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JP5306485B2 - 動きベクトル予測符号化方法、動きベクトル予測復号方法、動画像符号化装置、動画像復号装置およびそれらのプログラム - Google Patents

動きベクトル予測符号化方法、動きベクトル予測復号方法、動画像符号化装置、動画像復号装置およびそれらのプログラム Download PDF

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Description

本発明は、動きベクトルを予測符号化する動画像符号化技術に関する。特に、本発明は、動きベクトルの予測効率を向上させ、動画像の符号化効率を向上させるための動きベクトル予測符号化方法、動きベクトル予測復号方法、動画像符号化装置、動画像復号装置およびそれらのプログラムに関する。
本願は、2010年2月9日に日本に出願された特願2010−26131号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
H.264に代表されるような、動き補償を用いた動画像符号化方式では、動きベクトルを効率的に符号化するために、動きベクトルの予測符号化を行う。
図11は、従来の動画像符号化装置における動き補償部の構成例を示す。従来の動画像符号化装置における動き補償部100は、動き探索部101と、動きベクトルメモリ102と、動きベクトル予測部103と、予測残差算出部104を備える。
動き探索部101は、符号化対象ブロックの映像信号が入力されると、符号化済みの参照画像の復号信号と照合することにより動き探索を行い、動きベクトルを算出して動きベクトルメモリ102に格納する。動きベクトル予測部103は、符号化対象ブロックの近隣にある符号化済みブロックの符号化に用いられた動きベクトルを動きベクトルメモリ102から読み出し、それらを参照動きベクトルとして用いて予測動きベクトルを算出する。予測残差算出部104は、動き探索部101が算出した動きベクトルと、動きベクトル予測部103が算出した予測動きベクトルとの残差を算出し、動きベクトル予測残差を出力する。この動きベクトル予測残差が符号化されて、動きベクトルの符号化情報として出力される。
図12は、従来の動画像復号装置における動き補償部の構成例を示す。従来の動画像復号装置における動き補償部200は、動きベクトル算出部201と、予測信号作成部202と、動きベクトルメモリ203と、動きベクトル予測部204とを備える。
動きベクトル算出部201は、符号化ストリームから復号された動きベクトル予測残差と、動きベクトル予測部204が予測した予測動きベクトルとを加算して動きベクトルを生成し、この動きベクトルを動きベクトルメモリ203に格納するとともに、予測信号作成部202に出力する。予測信号作成部202は、動きベクトルに従って復号済みの参照画像から復号信号を読み出し、復号対象ブロックの予測信号として出力する。動きベクトル予測部204は、復号対象ブロックの近隣にある復号済みブロックの復号に用いられた動きベクトルを動きベクトルメモリ203から読み出し、それらを参照動きベクトルとして用いて予測動きベクトルを算出する。
以上のような動きベクトル予測符号化に関する技術として、従来、以下のような技術がある。
(a)メディアン予測符号化(H.264など)〔以下、従来技術aという〕
(b)参照動きベクトル指定による予測符号化〔以下、従来技術bという〕
図13は、従来の動きベクトルの予測符号化方式の例を説明する図である。従来技術aおよび従来技術bでは、動きベクトルを符号化(復号も同様)する際に、図13に示すような符号化対象ブロックの近隣の符号化済みブロックの動きベクトル(符号化済み動きベクトル)を参照動きベクトルとして用いて予測を行って、動きベクトルの符号化を行う。
具体的には、従来技術aでは、参照動きベクトルのメディアンを予測動きベクトルとして用いて、符号化対象ブロックの動きベクトルと、予測動きベクトルとの誤差(動きベクトル予測残差という)を符号化する(非特許文献1参照)。
また、従来技術bでは、参照動きベクトルのうち、予測に利用する動きベクトルを符号化装置(エンコーダ)が選択し、動きベクトル予測残差とともに予測に利用する参照動きベクトルの識別子を符号化する(非特許文献2参照)。
また、従来、動きベクトル予測残差を求めて動きベクトルを符号化するのではなく、符号化対象ブロックの動きベクトルそのものを予測する技術として、テンプレートマッチングによる動きベクトル予測の技術(以下、従来技術cという)がある。この従来技術cは、符号化側において動きベクトルを符号化しないで動き補償をするための動きベクトル予測方法である(非特許文献3参照)。
図14は、従来のテンプレートマッチングによる動きベクトル予測を説明する図である。従来技術cでは、符号化対象ブロックの動きベクトルを予測するにあたり、図14に逆L字型の領域として示されるような、符号化対象ブロックの近隣で、なおかつ符号化済みの画素の集合(これをテンプレートと呼ぶ)を利用して、参照画像上で所定の探索範囲について動き探索を行う(この処理をテンプレートマッチングと呼ぶ)。具体的には、所定の探索範囲内の各動きベクトルについて、参照画像上でテンプレートと同じ位置にある領域を動きベクトル分だけずらした領域(マッチング領域と呼ぶ)と、テンプレートとの間でSAD(Sum of Absolute Differences)などの類似度を求めて探索をする。それによって得られた動きベクトルを利用して動き補償を行う。復号側でも復号済み画素の集合であるテンプレートで同じ処理が可能であるため、動きベクトルを符号化しないで動き補償ができる利点がある。
角野、菊池、鈴木、"改訂三版H.264/AVC教科書"、インプレスR&D発行、2009, pp.123-125. T. Yamamoto, "A new scheme for motion vector predictor encoding", ITU-T SG16/Q6, 32nd VCEG Meeting, San Jose, April 2007. 小林、鈴木、ブン、堀越、"テンプレートマッチングを用いた動き予測方法に伴う予測情報量削減"、画像符号化シンポジウム資料、2005,pp.17-18.
前述した従来技術a、bでは、近隣のブロックに予測に有効な参照動きベクトルがない場合に、動きベクトルの予測効率が低下する。符号化対象ブロックの近隣だけでなく、より広範囲に含まれる多数のブロックの参照動きベクトルを予測に利用することも考えられる。しかし、従来技術の方法でこれを行った場合、予測効率や符号化効率の悪化をまねく。
図15は、従来技術の問題を説明する図である。図15に示すように、符号化対象ブロックの近隣ブロックが被写体Objの境界である場合とオクルージョンがある場合(参照画像において近隣ブロックの対応点が何らかの被写体で隠れている場合)、また、被写体が剛体でない場合には、当該近隣ブロックの参照動きベクトルが、符号化対象ブロックの動きベクトル予測に適していないか、イントラ符号化が行われて参照動きベクトル自体が存在しないことがある。このような場合、従来技術aおよび従来技術bのいずれにおいても、予測効率が悪くなる。
一方、図15に点線で示すブロックのように、候補に含まれないブロックの動きベクトルのほうが予測に有効になる場合がある。このような動きベクトルを予測に利用するために、最近隣のブロックだけを候補とするのではなく、候補となるブロックを多くすることが容易に類推できる。しかしながら、候補となるブロックを多くした場合、従来技術aにおいては適切でない参照動きベクトルが候補に含まれて予測効率が逆に悪化するおそれがある。また、従来技術bでは、予測に利用する参照動きベクトルの識別子の符号量の増加を招くため、符号化効率が逆に悪化するおそれがある。
これに対して、従来技術cは、符号化側で動きベクトルを符号化しないで動き補償をするための動きベクトル予測方法である。そこで、これを前述の従来技術の課題に対して応用することを考える。すなわち、従来技術cのテンプレートマッチングを用いて予測動きベクトルを作成し、これと通常の動き探索により求めた符号化対象ブロックの動きベクトルとから動きベクトル予測残差を求めて符号化することを考える。この場合、次の問題がある。
従来技術cによる動きベクトル予測では、従来技術aや従来技術bと異なり、符号化対象ブロックの近隣ブロックの符号化済み動きベクトルを利用しないで探索を行うことができる。このため、符号化済み動きベクトルが予測に有効でない場合にも、有効な予測動きベクトルを作成できる可能性がある。しかしながら、テンプレートのみから予測動きベクトルを決定してしまうため、符号化対象ブロックとは無関係な領域を指す動きベクトルを予測動きベクトルとしてしまい、予測効率が悪化する場合がある。
本発明は、上記課題の解決を図り、動きベクトルの予測効率を向上させ、動画像の符号化効率を向上させることを目的とする。ここで、動きベクトルの予測効率とは、予測の対象となる動きベクトルと予測動きベクトルとの類似の度合いを意味する。具体的には、これらの2つのベクトルの差分ベクトルの長さが小さい場合に予測効率が高いとする。
本発明の概要は、以下のとおりである。本発明は、符号化側および復号側の各ブロックについて、以下の方法で動きベクトル予測を行う。
(1)多数(N個)の1次候補参照動きベクトルを利用する。
(2)復号側で符号化(復号)対象ブロックを復号開始する時点ですでに復号済みの情報のみを利用して、各1次候補参照動きベクトルがどれだけ予測に適しているかを示す評価値(以下、信頼度)を求める。
(3)1次候補参照動きベクトルを、信頼度が所定の閾値より大きい少数(M個)の2次候補参照動きベクトルに絞り込む。
(4)少数の2次候補参照動きベクトルを利用して予測動きベクトルを作成する。
詳しくは、本発明の実施形態では、従来と同様な動きベクトル予測符号化(下記の処理4)の前処理として、以下の処理1〜処理3を行う。
[処理1]まず、1次候補参照動きベクトルとして、符号化対象ブロックの近隣にある符号化済みブロックの符号化に用いた動きベクトルおよび所定値の動きベクトルからなるN個(Nは2以上の整数)の動きベクトルの少なくとも一方を抽出する。
[処理2]次に、N個の1次候補参照動きベクトルのそれぞれについて、符号化対象ブロックでの動きベクトル予測における有効性を定量的に表す信頼度を、符号化済み、または復号済みの画像情報を用いて算出する。
[処理3]N個の1次候補参照動きベクトルの中で、信頼度が所定の閾値より大きい1次候補参照動きベクトルを、2次候補参照動きベクトルとして選出する。
[処理4]2次候補参照動きベクトルを用いて符号化対象ブロックの予測動きベクトルを算出し、符号化対象ブロックの動き探索で求めた動きベクトルと、予測動きベクトルとの残差を、動きベクトルの符号化情報として符号化する。2次候補参照動きベクトルを用いて符号化対象ブロックの予測動きベクトルを算出する処理としては、例えば、M個の2次候補参照動きベクトルの中央値を選ぶとか、M個の2次候補参照動きベクトルの中で最も予測残差が小さくなる2次候補参照動きベクトルを選択し、その動きベクトルの識別子を予測残差とともに符号化するなどの、従来方法を用いることができる。
以上のように、本発明では、符号化対象ブロックの近隣のブロックだけでなく、予め定められた範囲の多数の動きベクトルを1次候補参照動きベクトルとする。そして、各々の1次候補参照動きベクトルについて、符号化済みの情報または復号済みの情報を利用して信頼度の計算を行う。1次候補参照動きベクトルを信頼度に応じて絞り込み、絞り込んだ結果を2次候補参照動きベクトルとする。以降の処理は、2次候補参照動きベクトルを入力として、従来の動きベクトル予測符号化と同じ方法を用いて予測動きベクトルを求め、予測動きベクトルと動きベクトルとの予測残差を符号化する。
本発明による動きベクトル予測復号の場合にも、復号対象ブロックの近隣のブロックだけでなく、周辺の多数の動きベクトルを1次候補参照動きベクトルとする。次に、各々の1次候補参照動きベクトルについて、復号済みの情報を利用して信頼度の計算を行う。1次候補参照動きベクトルを信頼度に応じて絞り込み、絞り込んだ結果を2次候補参照動きベクトルとする。以降の処理は、2次候補参照動きベクトルを入力として、従来の動きベクトル予測復号と同じ方法を用いて予測動きベクトルを求め、復号した予測残差に予測動きベクトルを加算して動きベクトルを算出する。
本発明では、上記処理1〜3を行うことで、参照動きベクトルの絞り込みを行う。この絞り込みは、復号側でも符号化側からの付加情報なしで実現でき、なおかつ、2次候補参照動きベクトルには、予測に有効な動きベクトルが含まれる。このため、前述した従来技術a,bおよびcより予測効率が向上する。
また、一般的に、動きベクトルの予測効率が向上すると、動きベクトル予測残差のエントロピーが減少し、動きベクトルの符号量が小さくなる。動画像の符号化データは動きベクトルの符号量を含むため、従来技術a,bおよびcを利用した方式よりも動画像の符号化効率が向上する。
本発明の一実施形態による動画像符号化装置を示すブロック図である。 図1に示された動き補償部を示すブロック図である。 本発明の一実施形態による動画像復号装置を示すブロック図である。 図3に示された動き補償部を示すブロック図である。 本発明の一実施形態による動きベクトル予測処理を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態による1次候補参照動きベクトルの第1の設定例を示す図である。 本発明の一実施形態による1次候補参照動きベクトルの第2の設定例を示す図である。 本発明の一実施形態による信頼度算出処理の一例を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態によるテンプレートマッチングを用いた信頼度の求め方を示す図である。 本発明の一実施形態による参照動きベクトル決定処理の一例を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態による参照動きベクトル決定処理の他の例を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態による参照動きベクトル決定処理のさらに他の例を示すフローチャートである。 従来の動画像符号化装置における動き補償部を示すブロック図である。 従来の動画像復号装置における動き補償部を示すブロック図である。 従来の動きベクトルの予測符号化方式の例を示す図である。 従来のテンプレートマッチングによる動きベクトル予測を示す図である。 従来技術の問題を示す図である。
以下、図面を用いて、本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態による動画像符号化装置の構成例を示す図である。本実施形態の動画像符号化装置1は、特に動き補償部18が従来技術と異なり、他の部分は、H.264その他でエンコーダとして用いられている従来の一般的な動画像符号化装置と同様である。
動画像符号化装置1は、符号化対象の映像信号を入力し、入力映像信号のフレームをブロックに分割してブロックごとに符号化し、その符号化データをビットストリームとして出力する。
この符号化のため、予測残差信号算出部10は、入力映像信号と動き補償部18の出力である予測信号との差分を求め、それを予測残差信号として出力する。直交変換部11は、予測残差信号に対して離散コサイン変換(DCT)等の直交変換を行い、変換係数を出力する。量子化部12は、変換係数を量子化し、その量子化された変換係数を出力する。情報源符号化部13は、量子化された変換係数をエントロピー符号化し、ビットストリームとして出力する。
一方、量子化された変換係数は、逆量子化部14にも入力され、ここで逆量子化される。逆直交変換部15は、逆量子化部14の出力である変換係数を逆直交変換し、予測残差復号信号を出力する。復号信号算出部16では、この予測残差復号信号と動き補償部18の出力である予測信号とを加算し、符号化した符号化対象ブロックの復号信号を生成する。この復号信号は、動き補償部18における動き補償の参照画像として用いるために、フレームメモリ17に格納される。
動き補償部18は、符号化対象ブロックの映像信号について、フレームメモリ17に格納された参照画像を参照して動き探索を行い、符号化対象ブロックの予測信号を出力する。また、動き補償部18は、動き探索の結果の動きベクトルについても予測符号化するために、符号化済みの情報を用いて動きベクトルの予測を行い、動き探索の結果の動きベクトルと、予測動きベクトルとの差分を算出して、結果を動きベクトル予測残差として情報源符号化部13へ出力する。
ここで、動き補償部18は、動きベクトルの予測にあたって、単に符号化対象ブロックの近隣にある符号化済みブロックの動きベクトルだけを用いるのではない。すなわち、動き補償部18は、いくつかの1次候補参照動きベクトルを設定し、それらの1次候補参照動きベクトルの信頼度を符号化済みの情報から算出する。次に、動き補償部18は、信頼度に応じてそれらの1次候補参照動きベクトルを少数の2次候補参照動きベクトルに絞り込んでから、2次候補参照動きベクトルを用いて予測動きベクトルを算出する。2次候補参照動きベクトルを用いて予測動きベクトルを算出する処理は、従来技術と同様な動きベクトルの予測手法を用いて行うことができる。
図2は、図1に示す動き補償部18の詳細な構成例を示す図である。動き補償部18は、図2に示すように、動き探索部181、動きベクトルメモリ182、1次候補参照動きベクトル設定部183、信頼度計算部184、参照動きベクトル決定部185、動きベクトル予測部186、動きベクトル予測残差算出部187を備える。
符号化対象ブロックの符号化における動き補償において、まず、動き探索部181は、入力映像信号の符号化対象ブロックについて、既に符号化済みの参照画像の復号信号と照合する動き探索を行い、予測信号を生成して出力するとともに、マッチング位置を示す動きベクトルを出力する。この動きベクトルは動きベクトルメモリ182に格納され、また、動きベクトル予測残差算出部187に出力される。
1次候補参照動きベクトル設定部183は、過去に符号化されて動きベクトルメモリ182に格納されている動きベクトルまたは予め定められた値の動きベクトルからなるN個(Nは2以上の整数)の動きベクトルを、1次候補参照動きベクトルとして設定し、信頼度計算部184に通知する。
信頼度計算部184は、N個の1次候補参照動きベクトルのそれぞれについて、符号化済みの画像情報(復号信号)を用いて、符号化対象ブロックでの動きベクトル予測における有効性を定量的に表す信頼度を算出する。
参照動きベクトル決定部185は、信頼度計算部184が算出した信頼度と予め定められた閾値との大小を比較し、信頼度が閾値より大きい1次候補参照動きベクトルを、2次候補参照動きベクトルとして選出する。
動きベクトル予測部186は、参照動きベクトル決定部185が選出した2次候補参照動きベクトルを用いて、符号化対象ブロックの予測動きベクトルを算出する。この動きベクトル予測部186での予測動きベクトルの算出方法は従来技術と同様でよく、例えば2次候補参照動きベクトルの中の中央値(メディアン)を予測動きベクトルとする。また、2次候補参照動きベクトルの中で動き探索部181が求めた動きベクトルと最も近い値を持つものを予測動きベクトルとし、その動きベクトルを示す識別子を符号化対象に加えて、復号側へ通知するようなことも可能である。
動きベクトル予測残差算出部187は、動き探索部181が算出した動きベクトルと、動きベクトル予測部186が算出した予測動きベクトルとの残差を算出し、算出された残差を動きベクトル予測残差として出力する。
図3は、本発明の一実施形態による動画像復号装置の構成例を示す図である。本実施形態の動画像復号装置2は、特に動き補償部25が従来技術と異なり、他の部分は、H.264その他でデコーダとして用いられている従来の一般的な動画像復号装置と同様である。
動画像復号装置2は、図1に示す動画像符号化装置1により符号化されたビットストリームを入力して復号することにより復号画像の復号信号を出力する。
この復号のため、情報源復号部20は、入力されたビットストリームに基づいて、復号対象ブロックの量子化変換係数をエントロピー復号するとともに、動きベクトル予測残差を復号する。逆量子化部21は、量子化変換係数を入力し、それを逆量子化して復号変換係数を出力する。逆直交変換部22は、復号変換係数に逆直交変換を施し、復号予測残差信号を出力する。復号信号算出部23では、動き補償部25で生成された予測信号と復号予測残差信号とを加算することで、復号対象ブロックの復号信号を生成する。この復号信号は、表示装置等の外部の装置に出力されるとともに、動き補償部25における動き補償の参照画像として用いるために、フレームメモリ24に格納される。
動き補償部25は、フレームメモリ24に格納された復号済みの情報を用いて動きベクトルの予測を行い、その予測動きベクトルと情報源復号部20が復号した動きベクトル予測残差とを加算して動きベクトルを算出する。次に、動き補償部25は、その動きベクトルをもとにフレームメモリ24の参照画像を参照して、復号対象ブロックの予測信号を生成する。
ここで、動き補償部25は、動きベクトルの予測にあたって、単に復号対象ブロックの近隣にある復号済みブロックの動きベクトルだけを用いるのではない。すなわち、動き補償部25は、いくつかの1次候補参照動きベクトルを設定し、それらの1次候補参照動きベクトルの信頼度を復号済みの情報から算出する。次に、動き補償部25は、信頼度に応じて少数の2次候補参照動きベクトルに絞り込んでから、2次候補参照動きベクトルを用いて予測動きベクトルを算出する。2次候補参照動きベクトルを用いて予測動きベクトルを算出する処理は、従来技術と同様な動きベクトルの予測手法を用いて行うことができる。
図4は、図3に示す動き補償部25の詳細な構成例を示す図である。動き補償部25は、図4に示すように、動きベクトル算出部251、予測信号作成部252、動きベクトルメモリ253、1次候補参照動きベクトル設定部254、信頼度計算部255、参照動きベクトル決定部256、動きベクトル予測部257を備える。
復号対象ブロックの復号における動き補償において、まず、動きベクトル算出部251は、符号化ビットストリームを復号して得られた動きベクトル予測残差と、動きベクトル予測部257が復号済みの情報を用いて予測した予測動きベクトルとを加算し、復号に用いる動きベクトルを出力する。この動きベクトルは動きベクトルメモリ253に格納され、また、予測信号作成部252に出力される。予測信号作成部252は、入力した動きベクトルが示す参照画像位置の復号信号を読み出し、復号対象ブロックの予測信号として出力する。
1次候補参照動きベクトル設定部254は、過去に復号されて動きベクトルメモリ253に格納されている動きベクトルまたは予め定められた値の動きベクトルからなるN個(Nは2以上の整数)の動きベクトルを、1次候補参照動きベクトルとして設定し、信頼度計算部255に通知する。
信頼度計算部255は、N個の1次候補参照動きベクトルのそれぞれについて、復号済みの画像情報(復号信号)を用いて、復号対象ブロックでの動きベクトル予測における有効性を定量的に表す信頼度を算出する。
参照動きベクトル決定部256は、信頼度計算部255が算出した信頼度と予め定められた閾値との大小を比較し、信頼度が閾値より大きい1次候補参照動きベクトルを、2次候補参照動きベクトルとして選出する。
動きベクトル予測部257は、参照動きベクトル決定部256が選出した2次候補参照動きベクトルを用いて、復号対象ブロックの予測動きベクトルを算出する。この動きベクトル予測部257での予測動きベクトルの算出方法は従来技術と同様でよく、例えば2次候補参照動きベクトルの中の中央値(メディアン)を予測動きベクトルとする。または、符号化側で予測に用いる動きベクトルの識別子を指定している場合には、その識別子が示す動きベクトルを予測動きベクトルとする。
次に、動画像符号化装置1における動き補償部18および動画像復号装置2における動き補償部25が行う処理のうち、本発明に関連する動きベクトル予測の処理について、図5〜図9Bに従って説明する。以下では、主に符号化側の動きベクトル予測の処理を中心に説明するが、復号側における動きベクトル予測の処理もまったく同様である。
図5は、動きベクトル予測処理のフローチャートを示している。
[ステップS1の処理]
最初に、1次候補参照動きベクトル設定部183(または254)は、N個の1次候補参照動きベクトルを設定する。このN個の1次候補参照動きベクトルを設定する方法として、例えば次のような方法を用いることができる。
〔1次候補参照動きベクトル設定例1〕
図6Aに示すように、符号化対象ブロック31の位置を基準として、それから所定の範囲内の予め定められたN個の動きベクトルVi(i=1,2,…,N)を、1次候補参照動きベクトルとする。この動きベクトルViの値は、符号化側と復号側で同じ値となるように予め任意に決めることができる。これらの動きベクトルViの値を、予めテーブル化して保持しておくようにしてもよい。
また、動きベクトルViの値を符号化することなく、符号化側と復号側とで共通の値を用いることができるという条件が満たされるならば、その値を候補として用いることができる。したがって、例えば過去の符号化・復号済みの何枚かのフレームの動きベクトルの統計量を逐次算出しておき、その動きベクトルの統計量から出現確率の大きいN個の1次候補参照動きベクトルを選出することも可能である。
〔1次候補参照動きベクトル設定例2〕
図6Bに示すように、符号化対象ピクチャ3において、符号化対象ブロック31の近隣にある多数(この例では10個)の符号化済みブロックB1〜B10の符号化に用いた動きベクトルを、1次候補参照動きベクトルとして設定する。この場合にも、復号側では、符号化側で用いた1次候補参照動きベクトルと同じ動きベクトルを、復号済みの動きベクトルから設定することができる。
〔1次候補参照動きベクトル設定例3〕
前述した設定例1でN1個の1次候補参照動きベクトルを選び、設定例2でN2個の1次候補参照動きベクトルを選んで、合計N個(N=N1+N2)の1次候補参照動きベクトルを設定する。
〔1次候補参照動きベクトル設定例4〕
この設定例4では、符号化済みブロックの動きベクトルと、これらの動きベクトルについて所定範囲内の動きベクトルとを、1次候補参照動きベクトルとする。例えば、ある符号化済みベクトルの動きベクトル(10,20)について、所定範囲を、X,Y方向にそれぞれ±1の範囲とした場合、動きベクトル(10,20)に加え、動きベクトル(9,20)、(11,20)、(10,19)、(10,21)、(9,19)、(9,21)、(11,19)、および(11,21)も候補とする。すなわち、1つの符号化済みブロックの動きベクトルに対して合計9個の1次候補参照動きベクトルが候補となる。最初に候補に入れる符号化済みブロックの動きベクトルをK個として、K個すべての周辺も候補に入れると、9×K個の1次候補参照動きベクトルを利用することになる。ただし、復号側と共通であれば、すべての符号化済みブロックの動きベクトルの周辺を候補に入れるのではなく、一部分でもよい。
このような設定の効果としては、符号化済みブロックの動きベクトルの周辺も考慮に入れることにより、動きベクトルの予測効率が向上するということが挙げられる。
[ステップS2の処理]
信頼度計算部184(または255)は、1次候補参照動きベクトル設定部183が設定したN個の1次候補参照動きベクトルの各々について、符号化済みの情報を用いて信頼度を算出する。ここで、信頼度は、符号化(復号)対象ブロックでの動きベクトル予測における1次候補参照動きベクトルの有効性を定量的に表現したものである。この信頼度は、N個の1次候補参照動きベクトルについて、復号側で符号化対象ブロックを復号開始する時点ですでに復号済みの情報のみを利用して計算する。
図7は、信頼度算出処理の一例を示すフローチャート、図8は、テンプレートマッチングを用いた信頼度の求め方を説明する図である。
信頼度の求め方の一例として、テンプレートマッチングを応用する方法について説明する。図8の符号化対象ピクチャ3において、符号化対象ブロック31の予測動きベクトルを求めるものとする。テンプレート32は、符号化対象ブロック31に隣接する、符号化済み画素の集合(この例では符号化対象ブロック31の左と上の画素群で構成される逆L字型の領域)である。なお、逆L字型の領域の幅(厚さ)は、例えば2画素程度であるが1画素でも3画素以上でもよい。参照画像4は、符号化済みまたは復号済みのピクチャである。参照画像4における対応位置ブロック41は、符号化対象ピクチャ3内の符号化対象ブロック31の位置と同じ位置にあるブロックである。
図7の信頼度算出処理において、ステップS21では、参照画像4上で、テンプレート32と空間的に同じ領域(対応位置ブロック41に隣接する逆L字型の領域)を、信頼度を計算しようとしている1次候補参照動きベクトルVi分だけずらした領域を求め、これをマッチング対象領域42として取得する。
次に、ステップS22では、符号化対象ブロック31のテンプレート32と、参照画像4におけるマッチング対象領域42との類似度を算出し、これを1次候補参照動きベクトルViの信頼度として設定する。
類似度指標の一例としては、SAD(Sum of Absolute Differences)がある。SADが小さいほど、当該1次候補参照動きベクトルViは、符号化対象ブロック31の動きに近い可能性が高いため、信頼度が高い参照動きベクトルと捉える。信頼度計算部184で利用する信頼度の指標としては、テンプレート32とマッチング対象領域42の類似度を示すものであれば、他のものでもよい。前述のSADの他にはSSD(Sum of Squared Differences)、SATD(Sum of Absolute Transformed Differences)などを用いることができる。これらは、いずれも値が小さいほど信頼度が高いことを示す尺度となる。
テンプレート32は、符号化対象ブロック31の画像信号と相関が高いため、これによる類似度を用いると、動きベクトル予測に有効な2次候補参照ブロックを特定することができる。
[ステップS3の処理]
次に、参照動きベクトル決定部185(または256)において、各1次候補参照動きベクトルの信頼度情報に基づき、N個の1次候補参照動きベクトルを少数の2次候補参照動きベクトルに絞り込む。
図9Aは、参照動きベクトル決定処理のフローチャートである。ステップS311では、参照動きベクトル決定部185は、信頼度計算部184で計算した各1次候補参照動きベクトルの信頼度について、所定の閾値との大小比較を行い、1次候補参照動きベクトルの信頼度が所定の閾値を超えていれば、ステップS312に進む。ステップS312では、信頼度が所定の閾値より大きい1次候補参照動きベクトルを2次候補参照動きベクトルとして設定する。信頼度が所定の閾値より大きくない場合、その1次候補参照動きベクトルは候補から外す。
こうすることにより、2次候補参照動きベクトルに予測に適さないものが含まれることを抑制できる。したがって、従来技術に比べて動きベクトルの予測効率を向上させることができ、符号化効率の向上を実現することができる。
図9Bは、他の参照動きベクトル決定処理のフローチャートであり、1次候補参照動きベクトルの数を所定の個数Mに限定する場合の参照動きベクトル決定処理の例を示している。
まず、ステップS321では、処理対象の1次候補参照動きベクトルの信頼度が、所定の閾値より超えているかどうかを判定する。1次候補参照動きベクトルの信頼度が所定の閾値を超えていれば、処理はステップS322へ進み、そうでなければ、ステップS323へ進む。ステップS322では、信頼度が所定の閾値より大きい1次候補参照動きベクトルを高信頼参照動きベクトルとして設定する。ステップS323では、すべての1次候補参照動きベクトルについて処理を完了したかどうかを判定する。ステップS323において、未処理の1次候補参照動きベクトルがあれば、処理はステップS321へ戻って、同様に高信頼参照動きベクトルの選択処理を続ける。
すべての1次候補参照動きベクトルについて処理が完了した場合、処理がステップS324へ進む。ステップS324では、高信頼参照動きベクトルのうち、信頼度について上位M個(Mは所定の整数)の高信頼参照動きベクトルを、2次候補参照動きベクトルとして設定する。
2次候補参照動きベクトルの個数を所定のM個に限定することにより、従来技術bによって動きベクトルを符号化した場合に比べて、動きベクトル符号量を削減することができ、符号化効率の向上を実現することができる。
図10は、さらに他の参照動きベクトル決定処理のフローチャートである。この図は、信頼度について所定の閾値を超える1次候補参照動きベクトルが、所定の数Mより小さいM′個しかなかった場合の参照動きベクトル決定処理の例を示している。
まず、ステップS331では、処理対象の1次候補参照動きベクトルの信頼度が、所定の閾値より超えているかどうかを判定する。1次候補参照動きベクトルの信頼度が所定の閾値を超えていれば、処理がステップS332へ進み、そうでなければ、ステップS333へ進む。ステップS332では、信頼度が所定の閾値より大きい1次候補参照動きベクトルを高信頼参照動きベクトルとして設定する。ステップS333では、すべての1次候補参照動きベクトルについて処理を完了したかどうかを判定する。ステップS333において、未処理の1次候補参照動きベクトルがあれば、処理はステップS331へ戻って、同様に高信頼参照動きベクトルの選択処理を続ける。
すべての1次候補参照動きベクトルについて処理が完了した場合、処理はステップS334へ進み、ステップS334では、高信頼参照ベクトルの数M′が、所定の数Mより大きいかどうかを判定する。M′が所定の数Mより大きい場合、ステップS335へ進み、ステップS335では、高信頼参照動きベクトルのうち、信頼度について上位M個の高信頼参照動きベクトルを、2次候補参照動きベクトルとして設定する。
一方、M′が所定の数Mより小さい場合、処理はステップS336へ進む。ステップS336では、M′個の高信頼参照動きベクトルのすべてを、2次候補参照動きベクトルとして設定する。
これより、2次候補参照動きベクトルの個数を符号化対象ブロックの状況に応じて変更できるので、さらなる動きベクトル予測効率の向上、符号化効率の向上を実現することができる。
[ステップS4の処理]
動きベクトル予測部186(または257)は、参照動きベクトル決定部185が選出した2次候補参照動きベクトルを利用して、符号化対象ブロックの予測動きベクトルを作成する。本実施形態において重要なポイントは、多数の1次候補参照動きベクトルを信頼度によって絞り込むことにより、信頼度の高い2次候補参照動きベクトルを用いて、動きベクトル予測残差を算出するための予測動きベクトルを求める点にある。したがって、2次候補参照動きベクトルから予測動きベクトルを求める処理は、図11や図12で説明した従来技術の動きベクトル予測部103(または204)の処理と同様でよい。しかし、必ずしも従来技術と同じ処理でなければならないわけではなく、異なる処理によって予測動きベクトルを求めて、本実施形態を実施することもできる。
以上説明した動きベクトル予測符号化および動きベクトル予測復号の処理は、コンピュータとソフトウェアプログラムとによっても実現することができる。また、そのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録することも、ネットワークを通して提供することも可能である。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して説明したが、具体的な構成はこれらの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等(構成の付加、)省略、置換、およびその他の変更)も含まれる。本発明は前述した説明によって限定されず、添付された請求の範囲によってのみ限定される。
本発明は、動きベクトルを予測符号化する動画像符号化および動画像復号技術に用いることができる。本発明によれば、動きベクトルの予測効率を向上させ、動画像の符号化効率を向上させることができる。
1 動画像符号化装置
2 動画像復号装置
10 予測残差信号算出部
11 直交変換部
12 量子化部
13 情報源符号化部
14,21 逆量子化部
15,22 逆直交変換部
16 復号信号算出部
17,24 フレームメモリ
18,25 動き補償部
181 動き探索部
182,253 動きベクトルメモリ
183,254 1次候補参照動きベクトル設定部
184,255 信頼度計算部
185,256 参照動きベクトル決定部
186,257 動きベクトル予測部
187 動きベクトル予測残差算出部
20 情報源復号部
23 復号信号算出部
251 動きベクトル算出部
252 予測信号作成部

Claims (14)

  1. 符号化対象画像を複数のブロックに分割し、前記ブロックごとに動き補償を用いて符号化する動画像符号化方式における動きベクトル予測符号化方法において、
    符号化済みの参照画像を用いて、前記符号化対象画像における符号化対象ブロックの動き探索を行うことによって動きベクトルを算出するステップと、
    符号化済みブロックの符号化に用いた動きベクトルまたは所定値の動きベクトルからなるN個(Nは2以上の整数)の動きベクトルを1次候補参照動きベクトルとして抽出するステップと、
    前記符号化対象ブロックでの動きベクトル予測における有効性を定量的に表す前記1次候補参照動きベクトルの信頼度を、前記N個の1次候補参照動きベクトルのそれぞれについて符号化済みの画像情報を用いて算出するステップと、
    前記N個の1次候補参照動きベクトルのうち前記信頼度が所定の閾値より大きい1次候補参照動きベクトルを2次候補参照動きベクトルとして選出するステップと、
    前記2次候補参照動きベクトルを用いて前記符号化対象ブロックの予測動きベクトルを算出し、前記動き探索によって算出された動きベクトルと、前記予測動きベクトルとの残差を、動きベクトルの符号化情報として符号化するステップと、
    を有する動きベクトル予測符号化方法。
  2. 請求項1記載の動きベクトル予測符号化方法において、
    前記1次候補参照動きベクトルを2次候補参照動きベクトルとして選出するステップでは、前記1次候補参照動きベクトルの信頼度が所定の閾値より大きい1次候補参照動きベクトルを高信頼参照動きベクトルとして設定し、前記高信頼参照動きベクトルのうち、信頼度が大きい上位M個(Mは1以上かつN未満の所定の整数)の高信頼参照動きベクトルを、前記2次候補参照動きベクトルとして選出する
    動きベクトル予測符号化方法。
  3. 請求項2記載の動きベクトル予測符号化方法において、
    前記高信頼参照動きベクトルの個数が前記M個より小さいM′個の場合、M′個の高信頼参照動きベクトルを、前記2次候補参照動きベクトルとして選出する
    動きベクトル予測符号化方法。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の動きベクトル予測符号化方法において、
    前記1次候補参照動きベクトルの信頼度を算出するステップでは、前記符号化対象ブロックに隣接する符号化済み画素の集合をテンプレートとして用い、前記参照画像上で前記1次候補参照動きベクトル分だけ前記テンプレートの領域をずらした領域をマッチング対象領域として設定し、前記テンプレートの前記符号化済み画素の集合と前記マッチング対象領域における画素の集合との類似度を前記信頼度として算出する
    動きベクトル予測符号化方法。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の動きベクトル予測符号化方法において、
    前記1次候補参照動きベクトルを抽出するステップでは、前記符号化済みブロックの符号化に用いた動きベクトルに加え、当該動きベクトルの各々を基準とした所定の範囲内の動きベクトルを設定する
    動きベクトル予測符号化方法。
  6. 複数のブロックに分割されて符号化された動画像の復号対象画像を、前記ブロックごとに動き補償を用いて復号する動画像復号方式における動きベクトル予測復号方法において、
    復号対象ブロックの動きベクトル予測残差を復号するステップと、
    復号済みブロックの復号に用いた動きベクトルまたは所定値の動きベクトルからなるN個(Nは2以上の整数)の動きベクトルを1次候補参照動きベクトルとして抽出するステップと、
    前記復号対象ブロックでの動きベクトル予測における有効性を定量的に表す前記1次候補参照動きベクトルの信頼度を、前記N個の1次候補参照動きベクトルのそれぞれについて復号済みの画像情報を用いて算出するステップと、
    前記N個の1次候補参照動きベクトルのうち前記信頼度が所定の閾値より大きい1次候補参照動きベクトルを2次候補参照動きベクトルとして選出するステップと、
    前記2次候補参照動きベクトルを用いて前記復号対象ブロックの予測動きベクトルを算出し、前記復号された動きベクトル予測残差と前記予測動きベクトルとを加算して前記復号対象ブロックの動きベクトルを算出するステップと、
    を有する動きベクトル予測復号方法。
  7. 請求項6記載の動きベクトル予測復号方法において、
    前記1次候補参照動きベクトルを2次候補参照動きベクトルとして選出するステップでは、前記1次候補参照動きベクトルの信頼度が所定の閾値より大きい1次候補参照動きベクトルを高信頼参照動きベクトルとして設定し、前記高信頼参照動きベクトルのうち、信頼度が大きい上位M個(Mは1以上かつN未満の所定の整数)の高信頼参照動きベクトルを、前記2次候補参照動きベクトルとして選出する
    動きベクトル予測復号方法。
  8. 請求項7記載の動きベクトル予測復号方法において、
    前記高信頼参照動きベクトルの個数が前記M個より小さいM′個の場合、M′個の高信頼参照動きベクトルを、前記2次候補参照動きベクトルとして選出する
    動きベクトル予測復号方法。
  9. 請求項6から8のいずれか1項に記載の動きベクトル予測復号方法において、
    前記1次候補参照動きベクトルの信頼度を算出するステップでは、前記復号対象ブロックに隣接する復号済み画素の集合をテンプレートとして用い、復号済みの参照画像上で前記1次候補参照動きベクトル分だけ前記テンプレートの領域をずらした領域をマッチング対象領域として設定し、前記テンプレートの前記復号済み画素の集合と前記マッチング対象領域における画素の集合との類似度を信頼度として算出する
    動きベクトル予測復号方法。
  10. 請求項6から9のいずれか1項に記載の動きベクトル予測復号方法において、
    前記1次候補参照動きベクトルを抽出するステップでは、前記復号済みブロックの復号に用いた動きベクトルに加え、当該動きベクトルの各々を基準とした所定の範囲内の動きベクトルを設定する
    動きベクトル予測復号方法。
  11. 符号化対象画像を複数のブロックに分割し、前記ブロックごとに動き補償を用いて動画像を符号化する動画像符号化装置において、
    符号化済みの参照画像を用いて、符号化対象画像における符号化対象ブロックの動き探索を行うことによって動きベクトルを算出する動き探索部と、
    符号化済みブロックの符号化に用いた動きベクトルまたは所定値の動きベクトルからなるN個(Nは2以上の整数)の動きベクトルを1次候補参照動きベクトルとして抽出する1次候補参照動きベクトル設定部と、
    前記符号化対象ブロックでの動きベクトル予測における有効性を定量的に表す前記1次候補参照動きベクトルの信頼度を、前記N個の1次候補参照動きベクトルのそれぞれについて符号化済みの画像情報を用いて算出する信頼度計算部と、
    前記N個の1次候補参照動きベクトルのうち前記信頼度が所定の閾値より大きい1次候補参照動きベクトルを、2次候補参照動きベクトルとして選出する参照動きベクトル決定部と、
    前記2次候補参照動きベクトルを用いて前記符号化対象ブロックの予測動きベクトルを算出し、前記動き探索によって算出された動きベクトルと前記予測動きベクトルとの残差を、動きベクトルの符号化情報として符号化する動きベクトル予測部と、
    を備える動画像符号化装置。
  12. 複数のブロックに分割されて符号化された動画像の復号対象画像を、前記ブロックごとに動き補償を用いて復号する動画像復号装置において、
    復号対象ブロックの動きベクトル予測残差を復号する情報源復号部と、
    復号済みブロックの復号に用いた動きベクトルまたは所定値の動きベクトルからなるN個(Nは2以上の整数)の動きベクトルを1次候補参照動きベクトルとして抽出する1次候補参照動きベクトル設定部と、
    前記復号対象ブロックでの動きベクトル予測における有効性を定量的に表す前記1次候補参照動きベクトルの信頼度を、前記N個の1次候補参照動きベクトルのそれぞれについて復号済みの画像情報を用いて算出する信頼度計算部と、
    前記N個の1次候補参照動きベクトルのうち前記信頼度が所定の閾値より大きい1次候補参照動きベクトルを2次候補参照動きベクトルとして選出する参照動きベクトル決定部と、
    前記2次候補参照動きベクトルを用いて前記復号対象ブロックの予測動きベクトルを算出し、前記復号され動きベクトル予測残差と前記予測動きベクトルとを加算して前記復号対象ブロックの動きベクトルを算出する動きベクトル予測部と、
    を備える動画像復号装置。
  13. 請求項1から5のいずれか1項に記載の動きベクトル予測符号化方法をコンピュータに実行させるための動きベクトル予測符号化プログラム。
  14. 請求項6から10のいずれか1項に記載の動きベクトル予測復号方法をコンピュータに実行させるための動きベクトル予測復号プログラム。
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