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JP4244146B2 - バックドアロック装置 - Google Patents

バックドアロック装置 Download PDF

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JP4244146B2
JP4244146B2 JP2003039566A JP2003039566A JP4244146B2 JP 4244146 B2 JP4244146 B2 JP 4244146B2 JP 2003039566 A JP2003039566 A JP 2003039566A JP 2003039566 A JP2003039566 A JP 2003039566A JP 4244146 B2 JP4244146 B2 JP 4244146B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、バックドアの引き込み、バックドアのロック解除を駆動源を用いて行なうバックドアロック装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
最初に、図13を用いてバックドアロック装置の基本的な構成を説明する。図13(a)はアンロック状態、図13(b)はハーフロック状態、図13(c)はフルロック状態を示している。図において、車体とバックドアのうちの一方に設けられたボデー1には、車体とバックドアのうちの他方に設けられたストライカ2が進入可能なストライカ挿入溝3が形成されている。ストライカ挿入溝3の一方の側のボデー1には、ピン5を用いてフック7が回転可能に設けられている。ストライカ挿入溝3の他方の側のボデー1には、ピン9を用いてラチェット11が回転可能に設けられている。
【0003】
フック7には、ストライカ2が進入可能な係合溝13が形成されている。フック7には、フック7がアンロック位置とフルロック位置との中間位置であるハーフロック位置にある時(図13(b)参照)に、ラチェット11の係止部15が係合するハーフロック係止部17と、フルロック位置にある時(図13(c)参照)に、ラチェット11の係止部15が係合するフルロック係止部19とが形成されている。そして、フック7は図示しない第1付勢手段により矢印I方向(アンロック位置方向)へ、又、ラチェット11は図示しない第2付勢手段により矢印II方向(フック7に係合する方向)へそれぞれ付勢されている。
【0004】
次に、上記構成の作動を説明する。図13(a)に示すアンロック状態で、ストライカ2とボデー1とを相対的に近づけていくと、フック7の係合溝13にストライカ2が進入し、ストライカ2が係合溝13の壁面を押すことにより、フック7は第1付勢手段の付勢力に抗してロック方向(矢印I方向と反対方向)へ回転する。
【0005】
フック7が回転すると、ラチェット11の係止部15はフック7のハーフロック係止部17に係合し、図13(b)に示すハーフロック状態となる。更に、ストライカ2とボデー1とを相対的に近づけていくと、フック7は更に回転し、ラチェット11の係止部15はフック7のフルロック係止部19に係合し、図13(b)に示すフルロック状態となる。
【0006】
このロック状態を解除するには、図13(c)において、ラチェット11を矢印II方向と逆方向に回転させ、ラチェット11の係止部15と、フック7のフルロック係止部19との係合を解除する。フック7は、図示しない第1付勢手段の付勢力により、アンロック位置方向に回転し、図13(a)のアンロック状態に復帰する。
【0007】
このような構成のバックドアロック装置において、モータ等の駆動源を用い、バックドアが半開状態まで閉められると、バックドアを全閉状態まで引き込みロック状態とし、又、モータ等の駆動源によりロック状態のバックドアのロック解除を行なうバックドアロック装置はいろいろ提案されている。
【0008】
一例を図14、図15を用いて説明する。図において、車体側にはストライカ2が設けられている。バックドア23の下端面には、フック7、ラチェット11、第1付勢手段、第2付勢手段が設けられたロック本体25が設けられている。又、バックドア23内には、フック7がアンロック位置とロック位置との間であるハーフロック位置にある場合、フック7をロック位置まで回転させるクローザ手段、ロック位置にあるフック7に係合しているラチェット11をフックより離脱させ、フック7をアンロック位置へ移動させるオープナ手段からなるクローザ・オープナ手段7が設けられている(例えば、特許文献1参照。)。
これらのバックドアロック装置は、いずれも、モータ等の駆動源は、バックドア側に設けられている。
【0009】
【特許文献1】
特開2002−81249号公報(第2頁〜第4頁、図1、図2)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従来提案されてきたバックドアロック装置は、いずれも図14、図15に示すように、車体側にストライカ2が設けられ、バックドア23側にロック本体25及びクローザ・オープナ手段27が設けられている。しかし、図16に示すように、バックドア23側にストライカ2を設け、車体29側にロック本体25及びクローザ・オープナ手段27を設ける場合、以下に示すような問題点がある。
【0011】
(1)バックドア23からの荷物の出し入れを容易にするために、バックドア23の下端はバンパ10まであることが多く、バックドア23の下端部と対向する車両側の部位(ロアバック33)のスペース、特に、高さ方向のスペースが狭い。一方、従来のバックドアロック装置は、ロック本体25上にクローザ・オープナ手段27が配置され、高さが高い構成である。従って、ロアバック33に穴をあけ、ロアバック33内にクローザ・オープナ手段27を設けなければならず、ロアバック33内にクローザ・オープナ手段27が収まらない場合が多い。たとえ、ロアバック33内にクローザ・オープナ手段27が収まったとしても、他車種では収まらない場合がある。又、ロアバック33内にクローザ・オープナ手段27が収まったとしても、装置の異常で、クローザ・オープナ手段の駆動源を取り外す場合、取り外すことが困難である。
【0012】
(2)従来のドアロック装置では、バックドア23のインナパネルに形成された大きな穴からロック本体5およびクローザ・オープナ手段27をバックドア23内に配設できる。しかし、図16に示すようなロアバック33にロック本体25およびクローザ・オープナ手段27を設ける場合、ロアバック33の外部に露出している部分の面積が狭いので、ロアバック33のロック本体25が設けられる部分に、ロック本体25およびクローザ・オープナ手段27が挿通する大きな穴をあけなければならない。よって、車体の強度が落ちる。
【0013】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、その第1の課題は、ロック本体、クローザ手段、オープナ手段を車体側に取付けることが可能なバックドアロック装置を提供することにある。第2の課題は、クローザ手段の駆動源の取り外しが容易なバックドアロック装置を提供することにある。第3の課題は、クローザ手段が簡単な構成でスムーズな作動であるバックドアロック装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する請求項1記載の発明は、バックドア側に設けられたストライカと、車体側に設けられ、前記ストライカが進入可能な係合溝が形成され、該係合溝に前記ストライカが進入可能なアンロック位置と、前記係合溝に進入した前記ストライカが離脱不可能なロック位置との間を回転可能なフック、前記車体側に回転可能に設けられ、前記ロック位置にあるフックに係合することにより前記フックのアンロック位置方向への回転を禁止するラチェット、前記フックをアンロック位置方向へ付勢する第1付勢手段、前記ラチェットを前記フックに係合する方向に付勢する第2付勢手段を有するロック本体と、前記フックが前記アンロック位置とロック位置との間であるハーフロック位置にある場合、前記フックをロック位置まで回転させるクローザ手段と、前記ロック位置にある前記フックに係合している前記ラチェットを前記フックより離脱させ、前記フックをアンロック位置へ移動させるオープナ手段と、を備え、前記クローザ手段は、駆動源と、該駆動源が係合し、前記駆動源によって回転駆動される回転体と、基端部が前記回転体に回転可能に取り付けられ、先端部側が前記フックに係脱可能なリンクと、該リンクの側面に形成されたカム面、前記リンクのカム面が当接可能な固定ピン、前記カム面が前記固定ピンに当たるように前記リンクを付勢する第3付勢手段からなり、前記回転体が回転駆動されると、前記カム面に案内されて前記リンクの先端部側を前記フックに係合させ、前記フックをロック方向へ回転させるガイド手段とからなることを特徴とするバックドアロック装置である。
【0015】
前記クローザ手段は、駆動源と、該駆動源が係合し、前記駆動源によって回転駆動される回転体と、基端部が前記回転体に回転可能に取り付けられ、先端部側が前記フックに係脱可能なリンクと、該リンクの側面に形成されたカム面、前記リンクのカム面が当接可能な固定ピン、前記カム面が前記固定ピンに当たるように前記リンクを付勢する第3付勢手段からなり、前記回転体が回転駆動されると、前記カム面に案内されて前記リンクの先端部側を前記フックに係合させ、前記フックをロック方向へ回転させるガイド手段とからなることにより、構成が簡単で作動もスムーズである。
【0016】
請求項2記載の発明は、前記クローザ手段は、前記フックがアンロック位置側から移動しハーフロック位置直前になると応動するハーフロック検出スイッチと、前記フックがフルロック位置を通り過ぎると応動するフルロック検出スイッチと、前記ハーフロック検出スイッチ、前記フルロック検出スイッチ、前記フルロック検出スイッチからの信号を取り込んで、前記フックがアンロック位置側から移動しハーフロック位置直前になると前記駆動源を駆動し、前記フックがフルロック位置を通り過ぎると前記駆動源を停止する制御部と、からなることを特徴とする請求項1記載のバックドアロック装置である。
【0018】
請求項3記載の発明は、前記駆動源は、前記回転体が設けられるボデーに対して、前記回転体の軸と直交する方向に配置される締着手段を用いて取り付けられ、前記駆動源と前記回転体との係脱は、前記回転体の軸と直交する方向、前記回転体の軸方向のどちらかの方向に前記駆動源を移動することにより行われることを特徴とする請求項1又は2記載のバックドアロック装置である。
【0019】
前記駆動源は、前記回転体が設けられるボデーに対して、前記回転体の軸と直交する方向に配置される締着手段を用いて取り付けられ、前記駆動源と前記回転体との係脱は、前記回転体の軸と直交する方向、前記回転体の軸方向のうちのどちらかの方向に前記駆動源を移動することにより行われることにより、バックドアが閉まった状態でも、締着手段の締着を解除し、駆動源を前記回転体の軸と直交する方向、前記回転体の軸方向のうちのどちらかの方向に移動することにより、クローザ手段の駆動源と前記回転体が設けられるボデーとの分離が容易にできる。
【0020】
【発明の実施の形態】
次に、図面を用いて本発明の実施の形態例を説明する。最初に、図1〜図3、図11を用いて、本実施の形態例のバックドアロック装置の全体構成を説明する。図1は本発明の実施の形態例のバックドアロック装置の機構を説明する平面図、図2は図1の切断線A−Aでの断面図、図3は実施の形態例のバックドアロック装置の平面図、図11はバックドアロック装置が設けられた車両の断面図である。
【0021】
図1〜図3に示すように、本実施の形態例のバックドアロック装置500は、大別して、ケースとして機能し、かしめピン505、かしめピン507で一体化されたロアボデー501、アッパボデー503と、ロアボデー501、アッパボデー503の内部に設けられたロック本体100、クローザ手段200、オープナ手段300と、クローザ手段200の駆動源であるモータユニット600とからなる。そして、ロアボデー501、アッパボデー503の内部に設けられたロック本体100、クローザ手段200、オープナ手段300は、同一平面上で一列に配置されている。更に、図11に示すように、ストライカ400がバックドア401側に設けられ、車体側のロアバック33上に設けられている。
【0022】
(1)ロック本体100
従来例で説明したバックドアロック装置の基本的な構成と同じである。即ち、アッパボデー503上には、ストライカ400が挿通するストライカ係合溝509が形成されている。ストライカ係合溝509の一方の側には、ロアボデー501、アッパボデー503にかしめられたピン511を用いて、係合溝512が形成されたフック513が回転可能に設けられている。ストライカ係合溝509の他方の側には、ロアボデー501、アッパボデー503にかしめられたピン515を用いてラチェット517が回転可能に設けられている。フック513には、フック513がアンロック位置とフルロック位置との中間位置であるハーフロック位置にある時に、ラチェット517の係止部519が係合するハーフロック係止部521と、フルロック位置にある時に、ラチェット517の係止部519が係合するフルロック係止部523とが形成されている。そして、フック513は図示しない第1付勢手段により矢印I方向(アンロック位置方向)へ、又、ラチェット517は図示しない第2付勢手段により矢印II方向(フック513に係合する方向)へそれぞれ付勢されている。
【0023】
(2)クローザ手段200、モータユニット600
モータユニット600は、ケースとして機能するかしめピン505、かしめピン507で一体化されたロアボデー501、アッパボデー503に対して、ロック本体100、クローザ手段200に設けられる回転体の軸と直交する方向に配置される締着手段としてのボルト601、ボルト603を用いて取り付けられる。更に詳しく説明すると、アッパボデー503にモータユニット600を挟むような折り曲げ部550、折り曲げ部553を形成し、折り曲げ部551、モータユニット600、折り曲げ部553を挿通するボルト601、ボルト603で、モータユニット600は取り付けられる。モータユニット600内には、クローザモータ611及びクローザモータ611の出力を減速する減速歯車列631が設けられている。
【0024】
減速歯車列631は、クローザモータ611の出力軸に設けられたウォーム613に噛合するヘリカルギア633と、ヘリカルギア633と一体化された小歯車635と、小歯車635に噛合する大歯車637と、大歯車637と一体化された小歯車639と、小歯車639に噛合する大歯車641と、大歯車641と一体化された出力歯車643とからなっている。出力歯車643の軸の上部は、アッパボデー503に形成された溝557に係合している。従って、ボルト601、ボルト603を取り外し、モータユニット600を図3において矢印III方向(回転体であるセクタギア201の軸と直交する方向)に移動させることで、モータユニット600は容易に取り外すことができるようになっている。アッパボデー503には、ピン203を用いてセクタギア(回転体)201が回転可能に取り付けられている。このセクタギア201は、モータユニット600の出力歯車643に噛合している。
【0025】
セクタギア201には、リンク205の基端部がピン207を用いて回転可能に取り付けられている。リンク205の先端部側は、かしめピン505.かしめピン50の間を通ってフック513方向に延出している。フック513の下面には、ピン531が形成され、リンク205の先端には、フック513のピン531に係脱可能な二股状の係脱部213が形成されている。ロアボデー501には、かしめピン505とリンク205との間に配置される固定ピン211が設けられている。リンク305の固定ピン211側の側面は、カム面215となっている。そして、中間部がピン207に巻回され、一方の端部がリンク205に係止され、他方の端部がセクタギア201に係止されたスプリング(第3付勢手段)231により、リンク205はそのカム面215が固定ピン211に当接する方向(矢印IV方向)に付勢されている。よって、リンク205のカム面215と、固定ピン211と、スプリング231でとガイド手段が構成されている。そして、リンク205のカム面215は、セクタギア201が回転することにより、リンク205の係脱部213がハーフロック位置にあるフック513のピン531に係合するような形状に設定されている。
【0026】
(3)オープナ手段300
ロアボデー501上に設けられたオープナモータ301の出力軸には、ウォーム303が取り付けられている。ロアボデー501、アッパボデー503の間には、ヘリカルギア307が回転可能に設けられている。ヘリカルギア307の上面にはカムストッパ309が一体的に形成されている。
【0027】
次に、図4を用いてラチェットの説明を行う。図4(a)は正面図、図4(b)は図4(a)の右側面図である。ラチェット517は芯金551と樹脂とからなり、射出成形法等により製造されるものである。又、ラチェット517には、ストッパ当接部543とカム当接部541が形成されている。
【0028】
次に、図5を用いてヘリカルギアの説明を行う。図5(a)はヘリカルギアの斜視図、図5(b)は図5(a)の上面図である。カムストッパ309は、ラチェット517のカム当接部541が当接するカム部311と、ラチェット517のストッパ当接部543が当接するストッパ部313とから構成されている。カム部311は、ヘリカルギア307の回転軸上に形成され、そのカム面311aは、図4(b)の範囲Cで示す面であり、ヘリカルギア307の回転軸からカム面311aまでの距離が徐々に長くなるうずまき線状となっている。又、ストッパ部313はカム部311上に形成されている。そして、ラチェット517のストッパ当接部543には、図4(b)に示すように、ヘリカルギア307のカムストッパ309のカム部311と干渉するのを避けるために、切欠543aが形成されている。
【0029】
次に、図6を用いて、本実施の形態例の電気的構成を説明する。701は、フック513のピン531の位置を検出し、フック513がアンロック位置側から移動しハーフロック位置直前になると応動し、更に、フック513がフルロック位置を通り過ぎると応動するハーフロック・フルロック検出スイッチ(図2参照)である。703はバックドアが閉じられると応動するロータリスイッチでなるカーテシスイッチ、705はセクタギア201が元位置から回転すると応動するリミットスイッチ等でなるセクタギア元位置スイッチ(図2参照)、707はバックドアのアウトサイドハンドルが操作されると応動するアウトサイドハンドルスイッチである。709は、ハーフロック・フルロック検出スイッチ701、カーテシスイッチ703、セクタギア元位置スイッチ705、アウトサイドハンドルスイッチ707からの信号を取り込み、クローザモータ611、オープナモータ301を駆動する制御部である。尚、本実施の形態例での制御部709はタイマ711を有している。
【0030】
次に、上記構成のバックドアロック装置の作動を説明する。
(バックドアを閉じるとき)
図7〜図9を用いて説明する。図7、図8は図1に示すバックドアロック装置でロックする場合のセクタギア、リンク、フック、ラチェットの動きを説明する図、図9は図6の電気的構成のタイミングチャートである。バックドアが開いた状態では、図7(a)に示すように、セクタギア201は元位置(初期位置)にあり、リンク205の係脱部213はフック513のピン531から離反している。ここで、バックドアが開いた状態からバックドアを閉めていくと、フック513の係合溝512にストライカ400が進入し、ストライカ400が係合溝512の壁面を押すことにより、フック513は第1付勢手段の付勢力に抗してロック方向(矢印I方向と反対方向)へ回転する。フック513が回転すると、ラチェット517の係止部519はフック513のハーフロック係止部521に係合し、図7(b)に示すハーフロック状態となる。この際、図9に示すように、フック513がハーフロック(H/L)状態になる直前まで回転すると、ハーフロック・フルロック検出スイッチ701が応動(ONからOFF)する。カーテシスイッチ703がONで、ハーフロック・フルロック検出スイッチ701が応動すると、制御部709はタイマ711を見て、所定時間(t1)後にクローザモータ611を正転させる。クローザモータ611が正転すると、減速歯車列631を介してセクタギア201が図7(b)の元位置から矢印V方向に回転する。セクタギア201が回転すると、セクタギア元位置スイッチ705がOFFからONになる。セクタギア201の回転により、固定ピン211とリンク205のカム面215からなるガイド手段に案内されて、リンク205がフック513方向に移動し、リンク205の係脱部213がフック513のピン531に係合し、更に、フック513を第1付勢手段の付勢力に抗してロック方向へ回転させる。そして、ラチェット517の係止部519がフック513のフルロック係止部523に係合する図7(c)に示すフルロック(F/L)状態となる。尚、図9に示すように、フルロック直前で、カーテシスイッチ703はONからOFFとなる。クローザモータ611は更に正転し、フック513がフルロック状態から更に回転したオーバストローク(O/S)状態まで正転すると、ハーフロック・フルロック検出スイッチ701が応動(OFFからON)する。カーテシスイッチ703がOFFで、ハーフロック・フルロック検出スイッチ701が応動すると、制御部709はタイマ711を見て、所定時間(t2)後にクローザモータ611を停止させ、所定時間(t3)後に逆転させる。このクローザモータ611の逆転により、セクタギア201は元位置方向へ回転し、リンク205の係脱部213が降るロック状態にあるフック513のピン531から離反した図8の状態となる。セクタギア201が元位置まで回転すると、図9に示すように、セクタギア元位置スイッチ705がONからOFFとなり、制御部709は所定時間(t4)後に、クローザモータ611の逆転を停止する。
【0031】
(バックドアを開けるとき)
図9及び図10を用いて説明する。図10は図1に示すバックドアロック装置でロック解除する場合のラチェットとカムストッパのカム部の作動を説明する図である。バックドアを開けようとして、アウトサイドハンドルを操作すると、図9に示すように、アウトサイドハンドルスイッチ707がONになる。制御部709はアウトサイドハンドルスイッチ707がONになると、所定時間(t5)後に、オープナモータ301を正転させる。このオープナモータ301の正転により、ウォーム303を介してヘリカルギア307が図10(a)で反時計方向に回転する。カムストッパ309のカム部311(カム面311a)がラチェット517のカム当接部155を押す。カム部311(カム面311a)は、ヘリカルギア307の回転軸からカム面311aまでの距離が徐々に長くなるうずまき線状となっているので、図10(a)→図10(b)に示すように、ラチェット517は第2付勢手段の付勢力に抗して矢印IIと反対方向に回転し始める。そして、図10(c)に示すように、ラチェット517の矢印IIと反対方向の回転により、ラチェット571の係止部519がフック513のフルロック係止部523から離反し、両者の係合が解除される。フック513は第1付勢手段の付勢力により、アンロック状態に復帰し、ロックが解除される。
【0032】
本実施の形態例のバックドアはガスダンパ等により、開く方向に付勢されているので、ロックが解除されると、バックドアは開く方向に回転し、図9に示すように、カーテシスイッチ703がOFFからONになる。そして、フック513がハーフロック位置を過ぎると、ハーフロック・フルロック検出スイッチがOFFからONになる。制御部709は所定時間(t5)後に、オープナモータ301の正転を停止する。この所定時間内t5内に、カムストッパ309が一回転し、カムストッパ309のストッパ部313がラチェット517のストッパ当接部543に当接し、カムストッパ(ヘリカルギア307)309の回転が禁止される図10(a)に示すアンロック状態へ復帰する。
【0033】
上記構成によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)ロック本体100、クローザ手段200、オープナ手段300を同一平面上で一列に配置したことにより、バックドアロック装置500の高さが低くなり、クローザ手段200、オープナ手段300はロック本体100が取り付けられる面と同じ面上に設けられる。よって、ロアバック33上に、ロック本体100、クローザ手段200、オープナ手段300を設けることができ、バックドアロック装置500を車体側に容易に取付けることが可能となる。又、バックドアロック装置500の高さが低くなり、ロアバック33上に設けることが可能となることにより、車両側に大きな穴を開けることもなくなり、車体側の強度の低下を最小限にすることができる。
【0034】
(2)クローザ手段200は、駆動源であるモータユニット600と、モータユニット600によって回転駆動される回転体であるセクタギア201と、基端部がセクタギア201に回転可能に取り付けられ、先端部側がフック513のピン531に係脱可能なリンク205と、リンク205の側面に形成されたカム面215、リンク205のカム面215が当接可能な固定ピン211、カム面215が固定ピン211に当たるようにリンク205を付勢する第3付勢手段としてのスプリング231からなるガイド手段とでなることにより、構成が簡単でスムーズな作動を得ることができる。
【0035】
(3)電動のクローザ手段200がある場合、クローザ作動中に停止した場合、駆動を解除する手段が必要である。本実施の形態例では、ドアロック装置500を覆うカバー801に開口803を設け、この開口803を塞ぐ蓋805を開けて、ボルト601、ボルト603を取り外し、モータユニット600を図3において矢印III方向に移動させることで、バックドア401が閉まった状態でもモータユニット600を容易に取り外すことができる。
【0036】
(4)バックドア401を閉めるとき、ハーフロック直前で閉めるのをやめた場合、フック513は元位置に戻るが、クローザ動作が行われる場合がある(空クローザ)。このような場合、図12に示すように、リンク205はフック513のピン531とかしめピン507とに当接しながら移動し、かしめピン507でバックドア401の荷重を受けることができる。
【0037】
尚、本発明は、上記実施の形態例に限定するものではない。上記実施の形態例では、出力歯車643の軸の上部は、アッパボデー503に形成された溝557に係合させたが、アッパボデー503に形成した穴に係合させても良い。この場合、モータユニット600を取り外す場合、ボルト601、ボルト603を取り外し、モータユニット600を回転体であるセクタギア201の軸方向に移動させた後、図3において矢印III方向に移動させることで、モータユニット600を容易に取り外すことができる
【0038】
【発明の効果】
以上述べたように請求項1記載の発明によれば、前記クローザ手段は、駆動源と、該駆動源が係合し、前記駆動源によって回転駆動される回転体と、基端部が前記回転体に回転可能に取り付けられ、先端部側が前記フックに係脱可能なリンクと、該リンクの側面に形成されたカム面、前記リンクのカム面が当接可能な固定ピン、前記カム面が前記固定ピンに当たるように前記リンクを付勢する第3付勢手段からなり、前記回転体が回転駆動されると、前記カム面に案内されて前記リンクの先端部側を前記フックに係合させ、前記フックをロック方向へ回転させるガイド手段とからなることにより、構成が簡単で作動もスムーズである。
【0041】
請求項3記載の発明によれば、前記駆動源は、前記回転体が設けられるボデーに対して、前記回転体の軸と直交する方向に配置される締着手段を用いて取り付けられ、前記駆動源と前記回転体との係脱は、前記回転体の軸と直交する方向、前記回転体の軸方向のうちのどちらかの方向に前記駆動源を移動することにより行われることにより、バックドアが閉まった状態でも、締着手段の締着を解除し、駆動源を前記回転体の軸と直交する方向、前記回転体の軸方向のうちのどちらかの方向に移動することにより、クローザ手段の駆動源と前記回転体が設けられるボデーとの分離が容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態例のバックドアロック装置の機構を説明する平面図である。
【図2】図1の切断線A−Aでの断面図である。
【図3】実施の形態例のバックドアロック装置の平面図である。図1は、図2は、図3は、図11は
【図4】図1のラチェットを説明する図で、(a)図は正面図、(b)図は(a)図の右側面図である。
【図5】図1のオープナ手段のヘリカルギアを説明する図で、(a)図はヘリカルギアの斜視図、(b)図は(a)図の上面図である。
【図6】図1のバックドアロック装置の電気的構成を説明するブロック図である。
【図7】図1に示すバックドアロック装置でロックする場合のセクタギア、リンク、フック、ラチェットの動きを説明する図である。
【図8】図1に示すバックドアロック装置でロックする場合のセクタギア、リンク、フック、ラチェットの動きを説明する図である。
【図9】図6の電気的構成のタイミングチャートである。
【図10】図1に示すバックドアロック装置でロック解除する場合のラチェットとカムストッパのカム部の作動を説明する図である。
【図11】バックドアロック装置が設けられた車両の断面図である。
【図12】空クローザ時の作動を説明する図である。
【図13】バックドアロック装置の基本的な構成を説明する図で、(a)図はアンロック状態、(b)図はハーフロック状態、(c)図はフルロック状態を示している。
【図14】クローザ手段、オープナ手段を有する従来のバックドアロック装置の側面図である。
【図15】図14の正面図である。
【図16】図14、図15に示すバックドアロック装置の問題点を説明する図である。
【符号の説明】
100 ロック本体
200 クローザ手段
300 オープナ手段
400 ストライカ
513 フック
517 ラチェット

Claims (3)

  1. バックドア側に設けられたストライカと、
    車体側に設けられ、前記ストライカが進入可能な係合溝が形成され、該係合溝に前記ストライカが進入可能なアンロック位置と、前記係合溝に進入した前記ストライカが離脱不可能なロック位置との間を回転可能なフック、前記車体側に回転可能に設けられ、前記ロック位置にあるフックに係合することにより前記フックのアンロック位置方向への回転を禁止するラチェット、前記フックをアンロック位置方向へ付勢する第1付勢手段、前記ラチェットを前記フックに係合する方向に付勢する第2付勢手段を有するロック本体と、
    前記フックが前記アンロック位置とロック位置との間であるハーフロック位置にある場合、前記フックをロック位置まで回転させるクローザ手段と、
    前記ロック位置にある前記フックに係合している前記ラチェットを前記フックより離脱させ、前記フックをアンロック位置へ移動させるオープナ手段と、を備え、
    前記クローザ手段は、
    駆動源と、
    該駆動源が係合し、前記駆動源によって回転駆動される回転体と、
    基端部が前記回転体に回転可能に取り付けられ、先端部側が前記フックに係脱可能なリンクと、
    該リンクの側面に形成されたカム面、前記リンクのカム面が当接可能な固定ピン、前記カム面が前記固定ピンに当たるように前記リンクを付勢する第3付勢手段からなり、前記回転体が回転駆動されると、前記カム面に案内されて前記リンクの先端部側を前記フックに係合させ、前記フックをロック方向へ回転させるガイド手段とからなることを特徴とするバックドアロック装置。
  2. 前記クローザ手段は、
    前記フックがアンロック位置側から移動しハーフロック位置直前になると応動するハーフロック検出スイッチと、
    前記フックがフルロック位置を通り過ぎると応動するフルロック検出スイッチと、
    前記ハーフロック検出スイッチ、前記フルロック検出スイッチ、前記フルロック検出スイッチからの信号を取り込んで、前記フックがアンロック位置側から移動しハーフロック位置直前になると前記駆動源を駆動し、前記フックがフルロック位置を通り過ぎると前記駆動源を停止する制御部と、
    からなることを特徴とする請求項1記載のバックドアロック装置。
  3. 前記駆動源は、前記回転体が設けられるボデーに対して、前記回転体の軸と直交する方向に配置される締着手段を用いて取り付けられ、
    前記駆動源と前記回転体との係脱は、前記回転体の軸と直交する方向、前記回転体の軸方向のうちのどちらかの方向に前記駆動源を移動することにより行われることを特徴とする請求項1又は2記載のバックドアロック装置。
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