JP5380603B2 - 液封防振装置 - Google Patents
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Description
また、仕切部材を金属等の枠部材とこれに嵌合支持される弾性体で構成し、この弾性体の中央部を薄肉円形の可動膜として主液室の液圧変動を吸収させるとともに、この弾性体の外周部を厚肉に形成し、この外周部にリリーフバルブを一体に形成したものもある。
この場合、弾性体にはオリフィス通路へ渦巻いて流入する作動液により回転方向(図10中のA矢示方向)へ力を受け、弾性体が枠部材に対して回転すると、リリーフバルブがリリーフ通路とずれて開閉が不正確になり、キャビテーション現象の発生阻止が不確実になることがあるため、弾性体の外周部に厚肉の突出部を設け、これを枠部材に固定して回り止めとしたものも公知である(特許文献1参照)。
また、この場合、リリーフバルブは周方向へ等間隔で設けられ、それぞれの周方向長さ(周長)が、中心からの開き角で略60°、全周の略1/6程度に形成されている。
また、大入力時には弾性体が回転等してリリーフ通路に対してずれると、リリーフ通路を狭めてリリーフ時における副液室から主液室へ向かう作動液のリリーフ流量を減少させ、その結果、主液室内の負圧レベルを低減(負圧を正圧側へ戻すこと)しにくくなって、キャビテーション現象の発生を確実には阻止できなくなることがあった。組立時においてリリーフバルブの位置がずれても同様のことになった。
さらに、リリーフバルブが大入力時に弾性変形したとき、一部が局部的な変形でシール性を低下させ、ここから液漏れすることにより減衰力が低下することも考えられる。
しかも、リリーフバルブを大きくした場合は、リリーフバルブ自体が大入力時に大きく弾性変形して主液室の液圧を必要以上に下げることにより減衰力を低下させることも考えられる。
そこで本願発明は、弾性体を用いた仕切部材において、弾性体を確実に回り止め可能にして正確に位置決めすることでキャビテーション現象の発生を確実に阻止できるようにすることを目的とし、併せて高減衰を実現できるようにすることも目的とする。
また、この種の液封防振装置においては、ゴムバネである可動膜により主液室の液圧変動を吸収し易くして低動バネにすることで、振動の伝達量を低減することも求められている。
しかし、可動膜は外周部のリリーフバルブに囲まれてその内側に形成されるため比較的小面積である程度高いバネにならざるを得ない。
一方、低動バネ化を実現するための一つの方法として、可動膜のバネを低くすることが考えられ、このためには、可動膜の主液室に臨む受圧面積を拡大するか膜厚を薄くすることが考えられる。
しかし、可動膜の面積は、防振装置全体をコンパクトにする基本的な要請のうえで外周部にリリーフバルブを形成する必要から比較的狭いものとされ、可動膜の面積を自由に拡大することができない。
そのうえ、可動膜の膜厚にも所定の限界があり、無制限に薄くすることは減衰力の大幅な低下を招くため、やはり自ずから限界がある。
その結果、外周部にリリーフバルブを設けた形式の防振装置においては、可動膜を低バネにして低動バネを実現することが難しい実情にあった。
そこで、本願は外周部にリリーフバルブを有する可動膜を用いた仕切部材において、リリーフバルブの開閉時における抵抗部位の数を削減してよりスムーズな開閉を実現すると同時に、装置全体の外周サイズを拡大させることなく可動膜の受圧面積を拡大して低バネにすることで低動バネを実現させることをもう一つの目的とする。
前記リリーフバルブは、前記弾性体の中心を挟んで対向配置された一対だけであり、
前記厚肉外周部のうち前記一対のリリーフバルブ間部分の外周を非円形形状の回り止め部にするとともに、
この回り止め部に対応する嵌合部を前記枠部材に設け、
前記弾性体を前記枠部材に嵌合し、前記回り止め部と前記嵌合部とを嵌合させた。
弾性体の厚肉外周部のうち一対のリリーフバルブ間における部分全体を平面視非円形状に形成して回り止め部とし、この回り止め部に対応する嵌合部が設けられている枠部材に弾性体を嵌合させることで、一対のリリーフバルブ間における厚肉外周部全体をリリーフバルブの支持固定部としたので、リリーフバルブの支持固定部を高い支持剛性のあるものにできる。
このため、枠部材に対して弾性体を正確に位置決めして、リリーフ通路を一定に維持できるので、大入力時においてキャビテーション現象の発生条件となったときに所定のリリーフ流量を確保でき、キャビテーション現象の発生を確実に阻止できるようになる。
しかも、装置全体の外径寸法を拡大せずにコンパクト化が可能であり、かつ低動バネ化のために可動膜を不必要に薄くしないで済むため所定の減衰及び耐久性を維持できる。
したがって、リリーフバルブをスムーズに開閉可能になるとともに、低動バネを同時に実現できるようになった。
このエンジンマウントは、振動源であるエンジン(図示省略)側へ取付けられる第1取付部材1と、振動受側である車体(同上)へ取付けられる第2取付部材2と、これらの間を連結するインシュレータ3とを備える。インシュレータ3は、ゴム等の公知の防振用弾性部材で構成され、振動に対する防振主体部材となる弾性体であり、主たる振動の入力方向Zより第1取付部材1へ入力した振動はまずインシュレータ3の弾性変形により吸収される。主たる振動の入力方向Zは、図示の中心線CLと平行である。なお、以下の説明において、図の上方からZ方向に沿って示す図を平面図(平面視図)ということにする。
主液室5は、仕切部材6により副液室7と区画され、オリフィス通路8により仕切部材6を隔てて副液室7と連通されている。副液室7は、ダイヤフラム10と仕切部材6の間に形成され、ダイヤフラム10を壁部の一部としている。
オリフィス通路8は、例えば、10〜11Hz程度のシェイク振動等からなる低周波数の振動に対して共振するよう設定されている減衰オリフィスである。
上下を反転させた状態において、仕切部材6は、外筒金具11の上方から内側へ入れて段差14にて位置決めし、続いてダイヤフラム10の固定用リング38を外筒金具11の内側に挿入した状態で仕切部材6の上面へ当接し、外筒金具11を絞り加工し、さらに外筒金具11の先端である下端部11aを内側へ折り曲げて折り曲げ部11bとして、固定用リング38を圧接するカシメにより、全体が組立一体化される。
図2は枠部材16の平面図、図3は図2の3−3断面図、図4は弾性体の平面図、図5は図4の5−5断面図、図6は図4の6−6断面図、図7は図4の7−7断面図、図8は仕切部材の分解組立斜視図、図9は組立状態にある仕切部材の断面図(図1と同じ断面部位)、図10は弾性体を枠部材へ嵌合し、蓋部材を取付ける前の状態における平面図、図11は図10の11−11断面図、図12及び図13は作用説明のための断面図である。
なお、図13は図10の13−13断面に相当する部位を示す。
蓋部材15は中央に中央上開口18が設けられ、その外周側に円弧状のリリーフ穴19が左右一対で設けられている。20はオリフィス通路の主液室側出入口である。
なお、図2中のA矢示方向は円弧状溝22にて主液室5から副液室7への作動液の流れる方向を示す。
円弧状溝22は、その内周壁をなす環状隔壁23で枠部材16の内周側部分と区画され、この環状隔壁23の内側は弾性体30が嵌合されるための嵌合空間をなす。
この嵌合空間の底部中央には中央下開口28が設けられ、その外周側に円弧状のリリーフ穴29が左右一対で設けられている。
この厚肉外周部32には略V字溝状のリリーフバルブ33が形成されている。リリーフバルブ33は円弧状をなして周方向へ長く(略1/4周程度)形成され、弾性体30の中心を挟んで180°間隔で対向配置され、一対だけで設けられている。
図7に示すように、環状隔壁23と弾性体30(リリーフバルブ33)の間にはリリーフ穴19及び29を連通するリリーフ通路39が形成される。リリーフバルブ33はこのリリーフ通路39を開閉し、通常時は閉じており、大入力時において主液室5が所定の負圧になるときのみ開き、副液室7側から主液室5側へ作動液をリリーフさせるようになっている。なお、円弧状溝22の長さ方向他端は枠部材16に設けられた副液室側出入口49(図2参照)が臨む。
まず、図8及び図9等により蓋部材15を説明する。蓋部材15は平面視が円形で剛性を有する軽金属や硬質樹脂等の適宜材料で構成される略円板状の部材である。
蓋部材15の中央部は一段低くなった中央段部17をなし、ここに主液室5に連通する中央上開口18が形成され、十文字状の変形規制枠18aで区画されている。変形規制枠18aは可動膜部31の過大弾性変形時にその上面側に当接支持して過大弾性変形を規制する。中央段部17の外周側には、約90°の円弧状の長穴をなす一対のリリーフ穴19が略1/4周程度の長さで同一円周上に180°間隔で蓋部材15の中心を挟んで対向配置されている。
弾性体との嵌合空間の底部中央には副液室7と連通する中央下開口28が形成されている。28aは副液室側の変形規制枠であり、可動膜部31の過大弾性変形時にその下面側を当接支持して過大弾性変形を規制する。
環状ストッパ部25bは下部32aの内周側における位置決めをなし、可動膜部31の弾性変形により厚肉外周部32が径方向内方へ引っ張られたとき、下部32aが径方向内方へ引っ張り出されないように固定する。
図8中の符号21は、3本の位置決めピンであり、環状隔壁23の周囲上面から突設し、蓋部材15に形成された位置決め穴21aに挿通して先端をカシメることにより、図11に示すように、蓋部材15と枠部材16が位置決めされて一体化され、蓋部材15と枠部材16が相対回転不能になる。
図4及び図8に示すように、弾性体30はゴム等の弾性に富む適宜弾性材料からなり、枠部材16の嵌合空間へ嵌合可能な形状及び寸法をなす。すなわち、環状隔壁23の内周と略同径の外周部が内接する想定円(図4中に仮想線で示す)の対向位置を平行に切り取った弦に相当する二面幅部46a、46bが一対で形成され、この一対の二面幅部40a、40b間の外周部32には一対のリリーフバルブ33が対向配置されている。
図3・5・8等に示すように、コーナー部45は枠部材16のコーナー部51へ重なる部分であり、外壁面がテーパー面44をなし、コーナー部51のテーパー面50に対応する傾斜と形状及び寸法を有している。コーナー部51及び二面幅部46a、46bは本願発明における嵌合部をなしている。
なお、コーナー部45を含めて厚肉の二面幅部46a、46bが対向する一対のリリーフバルブ33の各長さ方向端部間を連結することにより、一対のリリーフバルブ33間に挟まれた部分全体が、外周長の略1/4に相当する程度の十分に長い厚肉部でリリーフバルブ33の各長さ方向端部間を支持するので、リリーフバルブ33に対する支持剛性を十分に高くすることができるとともに、確実な回り止め機能を発揮できる。
このため、組立時においてテーパー合わせで仕切部材6を容易に組立てることができ、枠部材16に対して弾性体30を正確に位置決めして、リリーフ通路29を一定に維持できる。また、その後の使用時においても確実な回り止めによりリリーフ通路29を一定に維持できるので、大入力時においてキャビテーション現象の発生条件となったときに所定のリリーフ流量を確保でき、キャビテーション現象の発生を確実に阻止できるようになる。
また、各コーナー部45及び51のテーパー面44及び50をテーパー合わせによって、各コーナー部のシール性を高めることができるので、大入力時に弾性体外周部へ大きな力が加わっても、両コーナー部45及び51間のテーパー合わせ部における弾性体外周部と枠部材の間は高液密状態を維持して、この部分からの液漏れを防ぐことができるため減衰力低下を阻止することができる。
しかも、テーパー合わせ部における高いシール性が得られるので、弾性変形させる力を受けやすいリリーフバルブ33近傍のコーナー部45であっても、コーナー部51とのテーパー合わせ部により液漏れを防止できる。
なお、このような液漏れを防ぐため、図4に示すように、弾性体30の表面には複数のシール57a〜57dが形成されている。
そのうえ、図10に示すように、高剛性の支持部である二面幅部46a、46bの各平面状をなす外側面が、同じく平面状をなす環状隔壁23の内周面に形成された二面幅部46a、46bに広い面積で当接するので、弾性体30はその外周部における二面幅部40a、40bを利用して大入力時であっても確実な回り止めが可能になる。
図6・7に示すように、リリーフバルブ33は、厚肉外周部32の一部へ一体的に形成された凹部35を有し、この凹部35を囲む径方向外方の壁部が副液室7側から主液室5側へ向かって斜め上がりに外方へ開くように設けられた斜面34をなし、この斜面の先端部が厚肉で外表面側が環状隔壁23の内周面へ液密に密着するシール部36をなす。
しかも、大きなリリーフ量を確保するためリリーフ穴19・29の開口面積を増加させ、リリーフバルブ33を長くしても、その過大変形を容易かつ確実に阻止できる。また、過大変形による不必要な主液室5の液圧吸収が生じないため、この点でも減衰力の低下を阻止することができる。
このエンジンマウントは、振動源であるエンジン(図示省略)側へ取付けられる第1取付部材101と、振動受側である車体(同上)へ取付けられる第2取付部材102と、これらの間を連結するインシュレータ103とを備える。インシュレータ103は、ゴム等の公知の防振用弾性部材で構成され、振動に対する防振主体部材となる弾性体であり、主たる振動の入力方向Zより第1取付部材101へ入力した振動はまずインシュレータ103の弾性変形により吸収される。主たる振動の入力方向Zは、図示の中心線CLと平行である。なお、以下の説明において、図の上方からZ方向に沿って示す図を平面図(平面視図)ということにする。
主液室105は、仕切部材106により副液室107と区画され、オリフィス通路108により仕切部材106を隔てて副液室107と連通されている。副液室107は、ダイヤフラム110と仕切部材106の間に形成され、ダイヤフラム110を壁部の一部としている。
オリフィス通路108は、例えば、10〜11Hz程度のシェイク振動等からなる低周波数の振動に対して共振するよう設定されている減衰オリフィスである。
まず、仕切部材106の構成を主として図17に基づいて概略説明する。仕切部材106は、上下に分離される上枠部材115と下枠部材116とで弾性体130を中央部に挟持した3部材から構成される。
なお、図15中のA矢示方向は凹部122にて主液室105から副液室107への作動液の流れる方向を示す。
この嵌合空間127の底部中央には中央下開口128が設けられ、その外周側に円弧状のリリーフ穴129が左右一対で設けられている。
この厚肉外周部132には略V字溝状のリリーフバルブ133が形成されている。リリーフバルブ133は円弧状をなして周方向へ長く(開き角略120°、略1/3周長程度)形成され、弾性体130の中心を挟んで180°間隔で対向配置された一対で設けられている。このリリーフバルブ133は従来のように対向する一対を一組として計二組で設けられたものと異なり、一組だけで設けられている。
このとき厚肉外周部132の下部は、下枠部材116の環状溝150に嵌合して位置決めされ、さらに、上枠部材115と下枠部材116で上下から挟まれて固定される拘束部であり、可動膜部131の環状支持部をなしている。
このようにすると、オリフィス通路108はその外周壁を下枠部材116ではなく、延長部112及び外筒金具111とし、これら延長部112及び外筒金具111をオリフィス通路108の構成材料に利用することができるので、オリフィス通路108の外壁を下枠部材116に設けなくても済むことになり、それだけオリフィス通路108を外周側へ寄せて配置できる。
これらの図において、上枠部材115は平面視が円形で剛性を有する軽金属や硬質樹脂等の適宜材料で構成される略円板状の部材である。
図20〜23に示すように、弾性体130はゴム等の弾性に富む適宜弾性材料からなり、下枠部材116の嵌合空間127(図17)へ嵌合可能な形状及び寸法をなす。
バルブ部132aの長さ方向両端にはコーナー部135が計4個設けられ、各コーナー部135は中心Oを挟んで対向配置されている。
すなわち、図20に示すように、大径想定円C1及び小径想定円C2の各半径をR1、R2とし、二面幅部136の中点Mにおける半径(Mと弾性体130の中心との距離)を半径R4とすれば、図21に示すように、切り欠き部134の形成により、R4がR1よりもΔRだけ短くなっている。R3は想定円C3の半径である。
小突起131bは一つの同心円上に等間隔で配設され、この同心円状の列が径方向へ複数列(本例では6列)設けられている。この小突起131bは可動膜部131が弾性変形するとき、上下の変形規制枠118a(図18)、128a(図24)に対して小さな接触面積で初期接触して打音を軽減するようになっている。
図24は下枠部材116の平面図、図25は図24の25−25線断面図、図26は図24の26−26線断面図、図27は図24の27−27線断面図である。
図24に示すように、下枠部材116は外周の平面視が円形であり、剛性を有する軽金属や硬質樹脂等の適宜材料で構成される。外周の内側には環状隔壁123が設けられ、この環状隔壁123の内側に非円形の環状溝150を挟んで、同じく非円形の中央段部157が設けられている。
二面幅部126は部分的に平面状をなし、弾性体130を環状隔壁123の内側へ嵌合したとき、その二面幅部136が密に重なるようになっている。
環状溝150の溝幅は周方向で変化し、環状隔壁123の円形部123a及び123bと中央段部157の小径部157bとの間隔は広く、二面幅部126と拡大部157cの間隔は狭くなっている。
リリーフ穴129は円形部123a及び123bにおける両端のコーナー部125間に形成される平面視で円弧状の長穴であり、長手方向中間部に径方向へ横切る中間支持部152が形成されている。
続いて、各位置決めピン121を上枠部材115の位置決め穴121aへ挿通し、上枠部材115を所定圧で弾性体130へ押しつけながら各位置決めピン121の先端をカシメれば、仕切部材106が一体化して組立てられる。
また、厚肉外周部132のコーナー部135にテーパー面135aを設けてあるので、これをコーナー部125のテーパー面154へテーパー合わせで密着させることで組立により高シール構造を得ることができる。
図28は、リリーフバルブ133の動作を説明し、(a)(b)は図16に相当する断面部位の拡大図である。(a)はリリーフバルブ133が閉じた状態で大入力が入った状態を示し、斜面141は下方へ大きく撓んで膨出変形することにより大入力による液圧F1を受け止める。このときシール部142は環状隔壁123の内周面上を摺動して密着を維持し、下方の副液室107側から作動液を主液室105側へリリーフさせない。
このため、大入力時においてキャビテーション現象の発生条件となったときに所定のリリーフ流量を確保して、キャビテーション現象の発生を確実に阻止できるようになる。
さらに、大きなリリーフ量を確保するためリリーフ穴119・129の開口面積を増加させつつも、このように大きく開口されたリリーフ穴129に中間支持部152を設けることにより下枠部材116の強度を確保して、このような大きな開口面積を有する下枠部材116の使用を可能にする。
さらに、本願発明の液封防振装置は、エンジンマウントに限らず、種々なパワートレイン用マウントが適用可能である。
Claims (9)
- 液室を主液室と副液室に区画するとともにこれらを連通するオリフィス通路を設けた仕切部材を、弾性体とこの弾性体を嵌合支持する枠部材とを備えたものとし、弾性体の中央部を薄肉の可動膜としこの可動膜周囲をリング状の厚肉外周部とし、この厚肉外周部にリリーフバルブを一体に形成した液封防振装置において、
前記リリーフバルブは、前記弾性体の中心を挟んで対向配置された一対だけであり、
前記厚肉外周部のうち前記一対のリリーフバルブ間部分の外周を非円形形状の回り止め部にするとともに、
この回り止め部に対応する嵌合部を前記枠部材に設け、
前記弾性体を前記枠部材に嵌合し、前記回り止め部と前記嵌合部とを嵌合させたことを特徴とする液封防振装置。 - 前記可動膜の一部を、前記一対のリリーフバルブ間に位置する前記厚肉外周部内へ入り込むようにし、前記可動膜を非円形形状にしたことを特徴とする請求項1に記載の液封防振装置。
- 前記回り止め部は、前記弾性体の厚肉外周部に対して外周部の対向位置を平行する直線状に形成した2面幅形状としたことを特徴とする請求項1に記載した液封防振装置。
- 前記枠部材の前記リリーフバルブと対応する位置に円弧状のリリーフ穴を設けるとともに、このリリーフ穴の長さ方向中間部に前記リリーフバルブを支持する中間支持部を形成したことを特徴とする請求項1に記載した液封防振装置。
- 前記弾性体と枠部材との嵌合部のうち、前記回り止め部とその嵌合部の少なくとも一部をテーパー形状としたことを特徴とする請求項1に記載した液封防振装置。
- 前記弾性体における前記リリーフバルブの長さ方向端部に隣接する部分であるコーナー部と、このコーナー部を嵌合する前記枠部材側に設けられたコーナー部とをそれぞれ前記テーパー形状にしたことを特徴とする請求項1に記載した液封防振装置。
- 前記枠部材に、前記リリーフバルブの前記副液室側部分を支持する中間支持部を形成したことを特徴とする請求項1に記載した液封防振装置。
- 前記枠部材には前記オリフィス通路を構成する凹部を外側方が開放された状態で形成されるとともに、この凹部の外側方を閉じて前記オリフィス通路の外周部を閉じる部材とし、前記液室及び仕切部材の各外側を覆う部材としたことを特徴とする請求項1に記載した液封防振装置。
- 前記リリーフバルブは一つの想定円に沿う円弧状をなして前記弾性体の周方向へ、前記想定円の周長の略1/3程度の長さに形成されることを特徴とする請求項1に記載した液封防振装置。
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