JP5329858B2 - 非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法およびこれによって得られる非水電解質電池用負極活物質 - Google Patents
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Description
中でもシリコンはシリコン原子1に対してリチウム原子を4.4の比率までリチウムを吸蔵することが可能であり、重量あたりの負極容量は黒鉛質炭素の約10倍となる。しかし、シリコンは、充放電サイクルにおけるリチウムの挿入脱離に伴なう体積の変化が大きく活物質粒子の微粉化などサイクル寿命に問題があった。
この不均化反応は800℃より高温で進行し、微小なSi相とSiO2相に分離する。反応温度が上がるほどSi相の結晶は大きくなり、Si(220)のピークの半値幅は小さくなる。好ましい範囲の半値幅が得られる焼成温度は850℃〜1300℃の範囲である。また、不均化反応により生成したSiは1400℃より高い温度では炭素と反応してSiCに変化する。SiCはリチウムの挿入に対して全く不活性であるためSiCが生成すると活物質の容量は低下する。従って、炭化焼成の温度は850℃以上1300℃以下であることが好ましく、さらに好ましくは900℃以上1100℃以下である。焼成時間は、1時間から12時間程度の間が好ましく、特に3時間から12時間の範囲がさらに好ましい。
1)正極
正極は、活物質を含む正極活物質層が正極集電体の片面もしくは両面に担持された構造を有する。
2)負極
負極は、負極材料を含む負極活物質が負極集電体の片面もしくは両面に担持された構造を有する。
3)電解質
電解質としては非水電解液、電解質含浸型ポリマー電解質、高分子電解質、あるいは無機固体電解質を用いることができる。
3)セパレータ
非水電解液を用いる場合、および電解質含浸型ポリマー電解質を用いる場合においてはセパレータを用いることができる。セパレータは多孔質セパレータを用いる。セパレータの材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、またはポリ弗化ピニリデン(PVdF)を含む多孔質フィルム、合成樹脂製不織布等を用いることができる。中でも、ポリエチレンか、あるいはポリプロピレン、または両者からなる多孔質フィルムは、二次電池の安全性を向上できるため好ましい。
前記容器1内には、電解液が収容されている。中央部が開口された絶縁紙7は、前記容器1内の前記電極群3の上方に配置されている。絶縁封口板8は、前記容器1の上部開口部に配置され、かつ前記上部開口部付近を内側にかしめ加工することにより前記封口板8は前記容器1に固定されている。正極端子9は、前記絶縁封口板8の中央に嵌合されている。正極リード1.0の一端は、前記正極4に、他端は前記正極端子9にそれぞれ接続されている。前記負極6は、図示しない負極リードを介して負極端子である前記容器1に接続されている。
なお、前述した図1において、円筒形非水電解質二次電池に適用した例を説明したが、角型非水電解質二次電池にも同様に適用できる。また、前記電池の容器内に収納される電極群は、渦巻き系に限らず、正極、セパレータ及び負極をこの順序で複数積層した形態にしてもよい。
以上説明した本発明に係わる非水電解質二次電池用負極活物質は、SiとSiO2と炭素質物の三相を含む化合物であることを特徴とするものである。
このような負極活物質は高い充放電容量と長いサイクル寿命を同時に達成することができるため、放電容量が向上された長寿命な非水電解質二次電池を実現することができる。
得られた試料にアセチレンブラック5wt%、 ポリテトラフルオロエチレン3wt%を加えシート状としステンレスメッシュに圧着し、150℃で真空乾燥し試験電極とした。対極および参照極を金属Li、電解液を1MLiPF6のEC・MEC(体積比1:2)溶液とした電池をアルゴン雰囲気中で作製し充放電試験を行った。充放電試験の条件は、参照極と試験電極間の電位差0.01Vまで1mA/cm2の電流密度で充電、さらに0.01Vで8時間の定電圧充電を行い、放電は1mA/cm2の電流密度で3Vまで行った。
(X線回折測定)
得られた粉末試料について粉末X線回折測定を行い、Si(220)面のピークの半値幅を測定した。測定は株式会社マック・サイエンス社製X線回折測定装置(型式M18XHF22)を用い、以下の条件で行った。
管電圧:50kv
管電流:300mA
走査速度:1°(2θ)/min
時定数:1sec
受光スリット:0.15mm
発散スリット:0.5°
散乱スリット:0.5°
回折パターンより、d=1.92Å(2θ=47.2°)に現れるSiの面指数(220)のピークの半値幅(°(2θ))を測定した。また、Si(220)のピークが活物質中に含有される他の物質のピークと重なりをもつ場合には、ピークを単離し半値幅を測定した。
(比較例3)
実施例2におけるSiOを平均粒径0.5μmのSi粉末とし、Si:グラファイト:フルフリルアルコールを1:0.5:5の重量比で実施例と同様に合成した。この際、焼成温度は1000℃とした。得られた試料について、充放電試験およびX線回折測定を行なった。この得られた資料を負極活物質として使用した対極Li試験電池を実施例と同様に形成した。
3・・・電極群、
4・・・正極、
5・・・セパレータ、
6・・・負極、
8・・・封口板、
9・・・正極端子。
Claims (5)
- 一次粒径範囲が1μm以上50μm以下の粉末状のSiOx(0.8≦X≦1.5)と、炭素質原料とを混合し、800℃以上1300℃以下の温度で、3時間以上12時間以下、焼成することを特徴とする非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法。
- 前記炭素質原料が、グラファイト、アセチレンブラック、カーボンブラック、ハードカーボンブラック、ピッチ、樹脂、およびポリマーからなる群から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の非水電解質電池用負極活物質の製造方法。
- 前記請求項1または請求項2に記載の方法によって製造されることを特徴とする非水電解質二次電池用負極活物質。
- 粉末X線回折測定におけるSi(220)面の回折ピークの半値幅が1.5°以上、8.0°以下であることを特徴とする請求項3に記載の非水電解質二次電池用負極活物質。
- 前記請求項3または請求項4に記載の非水電解質二次電池用負極活物質を有することを特徴とする非水電解質二次電池。
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