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JP5370587B2 - 動力伝達装置のパーキングロック機構 - Google Patents

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Description

本発明は、動力伝達装置のパーキングロック機構に関し、特に、自動車等の車両の動力伝達装置の回転部材を回転不能にすることができる動力伝達装置のパーキングロック機構に関する。
自動車等の車両の動力伝達装置にはパーキングロック機構が設けられており、車両の停車に際して走行レンジからパーキングレンジにマニュアルシフトされると、動力伝達装置の回転軸に取付けられたパーキングギヤにパーキングポールが係合され、回転軸が回転不能にロックされるようになっている。
従来のこの種のパーキングロック機構としては、図21に示すようなものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
図21において、運転者のシフトレバー操作に連動して回動するマニュアルシャフト(図示せず)と一体的に設けられたディテントレバー111と、基端がディテントレバー111に連結されるパーキングロッド112とが設置されており、このパーキングロッド112はディテントレバー111の回動に伴い軸方向に移動するようになっている。
パーキングロッド112は、筒状のロッドガイド113に挿通されており、パーキングロッド112の先端部が隣接するスリーブ114に突出するように配置されている。また、パーキングロッド112の先端部にはパーキングカム115が装着されており、スリーブ114にはパーキングカム115が乗り上げるための斜面114aが形成されている。
スリーブ114の上方にはパーキングポール116が設けられており、このパーキングポール116の上方には回転軸と一体となっている図示しないパーキングギヤが配置されている。
このパーキングポール116にはパーキングギヤと係合する歯が形成されており、パーキングロッド112の移動に伴ってパーキングカム115がスリーブ114に形成された斜面114aに乗り上げると、パーキングポール116がパーキングカム115によって押圧されることにより、パーキングロッド112の軸方向と直交する方向に押し上げられるようになっている。
そして、パーキングポール116がパーキングカム115によって押し上げられると、パーキングポール116に形成された歯がパーキングギヤに係合して、パーキングギヤと一体となっている回転軸をロックすることで、車両が停車される。
特開2003−276580号公報
このような従来のパーキングロック機構にあっては、パーキングカム115の摺動面、すなわち、パーキングカム115のパーキングポール116に対する摺動面およびパーキングカム115のスリーブ114に対する摺動面を積極的に潤滑する手段がないため、パーキングカム115の摺動抵抗が増大してしまうという問題があった。
このため、例えば、シフトレバー若しくはシフトスイッチの操作を電気的に検出し、シフトレンジを電気的に行うアクチュエータによってディテントレバー111を介してパーキングロッド112を制御する、所謂、シフトバイワイヤ制御方式である場合に、アクチュエータを介してパーキングロッド112が駆動されることになる。
このシフトバイワイヤ制御方式のパーキングロック機構の場合には、パーキングカム115とパーキングポール116との接触部およびパーキングカム115とスリーブ114との摺動部の摺動抵抗が増大してしまう分だけ、アクチュエータのトルク容量が増大してアクチュエータが大型、高コストとなってしまうおそれがある。
また、シフトレバーの操作がワイヤーケーブルを介してディテントレバー111に伝達されるワイヤ方式である場合には、運転者が大きな操作力を必要としてしまうおそれがある。
本発明は、上述のような従来の問題を解決するためになされたもので、パーキングカムの摺動面に潤滑油を安定して供給することができるようにして、パーキングカムの摺動抵抗を小さくすることができる動力伝達装置のパーキングロック機構を提供することを目的とする。
本発明に係る動力伝達装置のパーキングロック機構は、上記目的を達成するため、(1)動力伝達装置のケーシングに収容される前記動力伝達装置の回転部材に設けられたパーキングギヤに係合・離隔自在なパーキングポールと、運転者のシフトレバー操作に連動して軸方向に移動するパーキングロッドと、前記パーキングロッドに取付けられ、前記パーキングロッドの軸方向の移動に伴って前記パーキングポールと摺動することにより前記パーキングポールを前記パーキングギヤに係合・離隔させるパーキングカムと、前記パーキングカムを摺動自在に支持する筒状部材とを備えた動力伝達装置のパーキングロック機構であって、前記筒状部材を前記ケーシングに位置決めして前記ケーシングに支持するとともに、前記ケーシング内を循環する潤滑油を前記パーキングカムの摺動面に供給する供給手段を有するものから構成されている。
この動力伝達装置のパーキングロック機構は、筒状部材をケーシングに位置決めしてケーシングに支持するとともに、ケーシング内を循環する潤滑油をパーキングカムの摺動面に供給する供給手段を有するので、パーキングカムの摺動面、すなわち、パーキングポールとパーキングカムとの摺動面およびパーキングカムとパーキングカムとの摺動面とを潤滑油によって積極的に潤滑することができる。このため、パーキングカムの摺動抵抗を小さくすることができる。したがって、パーキングカム、パーキングポールおよび中空部材が磨耗するのを抑制することができる。
また、パーキングカムの摺動抵抗を小さくすることができるため、パーキングロック機構がシフトバイワイヤ制御方式の場合には、アクチュエータのトルク容量を小さくしてアクチュエータの小型化、低コスト化を図ることができる。
また、パーキングロック機構がワイヤ方式の場合には、運転者の操作力を小さくすることができることに加えて、パーキングカムの摺動抵抗を一定にすることができるため、操作フィーリングが悪化するのを防止することができる。
上記(1)に記載の動力伝達装置のパーキングロック機構において、(2)前記供給手段が、前記ケーシングに直接設けられるものから構成されている。
この動力伝達装置のパーキングロック機構は、筒状部材をケーシングに位置決めしてケーシングに支持する供給手段がケーシングに直接設けられるので、回転部材をロックするためのパーキングカムとパーキングロッドの当接位置を設定することができる。
上記(1)に記載の動力伝達装置のパーキングロック機構において、(3)前記供給手段が、前記ケーシングに取付けられた支持部材に設けられ、前記支持部材を介して前記筒状部材を前記ケーシングに位置決め支持するものから構成されている。
この動力伝達装置のパーキングロック機構は、筒状部材をケーシングに位置決めしてケーシングに支持する供給手段が支持部材に設けられ、筒状部材が支持部材を介してケーシングに位置決め支持されるので、回転部材をロックするためのパーキングカムとパーキングロッドの当接位置を設定することができる。
上記(2)に記載の動力伝達装置のパーキングロック機構において、(4)前記筒状部材が、前記パーキングカムを軸方向に摺動自在に支持し、前記パーキングロッドの移動に伴い前記パーキングカムが乗り上げる斜面を有する内周部を有するとともに、前記パーキングポールの上下移動を許容するための切欠きを上部に有し、前記供給手段が、前記ケーシングに設けられ、前記筒状部材の軸線方向一端部に当接することにより、前記筒状部材を前記ケーシングに位置決めして前記ケーシングに支持する支持部と、前記支持部に設けられ、前記ケーシング内を循環する潤滑油を補足して前記支持部に供給するガイド部とを含んで構成され、前記ガイド部に補足された潤滑油が前記支持部および前記筒状部材の切欠きを通して前記パーキングカムの摺動面に供給されるものから構成されている。
この動力伝達装置のパーキングロック機構は、筒状部材をケーシングに位置決めする支持部に、ケーシング内を循環する潤滑油を補足して支持部に供給するガイド部が設けられるとともに、筒状部材の上部にパーキングポールをパーキングカムに当接させるための切欠きが形成され、ガイド部に補足された潤滑油が支持部および筒状部材の切欠きを通してパーキングカムの摺動面、すなわち、パーキングポールとパーキングカムとの摺動面およびパーキングカムと筒状部材との摺動面に供給される。
このため、パーキングポールとパーキングカムとの摺動面およびパーキングカムと筒状部材との摺動面を潤滑油によって積極的に潤滑することができる。したがって、パーキングカムの摺動抵抗を小さくして接触部が磨耗するのを抑制することができる。
上記(3)に記載の動力伝達装置のパーキングロック機構において、(5)前記筒状部材が、前記パーキングカムを軸方向に摺動自在に支持し、前記パーキングロッドの移動に伴い前記パーキングカムが乗り上げる斜面を有する内周部を有するとともに、前記パーキングポールの上下移動を許容するための切欠きを上部に有し、前記供給手段が、前記支持部材に設けられ、前記筒状部材の軸線方向一端部に当接することにより、前記筒状部材を前記支持手段に位置決めして前記支持手段に支持する支持部と、前記支持部に設けられ、前記ケーシング内を循環する潤滑油を補足して前記支持部に供給するガイド部とを含んで構成され、前記ガイド部に補足された潤滑油が前記支持部および前記筒状部材の切欠きを通して前記パーキングカムの摺動面に供給されるものから構成されている。
この動力伝達装置のパーキングロック機構は、筒状部材を支持部材を介してケーシングに位置決めする支持部に、ケーシング内を循環する潤滑油を補足して支持部に供給するガイド部が設けられるとともに、筒状部材の上部にパーキングポールをパーキングカムに当接させるための切欠きが形成され、ガイド部に補足された潤滑油が支持部および筒状部材の切欠きを通してパーキングカムの摺動面、すなわち、パーキングポールとパーキングカムとの摺動面およびパーキングカムと筒状部材との摺動面に供給される。
このため、パーキングポールとパーキングカムとの摺動面およびパーキングカムと筒状部材との摺動面を潤滑油によって積極的に潤滑することができる。したがって、パーキングカムの摺動抵抗を小さくして接触部が磨耗するのを抑制することができる。
上記(2)に記載の動力伝達装置のパーキングロック機構において、(6)前記パーキングカムを軸方向に摺動自在に支持し、前記パーキングロッドの移動に伴い前記パーキングカムが乗り上げる斜面を有する第1の内周部を有する第1の筒状部材が設けられ、前記供給手段が、前記第1の筒状部材の軸線方向一端部が当接するように前記ケーシングに設けられ、前記第1の筒状部材を前記ケーシングに位置決めして前記ケーシングに支持する第2の筒状部材から構成され、前記第2の筒状部材が、前記第1の筒状部材の第1の内周部に連通する第2の内周部を有するとともに、前記ケーシング内を循環する潤滑油を前記第2の内周部に潤滑油を導入する上部開口を有するものから構成されている。
この動力伝達装置のパーキングロック機構は、第1の筒状部材の軸線方向一端部が当接するようにケーシングに設けられ、第1の筒状部材をケーシングに位置決めしてケーシングに支持する第2の筒状部材を有し、この第2の筒状部材が、第1の筒状部材の第1の内周部に連通する第2の内周部を有するとともに、前記ケーシング内を循環する潤滑油を第2の内周部に潤滑油を導入する上部開口を有するので、上部開口を通して第2の内周部に導入された潤滑油が第2の内周部から第1の筒状部材の第1の内周部に供給される。
この第1の内周部に供給された潤滑油は、パーキングカムの摺動面、すなわち、パーキングポールとパーキングカムとの摺動面およびパーキングカムと第1の筒状部材との摺動面部に供給されるので、パーキングカムの摺動面を潤滑油によって積極的に潤滑することができる。したがって、パーキングポールとパーキングカムとの接触部の摺動抵抗を小さくして接触部が磨耗するのを抑制することができる。
上記(3)に記載の動力伝達装置のパーキングロック機構において、(7)前記筒状部材が、前記パーキングカムを軸方向に摺動自在に支持し、前記パーキングロッドの移動に伴い前記パーキングカムが乗り上げる斜面を有する第1の内周部を有する第1の筒状部材から構成され、前記供給手段が、前記第1の筒状部材の軸線方向一端部が当接するように前記支持部材に設けられ、前記第1の筒状部材を前記支持部材を介して前記ケーシングに位置決めして前記ケーシングに支持する第2の筒状部材から構成され、前記第2の筒状部材が、前記第1の筒状部材の第1の内周部に連通する第2の内周部を有するとともに、前記ケーシング内を循環する潤滑油を前記第2の内周部に潤滑油を導入する上部開口を有するものから構成されている。
この動力伝達装置のパーキングロック機構は、第1の筒状部材の軸線方向一端部が当接するように支持部材に設けられ、第1の筒状部材を支持部材を介してケーシングに位置決めしてケーシングに支持する第2の筒状部材を有し、この第2の筒状部材が、第1の筒状部材の第1の内周部に連通する第2の内周部を有するとともに、前記ケーシング内を循環する潤滑油を第2の内周部に潤滑油を導入する上部開口を有するので、上部開口を通して第2の内周部に導入された潤滑油が第2の内周部から第1の筒状部材の第1の内周部に供給される。
この第1の内周部に供給された潤滑油は、パーキングカムの摺動面、すなわち、パーキングポールとパーキングカムとの摺動面およびパーキングカムと第1の筒状部材との摺動面部に供給されるので、パーキングカムの摺動面を潤滑油によって積極的に潤滑することができる。したがって、パーキングポールとパーキングカムとの接触部の摺動抵抗を小さくして接触部が磨耗するのを抑制することができる。
上記(6)または(7)に記載の動力伝達装置のパーキングロック機構において、(8)前記第2の筒状部材が、前記第2の筒状部材に導入された潤滑油を排出する排出孔を有するものから構成されている。
この動力伝達装置のパーキングロック機構は、第1の筒状部材が第1の筒状部材に導入された潤滑油を排出する排出孔を有するので、第1の筒状部材の第1の内周部内に一定量のオイルが貯留されてしまうのを防止して、パーキングカムの摩擦抵抗が必要以上に小さくなるのを防止することができ、例えば、パーキングロック時にパーキングカムをパーキングポールから抜け出るのを防止するためのスプリング等を設けた場合に、スプリングのばね定数を大きくするのを不要にして、パーキングロック機構が大型化するのを防止することができる。
上記(1)に記載の動力伝達装置のパーキングロック機構において、(9)前記ケーシングが軸受を介して回転軸の軸線方向一端部を回転自在に支持する隔壁を有し、前記筒状部材が、前記パーキングカムを軸方向に摺動自在に支持し、前記パーキングロッドの移動に伴い前記パーキングカムが乗り上げる斜面を有する第1の内周部を有する第1の筒状部材から構成され、前記隔壁が、導入穴と、前記隔壁の一方の面に形成され、前記導入穴を挟んで前記軸受を介して前記回転軸を支持する支持部と、前記隔壁の他方の面に形成された前記第2の筒状部材とを有し、前記第2の筒状部材が、前記第2の内周部を前記導入穴に連通するように前記隔壁に設けられた軸線方向一端部と、前記軸線方向一端部から前記第1の筒状部材に向かって突出して前記第2の内周部を前記第1の内周部に連通するように前記第1の筒状部材の軸線方向一端部に当接する軸線方向他端部とを有し、前記上部開口を通して前記第2の内周部に導入された潤滑油を前記導入穴を通して前記軸受に供給する前記供給手段を構成している。
この動力伝達装置のパーキングロック機構は、第2の筒状部材が、第2の内周部を隔壁の導入穴に連通するように隔壁に設けられた軸線方向一端部と、軸線方向一端部から第1の筒状部材に向かって突出して第2の内周部を第1の内周部に連通するように第1の筒状部材の軸線方向一端部に当接する軸線方向他端部とを有し、上部開口を通して第2の内周部に導入された潤滑油を導入穴を通して軸受に供給するようにしたので、単一の第2の筒状部材を利用してパーキングカムの摺動面を潤滑するのと同時に軸受を潤滑することができる。
この結果、軸受を潤滑するための専用の構成をケーシングに設ける必要がなく、ケーシングの構成を簡素化することができるとともに、ケーシングの軽量化を図ることができ、動力伝達装置の軽量化および低コスト化を低減することができる。
上記(1)に記載の動力伝達装置のパーキングロック機構において、(10)前記ケーシングが、前記ケーシング内に回転電機を収容する収容室を画成し、一方の面が前記回転電機に対向するとともに他方の面に前記筒状部材が対向する隔壁を有し、前記筒状部材が、前記パーキングカムを軸方向に摺動自在に支持し、前記パーキングロッドの移動に伴い前記パーキングカムが乗り上げる斜面を有する第1の内周部を有する第1の筒状部材から構成され、前記隔壁が、導入穴と、前記導入穴から前記第1の筒状部材に向かって突出して前記第1の筒状部材の軸線方向一端部に当接し、前記第1の筒状部材の前記第1の内周部に連通する第2の内周部を有する第2の筒状部材とを備え、前記回転電機を冷却した潤滑油を前記導入穴から前記第1の内周部および前記第2の内周部を通して前記パーキングカムの摺動面に供給する前記供給手段を構成している。
この動力伝達装置のパーキングロック機構は、ケーシングの隔壁が、導入穴と、導入穴から第1の筒状部材に向かって突出して第1の筒状部材の軸線方向一端部に当接し、第1の筒状部材の第1の内周部に連通する第2の内周部を有する第2の筒状部材とを備え、回転電機を冷却した潤滑油を導入穴から第1の内周部および前記第2の内周部を通してパーキングカムの摺動面に供給するので、パーキングカムの摺動抵抗を小さくすることができる。このため、パーキングカムとパーキングポールとの摺動面およびパーキングカムと第1の筒状部材との摺動面が磨耗するのを抑制することができる。
また、回転電機を冷却する潤滑油を排出するための導入穴をパーキングカムの摺動面を潤滑するための潤滑油として利用することができるため、パーキングカムの潤滑を行うための専用の穴を形成するのを不要にでき、導入穴の加工工数を低減して、ケーシングの製造コストを低減することができる。
本発明によれば、パーキングカムの摺動面に潤滑油を安定して供給することができるようにして、パーキングカムの摺動抵抗を小さくすることができる動力伝達装置のパーキングロック機構を提供することができる。
本発明に係る動力伝達装置のパーキングロック機構の第1の実施の形態を示す図であり、ハイブリッド車両のトランスアクスルの概略構成図である。 本発明に係る動力伝達装置のパーキングロック機構の第1の実施の形態を示す図であり、エクステンションハウジングから見たエンジン側ハウジングの側面図である。 本発明に係る動力伝達装置のパーキングロック機構の第1の実施の形態を示す図であり、エンジン側ハウジングから見たエクステンションハウジングの構成図である。 本発明に係る動力伝達装置のパーキングロック機構の第1の実施の形態を示す図であり、パーキングロック機構の斜視図である。 本発明に係る動力伝達装置のパーキングロック機構の第1の実施の形態を示す図であり、パーキングロック状態における図2のA−A方向の矢視断面と図3のB−B方向の矢視断面に相当するパーキングロック機構の断面図である。 本発明に係る動力伝達装置のパーキングロック機構の第1の実施の形態を示す図であり、パーキング解除状態における図2のA−A方向の矢視断面と図3のB−B方向の矢視断面に相当するパーキングロック機構の断面図である。 本発明に係る動力伝達装置のパーキングロック機構の第2の実施の形態を示す図であり、エンジン側ハウジングからエクステンションハウジングの側面図である。 本発明に係る動力伝達装置のパーキングロック機構の第2の実施の形態を示す図であり、パーキングロック状態における図2のA−A方向の矢視断面と図7のC−C方向の矢視断面に相当するパーキングロック機構の断面図である。 本発明に係る動力伝達装置のパーキングロック機構の第2の実施の形態を示す図であり、図8のD方向から見たパーキングロック機構の要部上面図である。 本発明に係る動力伝達装置のパーキングロック機構の第2の実施の形態を示す図であり、他の形状の筒状部を有するエンジン側ハウジングから見たエクステンションハウジングの側面図である。 本発明に係る動力伝達装置のパーキングロック機構の第2の実施の形態を示す図であり、他の筒状部を有するパーキングロック機構の断面図である。 本発明に係る動力伝達装置のパーキングロック機構の第2の実施の形態を示す図であり、エンジン側ハウジングから見た他の形状のエクステンションハウジングの要部側面図である。 本発明に係る動力伝達装置のパーキングロック機構の第2の実施の形態を示す図であり、エンジン側ハウジングから見た他の形状のエクステンションハウジングの要部側面図である。 本発明に係る動力伝達装置のパーキングロック機構の第2の実施の形態を示す図であり、エンジン側ハウジングから見た他の形状のエクステンションハウジングの要部側面図である。 本発明に係る動力伝達装置のパーキングロック機構の第2の実施の形態を示す図であり、他の形状のケーシングの側面図である。 本発明に係る動力伝達装置のパーキングロック機構の第3の実施の形態を示す図であり、エンジン側ハウジングから見たエクステンションハウジングの要部側面図である。 本発明に係る動力伝達装置のパーキングロック機構の第3の実施の形態を示す図であり、パーキングロック機構の断面図である。 本発明に係る動力伝達装置のパーキングロック機構の第3の実施の形態を示す図であり、他の取付け位置に設定された筒状部を有するエンジン側ハウジングからエクステンションハウジングの要部側面図である。 本発明に係る動力伝達装置のパーキングロック機構の第4の実施の形態を示す図であり、パーキングロック機構の断面図である。 本発明に係る動力伝達装置のパーキングロック機構の第4の実施の形態を示す図であり、支持部側から見た隔壁の要部側面図である。 従来のパーキングロック機構の断面図である。
以下、本発明に係る動力伝達装置のパーキングロック機構の実施の形態について、図面を用いて説明する。
(第1の実施の形態)
図1〜図6は、本発明に係る動力伝達装置のパーキングロック機構の第1の実施の形態を示す図である。なお、本実施の形態では、パーキングロック機構をハイブリッド車両に適用した例を示している。
まず、構成を説明する。
図1において、FF(フロントエンジンフロントドライブ;エンジン前置き前輪駆動)形式のハイブリッド車両の動力伝達装置としてのトランスアクスル1であり、このトランスアクスル1は、エンジン2に接続されている。
エンジン2は、内燃機関としてガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、LPGエンジン、メタノールエンジン、または水素エンジン等を用いることができる。本実施の形態では、便宜上、エンジン2としてガソリンエンジンを用いた場合について説明する。
エンジン2は、燃料の燃焼によりクランクシャフト3から動力を出力する装置であって、吸気装置、排気装置、燃料噴射装置、点火装置、冷却装置等を備えた公知のものである。
クランクシャフト3は車両の幅方向に、かつ、水平に配置され、クランクシャフト3の後端部にはフライホイール14が形成されている。
エンジン2の外壁には、中空のトランスアクスルケース4が取付けられている。トランスアクスルケース4は、エンジン側ハウジング5と、エクステンションハウジング6と、エンドカバー7とを有している。これらエンジン側ハウジング5、エクステンションハウジング6およびエンドカバー7は、アルミニウム等の金属材料を成形加工したものである。
また、エンジン側ハウジング5の一方の開口端5aとエンジン2とが接触した状態で、エンジン2とエンジン側ハウジング5とが相互に固定されている。
また、エンジン側ハウジング5とエンドカバー7との間に、エクステンションハウジング6が配置されており、エンジン側ハウジング5の他方の開口端5bと、エクステンションハウジング6の一方の開口端6aとが接触した状態で、エンジン側ハウジング5とエクステンションハウジング6とが相互に固定されている。
また、エクステンションハウジング6の他方の開口端6bを塞ぐようにエンドカバー7の開口端7aが取付けられて、エンドカバー7とエクステンションハウジング6とが相互に固定されている。
トランスアクスルケース4の内部空間8には、インプットシャフト9、モータジェネレータMG1、動力分配機構10、遊星歯車装置からなる変速機構11およびモータジェネレータMG2が設けられている。
インプットシャフト9は、クランクシャフト3と同心状に配置されており、インプットシャフト9におけるクランクシャフト3側の端部には、クラッチハブ13がスプライン嵌合されている。
トランスアクスルケース4内にはフライホイール14とインプットシャフト9との動力伝達状態を制御するクラッチ15が設けられており、このクラッチ15は、フライホイール14とインプットシャフト9との間におけるトルク変動を抑制・吸収するダンパ機構16を有している。
モータジェネレータMG1は、インプットシャフト9の外側に配置されており、モータジェネレータMG2は、モータジェネレータMG1よりもエンジン2から遠い位置に配置されている。
すなわち、エンジン2とモータジェネレータMG2との間にモータジェネレータMG1が配置されている。モータジェネレータMG1およびモータジェネレータMG2は、電力の供給により駆動する電動機としての機能(力行機能)と、機械エネルギーを電気エネルギーに変換する発電機としての機能(回生機能)とを兼ね備えている。
モータジェネレータMG1およびモータジェネレータMG2としては、例えば、交流同期型のモータジェネレータを用いることができる。モータジェネレータMG1およびモータジェネレータMG2に電力を供給する電力供給装置としては、バッテリ、キャパシタ等の蓄電装置、あるいは公知の燃料電池等を用いることができる。
エンジン側ハウジング5の内面には、エンジン2側に延在した後に、インプットシャフト9側に向けて延在する隔壁17が形成されており、隔壁17に対してケースカバー18が固定されている。
このケースカバー18は、エンジン2から離れる方向に延在した後、インプットシャフト9側に延在する形状を有している。そして、隔壁17とケースカバー18とにより取り囲まれたモータ収容室19に、モータジェネレータMG1が配置されている。モータジェネレータMG1は、トランスアクスルケース4側に固定されたステータ20と、回転自在なロータ21とを備えており、ステータ20は、隔壁17に固定された鉄心22と、鉄心22に巻かれたコイル23とを有している。
ステータ20およびロータ21は、所定肉厚の電磁鋼板を、その厚さ方向に複数枚を積層して構成したものである。なお、複数の電磁鋼板は、インプットシャフト9の軸線方向 に積層されている。
また、インプットシャフト9の外周には、中空シャフト24が取付けられており、インプットシャフト9と中空シャフト24とが相対回転可能に構成されている。ロータ21は、中空シャフト24の外周側に連結されている。
また、動力分配機構10は、モータジェネレータMG1とモータジェネレータMG2との間に設けられている。動力分配機構10は、所謂、シングルピニオン形式の遊星歯車機構10Aを有している。すなわち、遊星歯車機構10Aは、サンギヤ25と、サンギヤ25と同心状に配置されたリングギヤ26と、サンギヤ25およびリングギヤ26に係合するピニオンギヤ27を保持したキャリア28とを含んで構成されている。
そして、サンギヤ25と中空シャフト24とが連結され、キャリア28とインプットシャフト9とが連結されている。なお、リングギヤ26は、インプットシャフト9と同心状に配置された円筒部材29の内周側に形成されており、この円筒部材29の外周側にはカウンタドライブギヤ30が形成されている。
モータジェネレータMG2は、カウンタドライブギヤ30よりもエンジン2から遠い位置に設けられており、モータジェネレータMG2のロータ36がMGシャフト32の外周に連結されており、MGシャフト32は、車両の幅方向にほぼ水平に配置されている。
また、MGシャフト32とインプットシャフト9および中空シャフト24とは、同心状に配置されている。
また、エクステンションハウジング6の内面には、MGシャフト32側に延在する隔壁33が形成されており、エクステンションハウジング6と隔壁33とエンドカバー7とにより取り囲まれた収容室としてのモータ収容室34aに、モータジェネレータMG2が配置されている。
モータジェネレータMG2は、トランスアクスルケース4に固定されたステータ35と、回転自在なロータ36とを有している。ステータ35は、鉄心37と、鉄心37に巻かれたコイル38とを有している。
ステータ35およびロータ36は、所定肉厚の電磁鋼板を、その厚さ方向に複数枚を積層して構成したものである。なお、複数の電磁鋼板は、MGシャフト32の軸線方向に積層されている。
MGシャフト32の軸線方向一端部は、リングギヤ26に接続されており、モータジェネレータMG2の動力がMGシャフト32を介してリングギヤ26に伝達されると、リングギヤ26の回転速度が減速されて円筒部材29に伝達される。すなわち、モータジェネレータMG2のトルクが増幅されて動力分配機構10に伝達される。
また、動力分配機構10は、上述したようにキャリア28にエンジン2のクランクシャフト3が、サンギヤ25にモータジェネレータMG1が、リングギヤ26にMGシャフト32を介してモータジェネレータMG2がそれぞれ連結されており、モータジェネレータMG1が発電機として機能するときには、キャリア28から入力されるエンジン2からの動力をサンギヤ25側とリングギヤ26側にそのギヤ比に応じて分配し、モータジェネレータMG1が電動機として機能するときにはキャリア28から入力されるエンジン2からの動力とサンギヤ25から入力されるモータジェネレータMG1からの動力を統合してリングギヤ26側に出力される。
一方、トランスアクスルケース4の内部には、インプットシャフト9と平行なカウンタシャフト40が設けられている。カウンタシャフト40には、カウンタドリブンギヤ41およびファイナルドライブギヤ42が形成されており、カウンタドリブンギヤ41とカウンタドライブギヤ30とが噛合されている。
また、トランスアクスルケース4の内部にはディファレンシャル装置43が設けられており、ディファレンシャル装置43は、デフケース44の外周側に形成されたファイナルリングギヤ45と、デフケース44に対してピニオンシャフト46を介して連結された複数のピニオンギヤ47と、複数のピニオンギヤ47に噛合するサイドギヤ48と、サイドギヤ48に連結された2本のフロントドライブシャフト49L、49Rとを有している。
また、各フロントドライブシャフト49L、49Rには前輪50L、50Rが連結されている。このように、トランスアクスルケース4の内部に、変速機構11およびディファレンシャル装置43を一括して組み込んだ動力伝達装置であるトランスアクスル1を構成している。
また、MGシャフト32にはリングギヤ26と同軸上に回転部材としてのパーキングギヤ51が取付けられており、このパーキングギヤ51は、後述するパーキングロック機構52のパーキングポール62に係合自在となっている。
図2、図3は、トランスアクスルケース4を分割したものであり、図2は、エンジン側ハウジング5(本発明のケーシングに相当)の側面図、図3は、エクステンションハウジング6(本発明のケーシングに相当)の側面図である。
なお、エンジン側ハウジング5は、隔壁17およびケースカバー18を含んでおり、エクステンションハウジング6は、エンドカバー7と隔壁33とを含んで構成されている。また、図3において、カウンタドライブギヤ30、カウンタドリブンギヤ41、ファイナルドライブギヤ42およびファイナルリングギヤ45を仮想線で示す。
図2に示すように、エンジン側ハウジング5にはパーキングロック機構52が設けられている。
ここで、まず、図4に基づいてパーキングロック機構の全体構成を説明する。
図4において、パーキングロック機構52は、アクチュエータ53を備えており、このアクチュエータ53は、スイッチトリラクタンスモータ(SRモータ)等の同期式のモータ54と、モータ54の回転を減速して出力する減速機構55とを備えている。
減速機構55の出力軸には出力軸56が連結されており、この出力軸56にはディテントレバー57が固定されている。
ディテントレバー57には、図示しないマニュアルバルブのスプール弁が連結されており、モータ54によって出力軸56と一体にディテントレバー57を回動させることにより、マニュアルバルブの操作量(スプール弁の位置)を切換えて自動変速機のレンジを、P(パーキング)レンジ、R(リバース)レンジ、N(ニュートラル)レンジ、D(ドライブ)レンジ、OD(オーバードライブ)レンジのいずれかに切換えるようになっている。
なお、モータ54は、運転者により操作されるシフトレバーで選択された指示シフトレンジに対応するシフトレンジ位置になるように駆動されることにより、出力軸56を介してディテントレバー57を回動させることにより、マニュアルバルブのスプール弁を、Pレンジ、Rレンジ、Nレンジ、Dレンジ、ODレンジの各レンジに対応する位置に切換えるようになっている。
また、ディテントレバー57には、マニュアルバルブのスプール弁を、Pレンジ、Rレンジ、Nレンジ、Dレンジ、ODレンジの各レンジに対応する位置に保持するための5個の凹部57aが形成されている。
また、ディテントレバー57の上方にディテントスプリング58が配置されており、ディテントスプリング58の先端部にはローラ59が取付けられている。このローラ59は、ディテントスプリング58の弾性力によってディテントレバー57に押圧されており、ローラ59がディテントレバー57の目標シフトレンジの凹部57aに嵌合することで、ディテントレバー57が目標シフトレンジの回転角度で保持されて、マニュアルバルブのスプール弁の位置が目標シフトレンジの位置で保持されるようになっている。
一方、ディテントレバー57には、L字形のパーキングロッド60が固定されており、このパーキングロッド60の先端部には円錐テーパ状のパーキングカム61が設けられ、このパーキングカム61の外周面(カム面)にパーキングポール62が当接している。
このパーキングポール62は、パーキングロッド60の軸方向の移動に伴って移動するパーキングカム61の位置に応じて回動軸63を中心にして上下動し、その上下動によってパーキングポール62のロック爪62aがパーキングギヤ51に係合し、または、パーキングギヤ51からロック爪62aが外れることにより、パーキングギヤ51の回転をロックまたはロック解除するように構成されている。
また、パーキングロッド60には係止部60aが設けられており、この係止部60aとパーキングカム61との間にはパーキングカム61をパーキングポール62に押圧するためのスプリング64が介装されている。このため、パーキングカム61は、パーキングロッド60に沿って摺動自在となっている。
このパーキングロック機構52は、MGシャフト32に設けられたパーキングギヤ51をパーキングポール62によってロックすることで、ハイブリッド車両の前輪50L、50Rを回り止めすることにより、ハイブリッド車両をパーキング状態に保持することができる。
本実施の形態では、アクチュエータ53、出力軸56、ディテントレバー57、ディテントスプリング58、パーキングロッド60、パーキングカム61、パーキングポール62およびスプリング64がパーキングロック機構52を構成している。
次に、図2、図3、図5、図6に基づいてパーキングロック機構52とエンジン側ハウジング5との位置関係およびパーキングロック機構52とエクステンションハウジング6との位置関係を説明する。
図2において、アクチュエータ53は、エンジン側ハウジング5に固定されており、図2、図5、図6に示すように、ディテントスプリング58の端部は、エンジン側ハウジング5に設けられたパーキングカバー70に形成された筒状部65にボルト66によって固定されている。
なお、パーキングカバー70は、モータ収容室19に対向しておらず、エンジン側ハウジング5との間でパーキングロック機構52を収容する収容室68を画成している。この収容室68は、後述する内部空間34bに連通している。
また、図5、図6に示すように、パーキングカバー70の背面には支持ブラケット69が形成されており、この支持ブラケット69に出力軸56が回動自在に取付けられている。また、図2、図5、図6に示すように、パーキングカバー70には保持部76が設けられており、この保持部76は、パーキングカバー70からエクステンションハウジング6に向かって突出している。
また、保持部76の上部の一部には切欠き76aが形成されており、保持部76には切欠き76aを通して筒状部材および第1の筒状部材としてのスリーブ71が取付けられている。
したがって、スリーブ71は、保持部76によって保持されている。スリーブ71の第1の内周部としての内周部71aにはパーキングカム61が設けられており、スリーブ71は、パーキングカム61を軸方向に摺動自在に支持している。また、パーキングカバー70には貫通孔70aが形成されており、この貫通孔70aを通してパーキングロッド60およびパーキングカム61が保持部76の内周部およびスリーブ71の内周部71aに挿通されている。
また、スリーブ71の内周部71aにはパーキングロッド60の移動に伴ってパーキングカム61が乗り上げる斜面71bが形成されており、上部にパーキングポール62の上下移動を許容するための切欠き71cが形成されている。
また、図3に示すように、エクステンションハウジング6にはエンジン側ハウジング5に対向する面からエンジン側ハウジング5に突出する支持部73が設けられており、この支持部73は、パーキングカバー70との間に一定の隙間を画成するようにパーキングカバー70に対向している。
この支持部73にスリーブ71の軸線方向一端部が当接しており、スリーブ71は、支持部73によってエンジン側ハウジング5およびエクステンションハウジング6に位置決めされて、エンジン側ハウジング5およびエクステンションハウジング6に支持されるようになっている。
また、支持部73にはガイド部としての第1のガイドリブ74が一体的に設けられており、この第1のガイドリブ74は、支持部73からエクステンションハウジング6の側壁6cに向かって延在して側壁6cに連続している。また、第1のガイドリブ74と反対側の支持部73の端部には第2のガイドリブ75が設けられており、この第2のガイドリブ75は、保持部76から上方に突出している。本実施の形態では、支持部73および第1のガイドリブ74が供給手段を構成している。
また、スリーブ71の軸線方向一端部の下面にはストッパー部71dが形成されており、このストッパー部71dは、保持部76の軸線方向一端部に形成された切欠き76bに嵌合している。このため、スリーブ71は、保持部76に対して回動しないように回り止めされている。
一方、スリーブ71の内周部には、パーキングロッド60が支持部73側に移動するのに伴ってパーキングカム61が乗り上げる斜面71bが形成されているため、パーキングカム61が斜面71bに乗り上げたときにパーキングカム61がパーキングポール62を上方に移動させることにより、パーキングポール62のロック爪62aがパーキングギヤ51に係合してパーキングギヤ51をロックするようになっている(図5参照)。
また、パーキングロッド60が支持部73から離隔するのに伴ってパーキングカム61が斜面71bを下ったときにパーキングカム61がパーキングポール62を下方に移動させることにより、パーキングポール62のロック爪62aがパーキングギヤ51から離隔してパーキングギヤ51のロックを解除するようになっている(図6参照)。
このため、支持部73にスリーブ71の軸線方向一端部を当接させてスリーブ71をエクステンションハウジング6に位置決めすることにより、パーキングギヤ51をロックするためのパーキングカム61とパーキングロッド60の当接位置を設定することができる。
また、図1〜図3に示すように、エンジン側ハウジング5およびエクステンションハウジング6の上部にはキャッチタンク77が形成されており、このキャッチタンク77にはモータ収容室19、34aにオイルを導入してモータジェネレータMG1、MG2のステータ20、35を冷却するためのオイル導入口77a、77bと、カウンタドライブギヤ30、カウンタドリブンギヤ41、ファイナルドライブギヤ42およびファイナルリングギヤ45を収容する内部空間34bにオイルを滴下するオイル排出口77cとが形成されている。
また、トランスアクスルケース4の底部にはオイルが貯留されており、このオイルは、ファイナルリングギヤ45で掻き上げられてキャッチタンク77に供給される。このキャッチタンク77に供給されるオイルは、オイル導入口77a、77bからモータ収容室34a、19に導入されるとともに、内部空間34bに滴下される。
また、内部空間34bに滴下されたオイルは、第1のガイドリブ74によって補足されるようになっており、第1のガイドリブ74によって補足されたオイルは、支持部73に集められ、支持部73からスリーブ71の切欠き71cを通してスリーブ71内に供給される。
本実施の形態のトランスアクスル1は、パーキングロックを行う場合に、モータ54を駆動して出力軸56を回動させることにより、ディテントレバー57を揺動させる。このディテントレバー57の揺動に伴ってパーキングロッド60が軸方向に支持部73に向かって移動するため、パーキングカム61がスリーブ71の斜面71bを乗り上がる。
このとき、パーキングカム61がパーキングポール62を上方に押し上げるため、パーキングポール62が回動軸63を支点として上方に移動し、ロック爪62aをパーキングギヤ51に係合させてパーキングギヤ51をロックする。
一方、ファイナルリングギヤ45によってキャッチタンク77に掻き上げられたオイルは、キャッチタンク77のオイル導入口77a、77bからモータ収容室19、34aに導入され、モータジェネレータMG1、MG2のステータ20、35を冷却する。
また、ファイナルリングギヤ45によって掻き上げられたオイルは、ファイナルリングギヤ45とカウンタドリブンギヤ41の噛合部、ファイナルドライブギヤ42とカウンタドライブギヤ30の噛合部に供給されることにより、これらの噛合部が潤滑される。
また、キャッチタンク77に掻き上げられたオイルは、オイル排出口77cから内部空間34bに滴下される。このオイルは、第1のガイドリブ74によって補足され、第1のガイドリブ74に沿って流れ落ちて支持部73に集められる。
支持部73には第2のガイドリブ75が形成されているため、支持部73に集められたオイルが支持部73から第2のガイドリブ75の突出方向に流れることがなく、支持部73からスリーブ71の切欠き71cを通してスリーブ71の内周部71aに供給される。
このため、切欠き71cを通過するオイルは、パーキングカム61とパーキングポール62の摺動面に供給されるとともに、内周部71aに導入されたオイルは、パーキングカム61とスリーブ71との摺動面に供給される。
このように本実施の形態のパーキングロック機構52は、スリーブ71をエクステンションハウジング6に位置決めする支持部73に、トランスアクスルケース4内を循環するオイルを補足して支持部73に供給する第1のガイドリブ74を設けるとともに、スリーブ71の上部にパーキングポール62をパーキングカム61に当接させるための切欠き71cを形成し、第1のガイドリブ74に補足されたオイルを支持部73およびスリーブ71の切欠き71cを通してパーキングカム61の摺動面、すなわち、パーキングポール62とパーキングカム61との摺動面およびパーキングカム61とスリーブ71との摺動面に供給することができる。
このため、パーキングポール62とパーキングカム61との摺動面およびパーキングカム61とスリーブ71との摺動面をオイルによって積極的に潤滑することができ、パーキングカム61の摺動抵抗を小さくすることができる。
したがって、パーキングポール62とパーキングカム61との摺動面およびパーキングカム61とスリーブ71との摺動面が磨耗してしまうのを抑制することができる。
また、パーキングカム61の摺動抵抗を小さくすることができるため、アクチュエータ53のモータ54のトルク容量を小さくしてアクチュエータ53の小型化、低コスト化を図ることができる。
また、本実施の形態では、スリーブ71の軸線方向一端部の下面にストッパー部71dを形成し、このストッパー部71dを保持部76の軸線方向一端部に形成された切欠き76bに嵌合することにより、スリーブ71を保持部76に対して回動しないように回り止めしたので、簡単な構成でスリーブ71の回り止めを行うことができ、パーキングロック機構52の構造を簡素化することができる。
また、本実施の形態では、スリーブ71を支持部73によってエンジン側ハウジング5およびエクステンションハウジング6に位置決めして、エンジン側ハウジング5およびエクステンションハウジング6に支持しているため、パーキングギヤ51をロックするためのパーキングカム61とパーキングロッド60の当接位置を設定することができる。
また、本実施の形態では、支持部73に第1のガイドリブ74を形成しているが、これに限らず、支持部73の上部にスリーブ71の軸線方向と同方向に延在する溝を形成し、支持部73に滴下されたオイルが溝を通してスリーブ71側に供給されるようにしてもよい。
また、本実施の形態では、支持部73、第1のガイドリブ74および第2のガイドリブ75をエクステンションハウジング6に一体的に、すなわち、エクステンションハウジング6に直接設けているが、エクステンションハウジング6に支持部材としてのガイド板等を取付け、このガイド板に支持部73、第1のガイドリブ74および第2のガイドリブ75を設けてもよい。
この場合には、スリーブ71が支持部73およびガイド板を介してエンジン側ハウジング5およびエクステンションハウジング6に位置決めされて、エンジン側ハウジング5およびエクステンションハウジング6に支持されることになる。
(第2の実施の形態)
図7〜図15は、本発明に係る動力伝達装置のパーキングロック機構の第2の実施の形態を示す図であり、第1の実施の形態と同一の構成には同一番号を付して説明を省略する。
図7において、エクステンションハウジング6には筒状部材および第2の筒状部材としての筒状部81が設けられており、この筒状部81は、スリーブ71の軸線方向一端部が当接することにより、スリーブ71をエクステンションハウジング6に位置決めしてスリーブ71をエンジン側ハウジング5およびエクステンションハウジング6に支持している。
筒状部81は、スリーブ71の内周部71aに連通する第2の内周部としての内周部81aを有しており、筒状部81の上部にはトランスアクスルケース4の内部空間34bに連通する上部開口としての上部切欠き81bが形成されている。
この上部切欠き81bは、トランスアクスルケース4内を循環するオイル、すなわち、キャッチタンク77のオイル排出口77cから排出されるオイルを筒状部81の内周部81aに導入するようになっている。
この筒状部81の内周部81aに導入されたオイルは、スリーブ71の内周部71aに導入されてパーキングカム61の摺動面を潤滑することになる。本実施の形態では、筒状部81が供給手段を構成している。
また、図9に示すように、スリーブ71の軸線方向一端部の上部にはストッパー部71dに代えてストッパー部71eが形成されており、このストッパー部71eは、筒状部81の上部切欠き81bに嵌合している。このため、スリーブ71は、保持部76に対して回動しないように回り止めされている。
本実施の形態のトランスアクスル1は、ファイナルリングギヤ45によってキャッチタンク77に掻き上げられたオイルがキャッチタンク77のオイル導入口77a、77bからモータ収容室19、34aに導入されることにより、モータジェネレータMG1、MG2のステータ20、35が冷却される。
また、ファイナルリングギヤ45によって掻き上げられたオイルは、ファイナルリングギヤ45とカウンタドリブンギヤ41の噛合部、ファイナルドライブギヤ42とカウンタドライブギヤ30の噛合部に供給されることにより、これらの噛合部が潤滑される。
また、キャッチタンク77に供給されたオイルは、オイル排出口77cから内部空間34bに滴下される。このオイルの一部は、筒状部81の上部切欠き81bを通して筒状部81の内周部81aに導入され、内周部81aからスリーブ71の内周部71aに導入される。このオイルは、パーキングカム61の接触面、すなわち、パーキングカム61とスリーブ71の接触面およびパーキングカム61とパーキングポール62との接触面に供給され、パーキングカム61とスリーブ71の接触面およびパーキングカム61とパーキングポール62との接触面がオイルによって潤滑される。
このように本実施の形態のパーキングロック機構52は、スリーブ71の軸線方向一端部が当接するようにエクステンションハウジング6のパーキングカバー70に設けられ、スリーブ71をエクステンションハウジング6に位置決めしてエンジン側ハウジング5およびエクステンションハウジング6に支持する筒状部81を有し、この筒状部81が、スリーブ71の内周部71aに連通する内周部81aを有するとともに、トランスアクスルケース4の上方の内部空間34bと連通して筒状部81の内周部81aにオイルを導入する上部切欠き81bを有する。
このため、上部切欠き81bを通して筒状部81の内周部81aに導入されたオイルを筒状部81の内周部81aからスリーブ71の内周部71aに供給することができる。したがって、パーキングカム61とスリーブ71の接触面およびパーキングカム61とパーキングポール62との接触面をオイルによって積極的に潤滑することができ、パーキングカム61の摺動抵抗を小さくしてパーキングカム61とスリーブ71の接触面およびパーキングカム61とパーキングポール62との接触面が磨耗するのを抑制することができる。
また、パーキングカム61の摺動抵抗を小さくすることができるため、アクチュエータ53のモータ54のトルク容量を小さくしてアクチュエータ53の小型化、低コスト化を図ることができる。
また、本実施の形態では、スリーブ71の軸線方向一端部を筒状部81に当接させるようにしているため、スリーブ71と筒状部81との接触面積を増大させることができる。
このため、スリーブ71が傾いてしまうのを防止することができ、パーキングカム61とスリーブ71の摺動面の相対位置の位相差を緩和して、パーキングカム61とスリーブ71の摺動部に加わるパーキングカム61の押圧力のばらつきを小さくすることができる。このため、パーキングカム61とスリーブ71の摺動面の摺動抵抗を考慮したアクチュエータ53の必要トルクを必要以上に大きくするのを不要にできる。
すなわち、パーキングカム61とスリーブ71の摺動部に加わるパーキングカム61の押圧力のばらつきを小さくすることができるため、パーキングカム61とスリーブ71の摺動抵抗を小さくすることができ、その分だけトルク容量が小さいモータ54を有するアクチュエータ53を用いることができる。この結果、アクチュエータ53の小型、低コスト化を図ることができる。
なお、本実施の形態では、筒状部81に排出孔が設けられていないが、図10に示すように、筒状部81に導入されるオイルを排出する排出孔としての下部切欠き81cを筒状部81に設けてもよい。このようにすれば、筒状部81に導入されたオイルを下部切欠き81cから排出することができ、図11に示すように、スリーブ71に一定量のオイルが貯留されてしまうのを防止することができる。
すなわち、パーキングロック時に、筒状部81からスリーブ71に必要以上のオイルが供給されてしまうと、パーキングカム61とスリーブ71との摺動面の摩擦抵抗が必要以上に小さくなり、スプリング64のばね定数を大きくする必要が生じてしまう。
具体的には、パーキングロック時には、パーキングカム61がスプリング64によって筒状部81側に付勢されることにより、パーキングカム61がパーキングポール62から離脱するのを防止するようになっている。
このため、パーキングカム61とスリーブ71の摺動部との摩擦抵抗が必要以上に小さくなると、パーキングカム61がスプリング64の付勢力に抗してパーキングポール62から離脱し易くなるため、スプリング64のばね定数を大きくしてパーキングカム61がパーキングポール62から離脱しないように大きな付勢力で付勢する必要がある。
このため、スプリング64のばね定数を大きくするために、スプリング64を大きくしなければならず、パーキングロック機構52が大型化してしまう。
したがって、スリーブ71に導入されるオイルを排出する下部切欠き81cを設けてスリーブ71に一定量のオイルが貯留されてしまうのを防止して、パーキングカム61とスリーブ71の摺動部とを潤滑するだけのオイルを確保するようにすれば、パーキングカム61とスリーブ71の摺動面の摩擦抵抗が必要以上に小さくなるのを防止することができ、結果的にスプリング64のばね定数を大きくするのを不要にして、パーキングロック機構52が大型化するのを防止することができる。
なお、筒状部81に下部切欠き81cを設けた場合には、筒状部81の内周部81aに貯留されるオイル量が減少してオイルの液面が低くなるため、パーキングポール62とパーキングカム61との接触面にオイルを供給し難くなるが、少なくともパーキングカム61と筒状部81との接触面を潤滑することができるため、パーキングカム61の摺動抵抗を低減することができる。
また、スリーブ71の軸線方向の一端部に下部切欠き81cに嵌合されるストッパー部を設けてもよい。このようにすれば、このストッパー部とスリーブ71の上部に形成されたストッパー部71eとによってスリーブ71の回り止めを行うことができる。
また、下部切欠き81cは、下部切欠き81cと上部切欠き81bとを筒状部81の中心軸に介して非対称になるように筒状部81に形成することが好ましい。このようにすれば、スリーブ71を保持部76に組み付けるときに、予め、上部切欠き81bと嵌合されるストッパー部71eと下部切欠き81cに嵌合されるストッパー部が正規な位置となるように、スリーブ71を保持部76に取付けることができ、スリーブ71の誤装着を防止することができる。
また、上部切欠き81bおよび下部切欠き81cは、エクステンションハウジング6を鋳造によって形成する場合に、鋳抜きによって形成するようにすれば、エクステンションハウジング6の加工部位を少なくすることができ、エクステンションハウジング6の製造コストを低減することができ、結果的にトランスアクスル1の製造コストを低減することができる。
また、本実施の形態では、図12〜図14に示すように、筒状部81の外周部にリブを設けてもよい。
図12は、エクステンションハウジング6に形成された軸受保持用の開口部82から筒状部81にガイドリブ83を延在させたものである。この場合、ガイドリブ83および筒状部81が供給手段を構成する。
このようにすれば、開口部82を通して軸受を潤滑するオイルをガイドリブ83に案内することができ、筒状部81の上部切欠き81bにより多くのオイルを供給して、パーキングカム61の摺動面の潤滑性を向上させることができる。
また、エクステンションハウジング6の鋳造時に、厚肉の開口部82と厚肉の筒状部81をガイドリブ83で連結することにより、エンジン側ハウジング5の鋳造性を向上させることができる。このため、トランスアクスルケース4の製造作業を容易に行うことができ、トランスアクスルケース4の製造コストを低減することができ、結果的にトランスアクスル1の製造コストを低減することができる。
図13は、軸受保持用の開口部82から筒状部81にガイドリブ84aを延在させるとともに、筒状部81からエクステンションハウジング6の開口端6aに形成されたボルト挿通孔86に延在するガイドリブ84b、85を延在させたものである。この場合、ガイドリブ84a、84bおよび筒状部81が供給手段を構成する。
このようにすれば、エクステンションハウジング6の側壁6cに伝わるオイルをガイドリブ84a、84bで補足して筒状部81に案内することができるとともに、開口部82を通して軸受を潤滑するオイルをガイドリブ83に案内することができ、筒状部81の上部切欠き81bにより多くのオイルを供給して、パーキングカム61の摺動面の潤滑性を向上させることができる。
また、ガイドリブ84a、84b、85を筒状部81から締結強度の高いボルト挿通孔86、すなわち、ボルトによって締結される部位まで延在させているので、トランスアクスルケース4の剛性を高くすることができる。
図14は、エクステンションハウジング6に筒状部81からキャッチタンク77のオイル排出口77cまで延在するガイドリブ87を設けたものである。この場合、ガイドリブ87および筒状部81が供給手段を構成する。
このようにすれば、オイル排出口77cから排出されたオイルをガイドリブ87を通して筒状部81に案内することができ、パーキングカム61の摺動面の潤滑性を向上させることができる。
また、オイル排出口77cは、キャッチタンク77の低い部分に形成されているため、キャッチタンク77からガイドリブ87を通して筒状部81にオイルを優先して供給することができ、パーキングカム61の摺動面の潤滑性を向上させることができる。
なお、図15に示すように、筒状部81やスリーブ71の位置を変更し、トランスアクスルケース4の輻射音が発生するケーシングの外面、例えば、エクステンションハウジング6の外面に面したエクステンションハウジング6の平面部にガイドリブ88、89を設け、キャッチタンク等から滴下したオイルまたはファイナルリングギヤ45によって掻き上げられたオイル等をガイドリブ88、89を通して筒状部81に供給するようにしてもよい。この場合、ガイドリブ88、89および筒状部81が供給手段を構成する。
このようにすれば、オイルを筒状部81に案内するためのガイドリブ88、89によってエクステンションハウジング6の平面部の面剛性を向上させることができ、輻射音を低減してNV(Noise and Vibration:騒音と振動)性能を向上させることができる。
また、エクステンションハウジング6の面剛性を向上させるためにエクステンションハウジング6にリブを設けたり、エクステンションハウジング6の肉厚を大きくすること等を不要にでき、トランスアクスルケース4の製造コストを低減して、結果的にトランスアクスル1の製造コストを低減することができる。
また、本実施の形態では、筒状部81をエクステンションハウジング6に一体的に、すなわち、エクステンションハウジング6に直接設けているが、エクステンションハウジング6に支持部材としてのガイド板等を取付け、このガイド板に筒状部81を設けてもよい。
この場合には、スリーブ71が筒状部81およびガイド板を介してエンジン側ハウジング5およびエクステンションハウジング6に位置決めされて、エンジン側ハウジング5およびエクステンションハウジング6に支持されることになる。
(第3の実施の形態)
図16〜図18は、本発明に係る動力伝達装置のパーキングロック機構の第3の実施の形態を示す図であり、第1の実施の形態と同一の構成には同一番号を付して説明を省略する。
図16、図17において、エンジン側ハウジング5およびエンドカバー7と共にモータ収容室34aを画成する隔壁33の一方の面には回転電機としてのモータジェネレータMG2が対向しており、スリーブ71と対向する隔壁33の他方の面には筒状部材および第2の筒状部材としての筒状部91が形成されている。
筒状部91は、スリーブ71の内周部71aに連通する第2の内周部としての内周部91aを有しており、筒状部91の上部にはトランスアクスルケース4の上方の空間と連通する上部開口としての上部切欠き91bが形成されている。
また、隔壁33には導入穴92が形成されており、この導入穴92は、モータ収容室34aと筒状部91の内周部91aとを連通している。また、筒状部91の軸線方向他端部は、隔壁33からスリーブ71に向かって突出しており、筒状部91の軸線方向一端部は、スリーブ71の軸線方向一端部に当接している。このため、スリーブ71の内周部は筒状部91の内周部91aおよび導入穴92を通してモータ収容室34aに連通している。
本実施の形態では、ファイナルリングギヤ45によってキャッチタンク77に掻き上げられたオイルは、キャッチタンク77のオイル導入口77aからモータ収容室34aに導入され、モータジェネレータMG2のステータ35を冷却する。
このステータ35を冷却してオイルの一部は、ステータから跳ね返った後、導入穴92を通して筒状部91の内周部91aおよびスリーブ71の内周部71aに導入される(図17の矢印O参照)。スリーブ71の内周部71aに導入されたオイルは、パーキングカム61とスリーブ71との接触面に供給される。本実施の形態では、筒状部91および隔壁33が供給手段を構成している。
このように本実施の形態では、エクステンションハウジング6の隔壁33が、導入穴92と、導入穴92からスリーブ71に向かって突出してスリーブ71の軸線方向一端部に当接し、スリーブ71の内周部71aに連通する内周部91aを有する筒状部91を有し、モータジェネレータMG2を冷却したオイルを導入穴92から筒状部91の内周部91aおよびスリーブ71の内周部71aを通してパーキングカム61の摺動面に供給するので、パーキングカム61の摺動抵抗を小さくすることができる。このため、パーキングカム61とパーキングポール62との摺動面およびパーキングカム61とスリーブ71との摺動面が磨耗するのを抑制することができる。
また、モータジェネレータMG2を冷却するオイルを排出するための導入穴92をパーキングカム61の摺動面を潤滑するためのオイルとして利用することができるため、パーキングカム61の潤滑を行うための専用の穴を形成するのを不要にでき、導入穴92の加工工数を低減して、トランスアクスルケース4の製造コストを低減することができる。
また、導入穴92に応力が集中することが考えられるが、スリーブ71の軸線方向一端部を筒状部91の軸線方向他端部に当接させるようにしているため、スリーブ71と筒状部91との接触面積を増大させることができ、導入穴92の周辺の隔壁33の肉厚を確保して導入穴92への応力を緩和することができる。
なお、本実施の形態では、導入穴92をステータ35の上端近傍に設置しているが、図18に示すように、モータジェネレータMG2のロータ36の下端近傍の隔壁33の部位に導入穴92を形成するようにしてもよい。
このようにすれば、導入穴92を通してモータ収容室34aのオイルの液面Lをロータ36の下端近傍に設定してロータ36がオイルに油浴しないようにすることができる。このため、オイルによるロータ36の撹拌抵抗を減少してトランスアクスル1の動力伝達効率が悪化するのを防止することができる。
また、ロータ36の下端近傍に導入穴92の位置を設定してもキャッチタンク77のオイル導入口77aからステータ35にオイルを確実に供給することができるため、ステータ35とオイルとの間で熱交換を促進することができ、モータジェネレータMG2の冷却効率を向上させることができる。また、熱容量の小さい小型のモータジェネレータMG2を用いてもモータジェネレータMG2を冷却することができるため、トランスアクスル1の小型、軽量化を図ることができる。
(第4の実施の形態)
図19、図20は、本発明に係る動力伝達装置のパーキングロック機構の第4の実施の形態を示す図であり、第1の実施の形態と同一の構成には同一番号を付して説明を省略する。
本実施の形態では、図19に示すように、例えば、トランスアクスルケース4が、軸受95を介して回転軸96の軸線方向一端部を回転自在に支持する支持部97aを有する隔壁97を備えたものとして説明する。支持部97a側から見た隔壁97は、図20に示す。
この隔壁97には導入穴98が形成されており、この導入穴98を挟んで支持部97aと反対側の隔壁97の他方の面には第2の筒状部材としての筒状部99が形成されている。この筒状部99の軸線方向一端部は、第2の内周部としての内周部99aが導入穴98に連通するように隔壁97と一体的に設けられており、筒状部99の軸線方向他端部は、スリーブ71の軸線方向一端部に当接している。また、筒状部99の上部にはトランスアクスルケース4の上方の内部空間34bと連通する上部開口としての上部切欠き99bが形成されている。
このため、上部切欠き99bからスリーブ71の内周部71aに導入されたオイル(図19に矢印O1で示す)は、筒状部99の内周部99aから隔壁97の導入穴98を通して軸受95に導入される(図19に矢印O2で示す)。
本実施の形態では、トランスアクスルケース4の底部には貯留されたオイルがファイナルリングギヤ45で掻き上げられてキャッチタンク77に供給される。
キャッチタンク77に供給されたオイルは、オイル排出口77cから内部空間34bに滴下され、このオイルの一部は、筒状部99の上部切欠き99bを通して筒状部99の内周部99aに導入され、内周部81aからスリーブ71の内周部71aに導入される。
このオイルは、パーキングカム61の接触面、すなわち、パーキングカム61とスリーブ71の接触面およびパーキングカム61とパーキングポール62との接触面に供給され、パーキングカム61とスリーブ71の接触面およびパーキングカム61とパーキングポール62との接触面がオイルによって潤滑される。
また、筒状部99に導入されたオイルは、導入穴98から軸受95に供給され、このオイルによって軸受95が潤滑される。
このように本実施の形態のパーキングロック機構52は、筒状部99が、筒状部99の内周部99aを隔壁97に形成された導入穴98に連通するように隔壁97に設けられた軸線方向一端部と、軸線方向一端部からスリーブ71に向かって突出してスリーブ71の内周部71aに連通するようにスリーブ71の他端部に当接する軸線方向他端部とを有し、上部切欠き71cを通して筒状部99の内周部99aに導入されたオイルを導入穴98を通して軸受95に供給するようにしたので、単一の筒状部99を利用してパーキングカム61の摺動面、すなわち、パーキングカム61とスリーブ71との摺動面を潤滑するのと同時に軸受95を潤滑することができる。
この結果、軸受95を潤滑するための専用の構成をトランスアクスルケース4に設ける必要がなく、トランスアクスルケース4の構成を簡素化することができるとともに、トランスアクスルケース4の軽量化を図ることができ、トランスアクスル1を軽量化および低コスト化を図ることができる。
なお、第3、第4の実施の形態で示すように、導入穴92、98を有する筒状部91、99を用いる場合には、周囲がケーシングによって囲まれた空間にギヤ等の回転部材が収容されている箇所に筒状部91、99を用いることができる。
例えば、ケーシングの任意の位置に導入穴を形成し、ギヤを収容する空間から導入穴92、98を通してオイルを筒状部91、99に排出し、このオイルをスリーブ71の内周部71aに供給することでパーキングカム61の摺動面を潤滑するようにしてもよい。
この場合には、ケーシングによって囲まれる空間内にオイルの排出性を向上させてギヤ等の撹拌抵抗を減少してトランスアクスル1の動力伝達効率が悪化するのを防止することができる
また、この場合には、ギヤの歯筋方向側に位置するようにケーシングに導入穴92、98を形成することにより、ギヤによってオイルを導入穴92、98側に指向させることができ、オイルの排出性を向上させることができる。
また、上記各実施の形態では、パーキングギヤ51をMGシャフト32に取付けているが、前輪50L、50Rの回転をロックすることができればよいので、動力伝達経路上に設けられた回転部材であれば、例えば、カウンタシャフト40上にパーキングギヤ51を設けてもよい。
なお、本実施の形態のパーキングロック機構は、モータジェネレータMG1、MG2を有する動力伝達装置に適用しているが、モータジェネレータMG1、MG2を備えていない動力伝達装置に適用してもよいことは勿論である。
また、上記各実施の形態のパーキングロック機構は、シフトバイワイヤ方式に適用しているが、操作レバーの操作を、ワイヤを介してパーキングポールに伝達するワイヤ方式のパーキングロック機構に適用してもよい。
この場合には、運転者の操作力を小さくすることができることに加えて、パーキングポールとパーキングカムとの接触部の摺動抵抗を一定にすることができるため、操作フィーリングが悪化するのを防止することができる。
また、今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であってこの実施の形態に制限されるものではない。本発明の範囲は、上記した実施の形態のみの説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
以上のように、本発明に係る動力伝達装置のパーキングロック機構は、パーキングカムの摺動面に潤滑油を安定して供給することができるようにして、パーキングカムの摺動抵抗を小さくすることができるという効果を有し、自動車等の車両の動力伝達装置の回転部材を回転不能にすることができる動力伝達装置のパーキングロック機構等として有用である。
1 トランスアクスル(動力伝達装置)
5 エンジン側ハウジング(ケーシング)
6 エクステンションハウジング(ケーシング)
34a モータ収容室(収容室)
51 パーキングギヤ(回転部材)
52 パーキングロック機構
53 アクチュエータ(パーキングロック機構)
56 出力軸(パーキングロック機構)
57 ディテントレバー(パーキングロック機構)
58 ディテントスプリング(パーキングロック機構)
60 パーキングロッド(パーキングロック機構)
61 パーキングカム(パーキングロック機構)
62 パーキングポール(パーキングロック機構)
64 スプリング(パーキングロック機構)
71 スリーブ(筒状部材、第1の筒状部材)
71a 内周部(第1の内周部)
71b 斜面
73 支持部(供給手段)
74 第1のガイドリブ(供給手段、ガイド部)
81、91 筒状部(供給手段、筒状部材、第2の筒状部材)
81a、91a、99a 内周部(第2の内周部)
81b、91b 上部切欠き(上部開口)
83、84a、84b、87、88、89 ガイドリブ(供給手段)
92、98 導入穴
95 軸受
96 回転軸
97 隔壁(供給手段)
97a 支持部
99 筒状部(第2の筒状部材)

Claims (5)

  1. 動力伝達装置のケーシングに収容される前記動力伝達装置の回転部材に設けられたパーキングギヤに係合・離隔自在なパーキングポールと、運転者のシフトレバー操作に連動して軸方向に移動するパーキングロッドと、前記パーキングロッドに取付けられ、前記パーキングロッドの軸方向の移動に伴って前記パーキングポールと摺動することにより前記パーキングポールを前記パーキングギヤに係合・離隔させるパーキングカムと、前記パーキングカムを摺動自在に支持する筒状部材とを備えた動力伝達装置のパーキングロック機構であって、
    前記筒状部材を前記ケーシングに位置決めして前記ケーシングに支持するとともに、前記ケーシング内を循環する潤滑油を前記パーキングカムの摺動面に供給する供給手段を有し、
    前記供給手段が、前記ケーシングに直接設けられ、
    前記筒状部材が、前記パーキングカムを軸方向に摺動自在に支持し、前記パーキングロッドの移動に伴い前記パーキングカムが乗り上げる斜面を有する第1の内周部を有する第1の筒状部材から構成され、
    前記供給手段が、前記第1の筒状部材の軸線方向一端部が当接するように前記ケーシングに設けられ、前記第1の筒状部材を前記ケーシングに位置決めして前記ケーシングに支持する第2の筒状部材から構成され、
    前記第2の筒状部材が、前記第1の筒状部材の第1の内周部に連通する第2の内周部を有するとともに、前記ケーシング内を循環する潤滑油を前記第2の内周部に潤滑油を導入する上部開口を有することを特徴とする動力伝達装置のパーキングロック機構。
  2. 動力伝達装置のケーシングに収容される前記動力伝達装置の回転部材に設けられたパーキングギヤに係合・離隔自在なパーキングポールと、運転者のシフトレバー操作に連動して軸方向に移動するパーキングロッドと、前記パーキングロッドに取付けられ、前記パーキングロッドの軸方向の移動に伴って前記パーキングポールと摺動することにより前記パーキングポールを前記パーキングギヤに係合・離隔させるパーキングカムと、前記パーキングカムを摺動自在に支持する筒状部材とを備えた動力伝達装置のパーキングロック機構であって、
    前記筒状部材を前記ケーシングに位置決めして前記ケーシングに支持するとともに、前記ケーシング内を循環する潤滑油を前記パーキングカムの摺動面に供給する供給手段を有し、
    前記供給手段が、前記ケーシングに取付けられた支持部材に設けられ、前記支持部材を介して前記筒状部材を前記ケーシングに位置決め支持し、
    前記筒状部材が、前記パーキングカムを軸方向に摺動自在に支持し、前記パーキングロッドの移動に伴い前記パーキングカムが乗り上げる斜面を有する第1の内周部を有する第1の筒状部材から構成され、
    前記供給手段が、前記第1の筒状部材の軸線方向一端部が当接するように前記支持部材に設けられ、前記第1の筒状部材を前記支持部材を介して前記ケーシングに位置決めして前記ケーシングに支持する第2の筒状部材から構成され、
    前記第2の筒状部材が、前記第1の筒状部材の第1の内周部に連通する第2の内周部を有するとともに、前記ケーシング内を循環する潤滑油を前記第2の内周部に潤滑油を導入する上部開口を有することを特徴とする動力伝達装置のパーキングロック機構。
  3. 前記第2の筒状部材が、前記第2の筒状部材に導入された潤滑油を排出する排出孔を有することを特徴とする請求項6または請求項7に記載の動力伝達装置のパーキングロック機構。
  4. 動力伝達装置のケーシングに収容される前記動力伝達装置の回転部材に設けられたパーキングギヤに係合・離隔自在なパーキングポールと、運転者のシフトレバー操作に連動して軸方向に移動するパーキングロッドと、前記パーキングロッドに取付けられ、前記パーキングロッドの軸方向の移動に伴って前記パーキングポールと摺動することにより前記パーキングポールを前記パーキングギヤに係合・離隔させるパーキングカムと、前記パーキングカムを摺動自在に支持する筒状部材とを備えた動力伝達装置のパーキングロック機構であって、
    前記筒状部材を前記ケーシングに位置決めして前記ケーシングに支持するとともに、前記ケーシング内を循環する潤滑油を前記パーキングカムの摺動面に供給する供給手段を有し、
    前記ケーシングが軸受を介して回転軸の軸線方向一端部を回転自在に支持する隔壁を有し、
    前記筒状部材が、前記パーキングカムを軸方向に摺動自在に支持し、前記パーキングロッドの移動に伴い前記パーキングカムが乗り上げる斜面を有する第1の内周部を有する第1の筒状部材から構成され、
    前記隔壁が、導入穴と、前記隔壁の一方の面に形成され、前記導入穴を挟んで前記軸受を介して前記回転軸を支持する支持部と、前記隔壁の他方の面に形成された前記第2の筒状部材とを有し、
    前記第2の筒状部材が、前記第2の内周部を前記導入穴に連通するように前記隔壁に設けられた軸線方向一端部と、前記軸線方向一端部から前記第1の筒状部材に向かって突出して前記第2の内周部を前記第1の内周部に連通するように前記第1の筒状部材の軸線方向一端部に当接する軸線方向他端部とを有し、前記上部開口を通して前記第2の内周部に導入された潤滑油を前記導入穴を通して前記軸受に供給する前記供給手段を構成することを特徴とする動力伝達装置のパーキングロック機構。
  5. 動力伝達装置のケーシングに収容される前記動力伝達装置の回転部材に設けられたパーキングギヤに係合・離隔自在なパーキングポールと、運転者のシフトレバー操作に連動して軸方向に移動するパーキングロッドと、前記パーキングロッドに取付けられ、前記パーキングロッドの軸方向の移動に伴って前記パーキングポールと摺動することにより前記パーキングポールを前記パーキングギヤに係合・離隔させるパーキングカムと、前記パーキングカムを摺動自在に支持する筒状部材とを備えた動力伝達装置のパーキングロック機構であって、
    前記筒状部材を前記ケーシングに位置決めして前記ケーシングに支持するとともに、前記ケーシング内を循環する潤滑油を前記パーキングカムの摺動面に供給する供給手段を有し、
    前記ケーシングが、前記ケーシング内に回転電機を収容する収容室を画成し、一方の面が前記回転電機に対向するとともに他方の面に前記筒状部材が対向する隔壁を有し、
    前記筒状部材が、前記パーキングカムを軸方向に摺動自在に支持し、前記パーキングロッドの移動に伴い前記パーキングカムが乗り上げる斜面を有する第1の内周部を有する第1の筒状部材から構成され、
    前記隔壁が、導入穴と、前記導入穴から前記第1の筒状部材に向かって突出して前記第1の筒状部材の軸線方向一端部に当接し、前記第1の筒状部材の前記第1の内周部に連通する第2の内周部を有する第2の筒状部材とを備え、前記回転電機を冷却した潤滑油を前記導入穴から前記第1の内周部および前記第2の内周部を通して前記パーキングカムの摺動面に供給する前記供給手段を構成することを特徴とするパーキングロック機構。
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