JP2013208528A - 電気分解装置及び温度調節水供給機 - Google Patents
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Abstract
【課題】電気分解装置において析出したスケールが電気分解装置よりも下流側に設けられる水熱交換器に流れ込むのを抑制することができる電気分解装置及びこれを備えた温度調節水供給機を提供する。
【解決手段】電気分解装置41は、水に含まれるスケール成分を除去するためのものである。電気分解装置41は、水入口43及び水出口45を有する容器47と、容器47内に収容され、表面の算術平均粗さRaが10μm以上である複数の電極51,52と、を備える。
【選択図】図4
【解決手段】電気分解装置41は、水に含まれるスケール成分を除去するためのものである。電気分解装置41は、水入口43及び水出口45を有する容器47と、容器47内に収容され、表面の算術平均粗さRaが10μm以上である複数の電極51,52と、を備える。
【選択図】図4
Description
本発明は、電気分解装置及びこれを備えたヒートポンプ給湯機、燃焼式給湯機、電気温水機、冷却塔などの温度調節水供給機に関するものである。
従来、容器内に複数の電極が配置され、水に含まれるスケール成分を除去する電気分解装置が知られている。この電気分解装置では、電気分解に要する消費電力を抑えることが望まれる。しかし、所定のスケール成分除去性能を得るためには、それに応じた電流が必要とされる。したがって、このような電気分解装置において消費電力を抑えつつ所望のスケール成分除去性能を得るためには、電極表面における電気抵抗を低減させることが望まれる。
特許文献1には、電極表面における中心線平均粗さが1.5μm以下の電極を備える電解水生成装置が開示されている。この特許文献1の段落0026には、析出物であるCaCO3の付着率は、Ra=1.5μm以下において急激に低下すると記載されている。
ところで、特許文献1に記載の装置を、ヒートポンプ給湯機、燃焼式給湯機、電気温水機、冷却塔などに適用すると次のような問題が生じる。
ヒートポンプ給湯機、燃焼式給湯機、電気温水機、冷却塔などのように温度調節された水を供給する温度調節水供給機は、水を加熱又は冷却するための水熱交換器を備える。特許文献1に記載の装置では、電気分解時に析出したスケールは、電極表面に付着せずに装置から水とともに流出し、これよりも下流側に設けられる水熱交換器に流れ込む。その結果、スケールが水熱交換器の内部に付着し、水熱交換器において流動抵抗が増大する、伝熱性能が低下するなどの問題が生じる場合がある。
また、ヒートポンプ給湯機は、水熱交換器よりも下流側に水(湯)を貯留するタンクをさらに備えており、このタンクにスケールが流れ込む場合がある。タンクにスケールが流れ込むと、タンクにスケールが蓄積する、タンクから供給される水(ユーザーが使用する水)にスケールが含まれるなどの問題が生じる場合がある。
そこで、本発明の目的は、電気分解装置において析出したスケールが電気分解装置よりも下流側に設けられる水熱交換器に流れ込むのを抑制することができる電気分解装置及びこれを備えた温度調節水供給機を提供することである。
本発明の電気分解装置は、水に含まれるスケール成分を除去するためのものである。前記電気分解装置は、水入口(43)及び水出口(45)を有する容器(47)と、前記容器(47)内に収容され、表面の算術平均粗さ(Ra)が10μm以上である複数の電極(51,52)と、を備える。
この構成では、複数の電極(51,52)における前記算術平均粗さ(Ra)が10μm以上であるので、複数の電極(51,52)のうち陰極として機能する電極の表面において析出したスケールが電極表面から脱落しにくくなる。これにより、スケールが電気分解装置よりも下流側に設けられる水熱交換器に流れ込むのを抑制することができる。具体的には次の通りである。
すなわち、電極表面に付着するスケールの主成分である炭酸カルシウムの結晶は10μm程度の大きさに成長する。しかし、従来の電気分解装置に用いられる電極表面は算術平均粗さRaが1〜2μm程度の平滑面であり、また、電気分解時には電極表面の近傍に水の流れが形成されている。したがって、上記のように電極表面においてある程度の大きさに成長したスケールは、電極表面から脱落しやすくなり、その結果、電気分解装置から流出しやすくなる。
一方、本発明における電極表面における算術平均粗さRaは10μm以上の粗面であるので、この粗面を構成する凹凸における凹み内にある程度の大きさに成長したスケールが保持されやすくなる。したがって、電気分解時に電極表面の近傍に水の流れが形成されていても、電極表面からスケールが脱落しにくくなるので、スケールが電気分解装置から流出するのを抑制できる。
前記電気分解装置において、前記複数の電極(51,52)における前記算術平均粗さ(Ra)は100μm以下であるのが好ましい。
この構成では、電極表面が100μm以下の算術平均粗さ(Ra)に調節されているので、電極の近傍を水が流れる際の抵抗が大きくなるのを抑制できる。また、この構成では、塗装、めっきなどの手段を用いて塗膜がコーティングされることによって形成されている場合には、その塗膜の剥がれるなどの不具合が生じにくくなる。
本発明の温度調節水供給機は、水を加熱するための水熱交換器(21)と、前記水熱交換器(21)に送る水に含まれるスケール成分を除去するための前記電気分解装置(41)と、を備える。
この構成では、温度調節水供給機において、電気分解時に生じたスケールが水熱交換器(21)に流れ込むのを抑制することができる。
前記温度調節水供給機は、予め定められた条件に基づいて、前記複数の電極(51,52)の極性を反転させる制御部(33)をさらに備えるのが好ましい。
この構成では、予め定められた条件に基づいて、複数の電極(51,52)の極性が反転する。したがって、スケールが付着した陰極は、極性の反転後には陽極として機能する。これにより、電極に付着していたスケールが電極から脱落するので、スケールの付着量が過度に増大して電気抵抗が増大するのを抑制できる。これにより、電気分解に要する消費電力を抑えることができ、また、スケール成分除去性能を高めることができる。
前記温度調節水供給機は、前記水熱交換器(21)において加熱された水が貯留されるタンク(15)をさらに備え、前記制御部(33)は、前記水熱交換器(21)において水を加熱した水を前記タンクに貯留する沸上げ運転のスケジュールに基づいて、前記沸上げ運転の終了時、次回の沸上げ運転の開始時、又は前記終了時と前記開始時との間に、前記複数の電極(51,52)の極性を反転させるのが好ましい。
この構成では、温度調節水供給機の沸上げ運転のスケジュールに基づいて複数の電極(51,52)の極性反転の制御が実行されるので、沸上げ運転の開始又は終了に関連付けることなく頻繁に(例えば1日に複数回)、複数の電極(51,52)の極性反転を行う場合に比べて、電極の寿命が短くなるのを抑制できる。すなわち、この構成では、スケールの付着量が過度に増大して電気抵抗が増大するのを抑制しつつ、電極の寿命が短くなるのを抑制できる。また、電極表面の電気抵抗が低減されることにより、電気分解に要する消費電力を抑えることができ、また、スケール成分除去性能を高めることができる。
以上説明したように、本発明によれば、電気分解装置において析出したスケールが電気分解装置よりも下流側に設けられる水熱交換器に流れ込むのを抑制することができる。
<ヒートポンプ給湯機>
以下、本発明の一実施形態に係る温度調節水供給機としてのヒートポンプ給湯機11について図面を参照しながら説明する。図1に示すように、本実施形態に係るヒートポンプ給湯機11は、ヒートポンプユニット13と、貯湯ユニット17と、電気分解装置41と、これらを制御するコントローラ32とを備えている。
以下、本発明の一実施形態に係る温度調節水供給機としてのヒートポンプ給湯機11について図面を参照しながら説明する。図1に示すように、本実施形態に係るヒートポンプ給湯機11は、ヒートポンプユニット13と、貯湯ユニット17と、電気分解装置41と、これらを制御するコントローラ32とを備えている。
貯湯ユニット17は、水を貯留するタンク15と、ポンプ31と、導水路27,29とを有する。タンク15と水熱交換器21とは、導水路27,29により接続されている。導水路27,29は、タンク15の水を水熱交換器21に送る送り側流路を有する入水配管27と、水熱交換器21と熱交換して加熱された水をタンク15に戻す戻し側流路を有する出湯配管29とを含む。入水配管27には、水を送液するためのポンプ31が設けられている。ポンプ31は、タンク15内の水を、タンク15の下部から入水配管27に流出させ、入水配管27、水熱交換器21および出湯配管29の順に送水し、タンク15の上部に戻す。
また、ヒートポンプ給湯機11は、冷媒回路10aと、貯湯回路10bとを備えている。冷媒回路10aは、圧縮機19、水熱交換器21、膨張機構としての電動膨張弁23、空気熱交換器25、及びこれらを接続する冷媒配管を含む。貯湯回路10bは、タンク15、ポンプ31、水熱交換器21、電気分解装置41、及びこれらを接続する導水路27,29を含む。
本実施形態では、冷媒回路10aを循環する冷媒として二酸化炭素を用いているが、これに限定されない。冷媒回路10aを循環する冷媒は、水熱交換器21において貯湯回路10bを循環する水と熱交換してこの水を加熱し、空気熱交換器25において外気と熱交換して外気から熱を吸収する。
タンク15には給水配管37と給湯配管35とが接続されている。給湯配管35は、タンク15の上部に接続されている。この給湯配管35は、タンク15内に貯留された高温の水を取り出して浴槽などへ給湯するためのものである。給水配管37は、タンク15の底部に接続されている。この給水配管37は、給水源からタンク15内に低温の水を給水するためのものである。タンク15へ水を給水する給水源としては、例えば水道水や、井戸水などの地下水を利用することができる。本実施形態の給湯機11は、給湯配管35から給湯された水をタンク15に戻さない一過式の給湯機である。
電気分解装置41は、入水配管27における水熱交換器21よりも上流側の位置でポンプ31の下流側の位置に設けられている。電気分解装置41の詳細については後述する。
コントローラ32は、制御部33と、メモリ(記憶部)34とを有している。制御部33は、メモリ34に記憶された沸上げ運転のスケジュールに基づいてタンク15内の水を沸き上げる沸上げ運転を制御する。また、制御部33は、前記沸上げ運転のスケジュールに基づいて後述するように電極対49の極性を反転させる。
次に、ヒートポンプ給湯機11の動作について説明する。タンク15内の水を沸上げる沸上げ運転では、制御部33は、ヒートポンプユニット13の圧縮機19を駆動させ、電動膨張弁23の開度を調節するとともに、貯湯ユニット17のポンプ31を駆動させる。これにより、図1に示すように、タンク15の底部に設けられた出水口からタンク15内の低温の水が入水配管27を通じて水熱交換器21に送られ、水熱交換器21において加熱される。加熱された高温の水は出湯配管29を通じてタンク15の上部に設けられた入水口からタンク15内に戻される。これにより、タンク15内には、その上部から順に高温の水が貯湯されていく。この沸上げ運転では、電気分解装置41によって水に含まれるスケール成分が除去される。
本実施形態のヒートポンプ給湯機11は、一過式の給湯機である。この一過式の給湯機11では、給湯配管35から給湯された水(湯)は、ユーザーによって使用され、タンク15には戻らない。したがって、タンク15から給湯配管35を通じて給湯された水量とほぼ同じ量の水が給水源から給水配管37を通じてタンク15に給水される。すなわち、タンク15には、水道水や井戸水などの給水源からスケール成分を含む水がタンク15に補充される頻度が高く、補充される量も多い。したがって、一過式のヒートポンプ給湯機の場合には、循環式の冷却水循環装置や循環式の給湯機に比べて、効率よくスケール成分を除去する必要がある。
<電気分解装置>
図2は、電気分解装置41を示す斜視図である。図3(A)は、電気分解装置41を鉛直方向に平行な平面で切断した断面図であり、図3(B)は、電気分解装置41を水平方向に平行な平面で切断した断面図である。本実施形態に係る電気分解装置41は、水熱交換器21に送る水に含まれるスケール成分を除去するためのものである。電気分解装置41は、水入口43及び水出口45を有する容器47と、容器47内に収容された複数の電極51,52とを備える。複数の電極51,52は、複数の第1電極51と複数の第2電極52とを含む。
図2は、電気分解装置41を示す斜視図である。図3(A)は、電気分解装置41を鉛直方向に平行な平面で切断した断面図であり、図3(B)は、電気分解装置41を水平方向に平行な平面で切断した断面図である。本実施形態に係る電気分解装置41は、水熱交換器21に送る水に含まれるスケール成分を除去するためのものである。電気分解装置41は、水入口43及び水出口45を有する容器47と、容器47内に収容された複数の電極51,52とを備える。複数の電極51,52は、複数の第1電極51と複数の第2電極52とを含む。
各電極は、耐食性に優れた材料により形成されている。各電極を主に構成する材料としては、白金、チタンなどが例示できる。具体的には次の通りである。
例えば、各電極は、少なくとも表面が白金を主成分とする材料により形成されているのが好ましい。具体的に、各電極の全体が白金を主成分とする材料(白金、白金合金などの材料)により形成されている形態が例示できる。また、各電極が、白金よりもイオン化傾向の大きい材料(すなわち、水中において白金よりも酸化されやすい材料)により形成された電極本体と、この電極本体の表面に白金を主成分とする材料(白金、白金合金などの材料)により形成されたコーティング層とを有する形態が例示できる。電極本体の材料としては、例えばチタンを主成分とする材料(チタン、チタン合金などの材料)などが例示できる。
また、各電極は、水中において白金よりも酸化されやすいものの比較的耐食性に優れた材料として例えばチタンを主成分とする材料(チタン、チタン合金などの材料)などにより形成されている形態が例示できる。
また、各電極の表面の算術平均粗さRaは10μm以上である。これにより、電気分解時に析出するスケールが電極(陰極)表面から脱落しにくくなる。各電極の表面粗さを上記範囲に調節する手段としては、上記した白金やチタンなどにより構成される電極用の基材に対して例えば塗装、めっきなどのコーティングを施す方法を採用できる他、電極用の基材に対してエッチング法、放電加工法、ブラスト処理法などの粗面加工などを施す方法を採用することができる。
具体的に、めっきを施す方法により表面粗さを上記範囲に調節する場合には、例えば所定範囲の大きさを有する導電性微粒子(例えば白金などの金属微粒子)を電極用の基材にめっきする方法が挙げられる。
また、塗装を施す方法により表面粗さを上記範囲に調節する場合には、塗膜は、導電性材料により形成される。具体的に、導電性材料としては、例えば、金属やカーボンなどの粒子を配合した塗料などが挙げられる。
また、各電極の表面の算術平均粗さRaは100μm以下であるのが好ましい。これにより、電極の近傍を水が流れる際の抵抗が大きくなるのを抑制できる。また、例えば塗装、めっきなどの手段を用いて電極用の基材に塗膜がコーティングされている場合には、その電極表面(塗膜表面)が100μm以下の算術平均粗さRaに調節されることにより、塗膜の剥がれるなどの不具合が生じにくくなる。
算術平均粗さRaは、JISB0601における「4.2 高さ方向のパラメータ(高さ方向の平均)」の「4.2.1 輪郭曲線の算術平均高さPa,Ra,Wa」に規定されている。また、算術平均粗さRaの評価手順は、JISB0633に規定されている。また、算術平均粗さRaを測定する触針式表面粗さ測定機の一例は、JISB0651に記載されている。
本実施形態に用いられる電極51,52の主な特徴は上記の通りであるが、以下では、本実施形態に係る電気分解装置41の具体的な構成についてさらに詳しく説明する。
複数の第1電極51及び複数の第2電極52は、第1電極51と第2電極52が交互に配置されるように、一方向(電極の厚さ方向)に配列されている。複数の第1電極51及び複数の第2電極52は、隣り合う電極の一方が陽極として機能し、隣り合う電極の他方が陰極として機能するように電源53に接続されている。電源53としては、例えば直流電源が用いられる。隣り合う電極51,52は、電極対49を構成している。本実施形態では、複数の第1電極51及び複数の第2電極52は、電源53に対して並列に接続されているが、これに限定されない。
各電極の形状としては、例えば板形状、棒形状などの種々の形状を採用することができるが、本実施形態では板形状を採用している。これにより、各電極の表面積を大きくすることができる。また、本実施形態では、複数の第1電極51及び複数の第2電極52は、互いに平行な姿勢で配置されており、電極の厚さ方向に配列されている。さらに、本実施形態では、複数の第1電極51及び複数の第2電極52は、容器47内において水が蛇行しながら流れる蛇行流路が形成されるように配置されている。具体的には次の通りである。
図2及び図3(A),(B)に示すように、容器47は、6つの壁部により構成された略直方体形状を有する。これらの壁部は、水が流れる水流空間を形成している。6つの壁部は、第1壁部471、第2壁部472、第3壁部473、第4壁部474、第5壁部475及び第6壁部476を含む。
第1壁部471は、水の流れの上流側に位置し、第2壁部472は、第1壁部471と平行な姿勢で水の流れの下流側に位置している。第1壁部471と第2壁部472は、各第1電極51及び各第2電極52と平行な姿勢で配置されている。第3〜第6壁部は、第1壁部471と第2壁部472の周縁部同士をつないでいる。第3壁部473は、下方に位置し、第4壁部474は、第3壁部473と平行な姿勢で上方に位置している。第5壁部475は、下流側に向かって右側に位置し、第6壁部476は、第5壁部475と平行な姿勢で下流側に向かって左側に位置している。
容器47の水入口43は、第1壁部471の下部に設けられており、水出口45は、第2壁部472の上部に設けられている。水入口43にはポンプ31側に位置する入水配管27が接続されており、水出口45には水熱交換器21側に位置する入水配管27が接続されている。ポンプ31により入水配管27を通じて電気分解装置41に送られる水は、水入口43から容器47の内部の水流空間に流入する。水流空間に流入した水は、水の流れの下流側に向かって流れ、水出口45から容器47の外部に排出される。
複数の電極51,52は、電極の厚み方向に互いに間隔をあけて水平方向に沿って配列されている。電極同士の隙間は、水が流れる流路として機能する。複数の電極51,52は、第3壁部473に接しているものと、第4壁部474に接しているものとが交互に並んでいる。具体的に、各第1電極51は、第3壁部473に接しており、第4壁部474に向かって延びている。各第1電極51と第4壁部474の内面との間には水が流通可能な隙間が設けられている。各第2電極52は、第4壁部474に接しており、第3壁部473に向かって延びている。各第2電極52と第3壁部473の内面との間には水が流通可能な隙間が設けられている。これにより、容器47内には、図3(A)に示すような蛇行流路が形成されている。
以上のような構造を有する電気分解装置41では、水入口43から容器47内に流入した水が水出口45から容器47外に流出するまでの間に、水に含まれるスケール成分が電気分解によって隣り合う電極により構成される電極対の陰極にスケールとして析出する。陰極に付着したスケールは、例えば予め定められた条件に基づいて電極51,52の極性を反転させることにより、陰極から脱落して容器47の第3壁部473上に沈殿する。極性反転機構の具体例を挙げると次の通りである。
図3に示すように、電気分解装置41は、各電極対49の極性を反転させるための反転機構63を備えている。反転機構63は、制御部33により制御される。反転機構63は、接点切換部71と接点切換部72とを有しており、接点切換部71の接点及び接点切換部72の接点が切り換えられることによって電極51,52の極性を反転させることができる。
具体的に、反転機構63が図3において左側に示す状態のときには、複数の第1電極51は電源53の負極につながり、複数の第2電極52は電源53の正極につながる。一方、反転機構63が図3において右側示す状態のときには、複数の第1電極51は電源53の正極につながり、複数の第2電極52は電源53の負極につながる。
本実施形態では、メモリ34は、水熱交換器21において水を加熱する沸上げ運転のスケジュールを記憶しており、制御部33は、沸上げ運転のスケジュールに基づいて、沸上げ運転の終了時、次回の沸上げ運転の開始時、又は前記終了時と前記開始時との間に、複数の電極51,52の極性を反転させる。沸上げ運転のスケジュールとしては、例えば22時から6時までの間の時間帯に沸上げ運転が実行される場合が挙げられる。また、沸上げ運転は、毎日実行されてもよく、例えば数日おきに実行されてもよい。
また、本実施形態における電気分解時の運転条件の一例を挙げると次のようになる。水入口43を通じて容器47内に流入する水の流量は、例えば0.6〜1.2リットル/分程度に調節される。そして、容器47内において蛇行流路を流れる水の流速は、6〜13mm/秒程度に調節される。この場合、蛇行流路における水の流れにおいて、レイノルズ数が90〜200程度となるように流路の大きさ(流路の断面積)が調節される。これらの流量、流速及びレイノルズ数は、運転条件の一例を示したものであり、上記の範囲に限定されない。また、流速及びレイノルズ数は、蛇行流路における複数箇所で測定される値の平均値が上記範囲に調整される。なお、蛇行流路において流速分布を有する流れとなる場合には、最も流速が大きくなる電極51,52間の幅方向の中央部分を流れる水の流速は、電極近傍を流れる水の流速のおおよそ2倍程度となる。
図4は、電気分解装置41の変形例を示す概略図である。図4に示すように、この変形例は、蛇行流路を有していない点が図3(A),(B)に示す実施形態と異なっている。具体的には、次の通りである。
図4に示すように、この電気分解装置41は、水入口43及び水出口45を有する容器47と、容器47内に収容された第1電極51及び第2電極52とを備える。この変形例では、各電極の下端部は、容器47の底面から離隔しており、各電極の上端部は、容器47の上面から離隔しているので、上述したような蛇行流路を有していない。したがって、水入口43から容器47に流入した水は、ある程度ランダムに水入口43から水出口45に向かって容器47内を流れ、水出口45側に流れる途中で隣り合う電極間の隙間を通過する過程でスケール成分が除去される。なお、図4には、反転機構63の記載を省略しているが、この変形例においても上述した反転機構63を備えることが好ましい。
以上説明したように、図3(A),(B)に示す実施形態及び図4に示す変形例では、複数の電極51,52における算術平均粗さRaが10μm以上であるので、複数の電極51,52のうち陰極として機能する電極の表面において析出したスケールが電極表面から脱落しにくくなる。これにより、スケールが電気分解装置よりも下流側に設けられる水熱交換器に流れ込むのを抑制することができる。しかも、複数の電極51,52における算術平均粗さRaが10μm以上であるので、従来の電極に比べて電極の表面積が大きい。これにより、電気分解時における電極表面の電気抵抗が低減される。
また、図3(A),(B)に示す実施形態及び図4に示す変形例では、複数の電極51,52における算術平均粗さRaが100μm以下である。したがって、電極の近傍を水が流れる際の抵抗が大きくなるのを抑制できる。また、この構成では、塗装、めっきなどの手段を用いて塗膜がコーティングされるによって形成されている場合には、その塗膜の剥がれるなどの不具合が生じにくくなる。
また、図3(A),(B)に示す実施形態及び図4に示す変形例では、予め定められた条件に基づいて、複数の電極51,52の極性が反転する反転制御が実行される。したがって、スケールが付着した陰極は、極性の反転後には陽極として機能する。これにより、電極に付着していたスケールが電極から脱落するので、スケールの付着量が過度に増大して電気抵抗が増大するのを抑制できる。これにより、電気分解に要する消費電力を抑えることができ、また、スケール成分除去性能を高めることができる。
ここで、一般に、ヒートポンプ給湯機では、例えば夜間の低価格の電力を使って沸上げ運転を行うように沸上げ運転のスケジュールが設定されている。すなわち、ヒートポンプ給湯機は、周期的な沸上げ運転のスケジュールに基づいて運転される。また、スケールを電極の表面から除去するために行われる極性の反転は、電極の腐食を早め、電極の寿命を短くする原因となる。したがって、前記電気分解装置をヒートポンプ給湯機に適用する場合には、次のような構成を備えるのが好ましい。
すなわち、水熱交換器21において水を加熱する沸上げ運転のスケジュールに基づいて、沸上げ運転の終了時、次回の沸上げ運転の開始時、又は前記終了時と前記開始時との間に、複数の電極51,52の極性を反転させるのが好ましい。
この構成では、ヒートポンプ給湯機特有の運転周期に基づいて複数の電極51,52の極性反転の制御が実行されるので、沸上げ運転の開始又は終了に関連付けることなく頻繁に(例えば1日に複数回)、複数の電極51,52の極性反転を行う場合に比べて、電極の寿命が短くなるのを抑制できる。すなわち、この構成では、スケールの付着量が過度に増大して電気抵抗が増大するのを抑制しつつ、電極の寿命が短くなるのを抑制できる。すなわち、この構成では、スケールの付着量が過度に増大して電気抵抗が増大するのを抑制しつつ、電極の寿命が短くなるのを抑制できる。また、電極表面の電気抵抗が低減されることにより、電気分解に要する消費電力を抑えることができ、また、スケール成分除去性能を高めることができる。
なお、本発明は、前記実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変更、改良等が可能である。
前記実施形態では、「予め定められた条件」が、ヒートポンプ給湯機11における沸上げ運転のスケジュールに基づいて規定されている場合を例示したが、これに限定されない。例えば、前記反転制御は、予め定められた所定時間毎に実行されてもよい。また、前記反転制御は、電極の電気抵抗を検知する検知部によって検知される電気抵抗値が予め定められた値を超えたときに実行されてもよい。
前記実施形態では、複数の電極51,52が容器47内において上下方向に蛇行する蛇行流路を形成している場合を例示したが、これに限定されない。例えば、複数の電極51,52が容器47内において水平方向などの他の方向に蛇行する蛇行流路を形成する形態であってもよい。水平方向に蛇行する蛇行流路とするには、例えば、図3(A),(B)に示す電気分解装置41を、第5壁部475が下方に位置し、第6壁部476が上方に位置するように配置すればよい。
前記実施形態では、ヒートポンプ給湯機11の水の流路において、ポンプ31よりも下流側で水熱交換器21よりも上流側に位置する入水配管27に電気分解装置41を設ける場合を例に挙げて説明したが、これに限定されない。電気分解装置41は、水の流路において水熱交換器21よりも上流側に設けられていればよい。具体的に、電気分解装置41は、例えばポンプ31よりも上流側の入水配管27に設けられていてもよく、また、給水源からタンク15に水を供給する給水配管37に設けられていてもよい。
前記実施形態では、容器47が略直方体の形状を有している場合を例に挙げて説明したが、これに限定されない。容器47は、直方体以外の角柱形状であってもよく、円柱形状であってもよい。
また、前記実施形態では、一過式の給湯機を例に挙げて説明したが、これに限定されない。本発明は、例えば給湯配管35から給湯された水(湯)の一部が再びタンク15に戻されるタイプの給湯機にも適用することができる。
前記実施形態では、浴槽などへ給湯するための用途でヒートポンプ給湯機11が用いられる場合を例示したが、これに限定されない。ヒートポンプ給湯機11は、タンク15内に貯留された高温の水を暖房用途などに用いる場合にも適用できる。すなわち、ヒートポンプ給湯機11は、水を湯に変えて供給する装置であって、ヒートポンプ式温水暖房機における給湯機として用いることができる。
また、本発明の電気分解装置は、スケール成分を除去する必要がある他の用途、例えば冷却塔、燃焼式の給湯機、電気温水機などの温度調節水供給機(温度調節された水を供給する装置)にも適用することができる。前記冷却塔は、例えば図5に示すように、電気分解装置41と、この電気分解装置41よりも下流側に設けられる水熱交換器21Aとを備える。前記冷却塔では、水熱交換器21Aにおいて、他の装置で発生した熱を搬送してきた流体と熱交換することにより水が加熱される。前記燃焼式の給湯機は、図5に示すように、電気分解装置41と、この電気分解装置41よりも下流側に設けられる水熱交換器21Aとを備える。燃焼式の給湯機では、水熱交換器21Aにおいて燃料用のガスなどを燃焼させることにより得られる熱エネルギーを用いて水が加熱される。また、前記電気温水機は、図5に示すように、電気分解装置41と、この電気分解装置41よりも下流側に設けられる水熱交換器21Aとを備える。前記電気温水機では、水熱交換器21Aにおいて電気エネルギーを用いて水が加熱される。
11 ヒートポンプ給湯機
13 ヒートポンプユニット
15 タンク
17 貯湯ユニット
21 水熱交換器
41 電気分解装置
43 水入口
45 水出口
46 排水口
47 容器
51 第1電極
52 第2電極
13 ヒートポンプユニット
15 タンク
17 貯湯ユニット
21 水熱交換器
41 電気分解装置
43 水入口
45 水出口
46 排水口
47 容器
51 第1電極
52 第2電極
Claims (5)
- 水に含まれるスケール成分を除去するための電気分解装置であって、
水入口(43)及び水出口(45)を有する容器(47)と、
前記容器(47)内に収容され、表面の算術平均粗さ(Ra)が10μm以上である複数の電極(51,52)と、を備える電気分解装置。 - 前記複数の電極(51,52)における前記算術平均粗さ(Ra)は100μm以下である、請求項1に記載の電気分解装置。
- 水を加熱するための水熱交換器(21)と、
前記水熱交換器(21)に送る水に含まれるスケール成分を除去するための請求項1又は2に記載の電気分解装置(41)と、を備えた温度調節水供給機。 - 予め定められた条件に基づいて、前記複数の電極(51,52)の極性を反転させる制御部(33)をさらに備える、請求項3に記載の温度調節水供給機。
- 前記水熱交換器(21)において加熱された水が貯留されるタンク(15)をさらに備え、
前記制御部(33)は、前記水熱交換器(21)において水を加熱した水を前記タンクに貯留する沸上げ運転のスケジュールに基づいて、前記沸上げ運転の終了時、次回の沸上げ運転の開始時、又は前記終了時と前記開始時との間に、前記複数の電極(51,52)の極性を反転させる、請求項4に記載の温度調節水供給機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012079546A JP2013208528A (ja) | 2012-03-30 | 2012-03-30 | 電気分解装置及び温度調節水供給機 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2012079546A JP2013208528A (ja) | 2012-03-30 | 2012-03-30 | 電気分解装置及び温度調節水供給機 |
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JP (1) | JP2013208528A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016014163A (ja) * | 2014-06-30 | 2016-01-28 | 住友金属鉱山株式会社 | カソード及びこれを用いた金属水酸化物の製造方法 |
CN106322750A (zh) * | 2015-06-30 | 2017-01-11 | 青岛经济技术开发区海尔热水器有限公司 | 电热水器 |
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-
2012
- 2012-03-30 JP JP2012079546A patent/JP2013208528A/ja active Pending
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CN106322749B (zh) * | 2015-06-30 | 2019-05-14 | 青岛经济技术开发区海尔热水器有限公司 | 电热水器 |
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