[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

JP5497992B2 - 熱処理装置 - Google Patents

熱処理装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5497992B2
JP5497992B2 JP2008077132A JP2008077132A JP5497992B2 JP 5497992 B2 JP5497992 B2 JP 5497992B2 JP 2008077132 A JP2008077132 A JP 2008077132A JP 2008077132 A JP2008077132 A JP 2008077132A JP 5497992 B2 JP5497992 B2 JP 5497992B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
substrate
light irradiation
heat treatment
adjustment
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008077132A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009231662A (ja
Inventor
達文 楠田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Screen Holdings Co Ltd
Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Screen Holdings Co Ltd
Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Screen Holdings Co Ltd, Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd filed Critical Screen Holdings Co Ltd
Priority to JP2008077132A priority Critical patent/JP5497992B2/ja
Publication of JP2009231662A publication Critical patent/JP2009231662A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5497992B2 publication Critical patent/JP5497992B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Recrystallisation Techniques (AREA)
  • Furnace Details (AREA)

Description

この発明は、半導体ウェハーや液晶表示装置用ガラス基板等(以下、単に「基板」と称する)に光を照射することにより該基板を熱処理する熱処理装置、特に閃光を照射して基板を瞬間的に加熱する熱処理装置に関する。
従来より、イオン注入後の基板のイオン活性化工程においては、ハロゲンランプを使用したランプアニール装置が一般的に使用されていた。このようなランプアニール装置においては、基板を、例えば、1000℃ないし1100℃程度の温度に加熱(アニール)することにより、基板のイオン活性化を実行している。そして、このような熱処理装置においては、ハロゲンランプより照射される光のエネルギーを利用することにより、毎秒数百度程度の速度で基板を昇温する構成となっている。
一方、近年、半導体デバイスの高集積化が進展し、ゲート長が短くなるにつれて接合深さも浅くすることが望まれている。しかしながら、毎秒数百度程度の速度で基板を昇温する上記ランプアニール装置を使用して基板のイオン活性化を実行した場合においても、基板に打ち込まれたボロンやリン等のイオンが熱によって深く拡散するという現象が生ずることが判明した。このような現象が発生した場合においては、接合深さが要求よりも深くなり過ぎ、良好なデバイス形成に支障が生じることが懸念される。
このため、キセノンフラッシュランプ等を使用して基板の表面に閃光を照射することにより、イオンが注入された基板の表面のみを極めて短時間(数ミリセカンド以下)に昇温させる技術が提案されている。キセノンフラッシュランプの放射分光分布は紫外域から近赤外域であり、従来のハロゲンランプよりも波長が短く、シリコンの基板の基礎吸収帯とほぼ一致している。よって、キセノンフラッシュランプから基板に閃光を照射したときには、透過光が少なく基板を急速に昇温することが可能である。また、数ミリセカンド以下の極めて短時間の閃光照射であれば、基板の表面近傍のみを選択的に昇温できることも判明している。このため、キセノンフラッシュランプによる極短時間の昇温であれば、イオンを深く拡散させることなく、イオン活性化のみを実行することができるのである。このようなキセノンフラッシュランプを使用した熱処理装置の構成例は、例えば特許文献1に記載されている。
特開2004−140318号公報
キセノンフラッシュランプを使用した熱処理装置において、複数のキセノンフラッシュランプを列設した領域は、基板の面積よりもかなり大きいのであるが、それにもかかわらず基板の周縁部における照度はそれよりも内側部における照度と比較すると多少低下することとなっていた。特に、φ300mmの大径基板では、ウェハー周縁部における照度低下の程度が大きく、面内照度分布は良くなかった。また、ウェハーの径方向に沿った温度分布の不均一のみならず、同一半径の周方向に沿った温度分布の不均一も存在することが判明している。具体的には、基板の周縁部の一部のみにコールドスポットと称される低温領域が生じることがあった。
また、キセノンフラッシュランプによるフラッシュ加熱を行う前には、ホットプレートやハロゲンランプ等を使用して基板の予備加熱が行われる。ホットプレートは、安全かつある程度は均一に基板を昇温できるという利点があるものの、昇温可能な温度に限界があるため、適用範囲に限界がある。一方、ハロゲンランプを使用すれば600度以上の昇温が実現可能である。フラッシュ加熱前に、基板を予備的に600度以上の高温領域まで昇温させておくことができれば、フラッシュ加熱に求められる昇温幅をその分小さくすることができる。すなわち、キセノンフラッシュランプによって基板に与えるべきエネルギーを小さくすることができる。これによって、フラッシュ加熱において基板に生じる熱応力を小さくすることが可能となり、フラッシュ加熱における基板の割れの発生を防止することができる。しかしながら、ハロゲンランプを用いる構成では、基板を均一に昇温させることが非常に困難であり、予備昇温においても基板の表面領域の一部のみにホットスポットと称される高温領域やコールドスポットが生じてしまう。
この発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、熱処理時における基板上の温度分布の面内均一性を向上させることができる熱処理装置を提供することを目的とする。
請求項1の発明は、基板に対して光を照射することによって当該基板を加熱処理する熱処理装置であって、柱体形状の筐体と、前記筐体の内部にて、前記柱体の底面と平行な姿勢で基板を保持する保持手段と、それぞれが、前記保持手段に保持された基板と所定の距離だけ離間した位置から前記基板に向けて光を照射する1以上の光照射手段と、を備え、前記1以上の光照射手段が、それぞれが前記柱体の底面と平行な所定の平面上から前記基板の全体に向けて光を照射する1以上の処理用光照射手段と、それぞれが前記柱体の側面上の所定位置から前記基板の局所領域に向けて光を照射する1以上の調整用光照射手段と、を備え、前記熱処理装置が、前記1以上の調整用光照射手段のうちの所定の調整用光照射手段の姿勢を変更することにより当該調整用光照射手段の光の照射方向を変更させる照射方向変更手段と、前記1以上の処理用光照射手段による基板の加熱処理において前記基板の一部に低温領域が生じる場合に、前記照射方向変更手段を制御して、前記所定の調整用光照射手段に前記低温領域に向けて光を照射させる照射位置制御手段と、を備える。
請求項2の発明は、基板に対して光を照射することによって当該基板を加熱処理する熱処理装置であって、柱体形状の筐体と、前記筐体の内部にて、前記柱体の底面と平行な姿勢で基板を保持する保持手段と、それぞれが、前記保持手段に保持された基板と所定の距離だけ離間した位置から前記基板に向けて光を照射する1以上の光照射手段と、を備え、前記1以上の光照射手段が、それぞれが前記柱体の底面と平行な所定の平面上から前記基板の全体に向けて光を照射する1以上の処理用光照射手段と、それぞれが、前記1以上の処理用光照射手段のうちの所定の処理用光照射手段と同一の平面上から前記基板の局所領域に向けて光を照射する1以上の調整用光照射手段と、を備え、前記熱処理装置が、前記1以上の調整用光照射手段のうちの所定の調整用光照射手段の姿勢を変更することにより当該調整用光照射手段の光の照射方向を変更させる照射方向変更手段と、前記1以上の処理用光照射手段による基板の加熱処理において前記基板の一部に低温領域が生じる場合に、前記照射方向変更手段を制御して、前記所定の調整用光照射手段に前記低温領域に向けて光を照射させる照射位置制御手段と、を備える。
請求項3の発明は、請求項2に記載の熱処理装置であって、前記1以上の調整用光照射手段のそれぞれが、前記所定の処理用光照射手段が備える光源と異なる種類の光源、
を備える。
請求項4の発明は、請求項2または3に記載の熱処理装置であって、前記1以上の調整用光照射手段のそれぞれが、前記所定の処理用光照射手段が備える光源の発光形状と異なる発光形状の光源、を備える。
請求項の発明は、請求項1からのいずれかに記載の熱処理装置であって、前記1以上の調整用光照射手段のうちの所定の調整用光照射手段から出射される光線の広がり角を変更させることによって、前記所定の調整用光照射手段から出射された光線が基板上に入射する領域である調整光照射領域のサイズを変更する照射領域サイズ変更手段、を備える。
請求項の発明は、請求項に記載の熱処理装置であって、前記照射領域サイズ変更手段が、光軸を前記所定の調整用光照射手段の光の照射方向と一致させた姿勢で配置される調整用レンズと、前記調整用レンズを前記光軸に沿って移動させることによって、前記所定の調整用光照射手段と前記調整用レンズとの離間距離を変更する調整用レンズ位置変更手段と、を備える。
請求項の発明は、請求項またはに記載の熱処理装置であって、前記1以上の処理用光照射手段による基板の加熱処理において前記基板の一部に低温領域が生じる場合に、前記照射領域サイズ変更手段を制御して、前記調整光照射領域が前記低温領域に応じたサイズとなるように前記広がり角を変更させる照射領域制御手段、を備える。
請求項の発明は、請求項1からのいずれかに記載の熱処理装置であって、前記1以上の調整用光照射手段のうちの所定の調整用光照射手段が、ハロゲンランプ、を備える。
請求項の発明は、請求項1からのいずれかに記載の熱処理装置であって、前記1以上の調整用光照射手段のうちの所定の調整用光照射手段が、レーザ光源、を備え、前記照射位置制御手段が、前記レーザ光源から照射されるレーザ光で、前記低温領域を走査させる。
請求項10の発明は、請求項1からのいずれかに記載の熱処理装置であって、前記1以上の処理用光照射手段のうちの所定の処理用光照射手段が、閃光を照射するフラッシュランプ、を備える。
請求項11の発明は、請求項1から10のいずれかに記載の熱処理装置であって、前記1以上の処理用光照射手段のうちの所定の処理用光照射手段が、ハロゲンランプ、を備える。
請求項12の発明は、請求項1から11のいずれかに記載の熱処理装置であって、前記処理用光照射手段を複数備え、複数の前記処理用光照射手段のうち、前記基板の第1の主面側に設けられた第1の処理用光照射手段が、閃光を照射するフラッシュランプ、を備え、複数の前記処理用光照射手段のうち、前記基板の第2の主面側に設けられた第2の処理用光照射手段が、ハロゲンランプ、を備え、前記1以上の調整用光照射手段が、前記基板の前記第1の主面側に設けられる。
請求項1、2の発明によると、基板の全体に向けて光を照射する処理用光照射手段の他に、基板の局所領域に向けて光を照射する調整用光照射手段を備えるので、処理用光照射手段による熱処理において基板に温度分布の不均一領域が生じる場合であっても、調整用光照射手段を用いて基板を局所的に加熱することによって当該温度分布の不均一を解消することができる。これにより、熱処理時における基板上の温度分布の面内均一性を向上させることができる。
また、請求項1、2の発明によると、調整用光照射手段の光の照射方向を変更させる照射方向変更手段を備えるので、調整用光照射手段からの光の出射方向を任意に変更することができる。したがって、処理用光照射手段による熱処理において基板に温度分布の不均一領域が生じる場合であっても、調整用光照射手段に、当該領域に向けて確実に光を照射させることができる。これにより、熱処理時における基板上の温度分布の面内均一性を大きく向上させることができる。
特に、請求項1の発明によると、調整用光照射手段と処理用光照射手段とが互いに異なる面上に配置されるので、調整用光照射手段が処理用光照射手段から熱的影響を受けにくい。
請求項3の発明によると、所定の処理用光照射手段と同一の平面上から基板の局所領域に向けて光を照射する調整用光照射手段の備える光源が、当該所定の処理用光照射手段が備える光源と異なる種類の光源であるので、当該所定の処理用光照射手段による熱処理において生じた温度分布の不均一を有効に解消することができる。
請求項4の発明によると、所定の処理用光照射手段と同一の平面上から基板の局所領域に向けて光を照射する調整用光照射手段の備える光源の発光形状が、当該所定の処理用光照射手段が備える光源の発光形状と異なるので、当該所定の処理用光照射手段による熱処理において生じた温度分布の不均一を有効に解消することができる。
請求項の発明によると、調整用光照射手段から出射される光線の広がり角を変更させることによって、調整用光照射手段から出射された光線が基板上に入射する領域である調整光照射領域のサイズを変更する照射領域サイズ変更手段を備えるので、調整光照射領域のサイズを任意に調整することができる。したがって、処理用光照射手段による熱処理において基板に温度分布の不均一領域が生じる場合であっても、調整用光照射手段に、当該領域に応じたサイズの調整光照射領域を形成させることができる。これにより、熱処理時における基板上の温度分布の面内均一性を大きく向上させることができる。

この発明の実施の形態に係る熱処理装置について図面を参照しながら説明する。この発明の実施の形態に係る熱処理装置100は、略円形の基板Wに閃光(フラッシュ光)を照射してその基板Wを加熱するフラッシュランプアニール装置である。
〈1.熱処理装置の全体構成〉
はじめに、この発明の実施の形態に係る熱処理装置の全体構成について、図1、図2を参照しながら説明する。図1は、熱処理装置100の構成を示す側断面図である。図2(a)および図2(b)は、熱処理装置100を図1の矢印Q1方向および矢印Q2方向からそれぞれみた縦断面図である。
熱処理装置100は、柱体(この実施の形態においては、六角柱)形状のチャンバー5を備える。チャンバー5は、六角筒状のチャンバー側部51、チャンバー側部51の上部を覆うチャンバー蓋部52、および、チャンバー側部51の下部を覆うチャンバー底部53によって構成される。チャンバー側部51には、基板Wの搬入および搬出を行うための搬送開口部511が形成されている。搬送開口部511は、軸512を中心に回動するゲートバルブ513により開閉可能とされる。搬送開口部511は、後述する反射体1の側壁面をも貫通して形成されており、ゲートバルブ513が開放位置(図1の仮想線位置)におかれることによって、搬送開口部511を通じて反射体1の筒内部に基板Wを搬出入することが可能となる(矢印AR5)。一方、ゲートバルブ513が閉鎖位置(図1の実線位置)におかれると、チャンバー5の内部が密閉空間とされる。
また、熱処理装置100は、筒状(より具体的には、チャンバー側部51と断面相似形の筒状であり、本実施の形態においては六角筒状)に形成された反射体1を備える。反射体1は、チャンバー5内部であって、チャンバー側部51の内側面に沿って配置される。反射体1は、6枚の反射板11によって6角形の筒状に形成されており、各反射板11は反射率が十分に高い部材(例えば、アルミニウム等)により形成されている。もしくは、内側表面に反射率を高めるコーティング(例えば、金の非拡散コーティング)がなされている。後述する光照射部3,4から照射された光線の一部は、反射板11の内側表面で反射されて後述する保持部2に保持される基板Wに入射する。これによって、光照射部3,4から発生した光エネルギーが無駄なく基板Wの熱処理に用いられることになる。
また、熱処理装置100は、チャンバー5の内部において基板Wを水平に(すなわち、柱体であるチャンバー5の底面を形成するチャンバー蓋部52およびチャンバー底部53と平行な姿勢で)保持する保持部2を備える。保持部2は、基板Wの直径よりも若干大きな直径を有するリング状の部材であり、その内側端面には、基板Wの裏面を点で支持する支持部材21が複数個(例えば4個)形成されている。保持部2に保持される基板Wは、これら複数個の支持部材21によって裏面側から支持される。
また、熱処理装置100は、反射体1の筒内部に配置され、保持部2に保持された基板Wと所定の距離だけ離間した位置から当該基板Wに向けて光を照射することにより基板Wを加熱する3つの光照射部3,4,6を備える。
第1の光照射部(第1光照射部3)は、柱体であるチャンバー5の底面(チャンバー蓋部52およびチャンバー底部53)と平行な平面上から(より具体的には、チャンバー5の底面と平行で、保持部2に保持された基板Wの下側であって基板Wと100mm以上離間した平面上から)、基板Wの全体に向けて光を照射する。そして、その光エネルギーによって基板Wの表面領域全体を所定の予備加熱温度まで昇温させる(予備加熱処理)。第1光照射部3は、複数のハロゲンランプ31およびリフレクタ32を有する。複数のハロゲンランプ31は、それぞれが長尺の円筒形状を有する棒状ランプであり、それぞれの長手方向が保持部2に保持される基板Wの主面に沿って互いに平行となるように平面状に配列されている。リフレクタ32は、複数のハロゲンランプ31の下方にそれら全体を覆うように設けられ、その表面はブラスト処理により粗面化加工が施されて梨地模様を呈する。
ハロゲンランプ31は、ガラス管内部に配設されたフィラメントに通電することでフィラメントを白熱化させて発光させるフィラメント方式の光源である。ガラス管内部には、窒素やアルゴン等の不活性ガスにハロゲン元素(ヨウ素、臭素等)を微量導入したものが封入されている。ハロゲン元素を導入することによって、フィラメントの折損を抑制しつつフィラメントの温度を高温に設定することが可能となる。したがって、ハロゲンランプ31は、通常の白熱電球に比べて寿命が長くかつ強い光を連続的に照射できるという特徴を有する。
第2の光照射部(第2光照射部4)は、柱体であるチャンバー5の底面と平行な平面上から(より具体的には、チャンバー5の底面と平行で、保持部2に保持された基板Wの上側であって基板Wと100mm以上離間した平面上から)、基板W(より具体的には、第1光照射部3により予備加熱された基板W)の全体に向けて光を照射する。そして、その光エネルギーによって基板Wの表面領域全体を短時間に昇温させる(フラッシュ加熱処理)。第2光照射部4は、複数(例えば、30本)のキセノンフラッシュランプ(以下、単に「フラッシュランプ」という)41およびリフレクタ42を有する。複数のフラッシュランプ41は、それぞれが長尺の円筒形状を有する棒状ランプであり、それぞれの長手方向が保持部2に保持される基板Wの主面に沿って互いに平行となるように平面状に配列されている。リフレクタ42は、複数のフラッシュランプ41の上方にそれら全体を覆うように設けられ、その表面はブラスト処理により粗面化加工が施されて梨地模様を呈する。
キセノンフラッシュランプ41は、その内部にキセノンガスが封入されその両端部にコンデンサーに接続された陽極および陰極が配設されたガラス管と、該ガラス管の外周面上に巻回されたトリガー電極とを備える。キセノンガスは電気的には絶縁体であることから、通常の状態ではガラス管内に電気は流れない。しかしながら、トリガー電極に高電圧を印加して絶縁を破壊した場合には、コンデンサーに蓄えられた電気がガラス管内に瞬時に流れ、そのときのジュール熱でキセノンガスが加熱されて光が放出される。このキセノンフラッシュランプ41においては、予め蓄えられていた静電エネルギーが0.1ミリセカンドないし10ミリセカンドという極めて短い光パルスに変換されることから、連続点灯の光源に比べて極めて強い光を照射し得るという特徴を有する。
第3の光照射部(第3光照射部6)は、柱体であるチャンバー5の側面(チャンバー側部51)上から、基板Wの局所領域に向けて光を照射する。そして、その光エネルギーによって基板Wを局所的に昇温させる。より具体的には、予備加熱処理およびフラッシュ加熱処理(以下において単に「熱処理」という)において基板Wの表面に低温領域(コールドスポットC)が生じる場合、当該コールドスポットCの形成領域に向けて光を照射し、当該領域を局所的に昇温させることによって、当該コールドスポットCを消滅させる(もしくは、その発生を未然に防止する)。第3光照射部6の構成については、後により具体的に説明する。
なお、光照射部3,4と保持部2との間には、光照射部3,4のそれぞれと保持部2に保持された基板Wとを分離された空間におくための雰囲気遮断部材を設けてもよい。ただし、この雰囲気遮断部材は光を透過させる部材(例えば、石英)を用いて形成する必要がある。雰囲気遮断部材を設けることによって、光照射部3,4にて発生したパーティクル等によって保持部2に保持された基板Wが汚染されるのを防止することができる。
また、熱処理装置100は、上記の各構成を制御する制御部91と、ユーザインターフェイスである操作部92および表示部93を備える。操作部92および表示部93はチャンバー5の外部に配置され、ユーザから各種の指示をチャンバー5の外部にて受け付ける。制御部91は、操作部92および表示部93から入力された各種の指示に基づいて熱処理装置100の各構成を制御する。
〈2.第3光照射部6の構成〉
第3光照射部6について、引き続き図1、図2を参照しながら具体的に説明する。
〈調整用ランプ61〉
第3光照射部6は、保持部2に保持された基板Wに向けて光を照射する光源である調整用ランプ61を備える。調整用ランプ61は、例えば、点光源状のハロゲンランプにより構成される。
調整用ランプ61は、チャンバー側部51の内壁面であって、保持部2に保持された基板の上面の高さ位置から所定距離(離間距離H)だけ離間した高さ位置に、反射体1を貫通して(すなわち、光の出射口が反射体1の筒内部に位置するように)配設される。ただし、この離間距離Hは、なるべく大きな値に設定することが望ましい。なぜなら、調整用ランプ61から出射された光線が基板Wに入射する際の入射角θは、離間距離Hが小さくなれば相対的に大きくなってしまうところ、入射角θが大きくなると、基板W表面で光束が大きく広がってしまい、調整光照射領域Sの領域サイズを適切に制御することが困難になるからである。(ただし、「調整光照射領域S」とは、調整用ランプ61から出射された光線が保持部2に保持された基板W上に入射する領域をいう。)したがって、調整用ランプ61は、フラッシュランプ41からの熱的影響を受けない限度において、なるべく高い位置に配設されることが望ましい。例えば、処理対象とされる基板Wの直径が300mmの場合、離間距離Hは200mm以上であることが望ましい。
〈照射方向変更機構62〉
第3光照射部6は、調整用ランプ61の姿勢を変更することによって、調整用ランプ61から照射される光の照射方向を変更する照射方向変更機構62を備える。照射方向変更機構62は、例えば、調整用ランプ61の固定端(チャンバー側部51の内壁面に固定的に取り付けられた端部)に対する調整用ランプ61の光出射口の位置を変更することによって調整用ランプ61の姿勢を変更する。この場合、調整用ランプ61の光出射口と固定端との間に、曲げを可能とする蛇腹構造611を形成しておけばよい。
制御部91が備える照射位置制御部911は、例えば加熱処理を施された基板Wの温度を計測する温度センサ(図示省略)からの検出結果に応じて、もしくは、操作部92および表示部93を介してオペレータから入力された指示に応じて、照射方向変更機構62を駆動制御して、調整用ランプ61から照射される光の照射方向を調整する。すなわち、基板W上に形成される調整光照射領域Sを適切な位置に移動させる(図1の調整光照射領域Sa)。
例えば、熱処理に係る基板Wの表面温度を計測する温度センサ等による計測結果から、図2(b)に示すように、熱処理後の基板W上の特定の領域に温度不均一領域(ここでは特に、低温領域であるコールドスポットC)が形成されることが判明した場合、照射位置制御部911は、照射方向変更機構62を制御して、調整用ランプ61から照射される光が当該領域に入射するように、調整用ランプ61の姿勢を調整する。すなわち、調整用ランプ61が基板W上に形成する調整光照射領域Sを、コールドスポットCの形成領域まで移動させる。調整光照射領域Sは、調整用ランプ61から出射される光エネルギーによって昇温されることとなり、これにより当該コールドスポットCが消滅する(もしくは、その発生が未然に防止される)。
〈照射領域サイズ変更機構63〉
第3光照射部6は、調整用ランプ61から出射される光束の広がり角を変更することによって、調整用ランプ61から照射される光が基板W上に形成する調整光照射領域Sのサイズを変更する照射領域サイズ変更機構63を備える。
照射領域サイズ変更機構63は、例えば各種の光学系にて形成される。この実施の形態においては、照射領域サイズ変更機構63は、その光軸が調整用ランプ61から出射される光の方向と一致するような姿勢で配置されるレンズ631と、このレンズ631を光軸に沿って移動させることによって、調整用ランプ61とレンズ631との離間距離を変更するレンズ位置変更部632とを備える。レンズ位置変更部632がこの離間距離を変更すると、調整用ランプ61から出射される光束の広がり度合いが(ひいては、調整光照射領域Sのサイズが)変更される。レンズ631として、凸レンズ、凹レンズ等の各種のレンズを用いることができる。また、複数個のレンズを組み合わせて用いてもよい。
制御部91が備える照射領域制御部912は、例えば加熱処理を施された基板Wの温度を計測する温度センサ(図示省略)からの検出結果に応じて、もしくは、操作部92および表示部93を介してオペレータから入力された指示に応じて、照射領域サイズ変更機構63を駆動制御して(より具体的には、レンズ位置変更部632を駆動制御してレンズ631と調整用ランプ61との離間距離を適切な値に調整して)、調整用ランプ61から照射される光束の広がり角を調整する。すなわち、基板W上に形成される調整光照射領域Sを適切なサイズに調整する(図1の調整光照射領域Sb)。
例えば、温度センサ等による計測結果から、図2(b)に示すように、熱処理後の基板W上の特定の領域に温度不均一領域(ここでは特に、コールドスポットC)が形成されることが判明した場合、照射領域制御部912は、照射領域サイズ変更機構63を制御して、調整用ランプ61が基板W上に形成する調整光照射領域Sのサイズを、コールドスポットCに応じたサイズに変更する。特に好ましくは、コールドスポットCと同程度のサイズに変更する。調整光照射領域Sは、調整用ランプ61から出射される光エネルギーによって昇温されることとなり、これによりコールドスポットCが消滅する(もしくは、その発生が未然に防止される)。
〈3.熱処理装置の動作〉
次に、熱処理装置100における基板Wの処理手順について図3を参照しながら説明する。図3は、熱処理装置100にて実行される処理の流れを示す図である。ここで処理対象となる基板Wはイオン注入法により不純物が添加された半導体基板であり、添加された不純物の活性化が熱処理装置100による熱処理により行われる。なお、以下の処理動作は、制御部91が所定のタイミングで各構成を制御することによって行われる。
はじめに、イオン注入後の基板Wを熱処理装置100内に搬入する(ステップS1)。より具体的には、制御部91が駆動手段(図示省略)を制御して、ゲートバルブ513を開放位置におく。これにより搬送開口部511が開放される。続いて、装置外部の搬送ロボットが、イオン注入後の基板Wを搬送開口部511を通じてチャンバー5内に搬入して、保持部2上に載置する。基板Wが保持部2上に載置されると、制御部91が再び駆動手段(図示省略)を制御して、ゲートバルブ513を閉鎖位置におく。これにより搬送開口部511が閉鎖され、チャンバー5内部が密閉空間とされる。
続いて、保持部2に保持された基板Wを予備加熱する(ステップS2)。より具体的には、制御部91が第1光照射部3を制御して、保持部2に保持された基板Wに向けて光を照射させる。この光エネルギーによって基板Wが所定の予備加熱温度まで昇温される。このとき、第1光照射部3のハロゲンランプ31から放射される光は直接に、もしくは、反射板11や反射カバー32等で反射されながら、保持部2に保持された基板Wへと向かい、これらの光照射により基板Wの予備加熱が行われる。
後述するフラッシュ加熱の前に第1光照射部3により基板Wを予備加熱しておくことにより、後述するフラッシュランプ41からの閃光照射において基板Wの表面温度を処理温度まで容易に上昇させることができる。特に、この実施の形態においては、ハロゲンランプ31を用いて予備加熱を行うので、ホットプレート等を用いた場合に比べて高温(例えば、600度以上)領域まで基板Wを予備昇温させておくことができる。これにより、フラッシュ加熱における昇温幅を小さくすることが可能となり、フラッシュ加熱における基板の割れの発生を防止することができる。
続いて、基板Wに対する局所的な加熱処理を行うことにより、基板Wの表面温度を調整する(ステップS3)。より具体的には、制御部91が第3光照射部6を制御して、保持部2に保持された基板Wの特定領域(例えば、熱処理においてコールドスポットCが形成されやすいと判明している領域)に向けて光を照射させる。この光エネルギーによって当該特定領域が所定の処理加熱温度まで昇温され、これにより基板W表面温度の面内均一性が向上する。
ただし、照射位置制御部911および照射領域制御部912は、ステップS3の処理が開始される前に、照射方向変更機構62および照射領域サイズ変更機構63をそれぞれ駆動制御して、適切な位置に適切なサイズの調整光照射領域Sが形成されるように、調整用ランプ61の姿勢およびレンズ631の位置を予め調整しているものとする。例えば、熱処理後の基板W上の特定の領域にコールドスポットCが生じやすいことが事前に判明している場合は、当該領域に調整光照射領域Sが形成されるように調整を行う。この調整は、遅くともステップS3の処理が開始される時点において完了していればよく、例えば、ステップS1の処理を開始する前に行えばよい。また、局所的な加熱処理を行う直前に基板表面の温度を温度センサ等により計測し、得られた計測結果に基づいて調整を行う構成としてもよい。
続いて、保持部2に保持された基板Wをフラッシュ加熱する(ステップS4)。より具体的には、制御部91が第2光照射部4を制御して、保持部2に保持された基板Wに向けて閃光(フラッシュ光)を照射させる。この光エネルギーによって基板Wが所定の処理加熱温度まで昇温される。このとき、第2光照射部4のフラッシュランプ41から放射される光の一部は直接に保持部2に保持された基板Wへと向かい、他の一部は一旦反射板11や反射カバー42により反射されてから基板Wへと向かう。これらの閃光照射により基板Wのフラッシュ加熱が行われる。
フラッシュ加熱は、フラッシュランプ41からの閃光照射により行われるため、基板Wの表面温度を短時間で上昇することができる。すなわち、第2光照射部4のフラッシュランプ41から照射される閃光は、予め蓄えられていた静電エネルギーが極めて短い光パルスに変換された、照射時間が0.1ミリ秒ないし10ミリ秒程度の極めて短く強い閃光である。そして、フラッシュランプ41からの閃光照射によりフラッシュ加熱される基板Wの表面温度は、瞬間的に所定の処理温度(例えば、1000℃ないし1100℃程度)まで上昇し、基板Wに添加された不純物が活性化された後、表面温度が急速に下降する。このように、熱処理装置100では、基板Wの表面温度を極めて短時間で昇降することができるため、基板Wに添加された不純物の熱による拡散(この拡散現象を、基板W中の不純物のプロファイルがなまる、ともいう)を抑制しつつ不純物の活性化を行うことができる。なお、添加不純物の活性化に必要な時間はその熱拡散に必要な時間に比較して極めて短いため、0.1ミリセカンドないし10ミリセカンド程度の拡散が生じない短時間であっても活性化は完了する。
以上の処理が終了すると、基板Wを熱処理装置100内から搬出する(ステップS5)。より具体的には、制御部91が駆動手段(図示省略)を制御してゲートバルブ513を開放位置におく。続いて、装置外部の搬送ロボットが、基板Wを搬送開口部511を通じてチャンバー5内から搬出する。以上で、熱処理装置100における基板Wの処理が終了する。
〈4.効果〉
上記の実施の形態に係る熱処理装置100は、基板Wの全体に向けて光を照射して基板Wに対する熱処理(予備加熱処理およびフラッシュ加熱処理)を行う第1および第2の光照射部3,4の他に、基板Wの局所領域に向けて光を照射して基板Wの表面温度を調整する第3の光照射部6を備える。したがって、熱処理において基板Wに温度分布の不均一領域が生じる場合であっても、第3光照射部6を用いて基板Wを局所的に加熱することによって、当該温度分布の不均一を解消することができる。これにより、熱処理時における基板W上の温度分布の面内均一性を向上させることができる。
また、熱処理装置100においては、調整用ランプ61がチャンバー側部51に配設される。すなわち、調整用ランプ61が、第1光照射部3の備えるハロゲンランプ31の配設平面および第2光照射部4の備えるフラッシュランプ41の配設平面のいずれとも異なる面上に配置される。したがって、調整用ランプ61がハロゲンランプ31やフラッシュランプ41から熱的影響を受けにくい。
特に、調整用ランプ61を、チャンバー側部51の上側(すなわち、フラッシュランプ41側)に配設することによって、調整用ランプ61がハロゲンランプ31から受ける熱的影響を低減することができる。すなわち、一瞬の閃光で基板Wを熱処理するフラッシュランプ41に対して、ハロゲンランプ31はある一定時間連続点灯されることによって基板Wを熱処理するため、ハロゲンランプ31の配設領域の近傍は非常に高温となってしまうところ、調整用ランプ61をチャンバー側部51の上側に配設することによって、調整用ランプ61がハロゲンランプ31からの熱的影響を受けて昇温することを防止できる。
また、熱処理装置100においては、調整用ランプ61の光の照射方向を変更させる照射方向変更機構62を備えるので、調整用ランプ61からの光の出射方向を任意に調整することができる。さらに、調整用ランプ61から出射される光線の広がり角を変更させることによって、調整光照射領域Sのサイズを変更する照射領域サイズ変更機構63を備えるので、調整光照射領域Sのサイズを任意に調整することができる。したがって、調整用ランプ61から出射される光を、熱処理において基板Wに形成されるコールドスポットC領域に確実に入射させることができる。これにより、コールドスポットCを確実に消滅させて(もしくは、その発生を未然に防止して)、熱処理時における基板W上の温度分布の面内均一性を大きく向上させることができる。
〈5.その他の実施の形態〉
〈5−1.レーザ光源〉
上記の実施の形態に係る熱処理装置100においては、調整用ランプ61はハロゲンランプにより構成するものとしたが、これ以外の各種の光源(例えば、レーザ光源)により構成してもよい。調整用ランプ61としてレーザ光源を用いた場合、小さく絞ったレーザー光スポットで基板W上の局所領域を走査しながら照射する構成とすることができる。これには、照射方向変更機構62を各種のレーザ走査機構により構成すればよい。
例えば、図4に示すように、熱処理において、基板W上の特定の領域(例えば、基板Wの周縁に沿って)に温度不均一領域(ここでは特に、コールドスポットC)が形成されることが判明した場合、照射位置制御部911は、照射方向変更機構62を制御して、調整用ランプ61から照射されるレーザ光で当該領域を走査させる。レーザ光の走査領域(すなわち、調整光照射領域S)は光エネルギーによって昇温されることとなり、これにより当該コールドスポットCが消滅する(もしくは、その発生が未然に防止される)。
この構成によると、任意の形状の調整光照射領域Sを形成することができるので、例えば、基板Wの周縁部領域に沿って形成された円環状のコールドスポットC等も確実に消滅させることができる。
〈5−2.第1光照射部3側に調整用ランプ61を配設〉
上記の実施の形態に係る熱処理装置100においては、第3光照射部6の備える調整用ランプ61が、保持部2と第2光照射部4との間のチャンバー側部51に設けられるものとしたが(図1参照)、図5に示すように、保持部2と第1光照射部3との間のチャンバー側部51に設けてもよい(第3光照射部6a、調整用ランプ61a)。ただし、図5は、この変形例に係る熱処理装置100aの構成を示す側断面図である。
〈5−3.光照射部3,4と同一の平面に調整用ランプ61を配設〉
上記の実施の形態に係る熱処理装置100においては、調整用ランプ61は、チャンバー側部51に設けられるものとしたが、図6に示すように、フラッシュランプ41が配設された平面上に設けてもよい(第3光照射部6b、調整用ランプ61b)。ただし、図6はこの変形例に係る熱処理装置100bの構成を示す側断面図である。
また、図7,図8に示すように、ハロゲンランプ31が配設された平面上に設けてもよい(第3光照射部6c、調整用ランプ61c)。ただし、図7はこの変形例に係る熱処理装置100cの構成を示す側断面図である。また、図8は、熱処理装置100cを図7の矢印Q3方向からみた縦断面図である。
調整用ランプ61を、ハロゲンランプ31もしくはフラッシュランプ41が配設された平面上に設ける場合、調整用ランプ61として、これと同一平面に設けられたランプ(以下において「隣接ランプ」という)とは異なる種類の光源を用いることが望ましい。調整用ランプ61として、隣接ランプと異なる種類の光源を用いれば、調整用ランプ61による加熱パターンが、隣接ランプと異なるものとなるので、隣接ランプによる熱処理において生じる温度分布の不均一を有効に解消することができる。
例えば、図7に示されるように、調整用ランプ61をハロゲンランプ31が配設された平面上に設ける場合(すなわち、隣接ランプがハロゲンランプ31の場合)、調整用ランプ61としてハロゲンランプ以外の種類の光源(例えばレーザ光源)を用いることが望ましい。
また、調整用ランプ61を、ハロゲンランプ31もしくはフラッシュランプ41が配設された平面上に設ける場合、調整用ランプ61として、隣接ランプとは異なる形状(発光形状)の光源を用いることが望ましい。調整用ランプ61として、隣接ランプと異なる発光形状の光源を用いれば、調整用ランプ61による加熱パターンが、隣接ランプと異なるものとなるので、隣接ランプによる熱処理において生じる温度分布の不均一を有効に解消することができる。
例えば、図7に示されるように、調整用ランプ61を棒状のハロゲンランプ31が配設された平面上に設ける場合(すなわち、隣接ランプの形状が棒状の場合)、図8に示すように、調整用ランプ61として棒状以外の光源(例えば、点光源)を用いることが望ましい。
つまり、ハロゲンランプ31もしくはフラッシュランプ41が配設された平面上に調整用ランプ61を設ける場合、調整用ランプ61として、種類・発光形状の少なくとも一方が隣接ランプと異なる光源を用いることによって、熱処理において生じる温度分布の不均一を有効に解消することができる。
〈5−4.その他〉
上記の実施の形態に係る熱処理装置100においては、1個の第3光照射部6を備える構成としたが、複数個の第3光照射部6を備える構成としてもよい。例えば、チャンバー側部51に設けられた調整用ランプ61を有する第3光照射部6(図1参照)と、チャンバー蓋部52に設けられた調整用ランプ61bを有する第3光照射部6b(図6参照)との両方を備える構成としてもよい。
また、上記の実施の形態に係る熱処理装置100においては、第3光照射部6は1個の調整用ランプ61を備える構成としたが、複数個の調整用ランプ61を備える構成としてもよい。この場合、複数個の調整用ランプ61それぞれの姿勢およびその光束の広がり角は、それぞれ別個独立に規定するものとしてもよいし、一律に規定するものとしてもよい。また、複数個の調整用ランプ61のそれぞれは、互いに隣接する位置に配設してもよいし、所定距離をおいて(例えば、同一水平面上の対向する位置に)配設してもよい。
また、上記の実施の形態においては、制御部91によって電気的に制御される照射方向変更機構62,照射領域サイズ変更機構63によって調整用ランプ61の姿勢および広がり角を変更するものとしたが、調整用ランプ61の姿勢や広がり角を変更する機構は必ずしも電気的制御によるものでなくてもよい。例えば、調整用ランプ61の出射口と接続され、出射口の位置を規定する軸(ランプ支持軸)をチャンバー5を貫通させて形成する。また、同様に、レンズ631の調整用ランプ61に対する位置を規定する軸(レンズ支持軸)をチャンバー5を貫通させて形成する。これらランプ支持軸やレンズ支持軸の位置を、チャンバー5の外部からオペレータに直接に調整させることによって調整用ランプ61の姿勢や広がり角を調整する構成としてもよい。この構成によると、オペレータは、チャンバー5の外部から、各種支持軸の位置を変更することによって、調整用ランプ61の姿勢および広がり角(ひいては、基板W上に形成される調整光照射領域Sの位置および大きさ)を所望通りに調整することができる。
また、上記の実施の形態においては、予備加熱処理が終了した後に、基板Wに対する局所的な加熱処理を行って基板Wの表面温度を調整する処理(図3のステップS3)を実行する構成としていたが、ステップS3の処理は、必ずしも予備加熱処理後に実行する必要はなく、基板Wを熱処理装置100内に搬入してから搬出するまでの間の任意のタイミングで実行することができる。例えば、予備加熱処理(図3のステップS2)と同時に、またフラッシュ加熱処理(図3のステップS4)の終了後に、表面温度を調整する処理を開始するとしてもよい。
また、上記の実施の形態においては、チャンバー5は、六角柱であるとしたが、チャンバー5の形状はこれに限らず、各種の柱体形状(例えば、円柱、四角柱、三角柱等)であってもよい。
また、上記の実施の形態においては、2つの光照射部3,4の両方が、保持部2に保持された基板Wから100mm以上離間した位置に配置されるとしたが、必ずしも両方の光照射部3,4を基板Wから100mm以上離間させなくともよい。少なくとも一方の光照射部3,4が100mm以上離間している構成を有する熱処理装置においては、上記の発明は有効に作用する。というのも、被加熱物である基板Wと光照射部との距離が大きくなるほど、基板Wを均一に加熱することが難しくなるからである。また、この距離が大きくなることは、すなわち上述した離間距離H(図1参照)を大きく設定できることを意味しており、これにより、本願発明を有効に機能させることが可能となる。
また、上記の実施の形態においては、第2光照射部4は、光源としてキセノンフラッシュランプを備える構成としたが、この光源としてハロゲンランプが用いられてもよい。
また、上記の実施の形態においては、第1光照射部3および第2光照射部4のそれぞれは、複数の棒状光源(ハロゲンランプ31、フラッシュランプ41)を備える構成としたが、光源は必ずしも棒状でなくともよい。例えば、渦巻き形状の光源を用いてもよい。また、複数個の点光源を規則的に配置してもよい。また、互いに異なる直径を有する複数個の円環状の光源を同心円に配置してもよい。
また、上記の実施の形態においては、保持部2は、リング状の部材により基板Wを支持する構成としたが、基板Wを保持する態様はこれに限らない。例えば、平板状の部材(例えば、石英により形成されたステージ)により基板Wを支持(面支持)する構成としてもよい。また、このような平板状の部材にさらに複数個の支持ピンを設け、これら複数個の支持ピンにより基板Wを支持(点支持)する構成としてもよい。また、各種形状のハンドにより支持する構成としてもよい。
熱処理装置の構成を示す側断面図である。 熱処理装置の構成を示す縦断面図である。 熱処理装置にて実行される処理の流れを示す図である。 熱処理装置の構成を示す縦断面図である。 変形例に係る熱処理装置の構成を示す側断面図である。 変形例に係る熱処理装置の構成を示す側断面図である。 変形例に係る熱処理装置の構成を示す側断面図である。 変形例に係る熱処理装置の構成を示す縦断面図である。
符号の説明
1 反射体
2 保持部
3 第1光照射部
4 第2光照射部
5 チャンバー
6 第3光照射部
61 調整用ランプ
62 照射方向変更機構
63 照射領域サイズ変更機構
91 制御部
631 レンズ
632 レンズ位置変更部
100 熱処理装置
911 照射位置制御部
912 照射領域制御部
W 基板

Claims (12)

  1. 基板に対して光を照射することによって当該基板を加熱処理する熱処理装置であって、
    柱体形状の筐体と、
    前記筐体の内部にて、前記柱体の底面と平行な姿勢で基板を保持する保持手段と、
    それぞれが、前記保持手段に保持された基板と所定の距離だけ離間した位置から前記基板に向けて光を照射する1以上の光照射手段と、
    を備え、
    前記1以上の光照射手段が、
    それぞれが前記柱体の底面と平行な所定の平面上から前記基板の全体に向けて光を照射する1以上の処理用光照射手段と、
    それぞれが前記柱体の側面上の所定位置から前記基板の局所領域に向けて光を照射する1以上の調整用光照射手段と、
    を備え
    前記熱処理装置が、
    前記1以上の調整用光照射手段のうちの所定の調整用光照射手段の姿勢を変更することにより当該調整用光照射手段の光の照射方向を変更させる照射方向変更手段と、
    前記1以上の処理用光照射手段による基板の加熱処理において前記基板の一部に低温領域が生じる場合に、前記照射方向変更手段を制御して、前記所定の調整用光照射手段に前記低温領域に向けて光を照射させる照射位置制御手段と、
    を備えることを特徴とする熱処理装置。
  2. 基板に対して光を照射することによって当該基板を加熱処理する熱処理装置であって、
    柱体形状の筐体と、
    前記筐体の内部にて、前記柱体の底面と平行な姿勢で基板を保持する保持手段と、
    それぞれが、前記保持手段に保持された基板と所定の距離だけ離間した位置から前記基板に向けて光を照射する1以上の光照射手段と、
    を備え、
    前記1以上の光照射手段が、
    それぞれが前記柱体の底面と平行な所定の平面上から前記基板の全体に向けて光を照射する1以上の処理用光照射手段と、
    それぞれが、前記1以上の処理用光照射手段のうちの所定の処理用光照射手段と同一の平面上から前記基板の局所領域に向けて光を照射する1以上の調整用光照射手段と、
    を備え
    前記熱処理装置が、
    前記1以上の調整用光照射手段のうちの所定の調整用光照射手段の姿勢を変更することにより当該調整用光照射手段の光の照射方向を変更させる照射方向変更手段と、
    前記1以上の処理用光照射手段による基板の加熱処理において前記基板の一部に低温領域が生じる場合に、前記照射方向変更手段を制御して、前記所定の調整用光照射手段に前記低温領域に向けて光を照射させる照射位置制御手段と、
    を備えることを特徴とする熱処理装置。
  3. 請求項2に記載の熱処理装置であって、
    前記1以上の調整用光照射手段のそれぞれが、
    前記所定の処理用光照射手段が備える光源と異なる種類の光源、
    を備えることを特徴とする熱処理装置。
  4. 請求項2または3に記載の熱処理装置であって、
    前記1以上の調整用光照射手段のそれぞれが、
    前記所定の処理用光照射手段が備える光源の発光形状と異なる発光形状の光源、
    を備えることを特徴とする熱処理装置。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の熱処理装置であって、
    前記1以上の調整用光照射手段のうちの所定の調整用光照射手段から出射される光線の広がり角を変更させることによって、前記所定の調整用光照射手段から出射された光線が基板上に入射する領域である調整光照射領域のサイズを変更する照射領域サイズ変更手段、
    を備えることを特徴とする熱処理装置。
  6. 請求項5に記載の熱処理装置であって、
    前記照射領域サイズ変更手段が、
    光軸を前記所定の調整用光照射手段の光の照射方向と一致させた姿勢で配置される調整用レンズと、
    前記調整用レンズを前記光軸に沿って移動させることによって、前記所定の調整用光照射手段と前記調整用レンズとの離間距離を変更する調整用レンズ位置変更手段と、
    を備えることを特徴とする熱処理装置。
  7. 請求項5または6に記載の熱処理装置であって、
    前記1以上の処理用光照射手段による基板の加熱処理において前記基板の一部に低温領域が生じる場合に、前記照射領域サイズ変更手段を制御して、前記調整光照射領域が前記低温領域に応じたサイズとなるように前記広がり角を変更させる照射領域制御手段、
    を備えることを特徴とする熱処理装置。
  8. 請求項1から7のいずれかに記載の熱処理装置であって、
    前記1以上の調整用光照射手段のうちの所定の調整用光照射手段が、
    ハロゲンランプ、
    を備えることを特徴とする熱処理装置。
  9. 請求項1から7のいずれかに記載の熱処理装置であって、
    前記1以上の調整用光照射手段のうちの所定の調整用光照射手段が、
    レーザ光源、
    を備え、
    前記照射位置制御手段が、前記レーザ光源から照射されるレーザ光で、前記低温領域を走査させることを特徴とする熱処理装置。
  10. 請求項1から9のいずれかに記載の熱処理装置であって、
    前記1以上の処理用光照射手段のうちの所定の処理用光照射手段が、
    閃光を照射するフラッシュランプ、
    を備えることを特徴とする熱処理装置。
  11. 請求項1から10のいずれかに記載の熱処理装置であって、
    前記1以上の処理用光照射手段のうちの所定の処理用光照射手段が、
    ハロゲンランプ、
    を備えることを特徴とする熱処理装置。
  12. 請求項1から11のいずれかに記載の熱処理装置であって、
    前記処理用光照射手段を複数備え、
    複数の前記処理用光照射手段のうち、前記基板の第1の主面側に設けられた第1の処理用光照射手段が、
    閃光を照射するフラッシュランプ、
    を備え、
    複数の前記処理用光照射手段のうち、前記基板の第2の主面側に設けられた第2の処理用光照射手段が、
    ハロゲンランプ、
    を備え、
    前記1以上の調整用光照射手段が、
    前記基板の前記第1の主面側に設けられることを特徴とする熱処理装置。
JP2008077132A 2008-03-25 2008-03-25 熱処理装置 Expired - Fee Related JP5497992B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008077132A JP5497992B2 (ja) 2008-03-25 2008-03-25 熱処理装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008077132A JP5497992B2 (ja) 2008-03-25 2008-03-25 熱処理装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009231662A JP2009231662A (ja) 2009-10-08
JP5497992B2 true JP5497992B2 (ja) 2014-05-21

Family

ID=41246710

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008077132A Expired - Fee Related JP5497992B2 (ja) 2008-03-25 2008-03-25 熱処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5497992B2 (ja)

Families Citing this family (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3573092B1 (en) * 2008-05-02 2021-12-22 Applied Materials, Inc. System for non radial temperature control for rotating substrates
JP5558985B2 (ja) * 2010-09-16 2014-07-23 大日本スクリーン製造株式会社 熱処理装置
JP5537615B2 (ja) * 2011-08-10 2014-07-02 ウルトラテック インク 時間平均化ライン像を形成するシステム及び方法
JP6005946B2 (ja) * 2012-02-07 2016-10-12 株式会社Screenホールディングス 熱処理装置
JP5964626B2 (ja) * 2012-03-22 2016-08-03 株式会社Screenホールディングス 熱処理装置
KR101360310B1 (ko) 2012-06-25 2014-02-12 (주) 예스티 기판의 열처리장치
JP6111614B2 (ja) * 2012-11-22 2017-04-12 信越半導体株式会社 シリコンウェーハの熱処理方法
JP6138610B2 (ja) * 2013-07-10 2017-05-31 株式会社Screenホールディングス 熱処理装置
JP5898257B2 (ja) * 2014-05-01 2016-04-06 株式会社Screenホールディングス 熱処理装置
JP5898258B2 (ja) * 2014-05-01 2016-04-06 株式会社Screenホールディングス 熱処理装置
CN113373425B (zh) * 2020-03-10 2022-06-10 宏硕系统股份有限公司 人造钻石生产装置及其微波发射模块
US11155915B1 (en) 2020-04-13 2021-10-26 Wave Power Technology Inc. Artificial diamond production device and microwave transmitting module thereof
JP7074795B2 (ja) * 2020-04-21 2022-05-24 宏碩系統股▲フン▼有限公司 合成ダイヤモンドの製造装置及びこれに用いられるマイクロ波発射モジュール
US12084759B2 (en) 2022-01-07 2024-09-10 Wave Power Technology Inc. Artificial diamond plasma production device
JP7250969B1 (ja) 2022-02-08 2023-04-03 宏碩系統股▲フン▼有限公司 人工ダイヤモンドプラズマ生成機器

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6594446B2 (en) * 2000-12-04 2003-07-15 Vortek Industries Ltd. Heat-treating methods and systems
JP2005026354A (ja) * 2003-06-30 2005-01-27 Toshiba Corp 熱処理装置,熱処理方法,半導体装置の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009231662A (ja) 2009-10-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5497992B2 (ja) 熱処理装置
JP2009164525A (ja) 熱処理装置
JP5977038B2 (ja) 熱処理装置
JP6554328B2 (ja) 熱処理装置
TWI712088B (zh) 熱處理裝置
JP2009123807A (ja) 熱処理装置
JP6138610B2 (ja) 熱処理装置
TW201909249A (zh) 熱處理裝置
JP5964630B2 (ja) 熱処理装置
KR102052276B1 (ko) 파티클 제거 방법 및 열처리 장치
JP5558985B2 (ja) 熱処理装置
JP2009123810A (ja) 熱処理装置
JP5456257B2 (ja) 熱処理装置
JP5891255B2 (ja) 熱処理装置
KR102720482B1 (ko) 열처리 장치 및 열처리 방법
JP5349802B2 (ja) 熱処理装置
JP5616006B2 (ja) 熱処理装置
JP6814572B2 (ja) 熱処理装置
JP5898258B2 (ja) 熱処理装置
JP5898257B2 (ja) 熱処理装置
JP5274846B2 (ja) 熱処理装置
JP2009231608A (ja) 熱処理装置
JP6486743B2 (ja) 熱処理装置、および熱処理装置の調整方法
JP6502713B2 (ja) 熱処理装置
CN117334601A (zh) 热处理装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20101216

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110524

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130611

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130809

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140225

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140307

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5497992

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees