JP5487915B2 - 保護板一体型液晶表示パネルの製造方法 - Google Patents
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そこで、本発明が解決しようとする課題は、液晶表示パネルと保護板とを貼り合わせる際に、接着剤をとスペーサーとの間に存在する気泡を減少させるとともに、スペーサーとスペーサーの間から接着剤を漏れ出しにくくすることである。
液晶表示パネルと、
前記液晶表示パネルの表示面上に間隔を空けて対向配置されて前記表示面を保護する保護板とが、接着剤を介して貼り合わされた保護板一体型液晶表示パネルの製造方法において、
前記表示面上に設けられた表示領域の周囲に、通気性及び液体を遮断する性質を有する材料からなる本体と該本体の上下面に設けられた粘着層とを有し、前記表示領域を囲む枠型形状に形成されたスペーサーを配置し、
次いで、前記表示面上であって前記表示領域内に硬化前の液状の前記接着剤を塗布し、
次いで、前記液晶表示パネルと前記保護板との間に前記接着剤及び前記スペーサーが介在した状態となるように前記保護板を前記表示面に重ね合わせ、
次いで、重ね合わせた状態の前記液晶表示パネルと前記保護板とのうち少なくとも一方を、前記液晶表示パネルと前記保護板とが互いに近づく方向へ加圧することにより、前記接着剤を前記表示領域内に塗り広げるとともに、前記液晶表示パネル、前記保護板及び前記スペーサーによって囲まれる空間に存在する気体のうち少なくとも一部を、前記スペーサーを通過させることにより前記空間外へ排出し、且つ、前記保護板と前記スペーサーとを接触させて、
次いで、重ね合わせた状態の前記液晶表示パネル及び前記保護板を真空チャンバー内に配置し、前記真空チャンバー内を減圧することにより、前記接着剤と前記スペーサーとの間に残された気体のうち少なくとも一部を、前記スペーサーを通して前記表示領域外へ排出し、重ね合わせた状態の前記液晶表示パネル及び前記保護板を前記真空チャンバーから取り出して大気圧の下に置いて、
次いで、前記接着剤を硬化させて前記液晶表示パネルと前記保護板とを接着することを特徴とする保護板一体型液晶表示パネルの製造方法が提供される。
好ましくは、前記接着剤は、紫外線硬化性接着剤または熱硬化性接着剤である。
好ましくは、前記液晶表示パネルは、前記保護板が配置された側の面に設けられた偏光板を有し、
前記偏光板の外周と前記スペーサーの内周とが一致するように、前記スペーサーを配置する。
図1に示したように、この液晶表示装置1は、バックライト3と、保護板6とスペーサー7と液晶ディスプレイパネルが順に重ねられて形成される保護板一体型液晶ディスプレイパネル4と、バックライト3及び保護板一体型液晶ディスプレイパネル4を内側に保持するケース2等を備えている。
保護板一体型液晶ディスプレイパネル4は、図1に示したように、液晶ディスプレイパネル5、保護板6、スペーサー7等を備え、これらが接着剤充填層8によって一体化されている。
以上のようにして、保護板一体型液晶ディスプレイパネル4並びに液晶表示装置1が構成されている。
まず、液晶ディスプレイパネル5を、製造装置のステージ(図示省略)に載置する。具体的には、液晶ディスプレイパネル5を製造装置に備えられたアーム(図示省略)で吸着し、所定位置に水平に載置する。そして、表示面51aにスペーサー7を配置する。図4に示したように、スペーサー7の粘着層72を、上面視で偏光板56の外周とスペーサー7の内周とが一致するように表示面51aの周縁部に沿って貼り付ける。すると、偏光板56がスペーサー7の内側に収まり、表示領域55がスペーサー7によって囲まれる。スペーサー7の内周は、表示領域55から僅かに離間した状態となる。このとき、スペーサー7の内周の全体を偏光板56の周縁部と当接させている。
次に、表示面51aに接着剤8aを塗布する。具体的には、図5に示したように、接着剤8aを表示面51a上であって表示領域55の中央部に塗布する。接着剤8aの塗布は製造装置に備えられた接着剤8aの吐出ノズル(図示省略)を水平方向に移動させながら行う。塗布する接着剤8aの量は、空間Sの体積とほぼ等しくなるようにする。このため、図5に示した状態の接着剤8aは、側面視で接着剤8aがスペーサー7の厚みよりも高く盛り上がった状態となる。
次に、保護板6を液晶ディスプレイパネル5に重ねる。具体的には、保護板6をアームで吸着し、液晶ディスプレイパネル5の上方に移動させ、保護板6を液晶ディスプレイパネル5に対向させる。そして、保護板6の位置及び角度を調節することにより、上面視で保護板6の外周と透明基板51の外周を一致させるとともに、保護板6を表示面51aと平行にする。位置決め後、保護板6と表示面51aとが互いに平行な状態を維持したまま保護板6を吸着しているアームを保護板6が液晶ディスプレイパネルに近づくように下ろし、保護板6をスペーサー7及び接着剤8aの上に被せる。このとき、接着剤8aがスペーサー7の厚みよりも高く盛ってあるので、保護板6がスペーサー7に接触する前に、保護板6が接着剤8aに接触する。
次に、保護板6を加圧する。具体的には、保護板6と表示面51aとが互いに平行な状態を維持しながら、保護板6に垂直且つ液晶ディスプレイパネル5へ向かう方向の圧力を、保護板6の上面全体に均一にかける。この加圧は、アームの先端に設けられた吸着部をパルスモータで上下動させることにより行う。すると、図6に示したように、接着剤8aが、保護板6と液晶ディスプレイパネル5とに圧迫されて周囲へ塗り広げられていく。このとき、保護板6とスペーサー7とはまだ離間しているので、空間Sに存在する空気はほぼ保護板6とスペーサー7の間から排出される。
加圧後もなお、空間Sの周縁部に表示領域55にかかる程度の空気が残る場合がある。そのときは、液晶ディスプレイパネル5と保護板6とを貼り合わせたものを、真空チャンバー(図示省略)内に配置し、真空チャンバー内を真空状態になるまで減圧する。真空状態とは例えば1Pa以下(7.5x10−3Torr以下)の圧力のことを言う。空間S内の空気圧は大気圧と等しくなっているため、空間Sに残された空気は、その気圧差によりスペーサー7を通過して空間Sの外へ排出される。こうすることにより、接着剤8aが更に塗り広げられて空間Sは接着剤8aでほぼ充填され、少なくとも表示領域55内からは空気が完全に除去される。なお、液晶ディスプレイパネル5と保護板6とを貼り合わせたものを真空チャンバーから取り出して大気圧の下に置いても、接着剤8aの粘性により空気がスペーサー7を通過して再び空間Sの内部に戻ることは無い。
次に、接着剤8aを硬化させる。接着剤8aが紫外線硬化性である場合には、液晶ディスプレイパネル5と保護板6とを貼り合わせたものに対して紫外線を照射する。一方、接着剤8aが熱硬化性である場合には、この貼り合わせたものを加熱する。すると、接着剤8aが硬化して、空間Sに接着剤充填層8が形成されるとともに、液晶ディスプレイパネル5と保護板6とが、スペーサー7及び接着剤充填層8を介して接着され、一体化される。
以上のようにして、保護板一体型液晶ディスプレイパネル4が製造される。
更に、液晶ディスプレイパネル5と保護板6とを貼り合わせたものを加圧した後に、真空チャンバーに配置して真空条件下に置くことにより、接着剤8aとスペーサー7との間に存在する気泡を更に減少させることができる、という効果も奏する。
更に、スペーサー7を、表示領域55を囲む枠型形状に形成することにより、貼り合わせや加圧の際に接着剤8aが漏れ出すことを完全に防ぐことができる、という効果も奏する。また、枠状のスペーサーを用いて液晶ディスプレイパネル5と保護板6とを張り合わせる場合、従来は空気が入らないように真空条件下で張り合わせを行っていたが、多孔質材料から成るスペーサーを用いたため、液晶ディスプレイパネル5と保護板6との貼り合わせを常圧下で行うことができる、という効果も奏する。
更に、スペーサー7の内周の全体を偏光板56と当接させているので、偏光板56と透明基板51との接合部の外周と硬化前の接着剤8aとが接触しづらいので、硬化前の接着剤8aが偏光板56と透明基板51との接合状態に影響を及ぼすことを抑制できる。
なお、本実施形態では、矩形枠型形状のスペーサー7を用い、表示領域55を隙間なく囲むこととしたが、図7に示したように、直方体状に形成されたスペーサー107を、表示領域55の周囲に沿って所定間隔を空けて複数並べた配置としてもよい。
スペーサー107とスペーサー107の間隔を接着剤8aの粘性に応じて調節することにより、接着剤8aをスペーサー107とスペーサー107の間から漏れ出しにくくすることができる、という効果を奏する。また、スペーサー107とスペーサー107の間から空気が容易に排出されるので、より確実に表示領域55内の空気を除去することができる、という効果も奏する。
また、液晶ディスプレイパネル5と保護板6を貼り合わせた後であって加圧を行う前に、液晶ディスプレイパネル5と保護板6とを貼り合わせたものを真空チャンバー内に配置し、真空条件下で加圧を行うようにしてもよい。
また、本実施形態では、スペーサー7を偏光板56の外側に配置したが、スペーサー7をその少なくとも一部が偏光板56と保護板6との間に介在させるように配置してもよい。更に、枠型形状のスペーサー7の内周縁の全体が偏光板56上に配置されるようにしてもよい。この場合、偏光板56と透明基板51との接合部の外周と硬化前の接着剤8aとがより接触しづらいので、硬化前の接着剤8aが偏光板56と透明基板51との接合状態に及ぼす影響をより低減できる。
また、本実施形態では、スペーサー7の内周の全体を偏光板56と当接させているが、スペーサー7の内周の少なくとも一部が偏光板56と当接していなくてもよい。この場合、スペーサー7を表示面51aに容易に配置することができる。
5 液晶ディスプレイパネル
51,52 透明基板
51a 表示面
55 表示領域
56 偏光板
6 保護板
7,107 スペーサー
71 本体
72,73 粘着層
8 接着剤充填層
8a 接着剤
S 空間
Claims (4)
- 液晶表示パネルと、
前記液晶表示パネルの表示面上に間隔を空けて対向配置されて前記表示面を保護する保護板とが、接着剤を介して貼り合わされた保護板一体型液晶表示パネルの製造方法において、
前記表示面上に設けられた表示領域の周囲に、通気性及び液体を遮断する性質を有する材料からなる本体と該本体の上下面に設けられた粘着層とを有し、前記表示領域を囲む枠型形状に形成されたスペーサーを配置し、
次いで、前記表示面上であって前記表示領域内に硬化前の液状の前記接着剤を塗布し、
次いで、前記液晶表示パネルと前記保護板との間に液状の前記接着剤及び前記スペーサーが介在した状態となるように前記保護板を前記表示面に重ね合わせ、
次いで、重ね合わせた状態の前記液晶表示パネルと前記保護板とのうち少なくとも一方を、前記液晶表示パネルと前記保護板とが互いに近づく方向へ加圧することにより、液状の前記接着剤を前記表示領域内に塗り広げるとともに、前記液晶表示パネル、前記保護板及び前記スペーサーによって囲まれる空間に存在する気体のうち少なくとも一部を、前記スペーサーを通過させることにより前記空間外へ排出し、且つ、前記保護板と前記スペーサーとを接触させて、
次いで、重ね合わせた状態の前記液晶表示パネル及び前記保護板を真空チャンバー内に配置し、前記真空チャンバー内を減圧することにより、液状の前記接着剤と前記スペーサーとの間に残された気体のうち少なくとも一部を、前記スペーサーを通して前記表示領域外へ排出し、重ね合わせた状態の前記液晶表示パネル及び前記保護板を前記真空チャンバーから取り出して大気圧の下に置いて、
次いで、前記接着剤を硬化させて前記液晶表示パネルと前記保護板とを接着することを特徴とする保護板一体型液晶表示パネルの製造方法。 - 前記スペーサーは、多孔質材料からなることを特徴とする請求項1に記載の保護板一体型液晶表示パネルの製造方法。
- 前記接着剤は、紫外線硬化性接着剤または熱硬化性接着剤であることを特徴とする請求項1または2に記載の保護板一体型液晶表示パネルの製造方法。
- 前記液晶表示パネルは、前記保護板が配置された側の面に設けられた偏光板を有し、
前記偏光板の外周と前記スペーサーの内周とが一致するように、前記スペーサーを配置することを特長とする請求項1から3のいずれか一項に記載の保護板一体型液晶表示パネルの製造方法。
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