以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図12は本発明をパチンコ機に採用した第1の実施形態を例示している。なお、以下の説明における上下左右の方向については、特に基準を示さない限り遊技機本体を前側から見た場合の上下左右をいうものとする。
図1において、1は遊技機本体で、矩形状の外枠2と、この外枠2の前側に開閉自在に枢着された前枠3とを備えている。前枠3は左端側の上下一対のヒンジ4を介して外枠2に着脱及び開閉自在に装着されている。
前枠3の上部側には遊技盤5が例えば前側から着脱自在に装着されると共に、遊技盤5の前側にガラス扉6が、ガラス扉6の下側に隣接して前面開閉板7が夫々配置されている。ガラス扉6、前面開閉板7はヒンジ4と同一側のヒンジ(図示省略)により前枠3に開閉自在に枢支されている。前面開閉板7には、その前側に、発射手段8に供給するための遊技球を貯留する貯留皿9、発射手段8を作動させるための発射ハンドル10等が設けられている。
遊技盤5の前側には、発射手段8により発射された遊技球を案内するガイドレール11が環状に装着されると共に、そのガイドレール11内の遊技領域12には、画像表示手段13を備えたセンターケース14の他、通過ゲート15、開閉式入賞手段16、大入賞手段17、普通入賞手段18等の各種遊技部品が装着されている。
また、遊技盤5の裏側には、図2に示すように、センターケース14等の遊技部品を後側から覆う裏カバー21と集球ケース22とが上下に配置され、例えば集球ケース22の背面側に主制御基板23が格納された主基板ケース24が、裏カバー21の背面側に演出制御基板25が格納された演出基板ケース26、液晶制御基板27が格納された液晶基板ケース28が夫々着脱自在に装着されている。
集球ケース22は、開閉式入賞手段16、大入賞手段17、普通入賞手段18等に入賞して遊技盤5の裏側に案内された遊技球を集めて排出口29から回収通路(図示省略)側へと案内するためのもので、図4に示すように上面側と前面側とが開放した略箱形に形成されており、裏カバー21の下側に近接して配置され、遊技盤5の裏側に着脱自在に固定されている。
集球ケース22の背面側には、例えばその略中央に主基板ケース24を着脱自在に装着可能な主基板ケース装着部31が設けられ、また例えばその主基板ケース装着部31の一側には、遊技盤5を前枠3側に装着したときに前枠3側のコネクタ(図示省略)に直接結合される遊技盤側コネクタ32が複数配置されている。主基板ケース装着部31は、集球ケース22の背面側に設けられた装着開口部33と、その装着開口部33の上下両縁側に沿って配置される装着レール34と、主基板ケース24の一端側、例えば左端側を保持する第1保持手段35と、この第1保持手段35により一端側が保持された主基板ケース24の他端側を解除可能に保持する締結つまみ等よりなる第2保持手段36とを備えている。
この主基板ケース装着部31に装着される主基板ケース24は、図4等に示すように、主制御基板23の両面側から互いに嵌め合わせ可能な表ケース体(甲ケース体)41と裏ケース体(乙ケース体)42とで開閉自在に構成されており、表ケース体41と裏ケース体42とを夫々主制御基板23の電子部品装着面23a側とその裏面23b側から互いに嵌め合わせた状態で所定方向、例えば左右方向(以下、開閉スライド方向という)に互いに相対的にスライドさせることにより、嵌め合わせ状態がロック手段43により保持されるロック状態と、保持されないアンロック状態とに切り換え可能となっている。即ち主基板ケース24は、表ケース体41と裏ケース体42とをアンロック状態からロック状態に切り換えることにより閉状態となり、逆にロック状態からアンロック状態に切り換えることにより開状態となる。
なお、この主基板ケース24に格納される主制御基板23は、例えば横長矩形状に形成され、その一面側の電子部品装着面23aには、外縁に沿って複数個のコネクタ44が配置されると共に、それらコネクタ44よりも内側にCPU,ROM,RAM等の各種電子部品45が配置されている。
また、主基板ケース24には、図3,図4等に示すように、主制御基板23を格納するための基板格納部46と、表ケース体41と裏ケース体42とを閉状態でロックするためのロック手段43とが設けられると共に、例えば基板格納部46の一端側、例えば左端側に、第1封止手段47、第2封止手段48、ICタグシール貼付部49、閉鎖固定部50等が設けられている。なお本実施形態では、図3に示すように、基板格納部46の左縁部に沿ってその上端側から下端側にかけてICタグシール貼付部49、第1封止手段47、第2封止手段48、閉鎖固定部50の順で配置されているものとする。
第1封止手段47及び第2封止手段48は、主基板ケース24を閉状態で封止するもので、第1封止手段47は最初の封止時に用いられ、第2封止手段48は第1封止手段47による封止が解除された後の再封止時に用いられるようになっている。ICタグシール貼付部49は、ICタグシール40を表ケース体41と裏ケース体42とに跨って貼付するための部分である。また閉鎖固定部50は、表ケース体41と裏ケース体42とをロック状態でねじ止め等により互いに固定するための部分である。
基板格納部46は、表ケース体41側の表蓋部51と裏ケース体42側の裏蓋部52とで構成されている。
表ケース体41側の表蓋部51は、図3〜図6等に示すように、主制御基板23の外縁を取り囲む上下左右の周壁部53〜56と、主制御基板23の電子部品装着面23aに対向する表カバー部57とを一体に備え、裏ケース体42側が開放されて開口58を形成している。表カバー部57は、その外周側に沿って設けられた低壁部57aと、その低壁部57aの内側で外向き、即ち電子部品装着面23aから離れる方向に膨出する膨出部57bとを備えている。低壁部57a上には、主制御基板23のコネクタ44に対応して内向き、即ち主制御基板23側に凹入する複数の凹部59a〜59cが設けられ、それら凹部59a〜59cにはコネクタ44が嵌合するコネクタ嵌合孔60が夫々1又は複数設けられている。膨出部57bは、主制御基板23の電子部品装着面23aとの間に電子部品の収容空間を確保するためのものである。
このような表蓋部51に対し、主制御基板23は、コネクタ44をコネクタ嵌合孔60に嵌合させつつ開口58側から嵌め込まれ、電子部品装着面23aを凹部59a〜59cの内面側に当接させた状態でねじ止め等により着脱自在に固定される。
裏ケース体42側の裏蓋部52は、図3〜図6等に示すように、主制御基板23の裏面23bに対向する裏カバー部61と、この裏カバー部61に対して開閉スライド方向の一端側に設けられた起立壁部62とを一体に備えている。裏カバー部61は、表蓋部51側の開口58に対応する矩形板状に形成され、表蓋部51側の周壁部53〜56の端縁に摺接し、ロック状態のときに表蓋部51側の開口58を略閉鎖するようになっている。起立壁部62は、裏カバー部61の縁部から表蓋部51側の左周壁部55に沿って垂直に立設されており、ロック状態のときに左周壁部55の外面側に当接するようになっている。なお、例えば裏カバー部61の外縁部には、主基板ケース装着部31の第2保持手段36が係脱自在に係合する被係合部36aが外向きに一体形成されている。
ロック手段43は、図5,図6等に示すように、表ケース体41側のロック被係合部63と裏ケース体42側のロック係合部64とで構成されている。
表ケース体41側のロック被係合部63は、例えば表蓋部51の上下の周壁部53,54に沿って配置されている。即ち、上下の周壁部53,54の内側には夫々若干の隙間を挟んで内ガイド板53a,54aが表カバー部57の裏側に向けて立設されており、それら内ガイド板53a,54aと周壁部53,54との間のガイド溝65内に、ロック被係合部63が開閉スライド方向に沿って間欠的に夫々複数設けられている。このロック被係合部63は、内ガイド板53a,54aと周壁部53,54との間を一体に連結するように、周壁部53,54における表蓋部51側の端縁に沿って所定長さに形成されている。
裏ケース体42側のロック係合部64は、表ケース体41側のロック被係合部63に対応して裏カバー部61の内面61a側に一体に設けられ、裏カバー部61から表蓋部51側に向けて突出する係合脚部64aと、この係合脚部64aの先端側から開閉スライド方向の一方側(ここでは右向き)に突出する係合爪部64bとで略L字型に形成されており、アンロック状態で表ケース体41側のガイド溝65内に嵌合し、ロック状態となったときに係合爪部64bがロック被係合部63に夫々係合するようになっている。
第1封止手段47は、図4〜図6等に示すように、表ケース体41側の表ケース側封止部(甲ケース側封止部)66と裏ケース体42側の裏ケース側封止部(乙ケース側封止部)67とで構成され、それら表ケース側封止部66と裏ケース側封止部67とを分離不能に結合することにより表ケース体41と裏ケース体42とをロック状態で封止可能となっており、例えば基板格納部46に対して開閉スライド方向の一端側近傍に配置されている。
表ケース側封止部66は、例えば略矩形板状に形成された表ケース側封止本体部66aと、この表ケース側封止本体部66aの外縁部に設けられた表ケース側係合爪部66bとを備え、表ケース体41の表ケース側設置部68内に配置され、表ケース側損壊部(甲ケース側損壊部)69を介して表ケース体41上に一体形成されている。
表ケース側設置部68は、例えば左周壁部55と、この左周壁部55から基板格納部46の外側に向けて開閉スライド方向に突設された上下一対の表ケース側リブ70,71とで三方を取り囲まれており、表ケース側封止部66は、例えば表ケース側封止本体部66aが表蓋部51側の背面51a(図5)と略面一となるようにその表ケース側設置部68内に配置されている。なお、表ケース側封止部66の外周側と表ケース側設置部68との間には所定幅の隙間72が設けられている。また、表ケース側係合爪部66bは、表ケース側封止本体部66aの四辺のうち、例えば表ケース側設置部68に面していない一辺の外縁側に突設されている。
表ケース側損壊部69は、例えば所定太さの線状に形成され、表ケース側封止部66の外縁部と表ケース側設置部68の内縁部とを一体に連結するように隙間72内に複数配置されている。本実施形態では、表ケース側封止本体部66aの四辺のうち、表ケース側設置部68に面している三辺に対して表ケース側損壊部69が二本ずつ設けられている。
裏ケース側封止部67は、表ケース側封止本体部66aに対応する裏ケース側封止本体部67aと、表ケース側係合爪部66bに対応する裏ケース側係合爪部67bとを備え、裏ケース体42の裏ケース側設置部73内に配置され、表ケース側損壊部69に対応する裏ケース側損壊部(乙ケース側損壊部)74を介して裏ケース体42上に一体形成されており、表ケース側封止部66の裏面側、即ち裏ケース体42側に摺接し、ロック状態のときに表ケース側封止部66と前後に完全に重なるようになっている。第1封止手段47による最初の封止を行う際には、このロック状態で表ケース側封止部66と裏ケース側封止部67とが超音波溶着、熱溶着等により分離不能に結合される。
なお、表ケース側封止部66と裏ケース側封止部67とは、第1封止手段47による封止時にロック状態で分離不能に結合されることにより一つの第1封止部75となり(図7(c)、図8等)、この第1封止部75上には、表ケース側係合爪部66bと裏ケース側係合爪部67bとが一体となって封止係合部(係合部)76(図7(c))が形成される。この封止係合部76は、例えば第1封止部75の長手方向に対してその一端側が緩やかな傾斜面76aを形成している(図9(a)等)。
裏ケース側設置部73は、例えば裏ケース体42側の起立壁部62と、この起立壁部62から一対の表ケース側リブ70,71の対向面側に沿って開閉スライド方向に突設された上下一対の裏ケース側リブ77,78とで三方を取り囲まれており、裏ケース側封止部67は、表ケース側封止部66の裏側に摺接するようにこの裏ケース側設置部73内に配置されている。なお、裏ケース側封止部67の外周側と裏ケース側設置部73との間には所定幅の隙間79が設けられている。
裏ケース側損壊部74は、例えば表ケース側損壊部69と同じ太さの線状に形成され、裏ケース側封止部67の外縁部と裏ケース側設置部73の内縁部とを一体に連結するように隙間79内に複数配置されている。本実施形態では、裏ケース側損壊部74は表ケース側損壊部69に対応して設けられており、ロック状態のときに全ての裏ケース側損壊部74が夫々表ケース側損壊部69と前後に重なって第1損壊部80を形成するようになっている(図7(c)、図8等)。第1封止手段47による封止を解除する場合には、この第1損壊部80を切断して第1封止部75を主基板ケース24から取り除けばよい。
なお、第1損壊部80を切断すると、第1封止部75側に第1損壊部80の一部が残突起部として残る場合がある。本実施形態では、複数の残突起部のうち、封止係合部76が形成された辺に隣接する辺上の四つを残突起部80a、封止係合部76が形成された辺に対向する辺上の二つを残突起部80bとして区別する(図9(b))。
第2封止手段48は、第2封止部材によって表ケース体41に対する裏ケース体42の開方向への相対移動を阻止することにより主基板ケース24を閉状態で封止するもので、その第2封止部材として、第1封止手段47の封止解除時に主基板ケース24から取り除いた第1封止部75を使用するように構成され、例えば基板格納部46に対して開閉スライド方向の一端側近傍に第1封止手段47に隣接して配置されており、表ケース体41側の封止部材装着部81と、裏ケース体42側の封止被係合部(被係合部)82とを備えている。
表ケース体41側の封止部材装着部81は、主基板ケース24から取り除いた第1封止部75を収容するもので、裏ケース体42側の面が第1封止部75の装着口83として開放された矩形箱形に形成されており、封止係合部76を裏ケース体42側に向けた状態で第1封止部75を開閉スライド方向に沿って保持するように、表ケース体41側の左周壁部55の外面側に一体に設けられている。ここで、第1封止部75は、図10に示すように、封止係合部76の傾斜面76aが、表ケース体41における開閉スライド方向のロック状態側(ここでは左側)を向くように封止部材装着部81内に挿入される。
第2封止手段48では、例えばこの封止部材装着部81と左周壁部55との連結部分が、封止を解除する際に損壊する第2損壊部84となっており、封止部材装着部81とこれに隣接する各部位、即ち第1封止手段47及び後述する閉鎖固定部50との間には、第2損壊部84を損壊する際にニッパー等の工具を挿入するための隙間が形成されている。
また、封止部材装着部81には、図5,図6等に示すように、第1封止部75上の残突起部80aが嵌合する凹状の残突起嵌合溝(残突起嵌合部)85aと、同じく残突起部80bが嵌合する貫通状の残突起嵌合孔(残突起嵌合部)85bとが設けられている。残突起嵌合溝85aは、封止部材装着部81の開閉スライド方向の両端側に対応してその内面側に第1封止部75の挿入方向に沿って設けられている。また残突起嵌合孔85bは、封止部材装着部81上の装着口83に対向する底壁に開口状に設けられている。これにより、残突起部80a,80bの有無やその長さのバラツキに拘わらず、第1封止部75は常に封止部材装着部81内の所定の定位置に保持されるため、第2封止手段48による封止を行う際に例えば残突起部80a,80bを除去する必要はない。更に封止部材装着部81には、装着口83側の縁部から開閉スライド方向に対する左右両側に向けて一対の係合突部86が一体に設けられている。
裏ケース体42側の封止被係合部82は、封止部材装着部81に装着された第1封止部75上の封止係合部76がロック状態において係合することにより表ケース体41に対する裏ケース体42のアンロック状態側への相対移動を阻止するもので、封止部材装着部81の装着口83に沿って設けられた台板部87上に形成されている。台板部87は、例えば裏ケース体42側の起立壁部62と裏ケース側リブ78とに跨って一体に設けられている。
この台板部87上には、アンロック状態のときの封止係合部76が嵌合する第1嵌合溝88と、ロック状態のときの封止係合部76が嵌合する第2嵌合溝89とが設けられ、それら第1嵌合溝88と第2嵌合溝89との間に形成された相対的に突出した部分が封止被係合部82となっており、主基板ケース24がアンロック状態からロック状態に切り換えられる際には、図10に示すように、封止係合部76は傾斜面76aに案内されて第1嵌合溝88側から封止被係合部82を越えて第2嵌合溝89に乗り移り、封止被係合部82に係合するようになっている。
更に台板部87上には、封止部材装着部81側の係合突部86に対応する一対の被係合部90が形成されており、主基板ケース24がアンロック状態からロック状態に切り換えられる際に係合突部86が被係合部90に係合して、封止部材装着部81の台板部87からの離間を阻止するようになっている。これにより、例えば台板部87と封止部材装着部81との隙間をこじ開けて第2封止手段48による封止を解除する不正行為を確実に防止できる。
ICタグシール貼付部49は、表ケース体41側の表ケース側貼付面91と裏ケース体42側の裏ケース側貼付面92とで構成されている。これら表ケース側貼付面91と裏ケース側貼付面92とは、例えば共に主制御基板23と平行で且つ電子部品装着面23aと同じ向きに形成された平面であって、アンロック状態では互いに離間した状態にあり、アンロック状態からロック状態に切り換えられたとき、両者は開閉スライド方向に連結されてICタグシール40を貼付可能な1つの平面を形成するようになっている。なお、このICタグシール貼付部49には、貼付済みのICタグシール40を保護するカバー部材を装着することが望ましい。
閉鎖固定部50は、表ケース体41側の表ケース側固定部93と裏ケース体42側の裏ケース側固定部94とで構成されている。裏ケース側固定部94には固定ねじ用のねじ止め基部94aが、表ケース側固定部93にはねじ止め基部94aに対応するねじ挿通孔93aが夫々設けられており、ロック状態において両者は例えば前後方向に互いに重なり合うようになっている。例えば未封止の主基板ケース24を搬送する際には、この閉鎖固定部50に固定ねじをねじ込むことにより表ケース体41と裏ケース体42とをロック状態で仮固定することができる。
以上のような主基板ケース24を組み立てる際には、まず表ケース体41の内側に主制御基板23を装着、固定し、その表ケース体41の裏側に裏ケース体42をアンロック状態に嵌め合わせる(図7(a)→(b))。このとき、表ケース側封止部66と裏ケース側封止部67とは開閉スライド方向に互いにずれた位置関係にあり(図7(b))、また表ケース側貼付面91と裏ケース側貼付面92とは開閉スライド方向に離間している(図示省略)。
次に、表ケース体41と裏ケース体42とを互いに相対的にスライドさせ、裏ケース体42側のロック係合部64を表ケース体41側のロック被係合部63に夫々係合させてロック状態とする(図7(b)→(c))。これにより、表ケース側封止部66と裏ケース側封止部67とが開閉スライド方向に一致して、前後方向、即ち主制御基板23の板厚方向に互いに隙間なく重なり合った状態となる(図7(c),図8,図9(a))。また、表ケース側貼付面91と裏ケース側貼付面92とが互いに連結されて1つのICタグシール貼付部49が形成される(図9(a))。
この状態で、第1封止手段47による最初の封止を行う。即ち、表ケース側封止部66と裏ケース側封止部67とを、例えば図7(c)に示すように超音波溶着装置の台座96とホーン97との間に挟み込み、ホーン97を介して超音波振動を付与することにより、表ケース側封止部66と裏ケース側封止部67との間に摩擦熱を生じさせて両者を溶着する。これにより、表ケース体41と裏ケース体42とがロック状態で互いに固定され、第1封止手段47による主基板ケース24の封止が完了する。
第1封止手段47によって封止された主基板ケース24は、ICタグシール貼付部49にICタグシール40を貼着することにより封印され(図9(a))、各コネクタ44に各種ハーネスが接続された後、集球ケース22の背面側の主基板ケース装着部31に装着される。
検査等のために主基板ケース24を開封する場合には、まず主基板ケース24を主基板ケース装着部31から取り外し、各種ハーネスをコネクタ44から取り外し、ICタグシール40をカットして封印を解いた後、第1封止手段47による封止を解除する。即ち、第1損壊部80(表ケース側損壊部69及び裏ケース側損壊部74)をニッパー等の工具を用いて切断し、第1封止部75(表ケース側封止部66と裏ケース側封止部67との結合体)を主基板ケース24から取り除く(図9(a)→(b))。これにより、表ケース体41と裏ケース体42との結合状態が解除されるため、裏ケース体42を表ケース体41に対してアンロック状態側に相対的にスライドさせて主基板ケース24を開封することができる。
第1封止手段47による封止を解除して主基板ケース24を開封した後、再び封止する場合には第2封止手段48を用いて以下のような手順で行う。即ち、まず第1封止手段47による封止解除時に主基板ケース24から切り離した第1封止部75(第2封止部材)を、封止係合部76の傾斜面76aが表ケース体41における開閉スライド方向のロック状態側を向くように、封止係合部76が設けられている端面の反対側の端面側から封止部材装着部81内に挿入する(図10(a))。
このとき、第1損壊部80を切断した際(図9(b))に第1封止部75側に残った残突起部80a,80bは、封止部材装着部81内に設けられた残突起嵌合溝85a及び残突起嵌合孔85bに夫々嵌合し、残突起部80a,80bの有無やその長さのバラツキに拘わらず、第1封止部75は常に封止部材装着部81内の所定の定位置に保持されるため、第1封止部75から残突起部80a,80bをわざわざ除去する必要はない。従って、主基板ケース24の最初の開封から再封止までの作業においては僅かな廃棄物も発生しない。
続いて、最初の封止時(図7)と同様、表ケース体41と裏ケース体42とをアンロック状態に嵌め合わせる(図10(b))。このとき、第1封止部75上の封止係合部76は、第1嵌合溝88内に収容された状態となっている。そして、表ケース体41と裏ケース体42とを互いに相対的にスライドさせて、裏ケース体42側のロック係合部64を表ケース体41側のロック被係合部63に夫々係合させてロック状態とする(図10(b)→(c))。このとき、第1封止部75上の封止係合部76は、傾斜面76aに案内されて第1嵌合溝88側から封止被係合部82を越えて第2嵌合溝89に乗り移り、封止被係合部82に係合するため、表ケース体41に対する裏ケース体42のアンロック状態側へのスライド移動が阻止され、第2封止手段48による主基板ケース24の封止が完了する。
なお、ロック状態では、互いに係合している封止係合部76と封止被係合部82との両側で、封止部材装着部81上の係合突部86が台板部87上の被係合部90に係合し(図11)、封止部材装着部81の台板部87からの離間が阻止されるため、例えば台板部87と封止部材装着部81との隙間をこじ開けて第2封止手段48による封止を解除する不正行為を確実に防止できる。
その後に再び主基板ケース24を開封する場合には、例えば封止部材装着部81と左周壁部55との連結部分の第2損壊部84(図10(c))をニッパー等の工具を用いて切断し、第1封止部75を封止部材装着部81ごと表ケース体41から切り離す(図12)。これにより、表ケース体41と裏ケース体42との結合状態が解除されるため、裏ケース体42を表ケース体41に対してアンロック状態側に相対的にスライドさせて主基板ケース24を開封することができる。
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機では、第1封止手段47が、第1損壊部80を損壊して主基板ケース24から第1封止部75を取り除くことによりその封止が解除されるように構成され、第2封止手段48が、第2封止部材により表ケース体41に対する裏ケース体42の開方向への相対移動を阻止することにより封止するように構成されており、第1封止手段47の封止解除時に主基板ケース24から取り除かれた第1封止部75を第2封止部材として使用可能に構成しているため、部品点数が少なく、構成が簡単で、しかも主基板ケース24の最初の開封から再封止までの作業において廃棄物が発生しないため作業の手間や無駄を最小限に抑えることが可能である。
また、第1封止手段47は、表ケース側損壊部69を介して表ケース体41上に一体に設けられた表ケース側封止部66と、裏ケース側損壊部74を介して裏ケース体42上に一体に設けられた裏ケース側封止部67とを備え、主基板ケース24を閉じた状態で表ケース側封止部66と裏ケース側封止部67とを分離不能に結合することにより表ケース体41と裏ケース体42とを封止可能であり、互いに結合された表ケース側封止部66と裏ケース側封止部67とで第1封止部75が、表ケース側損壊部69と裏ケース側損壊部74とで第1損壊部80が夫々構成されるため、第1封止手段47による封止及び開封作業が容易であり、また第2封止部材として使用する第1封止部75が1部品となるため再封止までの取扱い及び第2封止手段48による再封止作業が容易である。
また、第2封止手段48は、主基板ケース24から取り除かれた第1封止部75を装着可能な封止部材装着部81を表ケース体41上に備え、第1封止部75上には係合部76が、裏ケース体42上で且つ封止部材装着部81に装着された第1封止部75に対応する位置には被係合部82が夫々設けられており、第1封止部75を封止部材装着部81に装着した状態で主基板ケース24を閉じたとき、係合部76と被係合部82とが係合して表ケース体41に対する裏ケース体42の開方向への相対移動を阻止するように構成されているため、第2封止手段48による再封止時には第1封止部75を封止部材装着部81に装着して主基板ケース24を閉じるだけでよく、作業が極めて容易である。
また、封止部材装着部81には、第1損壊部80を損壊した後に第1封止部75側に残った残突起部80a,80bに対応する残突起嵌合溝85a及び残突起嵌合孔85bが設けられ、第1封止部75は、残突起部80a,80bが残突起嵌合溝85a及び残突起嵌合孔85bに嵌合することにより封止部材装着部81上の定位置に保持されるように構成されているため、第1封止部75から残突起部80a,80bをわざわざ除去する必要はなく、主基板ケース24の最初の開封から再封止までの作業の手間が軽減されると共に僅かな廃棄物も発生しないという利点がある。
図13は本発明の第2の実施形態を例示し、第1の実施形態を一部変更して、第2封止手段48の第2封止部材として使用する第1封止部75を、第1損壊部80を介して表ケース体41に一体に形成した例を示している。
第1の実施形態では、表ケース体41上に一体に設けられた甲ケース側封止部66と、裏ケース体42上に一体に設けられた乙ケース側封止部67とを分離不能に結合した第1封止部75を第2封止手段48の第2封止部材として使用したが、本実施形態では、図13に示すように、例えば第1の実施形態の第1封止手段47と略同じ形状の第1封止部75を、1又は複数の第1損壊部80を介して表ケース体41に一体に形成している。
また、裏ケース体42側には、突起状(又は凹入状)の係合部98が設けられており、第1封止部75にはこの係合部98と係合する被係合部99が設けられている。本実施形態では、表ケース体41側の第1封止部75と、裏ケース体42側の係合部98とで第1封止手段47が構成されている。
第1封止手段47による最初の封止を行う際には、表ケース体41と裏ケース体42とを嵌め合わせてアンロック状態からロック状態にスライドさせればよい。このとき、裏ケース体42側の係合部98が表ケース体41側の第1封止部75上の被係合部99に係合してアンロック状態側へのスライドを阻止し、これによって第1封止手段47による主基板ケース24の封止が完了する。
第1封止手段47による封止を解除する場合には、第1損壊部80を切断して第1封止部75を表ケース体41から取り除けばよい。これにより、表ケース体41と裏ケース体42との結合状態が解除されるため、裏ケース体42を表ケース体41に対してアンロック状態側に相対的にスライドさせて主基板ケース24を開封することができる。その後に主基板ケース24を再び封止する場合には、1回目の開封時に表ケース体41から切り離した第1封止部75を用い、第1の実施形態と同様の手順で行うことができる。この場合も、第1の実施形態と同様、部品点数が少なく、構成が簡単で、しかも主基板ケース24の最初の開封から再封止までの作業において廃棄物が発生しないため作業の手間や無駄を最小限に抑えることが可能である。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば第1の実施形態の場合、表ケース側封止部66と裏ケース側封止部67とは同一(対称)形状でなくてもよく、結合したときに第2封止部材として使用できる形状になればよい。また表ケース側損壊部69と裏ケース側損壊部74とについても互いに重ならないように設けてもよい。
第2の実施形態の場合、第2封止手段48による封止時に使用する封止係合部76を第1封止手段47による封止時の係合部としても用いるように構成してもよい。また、第2の実施形態では、理解を容易にするために第1の実施形態との構成上の相違点をなるべく少なくした関係上、不正開封等の対策については必ずしも十分ではないため、実施にあたっては第1封止手段47による封止時のこじ開け防止等の必要な対策を講じることが望ましい。
実施形態では甲ケース体に対して乙ケース体を相対的にスライドさせてロックするタイプの基板ケースを採用したが、基板ケースはどのようなものでもよく、例えば一端側に設けたヒンジ機構により甲ケース体と乙ケース体とを開閉可能に係合させ、他端側に設けた封止手段により閉状態で封止するタイプの基板ケースを採用してもよい。
また、実施形態では本発明をパチンコ機に適用した例を示したが、アレンジボール機、スロットマシン等の各種遊技機において同様に実施可能であることは言うまでもない。