JP5446297B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Description
MOSFET10は、ドリフト領域18と略同じN型不純物濃度を有するシリコンウエハ(以下、シリコンウエハ50という)から製造される。最初に、シリコンウエハ50の上面側に拡散層(ソース領域14、ボディ領域16)を形成する。その後、トレンチ形成工程を実施する。
トレンチ形成工程では、最初に、図2に示すように、シリコンウエハ50の上面50aにマスク層60を形成する。マスク層60は、トレンチ30に対応する範囲に開口を設けた形状に形成する。その後、上面50a側からRIE法によってシリコンウエハ50をエッチングする。これによって、図3に示すように、シリコンウエハ50の上面50aにトレンチ30を形成する。トレンチ形成工程では、深さが2.3〜3.0μmであり、幅が約0.4〜0.5μmであり、壁面のテーパ角度が86.5度〜89.0度であるトレンチ30を形成する。
トレンチ形成工程が終了したら、シリコンウエハ50を熱酸化処理する。これによって、図4に示すように、トレンチ30の内面に保護酸化膜62を形成する。この熱酸化処理は、酸化温度を800℃〜1100℃とし、酸化ガスとしてO2、H2O、または、N2希釈H2O等を用いて実施する。ここでは、膜厚が約20nmの保護酸化膜62を形成する。
保護酸化膜形成工程が終了したら、シリコンウエハ50の上面50aに向けてボロンイオンを注入する。イオン注入は、加速電圧を約20keVとし、ドーズ量を約1×1013/cm2として実施する。トレンチ30の底面では、トレンチ30の底面とイオン注入方向が略垂直であるので、イオンは保護酸化膜62を貫通してシリコンウエハ50に注入される。一方、トレンチ30の側面では、トレンチ30の側面とイオン注入方向が略平行であるので、イオンは保護酸化膜62内で停止する。また、シリコンウエハ50の上面50aのうちのトレンチ30を除く領域はマスク層60に覆われているので、その領域ではイオンはマスク層60内で停止する。したがって、トレンチ30の底面近傍でのみ、シリコンウエハ50にイオンが注入される。イオン注入後に、シリコンウエハ50を熱処理することによって、注入したボロンイオンを活性化させる。これによって、図5に示すように、トレンチ30の下端近傍にフローティング領域21を形成する。フローティング領域21を形成したら、エッチングによりマスク層60と保護酸化膜62を除去する。
フローティング領域形成工程が終了したら、シリコンウエハ50を熱酸化処理する。これによって、図6に示すように、シリコンウエハ50の上面50aとトレンチ30の内面に酸化膜64を形成する。この熱酸化処理は、酸化温度を800〜1100℃とし、酸化ガスとしてO2、H2/O2混合ガス、または、N2希釈したH2/O2混合ガス等を用いて実施する。これにより、膜厚が約20〜100nmの酸化膜64を形成する。
酸化膜形成工程が終了したら、CVD法によって、シリコンウエハ50上に酸化シリコンを堆積させる。CVD法としては、成膜温度を750〜825℃とし、成膜ガスとしてSiH4とN2Oを用いるLPCVD法、成膜温度を600〜700℃とし、成膜ガスとしてTEOSとO2を用いるLPCVD法、または、成膜温度を400〜500℃とし、成膜ガスとしてTEOSとO2(またはO3)を用いるAPCVD法等を用いることができる。酸化シリコンは、300〜700nm堆積させる。CVD法によれば、トレンチ30の内面にも酸化シリコンを堆積させることができる。これによって、図7に示すように、シリコンウエハ50上とトレンチ30内に酸化シリコン層65を形成する。CVD法は埋め込み性が高いので、トレンチ30内に隙間無く酸化シリコン層65が充填される。以下では、酸化シリコン層65と酸化膜64を合わせて酸化シリコン層22として図示する。
酸化シリコン層形成工程が終了したら、図8に示すように、シリコンウエハ50上にマスク層66を形成する。マスク層66は、トレンチ30の幅方向中央部に沿って開口66aを設けた形状に形成する。開口66aの幅はトレンチ30の幅よりも狭くする。
次に、RIE法によって、シリコンウエハ50の上面50a側から酸化シリコン層をエッチングする。エッチングガスには、C4F8とO2の混合ガス、または、CF4とO2の混合ガス等を用いる。これによって、図9に示すように、トレンチ30内の酸化シリコン層22に溝72を形成する。ここでは、溝72がトレンチ30より浅くなるようにエッチングを行う。より具体的には、溝72を深さ約1.2μmとして、溝72の下端の位置とボディ領域16の下端の位置を略等しくする。上述したように、マスク層66の開口66aの幅がトレンチ30の幅より狭いので、溝72の幅もトレンチ30の幅より狭くなる。このため、溝72の両側方に酸化シリコン層22が残存する。また、溝72はトレンチ30より浅いので、溝72の下方にも酸化シリコン層22が残存する。なお、溝72の側方の酸化シリコン層22の厚さ(図9の左右方向の厚さ)は、溝72の下方の酸化シリコン層22の厚さ(図9の上下方向の厚さ)より遥かに薄い。溝72を形成したら、マスク層66をエッチングにより除去する。
溝形成工程が終了したら、酸化シリコン層22をウェットエッチング(等方性エッチング)する。エッチング液には、希フッ酸やバッファードフッ酸を用いる。ここでは、図10に示すように、トレンチ30内の下部にのみ酸化シリコン層22が残存するように、エッチングを行う。すなわち、シリコンウエハ50の上面50a上の酸化シリコン層22はその上面側からエッチングされて除去される。また、トレンチ30内の酸化シリコン層22は、溝72の内面からエッチングされる。溝72の側方の酸化シリコン層22は、溝72の側面からエッチングされて除去される。一方、溝72の下方の酸化シリコン層22は、溝72の底面からエッチングされる。ウェットエッチングが等方性エッチングであるので、溝72の下方の酸化シリコン層22は、溝72の底面を起点として同心状にエッチングされる。したがって、図10に示すように、トレンチ30内の下部に残存する酸化シリコン層22の上面は凹状の曲面形状となる。酸化シリコン層22の上面が凹状の曲面形状となるので、酸化シリコン層22の上面には、トレンチ30の壁面に沿って、上方に突出する突出部22aが形成される。
酸化シリコンウェットエッチング工程が終了したら、シリコンウエハ50を熱酸化処理する。これによって、図11に示すように、シリコンウエハ50の上面50a上とトレンチ30の壁面に酸化膜24を形成する。この熱酸化処理では、酸化温度を約800〜1100℃とし、酸化ガスとしてO2、H2/O2混合ガス、または、N2希釈したH2/O2混合ガス等を用いる。ここでは、50〜100nmの酸化膜を形成する。トレンチ30の壁面に形成された酸化膜24が、図1のゲート絶縁膜24となる。
ゲート絶縁膜形成工程では、酸化シリコン層22の上面が凹状の曲面形状となっているので、トレンチ30内全体に酸化ガスが行き渡り易い。また、酸化シリコン層22の上面とトレンチ30の壁面との境界部において、酸化シリコン層22(突出部22a)の厚さが薄くなっているため、その境界部で生じる応力は極めて小さく、その境界部近傍においてゲート絶縁膜24が成長することが抑制されることがない。したがって、トレンチ30の壁面全体にゲート絶縁膜24が成長する。また、突出部22aは厚さが薄いので、酸化ガスは突出部22aを通過して、突出部22aに覆われているトレンチ30の壁面にも到達する。このため、突出部22aにおいても酸化シリコンが成長し、突出部22aの厚さが増す。したがって、図11に示すように、トレンチ30の内面全体に十分な厚さを有する絶縁膜が形成される。すなわち、トレンチ30の内面の絶縁膜が局所的に薄くなることが防止される。また、このようにゲート絶縁膜24を形成することで、酸化シリコン層22の幅方向中央部(酸化シリコン層形成工程におけるCVD層の張り合わせ面)のシームを解消することもできる。
なお、ゲート絶縁膜24は、CVD法によって形成してもよい。この場合には、成膜温度を750〜825℃とし、成膜ガスとしてSiH4とN2Oを用いるLPCVD法、または、成膜温度を600〜700℃とし、成膜ガスとしてTEOSとO2を用いるLPCVD法等を用いることができる。
ゲート絶縁膜形成工程が終了したら、CVD法によって、シリコンウエハ50上にPドープポリシリコンを堆積させる。これによって、図12に示すように、ポリシリコン層26を形成する。このCVD法は、成膜温度を580〜640℃とし、成膜ガスとしてSiH4等を用いて実施する。ここでは、厚さが約800nmのポリシリコン層26を形成する。CVD法を実施すると、トレンチ30の内面にもポリシリコンが堆積し、図12に示すようにトレンチ30内がポリシリコン層26で充填される。
ポリシリコン層26を形成したら、シリコンウエハ50の上面50a側からポリシリコン層26をエッチングする。これによって、図13に示すように、トレンチ30内にポリシリコン層26を残存させ、シリコンウエハ50上のポリシリコン層26を除去する。残存したポリシリコン層26がゲート電極26となる。
ゲート電極26を形成したら、エッチングによって、シリコンウエハ50の上面50a上の酸化膜24を除去する。その後、熱酸化処理によって、キャップ絶縁膜32を形成する。これによって、トレンチゲート構造が完成する。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
12:半導体基板
14:ソース領域
16:ボディ領域
18:ドリフト領域
20:ドレイン領域
21:フローティング領域
22:酸化シリコン層
22a:突出部
24:ゲート絶縁膜
26:ゲート電極
30:トレンチ
32:キャップ絶縁膜
34:ソース電極
36:ドレイン電極
50:シリコンウエハ
60:マスク層
62:保護酸化膜
64:酸化膜
65:酸化シリコン層
66:マスク層
72:溝
Claims (1)
- トレンチ内の下部に絶縁層が形成されており、絶縁層の上部のトレンチ内に電極が形成されており、電極と接する範囲のトレンチの壁面に絶縁膜が形成されている構造を有する半導体装置の製造方法であって、
シリコン基板の表面にトレンチを形成するトレンチ形成工程と、
トレンチ内に酸化シリコンを充填して絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、
トレンチ内の絶縁層に、トレンチに沿って伸び、トレンチより幅が狭く、トレンチより浅い溝を形成する溝形成工程と、
前記溝の内面から絶縁層を等方性エッチングすることによって、前記溝の側方の絶縁層を除去するとともに、トレンチ内の下部に上面が凹状の曲面形状である絶縁層を残存させる絶縁層エッチング工程と、
トレンチの壁面を酸化させてその壁面に絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程と、
絶縁層の上部のトレンチ内に導体を充填して電極を形成する電極形成工程、
を有している半導体装置の製造方法。
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