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JP5302483B2 - 水圧転写方法、水圧転写フィルム用塗布剤及び水圧転写品 - Google Patents

水圧転写方法、水圧転写フィルム用塗布剤及び水圧転写品 Download PDF

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Description

本発明は、加飾されるべき物品の表面に水圧転写すべき水圧転写フィルム上の乾燥している印刷パターンの付着性を再現(回復)した後、この印刷パターンを物品に水圧転写する水圧転写方法、この方法に用いられる水圧転写フィルム用塗布剤及びこの方法によって形成された水圧転写品に関するのである。
複雑な三次元的な表面を有する物品の表面を加飾するために、水溶性フィルム(キャリアフィルム)の上に非水溶性の印刷パターンを有する水圧転写フィルムを転写槽内の水面上に浮かばせ、この水圧転写フィルムの水溶性フィルムを水で湿潤させた上で、物品(被転写体)をこの水圧転写フィルムの印刷パターンに接触させながら転写槽内の水中に押入れ、この際に物品の表面に対して発生する水圧を利用して水圧転写フィルムの印刷パターンを物品の表面に転写して装飾層を形成する水圧転写方法が用いられている。
一般的には、水圧転写フィルムは、水溶性フィルム上に印刷パターンが印刷され乾燥されてロール状に巻いて保管されているため、印刷パターンのインクは付着性を失った乾燥状態にあるので、水圧転写前に、水圧転写フィルム上の印刷パターンに活性剤やシンナー等の溶剤を塗布して印刷パターンを印刷直後と同様の湿潤状態にする(付着性を有する状態に戻す)必要があり、この処理は、通常活性化処理と称されている。
このように水圧転写によって物品の表面に形成された装飾層は、耐摩耗性、耐溶剤性、耐薬品性、耐候性等の機械的、化学的に表面保護され、また物品の表面に高い強度で接着して剥離することがないことが要求される。
本出願人は、先に、装飾層の上にトップコート層を施すことなく、装飾層自体に耐摩耗性、耐溶剤性等を付与しつつ装飾層を水圧転写によって形成する発明を提案している(特許文献1乃至3参照)。これらの方法によると、水圧転写フィルムの乾燥している印刷パターンに付着性を再現(回復)する光重合性モノマーの如き非溶剤型の活性化成分を含有する紫外線硬化樹脂組成物を転写フィルムの印刷パターンに塗布してこの紫外線硬化樹脂組成物の活性化成分によって印刷パターンの付着性が再現され、またこの紫外線硬化樹脂組成物が印刷パターンの全体に浸透して印刷パターンと紫外線硬化樹脂組成物とが一体化した状態で印刷パターンが被転写物上に水圧転写されるので、この印刷パターン中の紫外線硬化樹脂組成物が紫外線照射によって硬化すると、印刷パターンによって形成される装飾層に恰も紫外線硬化性が付与された状態と同様となり、この装飾層自体に耐溶剤性、耐摩耗性等の化学的、機械的表面保護機能が付与される。
また、本出願人は、このように水圧転写フィルムに紫外線硬化樹脂組成物を塗布して、乾燥している印刷パターンの付着性を再現し(回復し)、且つこの印刷パターンに紫外線硬化性を付与するために印刷パターンに紫外線硬化樹脂組成物を浸透させ混在させて印刷パターンと紫外線硬化樹脂組成物とを渾然一体化させるのに好適な塗布剤(活性剤)を提案している(特許文献4参照)。
この特許文献4による塗布剤は、水圧転写によって物品の表面に形成された装飾層の強度や耐薬品性の如き物性を向上することができ、また物品表面への当初の付着性を向上して良好な装飾層を得ることができる。
一方、使用者が肌に触れることが多い加飾物品は、その使用感覚を向上するために、触感(肌触り)の良さが要求される。触感は、硬軟感と乾湿感の組合せで様々な態様を有するが、柔軟感やウェット感(湿感又はしっとり感)が優位になると、温かい風合いの感触となる。柔軟感は、指で押した時に表面が変形して指の腹に接触する面積に関係し、接触面積が増えるほど柔軟に感じ、またウェット感は、指紋の奥を刺激されるとしっとり感じることが知られている(特許文献5参照)。
水圧転写によって加飾された物品にこのような柔軟感やウェット感の如き触感を付与するためには、次のような方法が考えられる。
(1)水圧転写品にこのような触感を付与する塗料を含むトップコートを塗布する方法。
(2)転写フィルムの印刷パターンの下にウェット感や柔軟感のある触感付与層を付加する方法。
しかし、転写フィルムの印刷パターンを紫外線硬化樹脂組成物塗布剤で活性化し水圧転写して物品の表面に加飾層を形成する方法は、加飾層自体に耐溶剤性、耐摩耗性等の化学的、機械的表面保護機能が付与されるので、トップコート自体が不要であり、(1)の方法によって柔軟感やウェット感の如き触感を付与することができない。
また、(2)の方法では、転写フィルムは、印刷パターンの下に触感付与層を有して多層構造となるので、転写フィルムの印刷パターンのインクを活性化して水圧転写する際に、印刷パターンがその下の触感付与層によって湿潤状態が変化して印刷パターンの転写に好ましくない影響を与ることが予想され、特に、水圧転写品の表面は触感付与層に覆われるので、印刷パターン自体が有する表面保護機能が触感付与層によって阻害される虞がある。
また、指紋の溝を装飾層表面の微細な凹凸で刺激するウェット感のメカニズムの観点からは、装飾層の表面に微細な凹凸を形成することが好ましいが、このような凹凸を形成するために、転写フィルムの乾燥した印刷パターンを活性剤で活性化する際に、この活性剤中に、木粉、プラスチック粉末、ゴム粉末、無機質粉末、顔料の如き非平滑化剤を混入して転写フィルムの印刷表面にこの非平滑化剤を付着して装飾層に微細な凹凸感を付与する水圧転写方法が提案されている(特許文献6参照)。
しかし、この方法で使用される活性剤は、従来一般的に使用されている溶剤型の活性剤であり、この活性剤は、特許文献1乃至4に示される溶剤を必要としない紫外線硬化樹脂組成物を主成分とする活性剤とは異なり、装飾層に表面保護機能を有しない。従って、表面保護機能を付与するために、装飾層の上にトップコートを施すと、凹凸感がなくなり、凹凸感と表面保護機能との両方を付与することができない。また、このように、トップコートを施すと、凹凸部がトップコートの内部にあって指で押しても凹凸の変形を伴うことがなく、従って装飾層にウェット感と柔軟感とが複合された触感を得ることができなかった。なお、この技術は、例えば、木目模様、大理石模様等の加飾表面に若干の表面凹凸を付与してその上に施されるトップコートを通して感ずる多少の表面粗さによって実際の木材、銘石等の表面に似た触感を得ようとする技術であり、加飾された物品表面の柔軟感やウェット感の如き触感を付与するものではなかった。
また、転写フィルムの印刷パターンを紫外線硬化樹脂組成物塗布剤で活性化し水圧転写して物品の表面に加飾層を形成する方法に特許文献6による技術を適用しようとすると、非平滑化剤は、物品と加飾層の間に介在するため、トップコートが施される従来の水圧転写品に比べて装飾層と物品との密着性が悪くなる上に非平滑化剤の量を多くして凹凸感を大きくするほど加飾層の物品への密着性が低下するので、単純に特許文献6の技術を適用することができなかった。
WO2004/108434号公報 特開2005−14604号公報 WO2005/77676号公報 WO2007/23577号公報 特開2010−120399号公報 特開平06−278269号公報
本発明が解決すべき第1の課題は、水圧転写フィルムの印刷パターンに紫外線硬化樹脂組成物塗布剤を塗布して印刷パターンの付着性を回復し、印刷パターンを物品の表面に水圧転写して物品の表面に装飾層を形成するととともに、この紫外線硬化樹脂組成物を印刷パターン全体に浸透して装飾層の紫外線硬化によって装飾層自体に化学的、機械的な表面保護機能を付与する際に、塗布剤に付加された特別の成分によって装飾層の表面に柔軟感とウェット感とが任意に複合された触感を付与することができる水圧転写方法を提供することにある。
本発明が解決すべき第2の課題は、水圧転写フィルムの印刷パターンに紫外線硬化樹脂組成物塗布剤を塗布して印刷パターンの付着性を回復し、印刷パターンを物品の表面に水圧転写して物品の表面に装飾層を形成するととともに、この紫外線硬化樹脂組成物を印刷パターン全体に浸透して装飾層の紫外線硬化によって装飾層自体に化学的、機械的な表面保護機能を付与する際に、塗布剤に付加された特別の成分によって装飾層の表面に柔軟感とウェット感とが任意に複合された触感を付与することができる水圧転写フィルム用塗布剤を提供することにある。
本発明が解決すべき第3の課題は、水圧転写フィルムの印刷パターンに紫外線硬化樹脂組成物塗布剤を塗布して印刷パターンの付着性を回復し、印刷パターンを物品の表面に水圧転写して物品の表面に装飾層を形成するととともに、この紫外線硬化樹脂組成物を印刷パターン全体に浸透して装飾層の紫外線硬化によって装飾層自体に化学的、機械的な表面保護機能を付与する際に、塗布剤に付加された特別の成分によって柔軟感とウェット感とが任意に複合された触感が付与された装飾層を有する水圧転写品を提供することにある。
(本発明の基本原理)
本出願人は、精意研究の結果、紫外線硬化樹脂組成物塗布剤の活性化成分の硬化後の体積収縮率(以下 単に「体積収縮率」と称する)を特定し、それに特定の割合で特定の樹脂ビーズを配合すると、装飾層に柔軟感とウェット感とが任意に複合された触感を発生するメカニズムを付与することができることを見出し、本発明の基本原理は、このような特定の紫外線硬化樹脂組成物塗布剤を使用して水圧転写することによって自己表面保護機能を有する装飾層に柔軟感とウェット感とを良好に付与することにあり、本発明の以下の第1乃至第3の課題解決手段は、この原理に基づいて提供される。
本発明の第1の課題を解決する手段は、水溶性フィルム上に乾燥された印刷パターンを有する水圧転写フィルムの前記印刷パターン上に光重合性モノマーを少なくとも有する光重合性成分と光重合開始剤とを含む紫外線硬化樹脂組成物塗布剤を塗布し、前記紫外線硬化樹脂組成物の活性化成分により前記印刷パターンの付着性を回復し、前記印刷パターンを物品の表面に水圧転写して前記物品の表面に装飾層を形成し、且つ前記紫外線硬化樹脂組成物塗布剤を前記印刷パターン全体に浸透して前記印刷パターンと前記紫外線硬化樹脂組成物とが混在する一体化層として前記装飾層が前記一体化層によって形成されるようにし、前記装飾層の紫外線硬化によって装飾層自体に化学的、機械的な表面保護機能を付与するようにした水圧転写方法であって、前記塗布剤である紫外線硬化樹脂組成物の前記光重合性モノマーは、3以下の官能基と20%以下の体積収縮率を有し、且つ前記塗布剤は、5〜50μmの平均粒径を有する樹脂ビーズを含み、前記紫外線硬化樹脂組成物と前記樹脂ビーズとは、100重量部対15〜100重量部で配合されていることを特徴とする水圧転写方法を提供することにある。
本発明の第2の課題解決手段は、水溶性フィルム上に乾燥された印刷パターンを有する水圧転写フィルムの前記印刷パターン上に光重合性モノマーを少なくとも有する光重合性成分と光重合開始剤とを含む紫外線硬化樹脂組成物塗布剤を塗布し、前記紫外線硬化樹脂組成物の活性化成分により前記印刷パターンの付着性を回復し、前記印刷パターンを物品の表面に水圧転写して前記物品の表面に装飾層を形成し、且つ前記紫外線硬化樹脂組成物塗布剤を前記印刷パターン全体に浸透して前記印刷パターンと前記紫外線硬化樹脂組成物とが混在する一体化層として前記装飾層が前記一体化層によって形成されるようにし、前記装飾層の紫外線硬化によって装飾層自体に化学的、機械的な表面保護機能を付与するようにした水圧転写方法に用いられる水圧転写フィルム用塗布剤であって、前記紫外線硬化樹脂組成物の前記光重合性モノマーは、3以下の官能基と20%以下の体積収縮率を有し、且つ前記塗布剤は、5〜50μmの平均粒径を有する樹脂ビーズを含み、前記紫外線硬化樹脂組成物と前記樹脂ビーズとは、100重量部対15〜100重量部で配合れていることを特徴とする水圧転写フィルム用塗布剤を提供することにある。
本発明の第1及び第2の課題解決手段において、樹脂ビーズは、−50〜100℃のガラス転移温度(JIS K7121に準拠して測定)を有するのが好ましく、またこの樹脂ビーズは、好ましくは、ポリウレタンビーズであり、この場合、ポリウレタンビーズは、−50〜50℃のガラス転移温度(JIS K7121に準拠して測定)を有するのが好ましい。また光重合性オリゴマーは、40℃以下のガラス転移温度Tgを有するのが好ましい。
本発明の第1及び第2の課題解決手段において、塗布剤は、更に、0.005〜10μmの平均粒子の微粒子シリカを含み、この微粒子シリカは、樹脂ビーズと微粒子シリカとが100重量部対0.5〜10重量部の割合で配合されているのが好ましい。
本発明の第1及び第2の課題解決手段において、塗布剤は、更に、反応性シリコーン系成分を含んでいることが好ましい。
本発明の第1及び第2の課題解決手段において、塗布剤は、更に、ポリオールを含んでいることが好ましい。
本発明の第2の課題解決手段において、塗布剤は、光重合性成分(少なくとも光重合性モノマーである)を含む第1液と非反応性樹脂を含む第2液との2液化形態とし、その他の成分はいずれかの液に配合されていることが好ましい。
本発明の第3の課題解決手段は、第1の課題解決手段によって形成された装飾層を有する水圧転写品を提供することにある。
本発明によれば、転写フィルムの印刷パターンに塗布してこれを活性化し且つ印刷パターン全体に浸透して生成装飾層に化学的、機械的表面保護機能を付与する塗布剤の紫外線硬化樹脂組成物の光重合性モノマーは、3以下の官能基と20%以下の体積収縮率を有し、且つこの塗布剤は、5〜50μmの平均粒径を有する樹脂ビーズを含み、紫外線硬化樹脂組成物と樹脂ビーズとは、100重量部対15〜100重量部で配合ざれているので、樹脂ビーズの特定の平均粒径によって得られる表面凹凸と光重合性モノマーの適正な体積収縮率とによって、トップコートを施すことなく、また転写フィルムを多層構造とすることなく、装飾層にウェット感と柔軟感が任意に複合された触感を付与することができる。
本発明の方法によって実施される水圧転写の概略図である。 本発明の方法によって物品に水圧転写を行う方法の各工程を模式的に示す図面である。 図2の方法によって得られた装飾層を有する物品の拡大断面図であり、装飾層中の樹脂組成物に添加されている樹脂ビーズは、模式的に示されている。 反応性シリコーン成分が添加された塗布剤を用いて図2の方法によって得られた装飾層の表面にシリコーン成分の分子鎖が形成された状態を模式的に示した拡大断面図である。
本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に述べると、図1は、本発明が適用される水圧転写方法を概略的に示し、この水圧転写方法は、印刷パターン40が施された水溶性フィルム(キャリアフィルム)30から成る転写フィルム20を印刷パターン40が上面となるようにして転写槽内の水50上に供給して浮かばせ、水圧転写すべき物品10をこの転写フィルム20を介して水50の中に押し込んで水圧転写する方法である。
水溶性フィルム30は、水を吸収して湿潤し軟化する例えばポリビニールアルコールを主成分とする水溶性材料から成っている。この水溶性フィルム30は、水圧転写時に、転写槽内の水50に触れて軟化し加飾されるべき物品に付き回って、水圧転写を行うことができるようにする。印刷パターン40は、一般的な水圧転写の場合には、水溶性フィルム30の上にグラビア印刷等によって予め施されており、転写フィルムをロール巻き等の状態で保管するために、水圧転写前には、完全に付着性が失われた乾燥固化の状態にある。なお、この印刷パターン40は厳密な意味での模様の他に無地(無模様)の印刷層も含む。
本発明が適用される水圧転写方法は、図2に示すように、物品10に水圧転写する前に(図2A参照)、転写フィルム20の印刷パターン40に紫外線硬化樹脂組成物62を主成分とする塗布剤(活性剤)60を塗布し(図2B参照)、この紫外線硬化樹脂組成物中の非溶剤活性化成分により印刷パターン40の付着性を回復(再現)すると共に印刷パターン40全体(全面積、全厚み)に紫外線硬化樹脂組成物62を浸透し吸収して紫外線硬化樹脂組成物62を印刷パターン40に混在させて水圧転写を行う方法である(図2C参照)。このようにすると、印刷パターン40のインク組成物とこの印刷パターン40に塗布されて印刷パターン40に浸透された紫外線硬化樹脂組成物62とが一体的に混合して紫外線硬化性樹脂組成物混在印刷パターン(一体化層)46が形成される(図2D参照)。
このように紫外線硬化樹脂組成物62によって付着性が回復され、紫外線硬化樹脂組成物62が印刷パターン40の全体に混在して形成された紫外線硬化性樹脂組成物混在印刷パターン46を有する転写フィルム20を物品10に水圧転写した後(図2E参照)、この物品10に紫外線70を照射すると(図2F)、紫外線硬化性樹脂組成物混在印刷パターン46中の紫外線硬化樹脂組成物62が印刷パターン40と渾然一体化して硬化するので、これは、丁度、印刷パターン40自体に紫外線硬化性が付与されるのと同等となる。従って、紫外線硬化性樹脂組成物混在印刷パターン46の転写によって形成された装飾層44は、紫外線硬化樹脂組成物が分散されて紫外線硬化していることによってそれ自体に表面保護機能が有することになる(図3参照)。
図2Fの紫外線70の照射は、紫外線硬化性樹脂組成物混在印刷パターン46が転写された物品10に水圧転写フィルム20の水溶性フィルム30が巻き付いている間に行われるのが好ましく、従って、紫外線照射工程は、図示しないが、物品がまだ水中にあるか、物品が水中から取り出された後であって水溶性フィルムの除去のための水洗作業が行われる前に行われるのが好ましい。なお、紫外線70は、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ等の光源と照射器(ランプハウス)を含む公知の紫外線硬化装置を用いて照射することができる。
その後、図2Gに示すように、シャワー72等によって、物品10を水洗して、物品10に形成された装飾層44(図3参照)の上面を覆っている水溶性フィルム(膨潤溶解フィルム層)を除去し、更に図2Hに示すように熱風74によって表面を乾燥して、物品10の表面に装飾層44が水圧転写された加飾物品12を完成する(図3参照)。
(本発明の塗布剤の構成の説明)
本発明の塗布剤60の主成分である紫外線硬化樹脂組成物62は、紫外線の化学的作用によって比較的短時間に硬化させることができる樹脂であり、特許文献1乃至4に既に記載されているように、用途に応じて、紫外線硬化型塗料、紫外線硬化型インク、紫外線硬化型接着剤等の形態を採り、基本的には、(1)光重合性モノマーを少なくとも有する光重合性成分と(2)光重合開始剤とを含むが、光重合性成分は、光重合性モノマーのほかに、光重合性オリゴマー(プレポリマー)を含むことができ、紫外線照射により硬化する前の液体状態のものであることでは、従来のそれらと同様であるが、本発明の塗布剤は、この紫外線硬化樹脂組成物に所定の樹脂ビーズ62B(図3参照)を添加して形成されていることに特徴がある。なお、この塗布剤は、所定の粘度とインク溶解度を有することが必要であることはもちろんである。
本発明の塗布剤中、複合的な触感付与の観点からすると、紫外線硬化樹脂組成物は、装飾層の柔軟感を付与する役割を有し、一方、樹脂ビーズは、ウェット感を付与すると共に一部には柔軟感にも寄与する役割を有するが、これらの役割は、光重合性成分の体積収縮率と、樹脂ビーズの粒径及びその添加量が後に詳細に述べる特定条件を満足することで達成される。
(塗布剤の主成分である紫外線硬化樹脂組成物)
本発明に用いられる水圧転写フィルム用塗布剤は、紫外線硬化樹脂組成物を主成分とし、紫外線硬化樹脂組成物は、光重合性モノマーを少なくとも有する光重合性成分と光重合開始剤とを含み、光重合性モノマーは、3以下の官能基と20%以下の体積収縮率を有し、且つ塗布剤は、5〜50μmの平均粒径を有する樹脂ビーズを含み、この樹脂ビーズは、紫外線硬化樹脂組成物100重量部に対して15〜100重量部で配合されている。また、光重合性成分は、10以下の官能基を有する光重合性オリゴマーを含むことがより好ましい。なお、紫外線硬化樹脂組成物の光重合性成分は、0〜65重量%の光重合性オリゴマーと30〜95重量%の光重合性モノマーとすることができ、また光重合開始剤は、5〜10重量%の割合で配合することができる。光重合性オリゴマーとしては、アクリル系オリゴマー、ポリエステル系オリゴマー、エポキシアクリレート系オリゴマー、ウレタンアクリレート系オリゴマー等の何れかを単独又は任意に組み合わせを用いることができる。光重合性オリゴマーの体積収縮率は、光重合性モノマーの体積収縮率と同様に20%以下とすることが好ましい。その理由は、この光重合性オリゴマーの体積収縮率が20%を越えると、紫外線硬化後の樹脂組成物が硬くなりすぎて柔軟感が低下するからである。
光重合性モノマーは、インクの溶解力や物品の表面への密着性を維持する役割を有する。また、光重合性モノマーの官能基を3以下としたのは、4以上であると、紫外線硬化後の樹脂組成物が硬くなりすぎて、指で押圧した時に押圧変形し難くなって、柔軟感が低下するからである。紫外線硬化樹脂組成物が光重合性オリゴマーを含んでいない場合には、装飾層の膜強度の観点から、光重合性モノマーは、2官能モノマー単独よりも2官能モノマーと3官能モノマーとの組合せとすることが望ましい。また、光重合性モノマーの体積収縮率を20%以下としたのは、この光重合性モノマーの体積収縮率が20%を越えると、同様に、紫外線硬化後の樹脂組成物が硬くなりすぎ、柔軟感が低下するからである。ここで、光重合性モノマー及び光重合性オリゴマーの体積収縮率は、硬化前の比重σL(JIS K5600−2−4準拠:比重ビンを用いた液中秤量法)と硬化後の比重σs(JIS Z8807−4準拠:液中秤量法)を用いて、
体積収縮率(%)=[1−(σs/σL)]×100
から求められる。なお、σsは、波長365nmのUV光源を用いて、積算光量1558mJ/cm、 ピーク強度302mW/cmで硬化させて得られたものである。
光重合性モノマーの具体例を述べると、例えば、2官能モノマーとしては、1.6ヘキサンジオールジアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレートがある。
光重合性モノマーと光重合性オリゴマーの官能基は、上記の範囲内において、所望の柔軟感に適合する官能基数に設定されるが、最も好ましい官能基数は、光重合性モノマーと光重合性オリゴマーとも2官能基であり、特に、光重合性オリゴマーは、直鎖構造の2官能基樹脂が好ましい。このようにすると、装飾層は、ばねの如き伸縮性を有して一層好ましい柔軟性が付与される。
光重合開始剤は、光重合性オリゴマー及び光重合性モノマーの光重合反応を開始させるためのものであるが、本発明の塗布剤(活性剤)では、紫外線硬化樹脂組成物が乾燥固化しているインクを溶解して印刷パターンに浸透するようにするため、光重合開始剤は、表面硬化型光重合開始剤と内部硬化型光重合開始剤との両方を含んでいるのが好ましい。表面硬化型光重合開始剤としては、例えばヒドロキシケトン系を用いることができ、また内部硬化型光重合開始剤としては、例えばアシルホスフィンオキサイド系を用いることができる。
(塗布剤の添加物である樹脂ビーズ)
塗布剤に添加される樹脂ビーズ62Bの平均粒径を5〜50μmとしたのは、粒径が5μm未満であると、装飾層に触れたときに指紋の溝の底に樹脂ビーズが接触しないため触感不足が発生し、また粒径が50μmを越えると、装飾層の表面が疎の状態にあり、過度な外観不良を生じるからである。なお、樹脂ビーズの粒径は、JIS Z8825−1のレーザー回折法に準拠してレーザー回折式粒度分布測定装置によって測定して平均化した値(中位径:D50)である。また、この樹脂ビーズの好ましい添加量は、紫外線硬化樹脂組成物100重量部に対して15−100重量部であるが、その理由は、本発明の実施例と比較例とを対比しながら詳細に述べる
樹脂ビーズの粒径は、上記の範囲内で、所望のウェット感に適合する値に設定されるが、ウェット感は、装飾層の表面を撫でた時の表面凹凸(図3参照)によって付与されるので、樹脂ビーズの粒径のほかに、その配合量も影響し、従って、装飾層のウェット感は、樹脂ビーズの配合量と粒径とによって調整される。なお、樹脂ビーズの粒径は、種々の粒径の平均値で表わされているが、同じ平均粒径であってもほぼ同一粒径のものよりも、異粒径の樹脂ビーズが混在しているのが好ましい。
既に述べたように、樹脂ビーズ62Bの粒径は、5〜50μmであるが、装飾層は、この樹脂ビーズ62Bの形状が反映されて図3に示すように凹凸が形成される程度の厚みに設定され、それによって良好なウェット感が得られる。
樹脂ビーズ62Bは、既に述べたように、樹脂ビーズ自身が柔軟感を有する成分として、ウェット感の他に柔軟感も付与することができ、このような特性を有する樹脂ビーズは、ポリウレタンビーズであるので、樹脂ビーズとしてポリウレタンビーズを用いるのが特に好ましい。
(塗布剤の他の添加物である微粒子シリカ)
本発明の塗布剤は、平均粒径が0.005〜10μmの微粒子シリカを添加することができる。この微粒子シリカの配合割合は、樹脂ビーズ100重量部に対して0.5〜10重量部に設定されるのが好ましい。この微粒子シリカは、艶消し剤として機能するが、更に塗布剤にチキソトロピック性を付与することができる。この微粒子シリカのチキソトロピック性は、塗布剤中で複数の樹脂ビーズを塊状に集合して形成されたビーズ群(ビーズランプとも称する)の形態で装飾層と被転写物との間に配置して、樹脂ビーズの添加量を増やすことなく微細凹凸を形成することができ、紫外線硬化樹脂組成物による柔軟感とウェット感とが複合された触感を付加的に増進することができる。
微粒子シリカの平均粒径を0.005〜10μmとしたのは、平均粒径が0.005μm未満では塗布剤の増粘性が高くなって塗布剤の塗布作業が困難となるからであり、また平均粒径が10μmを越えると、塗布剤のチキソ性がなくなって同様に塗布作業が困難となるからである。微粒子シリカの粒径の数値は、SEM又はTEM(透過型電子顕微鏡)で粒子が視認できる倍率の画像において、ランダムに選択した1000個の微粒子シリカの粒子画像のそれぞれ輪郭の最長径を測定し、相加平均して得られた数値である。微粒子シリカの配合量を0.5〜10重量部としたのは、配合量が0.5重量部未満であると、樹脂ビーズを集合させる作用が小さくなり、樹脂ビーズの添加量を増やすことなく柔軟感とウェット感とが複合された触感を付与する機能を発揮することができないからであり、また配合量が10重量部を越えると、増粘性が高くなって塗布剤の塗布作業が困難となるからである。
(紫外線硬化樹脂組成物と樹脂ビーズのガラス転移温度)
紫外線硬化樹脂組成物と樹脂ビーズのガラス転移温度Tgは、装飾層の柔軟感を調整する要素となるが、印刷パターンを水圧転写する際の印刷パターンの転写性を損なわないように、設定される。紫外線硬化樹脂組成物のガラス転移温度Tgは、光重合性成分のガラス転移点Tgによって調整されるが、光重合性オリゴマーを含ませてこの光重合性オリゴマーのガラス転移温度によって調整するのが好ましく、この光重合性オリゴマーのガラス転移温度は、40℃以下に設定され、また樹脂ビーズのガラス転移温度は、−50〜100℃に設定されるのが好ましい。なお、これらのガラス設定温度の値は、JIS K7121に準拠したDSC法による値である。ただし、DSC法で明確なガラス転移が観測されない場合には、JIS K7121に準拠したTMA法の値とする。
光重合性オリゴマーのガラス転移温度Tgを40℃以下に設定すると、硬化後の紫外線硬化樹脂組成物の伸縮性が得られるため、装飾層を押したときの変形量が大きくなって、一層柔軟な感触を付与することができ、柔軟感の調整が容易となる。光重合性オリゴマーのガラス転移温度Tgが低いほど、装飾層に柔軟な感触が付与されるため、このガラス転移温度Tgが低いほど好ましく、特に、0℃以下が一層好ましい。
また、樹脂ビーズのガラス転移温度Tgを−50〜100℃に設定すると、装飾層を押したときに変形し易く、装飾層に柔軟な感触を付与することができるとともに、紫外線硬化樹脂組成物塗布剤の塗工性にも関係し、転写フィルムに紫外線硬化樹脂組成物塗布剤を容易に塗布することができる。樹脂ビーズのガラス転移温度が−50℃未満であると、装飾層の柔軟性の向上によってウェット感に複合される柔軟性が更に増した触感が付与されるが、硬化前の紫外線硬化樹脂組成物塗布剤中の樹脂ビーズの吸油性が大きいことに起因して、紫外線硬化樹脂組成物塗布剤の粘度が上昇する傾向があるため、転写フィルムへの塗工性や転写フィルムの伸展性が低下し、物品への転写性が低下する場合がある。また樹脂ビーズのガラス転移温度が100℃を越えると、樹脂ビーズの硬度が高くなるので、柔軟感付与作用が低下する。従って、樹脂ビーズのガラス転移温度は、上記範囲に設定するのが好ましい。なお、樹脂ビーズがポリウレタンビーズである場合には、そのガラス転移温度Tgは、その下限値が更に低い−50〜50℃とすることが好ましい。
光重合性オリゴマーと樹脂ビーズのガラス転移温度Tgがいずれも30℃以下であると、転写フィルムの印刷パターン、即ち生成装飾層の柔軟性が相乗的に良好となり、柔軟感を付与するのに好ましい。なお、紫外線硬化樹脂組成物の光重合性モノマーのガラス転移温度Tgは、光重合性オリゴマーと同様の範囲に40℃以下に調整することが好ましい。ただし、JIS K7121に準拠したDSC法やJIS K7121に準拠したTMA法において、光重合性モノマーのガラス転移が明確に観測されない(ガラス転移温度が特定できない)場合があるが、本発明は、このような光重合性モノマーを用いることを排除するものではない。
(塗布剤の更に他の添加物である可塑剤)
本発明において、硬化後の紫外線硬化樹脂組成物に柔軟性を付与するために、紫外線硬化樹脂組成物に可塑剤を添加することによって装飾層の柔軟感を補足することができる。この可塑剤は、水圧転写物品の装飾層に求められる基本的な物性を著しく損なうことなく柔軟性を付与することができるものであれば、特に限定されないが、ジブチルフタレート(DBP)などのフタル系や、マレイン酸系、リン酸系、アジピン酸系など公知のものを使用することができる。可塑剤の添加量は、装飾層の基本物性と柔軟性のバランスに応じて適宜調整される。
(塗布剤の更に他の添加物である反応性シリコーン成分その1)
本発明において、硬化後の紫外線硬化樹脂組成物に付与される柔軟性を補足するために、反応性シリコーン系成分を添加することができる。反応性シリコーン成分は、未硬化の紫外線硬化樹脂組成物よりも比重が小さいため、塗布剤の塗布、印刷パターンの転写後に装飾層の表面に移行し、硬化後の装飾層の表面に紫外線硬化樹脂組成物と反応性シリコーン成分との反応層が形成されるため、一層柔軟感のある感触を得ることができる。このように柔軟性を補足するのに好ましい反応性シリコーン成分の具体例としては、両末端に有機官能基を有したシリコーン成分があるが、両末端に有機官能基を有したシリコーンオイルが一層好ましい。両末端に有機反応基を有するシリコーン成分を用いると、図4Aの符号81で示すように、シリコーン成分の両末端の官能基と紫外線硬化樹脂組成物とが反応して、硬化後の装飾層の表面付近に、両末端が装飾層と結合したアーチ状のシリコーン分子鎖80が形成され、図4Bに示すように、指Fが装飾層44に触れたときに、このアーチ状のシリコーン分子鎖80の撓みと復元とによるスプリング作用が装飾層44に付与されて、装飾層44に柔軟感のある感触を生じるものと考えられる。両末端の官能基は、紫外線硬化樹脂組成物と反応性を有し、本発明の効果を阻害しないものであれば、特定のものに限定されないが、例えば、紫外線硬化樹脂組成物がアクリレート系である場合には、アクリレート系の官能基を有するシリコーン成分を用いるのが好ましい。
(塗布剤の更に他の添加物である反応性シリコーン成分その2)
また、装飾層の表面に前記シリコーン成分と紫外線硬化樹脂組成物との反応層が形成されると、表面の摩擦係数が小さくなってスリップ性が付与されるため、装飾層の耐摩擦性が向上する効果がある。この場合、ジメチル基が多く直が長い構成のシリコーン成分を用いるのが効果上一層有利である。更に、この反応層は、装飾層の表面にシリコーンの濡れ性を付与するため、防汚性や耐汗性の効果が付加的に発生する。なお、反応性シリコーン成分は、その直鎖に他の物性を付加できる官能基を有したものであってもよい。例えば光重合性成分(光重合性モノマー又は光重合性オリゴマーと光重合性モノマーの両方)がアクリル系である場合に、直鎖にメタクリル基を有するメタクリル変性シリコーンオイルを用いると、メタクリル変性シリコーンオイルと光重合性成分との架橋反応が進むため、装飾層の耐熱性や耐光性を向上することができる。
(塗布剤の更に他の添加物である反応性シリコーン成分その3)
反応性シリコーン成分の添加量は、上記効果が得られる範囲で適宜設定することができるが、添加量が多すぎると、装飾層と物品(被転写体)との密着性が低下するので好ましくなく、その好ましい添加量は、具体的には、紫外線硬化樹脂組成物に対して0.1〜15重量部の範囲である。
(柔軟感とウェット感との付与のまとめ)
上記の通り、紫外線構成樹脂組成物の成分と樹脂ビーズとの協働によって柔軟感とウェット感のバランスを適宜調整した触感を装飾層に付与することができるが、例えば、大きな柔軟感を求める場合には、紫外線硬化性樹脂組成物の硬化物及び/又は樹脂ビーズの両方が柔軟になるように構成することができ、また大きなウェット感を求める場合には、樹脂ビーズの大きさと添加量を本発明の上記の特定の範囲内で調整して指紋溝にフィットし易い微細な凹凸を形成することができる。本発明の塗布剤は、塗膜の密着性を損なうことなく、柔軟感とウェット感とが複合された触感を装飾層に付与することができるので、紫外線硬化樹脂浸透による自己表面保護機能を有してトップコートを必要とすることがない装飾層に柔軟感とウェット感とを任意に組み合わせた触感を付与することができる。
(樹脂ビーズ脱落防止策その1)
装飾層が擦られた際に樹脂ビーズが脱落するのを防止するために、即ち、装飾層の耐擦過性を向上するために、樹脂ビーズは、表面に水酸基(OH基)結合の末端を有するものとし、且つ紫外線硬化樹脂組成物にイソシアネート基を有する成分を添加する形態とすることが好ましい。この理由は、次のように推察される。即ち、樹脂ビーズ表面の水酸基は、イソシアネート基(NCO基)を有する成分のイソシアネート基と反応してウレタン結合して樹脂ビーズに連結した分子鎖を形成するので、この分子鎖が光重合性成分の架橋構造に絡むことによって、装飾層に樹脂ビーズが一層強固に固定される。イソシアネート基を有する成分は、光重合性のないイソシアネートであってもよいし、イソシアネート変性した光重合性成分であってもよい。後者の場合には、紫外線硬化樹脂成分と樹脂ビーズがウレタン結合により化学的に結合する。イソシアネート基を有する成分との協働に関連して、樹脂ビーズの水酸基の数が多いほど、樹脂ビーズの脱落防止効果が大きくなるので、装飾層の形成や物性を阻害しない範囲で適宜の大きな水酸基数に調整することができる。イソシアネートの添加量は、表面に水酸基(OH基)数に応じて適宜設定されるが、水酸基数に対するイソシアネート基数の比は、概ね1以上が好ましく、特に、1.5倍以上となるように設定することが一層好ましい。
(樹脂ビーズ脱落防止策その2)
更に、紫外線硬化樹脂組成物には、上記のイソシアネート基を有する成分のほかに、ポリオールを添加してもよい。ポリオールは、イソシアネート基とウレタン反応するため、ポリオールが連結して樹脂ビーズに一層長い分子鎖を形成するので、この分子鎖が光重合性成分の架橋構造により絡みやすくなって、樹脂ビーズの脱落防止効果を一層向上することができる。また、ポリオールは、水酸基の数が多いほど(官能数が多いほど)、イソシアネート成分との反応点を増加して分子鎖が光重合性成分の架橋構造に一層複雑に絡みやすくなり、樹脂ビーズの脱落防止効果がさらに向上するとともに、装飾層の機械物性の向上にも効果的である。更に、ポリオールが分岐型ポリオールであると、一層複雑な架橋構造を形成することができるので、樹脂ビーズの脱落防止効果と装飾層の機械的物性の向上に特に効果的であり、その分岐数(側鎖の数)が多いほど(分岐数が増えるほど水酸基数も多くなる)その効果が大きくなる。即ち、ポリオールが分岐型であって例えば10官能(水酸基数が10)以上と官能数が多いと、両者の相乗効果で、脱落防止の効果が一層顕著となる。なお、この場合、イソシアネート添加量は、樹脂ビーズの水酸基数とポリオールの水酸基数の和に対するイソシアネート基数の比率が1以上となるように設定することが好ましい。
(樹脂ビーズ脱落防止策その3)
また、上記の第1の防止策とは異なって、紫外線硬化樹脂の光重合性成分の一部に水酸基を導入し、紫外線硬化樹脂組成物に添加されるイソシアネート基を有する成分を仲介して樹脂ビーズと光重合性成分をウレタン結合によって連結する構造としてもよい。このウレタン反応は、紫外線硬化後の加熱によって行ってもよいし、紫外線照射時に発生する熱を利用するか、紫外線照射と同時に加熱して、紫外線硬化と同時に反応させてもよい。
(樹脂ビーズ脱落防止策追記)
第1乃至第3の防止策におけるイソシアネート及び第2の防止策におけるポリオールの成分は、樹脂ビーズの脱落防止効果が得られれば、特に限定されないが、イソシアネートは、ビューレット反応型が特に脱落防止効果に優れるので好ましく、またポリオールは、ポリカーボネート系が耐加水分解性の観点から好ましい。
(塗布剤の具体的構成例)
塗布剤の具体的な配合成分と配合割合は、以下の通りであるが、添加剤A〜Cは、単独または組み合わせて使用する。
(I)紫外線硬化性樹脂組成物 100重量部
(内訳)
紫外線硬化性樹脂組成物は次の成分(1)〜(3)を以下の割合で含んでいる。
(1)光重合性オリゴマー 0〜65重量%
(2)光重合性モノマー 30〜95重量%
(3)光重合開始剤 5〜10重量%
なお、この紫外線硬化樹脂組成物は、下記の(4)〜(6)の添加物を含んでいてもよいが、これらの添加物の量の配合割合は、(1)〜(3)の合計(100重量%)に対する割合である。従って、添加物を含む紫外線硬化樹脂組成物全体の重量%は、100重量%を越えることになる。
(4)非反応性樹脂 2〜12重量%
(5)耐光性付与剤
UV−A 0.5〜8重量%
HALS 1.5〜3.5重量%
(6)レベリング剤 0.01〜0.5重量%
(7)溶剤 5〜50重量%

(II)樹脂ビーズ 15〜100重量部

(III)添加物A(耐摩耗性改良剤)
樹脂ビーズが水酸基付与されて表面変性されている場合
(8)イソシアネート基を有する成分
樹脂ビーズ表面の水酸基数に対するイソシアネート基数の比が1以上となる配合量
(9)ポリオール
装飾層の膜物性を損なわない範囲の添加量

(IV)添加物B(樹脂ビーズ集合剤)
(10)微粒子シリカ 樹脂ビーズ100重量部に対して12.5〜37.5重量部

(V)添加物C(柔軟性補強剤兼耐摩耗性改良剤)
(11)両末端反応性シリコーン成分
(I)の紫外線硬化樹脂組成物に対して0.1〜15重量部
上記の具体的配合成分中、任意添加物である(4)の非反応性樹脂は、アクリルポリマーとすることができ、この非反応性樹脂は、水圧転写して形成された装飾層の機械特性や化学特性等の物性と、被転写物と装飾層の密着性とを両立させる作用を有する。また、(5)の耐光性付与剤は、紫外線吸収剤(以下UV−Aと称する)やヒンダードアミン系光安定剤(以下HALSと称する)を含むことができ、上記の特定の範囲の配合割合において、密着性を維持しつつ耐光性を向上することができる、更に、(6)のレベリング剤は、装飾層の密着性を損なうことなく塗布剤の流動性を調整することができる。
(付加的に添加される溶剤について)
本発明の塗布剤は、塗布剤を塗工し易い粘度に調整する目的と添加物である非反応性樹脂を分散させる目的で溶剤を含んでいてもよい。この塗布剤に含まれる「溶剤」は、塗布剤の主成分である紫外線硬化樹脂組成物の光重合性モノマーによる印刷パターンの活性化を阻害することがない特性(印刷パターンに対する溶解力)と添加量とで使用されるべきであることを理解すべきである。溶剤系塗布剤(活性剤)と紫外線硬化樹脂組成物の非溶剤性活性化成分との根本的な相違は、前者の活性剤では塗布後に溶剤成分が揮発するため、インクの付着性の再現による可塑状態が経時的に変化するが、後者の塗布剤(本発明で用いられる活性剤成分)では揮発することがない光重合性モノマー成分でインクの付着性を再現するので、インクの可塑状態が変化することがないことである。本発明の活性剤は、その光重合性モノマーの配合量が特定の範囲であれば、上記の条件を満たす範囲で溶剤が共存していてもインクの可塑状態を損なうことがない。このような目的の溶剤の好ましい添加量は、紫外線硬化製樹脂組成物のうち、光重合性オリゴマーと光重合性モノマーと光重合開始剤との合計に対して、5重量%〜50重量%である。
(転写フィルムのインク中に樹脂ビーズを添加することについて)
本発明において、本発明の塗布剤中に添加するのと同じ成分の樹脂ビーズを含むインクから形成した印刷パターンを有する転写フィルムを用いてもよく、このような転写フィルムを用いると、塗布剤による触感付与効果を補足的に向上させることができる。この場合、塗布剤中の樹脂ビーズの添加量を減量すると、塗布剤の粘度を低く調整することができるので、塗布剤の塗工性を向上することができ、また転写フィルム側にも樹脂ビーズが添加されているので、塗布剤の塗布量を少なくしても触感を低下させることはない。
(貯蔵形態について=2液化についてその1)
本発明の塗布剤において、装飾層に柔軟な感触を付与するために添加される樹脂ビーズは、従来の艶消し用に添加される樹脂ビーズと異なり、ガラス転移温度Tgが低く、吸油性が高く、艶消し剤として使用する場合に比べて添加量が多いため、塗布剤を高温雰囲気の如き劣悪環境下で貯蔵すると、塗布剤が増粘、固化することが懸念される場合には、樹脂ビーズを第1液から分離して第2液に添加して貯蔵するとこのような懸念が解消されるのが好ましい。この貯蔵形態とすると、使用時に樹脂ビーズの添加量を調整することができるので、塗布剤による所望の触感付与効果に調整することができる付加的な効果がある。
(貯蔵形態について=2液化についてその2)
このような貯蔵及び使用形態では、樹脂ビーズを含む第2液は、第1液への混合操作における分散性や作業性を容易とするために、反応性の低い溶剤に分散させてペースト状もしくは液状としておくが、分散性を高めるために公知の分散剤を添加してもよい。反応性の低い溶剤としては、長鎖炭化水素系の混合溶剤やミネラルスピリットの如き塗料用の溶剤等を用いることができるが、この溶剤は、塗布剤の主成分である紫外線硬化樹脂組成物の光重合性モノマーによる印刷パターンの活性化を阻害することがない特性(印刷パターンに対する溶解力)と添加量の範囲で適宜選択して調整することが必要である。また、樹脂ビーズが種類や性状が異なる複数の樹脂ビーズの組み合わせである場合には、第2液にこれらの複数の樹脂ビーズを混合してもよいし、各樹脂ビーズ毎にペースト状もしくは液状に分けた複数の第2液(例えば第2A液、第2B液など)としてもよい。複数の第2液とした場合には、これらを混合して使用する際に、異なる樹脂ビーズが分散された複数の第2液の混合割合を調整すると、活性剤中の樹脂ビーズの粒度分布やガラス転移温度の如き構成を適宜に設定することができるので、塗布剤による触感の程度を一層細かく調整することができる。なお、貯蔵時の不具合が生じない範囲で、第2液に配合されるべき樹脂ビーズと同一の樹脂ビーズ、もしくは第2液に分散されるべき樹脂ビーズと形状、性状、材質の少なくともいずれかが異なる樹脂ビーズを第1液に配合しておいてもよい。なお、本発明の塗布剤に非反応性樹脂が添加される場合には、非反応性樹脂は、温度が高くなると、紫外線硬化樹脂組成物の熱重合を誘発することがあるため、2液化の形態とする場合には、非反応性樹脂は第2液に配合しておくことが好ましい。
以下に、本発明による44の具体的な実施例を6つの比較例と比較しながら説明する。表1乃至6は、本発明の実施例や比較例に用いた種々の成分を示し、表1及び表2は、紫外線硬化性樹脂組成物A(オリゴマー/モノマー系)及びB(モノマー系)、表3は、6つの異なるオリゴマー銘柄、表4は、6つの異なるモノマー銘柄、表5は、12の異なる樹脂ビーズの銘柄、表6は、付加的な添加物である5つの異なる微粒子シリカの銘柄を示す。表1及び表2の組成物中のオリゴマーモノマーは、表3及び表4の銘柄から選択して調整した。なお、実施例、比較例中で、組成物の粘度が高くなる配合である場合には、溶剤としてブチルカルビトールアセテートを添加した(表7以降の実施例4、17、19、32、比較例4,6参照)。
Figure 0005302483
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表1乃至6には記載がないが、実施例20〜23、33,35、36では付加的な添加物(B)であるイソシアネート成分として旭化成ケミカルズ社製 デュラネート(登録商標)TPA−100を添加し、また実施例33、35、36では、イソシアネートのほかに、同じく付加的な添加物(B)であるポリオールとして旭化成ケミカルズ社製 デュラノール(登録商標)T5652(ポリカーボネートジオール)を添加し、実施例43では、ポリオールとして6官能(水酸基数が6)の分岐型ポリオールであるPerstorp社製 Boltorn(登録商標)H2004(ポリエステルポリオールデンドリマー化合物)を、実施例44では、16官能(水酸基数が16)の分岐型ポリオールであるPerstorp社製 Boltorn(登録商標)H20(ポリエステルポリオールデンドリマー化合物)を添加した。また、実施例37〜39では、添加物(C)である反応性シリコーン系成分として、信越化学工業社製X22−1602を添加した。
Figure 0005302483
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Figure 0005302483
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表7乃至表11は、本発明の実施例による塗布剤の主成分と添加成分と評価とを示し、また表12は、比較例による塗布剤の主成分と添加成分と評価とを示し、「評価」は、塗布剤の塗工性とこの塗布剤を用いて水圧転写して得られた物品の装飾層の柔軟感、ウェット感、耐摩耗性(樹脂ビーズの脱落防止効果)と物品の表面に対する密着性とを含んでいる。本発明の実施例中、実施例34乃至36の塗布剤がモノマー系(オリゴマーを含まないもの)紫外線硬化性樹脂Bを用いており、それ以外の実施例1乃至33の塗布剤は、オリゴマー/モノマー系の紫外線硬化性樹脂組成物Aを用いた。表7乃至11から解るように、同じ紫外線硬化性樹脂組成物A、Bを用いた2つの実施例群内でも紫外線硬化性樹脂組成物A、Bの成分(光重合性オリゴマー及び/又は光重合性モノマー)、樹脂ビーズの成分、粒径、ガラス転移温度、配合量を本発明の特定の範囲内で実施例毎に種々変えた。また、実施例1乃至19の塗布剤は、何らの付加添加物を有しないが、実施例20乃至36並びに実施例43、44は、添加物A(耐摩耗性改良剤)又はB(樹脂ビーズ集合剤)の一方又は双方を添加し、実施例37乃至39の塗布剤は、添加物C(反応性シリコーン系成分)を添加した。実施例41、42は、それぞれ実施例2、34において、樹脂ビーズを除く成分からなる第1液と、樹脂ビーズ重量に対して50重量%のミネラルスピリットと樹脂ビーズが混合、分散された第2液とに分液化して形態の実施例であり、これらの実施例では、使用時に第1液と第2液とを混合、拡散して塗布剤とした。一方、比較例は、すべてオリゴマー/モノマー系の紫外線硬化性樹脂組成物Aを用いたが、紫外線硬化性樹脂組成物Aの成分(光重合性オリゴマー及び/又は光重合性モノマー)、樹脂ビーズの成分、粒径、ガラス転移温度、配合量をいずれかの条件が本発明の特定条件から外して比較例毎に種々変えた。なお、これらの実施例で樹脂ビーズの粒径は、JIS Z8825−1のレーザー回折法に準拠してレーザー回折式粒度分布測定装置(島津製作所 SALD−2000J)によって測定して平均化した値(中位径:D50)、また、微粒子シリカの粒径は、TEM(日立ハイテク社製 H−8100)を用いて計測した値であった。
実施例1乃至44及び比較例1乃至6の塗布剤を用いて次のような方法で水圧転写が行われた。
(i)転写フィルム
本出願人である株式会社タイカが水圧転写技術のライセンス先に「ムーンマカサー×ピケ」(MOON MACASSER × PIQUE)と称する商品名で販売している木目パターンの転写フィルムを用いた。
(ii)塗布剤の塗工
塗布剤は、(i)の転写フィルムに10μmの厚みにミヤバー法で塗布した。
(iii)被転写体
被転写体である物品としては、10cm×20cm×3mmのABS樹脂製の平板(ユーエムジー・エービーエス株式会社製 TM20)が用いられ、この物品に、図2に示す工程順で水圧転写した。
表7−11の評価の各項は、次のようにして設定された。
(1)塗工性
転写フィルムを転写槽内に導入する直前に、各活性剤をミヤバー塗布方法によって転写フィルムの印刷パターン上に約20μmの厚みで塗布したときに、塗布作業性(塗布し易さ)が良好な場合を「○」、塗布作業性は劣るが実用の範囲で塗工可能な場合を「△」、転写フィルムへの塗布が困難な場合を「×」とした。
(2)柔軟感
本発明の実施例の塗布剤に代えて、大橋化学工業株式会社製の商品名「ユービックSクリアーHE」と称する無溶剤型の紫外線硬化樹脂組成物から成る塗布剤(従来技術による塗布剤)を用いて実施例と同様の転写フィルムと加工条件で被転写体に水圧転写して形成されて柔軟感が付与されていない装飾層を有する水圧転写品(ブランク品)を0ポイントとし、また市販の柔軟感付与塗料(ハニー化成社製 製品名「ハニソフト」)を実施例の被転写体と同じ物体の表面に25μm塗布し、乾燥して物体の表面に直接柔軟層を形成した物品を10ポイントとして、被験者10名が各試料(実施例及び比較例による水圧転写品、以下同じ)に触れたときに各被験者が感じる柔軟感をポイント数で表現してもらい、10人の平均点(小数点以下切捨て)が、6〜10ポイントを「◎」、5〜3ポイントを「○」 、2〜1ポイントを「△」、0ポイントを「×」として評価した。
(3)ウェット感
同じく、本発明の実施例の塗布剤に代えて、大橋化学工業株式会社製の商品名「ユービックSクリアーHE」と称する無溶剤型の紫外線硬化樹脂組成物から成る塗布剤(従来技術による塗布剤)を用いて実施例と同様の転写フィルムと加工条件で被転写体に水圧転写して形成された、装飾層にウェット感が付与されていない水圧転写品(ブランク品)を0ポイントとし、市販のウェット感付与塗料(大橋化学工業社製 製品名「ラビフレックス」)を実施例の被転写体と同じ物体の表面に25μm塗布し、乾燥して物体の表面に直接ウェット層を形成した物品を10ポイントとして、被験者10名が各試料に触れたときに各被験者が感じるウェット感をポイント数で表現してもらい、10人の平均点(小数点以下切捨て)が、6〜10ポイントを「◎」、5〜3ポイントを「○」 、2〜1ポイントを「△」、0ポイントを「×」と評価した。
(4)耐摩耗性
テスター産業株式会社製のテーバー磨耗試験機を用いて磨耗輪CS−10、荷重4.9N、回転数60rpmの条件でテーバー磨耗試験を行い、100回目の回転終了時と200回目の回転終了時の各試料の表面を顕微鏡(200倍)で観察し、200回目の回転終了時でもビーズの脱落がない場合を◎、200回目の回転終了時に樹脂ビーズの脱落が生じるが、100回目の回転終了時には樹脂ビーズの脱落がない場合を「○」、100回目の回転終了時に樹脂ビーズの脱落が発生した場合を「×」と評価した。
(5)密着性
実施例及び比較例のそれぞれの水圧転写品(試料)ついて、セロテープ(登録商標)(ニチバン製)を用いて、試料毎にクロスカット試験(旧JIS K5400−8.5準拠)で剥離状態を観察して密着性をそれぞれ評価した。いずれの水圧転写品でも装飾層(印刷パターンが転写されたもの)の剥がれ全くない場合を「○」、装飾層の剥がれがある場合を「×」とした。
次に、本発明の実施例と比較例とを対比しながらその評価を述べると以下の通りである。
(1)実施例1〜3、14と比較例5、6の評価から、本発明の樹脂ビーズの粒径の範囲で良好な柔軟感とウェット感が得られることが解る。
(2)実施例17を除く実施例1〜16、18〜36と実施例17の評価の比較、特に実施例17と同じ成分を用いた実施例2〜5及び15、16と実施例17の評価の比較から、樹脂ビーズのガラス転移温度が−50〜100℃の範囲内で好ましい柔軟感付与の効果が得られ、特に実施例2、4、5の評価と実施例16,17の評価の比較から、ガラス転移温度−50〜50℃の範囲のポリウレタンビーズを用いると、一層好ましい柔軟感とウェット感が得られたことが解る。なお、表8において、実施例15と実施例17の塗工性評価結果がともに「×」となっているが、この評価の際に、実施例15に比べて実施例17の方が著しく塗工性が悪かったことが確認されている。これは、実施例17のように、樹脂ビーズのガラス転移温度が−50℃未満であると、硬化前の紫外線硬化樹脂組成物塗布剤中の樹脂ビーズの吸油性が大きいことに起因して、紫外線硬化樹脂組成物塗布剤の粘度が上昇したためである。
(3)実施例9を除く他の実施例1〜8,10〜33と実施例9の評価の比較から、特に実施例7と実施例9の評価の比較から、オリゴマーのガラス転移温度が40℃以下であると、柔軟感付与が特に効果的に得られることが解る。
(4)実施例9,10以外の実施例と実施例9,10の評価の対比から、オリゴマーの官能基数が低いほど柔軟感が良好であることが解るが、実施例9,10から解るように、オリゴマーの官能基数が10以下であれば、柔軟感にやや低下があっても実用上支障がない。
(5)実施例2、11と比較例1の評価から、モノマーの官能基数は3以下で好ましい触感(柔軟感やウェット感)が得られることが解る。
(6)実施例1〜33と比較例2の評価の比較から、特に、実施例12と比較例2の評価の比較から、モノマーの体積収縮率は20%以下が好ましいことが解るが、実施例13からこの体積収縮率は、小さいほうが好ましく、0%が理想値であることが解る。
(7)実施例1〜39の評価と比較例3、4の評価とを対比すると、樹脂ビーズの添加量は、紫外線硬化樹脂組成物100重量部に対して15〜100重量部であるのが好ましいことが解る。
(8)実施例1〜19と実施例20〜22の評価を対比すると、表面にOH基を有する樹脂ビーズとイソシアネートとを組み合わせることによって、樹脂ビーズの脱落が効果的に防止されて、耐摩耗性が向上することが解る。
(9)実施例23のように、ポリオールを付加的に添加しても、実施例20〜22と同様に、耐摩耗性を効果的に向上させることができたことが解る。また、実施例23のポリオールに代えて、6官能の分岐型ポリオールを添加した実施例43と、16官能の分岐型ポリオールを添加した実施例44は、いずれも摩耗性評価が、実施例23と同様に「◎」評価であることから分岐型ポリオールでも耐摩耗性の向上に有効であることが解る。また表9及び11には記載していないが、摩耗性試験の回数を400回にすると、実施例23と43ではビーズの脱落が観察されたが、実施例44ではビーズの脱落が見られなかったことから、分岐型ポリオールでも分岐数および官能基数(水酸基数)が多いほうが耐摩耗性に対して効果的であることが解る。
(10)実施例18の成分をベースにしてこれに微粒子シリカを添加すると、樹脂ビーズの添加量を低減しても優れた柔軟感とウェット感が得られたことが解る(実施例18、実施例24〜32の対比参照)。
(11)実施例26と実施例27とを対比すると、微粒子シリカの粒径が10μmを越えると、柔軟感、ウェット感ともに減少して好ましくなく、一方、実施例24の評価から、微粒子シリカの粒径は、現存する0.007μmでも好ましい触感を維持しつつ実用上支障ない塗工性が得られることが解り、これから微粒子シリカの粒径は、0.005μmが下限値であり、それ未満は塗工性の実用上に支障があると推察される。実施例24〜30と実施例31、32との柔軟感とウェット感の評価から微粒子シリカの好ましい添加量が樹脂ビーズ100重量部に対して12.5〜37.5重量部であることが解る。
(12)実施例25と実施例33の対比から、実施例33のように、OH処理されたイソシアネートが用いられると、微粒子シリカ添加系においても水酸基処理された樹脂ビーズとイソシアネートとの組合せによる耐摩耗性効果が得られることが解る。
(13)実施例2、23、33と、実施例34、35、36とを対比すると、他の成分が同じとすると、オリゴマー/モノマー系の紫外線硬化樹脂組成物(A)とモノマー系の紫外線硬化性樹脂(B)のいずれであっても同様の効果が得られることが解る。
(14)比較例において、光重合性モノマーの官能基数が3を越えたり(比較例1)、その体積収縮率が20%を越えたり(比較例2)、樹脂ビーズの配合量が樹脂組成物100重量部に対して15重量部未満であったり(比較例3)、100重量部を越えたり(比較例4)すると、いずれかの評価が悪く、これらの比較例は、本発明の実施例が期待する評価が得られない。
(15)実施例2と実施例37〜39とを比較すると、他の成分を同じとして実施例37〜39のように反応性シリコーン成分を添加すると、表面のスリップ性が向上し、耐摩耗性の向上が見られたことが解る。また、これらの実施例の柔軟感やウェット感の評価結果は同じであるが、実施例37〜39の方が一層よい柔軟感やウェット感が感じられた。
(16)反応性シリコーン成分の添加量が異なる実施例39と実施例40とを比較すると、表11の密着性の評価結果はともに「○」であるが、クロスカット試験後に、爪を立てて装飾層を剥そうとした場合に、反応性シリコーン成分の添加量がより多い実施例40が反応性シリコーン成分の添加量が少ない実施例39に比べて剥れ易い傾向があった。反応性シリコーン成分の過剰な添加は水圧転写品の装飾層の密着性を低下する傾向があるので、避けた方がよく、その添加量は、紫外線硬化性樹脂組成物100重量部に対して15重量部以下とすることがより好ましいことが解る。
(17)実施例41、42と実施例2、34とをそれぞれ比較すると、樹脂ビーズを第2液として塗布剤を二液化状態で貯蔵し、使用時に第1液と第2液とを混合して塗布剤を調合しても(実施例41,42)、二液化しない場合(実施例2、34)と同じ作用効果が得られることが解る。また、表11には記載していないが、実施例2、34の塗布剤と、二液化した第1液及び第2液をそれぞれ密閉容器内で50℃において6週間放置して保管した後使用時に混合調整した実施例41,42の塗布剤を転写フィルムにそれぞれ塗工した際の塗工性を比較したところ、二液化しない実施例2、34の塗布剤は、二液化して貯蔵した実施例41、42の塗布剤に比べて若干の粘性の増加が見られたことから、二液化の貯蔵形態は、塗布剤の安定した特性を維持することができる点で有効であることが解る。
本発明の塗布剤は、紫外線硬化樹脂組成物を主成分とし、転写フィルムの印刷パターンに塗布してこれを活性化し且つ印刷パターン全体に浸透して生成装飾層に化学的、機械的表面保護機能を付与するが、紫外線硬化樹脂組成物の光重合性モノマーは、1以上の官能基と20%以下の体積収縮率を有し、また光重合性オリゴマーは、10以下の官能基を有し、且つこの塗布剤は、5〜50μmの平均粒径を有するポリウレタンビーズを含み、紫外線硬化樹脂組成物とポリウレタンビーズとは、100重量部対15〜100重量部で配合れていて、ポリウレタンビーズの所定の平均粒径によって得られる表面凹凸と光重合性モノマーの適正な体積収縮率とによって、トップコートを施すことなく、また転写フィルムを多層構造とすることなく、装飾層にウェット感や柔軟感の如き触感を付与することができ、高い産業上の利用性を有する。
10 物品
12 加飾物品
20 転写フィルム
30 水溶性フィルム(キャリアフィルム)
40 印刷パターン
44 装飾層
46 紫外線硬化性樹脂組成物混在印刷パターン(一体化層)
50 水
60 塗布剤(活性剤)
62 紫外線硬化樹脂組成物
62B 樹脂ビーズ
70 紫外線
72 シャワー
74 熱風
80 シリコーン成分分子鎖
81 シリコーン分子反応部
F 指

Claims (20)

  1. 水溶性フィルム上に乾燥された印刷パターンを有する水圧転写フィルムの前記印刷パターン上に光重合性モノマーを少なくとも有する光重合性成分と光重合開始剤とを含む紫外線硬化樹脂組成物塗布剤を塗布し、前記紫外線硬化樹脂組成物の活性化成分により前記印刷パターンの付着性を回復し、前記印刷パターンを物品の表面に水圧転写して前記物品の表面に装飾層を形成し、且つ前記紫外線硬化樹脂組成物塗布剤を前記印刷パターン全体に浸透して前記印刷パターンと前記紫外線硬化樹脂組成物とが混在する一体化層として前記装飾層が前記一体化層によって形成されるようにし、前記装飾層の紫外線硬化によって装飾層自体に化学的、機械的な表面保護機能を付与するようにした水圧転写方法であって、前記塗布剤である紫外線硬化樹脂組成物の前記光重合性モノマーは、3以下の官能基と20%以下の体積収縮率を有し、且つ前記塗布剤は、5〜50μmの平均粒径を有する樹脂ビーズを含み、前記紫外線硬化樹脂組成物と前記樹脂ビーズとは、100重量部対15〜100重量部で配合れていることを特徴とする水圧転写方法。
  2. 請求項1に記載の水圧転写方法であって、前記光重合性成分は、10以下の官能基を有する光重合性オリゴマーを含んでいることを特徴とする水圧転写方法。
  3. 請求項2に記載の水圧転写方法であって、前記光重合性オリゴマーは、40℃以下のガラス転移温度Tgを有することを特徴とする水圧転写方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の水圧転写方法であって、前記樹脂ビーズは、−50〜100℃のガラス転移温度(JIS K7121に準拠して測定)を有することを特徴とする水圧転写方法。
  5. 請求項1乃至3のいずれかに記載の水圧転写方法であって、前記樹脂ビーズは、その表面に水酸基(OH基)結合の末端を有しており、且つ前記紫外線硬化樹脂組成物はイソシアネート基を有する成分を含むことを特徴とする水圧転写方法。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の水圧転写方法であって、前記塗布剤は、更に、0.005〜10μmの平均粒子の微粒子シリカを含み、前記微粒子シリカは、樹脂ビーズ100重量部に対して12.5〜37.5重量部の配合割合で配合されていることを特徴とする水圧転写方法。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の水圧転写方法であって、前記樹脂ビーズは、ポリウレタンビーズであり、且つ−50〜50℃のガラス転移温度(JIS K7121に準拠して測定)を有することを特徴とする水圧転写方法。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載の水圧転写方法であって、前記塗布剤は、反応性シリコーン系成分を更に含むことを特徴とする水圧転写法。
  9. 請求項1乃至8のいずれかに記載の水圧転写方法であって、前記塗布剤は、ポリオールを更に含むことを特徴とする水圧転写方法。
  10. 水溶性フィルム上に乾燥された印刷パターンを有する水圧転写フィルムの前記印刷パターン上に光重合性モノマーを少なくとも有する光重合性成分と光重合開始剤とを含む紫外線硬化樹脂組成物塗布剤を塗布し、前記紫外線硬化樹脂組成物の活性化成分により前記印刷パターンの付着性を回復し、前記印刷パターンを物品の表面に水圧転写して前記物品の表面に装飾層を形成し、且つ前記紫外線硬化樹脂組成物塗布剤を前記印刷パターン全体に浸透して前記印刷パターンと前記紫外線硬化樹脂組成物とが混在する一体化層として前記装飾層が前記一体化層によって形成されるようにし、前記装飾層の紫外線硬化によって装飾層自体に化学的、機械的な表面保護機能を付与するようにした水圧転写方法に用いられる水圧転写フィルム用塗布剤であって、前記紫外線硬化樹脂組成物の前記光重合性モノマーは、3以下の官能基と20%以下の体積収縮率を有し、且つ前記塗布剤は、5〜50μmの平均粒径を有する樹脂ビーズを含み、前記紫外線硬化樹脂組成物と前記樹脂ビーズとは、100重量部対15〜100重量部で配合れていることを特徴とする水圧転写フィルム用塗布剤。
  11. 請求項10に記載の水圧転写フィルム用塗布剤であって、前記光重合性成分は、10以下の官能基を有する光重合性オリゴマーを含んでいることを特徴とする水圧転写フィルム用塗布剤。
  12. 請求項11に記載の水圧転写フィルム用塗布剤であって、前記光重合性オリゴマーは、40℃以下のガラス転移温度Tgを有することを特徴とする水圧転写フィルム用塗布剤。
  13. 請求項10乃至12のいずれかに記載の水圧転写フィルム用塗布剤であって、前記樹脂ビーズは、−50〜100℃のガラス転移温度(JIS K7121に準拠して測定)を有し、前記光重合性オリゴマーは、40℃以下のガラス転移温度Tgを有することを特徴とする水圧転写フィルム用塗布剤。
  14. 請求項10乃至13のいずれかに記載の水圧転写フィルム用塗布剤であって、前記樹脂ビーズは、その表面に水酸基(OH基)結合の末端を有しており、且つ前記紫外線硬化樹脂組成物はイソシアネート基を有する成分を含むことを特徴とする水圧転写フィルム用塗布剤。
  15. 請求項10乃至14のいずれかに記載の水圧転写フィルム用塗布剤であって、前記塗布剤は、更に、0.005〜10μmの平均粒子の微粒子シリカを含み、前記微粒子シリカは、樹脂ビーズ100重量部に対して12.5〜37.5重量部の配合割合で配合されていることを特徴とする水圧転写フィルム用塗布剤。
  16. 請求項10乃至15のいずれかに記載の水圧転写フィルム用塗布剤であって、前記樹脂ビーズはポリウレタンビーズであり、かつ−50〜50℃のガラス転移温度(JIS K7121に準拠して測定)を有することを特徴とする水圧転写フィルム用塗布剤。
  17. 請求項10乃至16のいずれかに記載の水圧転写フィルム用塗布剤であって、前記塗布剤は、反応性シリコーン系成分を更に含むことを特徴とする水圧転写フィルム用塗布剤。
  18. 請求項10乃至17のいずれかに記載の水圧転写フィルム用塗布剤であって、前記塗布剤は、ポリオールを更に含むことを特徴とする水圧転写フィルム用塗布剤。
  19. 請求項10乃至18のいずれかに記載の水圧転写フィルム用塗布剤であって、前記塗布剤は、光重合性成分(光重合性オリゴマーと光重合性モノマー)を含む第1液と非反応性樹脂を含む第2液との2液化の形態であり、その他の成分はいずれかの液に配合されていることを特徴とする水圧転写フィルム用塗布剤。
  20. 請求項1乃至9のいずれかに記載の水圧転写方法によって製造された装飾層を有することを特徴とする水圧転写品。
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