JP5400491B2 - エアバッグ装置 - Google Patents
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請求項1に係る発明は、折り畳まれた袋体(例えば、後述する実施例における袋体19)と、前記袋体を展開させるために該袋体にガス圧を導入するインフレータ(例えば、後述する実施例におけるインフレータ18)と、前記折り畳まれた袋体を収容保持し前記袋体の展開方向に開口(例えば、後述する実施例における開口71)を有するリテーナ(例えば、後述する実施例におけるリテーナ20)と、を備え、モジュール化されて前記リテーナにより車体(例えば、後述する実施例におけるドア本体3)に取り付けられるエアバッグ装置(例えば、後述する実施例におけるエアバッグモジュール9)であって、前記リテーナは、前記袋体および前記インフレータを支持し前記車体に固定される平板状の第1分割体(例えば、後述する実施例におけるベースプレート23)と、前記第1分割体に結合されて前記袋体の側面、下面、長手方向の前後面を覆う断面略L字状の第2分割体(例えば、後述する実施例における抱持プレート24)とを備え、前記第2分割体の長手方向の前壁および後壁(例えば、後述する実施例における端部壁67,67)と底壁(例えば、後述する実施例における底壁66)を前記第1分割体に固定し、前記第1分割体は前記第2分割体よりもその前後方向の少なくともいずれか一方向に長い延長部(例えば、後述する実施例における延長部28)を備え、前記延長部は、前記インフレータが固定される先端部に加えて、前記第1分割体に入力された荷重を前記インフレータに伝達する荷重伝達部(例えば、後述する実施例における接合部82)を備え、前記荷重伝達部は、前記先端部よりも前記袋体側において前記インフレータに当接していることを特徴とするエアバッグ装置である。
このように構成することにより、車体に固定された第1分割体がインフレータと袋体の静荷重の殆どを受けるので、第2分割体が分担する前記静荷重による負荷を低減することができる。また、袋体の展開時には第2分割体を外側に膨出変形させる方向の荷重(すなわち引っ張り力)が作用するが、この引っ張り力の一部を第1分割体に分担させることができるので、袋体の展開時にも第2分割体の負荷を低減することができる。
また、第1分割体に入力された荷重の一部を比較的に剛性の高いインフレータで受け止めることができる。また、インフレータによって第1分割体の変形を抑制することができる。
このように構成することにより、第2分割体の軽量化が可能になるとともに、リテーナ内に浸入した水を第2分割体の底壁に設けた開口から排出することが可能となる。
このように構成することにより、バッグカバーを第2分割体の補強部材として機能させることができる。
このように構成することにより、袋体の展開時には第2分割体における長手方向の略中央に袋体からの荷重が作用すると考えられるが、開口に近い側の固定点間寸法を、開口から遠い側の固定点間寸法よりも大きくすることで、各固定点に加わる荷重の均等化を図ることができる。
また、第1分割体に入力された荷重の一部を比較的に剛性の高いインフレータで受け止めることができるので、第1分割体の強度を低減することができる。また、インフレータによって第1分割体の変形を抑制することができるので、第1分割体の車体に対する固定箇所の数を減らすことができる。したがって、エアバッグ装置の軽量化が可能になる。
図1は、車両の進行方向右側のフロントサイドドア1を車室内側から見た図であり、図2は、図1のフロントサイドドア1からドアライニング2等の一部の部材を取り去った図、図3は、図1のA−A断面に対応する断面図である。
フロントサイドドア1は、窓枠部を持たないいわゆるサッシュレスタイプのドアであり、ドア本体(車体)3にはドアガラス4が昇降自在に保持されている。ドア本体3は、ドア骨格部5と、ドア骨格部5の車外側に取り付けられるドアスキン6(図3参照)等によって構成されている。
これらの図にも示すように、エアバッグモジュール9は、図示しないセンサによって衝撃が検知されたときに高圧ガスを発生する筒状のインフレータ18と、インフレータ18で発生したガス圧を受けて展開する折り畳まれた袋体19(図2,図3参照)と、インフレータ18と袋体19を保持する金属製のリテーナ20と、折り畳まれた袋体19の車室内側の外側域を覆い、袋体19の展開時に一部が開口することによって袋体19の展開を許容するバッグカバー21と、を備えている。
また、インフレータ18に連結されたディフューザパイプ22の先端部22aはブラケット29を介してベースプレート23の後端側の接合部84に固定されている。つまり、一体に連結されたインフレータ18とディフューザパイプ22は、ベースプレート23の前端側と後端側に固定されている。また、この取付状態において、インフレータ18の後端部18aは、図7,図9に示すように、ベースプレート23の前端側の接合部82に当接するようになっている。
詳述すると、抱持プレート24の前端側の接合フランジ68は、前端側の接合部83に設けられたリベット孔86a,86bを挿通するリベット70aによってベースプレート23に固定され、後端側の接合フランジ68は、後端側の接合部84に設けられたリベット孔87a,87bを挿通するリベット70aによってベースプレート23に固定される。また、接合フランジ69は、台座部80のリベット孔85を挿通するリベット70bによってベースプレート23に固定される。つまり、抱持プレート24は、接合フランジ68,69を介して前後端の端部壁67,67および底壁66がベースプレート23に固定される。
底壁66には、ベースプレート23に接近する側の縁部に、切り欠き円状の開口66aが複数設けられている。この開口66aは、リテーナ20内に浸入した水を排水する排水口として機能する。また、開口66aを設けることにより、抱持プレート24の軽量化を図ることができる。
抱持プレート24の側壁65における上縁、すなわち開口71の縁部には、車室内側へ延出し更に下方へ屈曲形成された鈎状の係止フック72・・・が、車体前後方向ほぼ等間隔に複数設けられている。また、側壁65の下部には、複数のタッピング孔73・・・が、車体前後方向ほぼ等間隔に設けられている。
また、図3,図10,に示すように、カバーアウタ35の側壁38の裏面であってカバーインナ36の下方には、樹脂製の締結ブロック52が溶着固定されている。締結ブロック52には、複数の台座56・・・が車体前後方向ほぼ等間隔に突設されている。各台座56には、リテーナ20の抱持プレート24における側壁65の各タッピング孔73に挿通されたタッピングねじ74がねじ込まれ、これにより抱持プレート24の側壁65の下部が締結ブロック52に固定されている。
したがって、カバーインナ36の側壁46はリテーナ20に係止され、リテーナ20を介してドア本体3側に支持される支持部とされている。
各連結片57はリテーナ20のベースプレート23にリベット58によって固定されている。この連結片57のリベット58による固定は、例えば、ベースプレート側ユニット23Uにバッグカバー21を最終的に組み付けるときに、波形の板部材26とともにベースプレート23に固定するようにしても良い。
この後、エアバッグモジュール9をドア本体3に対して正確に位置決めし、エアバッグモジュール9のリテーナ20(ベースプレート23)を取付ブラケット10に対してボルト結合する。したがって、バッグカバー21のカバーインナ36における破断可能壁60は車体側に結合されることとなる。
そして、ドア本体3の車室内側には、この後にエアバッグモジュール9のバッグカバー21と付き合わせるようにしてドアライニング2が取り付けられる。
また、このとき、バッグカバー21の屈曲壁39は、ドアガラス4の車室内側面に微小隙間をもって対峙し、屈曲壁39の外側面には、ドア本体3側のウェザーストリップ16の外側リップ16aが密接する。したがって、バッグカバー21の上端部は、屈曲壁39部分で充分な高さ方向の幅をもってドア本体3の上部に対向するとともに、屈曲壁39にウェザーストリップ16が密接することによって両者の間の隙間が埋められる。また、このバッグカバー21では、上壁37のドア本体3側の端部に略L字状の屈曲壁39が連設されているため、上壁37の端部の剛性が充分に高く維持されている。したがって、このバッグカバー21を採用することにより、外観品質を含む商品性を高めることができる。
なお、この発明は前述した実施例に限られるものではない。
例えば、ベースプレート23と抱持プレート24との連結は、リベット以外の適宜の固定手段を用いることが可能である。また、ベースプレート23および抱持プレート24の形状、構造等も前述した実施例に限ものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。また、抱持プレート24に設ける開口66aの形状、数、および設置位置についても、この実施例に限るものではない。
また、前述した実施例では、ベースプレート23における延長部28を抱持プレート24の車体前方側に設け、そこにインフレータ18を設置したが、ベースプレート23における延長部28を抱持プレート24の車体後方側に設け、そこにインフレータ18を設置してもよい。
9 エアバッグモジュール(エアバッグ装置)
18 インフレータ
19 袋体
20 リテーナ
21 バッグカバー
23 ベースプレート(第1分割体)
24 抱持プレート24(第2分割体)
28 延長部
66 底壁
66a 開口
67 端壁部(前壁、後壁)
82 接合部(荷重伝達部)
86a,86b,87a,87b リベット孔(固定点)
Claims (4)
- 折り畳まれた袋体と、前記袋体を展開させるために該袋体にガス圧を導入するインフレータと、前記折り畳まれた袋体を収容保持し前記袋体の展開方向に開口を有するリテーナと、を備え、モジュール化されて前記リテーナにより車体に取り付けられるエアバッグ装置であって、
前記リテーナは、前記袋体および前記インフレータを支持し前記車体に固定される平板状の第1分割体と、前記第1分割体に結合されて前記袋体の側面、下面、長手方向の前後面を覆う断面略L字状の第2分割体とを備え、
前記第2分割体の長手方向の前壁および後壁と底壁を前記第1分割体に固定し、
前記第1分割体は前記第2分割体よりもその前後方向の少なくともいずれか一方向に長い延長部を備え、前記延長部は、前記インフレータが固定される先端部に加えて、前記第1分割体に入力された荷重を前記インフレータに伝達する荷重伝達部を備え、前記荷重伝達部は、前記先端部よりも前記袋体側において前記インフレータに当接していることを特徴とするエアバッグ装置。 - 前記第2分割体の底壁には開口が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のエアバッグ装置。
- 前記第2分割体は、前記袋体と前記インフレータと前記リテーナの外側に配置されてこれらを覆うバッグカバーと一体に構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエアバッグ装置。
- 前記第2分割体の長手方向の前壁および後壁は前記第1分割体に対する固定点を前記開口に対して接近離反する方向に複数配置し、前記開口に近い側の固定点間寸法は、前記開口から遠い側の固定点間寸法よりも大きいことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のエアバッグ装置。
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