JP5384421B2 - 半導体リソグラフィー用共重合体の製造方法 - Google Patents
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Description
{式(L1)中、oは酸解離性溶解抑制基としての結合部位を、R13及びR14はそれぞれ独立して炭素数1〜4の炭化水素基を、R15は炭素数1〜12の炭化水素基を表し、R15はR13又はR14と結合して環を形成しても良い。}
若しくは式(L2)
{式(L2)中、oは酸解離性溶解抑制基としての結合部位を、R16及びR17はそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜4の炭化水素基を、R18は炭素数1〜12の炭化水素基を表し、R16はR17又はR18と結合して環を形成しても良い。}
で表される構造から選ばれる〔1〕に記載の半導体リソグラフィー用共重合体の製造方法。
{式(A)中、R10は水素原子、若しくは、フッ素原子が置換しても良い炭素数1〜4の炭化水素基を、R11は酸素原子若しくは硫黄原子を含んでも良い炭素数6〜12の脂環式炭化水素基を、nは0又は1の整数を、R12は式(L1)若しくは(L2)で表される酸解離性溶解抑制基を表す。}
で表される構造である〔1〕に記載の半導体リソグラフィー用共重合体の製造方法。
[式(B)中、R20は水素原子、若しくは、フッ素原子が置換しても良い炭素数1〜4の炭化水素基を、R21は単結合、又は、酸素原子若しくは硫黄原子を含んでも良い炭素数5〜12の脂環式炭化水素基を、L3は式(L3)
{式(L3)中、R22〜R29は、いずれか1つ又は2つがR21と結合する単結合であり、残りは水素原子又は炭素数1〜4の炭化水素基若しくはアルコキシ基を表し、mは0又は1の整数を表す。}で表されるラクトン構造を表し、L3はR21と1又は2の単結合で結合している。]
で表される構造である〔1〕に記載の半導体リソグラフィー用共重合体の製造方法。
{式(C)中、R33は水素原子、若しくは、フッ素原子が置換しても良い炭素数1〜4の炭化水素基を、R34〜R36はそれぞれ独立して水素原子若しくは水酸基を表し、R34〜R36の内、少なくとも一つ以上が水酸基である。}
で表される構造である〔1〕に記載の半導体リソグラフィー用共重合体の製造方法。
本発明により製造される半導体リソグラフィー用共重合体は、少なくとも、繰り返し単位(A)、繰り返し単位(B)、及び、繰り返し単位(C)とを含む。
繰り返し単位(A)は、酸解離性溶解抑制基でアルカリ可溶性基を保護した構造を有する繰り返し単位であり、アルカリ現像液に対する共重合体の溶解性を変化させる働きをする。アルカリ可溶性基としては、水中25℃でのpKaが12以下の極性基が好ましく、特に好ましくは水中25℃でのpKaが10以下の極性基である。このような例として、フェノール性水酸基、フルオロアルコール性水酸基、カルボキシル基、スルホ基等を挙げることができ、193nmの光線透過率や保存安定性等から、特に好ましくはカルボキシル基である。酸解離性溶解抑制基が、このようなアルカリ可溶性基の水素と置換して、酸素原子に結合し、アルカリ現像液に対する溶解性を抑制する。
式(L2)中、oは酸解離性溶解抑制基としての結合部位を表す。R16及びR17はそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜4の炭化水素基を表し、具体的には、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基等を挙げることができる。R18は炭素数1〜12の炭化水素基を表し、具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニル基、アダマンチル基、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカニル基等を挙げることができる。尚、R16は、R17又はR18と結合して環を形成しても良く、R16がR17と結合した環の具体例として、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、ノルボルナン環、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン環、アダマンタン環、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン環等を、又、R16がR18と結合した環の具体例として、ヒドロフラン環、ヒドロピラン環等をそれぞれ挙げることができる。
繰り返し単位(B)は、ラクトン構造を有する繰り返し単位であり、半導体基板への密着性を高めたり、リソグラフィー溶媒やアルカリ現像液への溶解性を制御したりする働きをする。繰り返し単位(B)は、式(B)で表される構造であることが好ましい。
繰り返し単位(C)は、アルコール性水酸基を有する繰り返し単位であり、半導体基板への密着性を高めたり、リソグラフィー溶媒やアルカリ現像液への溶解性を制御したりする働きをする。繰り返し単位(C)の構造としては、光線透過率やエッチング耐性に優れることから、式(C)で表される構造であることが特に好ましい。
本発明により製造される半導体リソグラフィー用共重合体は、上記の繰り返し単位以外に、必要に応じて、アルカリ現像液やリソグラフィー溶媒への溶解性を制御する目的で、酸安定溶解抑制基を有する繰り返し単位(D)等も含むことができる。
各繰り返し単位の組成は、半導体リソグラフィーにおける基本性能を損なわない範囲で選択することができる。例えば、繰り返し単位(A)は、通常10〜80モル%、好ましくは15〜70モル%、より好ましくは20〜60モル%の範囲を選択する。繰り返し単位(B)は、通常10〜80モル%、好ましくは15〜70モル%、より好ましくは20〜60モル%の範囲を選択する。繰り返し単位(C)は、通常1〜50モル%、好ましくは5〜40モル%、より好ましくは10〜30モル%の範囲を選択する。繰り返し単位(D)は、通常0〜30モル%、好ましくは0〜20モル%、より好ましくは0〜10モル%の範囲を選択する。
本発明により製造される半導体リソグラフィー用共重合体は、既に公知の末端構造を含む。通常、ラジカル重合開始剤から発生するラジカル構造を重合開始末端として含み、連鎖移動剤を用いる場合は、連鎖移動剤から発生するラジカル構造を重合開始末端として含む。溶媒や単量体等に連鎖移動する場合は、溶媒や単量体から発生するラジカル構造を重合開始末端として含む。停止反応が再結合停止の場合は、両末端に重合開始末端を含むことができ、不均化停止の場合は片方に重合開始末端を、もう片方に単量体由来の末端構造を含むことができる。重合停止剤を用いる場合は、一方の末端に重合開始末端を、もう片方の末端に重合停止剤由来の末端構造を含むことができる。これらの開始反応及び停止反応は、一つの重合反応の中で複数発生する場合があり、その場合、複数の末端構造を有する共重合体の混合物となる。本発明で用いることができる重合開始剤、連鎖移動剤、溶媒については後述する。
共重合体の重量平均分子量(Mw)は、高すぎるとレジスト溶剤やアルカリ現像液への溶解性が低くなり、一方、低すぎるとレジストの塗膜性能が悪くなることから、1,000〜40,000の範囲内であることが好ましく、1,500〜30,000の範囲内であることがより好ましく、2,000〜20,000の範囲内であることが特に好ましい。又、分子量分布(Mw/Mn)は1.0〜5.0の範囲内であることが好ましく、1.0〜3.0の範囲内であることがより好ましく、1.2〜2.5の範囲内であることが特に好ましい。
本発明により製造される共重合体の酸価は、測定対象の共重合体を溶媒に溶解し、ブロモチモールブルーを指示薬として、水酸化アルカリ金属含有溶液で中和滴定することにより求める。この方法は、次の理由により、特にラクトン構造を有する共重合体の酸価を定量する場合に好ましい。
以下、本発明の半導体リソグラフィー用共重合体の製造方法について説明する。本発明の製造方法は、少なくとも、単量体から酸を除去する工程(Q)、単量体を加熱した有機溶媒中でラジカル重合させる工程(P)よりなることができ、又、必要に応じ、共重合体から単量体、重合開始剤等の未反応物やオリゴマー等の低分子量成分等の不要物を除去する工程(R)や、低沸点不純物を除去したり、溶媒を次工程若しくはリソグラフィーに適した溶媒と置換したりする工程(S)、半導体の形成に好ましくない金属不純物を低減する工程(T)、マイクロゲル等のパターン欠陥の原因となる物質を低減する工程(U)を組み合わせることもできる。
工程(Q)は、単量体から、その合成過程で使用した酸原料や酸触媒、副生した酸等の酸性物質を除去する工程である。酸性物質が残留すると、工程(P)において、繰り返し単位(A)を与える単量体の酸解離性溶解抑制基の一部が脱離したり、酸性物質が重合性物質の場合は酸性物質が共重合したりして、共重合体中にカルボキシル基等の酸性官能基が生成してしまう。共重合体の酸価を0.01mmol/gとするためには、単量体に含まれる酸性物質を除去し、単量体の酸価を好ましくは0.01mg/g以下、特に好ましくは0.005mg/g以下に低減することが好ましい。
Space Velocityの略で、流体の空間速度を表す。ここでは、単量体溶液の通液速度をイオン交換層の体積で割った値で表す。)が速すぎると酸性物質の除去効率が低下し、遅すぎると生産効率が低下するため好ましくなく、LHSVが通常、0.1〜100/hr、好ましくは0.5〜50/hr、特に好ましくは1〜20/hrの範囲を選択する。
工程(P)は、単量体を、ラジカル重合開始剤の存在下、有機溶媒中でラジカル重合させる工程であり、公知の方法にて実施できる。例えば、(P1)単量体を重合開始剤と共に溶媒に溶解し、そのまま加熱して重合させる一括昇温法、(P2)単量体を重合開始剤と共に必要に応じて溶媒に溶解し、加熱した溶媒中に滴下して重合させる混合滴下法、(P3)単量体と重合開始剤を別々に、必要に応じて溶媒に溶解し、加熱した溶媒中に別々に滴下して重合させるいわゆる独立滴下法、(P4)単量体を溶媒に溶解して加熱し、別途溶媒に溶解した重合開始剤を滴下して重合させる開始剤滴下法等が挙げられる。
キサン−1−カルボニトリル)、4,4'−アゾビス(4−シアノ吉草酸)等を挙げることができる。過酸化物の具体例としては、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ビス(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド、コハク酸パーオキサイド、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルへキサノエート、tert−ブチルパーオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等を挙げることができる。これらは単独で若しくは混合して用いることができる。重合開始剤の使用量は、目的とするMw、原料である単量体、重合開始剤、連鎖移動剤及び溶媒の種類や組成比、重合温度や滴下速度等の製造条件に応じて選択することができる。
工程(R)は、工程(P)を経て得られた共重合体に含まれる、単量体や重合開始剤等の未反応物やオリゴマー等の低分子量成分を、溶媒に抽出して除去する工程である。その方法として、例えば、(R1):貧溶媒を加えて共重合体を沈殿させた後、溶媒相を分離する方法、(R1a):(R1)に続いて貧溶媒を加え、共重合体を洗浄した後、溶媒相を分離する方法、(R1b):(R1)に続いて良溶媒を加え、共重合体を再溶解させ、更に貧溶媒を加えて共重合体を再沈殿させた後、溶媒相を分離する方法、(R2):貧溶媒を加えて貧溶媒相と良溶媒相の二相を形成し、貧溶媒相を分離する方法、(R2a):(R2)に続いて貧溶媒を加え、良溶媒相を洗浄した後、貧溶媒相を分離する方法等が挙げられる。尚、(R1a)、(R1b)、(R2a)は繰り返しても良いし、それぞれ組み合わせても良い。
工程(S)は、共重合体溶液に含まれる低沸点不純物を除去したり、溶媒を次工程若しくはリソグラフィー組成物に適した溶媒に置換したりする工程である。重合体溶液を減圧下で加熱しながら濃縮し、必要に応じて溶媒を追加して更に濃縮する工程(S1)、重合体溶液を、減圧下で加熱しながら、必要に応じて濃縮した後、溶媒を次工程若しくはリソグラフィー組成物として好ましい溶媒を供給しながら、初期の溶媒と供給した溶媒を留去させ、必要に応じて更に濃縮して、溶媒を次工程若しくはリソグラフィー組成物として好ましい溶媒に置換する工程(S2)等によって行うことができる。
工程(T)は、半導体リソグラフィーとして好ましくない金属分を低減する工程である。金属は、原料や副資材、機器、その他環境からの混入することがあり、この量が半導体形成における許容値を超えることがあるので、必要に応じて実施する。この工程(T)は、工程(R)において、極性溶媒を貧溶媒とする場合、金属分を低減できる場合があり、この場合は、工程(R)と兼ねることができる。それ以外の方法として、カチオン交換樹脂と接触させる工程(T1)、カチオン交換樹脂と、アニオン交換樹脂若しくは酸吸着樹脂の混合樹脂と接触させる工程(T2)、ポリアミドポリアミンエピクロロヒドリンカチオン樹脂などの正のゼータ電位を有する物質を含むフィルターに通液させる工程(T3)等を選択することができる。これらの工程は組み合わせて実施することができ、工程(T3)で用いるフィルターとしては、キュノ社製ゼータプラス40QSH、ゼータプラス020GN、エレクトロポアEFII等を例示できる(これらは商標で、以下同様である。)。
工程(U)は、パターン欠陥の原因となるため好ましくないハイポリマー等のマイクロゲルを、有機溶媒に溶解した共重合体をフィルターに通液させて低減する工程である。フィルターの濾過精度は、0.2μm以下、好ましくは0.1μm以下、特に好ましくは0.05μm以下である。フィルターの材質は、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリロニトリルなどの極性基含有樹脂、フッ化ポリエチレンなどのフッソ含有樹脂を挙げることができ、特に好ましくはポリアミドである。
上記により得られた共重合体は、乾燥固体を1種又は2種以上のリソグラフィー溶媒に溶解するか、又は、リソグラフィー溶媒に溶解した共重合体溶液を必要に応じて同種又は異種のリソグラフィー溶媒で希釈すると共に、感放射線性酸発生剤(X){以下、成分(X)という}、放射線に暴露されない部分への酸の拡散を防止するための含窒素有機化合物等の酸拡散抑制剤(Y){以下、成分(Y)という}、必要に応じてその他添加剤(Z){以下、成分(Z)という}を添加することにより、化学増幅型レジスト組成物に仕上げることができる。
単量体
単量体G: γ−ブチロラクトン−2−イルメタクリレート
単量体Ma:2−メチル−2アダマンチルアクリレート
単量体Oa:3−ヒドロキシ−1−アダマンチルアクリレート
繰り返し単位
G: 単量体Gから誘導される繰り返し単位
Ma:単量体Maから誘導される繰り返し単位
Oa:単量体Oaから誘導される繰り返し単位
MAIB:ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート
溶媒
MEK:メチルエチルケトン
THF:テトラヒドロフラン
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
EL:乳酸エチル
GPCにより測定した。分析条件は以下の通りである。
装 置: 東ソー製GPC8220
検出器: 示差屈折率(RI)検出器
カラム: 昭和電工製KF−804L(×3本)
試 料: 共重合体約0.02gを、テトラヒドロフラン約1mlに溶解した。GPCへの注入量は60μlとした。
装 置: Bruker製AV400
試 料: 共重合体の粉体約1gとCr(acac)2 0.1gを、MEK0.5g、重アセトン1.5gに溶解した。
測 定: 試料を内径10mmガラス製チューブに入れ、温度40℃、スキャン回数10000回の条件で測定した。
(3−1)リソグラフィー用組成物の調製
以下の組成となるように調製した。
共重合体 :100質量部
成分(X):4−メチルフェニルジフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート3.5質量部
成分(Y):トリエタノールアミン0.2質量部
成分(Z):サーフロンS−381(セイミケミカル製)0.1質量部
溶媒: PGMEA 450質量部、及びEL 300質量部
リソグラフィー用組成物を、4インチシリコンウエハー上に回転塗布し、ホットプレート上で100℃、90秒間プリベーク(PAB)して、厚さ350nmの薄膜を形成した。ArFエキシマレーザー露光装置(リソテックジャパン製VUVES−4500)を用い、露光量を変えて10mm×10mm□の18ショットを露光した。次いで120℃、90秒間ポストベーク(PEB)した後、レジスト現像アナライザー(リソテックジャパン製RDA−800)を用い、23℃にて2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で180秒間現像し、各露光量における現像中のレジスト膜厚の経時変化を測定した。
ドライリソグラフィーと同様にして、リソグラフィー用組成物を、4インチシリコンウエハー上に回転塗布し、プリベーク(PAB)して、厚さ350nmの薄膜を形成した。このウエハーを、超純水を張ったバットに30秒間漬けた後、取り出して乾燥空気を吹き付け、水滴を振り切った。次いで、ArFエキシマレーザー露光装置(リソテックジャパン製VUVES−4500)を用い、露光量を変えて10mm×10mm□の18ショットを露光した。露光後のウエハーを、超純水を張ったバットに30秒間漬け、取り出して乾燥空気を吹き付け、水滴を振り切った。以下、ドライリソグラフィーと同様にして、ポストベーク(PEB)を行い、レジスト現像アナライザー(リソテックジャパン製RDA−800)を用いて現像し、各露光量における現像中のレジスト膜厚の経時変化を測定した。
得られたデータを基に、露光量(mJ/cm2)の対数と、初期膜厚に対する60秒間現像した時点での残存膜厚率(以下、残膜率という)(%)をプロットした曲線(以下、露光量−残膜率曲線という)を作成し、Eth(残膜率0%とするための必要露光量であり、感度を表す。)とγ値(露光量−残膜率曲線の接線の傾きであり、現像コントラストを表す。)を以下の通り求めた。
Eth:露光量−残膜率曲線が残膜率0%と交わる露光量(mJ/cm2)
γ 値:露光量−残膜率曲線の残膜率50%における露光量をE50(mJ/cm2)、露光量−残膜率曲線のE50における接線が、残膜率100%の線及び残膜率0%の線と交わる露光量をそれぞれE100及びE0として、以下の計算式で求めた。
γ=1/{log(E0/E100)}
単量体25質量%を含む酢酸エチル溶液4g、若しくは、共重合体25質量%を含むPGMEA溶液4gを秤量し、20gのテトラヒドロフランを加えて溶解させた。指示薬として、ブロモチモールブルーを1質量%含むメタノール溶液を0.05g加え、更に水0.5gを加え黄色溶液とした。この溶液を撹拌しながら、あらかじめ調製した0.025mol/L濃度のNaOH水溶液で滴定し、緑からわずかに青みが出た色調をもって終点とした。酸価の計算は次の通り行った。
{酸価(mmol/g)}=(CNaOH×VNaOH)/(Wszmp×Cpoly)
ここで各記号の意味は以下の通りとする。
CNaOH:NaOH水溶液中のNaOH濃度(mol/L)
VNaOH:NaOH水溶液の滴定量(mL)
Wszmp:測定試料の秤量(g)
Cpoly:試料に含まれる共重合体の濃度(質量%)
尚、滴定は5回実施し、平均と3σを求めた。
市販の単量体G{大阪有機化学製ロット1(以下、市販単量体G1という。)}1.2kgを酢酸エチル3.6kgに溶解して得た溶液を、撹拌しながら20〜25℃に保った水4.8kgに投入し、更に15分間撹拌した後、30分間静置した。水相を除去した後、N2ガスを吹き込みながら、減圧下で加熱して軽質分を留去し、精製単量体G1を得た。精製単量体の酸価は定量下限(0.002mmol/g)以下であった。
市販単量体G1の替わりに、市販単量体G2(大阪有機化学製ロット2)を用いた以外は合成例1−1と同様にして、精製単量体G2を得た。精製単量体の酸価は定量下限(0.002mmol/g)以下であった。
市販単量体G1の替わりに、市販の単量体Ma{ENF製ロット1(以下、市販単量体Ma1という。)}を用いた以外は合成例1−1と同様にして、精製単量体Ma1を得た。精製単量体の酸価は定量下限(0.002mmol/g)以下であった。
市販単量体Ma1の替わりに、市販単量体Ma2(ENF製ロット2)を用いた以外は合成例2−1と同様にして、精製単量体Ma2を得た。精製単量体の酸価は定量下限(0.002mmol/g)以下であった。
市販の単量体Oa{出光興産製ロット1(以下、市販単量体Oa1という。)}1.0kgを酢酸エチル3.0kgに溶解して得た溶液を、撹拌しながら20〜25℃に保った水4.0kgに投入し、更に15分間撹拌した後、30分間静置した。水相を除去した後、減圧下で加熱して軽質分を留去し、溶液を濃縮した。次いでヘキサン5.0kgを加えて固形分を析出させた後、固形分をろ別して回収し、減圧下で乾燥させて、精製単量体Oa1を得た。精製単量体の酸価は定量下限(0.002mmol/g)以下であった。
市販単量体Oa1の替わりに、市販単量体Oa2(出光興産製ロット2)を用いた以外は合成例3−1と同様にして、精製単量体Oa2を得た。精製単量体の酸価は定量下限(0.002mmol/g)以下であった。
市販単量体Oa11.0kgを酢酸エチル3.0kgに溶解した。このOa1溶液を、オルガノ製イオン交換樹脂アンバーリストEG−290{本文中(E1)の置換基含有アニオン交換樹脂と、スルホン酸基含有カチオン交換樹脂の1:1混合品}470gを充填し、メタノール2.4kgを通液し、次いで酢酸エチル2.4kgを通液して洗浄した、直径5cm、層高30cmのイオン交換層に、20〜25℃に保ちながら、LHSV=5/hrで通液した。通液後の溶液を減圧下で加熱し、軽質分を留去して溶液を濃縮した。次いでヘキサン5.0kgを加えて、固形分を析出させた後、固形分をろ別して回収し、減圧下で乾燥して、精製単量体Oa3を得た。精製単量体の酸価は定量下限(0.002mmol/g)以下であった。
容器にMEK3.1kg、合成例1−1で得られた精製単量体G10.7kg、合成例2−1で得られた精製単量体Ma11.0kg、合成例3−1で得られた精製単量体Oa10.5kgを溶解させ、均一な「単量体溶液」を調製した。別の容器に、MEK0.2kg、MAIB0.07kgを溶解させ、均一な「開始剤溶液」を調製した。又、攪拌機と冷却器を備え付けた重合槽にMEK1.8kgを仕込んで窒素雰囲気とした。重合槽内のMEKを79℃に加熱した後、25〜30℃に保った単量体溶液と開始剤溶液を、それぞれ別々に、定量ポンプを用い、一定速度で4時間かけて79〜81℃に保った重合槽内に滴下して重合させた。滴下終了後、更に80〜81℃に保ったまま2時間熟成させた後、室温まで冷却した。
精製単量体G1、精製単量体Ma1、精製単量体Oa1の替わりに、それぞれ精製単量体G2、精製単量体Ma2、精製単量体Oa2を用いた以外は、実施例1と同様にして共重合体及びリソグラフィー用組成物を得た。共重合体のG、Ma、Oaの各繰り返し単位組成比、Mw、Mw/Mn、酸価と、リソグラフィー用組成物のEth、γ値を表1にまとめた。
精製単量体Oa1の替わりに、精製単量体Oa3を用いた以外は、実施例1と同様にして共重合体及びリソグラフィー用組成物を得た。共重合体のG、Ma、Oaの各繰り返し単位組成比、Mw、Mw/Mn、酸価と、リソグラフィー用組成物のEth、γ値を表1にまとめた。
精製単量体G1、精製単量体M1、精製単量体Oa1の替わりに、それぞれ市販の単量体G1、市販の単量体M1、市販の単量体Oa1を用いた以外は、実施例1と同様にして共重合体及びリソグラフィー用組成物を得た。共重合体のG、Ma、Oaの各繰り返し単位組成比、Mw、Mw/Mn、酸価と、リソグラフィー用組成物のEth、γ値を表1にまとめた。
精製単量体G1、精製単量体M1、精製単量体Oa1の替わりに、それぞれ市販の単量体G2、市販の単量体M2、市販の単量体Oa2を用いた以外は、実施例1と同様にして共重合体及びリソグラフィー用組成物を得た。共重合体のG、Ma、Oaの各繰り返し単位組成比、Mw、Mw/Mn、酸価と、リソグラフィー用組成物のEth、γ値を表1にまとめた。
Claims (5)
- 少なくとも、酸解離性溶解抑制基でアルカリ可溶性基を保護した構造を有する繰り返し単位(A)、ラクトン構造を有する繰り返し単位(B)、及び、アルコール性水酸基を有する繰り返し単位(C)を含む共重合体の製造方法であって、繰り返し単位(A)を与える単量体、繰り返し単位(B)を与える単量体、及び、繰り返し単位(C)を与える単量体から選ばれる少なくとも一種類以上を、有機溶媒に溶解した状態でイオン交換樹脂と接触させる工程を経た後、共重合に供することにより、得られた共重合体を溶媒に溶解した後、ブロモチモールブルーを指示薬として、水酸化アルカリ金属含有溶液で中和滴定する方法で求めた酸価を、0.01mmol/g以下で、且つ、前記単量体を酢酸エチルに溶解した状態で、添加剤を含まない20〜25℃の水に投入した後に撹拌することにより両者を接触させ、分液する工程を1回経た後に共重合に供した場合より低い値とすることを特徴とする半導体リソグラフィー用共重合体の製造方法。
- 繰り返し単位(A)の酸解離性溶解抑制基が、式(L1)
{式(L1)中、oは酸解離性溶解抑制基としての結合部位を、R13及びR14はそれぞれ独立して炭素数1〜4の炭化水素基を、R15は炭素数1〜12の炭化水素基を表し、R15はR13又はR14と結合して環を形成しても良い。}
若しくは式(L2)
で表される構造から選ばれる請求項1に記載の半導体リソグラフィー用共重合体の製造方法。 - 繰り返し単位(A)が、式(A)
で表される構造である請求項1に記載の半導体リソグラフィー用共重合体の製造方法。 - 繰り返し単位(B)が、式(B)
で表される構造である請求項1に記載の半導体リソグラフィー用共重合体の製造方法。 - 繰り返し単位(C)が、式(C)
で表される構造である請求項1に記載の半導体リソグラフィー用共重合体の製造方法。
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