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JP5346881B2 - 共重合芳香族ポリエステルおよび二軸配向ポリエステルフィルム - Google Patents

共重合芳香族ポリエステルおよび二軸配向ポリエステルフィルム Download PDF

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JP5346881B2 JP2010133897A JP2010133897A JP5346881B2 JP 5346881 B2 JP5346881 B2 JP 5346881B2 JP 2010133897 A JP2010133897 A JP 2010133897A JP 2010133897 A JP2010133897 A JP 2010133897A JP 5346881 B2 JP5346881 B2 JP 5346881B2
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Description

本発明は4’,4’’-(アルキレンジオキシ)ジ−ビフェニル−4−カルボン酸成分を共重合した新規な共重合芳香族ポリエステルおよびそれを用いた二軸配向ポリエステルフィルムに関する。
ポリエチレンテレフタレートやポリエチレン−2,6−ナフタレートに代表される芳香族ポリエステルは優れた機械的特性、寸法安定性および耐熱性を有することから、フィルムなどに幅広く使用されている。特にポリエチレン−2,6−ナフタレートは、ポリエチレンテレフタレートよりも優れた機械的特性、寸法安定性および耐熱性を有することから、それらの要求の厳しい用途、例えば高密度磁気記録媒体などのベースフィルムなどに使用されている。しかしながら、近年の高密度磁気記録媒体などでの寸法安定性の要求はますます高くなってきており、さらなる特性の向上が求められている。
このような要求に答えるため、特開平5−212787号公報(特許文献1)、国際公開第99/29488号パンフレット(特許文献2)、国際公開第00/76749号パンフレット(特許文献3)には、フィルムの製造条件を選択することによってテープ幅方向の湿度膨張係数を低減することが提案されている。しかしながら、これらに提案されている方法は、延伸条件やその後の熱固定処理条件の適正化のみによって達成するものであるため、ポリエステルが極性ポリマーであるが故に湿度の影響を受けやすいという根本的な問題の解決は未だ不十分であった。
特開平5−212787号公報 国際公開第99/29488号パンフレット 国際公開第00/76749号パンフレット
本発明の目的は、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートなどに比べ、同じヤング率ならより低い湿度膨張係数を発現できる、環境変化に対する優れた寸法安定性を有する新規な共重合芳香族ポリエステルおよびそれを用いた二軸配向ポリエステルフィルムを提供することにある。
二軸配向ポリエステルフィルムにおいて、湿度膨張係数と温度膨張係数はともにヤング率と非常に密接な関係にあり、ヤング率が高いほど一般的に低くなる。しかしながら、ヤング率はいくらでも高められるというわけではなく、製膜性や直交する方向のヤング率確保の点から自ずと限界がある。そのため、同じヤング率ならより低い温度や湿度に対する膨張係数をもつフィルムが得られないか鋭意研究したところ、4’,4’’-(アルキレンジオキシ)ジ−ビフェニル−4−カルボン酸成分を共重合すると、同じヤング率ならより低い湿度膨張係数を発現できることを見出し、本発明に到達した。
かくして本発明によれば、主たる芳香族ジカルボン酸成分が、下記式(I)および(II)で示される芳香族ジカルボン酸成分で、主たるグリコール成分が下記式(III)で示されるグリコール成分で、
全芳香族ジカルボン酸成分のモル数を基準として、2〜20モル%の範囲で、下記式(I)
Figure 0005346881
(上記式(I)、(II)、(III)中の、Rは炭素数2〜8のアルキレン基であり、Rはフェニレン基またはナフタレンジイル基であり、Rは炭素数2〜8の(シクロ)アルキレン基を示す。)で表される酸成分が共重合されている共重合芳香族ポリエステルが提供される。
また、本発明によれば、本発明の好ましい態様として、前記式(I)で示される酸成分が、4’,4’’-(エチレンジオキシ)ジ−ビフェニル−4−カルボン酸成分であること、前記式(II)で示される芳香族ジカルボン酸成分が、2,6−ナフタレンジカルボン酸成分またはテレフタル酸成分であること、前記式(III)で示されるグリコール成分がエチレングリコール成分であることの少なくともいずれか一つを具備する共重合芳香族ポリエステルも提供される。
さらにまた、本発明によれば、上述の本発明の共重合芳香族ポリエステルから製膜された層を少なくとも1層有する二軸配向ポリエステルフィルムも提供される。
本発明の共重合芳香族ポリエステルは、従来のポリエステル対比、同じヤング率ならより低い湿度膨張係数を発現できることから、環境変化に対する優れた寸法安定性を得られるフィルムなどの成形品に具備させることができる。
したがって、本発明によれば、湿度による影響も加味した高度の寸法安定性が求められる用途、特に高密度磁気記録媒体のベースフィルムに適したフィルムが提供され、そして、本発明のフィルムを用いれば、優れた寸法安定性を有する高密度磁気記録媒体なども提供できる。
<芳香族ポリエステル>
本発明の共重合芳香族ポリエステルは、芳香族ジカルボン酸成分とグリコール成分とからなる。
まず、具体的な前述の構造式(I)で示される4’,4’’-(アルキレンジオキシ)ジ−ビフェニル−4−カルボン酸成分としては、Rの部分が炭素数2〜8のアルキレン基であるものであり、好ましくは4’,4’’-(エチレンジオキシ)ジ−ビフェニル−4−カルボン酸成分、4’,4’’-(トリメチレンジオキシ)ジ−ビフェニル−4−カルボン酸成分、4’,4’’-(ブチレンジオキシ)ジ−ビフェニル−4−カルボン酸成分などが挙げられ、これらの中でも本発明の効果の点からは、上記一般式(I)におけるRの炭素数が偶数のものが好ましく、特に4’,4’’-(エチレンジオキシ)ジ−ビフェニル−4−カルボン酸成分が好ましい。
つぎに、具体的な前述の式(II)で示される芳香族ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸成分、イソフタル酸成分、2,6−ナフタレンジカルボン酸成分、2,7−ナフタレンジカルボン酸成分などが挙げられる。これらの中でも、本発明の効果の点からは、比較的機械強度などの物性を向上させやすいテレフタル酸成分および2,6−ナフタレンジカルボン酸成分が好ましく、特に2,6−ナフタレンジカルボン酸成分が好ましい。
最後に、前述の式(III)で示されるグリコール成分としては、エチレングリコール成分、トリメチレングリコール成分、テトラメチレングリコール成分、シクロヘキサンジメタノール成分などが挙げられる。これらの中でも、本発明の効果の点からは、比較的機械強度などの物性を向上させやすいエチレングリコール成分が好ましい。
なお、本発明の共重合芳香族ポリエステルは、本発明の効果を損なわない範囲で、それ自体公知の共重合成分、例えば脂肪族ジカルボン酸成分、脂環族ジカルボン酸成分、前述の式(III)に該当しないアルキレングリコール成分、ヒドロキシカルボン酸成分、トリメリット酸などの3官能以上の官能基を有する酸成分やアルコール成分などを共重合してもよい。好ましくは、共重合芳香族ポリエステルを構成する芳香族ジカルボン酸成分のモル数を基準として、前述の式(I)および(II)で示される芳香族ジカルボン酸成分の合計モル数および前述の式(III)で示されるグリコール成分のモル数が、90モル%以上、さらに95モル%以上を占めることが好ましい。
ところで、本発明の特徴は、全芳香族ジカルボン酸成分のモル数を基準としたとき、2モル%以上20モル%以下の範囲で、上記式(I)で示される4’,4’’-(アルキレンジオキシ)ジ−ビフェニル−4−カルボン酸成分が共重合されていることである。4’,4’’-(アルキレンジオキシ)ジ−ビフェニル−4−カルボン酸成分の割合が下限未満では、湿度膨張係数の低減効果などが発現されがたい。他方、上限を超えると、製膜性が損なわれ、ヤング率などの機械的特性を延伸によって向上させにくく、温度膨張係数を下げにくくなることや、さらにひどい場合は延伸などの製膜工程で破断してしまう。また、驚くべきことに、4’,4’’-(アルキレンジオキシ)ジ−ビフェニル−4−カルボン酸成分による湿度膨張係数の低減効果は、比較的少ない量でも効率的に発現される。そのような観点から、好ましい4’,4’’-(アルキレンジオキシ)ジ−ビフェニル−4−カルボン酸成分の含有割合の下限は3モル%以上、さらに5モル%以上であることが好ましい。他方上限は、この共重合芳香族ポリマーは結晶性が高く、共重合量が多くなると延伸などが難しくなることから、15モル%以下が好ましい。
このような特定量の4’,4’’-(アルキレンジオキシ)ジ−ビフェニル−4−カルボン酸成分を共重合した共重合芳香族ポリエステルとすることで、温度膨張係数と湿度膨張係数の両方をともに低い成形品、例えばフィルムなどを製造することができる。
なお、上記4’,4’’-(アルキレンジオキシ)ジ−ビフェニル−4−カルボン酸成分の共重合量は、重合段階で所望の共重合量となるように原料の組成を調整するか、酸成分として上記4’,4’’-(アルキレンジオキシ)ジ−ビフェニル−4−カルボン酸成分の共重合量が多いポリマーと、共重合していないポリマーまたは共重合量の少ないポリマーとを用意し、所望の共重合量となるようにこれらを溶融混練によってエステル交換させることで調整できる。
また、本発明の共重合芳香族ポリエステルは、本発明の効果を阻害しない範囲で、それ自体公知の添加剤や他の樹脂をブレンドして組成物としてもよい。添加剤としては、紫外線吸収剤等の安定剤、酸化防止剤、可塑剤、滑剤、難燃剤、離型剤、顔料、核剤、充填剤あるいはガラス繊維、炭素繊維、層状ケイ酸塩などが挙げられ、用いられる用途の要求に応じて適宜選択すればよい。また、他の樹脂としては、脂肪族ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート、ABS樹脂、液晶性樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリアミド系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリエーテルイミド、ポリイミドなどが挙げられる。
<フィルム>
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、前述の共重合芳香族ポリエステルを溶融製膜して、シート状に押出し、製膜方向(以下、縦方向、長手方向またはMD方向と称することがある。)およびそれに直交する方向(以下、幅方向、横方向またはTD方向と称することがある)に延伸することにより作製できる。なお、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、少なくとも一つの層が、上述の本発明の共重合芳香族ポリエステルからなる層であれば良く、同種のポリマーからなるフィルム層と積層したものでも、他のフィルム層と積層したものであっても良い。なお、積層構成は、それ自体公知のものを目的に応じて適宜採用することができる。
ところで、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、優れた寸法安定性を発現する点から、フィルムのその面方向における少なくとも1方向の温度膨張係数(αt)が、14×10−6/℃以下であることが好ましい。なお、好ましくはフィルムの幅方向の温度膨張係数(αt)がフィルムの少なくとも一方向における温度膨張係数が上限以下であることで、例えば最も寸法安定性が求められるフィルムの方向と合わせることで、環境変化に対する優れた寸法安定性を得られるフィルムに発現することが出来る。好ましい温度膨張係数(αt)の下限は、−10×10−6/℃以上、特に−7×10−6/℃以上であり、また上限は10×10−6/℃以下、特に7×10−6℃以下である。また、例えば磁気記録テープとしたとき、雰囲気の温湿度変化による寸法変化に対して優れた寸法安定性を発現できることから、上記温度膨張係数を満足する方向は、二軸配向ポリステルフィルムの幅方向であることが好ましい。
また、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、フィルム面方向の少なくとも一方向、好ましくは上記温度膨張係数が14×10−6/%RH以下である方向のフィルムのヤング率が少なくとも4.5GPa以上あることが好ましく、上限は特に制限されないが通常12GPa程度が好ましい。特に好ましいヤング率の範囲は5〜11GPa、特に6〜10GPaの範囲にあることが好ましい。この範囲から外れると、前述のαtやαhを達成することが困難になったり、機械的特性が不十分になることがある。このようなヤング率は、前述のブレンドまたは共重合の組成および後述の延伸によって調整できる。また、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、磁気テープのベースフィルムに用いる場合など、フィルム面方向の少なくとも一方向、好ましくは上記温度膨張係数が14×10−6/%RH以下である方向の湿度膨張係数が0(×10−6/%RH)以下であることが好ましく、下限は特に制限されないが通常1(×10−6/%RH)程度が好ましい。この範囲から外れると、湿度変化に対する寸法変化が大きくなる。このような湿度膨張係数は、前述のブレンドまたは共重合の組成および後述の延伸によって調整できる。
なお、上記温度膨張係数が14×10−6以下の方向については、少なくとも一方向、好ましくは前述のとおり、幅方向が満足していれば良い。もちろん、幅方向に直交する方向も寸法安定性の点からは、同様な温度膨張係数や湿度膨張係数、さらにヤング率などを満足することが好ましい。
<芳香族ポリエステル樹脂の製造方法>
本発明の共重合芳香族ポリエステルの製造方法について、詳述する。
前述の構造式(I)で示される4’,4’’-(アルキレンジオキシ)ジ−ビフェニル−4−カルボン酸成分としては、アルキルエステル体を使用することが好ましく、取扱い性の面から特に4’,4’’-(エチレンジオキシ)ジ−ビフェニル−4−カルボン酸エチルエステルを使用することが好ましい。4’,4’’-(エチレンジオキシ)ジ−ビフェニル−4−カルボン酸エチルエステルは、4‘−ヒドロキシビフェニル−4−カルボン酸エチルエステルを炭酸カリウムの存在下無水極性溶媒中でジハロエタンと反応させることによって得ることができる。
また、本発明の共重合芳香族ポリエステルは、4’,4’’-(エチレンジオキシ)ジ−ビフェニル−4−カルボン酸及びそのアルキルエステル誘導体と例えばエチレングリコールとを反応させ、ポリエステル前駆体を製造する。その際、他の芳香族ジカルボン酸成分、例えば2,6−ナフタレンジカルボン酸やテレフタル酸もしくはそのエステル形成性誘導体と一緒に反応させることもできる。そして、このようにして得られたポリエステル前駆体を重合触媒の存在下で重合することで製造でき、必要に応じて固相重合などを施しても良い。このようにして得られる芳香族ポリエステルのP−クロロフェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン(重量比40/60)の混合溶媒を用いて35℃で測定した固有粘度は、0.4〜1.5dl/g、さらに0.5〜1.2dl/gの範囲にあることが本発明の効果の点から好ましい。
また、ポリエステルの前駆体を製造する際の反応温度としては、190℃〜250℃の範囲で行なうことが好ましく、常圧下または加圧下で行う。190℃よりも低いと反応が十分に進行しにくく、250℃よりも高いと副反応物である。ジエチレングリコールが生成しやすい。
なお、ポリエステルの前駆体を製造する反応工程では、公知のエステル化もしくはエステル交換反応触媒を用いてもよい。例えば酢酸マンガン、酢酸亜鉛、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、チタン化合物などが上げられる。フィルムにしたときの表面高突起を抑えることができるチタン化合物が好ましい。
つぎに、重縮合反応について説明する。まず、重縮合温度は得られるポリマーの融点以上でかつ230〜300℃以下、より好ましくは融点より5℃以上高い温度から融点より30℃高い温度の範囲である。重縮合反応では通常100Pa以下の減圧下で行うのが好ましい。
重縮合触媒としては、少なくとも一種の金属元素を含む金属化合物が挙げられる。なお、重縮合触媒はエステル化反応またはエステル交換反応においても使用することができる。金属元素としては、チタン、ゲルマニウム、アンチモン、アルミニウム、ニッケル、亜鉛、スズ、コバルト、ロジウム、イリジウム、ジルコニウム、ハフニウム、リチウム、カルシウム、マグネシウムなどが挙げられる。より好ましい金属としては、チタン、ゲルマニウム、アンチモン、アルミニウム、スズなどであり、前述したように、特にチタン化合物を使用するとフィルムとしたときに触媒で使用した残存金属の影響による表面の高突起物を抑えられるため、これを使用することが好ましい。
これらの触媒は単独でも、あるいは併用してもよい。かかる触媒量は、芳香族ポリエステルの繰り返し単位のモル数に対して、0.001〜0.1モル%、さらには0.005〜0.05モル%が好ましい。
具体的なエステル化触媒、エステル交換触媒および重縮合触媒としてのチタン化合物としては、例えば、テトラ−n−プロピルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート、テトライソブチルチタネート、テトラ−tert−ブチルチタネート、テトラシクロヘキシルチタネート、テトラフェニルチタネート、テトラベンジルチタネート、蓚酸チタン酸リチウム、蓚酸チタン酸カリウム、蓚酸チタン酸アンモニウム、酸化チタン、チタンのオルトエステル又は縮合オルトエステル、チタンのオルトエステル又は縮合オルトエステルとヒドロキシカルボン酸からなる反応生成物、チタンのオルトエステル又は縮合オルトエステルとヒドロキシカルボン酸とリン化合物からなる反応生成物、チタンのオルトエステル又は縮合オルトエステルと少なくとも2個のヒドロキシル基を有する多価アルコール、2−ヒドロキシカルボン酸、又は塩基からなる反応生成物などが挙げられる。
そして、本発明の共重合芳香族ポリエステルは、前述の通り、所望の共重合量の共重合芳香族ポリエステルとなるように重合してもよいし、溶融混練時にエステル交換反応が進むので、2種以上の共重合量の異なる芳香族ポリエステルを作成し、それらを溶融混練して所望の共重合量となるようにブレンドして作成してもよい。
<二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法>
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、製膜方向と幅方向に延伸してそれぞれの方向の分子配向を高めたものであり、例えば以下のような方法で製造することが製膜性を維持しつつ、ヤング率を高め、温度膨張係数や湿度膨張係数を低減しやすいことから好ましい。
まず、上述の本発明の共重合芳香族ポリエステルを原料とし、これを乾燥後、該芳香族ポリエステルの融点(Tm:℃)ないし(Tm+50)℃の温度に加熱された押出機に供給して、例えばTダイなどのダイよりシート状に押出す。この押出されたシート状物を回転している冷却ドラムなどで急冷固化して未延伸フィルムとし、さらに該未延伸フィルムを二軸延伸する。
なお、本発明で規定するαt、αh、さらにヤング率などを達成するためには、その後の延伸を進行させやすくすることが必要であり、本発明のポリエステルポリマーは結晶化速度が速い傾向にあり、そのような観点から冷却ドラムによる冷却は非常に速やかに行なうことが好ましい。そのような観点から、20〜60℃という低温で行なうことが好ましい。このような低温で行うことで、未延伸フィルムの状態での結晶化が抑制され、その後の延伸をよりスムーズに行うことが可能となる。
二軸延伸としては、それ自体公知のものを採用でき、逐次二軸延伸でも同時二軸延伸でもよい。
ここでは、縦延伸、横延伸および熱処理をこの順で行う逐次二軸延伸の製造方法を一例として挙げて説明する。まず、最初の縦延伸は共重合芳香族ポリエステルのガラス転移温度(Tg:℃)ないし(Tg+40)℃の温度で、3〜8倍に延伸し、次いで横方向に先の縦延伸よりも高温で(Tg+10)〜(Tg+50)℃の温度で3〜8倍に延伸し、さらに熱処理として共重合芳香族ポリエステルの融点以下の温度でかつ(Tg+50)〜(Tg+150)℃の温度で1〜20秒、さらに1〜15秒熱固定処理するのが好ましい。
なお、ポリアルキレン−1,2−ジフェノキシエタン−4,4´−ジカルボキシレートでは、結晶化が始まる温度が低すぎて上記の温度でも十分な延伸を行うことは困難であったが、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、4、4´−(アルキレンジオキシ)ビス安息香酸成分だけでなく、前記式(II)で示される芳香族ジカルボン酸が共重合されていることにより延伸が可能となる。
前述の説明は逐次二軸延伸について説明したが、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは縦延伸と横延伸とを同時に行う同時二軸延伸でも製造でき、例えば先で説明した延伸倍率や延伸温度などを参考にすればよい。
また、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムが積層フィルムの場合、2種以上の溶融ポリエステルをダイ内で積層してからフィルム状に押出し、好ましくはそれぞれのポリエステルの融点(Tm:℃)ないし(Tm+70)℃の温度で押出すか、2種以上の溶融ポリエステルをダイから押出した後に積層し、急冷固化して積層未延伸フィルムとし、ついで前述の単層フィルムの場合と同様な方法で二軸延伸および熱処理を行うとよい。また、前述の塗布層を設ける場合、前記した未延伸フィルムまたは一軸延伸フィルムの片面または両面に所望の塗布液を塗布し、後は前述の単層フィルムの場合と同様な方法で二軸延伸および熱処理を行うことが好ましい。
本発明によれば、本発明の上記二軸配向ポリエステルフィルムをベースフィルムとし、その一方の面に非磁性層および磁性層をこの順で形成し、他方の面にバックコート層を形成することなどでデータストレージなどの磁気記録テープとすることができる。
以下に実施例及び比較例を挙げ、本発明をより具体的に説明する。なお、本発明では、以下の方法により、その特性を測定および評価した。
(1)4’,4’’-(エチレンジオキシ)ジ−ビフェニル−4−カルボン酸ジエチルの純度
4’,4’’-(エチレンジオキシ)ジ−ビフェニル−4−カルボン酸ジエチルをN−メチル−2−ピロリドンに溶解後、高速液体クロマトグラフ(島津製作所製 LC6A型)で溶媒(ジメチルホルムアミド/HO)を使用して測定した。
メインピーク面積を溶媒由来ピークを除いた全てのピーク面積の合計で除算して求めた。
(2)固有粘度
得られた共重合芳香族ポリエステルおよびフィルムの固有粘度は、P−クロロフェノール/テトラクロロエタン(40/60重量比)の混合溶媒を用いてポリマーを溶解して35℃で測定して求めた。
(3)ガラス転移点および融点
ガラス転移点、融点はDSC(TAインスツルメンツ株式会社製、商品名:Thermal Analyst2100)により昇温速度20℃/minで測定した。
(4)共重合量
酸成分については、試料50mgをp−クロロフェノール:重テトラクロロエタン=3:1(容積比)混合溶液0.5mlに140℃で溶解し、400MHz 13C−NMR(日立電子製、JEOL A600)にて140℃で測定し、それぞれの酸成分量を測定した。
(5)ヤング率
得られたフィルムを試料巾10mm、長さ15cmで切り取り、チャック間100mm、引張速度10mm/分、チャート速度500mm/分の条件で万能引張試験装置(東洋ボールドウィン製、商品名:テンシロン)にて引っ張る。得られた荷重―伸び曲線の立ち上がり部の接線よりヤング率を計算する。
(6)温度膨張係数(αt)
得られたフィルムを、フィルムの製膜方向および幅方向がぞれぞれ測定方向となるように長さ15mm、幅5mmに切り出し、真空理工製TMA3000にセットし、窒素雰囲気下(0%RH)、60℃で30分前処理し、その後室温まで降温させる。その後25℃から70℃まで2℃/minで昇温して、各温度でのサンプル長を測定し、次式より温度膨張係数(αt)を算出する。なお、測定方向が切り出した試料の長手方向であり、5回測定し、その平均値を用いた。
αt={(L60−L40)}/(L40×△T)}+0.5
ここで、上記式中のL40は40℃のときのサンプル長(mm)、L60は60℃のときのサンプル長(mm)、△Tは20(=60−40)℃、0.5は石英ガラスの温度膨張係数(×10−6/℃)である。
(7)湿度膨張係数(αh)
得られたフィルムを、フィルムの製膜方向および幅方向がそれぞれ測定方向となるように長さ15mm、幅5mmに切り出し、真空理工製TMA3000にセットし、30℃の窒素雰囲気下で、湿度30%RHと湿度70%RHにおけるそれぞれのサンプルの長さを測定し、次式にて湿度膨張係数を算出する。なお、測定方向が切り出した試料の長手方向であり、5回測定し、その平均値をαhとした。
αh=(L70−L30)/(L30×△H)
ここで、上記式中のL30は30%RHのときのサンプル長(mm)、L70は70%RHのときのサンプル長(mm)、△H:40(=70−30)%RHである。
[参考例]
4’−ヒドロキシビフェニル−4−カルボン酸100重量部、エタノール250重量部、濃硫酸30重量部を撹拌機及び還流冷却器を備えた反応器に仕込み、75℃にて、12時間反応させた。反応物を冷却後、ろ過を行いイオン交換水にて充分にリンス洗浄を行った。その後、再度エタノール300重量部に反応物を加え、昇温後、再結晶させ、減圧乾燥を行った。
上記で得た4’−ヒドロキシビフェニル−4−カルボン酸エチル80重量部、炭酸カリウム70重量部、ジブロモエタン95重量部およびエタノール400重量部を撹拌機及び還流冷却器を備えた反応器に仕込み、75℃にて24時間反応させた。反応物を冷却後、ろ過を行いイオン交換水にて3回リンス洗浄を行い、最後にエタノールで洗浄を行った。減圧乾燥後、上述の反応器にこの反応物50重量部に対して、N−メチル−2−ピロリドン450重量部を加え、125℃で溶解させた。冷却、再結晶化後、ろ過を行い、イオン交換水にて繰り返し洗浄を行い、最後にメタノールで洗浄を行い、減圧乾燥後、4’,4’’-(エチレンジオキシ)ジ−ビフェニル−4−カルボン酸ジエチルの白色結晶を得た。4’,4’’-(エチレンジオキシ)ジ−ビフェニル−4−カルボン酸ジエチルの純度は98.9%であった。
[実施例1]
参考例で得られた4’,4’’-(エチレンジオキシ)ジ−ビフェニル−4−カルボン酸ジエチル5Kg(9.8モル)、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステル27.5Kg(112.7モル)、エチレングリコール16.5kgを攪拌機、精留塔、冷却器を供えた反応槽に仕込み、150℃まで昇温した。その後、チタンテトラブトキシドとトリメリット酸無水物とをモル比1:2で175℃、4時間反応させた反応物(トリメリット酸チタン)を7.5g(10ミリモル%)添加し、反応槽全体を窒素により0.20MPaの圧力下で加熱して、反応の進行に従い、圧力一定のまま内温を250℃まで上げた。その後、反応槽内の圧力を常圧にゆっくりと戻し、トリエチルホスホノアセテート4.6g(17ミリモル%)を添加し、更に平均粒径0.5μmのシリカ粒子0.05Kgをエチレングリコールスラリーで添加した。そして、余剰のエチレングリコールを追い出した。
得られた反応生成物を重合反応槽へと移送し、重合反応槽では250℃からゆっくりと昇温しながら、また減圧させながら重縮合反応を行い、最終的に290℃、50Paで所定の重合度になるまで重縮合を行い、共重合芳香族ポリエステル1を製造した。
得られた共重合ポリエステル1の特性を表1に示す。
このようにして得られた芳香族ポリエステル1を、押し出し機に供給して295℃でダイから溶融状態で回転中の温度40℃の冷却ドラム上にシート状に押し出し未延伸フィルムとした。そして、製膜方向に沿って回転速度の異なる二組のローラー間で、上方よりIRヒーターにてフィルム表面温度が140℃になるように加熱して縦方向(製膜方向)の延伸を、延伸倍率4.0倍で行い、一軸延伸フィルムを得た。そして、この一軸延伸フィルムをステンターに導き、140℃で横方向(幅方向)に延伸倍率4.5倍で延伸し、その後200℃で5秒間熱固定処理を行い、厚さ10μmの二軸延伸フィルムを得た。
得られた二軸配向ポリエステルフィルムの特性を表1に示す。
[実施例2]
実施例1と同様にして得られた芳香族ポリエステル1を、押し出し機に供給して295℃でダイから溶融状態で回転中の温度30℃の冷却ドラム上にシート状に押し出し未延伸フィルムとした。そして、製膜方向に沿って回転速度の異なる二組のローラー間で、上方よりIRヒーターにてフィルム表面温度が140℃になるように加熱して縦方向(製膜方向)の延伸を、延伸倍率4.0倍で行い、一軸延伸フィルムを得た。そして、この一軸延伸フィルムをステンターに導き、140℃で横方向(幅方向)に延伸倍率5.0倍で延伸し、その後200℃で3秒間熱固定処理を行い、厚さ10μmの二軸延伸フィルムを得た。
得られた二軸配向ポリエステルフィルムの特性を表1に示す。
[実施例3]
参考例で得られた4’,4’’-(エチレンジオキシ)ジ−ビフェニル−4−カルボン酸ジエチル3Kg(5.9モル)、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステル27.4Kg(112.3モル)、エチレングリコール15.4kgを攪拌機、精留塔、冷却器を供えた反応槽に仕込み、150℃まで昇温した。その後、チタンテトラブトキシドとトリメリット酸無水物をモル比1:2で175℃、4時間反応させた反応物(トリメリット酸チタン)を7.2g(10ミリモル%)添加し、反応槽全体を窒素により0.20MPaの圧力下で加熱して、反応の進行に従い、圧力一定のまま内温を250℃まで上げた。その後、反応槽内の圧力を常圧にゆっくりと戻し、トリエチルホスホノアセテート4.5g(17ミリモル%)を添加し、更に平均粒径0.5μmのシリカ粒子0.05Kgをエチレングリコールスラリーで添加した。そして、余剰のエチレングリコールを追い出した。その後は実施例1と同様に共重合芳香族ポリエステル3を製造した。
押し出し機に供給して295℃でダイから溶融状態で回転中の温度30℃の冷却ドラム上にシート状に押し出し未延伸フィルムとした。そして、製膜方向に沿って回転速度の異なる二組のローラー間で、上方よりIRヒーターにてフィルム表面温度が140℃になるように加熱して縦方向(製膜方向)の延伸を、延伸倍率4.0で行い、一軸延伸フィルムを得た。そして、この一軸延伸フィルムをステンターに導き、140℃で横方向(幅方向)に延伸倍率4.5倍で延伸し、その後200℃で5秒間熱固定処理を行い、厚さ10μmの二軸延伸フィルムを得た。
得られた二軸配向ポリエステルフィルムの特性を表1に示す。
[実施例4]
参考例で得られた4’,4’’-(エチレンジオキシ)ジ−ビフェニル−4−カルボン酸ジエチル9Kg(17.6モル)、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステル24.3Kg(99.6モル)、エチレングリコール16.7kgを攪拌機、精留塔、冷却器を供えた反応槽に仕込み、150℃まで昇温した。その後、チタンテトラブトキシドとトリメリット酸無水物をモル比1:2で175℃、4時間反応させた反応物(トリメリット酸チタン)を7.2g(10ミリモル%)添加し、反応槽全体を窒素により0.20MPaの圧力下で加熱して、反応の進行に従い、圧力一定のまま内温を250℃まで上げた。その後、反応槽内の圧力を常圧にゆっくりと戻し、トリエチルホスホノアセテート4.5g(17ミリモル%)を添加し、更に平均粒径0.5μmのシリカ粒子0.05Kgをエチレングリコールスラリーで添加した。そして、余剰のエチレングリコールを追い出した。その後は実施例1と同様に共重合芳香族ポリエステル4を製造した。
押し出し機に供給して295℃でダイから溶融状態で回転中の温度30℃の冷却ドラム上にシート状に押し出し未延伸フィルムとした。そして、製膜方向に沿って回転速度の異なる二組のローラー間で、上方よりIRヒーターにてフィルム表面温度が140℃になるように加熱して縦方向(製膜方向)の延伸を、延伸倍率4.0で行い、一軸延伸フィルムを得た。そして、この一軸延伸フィルムをステンターに導き、140℃で横方向(幅方向)に延伸倍率4.5倍で延伸し、その後200℃で3秒間熱固定処理を行い、厚さ10μmの二軸延伸フィルムを得た。
得られた二軸配向ポリエステルフィルムの特性を表1に示す。
[比較例1]
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルとエチレングリコールとを、チタンテトラブトキシドの存在下でエステル化反応およびエステル交換反応を行い、さらに引き続いて重縮合反応を行って、固有粘度0.62dl/gであるポリエチレン−2,6−ナフタレートを得た。なお、該ポリエチレン−2,6−ナフタレートには、重縮合反応の前に平均粒径0.5μmのシリカ粒子を、得られる樹脂組成物の重量を基準として、0.2重量%となるように含有させた。このポリエチレン−2,6−ナフタレートの融点は265℃、ガラス転移温度は120℃であった。
このようにして得られたポリエチレン−2,6−ナフタレートを、押し出し機に供給して300℃でダイから溶融状態で回転中の温度60℃の冷却ドラム上にシート状に押し出し未延伸フィルムとした。そして、製膜方向に沿って回転速度の異なる二組のローラー間で、上方よりIRヒーターにてフィルム表面温度が140℃になるように加熱して縦方向(製膜方向)の延伸を、延伸倍率3.0倍で行い、一軸延伸フィルムを得た。そして、この一軸延伸フィルムをステンターに導き、140℃で横方向(幅方向)に延伸倍率4.3倍で延伸し、その後200℃で10秒間熱固定処理を行い、厚さ10μmの二軸延伸フィルムを得た。
得られた二軸配向ポリエステルフィルムの特性を表1に示す。
[比較例2]
比較例1において、製膜方向の延伸温度を140℃に、製膜方向の延伸倍率を4.0倍に、幅方向の延伸温度を140℃に、幅方向の延伸倍率を4.0倍に、熱固定処理温度を200℃に変更するほかは同様な操作を繰り返して、厚さ10μm二軸延伸フィルムを得た。
得られた二軸配向ポリエステルフィルムの特性を表1に示す。
[比較例3]
参考例で得られた4’,4’’-(エチレンジオキシ)ジ−ビフェニル−4−カルボン酸ジエチル14Kg(27.5モル)、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステル15.7Kg(64.3モル)、エチレングリコール14.8kgを攪拌機、精留塔、冷却器を供えた反応槽に仕込み、150℃まで昇温した。その後、チタンテトラブトキシドとトリメリット酸無水物をモル比1:2で175℃、4時間反応させた反応物(トリメリット酸チタン)を6.7g(12ミリモル%)添加し、反応槽全体を窒素により0.20MPaの圧力下で加熱して、反応の進行に従い、圧力一定のまま内温を250℃まで上げた。その後、反応槽内の圧力を常圧にゆっくりと戻し、トリエチルホスホノアセテート4.1g(20ミリモル%)を添加し、更に平均粒径0.5μmのシリカ粒子0.05Kgをエチレングリコールスラリーで添加した。そして、余剰のエチレングリコールを追い出した。その後は重縮合温度を300℃にしたこと以外は実施例1と同様に実施し、共重合芳香族ポリエステル5を得た。この共重合芳香族ポリエステル5の融点は271℃、ガラス転移温度は105℃であった。
このようにして得られた共重合芳香族ポリエステル5を、押し出し機に供給して300℃でダイから溶融状態で回転中の温度40℃の冷却ドラム上にシート状に押し出し未延伸フィルムとした。そして、製膜方向に沿って回転速度の異なる二組のローラー間で、上方よりIRヒーターにてフィルム表面温度が135℃になるように加熱して縦方向(製膜方向)の延伸を、延伸倍率3.0倍で行ったところ結晶化が進みすぎ、白色となり更なる横方向の延伸を行うことができなかった。
Figure 0005346881
表1中の、NAは2,6−ナフタレンジカルボン酸成分、EBPAは4、4´−(エチレンジオキシ)ジ−ビフェニル−4−カルボン酸成分、固有粘度、融点およびガラス転移温度はフィルムの状態での共重合芳香族ポリエステルの値、MDはフィルムの製膜方向、TDはフィルムの幅方向を示す。
本発明の共重合芳香族ポリエステルおよびそれから得られる二軸配向ポリエステルフィルムは、従来のポリエチレンテレフタレートやポリエチレン−2,6−ナフタレートに比べ、同じヤング率ならより低い湿度膨張係数を示し、特に湿度変化に対する優れた寸法安定性が求められる用途、たとえば高密度磁気記録媒体のベースフィルムとして、好適に使用することができる。

Claims (5)

  1. 主たる芳香族ジカルボン酸成分が、下記式(I)および(II)で示される芳香族ジカルボン酸成分で、主たるグリコール成分が下記式(III)で示されるグリコール成分で、
    全芳香族ジカルボン酸成分のモル数を基準として、2〜20モル%の範囲で、下記式(I)で表される酸成分が共重合されていることを特徴とする共重合芳香族ポリエステル。
    Figure 0005346881
    (上記式(I)、(II)、(III)中の、Rは炭素数2〜8のアルキレン基であり、Rはフェニレン基またはナフタレンジイル基であり、Rは炭素数2〜8の(シクロ)アルキレン基を示す。)
  2. 前記式(I)で示される酸成分が、4’,4’’-(エチレンジオキシ)ジ−ビフェニル−4−カルボン酸成分である請求項1記載の共重合芳香族ポリエステル。
  3. 前記式(II)で示される芳香族ジカルボン酸成分が、2,6−ナフタレンジカルボン酸成分またはテレフタル酸成分である請求項1記載の共重合芳香族ポリエステル。
  4. 前記式(III)で示されるグリコール成分がエチレングリコール成分である請求項1記載の共重合芳香族ポリエステル。
  5. 請求項1記載の共重合芳香族ポリエステルから製膜された層を少なくとも1層有する二軸配向ポリエステルフィルム。
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