示しないコントローラーには、印刷の元になる画像データが外部から受信可能に構成されている。この画像データは、文字や符号、図形、記号、線図、模様等の各種の画像がデータ化されたものである。このコントローラーでは、このデータに基づいて光の照射などを制御する。詳しくは、各感光体ドラム18に対し、図2のイレーサ19が除電し、次いで、帯電器20が感光体ドラム18の表面をそれぞれ帯電する。
次いで、露光部15が感光体ドラム18の表面にレーザー光をそれぞれ照射すると、各感光体ドラム18の表面には静電潜像が作られ、現像バイアス電圧の印加によりこの静電潜像から各色のトナー像が形成される。
これら各トナー像は中間転写ベルト12に重ね合わされ(1次転写)、2次転写部30にて用紙に2次転写される。なお、感光体ドラム18の表面に残留したトナーはクリーニング装置50で除去される。
続いて、用紙は未定着トナー像を担持した状態で定着部32に向けて送られて加熱及び加圧され、トナー像が定着される。その後、定着部32から送出された用紙は排出ローラー35を介して排紙トレイ36に排出され、高さ方向に積層される。
両面印刷を行う場合には、片面に印刷された用紙は、排出分岐部34で装置本体2内に引き戻され、両面印刷搬送路38に搬送される。この用紙はレジストローラー14の上流側に向けて送出され、2次転写部30に向けて再び送られる。これにより、用紙の未だ印刷がされていない面にトナー像が転写される。
ところで、上述のトナー飛翔パドル64は、残留トナーを領域90に飛翔させているが、この残留トナーを感光体ドラム18の中央位置に飛翔させても良い。
詳しくは、図7に示された実施例では、回転軸62の中央位置にもトナー飛翔パドル64を設置し、残留トナーを感光体ドラム18の中央位置にも飛翔させる。高温高湿の環境状態では、領域90のみならず、感光体ドラム18の中央位置にも水分が多く存在し得るからである。
一方、上述の飛翔トナー供給手段60は、スクリュー88とともに回転軸62に固定されているものの、このスクリュー88を回転させる回転軸62とは別個の回転軸をハウジング51内に設置し、トナー飛翔パドルをこの別個の回転軸に設けてトナー回収室80の残留トナーを感光体ドラム18の表面に供給しても良い。
以上のように、本実施例によれば、クリーニング装置50はクリーニングブレード52を有し、感光体ドラム18の表面を清掃する。詳しくは、クリーニングブレード52は、転写の際に感光体ドラム18の表面に残った残留トナーを除去し、この除去した残留トナーはトナー回収室80の内部に集められて回収される。
一方、このトナー回収室80に集められた残留トナーは感光体ドラム18の表面にも供給されるのである。
具体的には、トナー回収室80の内部には、可撓性を有したトナー飛翔パドル64が設けられており、回転軸62との回転過程にて、トナー回収室80の内壁82に接触して撓み状態になる。この際、トナー回収室80に集められた残留トナーを掻き上げる。
次いで、このトナー飛翔パドル64は、その回転過程にて、トナー回収室80の内壁82との接触が解除されると、弾性回復する。つまり、トナー飛翔パドル64が感光体ドラム18の表面に接触することなく、この掻き上げてすくい面65に載っていた残留トナーを感光体ドラム18の表面に向けて弾き飛ばすことができる。
よって、感光体ドラム18の表面をトナー飛翔パドル64との接触によって損傷させることなく、残留トナーを感光体ドラム18の表面に供給でき、仮に、高温高湿の環境状態などの如く感光体ドラム18の表面に水分が多くなったとしても、残留トナーを付着させて感光体ドラム18の表面の水分を除去することができるので、感光体ドラム18の表面へのピンホール発生を回避できる。
しかも、クリーニング装置50の外部へ回収するはずの残留トナーを再利用するので、現像器24から新品のトナーを供給しなくて済み、トナーを効率良く使用できる。
また、トナー飛翔パドル64のすくい面65の周縁が反り上がってスコップ状に形成されており、掻き上げた残留トナーをすくい面65に確実に保持し、多量の残留トナーを感光体ドラム18の表面に向けて弾き飛ばすことができる。
さらに、上記実施例では、回転軸62が、トナー飛翔パドル64の他、トナー回収室80に貯留した残留トナーを回収容器に回収するためのスクリュー88を回転させており、このスクリュー用の回転軸を別個に設置した場合に比して、部品点数が少なく、省スペース化を達成したクリーニング装置50を提供できる。
また、図3の如く現像幅が帯電幅よりも狭いため、その対応する感光体ドラム18の領域90,90は、帯電ローラー21による電流が付与される範囲であるにも拘わらず、現像ローラー25からの乾いたトナーが供給され難い。つまり、電流のリークの発生し易い箇所になる。しかし、このクリーニング装置50によれば、現像幅の外側領域であって帯電幅の内側領域に向けて残留トナーを飛翔させており、領域90,90における感光体ドラム18の表面の水分を確実に除去できる。
さらにまた、有機系の感光層を有したOPCドラム18は量産性に優れているが、水分の除去が不十分ではピンホールが容易に発生するという懸念がある。しかし、上記クリーニング装置50によれば、帯電幅の内側領域に適量のトナーを溜めて水分の除去に利用できるので、量産性の他、耐久性の向上も図るOPCドラム18を提供可能になる。
また、感光体ドラム18の表面に直に接触して帯電させる接触帯電は、コロナ帯電に比してオゾン発生量が少ないものの、感光体ドラム18の水分の除去が不十分になると、絶縁破壊が容易に発生して電流のリークが生ずる。しかし、上記クリーニング装置50によれば、帯電幅の内側領域に対しても適量のトナーを溜めて水分の除去に利用できるため、環境にやさしいこの帯電器20を使用しても感光体ドラム18の耐久性が向上する。
しかも、このプリンター1では、例えばドラムリフレッシュモードのような感光体ドラム18の表面の水分を除去するための運転を設けなくても済むため、画像形成の開始時期が早くなる。
本発明は、上記実施例に限定されず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。
例えば、上記実施例では、トナー像が感光体ドラムの上方で中間転写ベルトに転写しているが、この感光体ドラムの下方でベルトに転写しても良い。また、上記実施例では、中間転写ベルトを採用したプリンター1で説明されている。しかし、本発明は、感光体ドラム18のトナー像を用紙に直接に転写する場合にも適用可能である。
さらに、この実施例では画像形成装置としてプリンターに具現化した例を示しているものの、本発明の画像形成装置は、複合機、複写機やファクシミリ等にも当然に適用可能である。
そして、これらいずれの場合にも上記と同様に、回収される廃トナーを感光体ドラム表面の水分除去のために再利用できるとの効果を奏する。
1 プリンター(画像形成装置)
18 感光体ドラム
20 帯電器
21 帯電ローラー
50 クリーニング装置
52 クリーニングブレード(クリーニング部材)
60 飛翔トナー供給手段
62 回転軸
64 トナー飛翔パドル(トナー飛翔部材)
65 すくい面
67,68 折り返し
80 トナー回収室(トナー貯留部)
82 内壁
88 スクリュー

Claims (5)

  1. トナー像が形成された感光体ドラムの表面を清掃するクリーニング装置であって、
    前記表面から残留トナーを除去するクリーニング部材と、
    前記クリーニング部材から除去した残留トナーを貯留するトナー貯留部と、
    前記トナー貯留部に貯留した残留トナーを飛翔させて前記表面に供給する飛翔トナー供給手段とを具備し、
    この飛翔トナー供給手段は、
    前記トナー貯留部で回転駆動される回転軸と、
    この回転軸の回転に伴って、前記トナー貯留部の内壁に接触して撓み、前記トナー貯留部に貯留した残留トナーを掻き上げるとともに、この内壁との接触が解除されて弾性回復することによりこの掻き上げた残留トナーを前記クリーニング部材による清掃前の前記表面に向けて弾き飛ばすトナー飛翔部材と
    を備えることを特徴とするクリーニング装置。
  2. 請求項1に記載のクリーニング装置であって、
    前記トナー飛翔部材は、前記トナー貯留部に貯留した残留トナーを掻き上げるすくい面を有し、このすくい面は、その周縁が前記回転軸の回転方向に向けて反り上がるスコップ状に形成されていることを特徴とするクリーニング装置。
  3. 請求項1又は2に記載のクリーニング装置であって、
    前記回転軸には、前記トナー貯留部に貯留した残留トナーを回収容器に向けて搬送可能なスクリューが設置されていることを特徴とするクリーニング装置。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載のクリーニング装置であって、
    前記トナー飛翔部材は、前記掻き上げた残留トナーを、前記表面のうちこの感光体ドラムの回転軸線方向でみた現像幅の外側領域であって帯電幅の内側領域に対応する箇所に向けて弾き飛ばしていることを特徴とするクリーニング装置。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載のクリーニング装置を搭載した画像形成装置であって、
    前記表面に接触して帯電させる帯電器を備えていることを特徴とする画像形成装置。
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