JP5383168B2 - トナー粒子の製造方法、及びトナー粒子の製造装置 - Google Patents
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Description
更に、クリーナーレスや廃トナー量削減達成のために、トナーの転写性の向上が求められていることから、トナー粒子の表面形状を改質する更なる球形化が要求されるようになってきている。
やすいトナーの場合、球形化に伴う衝撃により、トナーが粉砕されてしまい、微粉が多くなってしまうという問題点があり、トナー生産性上及び品質上好ましくない。また熱により表面を溶融する方法においては、トナー表面の組成が変化する場合がある。特に離型剤として添加するワックス成分の存在状態が変化するため、トナー品質上好ましくないことがある。
更に長期使用時にも良好な現像性、転写性、並びにクリーニング性、及び安定した帯電性を有する長寿命のトナーを得るために、熱や衝撃などのストレスに強いトナー粒子の製造方法、及び製造装置を提供することにある。
[1]結着樹脂、ワックス及び着色剤を少なくとも含有する微粉砕物の表面改質工程を有するトナー粒子の製造方法であって、
該表面改質工程が、表面改質装置を用いて行われ、
該表面改質装置は、
微粉砕物の中から少なくとも所定の粒径以下の微粉を装置外へ連続的に排出除去する分級手段、
機械式衝撃力を用いて微粉砕物の表面改質を行う表面改質手段、及び、
該分級手段と該表面改質手段との間の空間を第一の空間と第二の空間とに仕切る案内手段を有しており、
該分級手段は該表面改質手段の上方に設けられており、
該表面改質手段は、
水平方向に回転する回転子と、
該回転子の外縁から該回転子の回転軸に対して垂直方向に一定間隔を保持して配置された固定子とを有し、
該回転子は、その外縁上に複数のハンマーを有し、
該固定子の該回転子に対向する表面には、1本又は複数本の溝が設けられており、該溝は、回転子の回転方向の下流側に行くにつれて、固定子底部からの高さが一定若しくは高くなるように傾斜し、かつ、該溝の円周方向を示す溝方向線の、該回転子の回転軸軸線に対する角度θ1が60度以上、90度以下であることを特徴とするトナー粒子の製造方法。
[2]前記ハンマーの、前記回転子の回転軸の軸線方向の長さA(mm)と、前記固定子の、回転軸の軸線方向の長さB(mm)が2.0≦B/A≦15.0の関係を満たすことを特徴とする[1]に記載のトナー粒子の製造方法。
[3]微粉砕物の中から所定の粒径以下の微粉を装置外へ連続的に排出除去する分級手段、
機械式衝撃力を用いて微粉砕物の表面改質を行う表面改質手段、及び、
該分級手段と該表面改質手段との間の空間を第一の空間と第二の空間とに仕切る案内手段を有するトナー粒子の製造装置であって、
該微粉砕物は、結着樹脂、ワックス及び着色剤を少なくとも含有し、
該分級手段は該表面改質手段の上方に設けられており、
該表面改質手段は、
水平方向に回転する回転子と、
該回転子の外縁から該回転子の回転軸に対して垂直方向に一定間隔を保持して配置された固定子とを有し、
該回転子は、その外縁上に複数のハンマーを有し、
該固定子の該回転子に対向する表面には、1本又は複数本の溝が設けられており、該溝は、回転子の回転方向の下流側に行くにつれて、固定子底部からの高さが一定若しくは高くなるように傾斜し、かつ、該溝の円周方向を示す溝方向線の、該回転子の回転軸軸線に対する角度θ1が60度以上、90度以下であることを特徴とするトナー粒子の製造装置。
[4]前記ハンマーの、前記回転子の回転軸の軸線方向の長さA(mm)と、前記固定子の、回転軸の軸線方向の長さB(mm)が2.0≦B/A≦15.0の関係を満たすことを特徴とする[3]に記載のトナー粒子の製造装置。
更に長期使用時にも良好な現像性、転写性、並びにクリーニング性、及び安定した帯電性を有する長寿命のトナーを得るために、熱や衝撃などのストレスに強いトナー粒子の製造方法、及び製造装置を提供される。
まず、本発明の製造方法は、トナー粒子又はトナーの表面改質工程を有し、該表面改質工程に用いられる表面改質装置について略図を用いて更に詳細に説明する。
微粉排出管は、分級ローター35により除去された微粉及び超微粉を装置外に排出するための微粉排出口45を有している。
ハンマー33の個数は、図3(A)及び(B)に示すように、回転バランスを考慮して、偶数個が好ましい。
または複数本の溝を有している。そして溝の円周方向傾きは、回転子32の回転軸軸線に対して、回転子の回転方向に向かって60度以上90度以下である(図5(a)、(b)中θ1で表す)。
表面改質装置は、更に、図4(A)及び(B)に示すように、天板43に対して垂直方向に軸を有する案内手段としての円筒状のガイドリング36を本体ケーシング30内に有する。該ガイドリング36は、その上端が天板から所定距離離間して設けられており、分級ローター35の少なくとも一部を覆うように支持体により本体ケーシング30に固定されている。ガイドリング36の下端は回転子32のハンマー33から所定距離離間して設けられる。表面改質装置内において、分級ローター35と回転子32との間の空間が、ガイドリング36によって、ガイドリング36の外側の第一の空間47と、ガイドリング36の内側の第二の空間48とに二分される。第一の空間47は微粉砕物及び表面改質処理された粒子を分級ローター35へ導くための空間であり、第二の空間は微粉砕物及び表面改質処理された粒子を回転子へ導くための空間である。回転子32上に複数個設置されたハンマー33と、固定子34との間隙部分が表面改質ゾーン49であり、分級ローター35及び分級ローター35の周辺部分が分級ゾーン50である。
前述したように構成してなる表面改質装置は、図7に示す如く、原料ホッパー380に導入された微粉砕物は、定量供給機315を経由して、投入管の原料投入口37から原料供給弁38を通って原料供給口39より装置内に供給される。表面改質装置には、冷風発生手段319で発生させた冷風を冷風導入口46から本体ケーシング内に供給する。さらに、冷水発生手段320からの冷水を冷水ジャッケト31に供給し、本体ケーシング内の温度を所定温度に調整する。供給された微粉砕物は、ブロアー364による吸引風量、回転子32の回転及び分級ローター35の回転、及び固定子34の溝により形成される旋回流により、円筒状のガイドリング36の外側の第一の空間47を旋回しながら分級ローター35近傍の分級ゾーン50に到達して分級処理が行われる。本体ケーシング30内に形成される旋回流の向きは、回転子32及び分級ローター35の回転方向と同じである。
尚、該表面改質装置で発生した微粉体は、サイクロン、バグ等の捕集機器により回収し、トナー原料の配合工程に戻して再利用することがトナー生産性上好ましい。
段が回転子と、該回転子の外縁から該回転子と水平方向に一定間隔を保持して配置された固定子とを少なくとも有し、該回転子は、その外縁上に複数のハンマーを有し、該固定子の回転子に対向する表面には、1本又は複数本の溝が設けられており、該溝は、溝の円周方向傾きが該回転子の回転軸軸線に対して、回転子の回転方向に向かって60度以上、90度以下の角度をなすことである。
一方、溝の角度θ1が60度未満であると、溝内にそって旋回流が発生しにくいため、分級精度が悪くなる傾向がある。また、旋回流が発生しにくく旋回流が弱い場合には、回転子によって分散されたトナー粒子が固定子に強く打ち付けられるため、その打ち付けられた衝撃によりトナー粒子表面にワックス成分がにじみ出すことが考えられる。その結果、トナー表面に存在しているワックス成分が長期使用時に磁性キャリアやスリーブなどを汚染する傾向がある。また、90度を超える場合、回転子の回転方向のらせんが、表面改質装置の下方に向かうこととなり、旋回流が発生しない。
円周状、またはらせん状の角度θ1は、超微粉量を低減させる観点から、75度以上90度以下の場合がより好ましい。
B/Aは、分級精度と排出性をバランスよく両立させる観点から、4.7≦B/A≦9.3を満たすことがより好ましい。
0個数%以上80個数%以下であることが好ましい。表面改質装置による表面改質処理後に得られるトナー粒子(表面改質粒子)は、重量平均粒径(D4)が4.0μm以上10
.0μm以下であり、且つ粒径が4.0μm以下の微粉量の割合が5個数%以上40個数%以下であることが好ましい。
込まれる。フラットシースフローに送り込まれた試料は、シース液に挟まれて扁平な流れを形成する。フラットシースフローセル内を通過する試料に対しては、1/60秒間隔でストロボ光が照射されており、流れている粒子を静止画像として撮影することが可能である。また、扁平な流れであるため、焦点の合った状態で撮像される。粒子像はCCDカメラで撮像され、撮像された画像は512×512の画像処理解像度(一画素あたり0.37×0.37μm)で画像処理され、各粒子像の輪郭抽出を行い、粒子像の投影面積Sや周囲長L等が計測される。
次に、上記面積Sと周囲長Lを用いて円相当径と円形度を求める。円相当径とは、粒子像の投影面積と同じ面積を持つ円の直径のことであり、円形度Cは、円相当径から求めた円の周囲長を粒子投影像の周囲長で割った値として定義され、次式で算出される。
円形度C=2×(π×S)1/2/L
粒子像が円形の時に円形度は1になり、粒子像の外周の凹凸の程度が大きくなればなるほど円形度は小さい値になる。各粒子の円形度を算出後、円形度0.200以上1.000以下の範囲を800分割し、得られた円形度の相加平均値を算出し、その値を平均円形度とする。
トナー粒子表面のワックス量は、メタノール45体積%水溶液における透過率(%)を測ることにより、簡易且つ精度の高く測定出来る。
.0mmを超えると、所望の平均円形度を持つ表面改質粒子を得るために処理能力を落とさなければならず、こちらもトナー生産性上十分満足できるものではない。
より、表面改質時における微粉の増加を防止し、表面改質時における熱の影響を少なくでき、トナー粒子の表面状態を所望のものにコントロールできる。その結果、良好な現像性、転写性並びにクリーニング性、及び安定した帯電性を有する、長寿命のトナーを得ることができる。
(日本ニューマチック社製)、特開平2003−262981号公報の図1に記載されているジェットエアーを利用した衝突式気流粉砕機と、特開平2003−262981号公報の図7に記載されている分級機を使用して微粉砕物を得る方法が挙げられる。又、機械式粉砕機としては、ターボ工業(株)製ターボミル、川崎重工業(株)製クリプトロン、ホソカワミクロン(株)製イノマイザー、日清エンジニアリング(株)製スーパーローターが挙げられる。その後、上述した表面処理装置を用いて微粉砕物の分級と粒子の表面処理を同時に行なうことにより、表面改質粒子として、所望の形状と所望の粒度分布を有するトナー粒子を得ることができる。本発明におけるトナーはトナー粒子に外添剤を外添することによって得られ外添剤を有するトナーが好ましい。
る。本発明において、粒子の表面改質する上で、架橋されたスチレン系樹脂及び架橋されたポリエステある樹脂が好ましい結着樹脂である。
族モノカルボン酸及び芳香族ポリカルボン酸のエステル化合物、ビスフェノールの如きフェノール誘導体が挙げられる。
トナーの重量平均粒径(D4)は、以下のようにして算出する。測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)を用いる。測定条件の設定及び測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いる。尚、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行なう。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更」画面において、コントロールモードの総カウント数を50,000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。「閾値/ノイズレベルの測定ボタン」を押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1,600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、「測定後のアパーチャーチューブのフラッシュ」にチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定」画面において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行なう。そして、専用ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス社製)を準備する。超音波分散器の水槽内に約3.3lのイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整
する。そして、測定粒子数が50,000個になるまで測定を行なう。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行ない、重量平均粒径(D4)を算出する。尚、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、「分析/体積統計値(算術平均)」画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
トナー中の個数基準の微粉量(個数%)は、前記のMultisizer3の測定を行なった後、データを解析することにより算出する。
例えば、トナー中の4.0μm以下の粒子の個数%は、以下の手順で算出する。まず、専用ソフトでグラフ/個数%に設定して測定結果のチャートを個数%表示とする。そして、「書式/粒径/粒径統計」画面における粒径設定部分の「<」にチェックし、その下の粒径入力部に「4」を入力する。「分析/個数統計値(算術平均)」画面を表示したときの「<4μm」表示部の数値が、トナー中の4.0μm以下の粒子の個数%である。
トナー粒子の平均円形度は、フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000」(シスメックス社製)によって、校正作業時の測定及び解析条件で測定する。
具体的な測定方法は、以下の通りである。まず、ガラス製の容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水約20mlを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.2ml加える。更に測定試料を約0.02g加え、超音波分散器を用いて2分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。その際、分散液の温度が10℃以上40℃以下となる様に適宜冷却する。超音波分散器としては、発振周波数50kHz、電気的出力150Wの卓上型の超音波洗浄器分散器(例えば「VS−150」(ヴェルヴォクリーア社製))を用い、水槽内には所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
測定にあたっては、測定開始前に標準ラテックス粒子(例えば、Duke Scien
tific社製の「RESEARCH AND TEST PARTICLES Latex Microsphere Suspensions 5200A」をイオン交換水で希釈)を用いて自動焦点調整を行う。その後、測定開始から2時間毎に焦点調整を実施することが好ましい。
メタノールと水の体積混合比が45:55の水溶液を作製する。この水溶液10mlを30mlのサンプルビン(例えば、商品名「SV−30」、日電理化硝子社製)に入れ、トナー20mgを液面上に浸しビンのフタをする。
上記サンプルビンを支柱の先に取り付けた固定用ホルダー(サンプルビンのフタが支柱
中心の延長上に固定されたもの)に固定する。その後、「ヤヨイ式振とう器 Model−YS−LD」(ヤヨイ社製)により2.5回/秒で5秒間振とうする。この時、振とうする角度は、振とう器の真上(垂直)を0度とすると、前方に15度、後方に20度、振とうする支柱が動くようにする。尚、前方及び後方に1往復した時点で1回振とうされたものとカウントする。
サンプルビンを固定用ホルダーから外して静置し、30秒後にサンプルビンのフタを開
け、ピペットを用いて分散液を採取し、1cm角の石英セルに入れる。尚、この際には、沈殿しているトナーや、液面上に浮いているトナーをピペットで吸い込まないように注意し、液中に分散しているトナーのみをピペットで吸うようにする。
分散液の入った石英セルを分光光度計「MPS2000」(島津製作所社製)にセット
し、10分間そのままの状態を維持して、透過率の変動が落ち着くのを待つ。10分経過したら、測定波長600nmの透過率(%)を測定する。
透過率(%)=(A/B)×100
但し、Aは透過光束、Bは入射光束である。
不飽和ポリエステル樹脂〔ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン/ポリオキシエチレン(2,2)−2,2ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン/テレフタル酸/無水トリメリット酸/フマル酸からなる不飽和ポリエステル樹脂,Mw:15,000、Mw/Mn:4.5、Tg:58℃〕:
100質量部
銅フタロシアニン顔料(C.I.Pigment Blue15:3): 5質量部
パラフィンワックス(最大吸熱ピーク73℃): 4質量部
荷電制御剤(サリチル酸金属錯体E−88(オリエント社製)): 1質量部
上記の材料をヘンシェルミキサー(FM−75型、三井三池化工機(株)製)でよく混合した後、温度120℃に設定した二軸混練機(PCM−30型、池貝鉄工(株)製)にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、粗砕物を得た。
得られた粗砕物を、ジェットエアーを利用したジェットミル(IDS−5型粉砕機、日本ニューマチック社製)を用いて、フィード量:3kg/hr、エアー圧0.6MPaの条件で微粉砕することにより、微粉砕物を得た。微粉砕物は、重量平均径D4が5.0μmであり、粒径4.00μm以下の粒子の割合が75個数%であり、平均円形度が0.9
28であった。
処理時間:28sec、排出時間20sec)とし、微粉砕物のフィード量を60kg/hrとした。ブロワー364の吸引風量を20m3/minとし、冷風の温度T1を−20℃とし、冷却ジャケットに通す冷水の温度を−10℃とした。
この状態で30分間運転した結果、分級ローター35の後方の微粉排出管内の温度T2は32℃で安定し、トナー粒子1を得た。表1に運転条件を示す。
該固定子34の溝の円周方向傾きを、回転子32の軸線に対して回転子の回転方向に向かって90度とした以外は、実施例1と同様の方法を用いてトナー粒子2を作成した。表1に運転条件を示す。表2にトナー粒子2に関する物性を示す。
該固定子34の長さBを280mmとした以外は、実施例1と同様の方法を用いてトナー粒子3を作成した。表1に運転条件を示す。表2にトナー粒子3に関する物性を示す。
該固定子34の溝の円周方向傾きを、回転子32の軸線に対して回転子の回転方向に向かって60度とした以外は、実施例1と同様の方法を用いてトナー粒子4を作成した。表1に運転条件を示す。表2にトナー粒子4に関する物性を示す。
該固定子34の長さBを70mmとした以外は、実施例1と同様の方法を用いてトナー粒子5を作成した。表1に運転条件を示す。表2にトナー粒子5に関する物性を示す。
ハンマー33の、回転子32の回転軸軸線方向の長さAを30mmとし、該固定子34の長さBを290mmとした以外は、実施例1と同様の方法を用いてトナー粒子6を作成した。表1に運転条件を示す。表2にトナー粒子6に関する物性を示す。
該固定子34の長さBを58mmとした以外は、実施例1と同様の方法を用いてトナー粒子7を作成した。表1に運転条件を示す。表2にトナー粒子7に関する物性を示す。
ハンマー33の、回転子32の回転軸軸線方向の長さAを30mmとし、該固定子34の長さBを304mmとした以外は、実施例1と同様の方法を用いてトナー粒子8を作成した。表1に運転条件を示す。表2にトナー粒子8に関する物性を示す。
該ハンマー33の個数を0個とした以外は、実施例1と同様の方法を用いてトナー粒子9を作成した。表1に運転条件を示す。表2にトナー粒子9に関する物性を示す。
該固定子34の溝を無くし、回転子に対向する表面を平らにした以外は、実施例1と同
様の方法を用いてトナー粒子10を作成した。表1に運転条件を示す。表2にトナー粒子10に関する物性を示す。
該固定子34の溝の円周方向傾きを、回転子32の軸線に対して回転子の回転方向に向かって55度とした以外は、実施例1と同様の方法を用いてトナー粒子11を作成した。表1に運転条件を示す。表2にトナー粒子11に関する物性を示す。
個数平均粒径0.33μmのマグネタイト粉に対して、3.5質量%のシラン系カップリング剤(3−(2−アミノエチルアミノプロピル)トリメトキシシラン)を加え、容器内で、100℃以上で高速混合撹拌し、マグネタイト微粒子を親油化処理した。
・フェノール 10質量部
・ホルムアルデヒド溶液(ホルムアルデヒド40質量%、メタノール10質量%、水50質量%) 7質量部
・親油化処理したマグネタイト 83質量部
上記材料と、28%アンモニア水5質量部、水10質量部をフラスコに入れ、攪拌、混合しながら40分間で85℃まで昇温・保持し、3時間重合反応させて硬化させた。その後、35℃まで冷却し、更に水を添加した後、上澄み液を除去し、沈殿物を水洗した後、風乾した。次いで、これを減圧下(5mmHg以下)、60℃の温度で乾燥して、磁性体が分散された状態の球状の磁性微粒子分散型樹脂コア(キャリアコア)を得た。
このコート溶液を、剪断応力を連続して加えながら溶媒を90℃で揮発させて、磁性微粒子分散型樹脂コアの表面へ樹脂コートを行った。この樹脂コートされた磁性キャリア粒子を110℃で2時間撹拌しながら熱処理し、冷却後、解砕した後、200メッシュの篩で分級して体積基準の50%粒径(D50)が35μm、真密度が3.5g/cm3の磁性キャリアを得た。
トナー粒子製造例1のトナーと上記磁性キャリアを用い現像剤を作製し、キヤノン(株)製フルカラー複写機CLC5000改造機による実機評価を行った。ここで、スタート用現像剤は、90質量部の磁性キャリアに対し、10質量部の黒トナーを加え、常温常湿(23℃、50%RH)の環境において、V型混合機により混合し作製した。作製された現像剤は、上記複写機の現像槽に導入した。
上記CLC5000改造機の改造した点は以下のとおりである。評価には、マゼンタステーションを用いた。そして、レーザーは655nmの半導体レーザーを用い、スポット径を絞り、1,200dpiで出力できるようにした。また、定着ユニットの定着ローラの表層をPFAチューブに変え、オイル塗布機構を取り外した。
(評価1) 転写効率
感光体上にトナーの載り量が0.3mg/cm2になるように感光体の電位コントラストを調整した。高温高湿環境(32.5℃/85% RH)下で5%の画像チャートを用いて5万枚の画像出力後、ベタ画像を出力し、ベタ画像形成時の感光体電子写真感光体ドラム上の転写残トナーを、マイラーテープによりテーピングしてはぎ取り、はぎ取ったテープを紙上に貼ったものの濃度から、テープのみを紙上に貼ったものの濃度を差し引いた濃度差をそれぞれ算出した。そして、その濃度差の値から、以下のようにして判定した。尚、濃度は前記したX−Riteカラー反射濃度計で測定した。
(評価基準)
A: 0.05未満 (優)
B: 0.05以上0.10未満 (良)
C: 0.10以上0.20未満 (可)
D: 0.20以上 (不可)
単色ベタ画像部の反射濃度が、1.4であり、白地部電位が現像バイアスから、画像部
に対して反対方向に150Vとなるように、感光体上の電位を合わせた。
高温高湿(32.5℃、85%RH)下で、30%の画像チャートを用いて1万枚の画像出力後、ベタ白画像形成中に感光体を止め、転写工程前の感光体上のトナーを、マイラーテープを用いて剥ぎ取り、紙上に貼り付けた。また、マイラーテープをそのまま紙上に、貼り付けリファレンスとした。
測定に関しては、東京電色技術センター製DENSITOMETER TC−6DSを用い、反射率(%)を測定し、レファレンスとの差分をカブリの値とした。
<評価基準>
A:反射率の差が0.5%未満。
B:反射率の差が0.5%以上1.0%未満。
C:反射率の差が1.0%以上2.0%未満。(実使用上問題なし)
D:反射率の差が2.0%以上。(悪い)
帯電安定性は、高温高湿(32.5℃、85%RH)下において、画像面積が30%の横帯チャートを用いて2万枚の耐久画出しを実施し、耐久初期と耐久終了後のトナーの帯電量の差(△)で評価を行った。トナーの帯電量の測定には、図8の装置を使用し、耐久初期と耐久終了時の現像スリーブ上の現像剤を1.0g用いた。
<評価基準>
A:非常に良好(△が3.0未満)
B:良好(3.0≦△<5.0)
C:普通(5.0≦△<7.0)
D:悪い(△が7.0以上)
実施例2〜8に関しては、トナー粒子の製造例2〜8のトナーをそれぞれ用いた。また、比較例1〜3に関しては、比較トナー粒子の製造例1〜3を用いた。それ以外は実施例1と同様にトナーを作成し、上記磁性キャリアと混合することで二成分現像剤を作成した。
実施例1と同様の評価行い、結果を表3に示した。
31 冷却ジャケット
32 回転子
33 ハンマー
34 固定子
35 分級ローター
36 ガイドリング
37 原料投入口
38 原料供給弁
39 原料供給口
40 製品排出口
41 製品排出弁
42 製品抜取口
43 天板
44 微粉排出部
45 微粉排出口
46 冷風導入口
47 第一の空間
48 第二の空間
49 表面改質ゾーン
50 分級ゾーン
271 吸引機
272 測定容器
273 スクリーン
274 フタ
275 真空計
276 風量調整弁
277 吸引口
278 コンデンサー
279 電位計
315 定量供給機
319 冷風発生手段
320 冷水発生手段
321 トナー粒子の輸送手段
359 サイクロン
362 バグ
364 ブロアー
369 サイクロン
380 原料ホッパー
Claims (4)
- 結着樹脂、ワックス及び着色剤を少なくとも含有する微粉砕物の表面改質工程を有するトナー粒子の製造方法であって、
該表面改質工程が、表面改質装置を用いて行われ、
該表面改質装置は、
微粉砕物の中から少なくとも所定の粒径以下の微粉を装置外へ連続的に排出除去する分級手段、
機械式衝撃力を用いて微粉砕物の表面改質を行う表面改質手段、及び、
該分級手段と該表面改質手段との間の空間を第一の空間と第二の空間とに仕切る案内手段を有しており、
該分級手段は該表面改質手段の上方に設けられており、
該表面改質手段は、
水平方向に回転する回転子と、
該回転子の外縁から該回転子の回転軸に対して垂直方向に一定間隔を保持して配置された固定子とを有し、
該回転子は、その外縁上に複数のハンマーを有し、
該固定子の該回転子に対向する表面には、1本又は複数本の溝が設けられており、該溝は、回転子の回転方向の下流側に行くにつれて、固定子底部からの高さが一定若しくは高くなるように傾斜し、かつ、該溝の円周方向を示す溝方向線の、該回転子の回転軸軸線に対する角度θ1が60度以上、90度以下であることを特徴とするトナー粒子の製造方法。 - 前記ハンマーの、前記回転子の回転軸の軸線方向の長さA(mm)と、前記固定子の、回転軸の軸線方向の長さB(mm)が2.0≦B/A≦15.0の関係を満たすことを特徴とする請求項1に記載のトナー粒子の製造方法。
- 微粉砕物の中から所定の粒径以下の微粉を装置外へ連続的に排出除去する分級手段、
機械式衝撃力を用いて微粉砕物の表面改質を行う表面改質手段、及び、
該分級手段と該表面改質手段との間の空間を第一の空間と第二の空間とに仕切る案内手段を有するトナー粒子の製造装置であって、
該微粉砕物は、結着樹脂、ワックス及び着色剤を少なくとも含有し、
該分級手段は該表面改質手段の上方に設けられており、
該表面改質手段は、
水平方向に回転する回転子と、
該回転子の外縁から該回転子の回転軸に対して垂直方向に一定間隔を保持して配置された固定子とを有し、
該回転子は、その外縁上に複数のハンマーを有し、
該固定子の該回転子に対向する表面には、1本又は複数本の溝が設けられており、該溝は、回転子の回転方向の下流側に行くにつれて、固定子底部からの高さが一定若しくは高くなるように傾斜し、かつ、該溝の円周方向を示す溝方向線の、該回転子の回転軸軸線に対する角度θ1が60度以上、90度以下であることを特徴とするトナー粒子の製造装置。 - 前記ハンマーの、前記回転子の回転軸の軸線方向の長さA(mm)と、前記固定子の、回転軸の軸線方向の長さB(mm)が2.0≦B/A≦15.0の関係を満たすことを特徴とする請求項3に記載のトナー粒子の製造装置。
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