以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお以下に説明する本実施形態は特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
1.データ電圧の補正回路
1.1.基本構成例
図1に本実施形態の基本構成例を示す。図1に示す構成例は、第1〜第nのデータ線駆動回路140−1〜140−n(複数のデータ線駆動回路)、補正回路160−1〜160−n(複数の補正回路)、制御部100含む。制御部100は、補正データ演算部102を含む。なお、これらの一部の構成要素を省略したり、他の構成要素を追加したり、接続関係を変更するなどの種々の変形実施が可能である。
データ線駆動回路140−1〜140−nはデータ電圧供給線S1〜Sn(複数のデータ電圧供給線)を駆動する。具体的には、データ線駆動回路140−1〜140−nは、データ電圧SV1〜SVn(複数のデータ電圧)を出力して対応するデータ電圧供給線S1〜Snを駆動する。例えば、補正処理後の画像データPCD1〜PCDnに対応するデータ電圧S1〜Snをデータ電圧供給線S1〜Snに出力する。あるいは、補正データ演算部102が出力する測定用データMDに対応するデータ電圧S1〜Snをデータ電圧供給線S1〜Snに出力する。
補正データ演算部102は、データ電圧SV1〜SVnのバラツキ(偏差、誤差)補正用の補正データCD1〜CDnを求める。具体的には、データ線駆動回路140−1〜140−nのうちの補正対象のデータ線駆動回路に対応する補正データ(以下、演算対象の補正データ)を求める。より具体的には、演算対象の補正データとして補正データCD1〜CDnのうちの一部の補正データを1回の補正データ演算において求め、この補正データ演算を繰り返して補正データCD1〜CDnを求める。
例えば、補正データ演算部102は1Hモードを実行して補正データCD1〜CDnを求める。ここで、1Hモードは第1のモードである。すなわち、1水平走査期間において、補正データCD1〜CDnのうちの演算対象の補正データを求めるモードである。具体的には、補正データ演算部102は垂直走査期間(フレーム)の非表示期間における1水平走査期間において1Hモードを実行する。そして、各垂直走査期間の1Hモードにおいて、演算対象の補正データを演算する。例えば図9等で後述するように、1つの垂直走査期間に演算対象の補正データとして1つの補正データを演算し、n個の垂直走査期間にn個の補正データCD1〜CDnを演算する。
補正回路160−1〜160−nは、補正データCD1〜CDnに基づいて画像データPD1〜PDnを補正し、補正処理後の画像データPCD1〜PCDnを出力する。具体的には、補正回路160−1〜160−nは、補正データCD1〜CDnに基づいて画像データPD1〜PDnを補正することでデータ電圧SV1〜SVnのバラツキを補正する。例えば、画像データPD1〜PDnが同一階調の場合に、各画像データに対応する画素の輝度が同一となるように画像データPD1〜PDnを補正して、データ線駆動回路140−1〜140−nが出力するデータ電圧SV1〜SVnのバラツキを補正する。
さらに補正回路160−1〜160−nは、補正データCD1〜CDnを保持するための補正データレジスタ(例えば図9の補正データレジスタCDR1〜CDRn)を含むこともできる。この補正データレジスタには、本実施形態が1Hモードを実行する前に補正データCD1〜CDnの初期値が設定される。例えば、図示しないCPU(Central Processing Unit)等のホストコントローラから補正データCD1〜CDnの初期値が設定されてもよく、補正データ演算部102がバーストモードを実行して求めた補正データCD1〜CDnの初期値が設定されてもよい。そして、補正回路160−1〜160−nは、補正データCD1〜CDnの初期値に基づいて画像データPD1〜PDnを補正する。
ここで、バーストモードは、第2のモードである。すなわち、補正データ演算部102が、表示準備期間において一括して補正データCD1〜CDnの初期値を求めるモードである。具体的には、表示準備期間の1垂直走査期間において、その1垂直走査期間内の複数の水平走査期間に演算対象の補正データを演算し、1垂直走査期間で一括して補正データCD1〜CDnの初期値を求める。例えば、図11で後述するように、1つの水平走査期間に演算対象の補正データとして1つの補正データの初期値を求め、これを1垂直走査期間内にn回繰り返してn個の補正データCD1〜CDnの初期値を求める。
制御部100は、本実施形態の構成要素の動作を制御する。具体的には、1Hモード及びバーストモードにおいて動作タイミングの制御を行う。また、後述する通常動作モードにおいて動作タイミングの制御を行う。例えば図9で後述するように、制御部100は、シーケンサ240やカウンタ部200等を用いて補正データCD1〜CDnの演算タイミングを制御する。
本実施形態によれば、補正データ演算部102がデータ電圧SV1〜SVnのバラツキ補正用の補正データCD1〜CDnを演算する。これにより、データ線駆動回路140−1〜140−nが高精度のデータ電圧を出力でき、画質を向上できる。具体的には、本実施形態は1Hモードを実行して補正データCD1〜CDnを演算する。これにより、リアルタイムにデータ電圧SV1〜SVnのバラツキを補正できる。また、本実施形態はバーストモードを実行して補正データCD1〜CDnの初期値を求める。これにより、例えば電源投入時等の表示準備期間において初期値を求め、データ電圧SV1〜SVnのバラツキが補正された状態で画像表示をスタートできる。
1.2.構成例
以下では、本実施形態の適用例として、本実施形態により液晶パネル(広義には、電気光学パネル)を駆動する場合について説明する。液晶パネルは、例えばTFT(Thin Film Transistor)、TFD(Thin Film Diode)などのスイッチ素子を用いたアクティブマトリクス方式のパネルや、単純マトリクス方式のパネルを用いることができる。但し本発明は、液晶パネル以外の電気光学パネルを駆動する場合にも適用できる。例えば本発明は、有機EL(Electro Luminescence)素子や無機EL素子等の自発光素子を用いた表示パネルを駆動する場合にも適用できる。
また以下では説明を簡単にするために、1Hモードとバーストモードにおいて共通の事項については、1Hモード及びバーストモードを示す用語として補正データ演算モードを用いて説明する。
図2に本実施形態のより詳細な構成例を示す。図2の構成例は、第1〜第nのデータ線駆動回路140−1〜140−n、第1〜第nの補正回路160−1〜160−n、コンパレータ180、制御部100、選択回路120を含む。制御部100は、補正データ演算部102を含む。なお、図1で説明した制御部100等と同一の構成要素には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
本実施形態は、補正データ演算モード及び通常動作モードにおいて第1〜第nのデータ電圧SV1〜SVnのバラツキを補正する。具体的には、補正データ演算モードにおいて、補正データ演算部102がデータ電圧SV1〜SVnのバラツキを測定して補正データCD1〜CDnを求める。通常動作モードにおいて、補正回路160−1〜160−nが補正データCD1〜CDnを用いて画像データPD1〜PDnを補正し、データ線駆動回路140−1〜140−nが補正処理後の画像データPCD1〜PCDnを受けてデータ電圧SV1〜SVnを出力する。
例えば、データ電圧SV1〜SVnのバラツキは、図9で後述するオペアンプOP1〜OPnのオフセットやD/A変換回路DAC1〜DACnの出力特性のバラツキによって生じる。このとき、仮にデータ線駆動回路140−1〜140−nに同一の階調データが入力されたとしても、データ電圧SV1〜SVnはオフセット等によって均一の電圧とならない。本実施形態は、補正データCD1〜CDnを用いてこれらのオフセット等を打ち消し、同一階調データに対応するデータ電圧SV1〜SVnを均一にすることでデータ電圧SV1〜SVnのバラツキを補正する。
具体的には、補正データ演算部102は、コンパレータ180からの比較結果CPQを受けて補正対象のデータ線駆動回路に対応する補正データ(演算対象の補正データ)を求める。より具体的には、補正データ演算モードにおいて、補正データ演算部102は、測定用データMDを所定の範囲で順次変化させて補正回路160−1〜160−nに出力する。データ線駆動回路140−1〜140−nは、測定用データMDに対応するデータ電圧をデータ電圧SV1〜SVnとして出力する。そして、コンパレータ180が、補正対象のデータ線駆動回路が出力するデータ電圧(以下、補正対象のデータ電圧)とコンパレータ基準電圧VPを比較して比較結果CPQを出力し、補正データ演算部102が比較結果CPQを受けて演算対象の補正データを求める。
例えば、補正データ演算部102は、測定用データMDとして測定用階調データMGD1〜MGDk(kは自然数)を1データずつ順次出力し、補正対象のデータ線駆動回路が測定用階調データMGD1〜MGDkに対応するデータ電圧を順次出力する。そして、コンパレータ180が測定用階調データMGD1〜MGDkそれぞれに対応する比較結果CPQを出力する。補正データ演算部102は、図3等で後述するように比較結果CPQのエッジ(変化点)を検出し、エッジが検出されたときの測定用階調データを用いて演算対象の補正データを求める。
補正回路160−1〜160−nは、測定用データMD、補正データCD1〜CDn、画像データPD1〜PDnを受けて、対応するデータ線駆動回路140−1〜140−nに測定用データMD又は補正処理後の画像データPCD1〜PCDnを出力する。具体的には、補正データ演算モードにおいて、補正回路160−1〜160−nは測定用データMDを出力する。通常動作モードにおいて、補正回路160−1〜160−nは画像データPD1〜PDnを補正データCD1〜CDnで補正処理して画像データPCD1〜PCDnを出力する。例えば図9等で後述するように、画像データPD1〜PDnが画像データレジスタPDR1〜PDRnから入力され、加算回路AD1〜ADnが画像データPD1〜PDnと補正データCD1〜CDnを加算処理することで補正処理を行う。
データ線駆動回路140−1〜140−nは、補正回路160−1〜160−nからの測定用データMD又は画像データPCD1〜PCDnを受けて、第1〜第nのデータ電圧供給線S1〜Sn(複数のデータ電圧供給線)を駆動する。具体的には、補正データ演算モードにおいて、データ線駆動回路140−1〜140−nは、測定用データMDに対応するデータ電圧SV1〜SVnを出力する。通常動作モードにおいて、データ線駆動回路140−1〜140−nは、補正処理後の画像データPCD1〜PCDnに対応するデータ電圧SV1〜SVnを出力する。
選択回路120は、データ電圧SV1〜SVnから補正対象のデータ電圧を選択してコンパレータ180の入力電圧CPIとして出力する。例えば、選択回路120は、図2に示すように制御部100からの選択信号SLを受けてデータ電圧を選択する。
コンパレータ180は、入力電圧CPI(補正対象のデータ電圧)とコンパレータ基準電圧VPを受けて比較結果CPQを出力する。具体的には、補正対象のデータ電圧とコンパレータ基準電圧VPの大小関係に基づいて、Hレベル(第1の論理レベル)又はLレベル(第2の論理レベル)を比較結果CPQとして出力する。なお図3で説明するように、コンパレータ基準電圧VPは、補正データ演算部102が測定用データMDを所定の範囲で変化させる場合に、測定用データMDに対応するデータ電圧の範囲内の電圧である。例えば、コンパレータ基準電圧VPは図4に示す電源回路50から供給されてもよく、電源回路50から供給された電圧を抵抗で分圧したものでもよい。
なお、本実施形態の構成例として図2を用いて説明したが、これらの一部の構成要素を省略したり、他の構成要素を追加したり、接続関係を変更するなどの種々の変形実施が可能である。例えば、図2で説明したようにコンパレータ180の比較結果CPQに基づいて補正データ演算部102が演算対象の補正データを演算してもよく、A/D変換回路(Analog-to-Digital Converter)を用いて補正対象のデータ電圧をデジタルデータに変換し、そのデジタルデータに基づいて補正データ演算部102が演算対象の補正データを演算してもよい。
1.3.補正データ演算の動作説明
図3(A)、図3(B)を用いて補正データ演算モードにおける本実施形態の動作について詳しく説明する。図3(A)には、補正データ演算部モードにおける補正対象のデータ電圧の波形例を模式的に示す。図3(B)には、補正データ演算部モードにおけるコンパレータ180の比較結果CPQの波形例を模式的に示す。
なお、図3(A)、図3(B)では、補正データ演算部102が演算対象の補正データとして補正データCDi(1≦i≦n、iは自然数)を求め、測定用データMDとして8個の測定用階調データMGD1〜MGD8(k=8)を出力する場合を例に説明する。但し、補正データCDi以外の他の補正データを求める場合も同様である。また、補正データ演算部102は、演算対象の補正データとして複数の補正データを求めてもよく、測定用データMDとして8個以外の個数の測定用階調データを出力してもよい。
補正データ演算モードにおいて、補正データ演算部102は測定用階調データMGD1〜MGD8を出力する。補正回路160−iは補正データ演算部102からの測定用階調データMGD1〜MGD8をデータ線駆動回路140−iに出力する。そして、図3(A)のLC1に示すように、測定用階調データMGD1〜MGD8が順次変化するのに従って、データ線駆動回路140−iがC1に示すデータ電圧からC2に示すデータ電圧をデータ電圧SViとして順次出力する。選択回路120は、データ電圧SViを選択してコンパレータ入力電圧CPIとしてコンパレータ180に出力し、コンパレータ180は比較結果CPQを出力する。
例えば、図3(A)のC3に示すように測定用階調データMGD2に対応するデータ電圧SViがコンパレータ基準電圧VPより小さく、C4に示すように測定用階調データMGD3に対応するデータ電圧SViがコンパレータ基準電圧VPより大きいとする。この場合、図3(B)のLC3に示す比較結果CPQは、C5に示すように測定用階調データMGD2に対応してLレベル、C6に示すように測定用階調データMGD3に対応してHレベルとなる。そして補正データ演算部102は、このLレベルからHレベルに変化するエッジを検出し、エッジが検出されたときの測定用階調データであるMGD3を補正データCDiとする。
このようにして、本実施形態はデータ電圧のバラツキ補正用の補正データを求めることができる。
ここで、仮にデータ電圧SViにオフセット等によるバラツキが無いとする。このとき、図3(A)のLC2に示すように、データ電圧SViはC7に示すデータ電圧からC8に示すデータ電圧まで順次変化する。このデータ電圧SViは、測定用階調データMGD1〜MGD8に対応する理想的なデータ電圧である。ところで図2で説明したように、コンパレータ180はこの理想的なデータ電圧の最小値(C7)と最大値(C8)の間の電圧をコンパレータ基準電圧VPとして用いる。例えば、C9に示すように測定用階調データMGD5に対応するデータ電圧を用いる。そうすると、オフセット等によるバラツキが無いと仮定した場合には、図3(B)のLC4に示すように比較結果CPQが変化し、補正データCDiは測定用階調データMGD5となる。
図3(A)のLC1に示すように、補正データ演算モードにおいて実際にデータ線駆動回路140−iが出力するデータ電圧SViは、図3(A)のLC2に示す理想的なデータ電圧SViに対してバラツキVOFi(オフセット)を含んでいる。上記補正データの演算手法によれば、実際に測定される補正データCDi=MGD3と理想的なデータ電圧に対する補正データCDi=MGD5は、バラツキVOFiに対応した階調数だけ異なる補正データとなる。そのため本実施形態は、補正データCDi=MGD3を用いて画像データPDiを補正することで、データ電圧SViのバラツキVOFiを補正することができる。
ところで、データ電圧にバラツキがあると、同一階調を出力しているにも関わらずデータ電圧供給線毎に輝度が異なるため表示品質が劣化する。そのため、液晶パネルを駆動するドライバにおいてデータ電圧を精度良く出力するという課題があった。
この点、本実施形態によれば、補正データ演算モードにおいて補正データ演算部102が測定用データMDを出力し、データ線駆動回路140−1〜140−nが測定用データMDに対応するデータ電圧SV1〜SVnを出力し、コンパレータ180がデータ電圧SV1〜SVnとコンパレータ基準電圧VPを比較して比較結果CPQを出力し、補正データ演算部102が比較結果CPQから補正データCD1〜CDnを演算する。そして、通常動作モードにおいて、補正データCD1〜CDnを用いて画像データPD1〜PDnを補正する。
これにより、データ電圧SV1〜SVnのバラツキを補正して、画像データPD1〜PDnに対応するデータ電圧を高精度に出力できる。そのため、異なるデータ電圧供給線上の画素(狭義には、サブ画素、ドット)においても同一の階調データに対して同一の輝度で表示でき、画質を向上することができる。例えば、高精細の液晶パネル用途のドライバでは一般に階調数が多く、1階調当たりの階調電圧が小さくなるため、データ電圧のバラツキによって画質が劣化しやすい。具体的には、表示画像に縦線等の輝度ムラが生じる。本実施形態では、データ電圧SV1〜SVnのバラツキを補正できるため、高精細の液晶パネルを駆動する場合でも画質の劣化を防止できる。
例えば、データ電圧のバラツキを補正する他の手法として、階調データを階調電圧に変換するDACの出力で直接データ電圧供給線を駆動することで、オペアンプのオフセット等によるデータ電圧のバラツキを防止するという手法があった。しかしながら、オペアンプと比べてDACの出力インピーダンスが高いために、高精細な液晶パネルの駆動や1水平期間に複数のデータ電圧を出力するマルチプレクス駆動では駆動時間が不足するという課題があった。
この点、本実施形態では補正データCD1〜CDnを用いて画像データPD1〜PDnを補正処理することによりデータ電圧SV1〜SVnのバラツキを補正する。そのため、データ線駆動回路140−1〜140−nの出力バラツキをデータ上で補正することができる。これにより、例えば図9で後述するようにオペアンプOP1〜OPnを用いてデータ電圧供給線S1〜Snを高速に駆動することができる。
また例えば、データ電圧のバラツキを補正する他の手法として、出荷時にデータ電圧のバラツキを測定して補正データを記憶しておき、その補正データを用いてデータ電圧のバラツキを補正するという手法もある。しかしながら、この手法では出荷後の特性変化に対応できないという課題があった。
この点、本実施形態によれば、コンパレータ180がデータ電圧SV1〜SVnとコンパレータ基準電圧VPを比較し、補正データ演算部102が比較結果CPQを受けて補正データCD1〜CDnを演算する。これにより、データ電圧SV1〜SVnのバラツキをリアルタイムに測定して補正することができる。そのため、ドライバの特性が出荷後に変化した場合やバックライト等の熱によって変化した場合でも画質の劣化を防止できる。
具体的には、本実施形態では垂直走査期間の非表示期間における1水平走査期間において補正データを演算する1Hモードを実行して補正データCD1〜CDnを演算する。
このように、垂直走査期間毎に補正データCD1〜CDnを演算することで、画像表示を行いながらリアルタイムにデータ電圧SV1〜SVnのバラツキを補正することができる。そのため、ドライバ出荷後の経時的な特性変化に対応できる。また、非表示期間において補正データCD1〜CDnを演算することで、画像表示に影響を与えることなくデータ電圧SV1〜SVnのバラツキを補正することができる。
ここで、補正データCD1〜CDnの初期値が設定されていない場合、1Hモードにより補正データCD1〜CDnが演算されるまでの間はデータ線電圧のバラツキが補正されないため表示画像の画質が劣化するという課題がある。
この点、本実施形態では、補正回路160−1〜160−nが補正データレジスタを有してもよく、この補正データレジスタには1Hモードを実行する前に補正データCD1〜CDnの初期値が設定されてもよい。
これにより、1Hモードにより補正データCD1〜CDnが最初に更新されるまでの間も、初期値によりデータ電圧SV1〜SVnのバラツキを補正できる。そのため、データ電圧SV1〜SVnのバラツキが補正された状態で画像表示をスタートでき、画質を向上できる。
例えば、本実施形態では表示準備期間においてバーストモードを実行して補正データCD1〜CDnの初期値を一括して求め、補正データレジスタに設定してもよい。
これにより、1Hモードによる補正データCD1〜CDnの演算前に初期値を設定できる。また、表示準備期間に初期値を求めることで、画像表示に影響を与えることなく補正データCD1〜CDnの初期値を求めることができる。
例えば、本実施形態は、表示準備期間としてシステム立ち上げ時の画像表示が行われない期間にバーストモードを実行する。具体的には、電子機器(プロジェクタ、カーナビ、PDA等)の電源投入時や休止状態からの復帰時、バックライトやプロジェクタ用ランプの点灯前などにバーストモードを実行する。これにより、システム立ち上げ直後においてもデータ電圧のバラツキが補正された状態で画像表示でき、画質を向上できる。
また例えば、本実施形態は、表示準備期間として表示モードの切り替え時の画像表示が行われない期間にバーストモードを実行する。例えば、画像表示の解像度の切り替え時にバーストモードを実行する。これにより、表示モードの切り替え直後においてもデータ電圧のバラツキが補正された状態で画像表示でき、画質を向上できる。
ここで、本実施形態では、非表示期間または表示準備期間において、複数の水平走査期間のうちの第1の水平走査期間においてデータ電圧供給線S1〜Snが所定のデータ電圧に設定され、続く第2の水平走査期間において、補正データ演算部102が補正データを求めてもよい。
例えば、1Hモードが実行される水平走査期間(第2の水平走査期間)の前の水平走査期間(第1の水平走査期間)にデータ電圧供給線S1〜Snが所定のデータ電圧に設定されてもよい。また、バーストモードにおいて最初に補正データが求められる水平走査期間(第2の水平走査期間)の前の水平走査期間(第1の水平走査期間)においてデータ電圧供給線S1〜Snが所定のデータ電圧に設定されてもよい。
このように、本実施形態によれば、表示画像のデータ電圧等により様々なデータ電圧が出力されているデータ電圧供給線S1〜Snが、補正データ演算の前に1水平走査期間においての一定の電圧に設定される。これにより、補正データ演算開始時に毎回同じデータ電圧からスタートしてデータ電圧のバラツキを測定できる。そのため、毎回同じ精度でデータ電圧のバラツキを測定でき、正確にデータ電圧のバラツキを反映した補正データを求めることができる。
ところで、図8等で後述するように、データ線駆動回路140−1〜140−nの駆動能力が不足する場合には、補正データ演算部102が測定用データMDを順次変化させて出力するときに、測定用データMDに対応するデータ電圧が十分駆動されない場合がある。そのため、正確にデータ電圧SV1〜SVnのバラツキを測定できないという課題がある。
この点、本実施形態では、1Hモードまたはバーストモードにおいて補正データCD1〜CDnと修正係数を乗算処理して係数乗算後補正データを求め、通常動作モードにおいて係数乗算後補正データに基づいて画像データPD1〜PDnを補正してもよい。
これにより、データ線駆動回路140−1〜140−nの駆動能力不足により補正データCD1〜CDnが正確に演算されなかった場合でも、補正データCD1〜CDnを修正係数を用いて修正できる。そのため、正確にデータ電圧SV1〜SVnのバラツキが反映された補正データを求めることができる。
さらに、本実施形態がノイズ等の影響を受けたときに、データ電圧SV1〜SVnのバラツキを正確に補正できない場合があるという課題がある。例えば、ノイズ等の影響によりコンパレータ180がデータ電圧とコンパレータ基準電圧VPを正確に比較できず、データ電圧SV1〜SVnのバラツキを正確に測定できない場合がある。
そうすると、1Hモード等で繰り返し補正データを演算するときに、それまで正確に補正データが演算されていたデータ線について急に不正確な補正データが演算されると、そのデータ線上の画素の輝度が急に変化して表示画像に縦線が点滅して見えてしまう。
この点本実施形態によれば、補正データ演算部102が、補正対象のデータ線駆動回路について求めた今回の補正データと前回の補正データを用いて、補正対象のデータ線駆動回路に対応する補正データを求めてもよい。
例えば、今回の補正データが前回の補正データより大きい場合には、前回の補正データに正の所定値を加算して補正データを求めてもよい。また、今回求めた補正データが前回の補正データより小さい場合には、前回の補正データに負の所定値を加算して補正データを求めてもよい。
このように、本実施形態では、1Hモードで繰り返し演算される補正データにおいて、前回演算された補正データを用いて補正データの変化量を所定値以内に制限する変化量制限を行う。これにより、ノイズ等の影響でデータ電圧SV1〜SVnのバラツキが正確に反映されていない補正データCD1〜CDnが演算された場合でも、補正データCD1〜CDnの急激な変化を抑制できる。そのため、不正確な補正データCD1〜CDnによる画質の劣化を防止できる。
2.マルチプレクス駆動
2.1.マルチプレクス駆動を行う液晶表示装置の構成例
以下では、本実施形態が1水平走査期間において電気光学パネル上の複数のデータ線を駆動するマルチプレクス駆動を行う場合を例に、本実施形態の詳細な動作や詳細な構成について説明する。また以下では、液晶プロジェクタ(投写型表示機器)等に用いられる単色の液晶パネルに本実施形態を適用した場合を例に説明する。なお、図14等で後述するように本実施形態はマルチプレクス駆動を行わない場合に適用することもできる。また、PDA(Personal Digital Assistants)、液晶テレビ、携帯電話、カーナビ等に用いられるRGB等の複数色の液晶パネルに適用することもできる。
図4に本実施形態が適用されたドライバ60(集積回路装置)を含む液晶表示装置(電気光学装置)の構成例を示す。図4に示す構成例は、液晶パネル12(電気光学パネル)、ドライバ60、表示コントローラ40、電源回路50を含む。
具体的には、液晶パネル12は、例えばアクティブマトリクス型の液晶パネルで構成できる。このとき、液晶パネル12の液晶基板(アクティブマトリクス基板、例えばガラス基板)には、図4のY方向に複数配列されそれぞれX方向に伸びる走査線G1〜Gm(mは2以上の整数)と、X方向に複数配列されそれぞれY方向に伸びるデータ線S11〜S81、S12〜S82、・・・、S1n〜S8n(nは2以上の整数)が配置されている。また、液晶基板には、データ電圧供給線S1〜Snが設けられている。更に、この液晶基板には、各データ電圧供給線に対応してデマルチプレクサDMUX1〜DMUXnが設けられている。
また液晶基板には、例えば走査線Gj(1≦j≦m、jは自然数)とデータ線S1i(データ線S2i〜S8i)(1≦i≦n、iは自然数)との交差点に対応する位置に、薄膜トランジスタTji−1(薄膜トランジスタTji−2〜Tji−8)が設けられている。
例えばTji−1のゲート電極は走査線Gjに接続され、ソース電極はデータ線S1iに接続され、ドレイン電極は画素電極PEji−1に接続されている。この画素電極PEji−1と対向電極CE(共通電極、コモン電極)との間には、液晶容量CLji−1(液晶素子、広義には電気光学素子)が形成されている。そして、画素電極PEji−1と対向電極CEとの間の印加電圧に応じて画素の透過率が変化するようになっている。
デマルチプレクサDMUXiは、データ電圧供給線Siに時分割で供給されたデータ電圧SViを、例えば8本のデータ線S1i〜S8iに分割して供給する。デマルチプレクサDMUXiは、データドライバ20からのマルチプレクス制御信号に基づいて、データ電圧供給線Siのデータ電圧SViを各データ線に分離する。
ここで図4においては、説明を簡単にするために、データ電圧供給線Siに対応するデマルチプレクサDMUXi及びデータ線S1i〜S8iのみを図示した。また、データ線S1i〜S8iと走査線Gjとの交差点に対応する位置に設けられた薄膜トランジスタのみを図示した。但し、他のデータ電圧供給線に対応するデマルチプレクサ及びデータ線、他のデータ線と走査線との交点に対応する位置に設けられた薄膜トランジスタについても同様である。
なお、対向電極CEに与えられる対向電極電圧VCOMの電圧レベルは、電源回路50に含まれる対向電極電圧生成回路により生成される。例えば、対向電極CEは、対向基板上に一面に形成される。
データドライバ20は、階調データに基づいて液晶パネル12のデータ電圧供給線S1〜Snを駆動する。データドライバ20がデータ電圧供給線S1〜Snを駆動するとき、上述のようにデマルチプレクサDMUX1〜DMUXnにより分離制御されるため、データドライバ20は、データ線S11〜S81、S12〜S82、・・・、S1n〜S8nを駆動できる。一方、走査ドライバ38は、液晶パネル12の走査線G1〜Gmを走査(順次駆動)する。
表示コントローラ40は、図示しない中央演算処理装置(Central Processing Unit:CPU)等のホストにより設定された内容に従って、データドライバ20、走査ドライバ38及び電源回路50を制御する。より具体的には、表示コントローラ40は、データドライバ20及び走査ドライバ38に対しては、例えば動作モードの設定や内部で生成した垂直同期信号や水平同期信号の供給を行う。
電源回路50は、外部から供給される基準電圧に基づいて、液晶パネル12の駆動に必要な各種の電圧レベル(基準電圧)や、対向電極CEの対向電極電圧VCOMの電圧レベルを生成する。
このような構成の液晶表示装置は、表示コントローラ40の制御の下、外部から供給される階調データに基づいて、データドライバ20、走査ドライバ38及び電源回路50が協調して液晶パネル12を駆動する。
なお図4では、単色表示用の液晶パネルとして1画素が1ドットで構成され、1本のデータ電圧供給線が8本のデータ線にデータ電圧を供給する場合を例に説明した。本発明では、RGBの各色成分を表示するために1画素が3ドットで構成され、例えば1本のデータ電圧供給線が6本のデータ線にデータ電圧(例えばR1、R2、G1、G2、B1、B2の各画素に対応するデータ電圧)を供給してもよい。
また図4では、液晶表示装置が表示コントローラ40を含む構成になっているが、表示コントローラ40を液晶表示装置の外部に設けてもよい。或いは、表示コントローラ40と共にホストを液晶表示装置に含めるようにしてもよい。また、データドライバ20、走査ドライバ38、表示コントローラ40、電源回路50の一部又は全部を液晶パネル12上に形成してもよい。
さらに図4において、データドライバ20、走査ドライバ38及び電源回路50を集積化して、半導体装置(集積回路、IC)として表示ドライバ60を構成してもよい。
図5に、図4のデータドライバ20の構成例を示す。データドライバ20は、シフトレジスタ22、ラインラッチ24、26、多重化回路28、補正回路70、基準電圧発生回路30(階調電圧発生回路)、DAC32(Digital-to-Analog Converter、広義にはデータ電圧生成回路)、データ線駆動回路34、マルチプレクス駆動制御部36を含む。
シフトレジスタ22は、各データ電圧供給線に対応して設けられ、順次接続された複数のフリップフロップを含む。このシフトレジスタ22は、クロック信号CLKに同期してイネーブル入出力信号EIOを保持すると、順次クロック信号CLKに同期して隣接するフリップフロップにイネーブル入出力信号EIOをシフトする。クロック信号CLK、イネーブル入出力信号EIOは、例えば表示コントローラ40から入力される。
ラインラッチ24には、表示コントローラ40から例えば64ビット(8ビット(階調データ)×8(マルチ数))単位で階調データ(DIO)が入力される。ラインラッチ24は、この階調データ(DIO)を、シフトレジスタ22の各フリップフロップで順次シフトされたイネーブル入出力信号EIOに同期してラッチする。
ラインラッチ26は、表示コントローラ40から供給される水平同期信号LPに同期して、ラインラッチ24でラッチされた1水平走査単位の階調データをラッチする。
多重化回路28は、ラインラッチ26において各ソース線に対応してラッチされた8本のデータ線分の階調データを時分割多重する。なお、この多重化回路28を本実施形態に適用した場合には、例えば図9に示す詳細な構成例において画像データレジスタPDR1〜PDRnと加算回路AD1〜ADnの間に設けられる。
補正回路70は、図2等で説明した補正データ演算手法で求めた補正データを用いてデータ電圧のバラツキを補正する。具体的には、補正データ演算モードにおいてデータ電圧供給線S1〜Snに対応する補正データCD1〜CDnを求め、通常動作モードにおいて多重化回路28からの階調データを補正データCD1〜CDnを用いて補正処理し、補正処理後の階調データを出力する。
マルチプレクス駆動制御部36は、データ電圧供給線のデータ電圧の時分割タイミングを規定するマルチプレクス制御信号SEL1〜SEL8を生成する。より具体的には、マルチプレクス駆動制御部36は、1水平走査期間内に、マルチプレクス制御信号SEL1〜SEL8の1つが順番にアクティブとなるようにマルチプレクス制御信号SEL1〜SEL8を生成する。多重化回路28は、マルチプレクス制御信号SEL1〜SEL8に基づいて、データ電圧を時分割でデータ電圧供給線に供給するように多重化を行う。なお、マルチプレクス制御信号SEL1〜SEL8は、液晶パネル12のデマルチプレクサDMUX1〜DMUXnにも供給される。
基準電圧発生回路30は、256(=28)種類の基準電圧(階調電圧)を生成する。基準電圧発生回路30によって生成された256種類の基準電圧(階調電圧)は、DAC32に供給される。
DAC32は、各データ線に供給すべきアナログの階調電圧を生成する。具体的にはDAC32は、補正回路70からのデジタルの階調データに基づいて、基準電圧発生回路30からの基準電圧(階調電圧)のいずれかを選択してデジタルの階調データに対応するアナログの階調電圧を出力し、時分割多重された階調電圧を出力する。
データ線駆動回路34は、DAC32からの階調電圧をバッファリングしてデータ電圧としてデータ電圧供給線S1〜Snに出力し、データ線S11〜S81、S12〜S82、・・・、S1n〜S8nを駆動する。例えば、データ線駆動回路34は、各データ電圧供給線毎に設けられたボルテージフォロワ接続の演算増幅器(広義にはインピーダンス変換回路)を含み、これらの各演算増幅器が、DAC32からの階調電圧をインピーダンス変換して、各データ電圧供給線S1〜Snに出力する。
2.2.マルチプレクス駆動の動作説明
図6に、図5のマルチプレクス駆動回路36の動作説明図を示す。
図6では、データ電圧供給線Siに時分割で供給されたデータ電圧V1〜V8(データ電圧SVi)をデータ線S1i〜S8iに分離するデマルチプレクサDMUXiの動作例を示すが、他のデマルチプレクサも同様である。
図6に示すように、データ線駆動回路34は、1水平走査期間にデータ線S1i〜S8i(複数のデータ線)を駆動する。具体的には、データ線駆動回路34は、多重化回路28によって多重化された多重化データに対応する多重化されたデータ電圧V1〜V8を出力する。まず、多重化回路28によって多重化された多重化データと、DAC32が出力する多重化された階調電圧について説明する。
ラインラッチ26にラッチされるデータ線S1i〜S8i(第1〜第8のデータ線)用の階調データを、階調データGD1〜GD8とする。マルチプレクス駆動制御部36によって生成されたマルチプレクス制御信号SEL1〜SEL8は、それぞれ1水平走査期間内に例えば1度ずつアクティブとなる信号である。そして、多重化回路28は、マルチプレクス制御信号SEL1がアクティブとなったときはデータ線S1i(第1のデータ線)用の階調データGD1を選択出力し、マルチプレクス制御信号SEL2がアクティブとなったときはデータ線S2i(第2のデータ線)用の階調データGD2を選択出力し、マルチプレクス制御信号SEL8がアクティブとなったときはデータ線S8i(第8のデータ線)用の階調データGD3が選択出力される。その結果、多重化回路28は、データ線S1i〜S8i用の階調データGD1〜GD8が時分割多重化された多重化データを生成し、この多重化データを補正回路70に供給する。
補正回路70は、階調データGD1〜GD8が時分割多重化された多重化データを補正データCDiを用いて補正処理する。例えば、階調データGD1〜GD8それぞれに補正データCDiを加算することで補正処理する。そして、補正処理後の階調データGD1’〜GD8’を出力する。
DAC32の各デコーダは、多重化され補正処理された階調データGD1’〜GD8’の各階調データに対応する階調電圧を、基準電圧(階調電圧、例えば256階調)の中から選択する。その結果、DAC32の各デコーダは、多重化された階調電圧を出力する。即ち、DAC32は、各階調電圧が、多重化回路28によって多重化された各階調データに対応した階調電圧を生成する。
そして図6に示すように、データ線駆動回路34は、DACからの多重化された階調電圧を受けて多重化されたデータ電圧V1〜V8(第1〜第8のデータ電圧)をデータ電圧SViとして1水平走査期間内に出力する。
デマルチプレクサDMUXiは、マルチプレクス制御信号SEL1〜SEL8を用いて、データ電圧供給線Siの多重化されたデータ電圧V1〜V8を分離して、各データ電圧をデータ線S1i〜S8iに出力する。
より具体的には、デマルチプレクサDMUXiは、図6のA1に示すようにマルチプレクス制御信号SEL1がアクティブのときは、A2に示す多重化されたデータ電圧V1をA3に示すようにデータ線S1iに出力する。同様にマルチプレクス制御信号SEL2がアクティブのときは多重化されたデータ電圧V2をデータ線S2iに出力し、マルチプレクス制御信号SEL8がアクティブのときは多重化されたデータ電圧V8をデータ線S8iに出力する。
こうすることで、液晶パネル12において選択された走査線に接続されるTFTのソースにデータ電圧を供給できる。
2.3.マルチプレクス駆動における補正データ演算
図7にマルチプレクス駆動における補正データ演算の動作例を示す。図7には、補正データ演算モードにおいて、例えばデータ電圧供給線Siについての補正データCDiを演算対象の補正データ(補正対象のデータ線駆動回路に対応する補正データ)として求める場合について示す。但し、他の補正データを求める場合も同様である。
図7に示すように、本実施形態は、通常動作モードにおいてマルチプレクス駆動を行う場合に、補正データ演算モードにおける1水平走査期間において複数の補正演算用データを求めることができる。具体的には、図3等で説明した演算手法と同様の手法で補正演算用データを演算できる。そして、その複数の補正演算用データを用いて演算対象の補正データを求めることができる。
例えば、複数のデータ線としてp本(pは2以上の整数)のデータ線を1つのデータ電圧供給線で駆動するマルチプレクス駆動の場合、補正データ演算部102が複数の補正演算用データとしてp個の補正演算用データを求めることができる。
図7に示すように、データ電圧供給線Siが1水平走査期間に8本のデータ線にデータ電圧を供給するマルチプレクス駆動の場合には、補正回路70は補正データ演算モードにおける1水平走査期間に補正演算用データの測定を8回行う。すなわち、第1回〜第8回の補正演算用データの測定回数を第1〜第8のインデックスとすれば、図3等で説明した補正演算用データの測定を各インデックスで行って第1〜第8の補正演算用データを求める。
具体的には、図7のB1に示すようにマルチプレクス制御信号SEL1がアクティブのときに、補正回路70は第1のインデックスにおける測定を行う。この第1のインデックスにおいて、補正回路70は例えば測定用階調データMGD1〜MGD8(測定用データMD)を出力する。DAC32は、測定用階調データMGD1〜MGD8の各測定用階調データに対応する階調電圧を、基準電圧(階調電圧)の中から選択して出力する。そして図6のB2に示すように、データ線駆動回路34は、DAC32からの階調電圧を受けて測定用階調データMGD1〜MGD8に対応するデータ電圧CV1〜CV8をデータ電圧供給線Siに出力する。このときB3に示すように、デマルチプレクサDMUXiはマルチプレクス信号SEL1に基づいてデータ電圧CV1〜CV8をデータ線S1iに出力する。補正回路70は、データ電圧供給線Siに出力されたデータ電圧CV1〜CV8とコンパレータ基準電圧VPを、例えば図2のコンパレータ180で比較し、その比較結果CPQが反転(例えば、LレベルからHレベル)したときの測定用階調データを用いて第1の補正演算用データを求める。
そして、補正回路70は、同様に第2〜第8のインデックスにおいて第2〜第8の補正演算用データを求め、第1〜第8の補正演算用データを例えば平均処理して補正データCDiを求める。
このように、本実施形態によれば、1水平走査期間において繰り返しデータ線駆動回路の出力バラツキを測定する。これにより、ノイズ等による測定ミスの影響を少なくできる。また、本実施形態によれば、図7で説明したように1水平走査期間においてマルチプレクス駆動と同じように時分割にデータ線を駆動して補正演算用データを求める。これにより、通常動作モードと補正データ演算モードで同じ精度でデータ線を駆動でき、データ電圧を正確に補正できる。
ここで、本実施形態では、補正データ演算部102が測定用データMDを所定の範囲内で順次変化させたときに、比較結果CPQがLレベル(第1のレベル)又はHレベル(第2のレベル)の一方に固定されていた場合は、オーバーフローであると判定し、補正演算用データとしてオーバーフロー用データを用いてもよい。
例えば、補正データ演算部102が、オーバーフロー用データとして所定の定数を用いてもよい。また例えば、補正データ演算部102が、第1〜第tの補正演算用データのうちの第s(1≦s≦t、s,tは2以上の整数)の補正演算用データを求める際にオーバーフローであると判定した場合、第1〜第tの補正演算用データのうちの第1〜第s−1の補正演算用データを平均処理してオーバーフロー用データを求め、第sの補正演算用データとして用いてもよい。
このように、本実施形態ではデータ電圧のバラツキが測定範囲を超えていると判定された場合にはオーバーフロー用データを用いて補正データを求める。これにより、ノイズ等の影響で補正演算用データの演算がオーバーフローした場合でも、できるだけ正確にデータ電圧のバラツキを反映した補正データを求めることができる。
2.4.修正係数
図8に補正データに乗算する修正係数の説明図を示す。図8には、図7で説明した第1〜第8のインデックスのうちの1つにおけるデータ電圧SViを示す。
このとき、データ線駆動回路34は、データ電圧供給線Siにデータ電圧SViを出力してデータ線S1i〜S8iのいずれかを駆動する。例えば、図9で後述するオペアンプOPiによりデータ線S1i〜S8iのいずれかが駆動される。
図8のLD1に示すように、オペアンプOPiにデータ線を駆動する十分な能力(スピード)がある場合には、補正回路70が測定用階調データMGD1〜MGD8を出力するに従って、データ線が十分駆動されて所望のデータ電圧に達する。D1に示すように、例えば測定用階調データMGD5に対応するデータ電圧がコンパレータ基準電圧VPより大きい場合には、補正回路70は補正用階調データとして測定用階調データMGD5を用いる。ここでは簡単のため、同様に他のインデックスにおいても補正用階調データとして測定用階調データMGD5が測定され、補正データCDiとして測定用階調データMGD5が求められるものとする。
一方、マルチプレクス駆動においては1水平走査期間に複数の補正演算用データを測定し、1回の測定で複数の測定用階調データに対応するデータ電圧でデータ線を駆動する必要があることから、オペアンプOPiにデータ線を駆動する十分な能力(スピード)がない場合がある。このとき、LD2に示すように、LD1に示すデータ線電圧に比べてデータ線が十分駆動されず所望のデータ電圧に達しない。D2に示すように、例えば測定用階調データMGD6に対応するデータ電圧がコンパレータ基準電圧VPより大きい場合には、補正用階調データとして測定用階調データMGD5が用いられる。同様に他のインデックスにおいても補正用階調データとして測定用階調データMGD6が測定され、補正データCDiとして測定用階調データMGD6が求められるものとする。
このように、オペアンプの駆動力不足の場合には、オペアンプの駆動力が十分な理想的な場合に演算される補正データからずれた値の補正データが演算される。そのため、実際に演算された補正データに修正係数を乗算することで、オペアンプ駆動力の理想的な場合に演算される補正データからのずれを修正できる。
3.詳細な構成例
3.1.本実施形態の詳細な構成例
図9に本実施形態の詳細な構成例を示す。なお以下では、図2等で説明したコンパレータ等の各構成要素には同じ符号を付して説明を省略する。また本実施形態は図9の構成に限定されず、その構成の一部(例えば、シフトレジスタ、データ切り替え回路等)を省略したり、他の構成要素を追加する等の種々の変形実施が可能である。
図9の構成例は、スイッチSW1〜SWn、シフトレジスタSR1〜SRn、オペアンプOP1〜OPn、D/A変換回路DAC1〜DACn(Digital-to-Analog Converter、広義にはデータ電圧生成回路)、セレクタDS1〜DSn(データ切り替え回路)、加算回路AD1〜ADn(広義には、補正処理回路)、補正データレジスタCDR1〜CDRn、画像データレジスタPDR1〜PDRn、コンパレータ180、制御部100、補正データ演算部102を含む。
画像データレジスタPDR1〜PDRnは、データ電圧供給線S1〜Snが駆動する画素に対応する階調データである画像データPD1〜PDnを保持する。例えば、画像データPD1〜PDnは、RAM(Random Access Memory)等の記憶部に記憶された画像データから一括で画像データレジスタPDR1〜PDRnに書き込まれてもよく、I/F回路でストリームデータを受信して順次画像データレジスタPDR1〜PDRnに書き込まれてもよい。
補正データレジスタCDR1〜CDRnは、補正データ演算部102からの測定用データMDや補正データCD1〜CDnを保持する。例えば、補正データ演算モードにおいて補正データCDiが演算される場合、補正データレジスタCDRiには補正データ演算部102から順次出力される測定用データMDが設定され、補正データレジスタCDRiは補正データMDをセレクタDSiに出力する。そして、補正データ演算部102が補正データ演算を行って補正データCDiを求め、補正データレジスタCDRiに設定する。通常動作モードにおいては、補正データレジスタCDRiは補正データCDiを加算回路ADiに出力する。補正データレジスタCDR1〜CDRnには、例えば対応するシフトレジスタSR1〜SRnの出力がアクティブであるときに測定用データ及び補正データが設定される。
なお、補正データレジスタCDR1〜CDRnには初期値が設定されてもよい。例えば、図11で説明するようにバーストモードにより補正データCD1〜CDnの初期値が設定されてもよく、図示しないホストコントローラから補正データCD1〜CDnの初期値が設定されてもよい。
加算回路AD1〜ADnは、画像データPD1〜PDnに補正データCD1〜CDnを加算して補正処理し、補正処理後の画像データPCD1〜PCDnを出力する。なお、画像データPD1〜PDnに補正データCD1〜CDnを加算して補正処理するだけでなく、他の係数の加算や乗算を行って補正処理してもよい。
セレクタDS1〜DSnは、補正データレジスタCDR1〜CDRnからの測定用データMDと加算回路AD1〜ADnからの画像データPCD1〜PCDnを受けて、いずれかを選択してD/A変換回路DAC1〜DACnに出力する。具体的には、セレクタDS1〜DSnは、制御回路100からの補正イネーブル信号C_Enableに基づいてデータを選択する。例えば、補正データ演算モードにおいて制御部100が補正イネーブル信号C_Enableをアクティブにし、セレクタDS1〜DSnが測定用データMDを選択して出力する。一方通常動作モードにおいて、制御部100が補正イネーブル信号C_Enableを非アクティブにし、セレクタDS1〜DSnが画像データPCD1〜PCDnを選択して出力する。
D/A変換回路DAC1〜DACnは、データ電圧供給線S1〜Snに供給すべき階調電圧を生成する。具体的には、セレクタDS1〜DSnからの階調データ(測定用データMD又は画像データPCD1〜PCDn)に基づいて、基準電圧のいずれかを選択して階調電圧を出力する。より具体的には、補正データ演算モードにおいて測定用データMDに対応する階調電圧を出力し、通常動作モードにおいて画像データPCD1〜PCDnに対応する階調電圧を出力する。本実施形態がマルチプレクス駆動を行う場合には、D/A変換回路DAC1〜DACnは、階調データが時分割多重された画像データPCD1〜PCDnに基づいて時分割多重された階調データを出力する。なお、基準電圧は、例えば図5に示す基準電圧発生回路30から入力される。
オペアンプOP1〜OPnは、D/A変換回路DAC1〜DACnからの階調電圧をバッファリングしてデータ電圧S1〜Snをデータ電圧供給線S1〜Snに出力する。例えば図9に示すように、オペアンプOP1〜OPnを用いてボルテージフォロアを構成して階調電圧をバッファリングすることができる。
シフトレジスタSR1〜SRnは、スイッチSR1〜SRnのオンオフを制御するスイッチ制御信号SRQ1〜SRQnを出力する。具体的には、制御部100からのHレベル(第1の論理レベル)のSR_Dataを取り込んで、制御部100からのSR_Clockに基づいて順次HレベルのSR_Dataをシフトして、順次アクティブとなるスイッチ制御信号を出力する。例えば、補正データ演算モードにおいて補正データCDiを演算する場合、シフトレジスタSRiがスイッチ制御信号SRQiとしてアクティブを出力する。
スイッチSW1〜SWnは、シフトレジスタSR1〜SRnからの信号に基づいてオンオフする。具体的には、スイッチSW1〜SWnは、シフトレジスタSR1〜SRnからの信号がアクティブのときオンし、非アクティブのときオフする。例えば、補正データ演算モードにおいて補正データCDiを求める場合、スイッチSWiがオンしてオペアンプOPiの出力するデータ電圧SViがコンパレータ入力電圧CPIとしてコンパレータ180に入力される。
制御部100は、シフトデータSR_Data、シフトレジスタSR1〜SRn用のリセット信号SR_Reset、シフトレジスタSR1〜SRnがシフトデータを取り込むためのクロックSR_Clock、シフトレジスタSR1〜SRnがアクティブを出力する期間を決めるイネーブル信号SR_Enable、セレクタDS1〜DSnが補正データ演算モードにおいて測定用データMDを出力するための補正イネーブル信号C_Enableを出力する。
3.2.1Hモード
図10に、1Hモード(第1のモード)における信号波形例を示す。
本実施形態は、非表示期間の1水平走査期間において1Hモードによる補正データ演算を行う。具体的には、非表示期間における複数の垂直走査期間のうちの第1〜第nの垂直走査期間の各垂直走査期間において1Hモードによる補正データ演算を行う。
なお、本実施形態が1Hモードを実行する非表示期間は、データ線駆動回路140−1〜140−nが画像データPD1〜PDnに対応するデータ電圧SV1〜SVnを出力していない期間である。例えば、垂直同期信号Vsyncの立ち下がりから画像データレジスタPDR1〜PDRnへの画像データPD1〜PDnの入力が開始されるまでの期間である。或いは、垂直同期信号Vsyncの立ち下がりから液晶パネル(例えば図4の液晶パネル12)の最初の走査線(例えば図4の走査線G1)が選択されるまでの期間である。
図10のE1に示すように、第1の垂直走査期間内の1水平走査期間において補正データ演算部102が補正データCD1を演算する。
このとき、E2に示すように制御部100がSR_ResetをアクティブにしてシフトレジスタSR1〜SRnをリセットし、E3に示すようにシフトレジスタSR1〜SRnの出力を非アクティブにする。
次に、E4に示すように制御部100がSR_DataにHレベル(第1の論理レベル)を出力し、E5に示す制御部100からのSR_Clockによって、E6に示すようにシフトレジスタSR1がSR_DataのHレベルを取り込む。
E7に示すように制御部100がSR_Enableをアクティブにし、シフトレジスタSR1がSR_Enableのアクティブの期間においてスイッチ制御信号SRQ1としてアクティブを出力する。
そして、E8に示すようにスイッチSW1がアクティブのスイッチ制御信号SRQ1を受けてオンし、E9に示すようにコンパレータ180にはコンパレータ入力CPIとしてデータ電圧SV1が入力される。
補正データ演算部102は、E1に示す1Hモードにおいて測定用データMDを順次出力する。E10に示すように、制御部100がC_Enableをアクティブにすることでデータ電圧供給線S1には測定用データMDに対応するデータ電圧SV1が出力され、コンパレータ180に入力される。補正データ演算部102は、コンパレータ180からの比較結果CPQを受けて、例えば図12のエッジ検出部260でエッジ検出を行い、補正データCD1を求める。補正データ演算部102は、求めた補正データCD1を補正データレジスタCDR1に設定する。
このようにして、E1に示す第1の垂直走査期間における1Hモードにおいて補正データ演算部102は補正データCD1を求める。同様に、E11に示すように続く第2の垂直走査期間における1Hモードにおいて補正データCD2を求めて補正データレジスタCDR2に設定し、E12に示すように第nの垂直走査期間における1Hモードにおいて補正データCDnを求めて補正データレジスタCDRnに設定する。そして、続く第n+1の垂直走査期間において再び補正データCD1を求めて補正データレジスタCDR1に設定し、これを繰り返すことで補正データレジスタCDR1〜CDRnに保持された補正データCD1〜CDnを順次更新する。
なおE13に示すように、本実施形態は、1Hモードと1Hモードの間では通常動作モードによる画像表示を行う。具体的には、本実施形態は1Hモードにおいて求めた補正データで画像データを補正し、画像表示を行う。
このように、垂直走査期間ごとに1Hモードによる補正データ演算を行うことで、オペアンプOP1〜OPnのオフセット等によるデータ電圧SV1〜SVnのバラツキを、リアルタイムに補正することができる。
また本実施形態によれば、補正データ演算部102が補正データの変化量制限を行うこともできる。例えば、補正データ演算部102がある垂直走査期間の1Hモードで補正データCDi(今回の補正データ)を求めるとき、n個前の垂直走査期間の1Hモードで求めた補正データCDi(前回の補正データ)からの変化量を正又は負の所定値以内に制限することができる。これにより、ノイズ等により補正データが急に変化して画質が劣化することを防止できる。
3.3.バーストモード
図11に、バーストモード(第2のモード)の信号波形例を示す。
本実施形態は、システム立ち上げ時や表示モードの切り替え時等の表示準備期間においてバーストモードを実行して補正データCD1〜CDnの初期値を一括して求め、その後1Hモードを実行してリアルタイムに補正データCD1〜CDnを求める。具体的には、図11のF1に示すように、バーストモードにおいて補正データCD1〜CDnの初期値を求め、F2に示すようにバーストモードの後に1Hモードにおいて補正データCD1〜CDnを求める。
図11に示すバーストモードにおいて、本実施形態は、複数の水平走査期間のうちの第1〜第nの水平走査期間において補正データCD1〜CDnの初期値を求める。
具体的には、まずF3に示すように制御部100がSR_ResetをアクティブにしてシフトレジスタSR1〜SRnをリセットする。
次に、F4に示すように制御部100がSR_DataにHレベル(第1の論理レベル)を出力し、F5に示す制御部100からのSR_Clockによって、F6に示すようにシフトレジスタSR1がSR_DataのHレベルを取り込む。
F7に示すように制御部100がSR_Enableをアクティブにし、シフトレジスタSR1がSR_Enableのアクティブの期間においてスイッチ制御信号SRQ1としてアクティブを出力する。
そして、F8に示すようにスイッチSW1がアクティブのスイッチ制御信号SRQ1を受けてオンし、F9に示すようにコンパレータ180にはコンパレータ入力CPIとしてデータ電圧SV1が入力される。
F10に示すように、制御部100がC_Enableをアクティブにすることでデータ電圧供給線S1には測定用データMDに対応するデータ電圧SV1が出力され、コンパレータ180に入力される。補正データ演算部102は、コンパレータ180からの比較結果CPQを受けて補正データCD1を求め、初期値として補正データレジスタCDR1に設定する。
このようにして、バーストモードにおける第1の水平期間において補正データ演算部102が補正データCD1の初期値を求める。同様に、続く第2の水平走査期間において補正データCD2の初期値を求めて補正データレジスタCDR2に設定し、第nの水平走査期間において補正データCDnの初期値を求めて補正データレジスタCDRnに設定する。そして、バーストモードで補正データCD1〜CDnの初期値を求めた後に、1Hモードにおいて垂直走査期間毎に順次補正データCD1〜CDnを更新する。
なお制御部100は、補正データCD2〜CDnを演算する水平走査期間において、シフトレジスタSR1〜SRnのリセットを行わず、SR_DataにはLレベル(第2の論理レベル)を出力する。
ここで、本実施形態では、表示準備期間又は非表示期間において、複数の水平走査期間のうちの第1の水平走査期間においてデータ電圧供給線S1〜Snが所定のデータ電圧に設定され、続く第2の水平走査期間において、補正データ演算部102が補正データを求めてもよい。
例えば、図10のE14に示す非表示期間における1水平走査期間においてデータ電圧供給線S1〜Snが所定のデータ電圧に設定された後、E1に示す1Hモードが実行されてもよく、図11のF12に示す表示準備期間における1水平走査期間においてデータ電圧供給線S1〜Snが所定のデータ電圧に設定された後、F1に示すバーストモードが実行されてもよい。
なお、所定のデータ電圧として、例えば補正データ演算部102が測定用データMDを順次変化させる場合に、対応するデータ電圧が変化する範囲内の電圧が設定される。例えば、制御部100が補正データレジスタCDR1〜CDRnに所定のデータ電圧に対応する階調データを設定することでオペアンプOP1〜OPnが所定のデータ電圧を出力してもよい。
3.4.制御部、補正データ演算部の詳細な構成例
図12に制御部及び補正データ演算部の詳細な構成例を示す。図12に示す構成例は、補正データ演算部102、シーケンサ240を含み、補正データ演算部102は、カウンタ部200、レジスタ部220、エッジ検出部260、処理部280を含む。なお、本実施形態の補正データ演算部102は図12の構成に限らず、一部の構成要件(インデックスレジスタ222、インターバルレジスタ228等)を省略するなどの種々の変形実施が可能である。
カウンタ部200は、インデックスカウンタ202、測定スタートカウンタ204、測定期間カウンタ206、インターバルカウンタ208、測定用データカウンタ210を含む。
インデックスカウンタ202は、1水平走査期間における補正演算用データの測定回数であるインデックスをカウントする。例えば、インデックスカウンタ202は、シーケンサ240からの指示に従ってインデックスをインクリメントする。
測定スタートカウンタ204は、水平同期信号から補正データ演算スタートまでの測定スタート期間をカウントする。図3(B)に示すように、測定スタート期間においてコンパレータ出力の初期化を行う。例えば、測定スタートカウンタ204は、ドットクロックDclkにより測定スタート期間をカウントする。
測定期間カウンタ206は、測定期間をカウントする。具体的には、図3(A)に示すように、補正データ演算部102が測定用データMD(測定用階調データ)を順次出力する場合に、1つの測定用データに対応するデータ電圧をコンパレータ180で比較する期間をカウントする。例えば、測定期間カウンタ206は、ドットクロックDclkにより測定期間をカウントする。
インターバルカウンタ208は、1つのインデックス終了から次のインデックス開始までのインターバル期間をカウントする。インターバル期間は、コンパレータ180の出力(比較結果CPQ)を初期化(例えば、Lレベルに初期化)するための期間である。例えば、インターバルカウンタ208は、ドットクロックDclkによりインターバル期間をカウントする。
測定用データカウンタ210は、カウント値に基づいて測定用データMDを生成する。例えば、測定用データカウンタ210は、シーケンサ240からの指示に従って測定期間毎にカウント値をインクリメントする。
レジスタ部220は、インデックスレジスタ222、測定スタートレジスタ224、測定期間レジスタ226、インターバルレジスタ228、補正演算用データレジスタ230を含む。
インデックスレジスタ222は、インデックスカウンタ202がカウントするインデックス数を設定する。
測定スタートレジスタ224は、測定スタートカウンタ204がカウントする測定スタート期間を設定する。
測定期間レジスタ226は、測定期間カウンタ206がカウントする測定期間を設定する。
インターバルレジスタ228は、インターバルカウンタ208がカウントするインターバル期間を設定する。
例えば、インデックスレジスタ222、測定スタートレジスタ224、測定期間レジスタ226、インターバルレジスタ228には、図示しないホストコントローラ(CPU)からレジスタ値が設定される。
補正演算用データレジスタ230は、各インデックスで演算された補正演算用データを保持する。例えば、補正演算用データレジスタ230は、エッジ検出部260からのエッジ検出パルスを受けて測定用データカウンタ210からの測定用階調データを保持する。あるいは、補正演算用データレジスタ230は、処理部280からの補正例外処理された補正演算用データを保持する。
エッジ検出部260は、コンパレータ180からの比較結果CPQを受けてエッジ検出パルスを出力する。例えば図3で説明したように、比較結果CPQの立ち上がりエッジ(立ち下がりエッジ)を検出してエッジ検出パルスを出力する。
処理部280は、補正演算用データレジスタ230に保持された各インデックスの補正演算用データから補正データCD1〜CDnを演算し、補正データレジスタCDR1〜CDRnに設定する。例えば、処理部280は、各インデックスの補正演算用データを平均処理して補正データを演算する。具体的には、補正データ演算部102は平均処理として加算平均を行ってもよく、各補正演算用データに重み付けをして平均してもよい。また補正データ演算部102は、平均処理において定数を加算したり減算したりしてもよい。
また処理部280は、補正演算用データを補正例外処理する。処理部280は、補正例外処理として修正係数の乗算を行うことができる。具体的には、図8等で説明したように、測定された補正演算用データに所定の修正係数を乗算処理して補正演算用データレジスタ230に設定する。また処理部280は、補正例外処理としてオーバーフロー処理を行うことができる。具体的には、処理部280は、補正演算用データの測定においてオーバーフローと判定した場合にはオーバーフロー用データを補正演算用データレジスタ230に設定する。さらに処理部280は、補正例外処理として変化量制限を行うことができる。具体的には、例えば図9の補正データレジスタCDR1〜CDRnに保持された前回の補正データを用いて補正データの変化量を制限する。
なお、本実施形態が通常動作モードにおいて正極性期間と負極性期間で交互にデータ線を駆動する場合には、処理部280が補正演算用データから正極性用の補正データと負極性用の補正データを求めることもできる。例えば、処理部280は、負極性用の補正データとして正極性用の補正データの2の補数を用いてもよく、1の補数を用いてもよい。
シーケンサ240は、垂直同期信号Vsync、水平同期信号Hsync、ドットクロックDclkを受けて、補正データ演算部102の制御及び、図9〜図11で説明したシフトデータSR_Data、シフトレジスタのリセット信号SR_Reset、シフトレジスタのクロックSR_Clock、シフトレジスタの出力イネーブル信号SR_Enable、補正イネーブル信号C_Enableの出力を行う。
なお、補正データ演算部102、シーケンサ240は、例えばゲートアレイを用いて構成してもよく、図示しないCPUが補正データ演算部102及びシーケンサ240の機能が記述されたプログラムを実行することで実現してもよい。
図13に補正データ演算部102の処理フロー例を示す。図13では補正データ演算モードのうち1Hモードにおける動作を例に説明する。なお、バーストモードにおいては、図13の補正データ演算モード待ち(ステップSA1)からスタートして補正データ格納(ステップSA22)まで1Hモードと同様に処理し、次の水平走査期間からは各水平走査期間毎にHSYNC待ち(ステップSA3)〜補正データ格納(ステップSA22)を行い、これを補正データCD1〜CDnが求め終わるまで繰り返す。
補正データ演算部102は、補正データ演算モード待ち(SA1)においてシーケンサ240からの補正データ演算スタートの指示を待つ。Noの場合には補正データ演算モード待ち(SA1)を繰り返し、Yesの場合にはVSYNC待ち(SA2)を行う。
VSYNC待ち(SA2)において、垂直同期信号Vsyncのエッジ(立ち下がりエッジ、又は立ち上がりエッジ)を待つ。Noの場合にはVSYNC待ち(SA2)を繰り返し、Yesの場合にはHSYNC待ち(SA3)を行う。
HSYNC待ち(SA3)において、水平同期信号Hsyncのエッジ(立ち下がりエッジ、又は立ち上がりエッジ)を待つ。Noの場合にはHSYNC待ち(SA3)を繰り返し、Yesの場合には測定スタートカウンタのリセット、測定用データカウンタのリセット、インデックスカウンタのリセット(SA4)を行う。
次に、測定スタート待ち(SA5)において、測定スタートカウンタのカウント値と測定スタートレジスタ224に設定された測定スタート期間の一致、不一致を判断する。不一致の場合(No)には、測定スタートカウンタをインクリメント(SA6)して測定スタート待ち(SA5)を繰り返す。一致した場合(Yes)には、測定期間カウンタのリセット(SA7)を行い、補正レベル一致判断(SA8)を行う。
補正レベル一致判断(SA8)において、コンパレータ180からの比較結果CPQに基づいて、補正対象のデータ線駆動回路が出力するデータ電圧とコンパレータ基準電圧VPの一致、不一致を判断する。一致した場合(Yes)には、補正演算用データ格納(ステップSA9)において補正演算用データを補正演算用データレジスタ230に設定し、インデックスカウンタをインクリメント(SA16)し、ステップSA17〜SA22を行う。不一致の場合(No)には、測定期間カウンタをインクリメント(SA10)し、測定期間終了待ち(SA11)を行う。
測定期間終了待ち(SA11)において、測定期間カウンタ206のカウント値と測定期間レジスタ226に設定された測定期間の一致、不一致を判断する。不一致の場合(No)には、補正レベル一致判断(SA8)を行う。一致した場合(Yes)には、測定用データカウンタをインクリメント(SA12)し、測定用データ最大値判定(SA13)を行う。
測定用データ最大値判定(SA13)において、測定用データカウンタ210のカウント値が所定の最大値(又は最小値)を超えたか否かを判定する。超えていない場合(No)には、測定期間カウンタをリセット(SA7)してステップSA8〜SA13を行う。超えた場合(Yes)には、補正例外処理(SA14)を行う。
補正例外処理(SA14)において、オーバーフロー処理、修正係数の乗算、変化量制限を行い、補正演算用データ格納(SA15)において、補正演算用データを補正演算用データレジスタ230に設定する。
次に、インデックスカウンタをインクリメント(SA16)する。
続いて、インターバルカウンタをリセット(SA17)してインターバル終了待ち(SA18)を行う。
インターバル終了待ち(SA18)において、インターバルカウンタのカウント値とインターバルレジスタ228のインターバル期間の一致、不一致を判定する。不一致の場合(No)には、インターバルカウンタをインクリメント(SA19)してインターバル終了待ち(SA18)を繰り返す。一致した場合(Yes)には、規定回数終了待ち(SA20)を行う。
規定回数終了待ち(SA20)において、インデックスカウンタ202のカウント値とインデックスレジスタ222に設定されたインデックス数の一致、不一致を判定する。不一致の場合(No)には、測定期間カウンタをリセット(SA7)してステップSA8〜SA20を行う。一致した場合(Yes)には、補正演算用データの平均処理(SA21)を行って補正データを求め、補正データ格納(SA22)を行う。
補正データ格納(SA22)では、例えば図9の補正データレジスタCDR1〜CDRn)に処理部280からの補正データを設定する。
図14に補正データ演算部102の処理フローの変形例を示す。図14に示す変形例は、本実施形態がマルチプレクス駆動を行わない場合の処理フロー例である。具体的には、本実施形態が通常動作モードにおいて1水平走査期間において1つのデータ線を駆動し、補正データ演算モードにおいて1水平走査期間において1つの補正演算用データを求める場合の処理フロー例である。
なお、図14に示す変形例では、図12に示すインデックスカウンタ202、インターバルカウンタ208、インデックスレジスタ222、インターバルレジスタ228を省略することができる。
図14に示す変形例において、補正データ演算部102は補正データ演算モード待ち(SB1)を行う。Noの場合には補正データ演算モード待ち(SB1)を繰り返し、Yesの場合にはVSYNC待ち(SB2)を行う。
VSYNC待ち(SB2)において、Noの場合にはVSYNC待ち(SB2)を繰り返し、Yesの場合にはHSYNC待ち(SB3)を行う。
HSYNC待ち(SB3)において、Noの場合にはHSYNC待ち(SB3)を繰り返し、Yesの場合には測定スタートカウンタのリセット、測定用データカウンタのリセット(SB4)を行う。
次に、測定スタート待ち(SB5)を行い、Noの場合には測定スタートカウンタをインクリメント(SB6)して測定スタート待ち(SB5)を繰り返す。Yesの場合には測定期間カウンタのリセット(SB7)を行い、補正レベル一致判断(SB8)を行う。
補正レベル一致判断(SB8)において、一致した場合(Yes)には、補正演算用データ格納(ステップSB9)を行い、補正データの演算(SB16)を行う。不一致の場合(No)には、測定期間カウンタをインクリメント(SB10)し、測定期間終了待ち(SB11)を行う。
測定期間終了待ち(SB11)において、Noの場合には補正レベル一致判断(SB8)を行う。Yesの場合には測定用データカウンタをインクリメント(SB12)し、測定用データ最大値判定(SB13)を行う。
測定用データ最大値判定(SB13)において、Noの場合には測定期間カウンタをリセット(SB7)してステップSB8〜SB13を行う。Yesの場合には、補正例外処理(SB14)を行い、補正演算用データ格納(SB15)を行う。
次に、補正データの演算(SB16)において、処理部280が補正演算用データから補正データを求める。例えば、処理部280は、補正演算用データレジスタ230に保持された補正演算用データをそのまま補正データとして用いてもよく、補正演算用データに所定の定数を加算又は減算して補正データを求めてもよい。
そして、補正データレジスタに補正データを格納(SB17)する。
4.レイアウト
図15に、本実施形態のレイアウト配置例を模式的に示す。図15では、第1の方向D1〜第4の方向D4を用いてレイアウト配置を説明し、第1の方向D1の反対方向を第2の方向D2とし、第1の方向D1に直交する方向を第3の方向D3及び第4の方向D4とする。
図15に示すレイアウト配置例は、データ線駆動回路140−1〜140−n(複数のデータ線駆動回路)、コンパレータ180を含む。
図15に示すように、データ線駆動回路140−1〜140−nは第1の方向D1に沿って配置される。そして、コンパレータ180はデータ線駆動回路140−1〜140−nの第1の方向D1(又は、第2の方向D2)に配置される。具体的には、データ線駆動回路140−1〜140−nがその間にコンパレータ180等の他の構成要素を含まず等間隔に配置される。
さらに図15に示すレイアウト配置例は、ゲートアレイGAを含むことができる。ゲートアレイGAは、補正データ演算部102を含む制御部100を含む。またゲートアレイGAは、例えばストリームデータを受信するI/F回路や走査ドライバ38のデジタルセルを含むこともできる。なお、ゲートアレイGAは、図15に示すようにデータ線駆動回路140−1〜140−n及びコンパレータ180の方向D1に配置されてもよく、方向D2に配置されてもよい。また、ゲートアレイGAは、データ線駆動回路140−1〜140−n及びコンパレータ180の方向D3又は方向D4に配置されてもよい。
ここで、データ線駆動回路140−1〜140−nが非等間隔に配置されると、各データ線駆動回路のプロセス加工精度が均一にならない。そのため、データ線駆動回路の出力特性に製造バラツキが生じやすくなり、データ線電圧のバラツキが大きくなるという課題がある。
例えば、図9に示すようにオペアンプOP1〜OPnを用いてデータ電圧を出力する場合には、各オペアンプの差動対の加工精度が均一でないとオフセットにバラツキが生じ、データ線電圧のバラツキが大きくなるという課題がある。
この点、本実施形態によれば、データ線駆動回路が方向D1に沿って配置され、コンパレータ180がデータ線駆動回路の方向D1(又は方向D2)に配置される。これにより、データ線駆動回路を等間隔に配置することができ、製造バラツキによるデータ電圧のバラツキを抑制できる。
また、本実施形態によれば、コンパレータ1個を用いてデータ電圧のバラツキを測定する。これにより、データ線駆動回路の間に他の構成要素を混在させる必要が無く、データ線駆動回路を等間隔に配置することができる。
このように、本実施形態によれば製造バラツキによるデータ電圧のバラツキを抑制でき、補正データによるデータ電圧のバラツキ補正の補正精度を向上することができる。
5.電子機器
5.1.プロジェクタ
図16に本実施形態の集積回路装置が適用されたプロジェクタ(電子機器)の構成例を示す。
プロジェクタ700(投写型表示装置)は、表示情報出力源710、表示情報処理回路720、ドライバ60(表示ドライバ)、液晶パネル12(広義には電気光学パネル)、クロック発生回路750及び電源回路760を含む。
表示情報出力源710は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)、光ディスク装置等のメモリ、画像信号を同調して出力する同調回路等を含み、クロック発生回路750からのクロック信号に基づいて、所定フォーマットの画像信号等の表示情報を表示情報処理回路720に出力する。
表示情報処理回路720は、増幅・極性反転回路、相展開回路、ローテーション回路、ガンマ補正回路、或いはクランプ回路等を含むことができる。
ドライバ60は、走査ドライバ(ゲートドライバ)及びデータドライバ(ソースドライバ)を含み、液晶パネル12(電気光学パネル)を駆動する。
電源回路760は、上述の各回路に電力を供給する。
5.2.PDA
図17に、本実施形態の集積回路装置が適用されたPDA(電子機器)の構成例を示す。
PDA900(Personal Digital Assistants)は、カメラモジュール910、変復調部950、表示コントローラ40、ホスト940(ホストコントローラ、CPU)、操作入力部970、ドライバ60(表示ドライバ)、電源回路50、液晶パネル12(電気光学パネル)を含む。
カメラモジュール910は、CCDカメラを含み、CCDカメラで撮像した画像のデータを、例えばYUVフォーマットで表示コントローラ40に供給する。
ドライバ60は、走査ドライバ38(ゲートドライバ)、データドライバ20(ソースドライバ)を含む。走査ドライバ38は、液晶パネル12の有する複数の走査線(ゲート線)を駆動する。データドライバ20は、液晶パネル12の有する複数のデータ線(ソース線)を駆動する。
表示コントローラ40は、データドライバ20に対して例えばRGBフォーマットの階調データを供給し、走査ドライバ38に対して例えば水平同期信号を供給する。
電源回路50は、ソースドライバ20及びゲートドライバ38に駆動用の電源電圧を供給する。また表示パネル12の対向電極に、対向電極電圧VCOMを供給する。
ホスト940は、表示コントローラ40を制御する。またホスト940は、アンテナ960を介して受信された変調信号を、変復調部950で復調して階調データを生成した後、表示コントローラ40に供給する。ホスト940は、カメラモジュール910で生成された階調データを変復調部950で変調した後、アンテナ960を介して他の通信装置への送信を指示する。さらにホスト940は、操作入力部970からの操作情報に基づいて階調データの送受信処理、カメラモジュール910の撮像、表示パネル12の表示処理を行う。
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義又は同義な異なる用語()と共に記載された用語(電気光学パネル、反転入力端子、非反転入力端子、階調電圧、VGMH、VGML等)は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また基準電圧生成回路、選択回路、サンプルホールド部、データ線駆動回路、階調生成アンプ、駆動アンプ、電気光学装置、電子機器等の構成、動作も本実施形態で説明したものに限定に限定されず、種々の変形実施が可能である。