以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図19は本発明をパチンコ機に採用した第1の実施形態を例示している。なお、以下の説明における上下左右の方向については、特に基準を示さない限り遊技機本体を前側から見た場合の上下左右をいうものとする。
図1において、1は遊技機本体で、矩形状の外枠2と、この外枠2の前側に開閉自在に枢着された前枠3とを備えている。前枠3は左端側の上下一対のヒンジ4を介して外枠2に着脱及び開閉自在に装着されている。
前枠3の上部側には遊技盤5が例えば前側から着脱自在に装着されると共に、遊技盤5の前側にガラス扉6が、ガラス扉6の下側に前面開閉板7が夫々配置されている。ガラス扉6、前面開閉板7はヒンジ4と同一側のヒンジ(図示省略)により前枠3に開閉自在に枢支されている。前面開閉板7には、その前側に、発射手段8に供給するための遊技球を貯留する貯留皿9、発射手段8を作動させるための発射ハンドル10等が設けられている。
遊技盤5の前側には、発射手段8により発射された遊技球を案内するガイドレール11が環状に装着されると共に、そのガイドレール11内の遊技領域12には、画像表示手段13を備えたセンターケース14の他、通過ゲート15、開閉式入賞手段16、大入賞手段17、普通入賞手段18等の各種遊技部品が装着されている。
また、遊技盤5の裏側には、図2に示すように、センターケース14等の遊技部品を後側から覆う裏カバー21と集球ケース22とが上下に配置され、例えば集球ケース22の背面側に主制御基板23が格納された主基板ケース24が、裏カバー21の背面側に演出制御基板25が格納された演出基板ケース26、液晶制御基板27が格納された液晶基板ケース28が夫々着脱自在に装着されている。
集球ケース22は、開閉式入賞手段16、大入賞手段17、普通入賞手段18等に入賞して遊技盤5の裏側に案内された遊技球を集めて排出口29から回収通路(図示省略)側へと案内するためのもので、図3に示すように上面側と前面側とが開放した略箱形に形成されており、裏カバー21の下側に近接して配置され、遊技盤5の裏側に着脱自在に固定されている。
集球ケース22の背面側には、主基板ケース24が装着される主基板ケース装着部31と、この主基板ケース装着部31に装着された主基板ケース24を外側から覆う固定カバー32及び開閉カバー33とが設けられている。
主基板ケース装着部31に装着される主基板ケース24は、全体として扁平な略矩形状であって、図3に示すように、互いに係脱自在の第1ケース体41と第2ケース体42とを備えると共に、その外周側の一辺、例えば左端側に沿って封止手段43が設けられ、これら第1ケース体41、第2ケース体42、封止手段43を含む全体が透明な合成樹脂により成形されている。
そして、主基板ケース24内の空間は、図4〜図6等に示すように、封止手段43に対応する封止領域24bと、それ以外の基板格納領域24aとに区分されており、その基板格納領域24a内に主制御基板23が格納されている。主制御基板23は矩形状であって、その一面側には、中央寄りの部分に例えばROMを内蔵したCPUやRAM等の各種電子部品44が配置され、また外縁部近傍には、コネクタ45が装着されると共に位置決め孔46及び固定孔47が形成されている。
第2ケース体42は、図3〜図8,図10等に示すように、主制御基板23の電子部品装着面23a側に対向する上壁51と、その上壁51の三辺、例えば上下辺及び右辺に沿って主制御基板23の裏面23b側に向けて延設された周壁52〜54とを一体に備え、主制御基板23の裏面23b側に対応する面、及び外周側の残りの一方側、即ち左側の面はその略全面が開放されて開口55,56を形成している。
そして、上壁51の内面側には、例えば左側の開口56から所定距離内側(右周壁54側)の位置に仕切り壁57が右周壁54と略平行に配置されている。この仕切り壁57は、主基板ケース24内の空間を封止領域24bと基板格納領域24aとに仕切るもので、周壁52〜54と仕切り壁57とで取り囲まれた領域が基板格納領域24a、仕切り壁57よりも開口56側の領域が封止領域24bとなっている。なお、仕切り壁57の両端部と周壁52,53との間には夫々隙間57aが形成されている(図13,図14)。
上壁51のうち、基板格納領域24aに対応する基板側上壁51aには、その内部に配置される主制御基板23との間に電子部品44の収容空間を確保できるように外向きに膨出する膨出部61が形成されると共に、例えば周壁52,53,54に沿って膨出部61よりも低い段部62が形成されている。
段部62には、主制御基板23側のコネクタ45が内側から嵌合するコネクタ嵌合孔63が1又は複数設けられており、またそのコネクタ嵌合孔63を避けて、主制御基板23側の位置決め孔46に対応する1又は複数の位置決め突起64が内向きに、主制御基板23側の固定孔47に対応するねじ止め用の固定基部65が外向きに、夫々突設されている。
主制御基板23は、電子部品装着面23aを上壁51側に向けた状態で、位置決め孔46に位置決め突起64を嵌合させるように第2ケース体42の基板格納領域24a内に嵌め込まれ、固定孔47を介して固定基部65にねじ止めすることにより固定される。
上壁51のうち、封止領域24bに対応する封止側上壁51bは、例えば基板側上壁51aとの境界部に沿って基板側上壁51a側の段部62と同じ高さに配置される低壁66と、この低壁66に対して開口56側に設けられ且つ低壁66よりも一段高い高壁67とを備え、それら低壁66と高壁67との間はそれら低壁66及び高壁67に略垂直な起立壁68により連結されている。高壁67の外縁部には、外向きに突出する外周枠69が例えばその全周にわたって一体に設けられている。
また、上下の周壁52,53には、外向き突出状の係合爪70が、その開口55側の縁部に沿って間欠的に複数設けられている。
第1ケース体41は、図3〜図6,図9,図10等に示すように、第2ケース体42側の開口55に対応する底壁71と、第2ケース体42側の開口56に対応して底壁71の一辺、即ち左辺から第2ケース体42側に立設される側壁72と、底壁71の他の三辺、即ち上辺,下辺及び右辺に沿って第2ケース体42側に立設される嵌合壁73,74,75とを一体に備えており、第2ケース体42と組み合わせたとき、底壁71,側壁72が夫々第2ケース体42側の開口55,56を略閉鎖すると共に、嵌合壁73〜75が夫々第2ケース体42側の周壁52〜54の外面側に嵌合するようになっている。
また、底壁71には、第2ケース体42側の上下の周壁52,53の内面側に沿う一対の案内壁76,77が、側壁72の内面側から嵌合壁75側に向けて上下の嵌合壁73,74の内側に平行に配置されている。これら案内壁76,77と嵌合壁73,74との間は、第2ケース体42側の周壁52,53が摺動自在に嵌合する案内溝78,79となっている。
更に、上下の嵌合壁73,74には、第2ケース体42側の係合爪70が嵌脱自在に嵌合する複数の切り欠き部81と、案内溝78,79に沿ってこれら切り欠き部81に対して例えば封止領域24bとは反対側(右側)に隣接して設けられ且つ係合爪70が夫々係合する係止部82とが形成されており、係合爪70を夫々切り欠き部81に嵌合させるように第2ケース体42を第1ケース体41に組み合わせ(アンロック状態)、第2ケース体42を第1ケース体41に対して封止領域24bとは反対側(右側)に向けて相対的にスライドさせたとき(以下、この方向をスライド方向という)、係合爪70が係止部82に夫々係合して、第1ケース体41と第2ケース体42とが互いに結合状態でロックされる(ロック状態)ようになっている。
なお、第1ケース体41と第2ケース体42とを互いに組み合わせたとき、第1ケース体41側の案内壁76,77は第2ケース体42側の仕切り壁57と周壁52,53との間の隙間57aに嵌合する(図13,図14)。また、第2ケース体42側の周壁52,53には、アンロック状態のときに第1ケース体41側の側壁72との干渉を避けるための切り欠き部83(図10)が形成されている。
更に、第1ケース体41の外周部、例えば左右両端側には、主基板ケース装着部31に固定するための突設部84,85が外向きに一体形成されている。
封止手段43は、主基板ケース24の封止領域24bに対応して、第2ケース体42側の開口56及び第1ケース体41側の側壁72に沿って例えば一列状に複数(ここでは4組)配置されている。各封止手段43は、図8,図9,図11〜図15等に示すように、第1ケース体41側の被結合部91と、第2ケース体42側の封止部材92及び開封障害部93とで構成されている。被結合部91は、第1ケース体41側の側壁72の内面側に突設された嵌合支持部94上に設けられている。嵌合支持部94は、底壁71に平行な板状で、底壁71との間に所定距離をおいて側壁72から内側、即ち封止領域24b側に張り出すように一体に形成されており、側壁72に沿って複数(ここでは4つ)の被結合部91が設けられている。
各被結合部91は、例えばスライド方向に平行に設けられた1つの挿通スリット95と、この挿通スリット95の両側に平行に配置された一対の逃げ用スリット96と、それら挿通スリット95と逃げ用スリット96との間に形成された一対の弾性係合部97とを備えている。挿通スリット95には、封止部材92側の結合部113に対応してその略中央に拡幅部95aが形成されている。
また、嵌合支持部94の第2ケース体42側の面(以下、表面94aとする)には、各被結合部91に対してその配列方向の両側、即ち逃げ用スリット96の外側に互いに平行な一対の案内板98,98が第2ケース体42の高壁67側に向けて立設されている。また、案内板98,98の対向面側には、封止部材92の側壁72側に沿って規制部99が突設されている。なお、嵌合支持部94と底壁71との間には、被結合部91を避けた位置に複数の補強リブ100が設けられている(図13)。
封止部材92及び開封障害部93は、封止領域24bに対応して第2ケース体42側に形成された封止用開口部101内に配置されている。封止用開口部101は、第1ケース体41側の被結合部91に対応して複数(ここでは4つ)設けられており、夫々高壁67から起立壁68、低壁66にわたる開口状に形成されている。
封止部材92は、断面矩形状の軸部111と、この軸部111の一端側に設けられた鍔部112と、軸部111の他端側に設けられた台形状の結合部113と、鍔部112から上側に突出する被操作部114とを備え、封止用開口部101のうち、高壁67に形成された高壁開口部101a内に配置され、損壊容易な1又は複数の保持部115を介して第2ケース体42に一体成形されており、主基板ケース24を封止する際には保持部115が損壊されて第2ケース体42から切り離され、第1ケース体41側に押し込まれて被結合部91に離脱不能に結合するようになっている。
鍔部112は、例えば略矩形状に形成されており、高壁開口部101aを略塞ぐように高壁開口部101a内に配置され、スライド方向に対する左右の両縁部112a,112bと、それらに対向する高壁開口部101a側の縁部との間が、損壊容易な1又は複数の保持部115により連結されている。
鍔部112には、スライド方向に対する左右の両縁部112a,112bと、スライド方向のロック状態側(基板格納領域24a側)の縁部112cとに沿って側壁116a,116bと前壁116cとが被結合部91側に向けて突設されている。
側壁116a,116bは、その外面側が被結合部91側の案内板98に、側壁72側の縁部が被結合部91側の規制部99に夫々沿うように形成されており、保持部115を切断して封止部材92を被結合部91側に押し込んだとき、側壁116a,116bが案内板98と規制部99に沿って摺動することにより被結合部91側に案内されるようになっている。なお規制部99は、鍔部112が保持部115により連結されている状態ではその端部が側壁116a,116bに到達しない長さに設けられており(図16等)、第1ケース体41に対して第2ケース体42をスライドさせる際に側壁116a,116bが規制部99に干渉しないようになっている。
軸部111は、鍔部112の中心部から被結合部91側に向けて突設され、例えばスライド方向に対する左右方向に偏平な断面矩形状に形成されており、その幅は被結合部91側の拡幅部95aの内幅と略同じか若干小さく形成されている。
結合部113は、鍔部112が保持部115により連結されている状態ではその先端側が被結合部91に到達せず(図17等)、保持部115が切断されて封止部材92が被結合部91側に押し込まれ、鍔部112側が嵌合支持部94の表面94aに当接したとき、被結合部91の挿通スリット95を貫通してその裏側に離脱不能に係合するようになっている(図18等)。
被操作部114は、封止部材92を被結合部91側に向けて押圧する際の操作を容易にするためのもので、鍔部112の中心部から外向きに突出して設けられ、その中央に凹部114aが形成されている。封止部材92を被結合部91側に向けて押圧する際には、この凹部114aにドライバー等の先端部を押し当てることにより容易に操作可能である。
開封障害部93は、封止用開口部101のうち、起立壁68に形成された起立壁開口部101bから低壁66に形成された低壁開口部101cにかけてその内側に配置され、損壊容易な第1,第2封止損壊部121,122を介して第2ケース体42に一体成形されており、封止部材92が第1ケース体41側に結合したとき、その封止部材92のスライド方向ロック側に当接又は略当接するようになっている。
開封障害部93は、図11,図12,図14,図15等に示すように、例えば封止部材92に対するスライド方向ロック側に立設された支持板123と、この支持板123から封止部材92側に突設された当接部124とを備えている。支持板123は、起立壁開口部101bを略塞ぐように起立壁68と同一平面上に配置され、内側端部が嵌合支持部94の表面94aに当接又は近接しており、その内側端部近傍に当接部124が設けられている。当接部124は、封止部材92が保持部115により第2ケース体42側に連結されている状態では封止部材92から離間しており(図15,図16)、封止部材92が第2ケース体42から切り離されて第1ケース体41側に結合したとき(図17)、その封止部材92の前壁116cの外面側に当接又は近接するようになっている。
第1封止損壊部121は、図14等に示すように、支持板123の外側端部におけるスライド方向左右両側と封止用開口部101の縁部又はその近傍、例えば高壁67側の外周枠69との間を夫々連結するように設けられ、主基板ケース24の外側からニッパー等により容易に損壊可能となっている。
また、第2封止損壊部122は、図11,図12,図15等に示すように、支持板123の内側端部と、低壁開口部101cの縁部又はその近傍、例えば低壁66及び仕切り壁57との間を、低壁開口部101c内をスライド方向に横切って連結するように設けられ、例えばその外側縁部が低壁66と略面一で、内側縁部が嵌合支持部94の表面94aに当接又は近接する内外方向幅広状に形成されており、主基板ケース24の外側からニッパー等により損壊可能となっている。
主制御基板23が装着された第2ケース体42を第1ケース体41に装着して封止する際には、まず第2ケース体42側の上下の周壁52,53を第1ケース体41側の案内溝78,79に嵌合させ、第2ケース体42側の係合爪70を第1ケース体41側の切り欠き部81に嵌合させてアンロック状態に組み合わせる(図15→図16)。このとき、第2ケース体42側の右周壁54と第1ケース体41側の右嵌合壁75とは離間しており、第2ケース体42側の封止部材92は、第1ケース体41側の側壁72の内面側に当接又は近接した状態となる。
そして、第2ケース体42と第1ケース体41とを、それらの右周壁54と右嵌合壁75とを近づける方向に相対的にスライドさせて、第2ケース体42側の係合爪70を第1ケース体41側の係止部82に係合させ、第1ケース体41と第2ケース体42とを結合状態でロックする(図16→図17)。これにより、第2ケース体42側の封止部材92は、第1ケース体41側の側壁72から離間して、第1ケース体41側の被結合部91と内外方向に合致した状態となる。
続いて、複数(4組)の封止手段43のうちの1つを用いて主基板ケース24を封止する。即ち、まずニッパー等の切断工具を用いて、封止に用いる封止部材92に連結されている全ての保持部115を切断してその封止部材92を第2ケース体42から切り離し、ドライバー等の工具の先端をその封止部材92の被操作部114の凹部114aに当てて、図17に矢印で示すように内側、即ち第1ケース体41側に押圧する。
これにより、封止部材92はその先端側の結合部113が弾性係合部97を両側に押し広げながら挿通スリット95内に嵌合する。このとき、封止部材92は、その周囲に設けられた案内板98,98、規制部99及び当接部124に沿って摺動することにより押圧方向に真っ直ぐに案内される。そして、封止部材92の鍔部112が嵌合支持部94の表面94aに当接したとき、結合部113が挿通スリット95を貫通して弾性係合部97の裏側に係合し、その封止部材92は第2ケース体42から完全に独立した状態で第1ケース体41側に離脱不能に結合した状態となる(図18)。
このとき、その封止部材92に対応する開封障害部93の当接部124が、その封止部材92のスライド方向ロック側の面、即ち前壁116cの外面側に当接又は近接した状態となる。従って、その状態で、第2ケース体42と第1ケース体41とを開方向、即ちそれらの右周壁54と右嵌合壁75とを離間させる方向に相対的にスライドさせようとしても、第1ケース体41側に結合している封止部材92が、当接部124を介して第2ケース体42の開方向への相対移動を規制するため、そのままでは主基板ケース24を開封することはできない。
検査等のために主基板ケース24を開封する場合には、封止状態となっている封止手段43の第1,第2封止損壊部121,122をニッパー等の切断工具を用いて切断し、図19(a)に示すように、開封障害部93を第2ケース体42から切り離して除去する。これにより、起立壁開口部101b及び低壁開口部101cが開放され、第2ケース体42を第1ケース体41に対してアンロック方向にスライドさせる際に封止部材92に規制される部分がなくなるため(図19(b))、主基板ケース24を開封することができる。
以上説明した主基板ケース24が装着される主基板ケース装着部31は、図3〜図7に示すように、集球ケース22の背面側に設けられた装着開口部131と、その装着開口部131の上下両縁側に沿って配置される一対の装着レール132と、主基板ケース24の一端側を支持する第1支持手段133と、主基板ケース24の他端側を支持する第2支持手段134とを備えている。
装着開口部131は、主基板ケース24に対応する略矩形状に形成され、その上下両縁側に沿って装着レール132が内向き突出状に延設されている。第1支持手段133は、主基板ケース24の一端側、例えば左端側を支持するもので、主基板ケース24側の突設部84が係合可能な凹部により構成されており、突設部84に対応して装着開口部131の左端側に設けられている。第2支持手段134は、主基板ケース24の他端側、例えば右端側を解除可能に支持するもので、主基板ケース24側の突設部85に係合する係合位置と係合しない解除位置とに切り換え可能な締結つまみにより構成されており、突設部85に対応して装着開口部131の右端側に設けられている。
また、装着開口部131の後側には、固定カバー32と開閉カバー33とが設けられている。固定カバー32は、主基板ケース装着部31に装着された主基板ケース24の外側から封止損壊部121,122を覆う封止カバーの一例であって、主基板ケース24の封止側上壁51bに沿って主基板ケース装着部31と略平行に配置されるカバー板部141と、主基板ケース24側の上下の周壁52,53及び左端側の側壁72に沿ってカバー板部141の縁部と主基板ケース装着部31とを連結する連結板部142とで主基板ケース24の着脱側、即ち右側が開放する箱形に形成され、主基板ケース装着部31の左端部後側に一体に設けられている。
カバー板部141は、第1,第2封止損壊部121,122を含む封止手段43の略全体を覆う大きさの矩形板状に形成されている。なお、封止手段43による封止/開封状態が外側から視認可能なように、固定カバー32は少なくともカバー板部141を透明とすることが望ましい。
開閉カバー33は、主基板ケース24の外側から少なくとも主制御基板23のROM装着部分(CPUにROMを内蔵している場合にはそのCPU装着部分)を開閉自在に覆う電子部品カバーの一例であって、例えば主基板ケース装着部31における固定カバー32と反対側の端部、即ち右端側から主基板ケース24側の右嵌合壁75に沿って後ろ向きに延設された支持板部151と、主基板ケース24の背面側、即ち上壁51に沿って配置されるカバー板部152とで構成されている。
支持板部151には、主基板ケース装着部31側の第2支持手段134に対応して切り欠き部151a(図3)が形成されており、主基板ケース24が主基板ケース装着部31に装着されるとき、第2支持手段134がこの切り欠き部151aを介して主基板ケース24側の突設部85に係合するようになっている。
カバー板部152は、主基板ケース24の基板格納領域24aの略全体を覆う大きさの略矩形状で、その一端側が一体型のヒンジ部153を介して支持板部151の後端側に揺動自在に連結されており、このヒンジ部153により、主基板ケース24を主基板ケース装着部31に着脱可能な開状態と主基板ケース装着部31に装着された主基板ケース24の後側を覆う閉状態とに切り換え可能となっている。なお、ヒンジ部153は、例えばカバー板部152と支持板部151とを一体的に連結しており、カバー板部152の開閉範囲内で繰り返し変形可能となっている。
また、カバー板部152は、カバー結合手段154により閉状態で主基板ケース24側に現状復帰不能に結合されるようになっている。カバー結合手段154は、カバー板部152のヒンジ部153とは反対側の開閉端側に沿って例えば一列状に複数(ここでは4組)配置されており、夫々主基板ケース24側のねじ螺合部161と、カバー板部152側のねじ挿通部162と、このねじ挿通部162側からねじ螺合部161側に離脱不能に螺合する結合ねじ163とを備えている。
ねじ螺合部161は、カバー板部152の開閉端側に対応して膨出部61の左端側近傍に配置されており、例えば膨出部61の外側に向けて突出する外突出部161aと、膨出部61の内側に向けて突出する内突出部161bと、外突出部161a側から内突出部161b側に向けて設けられ且つ内側に貫通しない結合ねじ163用の螺合孔161cとを備えている。
ねじ挿通部162は、カバー板部152の端縁に沿って設けられた開口部(又は凹入部)164内に夫々ねじ螺合部161に対応して配置されており、カバー板部152と同一平面上に配置された固定板165と、この固定板165から外向き膨出状に形成され且つその内側にねじ螺合部161の外突出部161aが嵌合可能な嵌合膨出部166と、この嵌合膨出部166に設けられ且つねじ螺合部161側の螺合孔161cに対応する結合ねじ163用の挿通孔167と、この挿通孔167に対応して嵌合膨出部166の外側に突設された略筒状のねじ保持部168とを備え、1又は複数の結合損壊部169を介してカバー板部152側に一体的に連結されている。
ねじ保持部168は、例えばその内径が結合ねじ163の頭部163aの外径と略等しい略円筒状で、その内部に結合ねじ163が軸部163bの先端側を挿通孔167に挿入した状態で内向きに装着されている。なお、ねじ保持部168には、その周方向の複数箇所に軸方向のスリット170が設けられ、そのスリット170により分割された各保持片168aの外側端部に内向きの突起部171が設けられており、結合ねじ163は、各保持片168aを半径方向外向きに弾性変形させつつねじ保持部168内に圧入されている。
結合ねじ163は、タッピング式の一方向ねじであって、頭部163a側に一方向係合溝172が設けられており、この一方向係合溝172に係合するドライバー等の工具により締め付け方向にのみ操作可能となっている。
主基板ケース24を主基板ケース装着部31に装着する際には、開閉カバー33のカバー板部152を後側に開いた状態で、主基板ケース24を、その前面側(第1ケース体41の外面側)を装着レール132に沿わせつつ、左端側を固定カバー32に嵌め込んで突設部84を固定カバー32内の第1支持手段133に嵌合させる。そして、第2支持手段134を解除位置から係合位置に切り換えて突設部85を係止する。これにより、主基板ケース24はその封止損壊部121,122が固定カバー32により覆われた状態で主基板ケース装着部31に固定される。
その後、カバー板部152を閉じ、複数のカバー結合手段154のうちの1つについて結合ねじ163の頭部163aにドライバー等の工具を係合させ、この結合ねじ163をねじ挿通部162からねじ螺合部161に螺合させて締結する。これにより、主基板ケース24は、カバー結合手段154による結合を解除しない限り主基板ケース装着部31から取り外すことはできず、また主基板ケース24はその基板格納領域24aの略全体がカバー板部152により覆われているため、そのままでは例えば主基板ケース24に穴を空けて内部のROMを不正ROMに交換するといった行為も少なくとも短時間で行うことは困難である。
主基板ケース24を開封するためには、まず主基板ケース24を主基板ケース装着部31から取り外して封止損壊部121,122を露出させる必要がある。そのためには、まず開閉カバー33の結合損壊部169をニッパー等の切断具を用いて損壊し、カバー結合手段154による結合を解除してカバー板部152を開放する。なお、封止損壊部121,122が損壊されると、その封止損壊部121,122でカバー板部152に連結されていたねじ挿通部162は、結合ねじ163によりねじ螺合部161に結合されたまま主基板ケース24側に残される。
そして、第2支持手段134を係合位置から解除位置に切り換えて突設部85の係止を解除すれば、主基板ケース24を主基板ケース装着部31から取り外すことができる。主基板ケース24の開封手順は上述した通りである。
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機では、主基板ケース装着部31に設けられ且つ主基板ケース24の外側から封止損壊部121,122を覆う固定カバー32と、主基板ケース装着部31に設けられ且つ主基板ケース24の外側から少なくとも主制御基板23のROM装着部分を覆う開閉カバー33と、固定カバー32と開閉カバー33との少なくとも一方を主基板ケース24に結合するカバー結合手段154とを備えているため、主基板ケース24の取り外し及び開封に従来よりも時間と手間を要すると共に、主基板ケース24を装着したままの状態で主基板ケース24に穴を空けることが困難であり、主基板ケース24に格納された主制御基板23に対するゴト行為を効果的に防止できる。
また、カバー結合手段154による結合後は結合損壊部169を損壊しなければその結合状態を解除できないように構成されているため、主基板ケース24の開封履歴だけでなく主基板ケース24の取り外し履歴も管理することができる。
図20及び図21は本発明の第2の実施形態を例示し、封止カバーと電子部品カバーとを1つの開閉カバー上に設けた例を示している。
本実施形態のパチンコ機では、集球ケース22の背面側に、主基板ケース装着部31と、この主基板ケース装着部31に装着された主基板ケース24を外側から覆う開閉カバー181とが設けられている。
主基板ケース装着部31は、第1の実施形態と同様、集球ケース22の背面側に設けられた装着開口部131と、その装着開口部131の上下両縁側に沿って配置される装着レール132と、装着開口部131の左端側に設けられ且つ主基板ケース24の一端側を支持する第1支持手段133と、装着開口部131の右端側に設けられ且つ主基板ケース24の他端側を支持する第2支持手段134とを備えている。
なお、本実施形態では、主基板ケース装着部31への主基板ケース24の装着方向が左右逆で、右側の第2支持手段134により主基板ケース24の封止手段43側の突設部84を、左側の第1支持手段133により主基板ケース24の他端側の突設部85を夫々支持するようになっている。本実施形態で用いる主基板ケース24は第1の実施形態のものと略同一であるが、突設部84,85の配置位置が、対応する第2,第1支持手段134,133の配置位置に合わせて若干変更されている。
開閉カバー181は、主基板ケース装着部31に装着された主基板ケース24の外側から封止損壊部121,122を覆う封止カバーとしての機能と、主基板ケース24の外側から少なくとも主制御基板23のROM装着部分を覆う電子部品カバーとしての機能とを併せ持つもので、例えば主基板ケース装着部31における主基板ケース24の封止手段43側、即ち右端側から主基板ケース24側の側壁72に沿って後ろ向きに延設された支持板部151と、主基板ケース24の背面側、即ち上壁51に沿って配置されるカバー板部152とで構成されている。
支持板部151には、主基板ケース装着部31側の第2支持手段134に対応して切り欠き部151aが形成されており、主基板ケース24が主基板ケース装着部31に装着されるとき、第2支持手段134がこの切り欠き部151aを介して主基板ケース24側の突設部84に係合するようになっている。
カバー板部152は、主基板ケース24側の封止側上壁51bに沿ってこの封止側上壁51bを略覆う大きさに形成された封止カバー部152aと、主基板ケース24側の基板側上壁51aに沿ってこの基板側上壁51aを略覆う大きさに形成された電子部品カバー部152bと、それら封止カバー部152aと電子部品カバー部152bとを連結する連結部152cとを一体に備え、封止カバー部152a側の端部が一体型のヒンジ部153を介して支持板部151の後端側に揺動自在に連結されており、このヒンジ部153により、主基板ケース24を主基板ケース装着部31に着脱可能な開状態と主基板ケース装着部31に装着された主基板ケース24の後側を覆う閉状態とに切り換え可能となっている。
また、カバー板部152は、カバー結合手段154により閉状態で主基板ケース24側に現状復帰不能に固定されるようになっている。カバー結合手段154は、例えばカバー板部152の開閉端側に沿って例えば一列状に複数(ここでは4組)配置されており、その構成は、主基板ケース24上におけるねじ螺合部161の配置位置以外は第1の実施形態と同一である。
このように、封止カバーと電子部品カバーとを1つの開閉カバー181上に設けることも可能である。
図22は本発明の第3の実施形態を例示し、第1の実施形態を変更して、開閉カバー33に、主制御基板23のコネクタ45に接続されたハーネス側コネクタ182の離脱方向への移動を規制するコネクタ規制部183を設けた例を示している。
コネクタ規制部183は、各ハーネス側コネクタ182に対応して、カバー板部152の内面側(主基板ケース24側)に突設されており、ハーネス側コネクタ182から引き出されているハーネス184と干渉しないように、例えば各ハーネス側コネクタ182の両肩部分に対応して設けられている。
このように、開閉カバー33にコネクタ規制部183を設けることにより、開閉カバー33を閉じた状態ではハーネス側コネクタ182を抜き取ることができなくなり、例えばコネクタ45からハーネス側コネクタ182を取り外し、不正基板等の不正部品を接続するといったゴト行為を効果的に防止できる。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、封止カバーと電子部品カバーとは、基板ケース装着部に対して何れか一方を固定的に設け、他方を開閉可能に設けてもよいし、両方を固定的又は開閉可能に設けてもよい。
基板ケース24は封止可能な2つのケース体で形成されていればよく、その結合構造や封止手段の構成は任意である。また、封止カバーや電子部品カバーを基板ケース24に結合するカバー結合手段154の構成も任意であり、例えば基板ケースの封止手段として一般的に用いられている構成をこのカバー結合手段154に用いることが可能である。
電子部品カバーは、少なくとも基板23のROM装着部分を覆うように設ける必要があるが、そのROM装着部分周辺だけでなく基板ケース24のできるだけ広い範囲を覆うように設けることが望ましい。また、ROMはCPUに内蔵されているものとそうでないものとが考えられるが、CPUに内蔵されている場合にはそのCPU装着部分を覆うように電子部品カバーを設ければよい。
電子部品カバーは少なくとも電子部品を覆う部分の厚みを全面均一とすることは勿論、所定の部分(例えばCPU装着部分及び/又はCPU装着部分近傍領域)を異なる厚さに成形するようにしてもよい。これにより、基板ケースに穴を空けて行うゴトをより効果的に防止できる。更に、厚み部分を例えば凸レンズ等のレンズ状とすることで電子部品表面の視認性が向上し確認が容易となる。
コネクタ規制部183は、基板ケース装着部31に開閉可能に設けられた封止カバー又は電子部品カバーに設けてもよいし、開閉可能に設けた封止カバー又は電子部品カバーに設けてもよい。また、コネクタ規制部183は、ハーネス側コネクタ182の抜けを防止できるものであればその形状等は任意である。
実施形態では、カバー結合手段154等を主基板ケース24に対して設けた例を示したが、演出制御基板25を格納した演出基板ケース26、払い出し制御基板を格納した払い出し基板ケース等、各種基板ケースに対して同様の構成を採用可能である。
また、実施形態では本発明をパチンコ機に適用した例を示したが、アレンジボール機、スロットマシン等の各種遊技機において同様に実施可能であることは言うまでもない。