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JP5395731B2 - 車両用ドアロック装置 - Google Patents

車両用ドアロック装置 Download PDF

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Description

本発明は、自動車のバックドア等を閉鎖状態でロックするための車両用ドアロック装置に関する。
自動車のバックドア等のドアロック装置は、車体及びドアの一方に固定されたストライカと、他方に取り付けたラッチとを備え、ドアが閉じた時にストライカとラッチとが係合すると共に、ドアが車体に衝突した衝撃でラッチを回動させてストライカを引き込み、ドアを閉鎖状態で固定するのが一般的である。
また、ラッチに隣接してラチェットを回動可能に設置し、ラチェットをラッチと係合させることにより、ラッチが逆転してドアが開くのを防いでいる。
現在市販されている車種のほとんどは、開扉をモータと手動のいずれでも行なうことができる。
モータによる開扉は、通常、モータでギヤを初期位置から回動させ、ギヤと連動する押圧部材でラチェットを押圧してラッチから離れる方向へ回動させ、これにより、ラッチを逆転させてストライカを解放させるようになっている。
また、モータで回転させたギヤは、スプリングで逆転させて初期位置に戻すことが多い。しかし、このような構造では、強いスプリングが必要であるばかりか、装置全体が大型化しやすい。
そこで、従来、カム付きギヤをモータの出力軸と噛合し、ロック解除時にモータを駆動してギヤを初期位置から一方向のみへ回転させ、カムが一回転する間にラッチの回動を規制しているラチェットをラッチ解放位置へ回転させ、カムが一回転すると、ラッチ解放位置にあるラチェットに当たってカムの回転が停止され、ラチェットがラッチの回転を規制する位置へ移動した時、カムがラチェットから解放されるようにしたドアロック装置が提案されている(特許文献1)。
しかし、上記従来のドアロック装置は、カムがラチェットに当たって回転を止められるときは、常にギヤの同じ部分がモータの出力軸と噛み合っているので、ギヤの噛合部分のみが極端に摩耗し、短期間でギヤが消耗する心配がある。
また、カム付きギヤが一回転しなければドアを開けることができないので、開扉に時間がかかるという欠点がある。
特許第4359034号公報
本発明が解決しようとする課題は、部品の同じ箇所のみが消耗するのを抑え、開扉に要する時間が短くて済む車両用ドアロック装置を提供することにある。
本発明は、車体及びドアの一方に固定されたストライカと、他方に固定された本体機構とから成り、前記本体機構が、前記ストライカと係合してドアを閉状態で固定するロック位置と、前記ストライカを解放する解放位置との間を回動可能であり、前記解放位置へ向けて付勢されたラッチと、前記ラッチと係合して該ラッチが解放方向へ回動するのを規制する規制位置と、前記ラッチを解放する規制解除位置との間を回動し、規制位置へ向けて付勢されたラチェットと、モータで駆動されてオープン方向へ回動することにより、前記ラチェットを規制解除位置へ向けて回動させるオープナとを備えたドアロック装置に関し、前記オープナは、前記モータの出力軸に噛合したギヤと、該ギヤに連動して回動し、回動方向に180度の角度をおいて配置された第1及び第2の押圧部材と、該ギヤに連動して回動し、回動方向に180度の角度をおいて配置された第1及び第2のストッパー部とを有し、前記第1及び第2の押圧部材は、前記ギヤが、前記ラッチがロック位置及び解放位置にある時の基準位置からオープン方向へ180度回転するごとに交互に規制位置にある前記ラチェットと係合して規制解除位置へ押し、前記第1のストッパー部及び第2のストッパー部は、前記ギヤが基準位置からオープン方向へ180度回転するごとに交互に規制解除位置にある前記ラチェットに当接して前記ギヤの回転を止めると共に、前記ラチェットが規制位置に移動した時に該ラチェットから解放される。
以下の構成を採用しても良い。
前記ラチェットに、該ラチェットと連動して、互いに平行で異なる面内を回動する第1アーム及び第2アームを設け、前記第1及び第2の押圧部材が前記第1アームの回動面内を回動して前記第1アームと係合し、第1及び第2のストッパー部が前記第2アームの回動面内を回動して前記第2アームの先端へ当接する構成。
この時、前記第1アーム及び第2アームは、ラチェット本体から前記オープナに向かって延びている構成。
前記第2アームの先端面を円弧状に形成すると共に、第2アームの先端部にクッションホールを穿設した構成。
前記第1のストッパー部及び第2のストッパー部と前記第1及び第2の押圧部材とを上下に配置して一体に形成した構成。
請求項1に係る発明によれば、ギヤが180度回転するごとにラッチをロック位置から解放位置へ回動させることができるので、ギヤが一回転してラッチを回動させるものに比べて開扉に要する時間が短くて済む。
また、ギヤが停止する際に大きな負荷が加わる噛合部分、及び、ラチェットに衝突するストッパー部が開扉動作ごとに反転するので、負荷の加わる部分が2箇所に分散され、オープナの耐久性が増す。
請求項2及び3に係る発明によれば、オープナの構造が簡単で済み、ラチェットに押圧部材やストッパー部を避けるための複雑な切欠きを形成する必要も無いため、金型構造を簡略化しやすく、成型時にアンダーカットが発生し難い。
請求項4に係る発明によれば、クッションホールが変形することにより、ストッパー部と第2アームとがぶつかる際に発生する衝突音を小さく抑えることができると共に、ギヤが停止するときにモータの出力軸との噛合部分に加わる負荷を低減できる。
また、第2アームの先端面の形状とクッションホールの変形とが相俟って、ラチェットを手動で規制解除位置へ回動させる時に、第2アームの先端がスムーズにストッパー部から外れるため、開扉時の手動操作性が向上する。
請求項5に係る発明によれば、オープナの構造がいっそう簡略化され、大きな負荷が加わる押圧部材及びストッパー部を互いに補強し合うことができる。
実施例1を示す車両用ドアロック装置の分解斜視図である。 実施例1を示す車両用ドアロック装置のベースプレートを除いた正面図である。 実施例1に係るケース及びモータの正面図である。 実施例1に係るラチェットの正面図である。 実施例1に係るオープナの斜視図である。 実施例1に係るオープナの正面図である。 実施例1に係るオープナの側面図である。 モータによる開扉プロセスを説明する車両用ドアロック装置の正面図である。 ギヤ停止時のストッパー部とラチェットとの関係を説明する車両用ドアロック装置の押圧部材を省略した要部正面図である。 実施例2を示す車両用ドアロック装置の押圧部材を省略した要部正面図である。 実施例2に係るラチェットの要部拡大正面図である。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1〜図9は、本発明の実施例1を示す。
本実施例の車両用ドアロック装置は、車体に固定された図示しないストライカと、ドアに固定された本体機構1とから成る。
本体機構1は、図1に示すように、一面が開口したケース2と、ケース2内にそれぞれ収容されたラッチ3、ラチェット4、オープナ5及びモータ6と、ケース2の一部を覆ってオープナ5及びモータ6を押えるカバー7と、ケース2の一面を閉鎖するベースプレート8とを備える。
そして、本体機構1は、ベースプレート8を固定することによって車体に取り付けられる。
図1及び図2に示すように、ケース2及びベースプレート8にはドアの接近する方向に向かって開口するストライカ進入溝9が形成され、ストライカ進入溝9の一側にラッチ3が回動可能に設置されると共に、他側にラチェット4が回動可能に設置されている。
ラッチ3の外周にはストライカ係合溝10、フルラッチ係合切欠き12a及びハーフラッチ係合切欠き12bがこの順で形成され、ストライカ係合溝10のフルラッチ係合切欠き12aに続く一側面が他側面より長く延びてストライカ衝突面11となっている。
ラッチ3は、ストライカ係合溝10がストライカ進入溝9に向かって開口し、ストライカ衝突面11がストライカ進入溝9を横切る解放位置と、ストライカ係合溝10がストライカ進入溝9の奥部に向かって開口し、ストライカ係合溝10の他側面がストライカ進入溝9を横切るロック位置との間を回動するようになっている。
また、ラッチ3は、第1付勢バネ14(図3参照)により解放位置へ向けて付勢されている。
ラチェット4のラッチ3と対向する側面には係合突起13が形成され、ラチェット4は、係合突起13がラッチ3のフルラッチ係合切欠き12aあるいはハーフラッチ係合切欠き12bに係合する規制位置と、係合突起13がフルラッチ係合切欠き12a及びハーフラッチ係合切欠き12bから離脱する規制解除位置との間を回動できるようになっている。
また、ラチェット4は、第2付勢バネ15(図3参照)により規制位置へ向けて付勢されている。
オープナ5は、モータ6で駆動されてオープン方向へ回動することにより、ラチェット4を規制位置から規制解除位置へ向けて回動させる。
ドアを閉じると、ストライカがストライカ進入溝9に進入してラッチ3のストライカ衝突面11に衝突し、その衝撃でラッチ3が、ラチェット4の係合突起13とハーフラッチ係合切欠き12bとが係合するハーフラッチ位置を経由して、ロック位置まで回動し、ラッチ3のストライカ係合溝10がストライカと係合してストライカ進入溝9の奥端部まで引き込む。
すると、ラチェット4が規制位置へ復帰して係合突起13がラッチ3のフルラッチ係合切欠き12aと係合し、ラッチ3が解放位置へ戻るのを防ぐ。
この結果、ドアが閉鎖状態で車体に固定される。
この状態でモータ6を作動させ、オープナ5をオープン方向へ回動させると、ラチェット4が規制解除方向へ回動して、係合突起13がラッチ3から遠ざかるので、ラッチ3は第1付勢バネ14の力で解放方向へ回動する。
従って、ストライカがストライカ進入溝9から脱出可能となり、ドアを開けることができる。
以上の構造及び作用は、従来のものと変わるところは無い。
本発明では、図4に示すように、ラチェット4に、ラチェット本体16からオープナ5に向かって延びる第1アーム17及び第2アーム18を設けてある。
第1アーム17及び第2アーム18は、厚み方向に位置をずらして配置され、ラチェット4と連動して互いに平行で異なる面内を回動するようになっている。
図5乃至図7に示すように、オープナ5は、合成樹脂を素材とし、ギヤ19と、第1の押圧部材20及び第2の押圧部材21と、第1のストッパー部22及び第2のストッパー部23とを一体に形成して成る。
ギヤ19は、モータ6の出力軸に設けられたウォーム24(図3)と噛合され、モータ6が作動するとオープン方向へ回動するようになっている。
第1の押圧部材20及び第2の押圧部材21は、ギヤ19と連動して第1アーム17の回動面内を回動し、回動方向に180度の角度をおいて配置されている。
また、第1の押圧部材20及び第2の押圧部材21の回動時に先行する面は、凸状に湾曲している。
第1のストッパー部22及び第2のストッパー部23は、第1の押圧部材20及び第2の押圧部材21の下方に配置されて一体に形成され、ギヤ19と連動して第2アーム18の回動面内を回動し、回動方向に180度の角度をおいて配置されている。
また、第1のストッパー部22及び第2のストッパー部23の回動時に先行する面は平らな当接面25となっている。
次に、この車両用ドアロック装置の作動過程を説明する。
図8の(a)に示すように、ラッチ3がロック位置にある時(即ち、ラチェット4が規制位置にある時)、ギヤ19は基準位置にあって、第1の押圧部材20及び第2の押圧部材21はラチェット4の第1アーム17から離れている。
また、第1アーム17は押圧部材20,21の回転軌道内に張り出し、第2アーム18はストッパー部22,23の軌道から退避している。
モータ6を作動させると、ギヤ19がオープン方向(図8の時計回り)に回転し、図8の(b)に示すように、第1の押圧部材20が第1アーム17の側面に係合しながら回動し、180度回動する間にラチェット4を規制位置から規制解除位置へ向かって押す。
図8の(c)に示すように、ラチェット4が回転するのに伴って第2アーム18がストッパー部22,23の軌道内に進入し、図8の(d)及び図9の(a)に示すように、第2の押圧部材21の下方に位置する第2のストッパー部23の当接面25が規制解除位置にあるラチェット4の第2アーム18の先端に当接して、ギヤ19の回転を止める。
この時、ギヤ19は、図8の(a)と180度位相を変えた基準位置にあり、第1アーム17は押圧部材20,21の軌道から退避している。
ドアを閉じるとストライカがラッチ3を回動させて、図8の(e)に示すように、ラッチ3はロック位置へ移動し、ラチェット4は規制位置へ回動する。すると、第2アーム18がストッパー部22,23の軌道から退避して、第2のストッパー部23がラチェット4の第2アーム18から解放される。
次いで、図8の(f)〜(h)に示すように、モータ6を作動するとギヤ19がオープン方向へ回転し、第2の押圧部材21がラチェット4の第1アーム17に係合してラチェット4を規制解除位置へ押す。そして、ギヤ19が180度回転すると、図8の(h)及び図9の(b)に示すように、第1の押圧部材20の下方に位置する第1のストッパー部22の当接面25が第2アーム18の先端に当接して、ギヤ19が基準位置で停止する。
このようにして、ギヤ19が基準位置からオープン方向へ180度回転するごとに、第1の押圧部材20と第2の押圧部材21が交互に規制位置にあるラチェット4の第1アーム17と係合してラチェット4を規制解除位置へ押し、第1のストッパー部22と第2のストッパー部23が交互に規制解除位置にあるラチェット4に当接してギヤ19の回転を止める。
なお、第2アーム18の先端面は円弧状に湾曲しており、規制位置にあるラチェット4を手動で規制解除位置へ回転させた時、簡単にストッパー部22,23の当接面25から外れるようになっている。
ギヤ19は180度回転するごとに停止するので、停止するときにウォーム24と噛み合う部分は2箇所となり、停止時に噛合部分に加わる負荷は2箇所に分散され、このため、比較的摩耗しやすい合成樹脂製のギヤ19であっても耐久性が高まる。
また、モータ6の極性を間違えて取り付けた結果、テスト作動時にギヤ19が逆回転して押圧部材20,21が第1アーム17を逆方向に押しても、ラチェット4がラッチ3にぶつかってそれ以上回転しないので、ドアが急に開いたり、装置が破損する心配は無い。
図10及び図11は、本発明の実施例2を示す。
第2アーム18の先端部、即ち、ストッパー部22,23の当接面25との当接部分近傍にはクッションホール26が穿設されている。
このため、クッションホール26が変形することによって、ストッパー部22,23と第2アーム18の先端とがぶつかった時に発生する衝突音を低減すると共に、ギヤ19が停止したときに噛合部分に加わる負荷を軽減でき、ラチェット4を手動で規制解除位置へ回動させる際に、第2アーム18によって妨げられるのを防ぐ。
その他の構造は、実施例1と同様である。
1 本体機構
2 ケース
3 ラッチ
4 ラチェット
5 オープナ
6 モータ
7 カバー
8 ベースプレート
9 ストライカ進入溝
10 ストライカ係合溝
11 ストライカ衝突面
12a フルラッチ係合切欠き
12b ハーフラッチ係合切欠き
13 係合突起
14 第1付勢バネ
15 第2付勢バネ
16 ラチェット本体
17 第1アーム
18 第2アーム
19 ギヤ
20 第1の押圧部材
21 第2の押圧部材
22 第1のストッパー部
23 第2のストッパー部
24 ウォーム
25 当接面
26 クッションホール

Claims (5)

  1. 車体及びドアの一方に固定されたストライカと、他方に固定された本体機構とから成り、前記本体機構が、前記ストライカと係合してドアを閉状態で固定するロック位置と、前記ストライカを解放する解放位置との間を回動可能であり、前記解放位置へ向けて付勢されたラッチと、前記ラッチと係合して該ラッチが解放方向へ回動するのを規制する規制位置と、前記ラッチを解放する規制解除位置との間を回動し、規制位置に向けて付勢されたラチェットと、モータで駆動されてオープン方向へ回動することにより、前記ラチェットを規制解除位置へ向けて回動させるオープナとを備えたドアロック装置において、前記オープナは、前記モータの出力軸に噛合したギヤと、該ギヤに連動して回動し、回動方向に180度の角度をおいて配置された第1及び第2の押圧部材と、該ギヤに連動して回動し、回動方向に180度の角度をおいて配置された第1及び第2のストッパー部とを有し、前記第1及び第2の押圧部材は、前記ギヤが、前記ラッチがロック位置及び解放位置にある時の基準位置からオープン方向へ180度回転するごとに交互に規制位置にある前記ラチェットと係合して規制解除位置へ押し、前記第1のストッパー部及び第2のストッパー部は、前記ギヤが基準位置からオープン方向へ180度回転するごとに交互に規制解除位置にある前記ラチェットに当接して前記ギヤの回転を止めると共に、前記ラチェットが規制位置に移動した時に該ラチェットから解放されることを特徴とした車両用ドアロック装置。
  2. 前記ラチェットには、該ラチェットと連動して、互いに平行で異なる面内を回動する第1アーム及び第2アームが設けられ、前記第1及び第2の押圧部材は前記第1アームの回動面内を回動して前記第1アームと係合し、第1及び第2のストッパー部は前記第2アームの回動面内を回動して前記第2アームの先端へ当接することを特徴とした請求項1に記載の車両用ドアロック装置。
  3. 前記第1アーム及び第2アームは、ラチェット本体から前記オープナに向かって延びていることを特徴とした請求項2に記載の車両用ドアロック装置。
  4. 前記第2アームの先端面を円弧状に形成すると共に、第2アームの先端部にクッションホールを穿設してある請求項2又は3に記載の車両用ドアロック装置。
  5. 前記第1のストッパー部及び第2のストッパー部と前記第1及び第2の押圧部材とを上下に配置して一体に形成してあることを特徴とした請求項1〜4のいずれかに記載の車両用ドアロック装置。
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