JP5304916B1 - 電気分解装置及び温度調節水供給機 - Google Patents
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Abstract
【課題】電極材料に起因するコストアップを抑制しつつ、スケール成分の除去効率を高めることができる電気分解装置及びこれを備えた温度調節水供給機を提供する。
【解決手段】電気分解装置41では、第1電極板51、第2電極板52及び第3電極板53は、この順に電極板の厚さ方向に互いに隙間をあけて配列されている。容器47内には、第1電極板51と第2電極板52との間の隙間であって水が第1方向D1に流れる第1流路F1と、第2電極板52と第3電極板53との間の隙間であって水が第1方向D1とは反対の第2方向D2に流れる第2流路F2と、第1流路F1の下流側端部と第2流路F2の上流側端部とを接続する折り返し部Tと、が形成されている。第2電極板52は、第1流路F1を流れる水の一部を第1流路F1の下流側端部よりも上流側において第2流路F2に流入させるための少なくとも1つの連通部Cを有する。
【選択図】図6
【解決手段】電気分解装置41では、第1電極板51、第2電極板52及び第3電極板53は、この順に電極板の厚さ方向に互いに隙間をあけて配列されている。容器47内には、第1電極板51と第2電極板52との間の隙間であって水が第1方向D1に流れる第1流路F1と、第2電極板52と第3電極板53との間の隙間であって水が第1方向D1とは反対の第2方向D2に流れる第2流路F2と、第1流路F1の下流側端部と第2流路F2の上流側端部とを接続する折り返し部Tと、が形成されている。第2電極板52は、第1流路F1を流れる水の一部を第1流路F1の下流側端部よりも上流側において第2流路F2に流入させるための少なくとも1つの連通部Cを有する。
【選択図】図6
Description
本発明は、電気分解装置及びこれを備えたヒートポンプ給湯機、燃焼式給湯機、電気温水機、冷却塔などの温度調節水供給機に関するものである。
一般に、ヒートポンプ給湯機は、冷媒との熱交換により水を加熱する水熱交換器を有する冷媒回路と、タンクに貯留された水を水熱交換器に送り、水熱交換器において加熱された水をタンクに戻す貯湯回路とを備えている。このヒートポンプ給湯機では、タンクに貯留される水は、通常、水道水や井戸水などを給水源としている。
水道水や井戸水には、スケールの発生原因となるカルシウムイオン、マグネシウムイオンなどの成分(以下、スケール成分という。)が含まれている。したがって、ヒートポンプ給湯機においては、カルシウム塩、マグネシウム塩などのスケールが析出する。特に、井戸水などの地下水は、水道水と比べて前記スケール成分の濃度が高く、スケールが生じやすい水質を有している場合がある。また、水熱交換器では、水が加熱されて水の温度が高くなるので、特にスケールが析出しやすい。スケールが水熱交換器における管の内面に析出して堆積すると、水熱交換器の伝熱性能が低下する、管の流路が狭くなるなどの問題が生じることがある。
特許文献1には、スケールの生成を防止するための手段を備えた燃焼式の給湯機が開示されている。この給湯機は、複数の電極と、電極間に電流を印加する手段(電源)とを備える。そして、特許文献1には、電極材料として「Pt、C、Al、Ir、Tiなど」の材料が利用可能である、と記載されている(特許文献1の段落0009、0011参照)。
ところで、電気分解装置においてスケール成分の除去効率を高めるための手段としては、電極の枚数を増やして水と接触する電極面積を大きくすることが挙げられる。しかし、不溶性電極に使用される金属、たとえば白金は、高価であるため、スケール成分の除去効率を高めるために電極の枚数を多くすると、コストアップにつながる。
そこで、本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、電極材料に起因するコストアップを抑制しつつ、スケール成分の除去効率を高めることができる電気分解装置及びこれを備えた温度調節水供給機を提供することにある。
(1)本発明の電気分解装置は、水に含まれるスケール成分を除去するための装置である。前記電気分解装置は、水入口(43)及び水出口(45)を有する容器(47)と、前記容器(47)内に収容された第1電極板(51)、第2電極板(52)及び第3電極板(53)と、を備える。前記第1電極板(51)、前記第2電極板(52)及び前記第3電極板(53)は、この順に電極板の厚さ方向に互いに隙間をあけて配列されている。前記容器(47)内には、前記第1電極板(51)と前記第2電極板(52)との間の隙間であって水が第1方向(D1)に流れる第1流路(F1)と、前記第2電極板(52)と前記第3電極板(53)との間の隙間であって水が前記第1方向(D1)とは反対の第2方向(D2)に流れる第2流路(F2)と、前記第1流路(F1)の下流側端部と前記第2流路(F2)の上流側端部とを接続する折り返し部(T)と、が形成されている。前記第2電極板(52)は、前記第1流路(F1)を流れる水の一部を前記第1流路(F1)の前記下流側端部よりも上流側において前記第2流路(F2)に流入させるための少なくとも1つの連通部(C)を有する。
この構成では、第1流路(F1)を流れる水の一部が第1流路(F1)の下流側端部よりも上流側において連通部(C)を通じて第2流路(F2)に流入するので、流入した水と第2流路(F2)を流れる水とが混合される。このように水が混合されることにより、第2流路(F2)を流れる水の流れが乱される。よって、第2流路(F2)を形成する第2電極板(52)及び第3電極板(53)のうち陽極として機能する一方の電極板の近傍にスケール成分濃度の低い水が偏流するのを抑制できるので、第2電極板(52)と第3電極板(53)との間においてスケール成分の析出反応が促進される。
また、上記のように第1流路(F1)を流れる水の一部が連通部(C)を通じて第1流路(F1)から流出する際には、第1流路(F1)においても連通部(C)の近傍を流れる水の流れが乱される。これにより、第1流路(F1)を形成する第1電極板(51)及び第2電極板(52)のうち陽極として機能する一方の電極板の近傍にスケール成分濃度の低い水が偏流するのを抑制できるので、第1電極板(51)と第2電極板(52)との間においてスケール成分の析出反応が促進される。
以上のことから、この構成では、電極板の枚数を増やして電極板の面積を大きくしなくても水中のスケール成分の除去効率を高めることができるので、電極材料に起因するコストアップを抑制しつつ、スケール成分の除去効率を高めることができる。
なお、この構成では、上述したように、水入口(43)から容器(47)内に流入した水は、第1流路(F1)を折り返し部(T)に向かって第1方向(D1)に流れ、折り返し部(T)において流れ方向を反転した後、第2流路(F2)を第2方向(D2)に流れる。このように水が第1流路(F1)、折り返し部(T)及び第2流路(F2)の順に流れるときには圧力損失が生じるため、第2流路(F2)における圧力は第1流路(F1)における圧力よりも小さくなる。これにより、連通部(C)を通じて第1流路(F1)から第2流路(F2)に水が流入する。
(2)前記電気分解装置において、前記第1電極板(51)は、前記第1流路(F1)よりも上流側の流路を流れる水の一部を前記第1流路(F1)に流入させるための少なくとも1つの連通部(C)を有し、前記第3電極板(51)は、前記第2流路(F2)を流れる水の一部を前記第2流路(F2)よりも下流側の流路に流入させるための少なくとも1つの連通部(C)を有するのが好ましい。
この構成では、第2電極板(52)だけでなく、第1電極板(51)にも連通部(C)が設けられており、第3電極板(53)にも連通部(C)が設けられているので、第1流路(F1)及び第2(F2)における水の混合(水の流れの乱れ)がより促進される。これにより、第1電極板(51)と第2電極板(52)との間においてスケール成分の析出反応がさらに促進され、第2電極板(52)と第3電極板(53)との間においてスケール成分の析出反応がさらに促進される。
(3)前記電気分解装置において、前記連通部(C)は、前記折り返し部(T)に隣接する前記第2電極板(52)の縁部(E1)に設けられているのが好ましい。
この構成では、第2電極板(52)の縁部(E1)に設けられた連通部(C)を通じて第1流路(F1)から第2流路(F2)に水が流入する。この水の流入により、第2電極板(52)の縁部(E1)に隣接する折り返し部(T)における水の流れ、及び折り返し部(T)から第2流路(F2)に流入する水の流れが乱される。したがって、折り返し部(T)から第2流路(F2)に流入する水は、第2電極板52側の領域におけるスケール成分の濃度と第3電極板53側の領域におけるスケール成分の濃度との差が小さくなる。これにより、第2流路(F2)において第2電極板(52)側及び第3電極板(53)側にスケール成分濃度の低い水が偏流するのをさらに抑制できる。
(4)前記電気分解装置において、前記第1電極板(51)、前記第2電極板(52)及び前記第3電極板(53)のうちの少なくとも1つの電極板は、隣り合う電極板側に突出する複数の凸部(62)及び隣り合う電極板とは反対側に凹む複数の凹部(61)の少なくとも一方を有するのが好ましい。
この構成では、複数の凸部(62)及び複数の凹部(61)の少なくとも一方により、隣り合う電極板間の流路における水の流れが乱される。これにより、隣り合う電極板のうち陽極として機能する一方の電極の近傍にスケール成分濃度の低い水が偏流するのをさらに抑制できるので、電極板間においてスケール成分の析出反応がさらに促進される。
(5)前記電気分解装置において、前記第1電極板(51)は、第2電極板(52)側に突出する前記複数の凸部(62)を有し、これらの凸部(62)の少なくとも一部は、第2流路(F2)への連通部(C)を通じた水の流入を促進させる位置に設けられているのが好ましい。
この構成では、凸部(62)によって第2流路(F2)への連通部(C)を通じた水の流入が促進されるので、第2流路(F2)における水の流れを乱す効果がさらに高められる。これにより、第2流路(F2)において第2電極板(52)側及び第3電極板(53)側にスケール成分濃度の低い水が偏流するのをさらに抑制できる。
なお、第2流路(F2)への連通部(C)を通じた水の流入を促進させる位置としては、例えば、第1流路(F1)を流れる水が凸部(62)に沿って流れることにより、第2電極板(52)に設けられた連通部(C)に案内されるような凸部(62)の位置が挙げられる。
(6)本発明の温度調節水供給機は、水を加熱するための水熱交換器(21)と、前記水熱交換器(21)に送る水に含まれるスケール成分を除去するための前記電気分解装置(41)と、を備える。
この構成では、上記のような電気分解装置(41)を備える。したがって、電気分解装置(41)において、電極材料に起因するコストアップを抑制しつつ、スケール成分の除去効率を高めることができる。これにより、水熱交換器(21)においてスケールが析出するのを抑制することができる。
以上説明したように、本発明によれば、電極材料に起因するコストアップを抑制しつつ、電気分解処理の効率を高めることができる電気分解装置を備えた温度調節水供給機を提供することができる。
<ヒートポンプ給湯機>
以下、本発明の一実施形態に係るヒートポンプ給湯機11について図面を参照しながら説明する。図1に示すように、本実施形態に係るヒートポンプ給湯機11は、ヒートポンプユニット13と、貯湯ユニット17と、電気分解装置41と、これらを制御するコントローラ32とを備えている。
以下、本発明の一実施形態に係るヒートポンプ給湯機11について図面を参照しながら説明する。図1に示すように、本実施形態に係るヒートポンプ給湯機11は、ヒートポンプユニット13と、貯湯ユニット17と、電気分解装置41と、これらを制御するコントローラ32とを備えている。
貯湯ユニット17は、水を貯留するタンク15と、ポンプ31と、導水路27,29とを有する。タンク15と水熱交換器21とは、導水路27,29により接続されている。導水路27,29は、タンク15の水を水熱交換器21に送る送り側流路を有する入水配管27と、水熱交換器21と熱交換して加熱された水をタンク15に戻す戻し側流路を有する出湯配管29とを含む。入水配管27には、水を送液するためのポンプ31が設けられている。ポンプ31は、タンク15内の水を、タンク15の下部から入水配管27に流出させ、入水配管27、水熱交換器21および出湯配管29の順に送水し、タンク15の上部に戻す。
また、ヒートポンプ給湯機11は、冷媒回路10aと、貯湯回路10bとを備えている。冷媒回路10aは、圧縮機19、水熱交換器21、膨張機構としての電動膨張弁23、空気熱交換器25、及びこれらを接続する冷媒配管を含む。貯湯回路10bは、タンク15、ポンプ31、水熱交換器21、電気分解装置41、及びこれらを接続する導水路27,29を含む。
本実施形態では、冷媒回路10aを循環する冷媒として二酸化炭素を用いているが、これに限定されない。冷媒回路10aを循環する冷媒は、水熱交換器21において貯湯回路10bを循環する水と熱交換してこの水を加熱し、空気熱交換器25において外気と熱交換して外気から熱を吸収する。
タンク15には給水配管37と給湯配管35とが接続されている。給湯配管35は、タンク15の上部に接続されている。この給湯配管35は、タンク15内に貯留された高温の水を取り出して浴槽などへ給湯するためのものである。給水配管37は、タンク15の底部に接続されている。この給水配管37は、給水源からタンク15内に低温の水を給水するためのものである。タンク15へ水を給水する給水源としては、例えば水道水や、井戸水などの地下水を利用することができる。本実施形態の給湯機11は、給湯配管35から給湯された水をタンク15に戻さない一過式の給湯機である。
電気分解装置41は、入水配管27における水熱交換器21よりも上流側の位置でポンプ31の下流側の位置に設けられている。電気分解装置41の詳細については後述する。
コントローラ32は、制御部33と、メモリ(記憶部)34とを有している。制御部33は、メモリ34に記憶された沸上げ運転のスケジュールに基づいてタンク15内の水を沸き上げる沸上げ運転を制御する。また、制御部33は、後述する電気分解装置41の電気回路に通電する電源53などを制御する。電源53としては、例えば直流電源が用いられる。
次に、ヒートポンプ給湯機11の動作について説明する。タンク15内の水を沸上げる沸上げ運転では、制御部33は、ヒートポンプユニット13の圧縮機19を駆動させ、電動膨張弁23の開度を調節するとともに、貯湯ユニット17のポンプ31を駆動させる。これにより、図1に示すように、タンク15の底部に設けられた出水口からタンク15内の低温の水が入水配管27を通じて水熱交換器21に送られ、水熱交換器21において加熱される。加熱された高温の水は出湯配管29を通じてタンク15の上部に設けられた入水口からタンク15内に戻される。これにより、タンク15内には、その上部から順に高温の水が貯湯されていく。この沸上げ運転では、電気分解装置41によって水に含まれるスケール成分が除去される。
本実施形態のヒートポンプ給湯機11は、一過式の給湯機である。この一過式の給湯機11では、給湯配管35から給湯された水(湯)は、ユーザーによって使用され、タンク15には戻らない。したがって、タンク15から給湯配管35を通じて給湯された水量とほぼ同じ量の水が給水源から給水配管37を通じてタンク15に給水される。すなわち、タンク15には、水道水や井戸水などの給水源からスケール成分を含む水がタンク15に補充される頻度が高く、補充される量も多い。したがって、一過式のヒートポンプ給湯機の場合には、循環式の冷却水循環装置や循環式の給湯機に比べて、効率よくスケール成分を除去する必要がある。
<電気分解装置>
図2は、電気分解装置41を示す斜視図である。図3(A)は、電気分解装置41を鉛直方向に平行な平面で切断した断面図であり、図3(B)は、電気分解装置41を水平方向に平行な平面で切断した断面図である。本実施形態に係る電気分解装置41は、水熱交換器21に送る水に含まれるスケール成分を除去するためのものである。電気分解装置41は、水入口43及び水出口45を有する容器47と、容器47内に収容された複数の電極板51〜5nとを備える。各電極板は、耐食性に優れた材料により形成されている。各電極板を構成する材料としては、白金、チタンなどが例示できる。具体的には次の通りである。
図2は、電気分解装置41を示す斜視図である。図3(A)は、電気分解装置41を鉛直方向に平行な平面で切断した断面図であり、図3(B)は、電気分解装置41を水平方向に平行な平面で切断した断面図である。本実施形態に係る電気分解装置41は、水熱交換器21に送る水に含まれるスケール成分を除去するためのものである。電気分解装置41は、水入口43及び水出口45を有する容器47と、容器47内に収容された複数の電極板51〜5nとを備える。各電極板は、耐食性に優れた材料により形成されている。各電極板を構成する材料としては、白金、チタンなどが例示できる。具体的には次の通りである。
例えば、各電極板は、少なくとも表面が白金を主成分とする材料により形成されている。具体的に、各電極板の全体が白金を主成分とする材料(白金、白金合金などの材料)により形成されている形態が例示できる。また、各電極板が、白金よりもイオン化傾向の大きい材料(すなわち、水中において白金よりも酸化されやすい材料)により形成された電極板本体と、この電極板本体の表面に白金を主成分とする材料(白金、白金合金などの材料)により形成されたコーティング層とを有する形態が例示できる。電極板本体の材料としては、例えばチタンを主成分とする材料(チタン、チタン合金などの材料)などが例示できる。
また、各電極板は、水中において白金よりも酸化されやすいものの比較的耐食性に優れた材料として例えばチタンを主成分とする材料(チタン、チタン合金などの材料)などにより形成されている形態が例示できる。
複数の電極板51〜5nは、第1電極板51、第2電極板52、第3電極板53、・・・、第n電極板5nを含むn枚の電極板により構成されている。複数の電極板51〜5nは、一方向(電極板の厚さ方向)に配列されている。複数の電極板51〜5nは、隣り合う電極板の一方が陽極として機能し、隣り合う電極板の他方が陰極として機能するように電源53に接続されている(図3(B)参照)。隣り合う電極板は、電極対49を構成している。本実施形態では、複数の電極板51〜5nは、電源53に対して並列に接続されているが、これに限定されない。電源53としては、例えば直流電源が用いられる。
各電極板の形状としては、例えば平板形状、波板形状などの種々の板形状を採用することができる。これにより、各電極の表面積を大きくすることができる。本実施形態では平板形状を採用している。また、本実施形態では、複数の電極板51〜5nは、互いに平行な姿勢で配置されている。
容器47内には、第1電極板51と第2電極板52との間の隙間であって水が第1方向D1に流れる第1流路F1と、第2電極板52と第3電極板53との間の隙間であって水が第1方向D1とは反対の第2方向D2に流れる第2流路F2と、第1流路F1の下流側端部と第2流路F2の上流側端部とを接続する折り返し部Tと、が形成されている。
以下同様に、第k電極板5kと第(k+1)電極板5(k+1)との間の隙間であって水が第2方向D2に流れる第k流路Fkと、第(k+1)電極板5(k+1)と第(k+2)電極板5(k+2)との隙間であって水が第1方向D1に流れる第(k+1)流路F(k+1)と、第k流路Fkの下流側端部と第(k+1)流路F(k+1)の上流側端部とを接続する折り返し部Tと、が形成されている。
なお、本実施形態では、折り返し部Tと流路Fkの下流側端部との境界、及び折り返し部Tと流路F(k+1)の上流側端部との境界は、図6の断面図において一点鎖線Lで示す位置である。この一点鎖線Lは、電極板5(k+1)の端部(折り返し部Tに隣接する端部)を通り、この電極板5(k+1)の厚さ方向に平行な直線である。
本実施形態では、複数の電極板51〜5nは、容器47内において水が蛇行しながら流れる蛇行流路が形成されるように配置されている。具体的には次の通りである。
図2及び図3(A),(B)に示すように、容器47は、6つの壁部により構成された略直方体形状を有する。これらの壁部は、水が流れる水流空間を形成している。6つの壁部は、第1壁部471、第2壁部472、第3壁部473、第4壁部474、第5壁部475及び第6壁部476を含む。
第1壁部471は、水の流れの上流側に位置し、第2壁部472は、第1壁部471と平行な姿勢で水の流れの下流側に位置している。第1壁部471と第2壁部472は、各第1電極板51及び各第2電極板52と平行な姿勢で配置されている。第3〜第6壁部は、第1壁部471と第2壁部472の周縁部同士をつないでいる。第3壁部473は、下方に位置し、第4壁部474は、第3壁部473と平行な姿勢で上方に位置している。第5壁部475は、下流側に向かって右側に位置し、第6壁部476は、第5壁部475と平行な姿勢で下流側に向かって左側に位置している。
容器47の水入口43は、第1壁部471の下部に設けられており、水出口45は、第2壁部472の上部に設けられている。水入口43にはポンプ31側に位置する入水配管27が接続されており、水出口45には水熱交換器21側に位置する入水配管27が接続されている。ポンプ31により入水配管27を通じて電気分解装置41に送られる水は、水入口43から容器47の内部の水流空間に流入する。水流空間に流入した水は、水の流れの下流側に向かって流れ、水出口45から容器47の外部に排出される。
複数の電極板51〜5nは、電極板の厚み方向に互いに間隔をあけて水平方向に沿って配列されている。電極板同士の隙間は、水が流れる流路F1〜F(n−1)として機能する。複数の電極板51〜5nは、第3壁部473に接しているものと、第4壁部474に接しているものとが交互に並んでいる。具体的に、前者の電極板52,54,・・・,5nは、第3壁部473に接しており、第4壁部474に向かって延びている。これらの電極板と第4壁部474の内面との間に水が流通可能な隙間が設けられることにより、折り返し部Tが形成されている。後者の電極板51,53,・・・,5(n−1)は、第4壁部474に接しており、第3壁部473に向かって延びている。これらの電極板と第3壁部473の内面との間に水が流通可能な隙間が設けられることにより、折り返し部Tが形成されている。このように容器47内には、図3(A)に示すような蛇行流路が形成されている。
以上のような構造を有する電気分解装置41では、水入口43から容器47内に流入した水が水出口45から容器47外に流出するまでの間に、水に含まれるスケール成分が電気分解によって隣り合う電極板により構成される電極対49の陰極にスケールとして析出する。陰極に付着したスケールは、例えば周期的に電極板の極性を反転させることにより、陰極から脱落して容器47の第3壁部473上に沈殿する。
次に、図4(A),(B)を参照して電極板についてさらに詳しく説明する。図4(A)は、電気分解装置41の電極板を示す正面図である。各電極板は、複数の連通部Cを有する。具体的には次の通りである。
図4(A)に示すように、例えば電極板5kは、複数の連通部Cを有する。各連通部Cは、電極板5kを厚さ方向に貫通する貫通孔である。各連通部Cは、円形の貫通孔に限定されず、例えば図4(B)に示す変形例1のような正方形や長方形であってもよく、図4(C)に示す変形例2のようなひし形であってよい。
複数の連通部Cは、互いに間隔をあけて設けられている。隣り合う連通部C同士は、第1方向D1又はこれに交わる方向に互いに間隔をあけて設けられている。本実施形態では、複数の連通部Cは、電極板5kのほぼ全体に均等な間隔で設けられているが、これに限定されない。例えば、電極板5kにおいて、隣りの電極板5(k+1)と電極板の厚さ方向に対向する対向領域における連通部Cの個数や開口面積を、対向領域以外の領域における連通部Cの個数や開口面積よりも大きくしてもよい。
本実施形態では、複数の電極板51〜5nにおいて、連通部Cの個数、連通部Cの大きさは同じであるが、これに限定されない。例えば、容器47内の下流側では上流側に比べて水中に含まれるスケール成分の濃度が小さくなる傾向にあるので、上流側の電極板における連通部Cの個数よりも下流側の電極板における連通部Cの個数を多くしてもよい。また、上流側の電極板における連通部Cの開口面積よりも下流側の電極板における連通部Cの開口面積を大きくしてもよい。
電極板5kに設けられる複数の連通部Cの個数、開口面積などは特に限定されない。電極板5kに設けられる複数の連通部Cの開口面積の総計は、電極板5kの一方の表面の面積(電極板5kに複数の連通部Cが設けられていないと仮定した場合の面積)の5%以下であるのが好ましい。これにより、各電極板の表面積が減少するのを抑制しつつ、電極板間の流路における水の流れを乱すことができる。また、連通部Cの開口面積の合計は、電極板5kの面積の1〜3%であるのがより好ましい。
図5は、容器47内における複数の電極板の配置及び水の流れを示す斜視図であり、図6は、容器47内の水の流れを示す断面図である。図5及び図6に示すように、流路F(k−1)を第1方向D1(上方)に流れる水の一部は、電極板5kに設けられた連通部Cを通じて流路Fkに流入し、流路Fkを流れる主流と混合される。これにより、流路Fkにおける水の流れが乱される。同様に、流路Fkを第2方向D2(下方)に流れる水の一部は、電極板5(k+1)に設けられた連通部Cを通じて流路F(k+1)に流入し、流路F(k+1)を流れる主流と混合される。これにより、流路F(k+1)における水の流れが乱される。
本実施形態における電気分解時の運転条件の一例を挙げると次のようになる。水入口43を通じて容器47内に流入する水の流量は、例えば0.6〜1.2リットル/分程度に調節される。そして、容器47内において蛇行流路を流れる水の流速は、6〜13mm/秒程度に調節される。この場合、蛇行流路における水の流れにおいて、レイノルズ数が90〜200程度となるように流路の大きさ(流路の断面積)が調節される。これらの流量、流速及びレイノルズ数は、運転条件の一例を示したものであり、上記の範囲に限定されない。また、流速及びレイノルズ数は、蛇行流路における複数箇所で測定される値の平均値が上記範囲に調節される。なお、蛇行流路において流速分布を有する流れとなる場合には、最も流速が大きくなる電極板間の幅方向の中央部分を流れる水の流速は、電極板近傍を流れる水の流速のおおよそ2倍程度となる。
本実施形態のように、容器47内において蛇行流路を流れる水の流速が6〜13mm/秒程度の低速である場合には、電極板の近傍を流れる水は、周囲の水と混ざり合いにくい。このような場合、電極板が複数の連通部Cを有していない従来の電気分解装置では、陽極として機能する一方の電極板の近傍にスケール成分濃度の低い水が偏流しやすくなる。一方、本実施形態では、このような低速であっても、陽極として機能する一方の電極板近傍にスケール成分濃度の低い水が偏流するのを抑制できるので、電極板間においてスケール成分の析出反応が促進される。
なお、本実施形態では、複数の電極板51〜5nが容器47内において上下方向に蛇行する蛇行流路を形成している場合を例示したが、これに限定されない。例えば、複数の電極板51〜5nが容器47内において水平方向などの他の方向に蛇行する蛇行流路を形成する形態であってもよい。
水平方向に蛇行する蛇行流路とするには、例えば、図3(A),(B)に示す電気分解装置41を、第5壁部475が下方に位置し、第6壁部476が上方に位置するように配置すればよい。この場合、図7の変形例3に示すように、流路F(k−1)を第1方向D1(右方)に流れる水の一部は、電極板5kに設けられた連通部Cを通じて流路Fkに流入し、流路Fkを流れる主流と混合される。これにより、流路Fkにおける水の流れが乱される。同様に、流路Fkを第2方向D2(左方)に流れる水の一部は、電極板5(k+1)に設けられた連通部Cを通じて流路F(k+1)に流入し、流路F(k+1)を流れる主流と混合される。これにより、流路F(k+1)における水の流れが乱される。
図8(A)は、電気分解装置41の変形例4における電極板を示す正面図である。図8(A)に示すように、この変形例4では、複数の連通部Cのうち一部の連通部C1は、折り返し部Tに隣接する電極板5kの縁部E1に設けられている。複数の連通部C1は、縁部E1に沿って互いに間隔をあけて設けられている。各連通部C1は、連通部Cのように開口部の周囲が閉じた貫通孔ではなく、開口部の一部が縁部E1において開口した貫通部である。
また、この変形例4では、複数の連通部Cのうち一部の連通部C2は、電極板5kの両サイドの縁部E2,E2に設けられている。複数の連通部C2は、縁部E2に沿って互いに間隔をあけて設けられている。各連通部C1は、連通部Cのように開口部の周囲が閉じた貫通孔ではなく、開口部の一部が縁部E2において開口した貫通部である。電極板k以外の他の電極板も電極板kと同様の構成を有する。
図8(B)は、電気分解装置41の変形例5における電極板を示す正面図である。この変形例5では、電極板5kは、複数のスリット(連通部)Cを有する。各スリットCは、水の流れ方向D1又はD2に交わる方向に延びている。この変形例では、各スリットCは、水の流れ方向D1又はD2に直交する方向に延びている。複数のスリットCのうちの一部のスリットC2は、サイドに位置する縁部E2において開口している。電極板k以外の他の電極板も電極板kと同様の構成を有する。
図9(A)は、電気分解装置41の変形例6における電極板を示す正面図であり、図9(B)は、図9(A)のIXB−IXB線断面図である。図9(A),(B)に示すように、この変形例6では、各電極板は、厚さ方向の一方に隣り合う電極板側に突出する複数の凸部62及び厚さ方向の他方に隣り合う電極板とは反対側に凹む複数の凹部61を有する。
この変形例6では、複数の凹部61及び複数の凸部62は、金属板材の一方の面が凹むことにより他方の面が突出するように金属板材を板金加工することにより形成されている。各電極板に形成された複数の凹部61と複数の凸部62は、その電極板における互いに反対側の面の同じ位置に形成される。この変形例6では、各凹部61の形状は、電極の厚さ方向に凹む半球状であり、各凸部62の形状は、電極の厚さ方向に突出する半球状であるが、円柱状、角柱状などの他の形状であってもよい。
各電極板において、複数の凹部61(複数の凸部62)は、互いに間隔をあけて設けられている。変形例6では、複数の凹部61(複数の凸部62)は、電極面の全体に縦横に規則的に配列されているが、例えば他の領域よりも重点的に撹拌効果を高めたい領域が存在する場合には、領域ごとに凹部61(凸部62)の密集度合いを設定することもできる。
図10(A)は、変形例6における容器47内の水の流れを示す断面図である。図10(A)に示すように、この変形例6では、複数の凸部62及び複数の凹部61により、隣り合う電極板間の流路における水の流れが乱される。これにより、隣り合う電極板のうち陽極として機能する一方の電極の近傍にスケール成分濃度の低い水が偏流するのをさらに抑制できるので、電極板間においてスケール成分の析出反応がさらに促進される。
また、この変形例6では、例えば電極板5(k+1)の凸部62の一部又は全部は、電極板5kに設けられた連通部Cに対して電極板の厚さ方向に対向する位置に設けられているが、連通部Cに対して多少ずれていてもよい。各凸部62は、上流側に位置する電極板側に突出している。この場合には、電極板5kに設けられた連通部Cを通じて流路Fkに流入する水による水の流れを乱す効果と、その連通部Cに対向する位置にある凸部62による水の流れを乱す効果との相乗効果によってさらに効果的に水の流れを乱すことができる。
また、図10(B)に示す変形例7のように、各凸部62は、下流側に位置する電極板側に突出していてもよい。この変形例7では、例えば電極板5kにおける複数の凸部62の少なくとも一部は、流路F(k+1)への連通部Cを通じた水の流入を促進させる位置に設けられている。具体的に、流路F(k+1)への連通部Cを通じた水の流入を促進させる位置としては、例えば図10(B)に矢印Gによって示すように、流路Fkを流れる水が凸部62に沿って流れることにより、電極板5(k+1)に設けられた連通部Cに案内されるような凸部62の位置が挙げられる。
この変形例7では、例えば電極板5kの凸部62の一部又は全部は、電極板5(k+1)に設けられた連通部Cに対して電極板の厚さ方向に対向する位置に設けられているが、連通部Cに対して多少ずれていてもよい。
図11は、電気分解装置41の変形例8を示す断面図である。この変形例8では、電気分解装置41は、容器47と、容器47内に収容された第1電極板51、第2電極板52及び第3電極板53と、電源53とを備える。第1電極板51、第2電極板52及び第3電極板53は、この順に電極板の厚さ方向に互いに隙間をあけて配列されている。容器47内には、第1電極板51と第2電極板52との間の隙間であって水が第1方向D1に流れる第1流路F1と、第2電極板52と第3電極板53との間の隙間であって水が第1方向D1とは反対の第2方向D2に流れる第2流路F2と、第1流路F1の下流側端部と第2流路F2の上流側端部とを接続する折り返し部Tと、が形成されている。第2電極板52は、第1流路F1を流れる水の一部を第1流路F1の下流側端部よりも上流側において第2流路F2に流入させるための複数の連通部Cを有する。その一方で、第1電極板51及び第3電極板53には、連通部Cが設けられていない。
以上説明したように、本実施形態及び各変形例では、各電極板に複数の連通部Cが設けられているので、第1流路F1を流れる水の一部が第1流路F1の下流側端部よりも上流側において複数の連通部Cを通じて第2流路F2に流入する。これにより、流入した水と第2流路F2を流れる水とが複数箇所において混合される。このように複数箇所において水が混合されることにより、第2流路F2を流れる水の流れが広い範囲にわたって効果的に乱される。よって、第2流路F2を形成する第2電極板52及び第3電極板53のうち陽極として機能する一方の電極板の近傍にスケール成分濃度の低い水が偏流するのを効果的に抑制できるので、第2電極板52と第3電極板53との間においてスケール成分の析出反応が促進される。
また、上記のように第1流路F1を流れる水の一部が複数の連通部Cを通じて第1流路F1から流出する際には、第1流路F1においても連通部Cの近傍を流れる水の流れが乱される。これにより、第1流路F1を形成する第1電極板51及び第2電極板52のうち陽極として機能する一方の電極板の近傍にスケール成分濃度の低い水が偏流するのを抑制できるので、第1電極板51と第2電極板52との間においてスケール成分の析出反応が促進される。
以上のことから、この構成では、電極板の枚数を増やして電極板の面積を大きくしなくても水中のスケール成分の除去効率を高めることができるので、電極材料に起因するコストアップを抑制しつつ、スケール成分の除去効率を高めることができる。
なお、これらの構成では、上述したように、水入口43から容器47内に流入した水は、第1流路F1を折り返し部Tに向かって第1方向D1に流れ、折り返し部Tにおいて流れ方向を反転した後、第2流路F2を第2方向D2に流れる。このように水が第1流路F1、折り返し部T及び第2流路F2の順に流れるときには圧力損失が生じるため、第2流路F2における圧力は第1流路F1における圧力よりも小さくなる。これにより、各連通部Cを通じて第1流路F1から第2流路F2に水が流入する。
また、本実施形態及び各変形例では、隣り合う連通部Cは、各電極板において第1方向D1又はこれに交わる方向に互いに間隔をあけて設けられている。この構成では、例えば第1流路F1を第1方向D1に流れる水の一部は、第1方向D1又はこれに交わる方向に互いに間隔をあけて設けられた複数の連通部Cを通じて第2流路F2に流入する。したがって、第2流路F2では、第1方向D1又はこれに交わる方向の広い範囲にわたって水の流れが効果的に乱される。
また、本実施形態及び変形例1〜7では、第2電極板52だけでなく、他の電極板にも複数の連通部Cが設けられているので、各流路F1〜F(n−1)における水の混合(水の流れの乱れ)がより促進される。
また、変形例4では、複数の連通部Cの一部は、折り返し部Tに隣接する電極板の縁部E1に設けられている。したがって、この構成では、電極板の縁部E1に設けられた連通部Cを通じて下流側の流路に水が流入する。この水の流入により、折り返し部Tにおける水の流れ、及び折り返し部Tからその下流の流路に流入する水の流れが乱される。したがって、折り返し部Tからその下流の流路に流入する水は、その流路を構成する一方の電極板側の領域におけるスケール成分の濃度と他方の電極板側の領域におけるスケール成分の濃度との差が小さくなる。すなわち、その流路の幅方向においてスケール成分の濃度差が小さくなる。これにより、その流路において一方の電極板側及び他方の電極板側にスケール成分濃度の低い水が偏流するのをさらに抑制できる。
また、変形例6,7では、各電極板は、隣り合う電極板側に突出する複数の凸部62及び隣り合う電極板とは反対側に凹む複数の凹部61を有する。この構成では、複数の凸部62及び複数の凹部61により、隣り合う電極板間の流路における水の流れが乱される。これにより、隣り合う電極板のうち陽極として機能する一方の電極の近傍にスケール成分濃度の低い水が偏流するのをさらに抑制できるので、電極板間においてスケール成分の析出反応がさらに促進される。
また、変形例7では、各凸部62は、下流側に位置する電極板側に突出している。この変形例7では、電極板5kにおける複数の凸部62の少なくとも一部は、流路F(k+1)への連通部Cを通じた水の流入を促進させる位置に設けられている。この構成では、凸部62によって流路F(k+1)への連通部Cを通じた水の流入が促進されるので、流路F(k+1)における水の流れを乱す効果がさらに高められる。
また、変形例5では、複数の連通部Cは、複数のスリットを含んでいる。この構成では、各スリットの長手方向の大きさを調節することにより、流路F2への連通部Cを通じた水の流入量を調節することができる。
また、変形例5では、各スリットは、前記水の流れ方向に交わる方向に延びている。この構成では、各スリットの長手方向が水の流れ方向に平行な方向に延びている場合に比べて、水の流れ方向に交わる方向におけるより広い範囲にわたって流路に水を流入させることができる。
なお、本発明は、前記実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変更、改良等が可能である。
前記実施形態では、電極板に複数の連通部Cが設けられている場合を例示したが、電極板には少なくとも1つの連通部Cが設けられていればよい。
前記実施形態では、ヒートポンプ給湯機11の水の流路において、ポンプ31よりも下流側で水熱交換器21よりも上流側に位置する入水配管27に電気分解装置41を設ける場合を例に挙げて説明したが、これに限定されない。電気分解装置41は、水の流路において水熱交換器21よりも上流側に設けられていればよい。具体的に、電気分解装置41は、例えばポンプ31よりも上流側の入水配管27に設けられていてもよく、また、給水源からタンク15に水を供給する給水配管37に設けられていてもよい。
前記実施形態では、容器47が略直方体の形状を有している場合を例に挙げて説明したが、これに限定されない。容器47は、直方体以外の角柱形状であってもよく、円柱形状であってもよい。
また、前記実施形態では、一過式の給湯機を例に挙げて説明したが、これに限定されない。本発明は、例えば給湯配管35から給湯された水(湯)の一部が再びタンク15に戻されるタイプの給湯機にも適用することができる。
前記実施形態では、浴槽などへ給湯するための用途でヒートポンプ給湯機11が用いられる場合を例示したが、これに限定されない。ヒートポンプ給湯機11は、タンク15内に貯留された高温の水を暖房用途などに用いる場合にも適用できる。すなわち、ヒートポンプ給湯機11は、水を湯に変えて供給する装置であって、ヒートポンプ式温水暖房機における給湯機として用いることができる。
また、本発明の電気分解装置は、スケール成分を除去する必要がある他の用途、例えば冷却塔、燃焼式の給湯機、電気温水機などの温度調節水供給機にも適用することができる。前記冷却塔は、例えば図12に示すように、電気分解装置41と、この電気分解装置41よりも下流側に設けられる水熱交換器21Aとを備える。前記冷却塔では、水熱交換器21Aにおいて、他の装置で発生した熱を搬送してきた流体と熱交換して水が加熱される。前記燃焼式の給湯機は、図12に示すように、電気分解装置41と、この電気分解装置41よりも下流側に設けられる水熱交換器21Aとを備える。燃焼式の給湯機では、水熱交換器21Aにおいて燃料用のガスなどを燃焼させることにより得られる熱エネルギーを用いて水が加熱される。また、前記電気温水機は、図12に示すように、電気分解装置41と、この電気分解装置41よりも下流側に設けられる水熱交換器21Aとを備える。前記電気温水機では、水熱交換部21Aにおいて電気エネルギーを用いて水が加熱される。
11 ヒートポンプ給湯機
13 ヒートポンプユニット
15 タンク
17 貯湯ユニット
21 水熱交換器
27 入水配管
29 出湯配管
35 給湯配管
37 給水配管
41 電気分解装置
43 水入口
45 水出口
47 容器
51〜5n 電極板
61 凹部
62 凸部
C 連通部
D1,D2 水の流れ方向
E1 電極板の縁部
F1〜F(n−1) 水の流路
T 折り返し部
13 ヒートポンプユニット
15 タンク
17 貯湯ユニット
21 水熱交換器
27 入水配管
29 出湯配管
35 給湯配管
37 給水配管
41 電気分解装置
43 水入口
45 水出口
47 容器
51〜5n 電極板
61 凹部
62 凸部
C 連通部
D1,D2 水の流れ方向
E1 電極板の縁部
F1〜F(n−1) 水の流路
T 折り返し部
Claims (6)
- 水に含まれるスケール成分を除去するための電気分解装置であって、
水入口(43)及び水出口(45)を有する容器(47)と、
前記容器(47)内に収容された第1電極板(51)、第2電極板(52)及び第3電極板(53)と、を備え、
前記第1電極板(51)、前記第2電極板(52)及び前記第3電極板(53)は、この順に電極板の厚さ方向に互いに隙間をあけて配列され、
前記容器(47)内には、前記第1電極板(51)と前記第2電極板(52)との間の隙間であって水が第1方向(D1)に流れる第1流路(F1)と、前記第2電極板(52)と前記第3電極板(53)との間の隙間であって水が前記第1方向(D1)とは反対の第2方向(D2)に流れる第2流路(F2)と、前記第1流路(F1)の下流側端部と前記第2流路(F2)の上流側端部とを接続する折り返し部(T)と、が形成され、
前記第2電極板(52)は、前記第1流路(F1)を流れる水の一部を前記第1流路(F1)の前記下流側端部よりも上流側において前記第2流路(F2)に流入させるための少なくとも1つの連通部(C)を有する、電気分解装置。 - 前記第1電極板(51)は、前記第1流路(F1)よりも上流側の流路を流れる水の一部を前記第1流路(F1)に流入させるための少なくとも1つの連通部(C)を有し、
前記第3電極板(51)は、前記第2流路(F2)を流れる水の一部を前記第2流路(F2)よりも下流側の流路に流入させるための少なくとも1つの連通部(C)を有する、請求項1に記載の電気分解装置。 - 前記連通部(C)は、前記折り返し部(T)に隣接する前記第2電極板(52)の縁部(E1)に設けられている、請求項1又は2に記載の電気分解装置。
- 前記第1電極板(51)、前記第2電極板(52)及び前記第3電極板(53)のうちの少なくとも1つの電極板は、隣り合う電極板側に突出する複数の凸部(62)及び隣り合う電極板とは反対側に凹む複数の凹部(61)の少なくとも一方を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電気分解装置。
- 前記第1電極板(51)は、第2電極板(52)側に突出する前記複数の凸部(62)を有し、これらの凸部(62)の少なくとも一部は、第2流路(F2)への連通部(C)を通じた水の流入を促進させる位置に設けられている、請求項4に記載の電気分解装置。
- 水を加熱するための水熱交換器(21)と、
前記水熱交換器(21)に送る水に含まれるスケール成分を除去するための請求項1〜5のいずれか1項に記載の電気分解装置(41)と、を備えた温度調節水供給機。
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