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JP5401087B2 - 凝集剤注入制御方法 - Google Patents

凝集剤注入制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、凝集剤注入制御方法に関する。
浄水場においては、取水した原水中の濁質分を除去するため、凝集剤を注入して濁質分を凝集させ、生成フロックを沈降分離する操作が行われている。この操作の後、微細なフロックを含有する沈殿処理水はろ過池にてろ過され、清澄なろ過水が得られる。これらの一連の凝集沈殿処理操作に関しては、例えば、特許文献1に記載されている。
この凝集沈殿処理操作においては、原水に注入する凝集剤注入率の設定が重要な操作因子となるが、一般的には原水水質(濁度、アルカリ度、pH等)の測定結果から予め設定した凝集剤注入モデル式に従って凝集剤注入率を算出し、凝集剤を注入するフィードフォワード方式が採られている。これについては、例えば、特許文献2に記載されている。
しかし、原水水質が変動して過去に作成された凝集剤注入モデル式の整合性が取れない場合、凝集剤注入率の算出が不適切となり、凝集不良を誘引して沈降性の良いフロックが形成されず、沈殿池でのフロックの沈降分離が促進されない。この結果、沈殿水濁度が高くなると共に、フロックを多量に含む沈殿水がろ過池に導入されるため、ろ過池への負荷が過大となり、ろ過閉塞が早期に進行して該ろ過閉塞を解消するための逆流洗浄操作を頻繁に行う必要が生じるという問題がある。
上記の問題への対処法として、沈殿池出口の沈殿水濁度の測定結果に基づいて凝集剤注入率を補正するフィードバック方式が提案されているが、凝集剤注入の良否の結果が沈殿水濁度として判明するまで約3〜4時間要するため、時間遅れが大きい。このため、沈殿水濁度の測定結果に基づいて凝集剤注入率を補正することは合理的でない。
上記の凝集不良の要因は、主に、凝集剤注入率の算出が低いことに起因することが多い。このため、フィードバック制御が困難な状況下では、凝集剤注入モデル式を用いたフィードフォワード方式によって凝集剤注入率を算出する手段が採られ、一般に安全性を高く見込んで高めの凝集剤注入率を算出する操作が実施されている。
しかし、高めの凝集剤注入率の算出は、凝集剤使用コストの増加に繋がるだけでなく、発生汚泥の増量となり、汚泥脱水等の後処理工程への負荷増大に繋がる。
上記以外に、特許文献3には、浄化処理を施すべき排水に凝集剤を注入してフロックを生成させることにより浄化を図る排水処理方法において、凝集剤の注入量を制御する排水浄化処理凝集剤の注入制御方法であって、フロックの生成する槽内の流動電流を測定する処理と、測定した流動電流に基づいて凝集剤の余剰量あるいは不足量を求める処理と、求めた余剰量あるいは不足量と所定の目標凝集剤量とに基づいて凝集剤注入量を制御する注入量制御処理とを実行する技術が開示されている。
特許文献4には、アルミニウム系凝集剤を被処理水に添加して懸濁固形物を凝集させ、沈澱処理する水処理設備における凝集剤注入制御システムで、凝集剤が添加された被処理水の溶存アルミニウムイオン濃度を溶存アルミニウムイオン濃度測定装置で測定し、この測定結果から凝集剤の注入率を凝集剤注入率演算装置で演算し、この凝集剤注入率演算結果に基づいて凝集剤注入装置により被処理水へ凝集剤を注入する技術が開示されている。
特開平4−35702号公報 特開平5−146608号公報 特開平7−256008号公報 特開2008−161809号公報
上述したように、滞留時間が長いプロセスからなる浄水場では、早期に凝集状態を把握し、その結果を凝集剤注入率の補正に反映して適性値に維持することが必要とされる。
ここで、凝集状態の良否の早期検出法として凝集剤注入後の処理水中の凝集剤主成分濃度を測定すれば、濃度の高低によって注入凝集剤が有効に作用している否か、また、凝集剤の注入率が適正か否かの判定指標とすることができる。例えば、凝集剤としてアルミニウム系凝集剤を使用した場合、凝集剤注入後の処理水中の残留アルミニウム濃度を測定して、濃度が低ければ注入凝集剤が有効に作用して沈降性の良いフロックが形成され、最終的に処理水濁度が低くなると判定することができる。逆に、濃度が高ければ、沈降性が悪いフロックが支配的となり、最終的に処理水濁度が高くなると判断できる。
しかし、凝集剤注入率と残留アルミニウム濃度との関係が不明であると共に、残留アルミニウム濃度と処理水濁度(沈殿水濁度)との関係等が不明で、凝集剤注入率の補正指標として処理水中の残留アルミニウム濃度の大小を凝集剤注入率の補正演算に反映させることが困難であった。
本発明の目的は、早期に凝集状態の良否を把握して凝集剤の注入率を適正値に維持するに好適な浄水場の凝集剤注入制御方法を提供することにある。
本発明の凝集剤注入制御方法は、取水した原水に凝集剤を注入してこの原水に含まれる濁質分をフロック化させ、このフロックを沈降分離する凝集沈殿処理プロセスを含む凝集剤注入制御方法において、前記凝集剤を注入した後のフロックを含有した状態の処理水中の残留凝集剤主成分濃度を測定し、この測定値と前記残留凝集剤主成分の濃度の設定目標値との偏差に応じて前記原水への前記凝集剤の注入率を補正することを特徴とする。
本発明によれば、早期に凝集状態の良否を把握し、精度よく凝集剤注入率の適正値を維持することができ、凝集剤の注入量を抑制し、発生汚泥量の低減を図ることができる。
本発明は、取水した原水中の濁質分を凝集沈殿処理する浄水場において、凝集剤の注入量を適切に維持するために好適な凝集剤注入制御方法に関する。
本発明者らは、凝集剤注入率と処理水中の残留アルミニウム濃度との関係について調べるにあたって、まず、処理水中に含まれているフロックの有無が残留アルミニウム濃度に及ぼす影響について調べた。
濁度30度、pH7.5及びアルカリ度40度の原水にアルミニウム系凝集剤(PAC、Al:10%)を注入し、注入率を変化させたジャーテストを行い、フロック形成後、フィルターろ過前後における処理水中の残留アルミニウム濃度を調べた。ここで、フィルターろ過前の処理水の状態は、後述する図1のフロック形成池6において緩速攪拌を行った直後で、形成されたフロックが十分に沈殿する前の状態に対応するものである。すなわち、ジャーテストとしては、凝集剤注入後、急速攪拌、緩速攪拌後、静置時間を設けずに、残留アルミニウム濃度(残留凝集剤主成分の濃度)の測定を行ったものである。一方、フィルターろ過後の処理水の状態は、形成された大小のフロックを強制的に除去した状態に対応するものである。
図5にその結果を示す。
本図において、フィルターろ過前のフロックを含有する処理水中の残留アルミニウム濃度(図中の白丸印)は、凝集剤注入率の増加に比例して高くなる。これに対して、処理水中のフロックをフィルターろ過して除去した後の処理水中のアルミニウム濃度(図中の三角印)は、溶解性アルミニウムが主体となって凝集剤注入率の高低に関係なく一定となり、凝集剤注入率の影響が反映されない。
この結果から、処理水中のアルミニウム濃度を測定するに際して、処理水中に含まれるフロックをろ過して除去すると、凝集剤注入率の補正指標とならないことがわかる。
したがって、凝集剤注入後の処理水中の残留アルミニウム濃度を測定して、該測定結果に基づいて凝集状態の良否の判定または凝集剤注入率の補正を行うには、フロック含有状態の処理水を測定対象として、残留凝集剤主成分濃度を測定することが不可欠である。
ここで、凝集剤注入後の処理水中の残留凝集剤主成分濃度は、処理水中に溶解した凝集剤主成分濃度(溶解性アルミニウム濃度)と、処理水中に溶解していないフロック中の凝集剤主成分濃度とを合算して得た値となる。また、フロック含有状態とは、直径が大きい(沈殿しやすい)フロックを分級し、又は沈殿させた後の処理水の状態であって、処理水中に微小フロックが残存している状態をいう。すなわち、フロック含有状態は、微小フロック残存状態と呼ぶこともできる。
このフロック含有状態(微小フロック残存状態)における定量的な検討を行うため、本発明者らは、処理水中の残留アルミニウム濃度の測定結果に基づいて凝集剤注入率を増減させる場合の指標として、凝集剤の注入により形成された直径が大きいフロックを沈殿させた後における、凝集剤注入率に対する処理水濁度及び残留アルミニウム濃度の関係について調べた。
濁度20度、pH6.3及びアルカリ度35度を一定とした原水に凝集剤(PAC、Al:10%)の注入率を段階的に変化させてジャーテストを行い、処理水濁度及び処理水中残留アルミニウム濃度の関係について調べた。すなわち、ジャーテストとしては、凝集剤注入後、急速攪拌、緩速攪拌後、約10分間静置し、直径が大きいフロックを沈降分離した後、微細フロックが未だ残存する処理水の濁度及び残留アルミニウム濃度の測定を行ったものである。
図6にその結果を示す。
本図において、凝集剤注入率の増加に伴って処理水濁度は低下する。これは、凝集剤注入率の増加に伴って、処理水中のフロックの沈殿が促進されるためである。一方、処理水中の残留アルミニウム濃度は、凝集剤注入率の増加に伴って減少する。これは、処理水濁度が低くなると、濁度の要因となる処理水中のフロック含有量が減少し、これに伴い、処理水中の残留アルミニウム濃度も低下するためである。
この結果から、処理水濁度を適正値に維持し、残留アルミニウム濃度の測定結果を用いて凝集剤注入率を適正値に維持するためには、残留アルミニウム濃度が高い場合は凝集剤注入率を増加させ、逆に、残留アルミニウム濃度が低い場合は凝集剤注入率を減少させる操作が必要であることが判明した。
上述した新規の知見から、本発明は、取水した原水中の濁質分を、凝集剤を注入してフロック化し、形成されたフロックを沈降分離する凝集沈殿処理プロセスにおいて、凝集剤注入後の処理水中の残留凝集剤主成分濃度をフロック含有状態にて測定し、この測定値と残留凝集剤主成分濃度の設定目標値との偏差を応じて原水への凝集剤注入率を調整することを特徴とするものとした。
これにより、設定目標値と残留凝集剤主成分濃度との偏差に応じて凝集剤注入率を補正するに際して、処理水に含まれるフロックを除去して残留凝集剤主成分を測定すると、凝集剤注入率の影響が反映されず補正精度が低下するが、フロック含有状態にて処理水中に残留(残存)する凝集剤主成分を測定すると、残留主成分の全体を把握可能となり、精度よく偏差に応じて凝集剤の注入率を補正することが可能となる。
また、本発明の凝集剤注入制御方法は、取水した原水に凝集剤を注入してこの原水に含まれる濁質分をフロックに変化させ、このフロックを沈降分離する凝集沈殿処理プロセスを含む凝集剤注入制御方法において、前記凝集剤を注入した後の処理水に含まれる残留凝集剤主成分の濃度の測定値を、微小フロック残存状態で取得し、この測定値と前記残留凝集剤主成分の濃度の設定目標値との偏差に応じて前記原水への前記凝集剤の注入率を補正することを特徴とする。
また、本発明は、凝集剤注入後の処理水中の残留凝集剤主成分濃度を測定して、該測定値と残留凝集剤主成分濃度の設定目標値との正負偏差を求め、原水への凝集剤注入率を正偏差の場合に凝集剤の注入率を増加し、負偏差の場合に凝集剤の注入率を減少させることを特徴とする。
残留凝集剤主成分濃度が低い状態では、処理水に含まれるフロックが少なく、処理水濁度は良好に維持されている。このため、設定目標値よりも低い偏差の状態で凝集剤注入率を増加すると、過剰な凝集剤注入率となる。しかし、本発明のように、偏差で注入率を減じることによって過剰注入を抑制可能となる。一方、残留凝集剤主成分濃度が高い状態では、処理水に含まれるフロックの影響で処理水濁度は高く、凝集剤注入率が低い状態にある。したがって、偏差の状態で凝集剤注入率を減じると、更に凝集不良を招いて処理水濁度が高くなるが、偏差で注入率を増加させることによって不足分の凝集剤を補うことができ、処理水濁度を低く維持することが可能となる。
更に、本発明は、凝集剤注入後の処理水を分級して、分級後の処理水中の残留凝集剤主成分濃度の測定値を取得し、該測定値と残留凝集剤主成分濃度の設定目標値との偏差に応じて原水への凝集剤注入率を補正することを特徴とする。
このようにすると、沈降性の悪い粒径の小さなフロックの含有比率状態を早期に把握できる。この結果、降雨等によって原水水質が変動しても早期に凝集剤注入率の補正制御が可能となる。
また、本発明は、フロックが残存する状態(フロック含有状態)の処理水が導入される沈殿池の上流側で前記処理水を採水して、該処理水中の残留凝集剤主成分濃度を測定することを特徴とする。
浄水場の凝集沈殿プロセスにおいて、沈殿池の滞留時間が全工程時間(3〜4時間)のうち最長となるが、沈殿池の上流側で凝集剤注入後の処理水を採水することで、凝集剤が注入されてから採水までに要する時間を短縮することができ、早期に凝集剤注入制御の補正制御が可能となる。さらに、フロックの粒径分布を早期に把握するための分級手段も不要となり、測定手段が簡素化される。
以下、本発明による実施例について図面を参照して説明する。
図1は本発明による実施例を示す浄水場の凝集沈殿処理プロセスシステムフローの構成図である。河川または湖沼等から取水された原水RWは導水管(図示せず)を経て沈砂池(図示せず)に至り、ここで、粒径の大きい砂等が沈降除去された後、着水井1に導かれる。
原水RWは、その後、急速混和池2に導かれ、ここで、凝集剤3が注入される。凝集剤3としては、硫酸バンド、PAC(ポリ塩化アルミニウム)等のアルミニウム系凝集剤、または、塩化第二鉄、ポリシリカ鉄〔(SiO・(Fe)〕等に代表される鉄系凝集剤を用いてもよい。
更に、凝集剤3とは別に、原水RWのアルカリ度またはpHが設定目標値よりも低い場合には、凝集補助剤となる水酸化ナトリウム(NaOH)等のアルカリ剤4が、凝集剤3の注入前の段階で、アルカリ剤注入ポンプ5より、必要に応じて注入される。
前記凝集剤3は急速混和池2で撹拌混合され、原水RW中の濁質分が凝集してマイクロフロックとなる。
その後、このマイクロフロックを含有する処理水は、フロック形成池6に導入される。ここで、緩速撹拌するフロッキュレータ7によりフロック相互の衝突が繰返されてフロックの成長が促される。その後、粒径が成長したフロックを含有する処理水は沈殿池8に導入され、フロックは沈降分離される。
前記のプロセスを経てフロックが分離された沈殿水SWは沈殿池8の下流側に配設されたろ過装置9に導入される。ろ過装置9の形態としては、ろ過砂が充填された砂ろ過池、または、MF膜、UF膜等を使用した膜ろ過装置であってもよく、ろ過装置8の形態が特に限定されるものではない。ろ過装置9では、沈殿池8で沈降分離されなかった微細なフロックがろ過にて除去され、ろ過水FWは、その後、配水池(図示せず)に送られ、最終的に需要端に供給される。
10は採水ポンプであり、分級手段11の下流側に設置して緩速撹拌後の処理水を採水する。この処理水は、分級手段11で径の大きいフロックが除去された後、残留凝集剤濃度測定装置12に導入されるようになっている。
本実施例では、フロック形成池6の出口側(フロック形成池6から流出した後)で採水しているが、その上流側、すなわち、フロック形成池6の所定の位置で、または、急速混和池2の出口側で採水してもよく、凝集剤注入後の処理水の採水箇所が特に限定されるものではない。これは、分級手段11によって径の大きいフロックが除去されるためである。
上記の分級手段11としては、例えば、図2及び図3に示すような液体サイクロン11Aが用いられる。処理水は、接線方向に配設された液体サイクロン11Aの入口管11Bに流入して旋回流となり、処理水に含まれるフロックが遠心力の影響を受けて固液分離され、粒径の大きいフロックFが除去され、分級が進行する。その後、分級後の微細フロックを含有する処理水は出口管11Cを介して後述する残留凝集剤濃度測定装置12に導入される。
一方、分級されたフロックFは排出管11Dを介して系外に排出される。なお、処理水に含まれるフロックを分級するに際して、前記の如く液体サイクロン11Aを用いてもよく、また、沈降槽を用いて分級してもよく、フロック分級手段が特に限定されるものではない。
残留凝集剤濃度測定装置12では、凝集剤としてアルミニウム系凝集剤を使用した場合、処理水中のアルミニウム濃度が残留凝集剤主成分濃度Alとして測定される。アルミニウム濃度は、イオンクロマトグラフ、フレームレス原子吸光光度計、アルミノン法による分光光度計等により測定されるが、測定手段は特に限定されるものではない。一方、凝集剤として、鉄系凝集剤を使用した場合、処理水中の鉄濃度が残留凝集剤主成分濃度として測定される。測定手段としては、例えばフェナントロリン法により分光光度計により測定される。
残留凝集剤濃度測定装置12で測定された処理水中の残留凝集剤主成分濃度Alは、次に演算器13に入力される。一方、該演算器13には残留凝集剤主成分濃度の設定目標値Alが入力される。ここで、演算器13では図4または次式(1)に示すように、設定目標値Alと処理水中の残留凝集剤主成分濃度Alの偏差±ΔAlが求められる。
ΔAl=Al−Al (1)
すなわち、測定値Alが設定目標値Alよりも低い場合は、凝集剤注入率を減じるように、負の偏差−ΔAlが演算される。一方、測定値Alが設定目標値Alよりもい場合は、凝集剤注入率を増加するように、正の偏差+ΔAlが演算される。
そして、演算器13で求められた測定値Alと目標値Alとの偏差±ΔAlは、原水RWへの凝集剤注入率PAを求める演算器14に入力される。
ここで、演算器14には、予め標準凝集剤注入率Pを入力しておく。すなわち、標準凝集剤注入率Pを演算する演算器15には、原水水質を測定する水質計16からの測定値Mが入力され、測定値Mに基づいて、例えば次式(2)により標準凝集剤注入率Pが演算される。水質計16では、濁度Tu、アルカリ度AL、pH等が測定される。17は採水ポンプで、原水RWを採水して前記水質計16に供給する。
P=eTu+fAL (2)
(ここで、P:基本凝集剤注入率、Tu:原水濁度(度)、AL:原水アルカリ度(度)、c、d:指数、e、f:係数)
ここで、演算器14では、入力された偏差±ΔAl値と標準凝集剤注入率Pとを用いて演算が行われ、補正後の凝集剤注入率PAが求められる。補正後の凝集剤注入率PAは、次に演算器18に入力される。一方、演算器18には、流量計19からの原水流量Qが入力され、注入率PAに乗じた凝集剤注入量PAQが算出される。
そして、前記演算器18で求められた凝集剤注入量PAQは凝集剤注入ポンプ20に入力され、凝集剤注入ポンプ20は、入力された凝集剤注入量PAQに応じて凝集剤3を原水RWに注入する。
上記のようにして原水RWに凝集剤3が注入される場合、本発明においては、設定目標値と残留凝集剤主成分濃度との偏差に応じて凝集剤注入率を補正するに際して、溶解性アルミニウム濃度とともにフロック中のアルミニウム濃度を含めて処理水中に残留する凝集剤主成分濃度を測定しているため、残留主成分の全体を把握することが可能となり、精度よく偏差に応じて凝集剤注入率を補正することができる。
また、本発明においては、設定目標値と残留凝集剤主成分濃度との偏差に応じて凝集剤注入率を補正するに際し、求められた正偏差で凝集剤注入率を増加する一方、負偏差で注入率を減少させるようにしているので、偏差下では注入率を減じることによって過剰注入を抑制可能となる。また、偏差下では注入率を増加させることによって不足分の凝集剤を補うことができ、処理水濁度を低く維持することが可能となる。
更にまた、本発明においては、処理水中の残留凝集剤主成分濃度を測定するに際して、凝集剤注入後の処理水を分級することによって、処理水濁度に影響する沈降性の悪い粒径の小さなフロックの含有比率状態を早期に把握できるようにしている。この結果、降雨等によって原水水質が変動しても早期に凝集剤注入率の補正制御が可能となる。
図7は、本発明による他の実施例を示す浄水場の凝集沈殿処理プロセスシステムフローの構成図である。
本実施例においては、凝集剤注入後の処理水を採水する採水ポンプ10の採水口を沈殿池8の所定の位置に設置するようにしてある。本図においては、採水ポンプ10の採水口を沈殿池8の上流側に設置してある。上流側に設置した方が、凝集剤の注入量を変化させた場合に、その変化を残留凝集剤濃度測定装置12で検知するまでの応答時間が短くなる。ただし、採水口の設置位置はこれに限定されるものではなく、沈殿池8の下流側に設置してもよい。採水した処理水は、残留凝集剤濃度測定装置12に導入され、ここで、処理水中の残留凝集剤主成分が測定され、測定値Alは演算器13に入力されるようになっている。凝集沈殿処理プロセスシステムの他の構成については、図1に示す構成と同様である。
上述のように、フロックを含む処理水が導入される沈殿池8の上流側で処理水を採水して、処理水中の残留凝集剤主成分濃度を測定しているので、凝集剤が注入されてから採水までに要する時間が短縮でき、早期に凝集剤注入制御の補正制御ができることになる。
本発明による一実施例を示す浄水場の凝集沈殿処理プロセスシステムフローの構成図である。 図1の分級手段の拡大断面図である。 図2のA−A矢視図である。 本発明による一実施例の演算器における演算の流れを示す部分フロー図である。 緩速攪拌状態における凝集剤注入率に対する残留アルミニウム濃度を示すグラフである。 フロック含有状態における凝集剤注入率に対する処理水濁度及び残留アルミニウム濃度を示すグラフである。 本発明による他の実施例を示す浄水場の凝集沈殿処理プロセスシステムフローの構成図である。
符号の説明
1:着水井、2:急速混和池、3:凝集剤、4:アルカリ剤、5:アルカリ剤注入ポンプ、6:フロック形成池、7:フロッキュレータ、8:沈殿池、9:ろ過装置、10:採水ポンプ、11:分級手段、12:残留凝集剤濃度測定装置、13〜15、18:演算器、16:水質計、17:採水ポンプ、19:流量計、20:凝集剤注入ポンプ。

Claims (2)

  1. 取水した原水に凝集剤を注入してこの原水に含まれる濁質分をフロック化させ、このフロックを沈降分離する凝集沈殿処理プロセスを含む凝集剤注入制御方法において、前記凝集剤を注入した後の前記フロックを含有した状態の処理水を、この処理水が導入される沈殿池の上流側で採水し、前記処理水中のフロックを分級し、前記分級後の微小フロック残存状態における処理水中の残留凝集剤主成分濃度を測定し、この測定値と前記残留凝集剤主成分の濃度の設定目標値との偏差に応じて前記原水への前記凝集剤の注入率を補正することを特徴とする凝集剤注入制御方法。
  2. 請求項1記載の凝集剤注入制御方法において、前記測定値と前記設定目標値との正負偏差を求め、正偏差の場合に前記凝集剤の注入率を増加し、負偏差の場合に前記凝集剤の注入率を減じることを特徴とする凝集剤注入制御方法。
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