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JP5459357B2 - 固体撮像装置 - Google Patents

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JP5459357B2 JP2012137885A JP2012137885A JP5459357B2 JP 5459357 B2 JP5459357 B2 JP 5459357B2 JP 2012137885 A JP2012137885 A JP 2012137885A JP 2012137885 A JP2012137885 A JP 2012137885A JP 5459357 B2 JP5459357 B2 JP 5459357B2
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Description

本発明は、固体撮像装置および固体撮像装置の駆動方法に関し、特に基板の裏面側(配線形成側と反対側)から入射光を取り込む裏面入射型固体撮像装置および当該固体撮像装置の駆動方法に関する。
固体撮像装置、例えばCMOSイメージセンサに代表されるX−Yアドレス型固体撮像装置において、画素の微細化および高開口率化を図る目的として、半導体基板の一方の面(表面)に配線層を形成し、当該配線層と反対側の面(裏面)側から入射光を取り込む裏面受光型の画素構造が採られている(例えば、特許文献1,2参照)。
特許文献1記載の従来技術に係る画素構造は、図15に示すように、フォトダイオード102が形成されるシリコン層(基板)101の一方の面(以下、単に「基板表面」と記す場合もある)側に、層間絶縁膜を介して多層の配線106が配置された配線層103を形成し、シリコン層101の他方の面、即ち配線層103と反対側の面(以下、単に「基板裏面」と記す場合もある)側から可視光を取り込む構成となっている。フォトダイオード102の周囲には基板裏面に達するp型ウェル領域107は形成されている。
この裏面入射型CMOSイメージセンサにおいては、シリコン界面からの暗電流の発生を防止するために、基板裏面側にp+層104を形成している。p+層104の作り方としては、次の2通りの方法がある。
第1の方法は、基板表面側にトランジスタや配線を含む配線層103を形成し、その後基板を裏返して基板裏面側に対して研磨等を施した後シリコン酸化膜(SiO2)などの電子注入防止層105を形成し、しかる後イオン注入によってp+層104を形成する方法である。
第2の方法は、基板表面側にトランジスタを作る工程の途中で、基板表面側から高エネルギーイオン注入によって基板の深い部位にp+層104を形成し、次いで配線106を作って配線層103を形成し、その後基板を裏返してp+層104の位置まで研磨等を施して基板裏面側に受光面を形成する方法である。
特許文献2記載の従来技術に係る画素構造は、図16に示すように、フォトダイオード202が形成されるシリコン部(高抵抗基板)201の一方の面(表面)側に、層間絶縁膜を介して多層の配線207が配置された配線層203を形成し、他方の面(裏面)側から光を取り込む裏面入射型CMOSイメージセンサにおいて、フォトダイオード202およびその周囲のp型ウェル領域204を基板裏面に到達しない層構造で配置し、かつ、基板裏面上に電子注入防止膜205を介して形成された透明電極206に負電圧を印加する構成となっている。
特開2003−031785号公報 特開2003−338615号公報
上述した特許文献1記載の従来技術では、シリコン界面からの暗電流の発生を防止するために、基板裏面側にp+層104を形成しているため、当該p+層104の形成に上記第1の方法を採った場合でも、上記第2の方法を採った場合でも、以下に説明するような課題がある。
(第1の方法を採った場合)
イオン注入したp+層104には、活性化のための熱処理を施さないと、暗電流の低減効果を最大限に発揮することができないが、イオン注入が配線形成の後の工程で行われるために、通常の拡散炉などによる熱処理を行ったのでは配線が溶けてしまうために採用できない。
このため、活性化のための熱処理無しで暗電流が大きいことを我慢するか、あるいはレーザーアニールなどで、基板裏面側の浅い領域だけを熱処理することになる。しかし、レーザーアニールは装置が高価であり、またウェーハを順にスキャンするために、何十枚のウェーハを一度に処理できる拡散炉と比べるとスループットが悪く、しかも撮像画像にスキャンの筋がムラとなって現れることがある。
(第2の方法を採った場合)
イオン注入が配線層103の前に行われるため、活性化の熱処理は可能であるが、高エネルギーで深い部位にイオン注入するため、p+層104の分布が広がってしまう。p+層104の分布が広がると、基板裏面側の浅い部位で光電変換される、青色の光に対して光電子の捕捉確率が低下する、即ち青色の感度が低下する。
この青色の感度の低下は、裏面受光型の画素構造の特長である配線106のけられによる感度低下が無い、という効果を相殺してしまうことになる。これに対し、深い部位まで進入する赤色の光の感度は、裏面入射によって配線106のけられが無くなる分だけそのまま上がる。この赤色の感度向上に伴い、青色の感度が相対的に悪くなるため、分光のバランスが崩れることになる。
一方、特許文献2記載の従来技術では、p型ウェル領域204を基板裏面に到達しない層構造とした場合でも、基板裏面から入射した光電子をフォトダイオード202に適正に誘導するために、透明電極206に負電圧を印加し、基板中に深さ方向の電場を発生させる構成を採っており、基板裏面側のシリコン界面からの暗電流の低減に関しては考慮されていなかった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、基板裏面側にイオン注入したり、濃度を濃くしたり、あるいは活性化のための熱処理を施したりすることなく、基板裏面側界面からの暗電流の発生を低減可能な固体撮像装置および固体撮像装置の駆動方法を提供することにある。
本発明に係る固体撮像装置は、光電変換素子を含む画素が形成された半導体基板の第1面(基板表面)側に配線層を有し、前記配線層と反対側の第2面(基板裏面)側から光が入射される固体撮像装置であって、半導体基板内に形成された第1導電型の光電変換領域と、光電変換領域の周囲に、半導体基板の第1面側から第2面に到達するように形成された第2導電型の半導体ウェル領域と、半導体基板の第2面上に形成された絶縁膜と、半導体基板内の第2面側の絶縁膜との界面に形成される正孔蓄積層とを備え、正孔蓄積層は、負の電圧を前記絶縁膜に印加することにより形成される。
本発明の固体撮像装置では、基板裏面側から入射光を取り込む裏面入射型の固体撮像装置において、半導体基板のポテンシャルに対して逆極性の電圧(半導体基板がn型のときは負の電圧、p型のときは正の電圧)を絶縁膜に印加すると、基板裏面側の半導体界面(絶縁膜との境界面)に、例えば半導体基板がn型のときは正孔(p型のときは電子)が貯まり、基板裏面側界面に正孔蓄積層(または、電子蓄積層)が存在しているのと等価となる。そして、この正孔(または、電子)が貯まった部分の作用により、暗電流の支配的な発生原因である、基板裏面側界面からの電子(または、正孔)の発生が減少する。
本発明固体撮像装置は、光電変換素子を含む画素が形成された半導体基板の第1面側に配線層を有し、配線層と反対側の第2面側から入射光を取り込む固体撮像装置であって、半導体基板の第2面上に形成された絶縁膜と、光電変換素子の信号電荷と同極性の電圧を絶縁膜に印加し、信号電荷と逆極性の電荷を半導体基板の第2面側に誘起する電圧印加手段とを備える。
本発明の固体撮像装置では、基板裏面側から入射光を取り込む裏面入射型の固体撮像装置において、光電変換素子の信号電荷と同極性の電圧を絶縁膜に印加して、信号電荷と逆極性の電荷を半導体基板の第2面側に誘起する。このことにより、暗電流の発生原因である、基板裏面側からの信号電荷と同極性の電荷の発生が減少する。
本発明に係る固体撮像装置の駆動方法は、光電変換素子を含む画素が形成された半導体基板の第1面側に配線層を有し、配線層と反対側の第2面側から光が入射される固体撮像装置の駆動方法であって、負の電圧を前記半導体基板の第2面上に形成された絶縁膜に印加することにより、半導体基板内の第2面側の絶縁膜との界面に正孔蓄積層を形成する
本発明の固体撮像装置の駆動方法では、基板裏面側から入射光を取り込む裏面入射型の固体撮像装置の駆動方法において、半導体基板のポテンシャルに対して逆極性の電圧を絶縁膜に印加すると、基板裏面側の半導体界面(絶縁膜との境界面)に、例えば半導体基板がn型のときは正孔(p型のときは電子)が貯まり、基板裏面側界面に正孔蓄積層(または、電子蓄積層)が存在しているのと等価となる。
この正孔(または、電子)が貯まった部分の作用により、暗電流の支配的な発生原因である、基板裏面側界面からの電子(または、正孔)の発生が減少する。
本発明に係る固体撮像装置は、半導体基板に光電変換素子を含む画素が形成され、半導体基板の裏面側から光が入射されるようになされ、裏面側に絶縁膜が形成され、少なくとも画素アレイ部では絶縁膜を介して裏面電極が形成され、裏面電極により負の電圧を絶縁膜に印加することにより半導体基板内の裏面側の絶縁膜との界面に正孔蓄積層が形成され、裏面電極のパッド部直下に、パッド部と半導体基板との間のリーク電流を阻止するリーク電流阻止領域が設けられている。
本発明の固体撮像装置では、裏面電極に、上記のように半導体基板のポテンシャルに対して逆極性の電圧を印加することにより、基板裏面側界面からの暗電流の発生が減少する。さらに、パッド部の直下にリーク電流阻止領域が設けられるので、パッド部に検査用の針を何度も当てたとしても、裏面電極下の絶縁膜破壊を防止でき、あるいは絶縁膜破壊してもパッド部と半導体基板間のリーク電流を阻止することができる。
本発明に係る固体撮像装置によれば、半導体基板の裏面上に絶縁膜を形成し、半導体基板のポテンシャルに対して逆極性の電圧を絶縁膜に印加することで、基板裏面側界面に正孔蓄積層(または、電子蓄積層)と等価な構造を作ることができるため、基板裏面側にイオン注入したり、濃度を濃くしたり、あるいは活性化のための熱処理を施したりしなくても、基板裏面側界面からの暗電流の発生を低減できる。
本発明に係る固体撮像装置によれば、半導体基板版の裏面上に絶縁膜を形成し、光電変換素子の信号電荷と同極性の電圧を絶縁膜に印加することで、基板裏面側界面に正孔蓄積層(または、電子蓄積層)と等価な構造を作ることができるため、基板裏面側にイオン注入したり、濃度を濃くしたり、あるいは活性化のための熱処理を施したりしなくても、基板裏面側界面からの暗電流の発生を低減できる。
本発明に係る固体撮像装置の駆動方法によれば、半導体基板の裏面上に形成した絶縁膜に、半導体基板のポテンシャルに対して逆極性の電圧を印加することにより、基板裏面側にイオン注入したり、濃度を濃くしたり、あるいは活性化のための熱処理を施したりしなくても、基板裏面側界面からの暗電流の発生を低減して駆動することができる。
本発明に係る固体撮像装置によれば、上記の基板裏面側界面からの暗電流の発生を低減できることに加え、パッド部直下のリーク電流阻止領域でパッド部と半導体基板間のリーク電流の発生を阻止できるので、裏面電極の下の絶縁膜の厚さを薄くすることができる。これにより、裏面電極に印加する電圧を低いレベルに抑えつつ、パッド部におけるリーク電流発生を防止することができる。
本発明が適用されるCMOSイメージセンサの全体の構成を示すブロック図である。 画素の回路構成の一例を示す回路図である。 本発明の第1実施の形態に係る固体撮像装置、特にその裏面受光型画素構造の主要部を示す断面図である。 本発明の第3実施の形態に係る固体撮像装置、特にその裏面受光型画素構造の主要部を示す断面図である。 pウェル領域の望ましい態様を示す要部の拡大図である。 本発明の第4実施の形態に係る固体撮像装置の主要部を示す断面図である。 本発明に係る固体撮像装置におけるパッド部の取出し方の一例を示す基板裏面側からみた平面図である。 本発明に係る固体撮像装置におけるパッド部の取出し方の他の例を示す基板裏面側からみた平面図である。 本発明の第5実施の形態に係る固体撮像装置の主要部を示す断面図である。 本発明に適用される2層構造の裏面電極におけるコンタクト部の一例を示す断面図である。 本発明に適用される2層構造の裏面電極におけるコンタクト部の他の例を示す断面図である。 本発明の第6実施の形態に係る固体撮像装置の主要部を示す断面図である。 本発明の第7実施の形態に係る固体撮像装置の主要部を示す断面図である。 本発明の第8実施の形態に係る固体撮像装置の主要部を示す断面図である。 従来の裏面入射型の固体撮像装置の画素の一例を示す断面図である。 従来の裏面入射型の固体撮像装置の画素の他の例を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明が適用される固体撮像装置、例えばCMOSイメージセンサの全体の構成を示すブロック図である。なお、ここでは、CMOS型の固体撮像装置に適用する場合を例に挙げて説明するが、本発明はこの適用例に限られるものではなく、MOS型固体撮像装置等のX−Yアドレス方式固体撮像装置全般に対して同様に適用可能である。
図1に示すように、本適用例に係るCMOSイメージセンサ10は、光電変換素子を含む画素11が行列状(マトリックス状)に多数2次元配置されてなる画素アレイ部12に加えて、垂直駆動回路13、カラム信号処理回路14、水平駆動回路15、水平信号線16、出力回路17および制御回路18を有するシステム構成となっている。
このシステム構成において、制御回路18は、本CMOSイメージセンサ10の動作モードなどを指令するデータを外部から受け取り、また本CMOSイメージセンサ10の情報を含むデータを外部に出力するとともに、垂直同期信号Vsync、水平同期信号HsyncおよびマスタークロックMCKに基づいて、垂直駆動回路13、カラム信号処理回路14および水平駆動回路15などの動作の基準となるクロック信号や制御信号などを生成し、垂直駆動回路13、カラム信号処理回路14および水平駆動回路15などに対して与える。
画素アレイ部12には、画素11が2次元配置されるとともに、この画素配置に対して画素行ごとに行制御線が図の横方向(左右方向)に配線され、画素列ごとに垂直信号線19が図の縦方向(上下方向)に配線されている。垂直駆動回路13は、シフトレジスタなどによって構成され、画素アレイ部12の各画素11を行単位で順次選択走査し、その選択行の各画素に対して上記行制御線を通して必要な制御パルスを供給する。
選択行の各画素から出力される信号は、垂直信号線19を通してカラム信号処理回路14に供給される。カラム信号処理回路14は、画素アレイ部12の例えば画素列ごとに配置されており、1行分の画素11から出力される信号を画素列ごとに受けて、その信号に対して画素11固有の固定パターンノイズを除去するためのCDS(Correlated Double Sampling;相関二重サンプリング)や信号増幅などの信号処理を行う。
カラム信号処理回路14の入力段には、図2に示すように、定電流源としての負荷トランジスタ141が設けられている。この負荷トランジスタ141は、垂直信号線19と基準電位、例えばグランドとの間に接続され、ゲートが負荷配線25に接続され、選択行の画素の増幅トランジスタ114とソースフォロア回路を構成することで、選択行の画素から垂直信号線19に信号を出力させる。
カラム信号処理回路14の出力段には、水平選択スイッチ(図示せず)が水平信号線16との間に接続されて設けられている。なお、カラム信号処理回路14に、A/D(アナログ/デジタル)変換機能を持たせた構成を採ることも可能である。
水平駆動回路15は、シフトレジスタなどによって構成され、水平走査パルスφH1〜φHnを順次出力することによってカラム信号処理回路14の各々を順番に選択し、カラム信号処理回路14の各々から画素信号を水平信号線16に出力させる。
出力回路17は、カラム信号処理回路14の各々から水平信号線16を通して順に供給される信号に対して種々の信号処理を施して出力する。この出力回路17での具体的な信号処理としては、例えば、バッファリングだけする場合もあるし、あるいはバッファリングの前に黒レベル調整、列ごとのばらつきの補正、信号増幅、色関係処理などを行うこともある。
図2は、画素11の回路構成の一例を示す回路図である。図2に示すように、本回路例に係る画素11は、光電変換素子、例えばフォトダイオード111に加えて、例えば転送トランジスタ112、リセットトランジスタ113、増幅トランジスタ114および選択トランジスタ115の4つのトランジスタを有する画素回路となっている。ここでは、これらトランジスタ112〜115として、例えばNチャネルのMOSトランジスタを用いている。
フォトダイオード111は、受光した光をその光量に応じた電荷量の光電荷(ここでは、電子)に光電変換する。フォトダイオード111のカソード(n型領域)は、転送トランジスタ112を介して増幅トランジスタ114のゲートと接続されている。この増幅トランジスタ114のゲートと電気的に繋がったノード116をFD(フローティングディフュージョン)部と呼ぶ。
転送トランジスタ112は、フォトダイオード111のカソードとFD部116との間に接続され、ゲートに転送線21を介して転送パルスφTRGが与えられることによってオン状態となり、フォトダイオード111で光電変換された光電荷をFD部116に転送する。
リセットトランジスタ113は、ドレインが画素電源Vddに、ソースがFD部116にそれぞれ接続され、ゲートにリセット線22を介してリセットパルスφRSTが与えられることによってオン状態となり、フォトダイオード111からFD部116への信号電荷の転送に先立って、FD部116の電荷を画素電源Vddに捨てることによって当該FD部116をリセットする。
増幅トランジスタ114は、ゲートがFD部116に、ドレインが画素電源Vddにそれぞれ接続され、リセットトランジスタ113によってリセットした後のFD部116の電位をリセットレベルとして出力し、さらに転送トランジスタ112によって信号電荷を転送した後のFD部116の電位を信号レベルとして出力する。
選択トランジスタ115は、例えば、ドレインが増幅トランジスタ114のソースに、ソースが垂直信号線19にそれぞれ接続され、ゲートに選択線23を介して選択パルスφSELが与えられることによってオン状態となり、画素11を選択状態として増幅トランジスタ114から出力される信号を垂直信号線19に中継する。
横方向の配線、即ち転送線21、リセット線22および選択線23は、同一行の画素について共通となっており、垂直駆動回路13によって制御される。但し、画素11のpウェル電位を固定するためのpウェル配線24は、グランド電位に固定されている。
なお、この選択トランジスタ115については、画素電源Vddと増幅トランジスタ114のドレインとの間に接続した回路構成を採ることも可能である。
また、画素11としては、上記構成の4トランジスタ構成のものに限られるものではなく、増幅トランジスタ114と選択トランジスタ115を兼用した3トランジスタ構成のものであっても良い。
上記構成の画素11では、画素の微細化および高開口率化を図る目的として、半導体基板の第1面(基板表面)に配線層を形成し、当該配線層と反対側の第2面(基板裏面)側から入射光を取り込む裏面受光型(裏面入射型)の画素構造が採られている。この裏面受光型の画素構造の具体的な構成が本発明の特徴とする。さらに、裏面受光型の画素構造に加えて、基板裏面側に形成するボンディング用のパッド部での構造も本発明の特徴である。本発明の具体的な実施の形態について以下に説明する。
[第1実施の形態]
図3は、本発明の第1実施の形態に係る裏面入射型のCMOSイメージセンサ、特にその裏面受光型画素構造の主要部を示す断面図である。本実施の形態に係る裏面受光型画素構造では、半導体基板として第1導電型、例えばn型(n−)のシリコン基板が用いられている。
図3において、ウェーハをCMP(Chemical Mechanical Polishing;化学的機械研磨)にて研磨することにより、所定の厚さのシリコン部(以下、「シリコン基板」と記す)31が形成され、このシリコン基板31中に当該基板(n−型領域32)を利用してフォトダイオード33(図2のフォトダイオード111に相当)が形成される。シリコン基板31の厚さとしては、可視光に対しては5μm〜10μm程度が好ましい。この厚さ設定により、可視光をフォトダイオード32で良好に光電変換できる。
フォトダイオード33は、n−型領域32が光電変換領域となり、このn−型領域32で光電変換した光電荷(本例では、電子)を蓄積するn型領域34を有し、さらに基板表面(第1面)側シリコン界面にキャリア、本例では正孔を蓄積するp+層35を有する埋め込みダイオード(HAD;Hole Accumulated Diode)であり、その周囲のp型半導体ウェル領域(以下、p型ウェル領域という)36と共にシリコン基板31の裏面(第2面)に到達するように形成されている。
シリコン基板31の表面側には、画素11の各種の配線、具体的には先述した転送線21、リセット線22、選択線23、pウェル配線24等が配線されてなる配線層、すなわち層間絶縁膜を介して多層の配線45を有した配線層37が形成されている。この配線層37には、転送トランジスタ112のゲート電極38を始め、他のトランジスタのゲート電極(図示せず)も形成されることになる。
pウェル領域36は、上述したように、シリコン基板31の裏面に到達するように形成されているとともに、配線層37、具体的にはpウェル配線24を通して基準電位、例えばグランド(GND)電位が与えられている。図3では、MOSトランジスタとして転送トランジスタのみが示されている。転送トランジスタは、フォトダイオード33、特にn型領域34をソースとし、FD部となるn型ソース・ドレイン領域46及びゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極38を有して形成される。
このように、フォトダイオード33の周囲を、基板裏面に到達するように形成され、基準電位が与えられたpウェル領域36によって囲むことで、基板裏面に近い部位で光電変換された光電荷をn型領域34に適正に誘導することができる。
シリコン基板31の裏面上には絶縁膜39が形成されている。この絶縁膜39は、例えばシリコン酸化膜(SiO2)の1層構造である。但し、絶縁膜39としては、シリコン酸化膜の1層構造に限られるものではなく、例えばシリコン酸化膜とシリコン窒化膜の2層構造であっても良い。この2層構造を採ることにより、シリコン窒化膜による反射防止効果が得られ、入射光をより多く取り込むことができるため、感度を向上できるメリットがある。
絶縁膜39の上には、電圧源41からの例えば負の電圧(例えば、−3V程度)を絶縁膜39に印加するための電極、いわゆる裏面電極が形成されている。図示の例では、ITO(インジウムとすずの酸化物)からなる透明電極40が形成されている。この透明電極40と電圧源41は、シリコン基板31のポテンシャル(本例では、正の電位)に対して逆極性の電圧、即ち負の電圧を絶縁膜39に印加する電圧印加手段を構成している。
なお、本例では、絶縁膜39に電圧を印加するための電極として透明電極40を用いるとしたが、必ずしも全面に亘って透明な電極である必要はなく、少なくとも光電変換が行われるn−型領域32に対応する領域に1つの透孔、あるいは当該領域内に複数の透孔を有する構成の電極など、入射光をn−型領域32内に取り込み可能な構成の電極であれば良い。
上述したように、シリコン基板31の裏面上に絶縁膜39を設けるとともに、当該絶縁膜39にシリコン基板31のポテンシャルに対して逆極性の電圧、例えば−3V程度の電圧を印加することにより、基板裏面側シリコン界面に正孔が貯まり、当該シリコン界面に正孔蓄積層が存在しているのと等価となる。このとき、シリコン基板31と透明電極40とは絶縁膜39によって電気的に絶縁されているため、空乏化していないpウェル領域36内には基本的に電場は形成されない。そして、この正孔が貯まったシリコン界面の作用により、暗電流の支配的な発生原因である、基板裏面側シリコン界面からの電子の発生が減少する。
この正孔が貯まった界面部分(正孔蓄積層)の作用は、埋め込みダイオード構成のフォトダイオード33におけるp+層35の作用と同じである。このp+層35の作用とは次の通りである。すなわち、フォトダイオード33の表面のp+層35に存在する自由な電荷は正孔だけで、電子は枯渇状態になる。この結果、シリコン界面は正孔で満たされ、暗電流の支配的な発生原因である、シリコン界面からの電子の発生が著しく減少する。このp+層35の作用により、暗電流の少ないフォトダイオードを実現できる。このことは、基板裏面側についても同様である。
このように、第1実施の形態によれば、このような裏面電極を有する構成を採ることにより、基板裏面側のシリコン界面に正孔蓄積層と等価な構造を作ることができるため、基板裏面側界面からの暗電流の発生を低減できる。特に、従来技術のように、基板裏面側にイオン注入したり、濃度を濃くしたり、あるいは活性化のための熱処理を施したりする工程が不要となるため、製造工程も非常に簡単であるし、形成される正孔蓄積層の基板深さ方向の分布が非常に浅いため、青色の感度を最大限にとることができる。
ところで、裏面入射型では、基板裏面側で発生した光電子が表面に来るまでに、正孔と再結合しないことが重要である。特に、本例のように、フォトダイオード33の表面から裏面までにシリコンのバンドギャップ以上のポテンシャル差を発生しない場合は、電子を表面に収集する力に限りがあるため、光電変換によって生じた正孔をすばやく引き抜くことが重要になる。
そこで、画素11の周囲だけでなく、画素11内を通る配線、具体的にはpウェル配線24(図2を参照)を通して1画素ごと、または数画素に一箇所、pウェル領域36の電位を固定するコンタクトを設けることが望ましい。これにより、pウェル領域36に正孔が過剰になったときにすばやく引き抜くことができるため、感度を向上できる。
(製造方法)
続いて、上記構成の裏面受光型画素構造(裏面入射型)のCMOSイメージセンサを作成するプロセスについて説明する。
(1)シリコン基板31の表面側からフォトダイオード33およびpウェル領域36を形成するとともに、シリコン基板31の表面側に画素11のトランジスタ(転送トランジスタ112、リセットトランジスタ113、増幅トランジスタ114、選択トランジスタ115)を形成し、次いでトランジスタのゲート電極や各種の配線(転送線21、リセット線22、選択線23、pウェル配線24等)を含む配線層37を形成する。
(2)支持基板を貼り、ウェーハを裏返して研磨し、5μm〜10μm程度のシリコン基板31の厚さになるように裏面側を形成する。
(3)LPCVD(low pressure chemical vapor deposition)により、320℃程度の低温レシピにて絶縁膜39、具体的にはシリコン酸化膜であるTEOS膜を20nm〜40nm程度形成する。
(4)スパッタ法により、透明電極40であるITO膜を50nm〜100nm程度形成する。
上述したプロセスにより、裏面受光型の画素構造を作製することができる。その後、遮光のための別の電極や、色フィルタやオンチップレンズを透明電極40の上に、必要に応じて形成しても良い。
但し、裏面受光型画素構造のCMOSイメージセンサの製造方法としては、上記の製法に限定されるものではない。例えば、SOI基板(シリコン-酸化膜-シリコンの構造の基板)を用いておいて、上記(2)の工程で裏面側を形成する方法として、酸化膜と基板側シリコンを除去するような方法でも良い。
あるいは、配線45が溶けない300℃程度の低温でシリコンを薄く酸化する方法を見つければ、上記(3)の工程でその方法により酸化することによって形成しても良い。また、(3)の工程では、反射防止のために、シリコン酸化膜をつけて直後にシリコン窒化膜をつけることで、絶縁膜39を2層構造にしても良い。
[第2実施の形態]
第1実施の形態では、透明電極40と電圧源41を用いて−3V程度の電圧を絶縁膜39に印加するとしたが、第2実施の形態では、絶縁膜39上に、シリコンに対して実質的に負の電圧を与える仕事関数差を持つ物質を用いて透明電極を形成し、この透明電極の仕事関数差分の負電圧と電圧源41による負電圧とを併用して絶縁膜39に印加するようにする。
なお、負の電圧を与える仕事関数差を持つ物質からなる透明電極としては、第1実施の形態の場合と同様に、必ずしも全面に亘って透明な電極である必要はなく、少なくとも光電変換が行われるn−型領域32に対応する領域に1つの透孔、あるいは当該領域内に複数の透孔を有する構成の電極など、入射光をn−型領域32内に取り込み可能な構成の電極であれば良い。
このように、透明電極として、仕事関数差を利用して、0Vの状態で実質的に仕事関数差分の負電圧をかけたことになる物質を用いることで、当該負電圧の値の分だけ電圧源41の負電圧値を低減することができる。
一例として、絶縁膜39、本例ではシリコン酸化膜の膜厚を20nm以下とし、負の電圧を与える仕事関数差を持つ物質として、シリコン基板31と異なる導電型の半導体、例えば30nm程度の薄膜のp型ポリシリコンを用いて透明電極を形成することで、当該透明電極によって仕事関数差分の負電圧として−0.5V程度を得ることができるため、電圧源41の負電圧値を−2.5Vに低減することができる。
また、絶縁膜39、即ちシリコン酸化膜の膜厚を数nm程度に薄膜化すれば、−0.5V程度の電圧でシリコン界面に正孔を貯めることができるので、電圧源41の負電圧値を0Vに低減することも可能である。このことは、電圧源41を用いなくて済むことを意味する。
ポリシリコンは青感度を低下させるので、その影響を最小限にするために、上述したようにポリシリコン(透明電極)を薄膜化することが好ましい。
[第3実施の形態]
図4は、本発明の第3実施の形態に係る裏面入射型のCMOSイメージセンサ、特にその裏面受光型画素構造の主要部を示す断面図であり、図中、図3と同等部分には同一符号を付して示している。
第3実施の形態に係る裏面受光型画素構造では、シリコン基板31の裏面上に絶縁膜39を設けるとともに、当該絶縁膜39にシリコン基板31のポテンシャルに対して逆極性の電圧、例えば−3V程度の電圧を印加することにより、基板裏面側シリコン界面に正孔を蓄積する構造を採る点については第1、第2実施の形態の場合と同じである。
第1、第2実施の形態の場合と異なる点は、半導体基板として真性半導体に近い高抵抗基板42を用いていることと、pウェル領域43が基板裏面に到達していないことである。また、図15に示した従来技術とは、電子注入防止膜205が正孔を通す膜であるのに対して、絶縁膜39は正孔を通さない膜である点で異なる。
フォトダイオード33は、p+層35と、n型領域34と、その下部の高抵抗基板領域42とからなる。かかる構成の裏面受光型画素構造において、高抵抗基板42の厚さが薄い場合は、フォトダイオード33のn型領域34から裏面にかけて空乏層が拡がるので、直近のフォトダイオードに大多数の電子を収集することができる。あるいは、混色のスペックが緩い場合は、高抵抗基板42の厚さを厚くすることができる。
シリコン基板31の裏面上に絶縁膜39を設け、当該絶縁膜39にシリコン基板31のポテンシャルに対して負の電圧を印加することにより、基板裏面側シリコン界面に正孔を蓄積することに伴う作用効果は、第1、第2実施の形態の場合と同じである。
次に、第3実施の形態に係る裏面受光型画素構造におけるpウェル領域43の望ましい形状について説明する。
pウェル領域43′の望ましい態様としては、図5に示すように、基板表面側の開口よりも基板裏面側の開口を大きくする。このように、pウェル領域43′が基板裏面に到達していない画素構造において、pウェル領域43′の基板裏面側の開口を大きくすることにより、高抵抗基板42で光電変換された光電子をn型領域34に収集し易くなるメリットがある。
かかる形状のpウェル領域43′の作製方法としては、例えば、複数回のイオン注入で異なる深さにイオンを打ち分けて形成する際に、深い部分へのイオン注入を別のマスクを用いて別工程で形成する方法を用いることができる。
[第4実施の形態]
図6は、本発明の第4実施の形態に係る裏面入射型のCMOSイメージセンサの主要部、すなわち画素アレイ部、周辺回路部及びボンディング用のパッド部を示す断面図である。本実施の形態のCMOS型イメージセンサ50は、図6に示すように、第1導電型の半導体基板、例えばn型のシリコン基板54の画素アレイ部51において、光電変換素子となるフォトダイオード55(図2のフォトダイオード111に相当)と、p型ウェル領域56内の設けた複数のMOSトランジスタとから構成される画素60(図1の画素11に相当)が複数(多数)マトリックス状に2次元的な配列をもって形成されている。MOSトランジスタはシリコン基板54の表面側に形成され、図6ではMOSトランジスタとして、転送トランジスタ57(図2の転送トランジスタ112に相当)のみを示す。転送トランジスタ57は、フォトダイオード55をソースとし、FD部となるn型ソース・ドレイン領域58及びゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極59を有して形成されている。
またシリコン基板54の周辺回路52では、CMOSトランジスタが形成されている。すなわち、p型ウェル領域56にn型のソース・ドレイン領域61、62とゲート絶縁膜を介して形成したゲート電極63とからなるnチャネルMOSトランジスタTrnが形成され、p型ウェル領域56内のn型ウェル領域65にp型のソース・ドレイン領域66、67とゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極68とからなるpチャネルMOSトランジスタTrpが形成される。
フォトダイオード55を含む画素60が形成されたシリコン基板54の表面側に層間絶縁膜71を介して多層の配線72が形成された配線層73が形成されている。
一方、シリコン基板54の裏面側に、画素アレイ部51から周辺回路部52およびパッド部53を形成する周辺を含むほぼ全面にわたって、絶縁膜75を介して透明電極(例えばITO膜:インジウムとすずの酸化物)76が形成され、この透明電極6676上にフォトダイオード55に対応する部分を除いて遮光膜(遮光電極)となる金属膜、例えばAlSi膜77が形成される。この透明電極76と遮光膜となるAlSi膜77で2層構造の裏面電極78が形成される。更に裏面表面に保護用のパシベーション膜79が形成されている。シリコン基板54の裏面側の周辺部に一部パシベーション膜79が選択的に除去され、パシベーション膜79の開口80からAlSi膜77が露出したパッド部(いわゆるボンディングパッド部)53が形成される。このパッド部53には、前述したようにフォトダイオード55の信号電荷が電子の場合には、所要の負電圧が与えられる。
裏面電極78の目的は、フォトダイオードの信号電荷が電子の場合には、画素アレイ部51の裏面電極に負電圧を与えて基板裏面の界面に暗電流の発生を抑制するためのキャリア(正孔)を誘起させることと、不要な部分を遮光することである。画素アレイ部分では、透明電極76は全面に存在するが、金属膜77は光電変換素子(フォトダイオード)6755の部分のみ開口が形成された格子状に形成されている。画素部の遮光部や周辺回路は、金属膜を含む裏面電極で覆われており、光が入射されないようになっている。
パッド部53は、外界との物理的なインターフェイスをとる部分であり、検査時には、このパッド部53に検査装置の針を当てて電圧を与えたり、実装時にはこのパッド部にワイヤボンディングされる。
シリコン基板54は、例えばCMP(Chemical Mechanical Polishing:化学的機械研磨)にて研磨することにより、所要の厚さに形成されている。シリコン基板54の厚さとしては、可視光に対しては5μm〜10μm程度が好ましい。この厚さに設定することにより、可視光をフォトダイオード55で良好に光電変換できる。
フォトダイオード55は、シリコン基板54による低濃度のn- 領域が光電変換領域となり、この光電変換した光電荷(本例では電子)を蓄積する濃度の高いn領域を有し、さらに基板表面側のシリコン界面にキャリア(本例では正孔)を蓄積するp+ 領域(いわゆるp+ アキュミュレーション層)を有する埋め込みダイオード(HAD:Hole Accumulated Diode)である。
p型ウェル領域56は、配線72、具体的にはpウェル配線24(図2参照)を通して基準電位、例えばグランド(GND)電位が与えられる。画素60のリセットトランジスタ113、 増幅トランジスタ114、選択トランジスタ115(図2参照)は、p型ウェル領域56上に形成されている。
基板裏面上の絶縁膜75は、例えばシリコン酸化膜(SiO2)の1層構造である。但し、絶縁膜75としては、シリコン酸化膜の1層構造に限られるものではなく、例えばシリコン酸化膜とシリコン窒化膜の複数層構造であってもよい。この複数層構造を採るときは、各層の厚さを適切にとることによって、シリコン窒化膜による反射防止効果が得られ、入射光をより多く取り込むことができるため、感度を向上することができる。
パッド部53を通してAlSiによる遮光膜77および透明電極76に与えられる負電圧としては、例えば−3V程度とすることができる。
上述したように、シリコン基板54の裏面上に絶縁膜75を設けると共に、絶縁膜5575上にフォトダイオード45の信号電荷と同極性の電圧、例えば−3V程度の負電圧を印加することにより、基板裏面側のシリコン界面に正孔が誘起され、このシリコン界面に正孔蓄積層(いわゆるp+ アキュミュレーション層)が存在していると等価となる。このとき、シリコン基板54と透明電極76とは絶縁膜75によって電気的に絶縁されているため、空乏化していないp型ウェル領域56内には基本的に電場は形成されない。そして、前述したように、この正孔が誘起したシリコン界面の作用により、暗電流の支配的な発生原因である、基板裏面側シリコン界面からの電子の発生が減少する。
裏面入射型であるので、画素アレイ部51を含めて主要部の回路は、シリコン基板54の表面側に形成されている。裏面側には透明電極76と遮光膜であるAlSi膜77からなる2層構造の裏面電極78が形成されており、その概略平面図が図7である。画素のフォトダイオードに相当する部分は、裏面電極78のうち少なくとも遮光膜であるAlSi膜77の開口77aを通して光が透過するようになっており、それ以外の部分では遮光を兼ねて覆っている。但し、暗時レベル検出用の遮光画素等ではAlSi膜77に開口は形成されない。AlSi膜77に電圧を与えるためのパッド部53は、前述のようにAlSi膜77上でパシベーション膜79をくりぬいて形成されている。図7の例では、表側の配線72のパッド部は表側に形成される。パッド部の形成としては、図8に示すように、裏面電極78のパッド部53を裏面側に形成すると共に、表側の配線用のパッド部89を、シリコン基板54を貫通して裏面側に導出するようにして形成することもできる。
このように、図6の裏面入射型のCMOSイメージセンサ50は、基板裏面側のシリコン界面に正孔蓄積層と等価な構造を作ることができるため、基板裏面側界面からの暗電流の発生を低減できる。特に、従来技術のように、基板裏面側にイオン注入したり、濃度を濃くしたり、あるいは活性化のための熱処理を施したりする工程が不要となる。このため、製造工程も非常に簡単であるし、形成される正孔蓄積層の基板深さ方向の分布が非常に浅いため、青色の感度を最大限にとることができる。
上述の第4実施の形態に係る裏面入射型のCMOSイメージセンサ50は、基本形であるが、パッド部53に対して、検査装置の針を当てて検査したり、ワイヤボンディングした場合でも、絶縁膜75が破損して裏面電極(透明電極76と遮光膜となるAlSi膜77)とシリコン基板54とがショートしてリーク電流が発生することを確実に阻止する必要がある。
裏面電極78は電圧を与えるだけであり、定常電流は流れないはずであるが、リーク電流が流れる虞れがある場合には、これを確実に阻止する必要がある。リーク電流が流れると、基板電圧が不安定になったり、スタンバイ時でも電力を消費してしまう不具合が生じ、歩留りを落とすことになる。
このリーク電流の発生原因としては、基板裏面上の絶縁膜75の厚さが100nm程度かそれ以下であるため、パッド部53に何度も検査用の針を当てたり、ボッディングの仕方によっては、絶縁膜75が破壊され、裏面電極78とシリコン基板54が電気的にショートすることによると考えられる。しかし、絶縁膜75を厚くすると、裏面電極78に与える電圧を増加させなくてはならない。
次に、この点を改良し、裏面電極78に与える電圧を低レベルに抑えてパッド部でのリーク電流を阻止できるようにした実施の形態を示す。
[第5実施の形態]
図9は、上記の改良に係る第5実施の形態の裏面入射型のCMOSイメージセンサの主要部(第4実施の形態と同様の部分)を示す断面図である。なお、図9において、図6と対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。本実施の形態のCMOSイメージセンサ81は、前述と同様に第1導電型の半導体基板、例えばn型のシリコン基板54の画素アレイ部51の領域に光電変換素子となるフォトダイオード55と基板表面側の複数のMOSトランジスタ(図示では転送トランジスタ57のみを示す)とからなる画素60が複数(多数)マトリックス状に2次元的に配列形成され、基板表面上に多層配線層73が形成され、基板裏面上に絶縁膜75を介して透明電極(例えばITO膜)76と、遮光膜となる金属膜、例えばAlSi膜77とからなる2層構造の裏面電極78が形成されて成る。
そして、本実施の形態においては、特に、透明電極76を画素アレイ部51の領域に限って形成し、透明電極76上を含む基板裏面側の全面に層間絶縁膜91を形成し、この層間絶縁膜91上に遮光膜となるAlSi膜77を形成する。AlSi膜77は、画素アレイ部51において、フォトダイオード55に対応する領域を除いて格子状に形成されている。そして、画素アレイ部51においては、層間絶縁膜91の複数箇所、好ましくはAlSi膜の各開口を挟む4か所に設けたコンタク部92を通じてAlSi膜77と透明電極76とを電気的に接続している。さらに、基板裏面の画素アレイ部51、周辺回路部52を含み、且つパッド部53を除く全面にパシベーション膜79が形成されている。ここで、層間絶縁膜91は、例えばシリコン酸化膜、シリコン窒化膜などで形成することができる。パッド部53直下の層間絶縁膜91が、リーク電流阻止領域となる。絶縁膜75の膜厚t1は、シリコン基板54と透明電極76間の電気的な絶縁性を保つことができれば、出来るだけ薄くすることが好ましく、例えば60nm以下とすることができる。また、パッド部53直下の層間絶縁膜91の膜厚t2は、パッド部53に検査針を当ててもシリコン基板54との間の絶縁破壊が回避されリーク電流が発生しない程度の膜厚であればよい。例えば、パッド部53のAlSi膜77とシリコン基板54までの絶縁膜75と層間絶縁膜91の和の厚さt3は、例えば100nm以上、好ましくは150nm〜800nm程度とすることができる。t3の厚い側は、製造工程が容易であり、斜め入射光の集光も容易である範囲で決まっている。例えば、t3は数百nmとすることができる。それ以外の構成は、図6と同様である。
次に、図9の第5実施の形態に係るCMOSイメージセンサ81の製造方法を説明する。ここでは、製造工程のうち、本実施の形態に関連する基板裏面上の各膜75、76、77、91、79の部分の工程を示す。
先ず、シリコン基板54の裏面上の全面に裏面側の絶縁膜75、例えばシリコン酸化膜(SiO2)を、CVD方や低温酸化法により形成する。
次に、絶縁膜75上の全面に透明電極76、例えばITO膜をスパッタリング法により形成する。
次に、透明電極76を、ウェットエッチングにより選択的に除去して、画素アレイ部51のみに残す。
次に、透明電極76の特性を調整するためにアニールする。
次に、層間絶縁膜91を全面に形成する。例えば有機シラン(TEOS)を用いて低圧CVD法で形成したCVD酸化膜により層間絶縁膜91を形成する。
次に、画素アレイ部51の層間絶縁膜91にコンタクトホールを形成する。
次に、コンタクトホール内に導電体によるコンタクト部を埋め込む。
次に、全面に遮光膜となる金属膜、例えばAlSi膜77をスパッタリング法により形成する。
次に、AlSi膜77を選択エッチングして、画素アレイ部55においてそのフォトダイオード45に対応する部分に開口を形成する。
次に、全面にパシベーション膜79、例えばシリコン窒化膜(SiN)を形成する。
次に、パシベーション膜79を選択エッチングして、パッド部53に対応する部分に開口79aを形成してAlSi膜77を露出し、パッド部53を形成する。
コンタクト埋め込みについては、例えば図10に示すように、層間絶縁膜91のコンタクト孔91a内に通常のタングステン(W)層94を埋め込む方法を用いることができる。この場合、密着性とコンタクト抵抗を下げるための、バリアメタルとしてTi/TiN膜95をタングステン層94と透明電極76、AlSi層77および層間絶縁膜91との間に介挿することが好ましい。コンタクトホール91aのアスペクト比が小さいときは、コンタクト埋め込みの工程を省略し、図11に示すように、AlSi膜77をスパッタリング法によりコンタクトホール91a内に直接埋め込むようにして形成することが好ましい。この場合も、密着性とコンタクト抵抗を下げるために、バリアメタルとなるTi/TiN膜95を挟むことが好ましい。
透明電極(例えばITO膜)76は、前述の図6のようにほぼ全面に残してもよいが、本例では画素アレイ部51近傍のみに残す構成にしている。透明電極76がほぼ全面に有る場合には、そこに負電圧をかけると、画素アレイ部51以外の部分で寄生MOSトランジスタが働いて、例えば異電位のPウェル間でリークを起こしてしまうなどの不具合を起こすことがある。Si基板に近い側である透明電極76を画素アレイ部51とその近くのみに残し、周辺回路部分は層間膜91を介してSi基板の遠くからAlSi層77で遮光することで、上記寄生MOSトランジスタの導通を防止することができる。この場合、下層に透明電極76が有るところと無いところの境界で層間絶縁膜91上にも数十nm程度の段差が生じてAlSi層77のエッチングが難しくなると一般には考えられるが、段差が小さいことと、AlSi膜77のエッチングが厚い層間絶縁膜91上で行うので、オーバーエッチングを多くして加工することが可能になる。勿論、層間絶縁膜91の平坦化工程を入れてもよい。
前述の図6では、透明電極76より外周に絶縁膜75が無いが、図9の第5実施の形態では、透明電極76の外周まで絶縁膜75が有る。図6の第4実施の形態では、AlSi膜77をエッチングするときに、オーバーエッチングで周辺の絶縁膜75も無くなるが、図9の第5実施の形態では厚い層間絶縁膜が存在するので、周辺の絶縁膜75をシリコン基板54までエッチングすることがない。因みに、透明電極76のエッチングは、ウェットエッチングにより絶縁膜75をほとんど削らずに選択エッチングが可能になる。
裏面電極78の上方に色フィルタやオンチップレンズを形成しても良い。図9の第5実施の形態では、AlSi膜77の開口を1画素ごとに形成して、コンタクトを画素アレイ部51の1画素、1画素に形成する構成としたが、その他、例えば画素アレイ部51の全体をAlSi膜の開口として、画素アレイ部51の周囲でコンタクトをとる構成とするようにしても良い。
第5実施の形態によれば、画素アレイ部51の絶縁膜75は薄く形成することができるので、画素55に対して低電圧で裏面電極78に裏面電圧を印加することができる。すなわち、基板裏面のシリコン界面に暗電流の発生を阻止できる程度の正孔を低電圧で誘起することができる。しかも、パッド部53の下には厚い層間絶縁膜91が存在するので、絶縁破壊から保護することができる。図9では示していないが、パッド部53の下の表面側に回路を作ることもできる。
[第6実施の形態]
第5実施の形態では、AlSi膜77がシリコン基板54から離れた位置に形成されている。この場合、1画素ごとにAlSi膜77に開口77aを形成すると、層間絶縁膜91の厚み分だけシリコン基板54から離れるため、斜め光の開口77aでの蹴られが影響して、集光に不利となる。次に、この点を改良した第6実施の形態について説明する。
図12は、第6実施の形態に係る裏面入射型のCMOSイメージセンサの主要部(第4実施の形態と同様の部分)を示す断面図である。なお、図12において、図6と対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。本実施の形態のCMOSイメージセンサ82は、前述と同様に第1導電型の半導体基板、例えばn型のシリコン基板54の画素アレイ部51の領域に光電変換素子となるフォトダイオード55と基板表面側の複数のMOSトランジスタ(図示では転送トランジスタ57のみを示す)とからなる画素60が複数(多数)マトリックス状に2次元的に配列形成され、基板表面上に多層配線層73が形成され、基板裏面上に絶縁膜75を介して透明電極(例えばITO膜)75と遮光膜となる金属膜、例えばAlSi膜77とからなる2層構造の裏面電極78が形成されて成る。
そして、本実施の形態においては、特に、透明電極76を基板裏面のほぼ全面にわたって形成すると共に、遮光膜となるAlSi膜77を画素アレイ部51に対応する領域のみに、しかも透明電極76に直接重ねて形成する。このAlSi膜77に1画素ごとの開口77aを形成する。次いで全面に層間絶縁膜91を形成し、層間絶縁膜91上の周辺回路部52およびパッド部53の領域のみに2層目の遮光膜となる例えばAlSi膜96を形成する。この2層目のAlSi膜96と1層目のAlSi膜77とを、画素アレイ部51の周囲でコンタクト部97を介して接続する。層間絶縁膜91は、絶縁膜75および透明電極76を囲う外周で基板裏面に接触するように形成されている。さらに、全面にパシベーション膜79を形成し、パシベーション膜79を選択エッチングしてパッド部53に対応する部分に開口79aを形成してAlSi膜96を露出し、パッド部53を形成する。パッド部53直下の層間絶縁膜91が、リーク電流阻止領域となる。その他の構成は、図9と同様である。
第6実施の形態によれば、画素アレイ部51では遮光膜となるAlSi膜77とシリコン基板54との間隔が図9の場合より小さくなるので、フォトダイオード55への集光が有利となる。その他、図9で説明したと同様に、裏面電極78に印加する裏面電圧を低レベルに抑えつつ、パッド部53における絶縁破壊を防止し、リーク電流の発生を阻止することができる。
[第7実施の形態]
図13は、第7実施の形態に係る裏面入射型のCMOイメージセンサの要部(第4実施の形態と同様の部分)を示す断面図である。なお、図13において、図6と対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。本実施の形態の裏面入射型のCMOSイメージセンサ83は、前述と同様に第1導電型の半導体基板、例えばn型のシリコン基板54の画素アレイ部51の領域に光電変換素子となるフォトダイオード55と基板表面側の複数のMOSトランジスタ(図示では転送トランジスタ57のみを示す)とからなる画素60が複数(多数)マトリックス状に2次元的に配列形成され、基板表面上に多層配線層73が形成され、基板裏面上に絶縁膜75を介して透明電極(例えばITO膜)76と遮光膜となる金属膜、例えばAlSi膜77とからなる2層構造の裏面電極78が形成されて成る。
そして、本実施の形態においては、透明電極76を基板裏面のほぼ全面にわたって形成すると共に、透明電極76上のパッド部53に対応する位置に限って、層間絶縁膜、すなわちクッションとなる層間絶縁膜91Aを形成する。この層間絶縁膜91A上に乗り上げるように画素アレイ部51および周辺回路部52を含むほぼ全面上に遮光膜となる金属膜、例えばAlSi膜77を形成する。さらに、全面にパシベーション膜79を形成し、パシベーション膜79を選択エッチングしてパッド部53に対応する部分に開口79aを形成してAlSi膜77を露出し、パッド部53を形成する。パッド部53直下の層間絶縁膜91Aが、リーク電流阻止領域となる。クッションとなる層間絶縁膜91Aは、透明電極76と絶縁膜75との間に形成するも考えられる。しかし、層間絶縁膜91Aは、前述と同様に100nm以上の厚さとするので、層間絶縁膜91Aの選択エッチング時のエッチングストッパの役割を果たす透明電極76上に設けることが好ましい。その他の構成は、図6と同様である。
第7実施の形態によれば、パッド部53の直下にのみクッションとなる層間絶縁膜91Aを形成するので、パッド部53はシリコン基板54との距離が遠くなる。一方、画素アレイ部51では透明電極76上に直に遮光膜であるAlSi膜77が形成されるので、フォトダイオード55への集光が有利となる。従って、第6実施の形態と同様に、フォトダイオードへの集光効率を上げると共に、裏面電極78に印加する裏面電圧を低レベルに抑えつつ、パッド部53における絶縁破壊を防止し、リーク電流の発生を阻止することができる。
ここでは、クッションとなる層間絶縁膜91Aの周囲に100nm以上の段差が生じるので、AlSi膜77の選択エッチングで段差部にエッチング残りが生じ易いが、クッションの層間絶縁膜91Aをパッド部53のみに形成して置けば、エッチング残りが生じても、他の配線とショートすることはない。または、AlSi膜77が層間絶縁膜91Aを覆うようにすれば、そもそも段差部のエッチング残りが発生しない。
[第8実施の形態]
図14は、第8実施の形態に係る裏面入射型のCMOSイメージセンサの主要部(第4実施の形態と同様の部分)を示す断面図である。なお、図14において、図6と対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。本実施の形態のCMOSイメージセンサ84は、基板裏面上の2層構造の裏面電極78が前述した図6と同様に構成される。すなわち、基板裏面上に絶縁膜75を介して透明電極(例えばITO膜)66、遮光膜となる例えばAlSi膜77が積層され、画素アレイ部51のフォトダイオード55に対応する部分に開口が形成される。そして、パッド部53を除いて全面にパシベーション膜79が形成される。
本実施の形態においては、特に、パッド部53直下のシリコン基板54において、シリコン基板54の少なくとも基板裏面に接するように、電気的にフローティングまたは裏面電極78と同電位の半導体ウェル領域98を形成し、この半導体ウェル領域98を裏面電極78の電位に対して逆バイアスとなるようにされた逆導電型の半導体領域で囲んで構成される。図示では、半導体ウェル領域98として、n型のシリコン基板54と逆導電型のp型ウェル領域で形成される。このp型ウェル領域98は、シリコン基板54の裏面から表面にわたって形成されているが、基板表面に達することなく、基板裏面から基板厚み方向の途中まで形成された構成としても良い。半導体ウェル領域98がリーク電流阻止領域となる。その他の構成は、図6と同様である。
第8実施の形態では、n型のシリコン基板54には電源電圧が印加され、裏面電極78には負電圧が印加される。従って、パッド部53下の絶縁膜75が破壊され、パッド部53とp型ウェル領域98とがショートしても、p型ウェル領域98に裏面電圧の負電圧が印加されるので、p型ウェル領域98とn型シリコン基板54で形成されるpn接合が逆バイアスされ、リーク電流はほとんど流れない。本質的には、絶縁膜75が破壊されてもパッド部53に短絡されたシリコン基板54側の領域が周囲と逆バイアスされてリーク電流が防止される構成とすることであるので、図14以外の基板導電型や半導体ウェル構造でも構わない。
第8実施の形態によれば、電気的にフローティングまたは逆バイアスされた半導体ウェル領域98を、パッド部53直下のシリコン基板54に設けることにより、絶縁膜75が破壊されてもリーク電流を阻止することができる。同時に、絶縁膜75の厚みを薄くできるので、裏面電極78に印加する電圧の低電圧化を図ることができる。
上述した第5〜第8実施の形態によれば、裏面入射型のCMOSイメージセンサにおいて、裏面電極に印加する電圧を低いレベルに抑えたまま、パッド部における絶縁破壊を防止することができ、または絶縁破壊してもリーク電流を阻止することができる。
上例では、裏面電極78として、シリコン基板54の裏面ほぼ全面に透明電極76と遮光膜(遮光電極)77の2層構造としたが、それ以外の裏面電極構造の場合にも上述したパッド部下の構造を応用することができる。例えば周辺回路部52が全てデジタル回路で形成されて遮光が必要無い場合には、画素アレイ部51のみ遮光膜77を形成すれば良い。
上述の各実施例では、半導体基板としてn型の基板を用いるとしたが、p型の基板を用いて構成することも可能である。この場合、当然のことながら、各実施例において、n型とp、電子と正孔、電圧の極性は全て反対とすることができる。
本発明に係る固体撮像装置は、ビデオカメラやデジタルスチルカメラなどの撮像装置の撮像デバイスとして利用することができる他、カメラ付き携帯電話などの携帯機器の撮像デバイスとしても利用することができる。
10・・CMOSイメージセンサ、11・・画素、12・・画素アレイ部、13・・垂直駆動回路、14・・カラム信号処理回路、15・・水平駆動回路、16・・水平信号線、17・・出力回路、18・・制御回路、19・・垂直信号線、21・・転送線、22・・リセット線、23・・選択線、31・・シリコン基板、32・・n−型領域、33・・フォトダイオード、35・・p+層、36,43,43′・・pウェル領域、37・・配線層、39・・絶縁膜、40・・透明電極、41・・電圧源、42・・高抵抗基板、50、81、82、83、84・・CMOSイメージセンサ、51・・画素アレイ部、52・・周辺回路部、53・・パッド部、54・・半導体基板、55・・フォトダイオード、56・・p型半導体ウェル領域、57・・転送トランジスタ、60・・画素、65・・n型半導体ウェル領域、Trn・・nチャネルMOSトランジスタ、Trp・・pチャネルMOSトランジスタ、73・・配線層、75・・絶縁膜、76・・透明電極、77・・遮光膜(金属膜)、78・・裏面電極、79・・パシベーション膜、91、91A・・層間絶縁膜、92、97・・コンタクト部、96・・遮光膜、98・・p型半導体ウェル領域

Claims (15)

  1. 光電変換素子を含む画素が形成された半導体基板の第1面側に配線層を有し、前記配線層と反対側の第2面側から光が入射される固体撮像装置であって、
    前記半導体基板内に形成された第1導電型の光電変換領域と、
    前記光電変換領域の周囲に、前記半導体基板の第1面側から第2面に到達するように形成された第2導電型の半導体ウェル領域と、
    前記半導体基板の第2面上に形成された絶縁膜と、
    前記半導体基板内の第2面側の前記絶縁膜との界面に形成される正孔蓄積層とを備え、
    前記正孔蓄積層は、負の電圧を前記絶縁膜に印加することにより形成される
    固体撮像装置。
  2. 前記半導体ウェル領域は、前記配線層を通して基準電位が与えられている
    請求項1記載の固体撮像装置。
  3. 前記正孔蓄積層は、少なくとも前記光電変換領域上の前記半導体基板の界面に、イオン注入をせずに形成されている
    請求項1または2記載の固体撮像装置。
  4. 前記負の電圧は、前記絶縁膜上の全面に形成された電圧印加手段により前記絶縁膜に印加される
    請求項1〜3の何れかに記載の固体撮像装置。
  5. 前記電圧印加手段は、前記絶縁膜上に形成され、前記半導体基板内に入射光を取り込み可能な電極と、当該電極に前記電圧を与える電圧源とを有する
    請求項4記載の固体撮像装置。
  6. 前記電極は透明電極である
    請求項5記載の固体撮像装置。
  7. 前記半導体基板はシリコン基板であり、
    前記絶縁膜は、シリコン酸化膜の1層構造、またはシリコン酸化膜とシリコン窒化膜の2層構造である
    請求項1〜6の何れかに記載の固体撮像装置。
  8. 前記電圧印加手段は、前記絶縁膜上に形成され、前記絶縁膜に対して前記電圧を与える仕事関数差を持つ物質の層である
    請求項4記載の固体撮像装置。
  9. 前記物質は、前記半導体基板と異なる導電型の半導体である
    請求項8記載の固体撮像装置。
  10. 半導体基板に光電変換素子を含む画素が形成され、
    前記半導体基板の裏面側から光が入射されるようになされ、
    前記裏面側に絶縁膜が形成され、
    少なくとも画素アレイ部では、前記絶縁膜を介して裏面電極が形成され、当該裏面電極により負の電圧を前記絶縁膜に印加することにより前記半導体基板内の裏面側の前記絶縁膜との界面に正孔蓄積層が形成され、
    前記裏面電極のパッド部直下に、パッド部と前記半導体基板との間のリーク電流を阻止するリーク電流阻止領域が設けられ、
    前記裏面電極が2層構造を有し、
    前記裏面電極のパッド部に対応する前記2層構造に層間絶縁膜が介挿され、
    前記層間絶縁膜により前記リーク電流阻止領域が形成されている
    固体撮像装置。
  11. 前記層間絶縁膜は、前記パッド部を含む前記半導体基板の全面に設けられ、
    前記2層構造が前記層間絶縁膜に設けられたコンタクト部で接続されている
    請求項10記載の固体撮像装置。
  12. 前記2層構造のうち、Si基板に近い側の層が、前記画素アレイ部近傍のみに形成されている
    請求項11記載の固体撮像装置。
  13. 前記裏面電極は、前記2層構造と前記絶縁膜との間に、当該2層構造のうちSi基板に近い側の層に接する透明電極を有する
    請求項12記載の固体撮像装置。
  14. 前記層間絶縁膜は、前記裏面電極のパッド部に対応する位置のみに設けられている
    請求項10記載の固体撮像装置。
  15. 半導体基板に光電変換素子を含む画素が形成され、
    前記半導体基板の裏面側から光が入射されるようになされ、
    前記裏面側に絶縁膜が形成され、
    少なくとも画素アレイ部では、前記絶縁膜を介して裏面電極が形成され、当該裏面電極により負の電圧を前記絶縁膜に印加することにより前記半導体基板内の裏面側の前記絶縁膜との界面に正孔蓄積層が形成され、
    前記裏面電極のパッド部直下に、パッド部と前記半導体基板との間のリーク電流を阻止するリーク電流阻止領域が設けられ、
    前記パッド部直下の前記半導体基板の少なくとも裏面に接してフローティングまたは前記裏面電極と同電位の半導体ウェル領域が形成され、
    前記半導体ウェル領域が、前記裏面電極の電位に対して逆バイアスとなる前記半導体ウェル領域と逆導電型の半導体領域で囲われて
    前記半導体ウェル領域により前記リーク電流阻止領域が形成されている
    固体撮像装置。
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