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JP5342881B2 - 6−修飾された二環式核酸類似体 - Google Patents

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JP5342881B2
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Description

(関連出願の相互参照)
本出願は、2006年1月27日に出願され、かつ「置換された二環式核酸類似体」の表題の米国仮出願第60/762,722号、並びに2006年6月23日に出願され、かつ「6-置換された二環式核酸類似体」の表題の米国仮出願第60/805,660号の優先権の利益を主張する。これらの開示のそれぞれの全体が、引用として本明細書に組み込まれる。
(技術分野)
本発明は、6-修飾された二環式ヌクレオシド及びオリゴマー化合物並びにこれから製造される組成物を提供する。より詳細には、本発明は、2'-O-C(H)(R)-4'ブリッジを有するヌクレオシド、並びにこれから調製されるオリゴマー及び組成物を提供する。好ましい実施態様において、Rは、(R)又は(S)のいずれかの異性体を提供する特定の配置である。一部の実施態様において、本発明のオリゴマー化合物及び組成物は、一部の標的RNAにハイブリダイズして、標的RNAの正常な機能の喪失を生じさせる。
(発明の背景)
アンチセンス技術は、1つ又は複数の特異的な遺伝子産物の発現を減少させるための有効な手段であり、従って、多くの治療、診断及び研究適用においてすばらしく有用であることを実証することができる。化学修飾されたヌクレオシドは、例えばヌクレアーゼ耐性などの1つ又は複数の特性を増強するために、アンチセンス配列に組み込むために日常的に使用されている。化学修飾のこのようなグループの一つには、ヌクレオシドのフラノース部分がフラノース環上の2つの原子に結合するブリッジを含み、これにより二環式環系を形成する二環式ヌクレオシドを含む。このような二環式ヌクレオシドは、それぞれ二環式核酸のためのBNA及びロック核酸のためのLNAを含む、種々の名称を有する。
種々のBNAが、特許文献において、並びに科学文献において製造され、及び報告されており、例えば以下を参照されたい:Singhらの論文、Chem. Commun., 1998, 4, 455-456;Koshkinらの論文、Tetrahedron, 1998, 54, 3607-3630;Wahlestedtらの論文、Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 2000, 97, 5633-5638;Kumarらの論文、Bioorg. Med. Chem. Lett., 1998, 8, 2219-2222;Wengelらの論文、PCT国際出願WO 98-DK393 19980914;Singhらの論文、J. Org. Chem., 1998, 63, 10035-10039。それぞれのテキストは、これらの全体が引用として本明細書に組み込まれる。発行された米国特許及び公開された出願のに例は、例えば以下を含む:米国特許第7,053,207号、第6,770,748号、第6,268,490号及び第6,794,499号、及び公開された米国出願第20040219565号、第20040014959号、第20030207841号、第20040192918号、第20030224377号、第20040143114号及び第20030082807号。それぞれのテキストは、これらの全体が引用として本明細書に組み込まれる。
多くのLNAは、有毒である。例えば以下を参照されたい。Swayze, E. E.;Siwkowski, A. M.;Wancewicz, E. V.;Migawa, M. T.;Wyrzykiewicz, T. K.;Hung, G.;Monia, B. P.;Bennett, C. F., ロック核酸を含むアンチセンスオリゴヌクレオチドは、動物において能力を改善するが、有意な肝毒性を生じさせる。Nucl. Acids Res., doi:10. 1093/nar/gkl 1071(2006年12月、繰り上げオンライン出版)。
結果的に、アンチセンスメカニズムを介して特異的に遺伝子発現を調節する薬剤に対する需要が依然として残っている。本明細書に開示したのは、RNaseH、RNAi及びdsRNA酵素などの作用メカニズムに依存するもの、並びに標的分解又は標的占有に基づいたその他のアンチセンスメカニズムを含む遺伝子発現経路を調整するために有用な、6-置換されたBNA及びこれから製造されるアンチセンス化合物である。当業者であれば、一旦本開示で武装すると、過度の実験なしで、これらの使用のためのアンチセンス化合物を同定し、製造し、開発することができるであろう。
(本発明の簡単な概要)
本発明は、式:
を有する二環式ヌクレオシドを提供する:
(式中:
Bxは、複素環塩基部分であり;
T1は、H又はヒドロキシル保護基であり;
T2は、H、ヒドロキシル保護基又は反応性リン基であり;
Zは、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、置換されたC1-C6アルキル、置換されたC2-C6アルケニル、置換されたC2-C6アルキニル、アシル、置換されたアシル、置換されたアミドである)。
一つの実施態様において、それぞれの置換された基は、独立して、ハロゲン、オキソ、ヒドロキシル、OJ1、NJ1J2、SJ1、N3、OC(=X)J1、OC(=X)NJ1J2、NJ3C(=X)NJ1J2及びCNから独立して選択される任意に保護された置換基で一置換又は多置換されており、式中それぞれのJ1、J2及びJ3は、独立してH又はC1-C6アルキルであり、かつXは、0、S又はNJ1である。
一つの実施態様において、それぞれの置換された基は、独立して、ハロゲン、オキソ、ヒドロキシル、OJ1、NJ1J2、SJ1、N3、OC(=X)J1及びNJ3C(=X)NJ1J2から選択される置換基で独立して一置換又は多置換されており、式中それぞれのJ1、J2及びJ3は、独立して時間、C1-C6アルキル又は置換されたC1-C6アルキルであり、かつXは、O又はNJ1である。
一つの実施態様において、Zは、C1-C6アルキル又は置換されたC1-C6アルキルである。別の実施態様において、Zは、C1-C6アルキルである。別の実施態様において、Zは、メチル(CH3-)である。別の実施態様において、Zは、エチル(CH3CH2-)である。別の実施態様において、Zは、置換されたC1-C6アルキルである。別の実施態様において、Zは、置換されたメチルである。別の実施態様において、Zは、置換されたエチルである。
一つの実施態様において、置換基は、C1-C6アルコキシである(例えば、Zは、1つ又は複数のC1-C6アルコキシで置換されたC1-C6アルキルである)。別の実施態様において、C1-C6アルコキシ置換基は、CH3O-である(例えば、Zは、CH3OCH2-である)。別の実施態様において、C1-C6アルコキシ置換基は、N(J1J2)CH2O-など、更に置換されていることができる(例えば、Zは、N(J1J2)CH2OCH2-である)。別の実施態様において、置換基は、ハロゲンである(例えば、Zは、1つ又は複数のハロゲンで置換されたC1-C6アルキルである)。別の実施態様において、ハロゲン置換基は、フルオロである(例えば、Zは、CH2FCH2-、CHF2CH2-又はCF3CH2-である)。別の実施態様において、置換基は、ヒドロキシルである(例えば、Zは、1つ又は複数のヒドロキシルで置換されたC1-C6アルキルである)。別の実施態様において、Zは、HOCH2-である。別の実施態様において、Zは、CH3-、CH3CH2-、-CH2OCH3、-CH2F又はHOCH2-である。
一つの実施態様において、Z基は、1つ又は複数のXXで置換されたC1-C6アルキルであり、式中それぞれのXXは、独立してOJ1、NJ1J2、SJ1、N3、OC(=X)J1、OC(=X)NJ1J2、NJ3C(=X)NJ1J2又はCNであり;式中、それぞれのJ1、J2及びJ3は、独立してH又はC1-C6アルキルであり、かつXは、0、S又はNJ1である。別の実施態様において、Z基は、1つ又は複数のXXで置換されたC1-C6アルキルであり、式中それぞれのXXは、独立してハロ(例えば、フルオロ)、ヒドロキシル、アルコキシ(例えば、CH3O-)、置換されたアルコキシ又はアジドである。
一つの実施態様において、Z基は、-CH2XXであり、式中XXは、OJ1、NJ1J2、SJ1、N3、OC(=X)J1、OC(=X)NJ1J2、NJ3C(=X)NJ1J2又はCNであり;式中、それぞれのJ1、J2及びJ3は、独立してH又はC1-C6アルキルであり、かつXは、0、S又はN J1である。別の実施態様において、Z基は、-CH2XXであり、式中XXは、ハロ(例えば、フルオロ)、ヒドロキシル、アルコキシ(例えば、CH3O-)又はアジドである。
一つの実施態様において、Z基は、(R)配置である:

別の実施態様において、Z基は、(S)配置である:
一つの実施態様において、それぞれのT1及びT2は、ヒドロキシル保護基である。ヒドロキシル保護基の好ましい一覧には、ベンジル、ベンゾイル、2,6-ジクロロベンジル、t-ブチルジメチルシリル、t-ブチルジフェニルシリル、メシラート、トシラート、ジメトキシトリチル(DMT)、9-フェニルキサンチン-9-イル(Pixyl)及び9-(p-メトキシフェニル)キサンチン-9-イル(MOX)を含む。一つの実施態様において、T1は、アセチル、ベンジル、t-ブチルジメチルシリル、t-ブチルジフェニルシリル及びジメトキシトリチルから選択されるヒドロキシル保護基であり、より好ましいヒドロキシル保護基は、T1が4,4'-ジメトキシトリチルである。
一つの実施態様において、T2は、反応性リン基であり、好ましい反応性リン基には、ジイソプロピルシアノエトキシホスホルアミダイト及びH-ホスホナートを含む。一つの好ましい実施態様において、T1は、4,4'-ジメトキシトリチルであり、かつT2は、ジイソプロピルシアノエトキシホスホルアミダイトである。
また、本発明は、式
の、又は式
の、又は式
の少なくとも1つの単量体を有するオリゴマー化合物を提供する:
(式中、
Bxは、複素環塩基部分であり;
T3は、H、ヒドロキシル保護基、連結された抱合体基又はヌクレオシド、ヌクレオチド、オリゴヌクレオシド、オリゴヌクレオチド、単量体サブユニット若しくはオリゴマー化合物に結合したヌクレオシド間連結基であり;
T4は、H、ヒドロキシル保護基、連結された抱合体基又はヌクレオシド、ヌクレオチド、オリゴヌクレオシド、オリゴヌクレオチド、単量体サブユニット若しくはオリゴマー化合物に結合したヌクレオシド間連結基であり;
式中、T3及びT4の少なくとも1つは、ヌクレオシド、ヌクレオチド、オリゴヌクレオシド、オリゴヌクレオチド、単量体サブユニット又はオリゴマー化合物に結合したヌクレオシド間連結基であり;かつ、
Zは、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、置換されたC1-C6アルキル、置換されたC2-C6アルケニル、置換されたC2-C6アルキニル、アシル、置換されたアシル又は置換されたアミドである)。
一つの実施態様において、それぞれの置換された基は、独立して、ハロゲン、オキソ、ヒドロキシル、OJ1、NJ1J2、SJ1、N3、OC(=X)J1、OC(=X)NJ1J2、NJ3C(=X)NJ1J2及びCNから独立して選択される任意に保護された置換基で一置換又は多置換されており、式中それぞれのJ1、J2及びJ3は、独立してH又はC1-C6アルキルであり、かつXは、O、S又はNJ1である。
一つの実施態様において、それぞれの置換された基は、独立して、ハロゲン、オキソ、ヒドロキシル、OJ1、NJ1J2、SJ1、N3、OC(=X)J1及びNJ3C(=X)NJ1J2から独立して選択される置換基で一置換又は多置換されており、式中それぞれのJ1、J2及びJ3は、独立してH又はC1-C6アルキルであり、かつXは、O又はNJ1である。
一つの実施態様において、少なくとも1つのZは、C1-C6アルキル又は置換されたC1-C6アルキルである。別の実施態様において、それぞれのZは、独立してC1-C6アルキル又は置換されたC1-C6アルキルである。別の実施態様において、少なくとも1つのZは、C1-C6アルキルである。別の実施態様において、それぞれのZは、独立して、C1-C6アルキルである。別の実施態様において、少なくとも1つのZは、メチルである。別の実施態様において、それぞれのZは、メチルである。別の実施態様において、少なくとも1つのZは、エチルである。別の実施態様において、それぞれのZは、エチルである。別の実施態様において、少なくとも1つのZは、置換されたC1-C6アルキルである。別の実施態様において、それぞれのZは、独立して、置換されたC1-C6アルキルである。別の実施態様において、少なくとも1つのZは、置換されたメチルである。別の実施態様において、それぞれのZは、置換されたメチルである。別の実施態様において、少なくとも1つのZは、置換されたエチルである。別の実施態様において、それぞれのZは、置換されたエチルである。
一つの実施態様において、少なくとも1つの置換基は、C1-C6アルコキシである(例えば、少なくとも1つのZは、1つ又は複数のC1-C6アルコキシで置換されたC1-C6アルキルである)。別の実施態様において、それぞれの置換基は、独立してC1-C6アルコキシである(例えば、それぞれのZは、独立して1つ又は複数のC1-C6アルコキシで置換されたC1-C6アルキルである)。
一つの実施態様において、少なくとも1つのC1-C6アルコキシ置換基は、CH3O-である(例えば、少なくとも1つのZは、CH3OCH2-である)。別の実施態様において、それぞれのC1-C6アルコキシ置換基は、CH3O-である(例えば、それぞれのZは、CH3OCH2-である)。
一つの実施態様において、少なくとも1つの置換基は、ハロゲンである(例えば、少なくとも1つのZは、1つ又は複数のハロゲンで置換されたC1-C6アルキルである)。別の実施態様において、それぞれの置換基は、独立してハロゲンである(例えば、それぞれのZは、独立して1つ又は複数のハロゲンで置換されたC1-C6アルキルである)。別の実施態様において、少なくとも1つのハロゲン置換基は、フルオロである(例えば、少なくとも1つのZは、CH2FCH2-、CHF2CH2-又はCF3CH2-である)。別の実施態様において、それぞれのハロ置換基は、フルオロである(例えば、それぞれのZは、独立してCH2FCH2-、CHF2CH2-又はCF3CH2-である)。
一つの実施態様において、少なくとも1つの置換基は、ヒドロキシルである(例えば、少なくとも1つのZは、1つ又は複数のヒドロキシルで置換されたC1-C6アルキルである)。もう一つの実施態様において、それぞれの置換基は、独立してヒドロキシルである(例えば、それぞれのZは、独立して1つ又は複数のヒドロキシルで置換されたC1-C6アルキルである)。別の実施態様において、少なくとも1つのZは、HOCH2-である。別の実施態様において、それぞれのZは、HOCH2-である。
一つの実施態様において、少なくとも1つのZは、CH3-、CH3CH2-、CH2OCH3-、CH2F-又はHOCH2-である。別の実施態様において、それぞれのZは、独立して、CH3-、CH3CH2-、CH2OCH3-、CH2F-又はHOCH2-である。
一つの実施態様において、少なくとも1つのZ基は、1つ又は複数のXXで置換されたC1-C6アルキルであり、式中それぞれのXXは、独立してOJ1、NJ1J2、SJ1、N3、OC(=X)J1、OC(=X)NJ1J2、NJ3C(=X)NJ1J2又はCNであり;式中、それぞれのJ1、J2及びJ3は、独立してH又はC1-C6アルキルであり、かつXは、O、S又はNJ1である。別の実施態様において、少なくとも1つのZ基は、1つ又は複数のXXで置換されたC1-C6アルキルであり、式中それぞれのXXは、独立して、ハロ(例えば、フルオロ)、ヒドロキシル及びアルコキシ(例えば、CH3O-)又はアジドである。
一つの実施態様において、それぞれのZ基は、独立して1つ又は複数のXXで置換されたC1-C6アルキルであり、式中それぞれのXXは、独立してOJ1、NJ1J2、SJ1、N3、OC(=X)J1、OC(=X)NJ1J2、NJ3C(=X)NJ1J2又はCNであり;式中、それぞれのJ1、J2及びJ3は、独立してH又はC1-C6アルキルであり、かつXは、O、S又はNJ1である。別の実施態様において、それぞれのZ基は、独立して1つ又は複数のXXで置換されたC1-C6アルキルであり、式中それぞれのXXは、独立してハロ(例えば、フルオロ)、ヒドロキシル、アルコキシ(例えば、CH3O-)又はアジドである。
一つの実施態様において、少なくとも1つのZ基は、-CH2XXであり、式中XXは、OJ1、NJ1J2、SJ1、N3、OC(=X)J1、OC(=X)NJ1J2、NJ3C(=X)NJ1J2又はCNであり;式中、それぞれのJ1、J2及びJ3は、独立してH又はC1-C6アルキルであり、かつXは、O、S又はNJ1である。別の実施態様において、少なくとも1つのZ基は、-CH2XXであり、式中XXは、ハロ(例えば、フルオロ)、ヒドロキシル、アルコキシ(例えば、CH3O-)又はアジドである。
一つの実施態様において、独立して、それぞれのZ基は、-CH2XXであり、式中それぞれのXXは、独立して、OJ1、NJ1J2、SJ1、N3、OC(=X)J1、OC(=X)NJ1J2、NJ3C(=X)NJ1J2又はCNであり;式中、それぞれのJ1、J2及びJ3は、独立してH又はC1-C6アルキルであり、かつXは、O、S又はNJ1である。別の実施態様において、それぞれのZ基は、独立して-CH2XXであり、式中それぞれのXXは、独立してハロ(例えば、フルオロ)、ヒドロキシル、アルコキシ(例えば、CH3O-)又はアジドである。
一つの実施態様において、少なくとも1つのZは、CH3-である。別の実施態様において、それぞれのZは、CH3-である。
一つの実施態様において、少なくとも1つの単量体のZ基は、式:
又は、
式:
又は、
式:
によって表される(R)配置である。
別の実施態様において、式のそれぞれの単量体のZ基は、(R)配置である。
一つの実施態様において、少なくとも1つの単量体Z基は、式:
又は、
式:
又は、
式:
によって表される(S)配置である。
別の実施態様、式のそれぞれの単量体Z基は、(S)配置である。
一つの実施態様において、T3は、H又はヒドロキシル保護基である。別の実施態様において、T4は、H又はヒドロキシル保護基である。さらなる実施態様において、T3は、ヌクレオシド、ヌクレオチド又は単量体サブユニットに結合したヌクレオシド間連結基である。別の実施態様において、T4は、ヌクレオシド、ヌクレオチド又は単量体サブユニットに結合したヌクレオシド間連結基である。別の実施態様において、T3は、オリゴヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドに結合したヌクレオシド間連結基である。さらなる実施態様において、T4は、オリゴヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドに結合したヌクレオシド間連結基である。一つの実施態様において、T3は、オリゴマー化合物に結合したヌクレオシド間連結基である。さらなる実施態様において、T4は、オリゴマー化合物に結合したヌクレオシド間連結基である。さらなる実施態様において、T3及びT4の少なくとも1つは、リン酸ジエステル又はホスホロチオアートから選択されるヌクレオシド間連結基を含む。
一つの実施態様において、オリゴマー化合物は、式:
の、又は、
式:
の、又は、
式:
の少なくとも2つの隣接する単量体の少なくとも1つの領域を有する。
別の実施態様において、オリゴマー化合物は、上記の式の少なくとも2つの隣接する単量体の少なくとも2つの領域を含む。更なる実施態様において、オリゴマー化合物は、ギャップがあるオリゴマー化合物を含む。別の実施態様において、オリゴマー化合物は、約8〜約14個の隣接するβ-D-2'-デオキシリボフラノシルヌクレオシドの少なくとも1つの領域を含む。さらなる実施態様において、オリゴマー化合物は、約9〜約12個の隣接するβ-D-2'-デオキシリボフラノシルヌクレオシドの少なくとも1つの領域を更に含む。
一つの実施態様において、オリゴマー化合物は、上記式の2〜3個の隣接する単量体の1つの領域、上記の式の1つ又は2つの隣接する単量体の任意の第2の領域及び8〜14個のβ-D-2'-デオキシリボフラノシルヌクレオシドの第3の領域を含み、第3の領域は、第1と第2の領域との間に位置する。別の実施態様において、オリゴマー化合物は、8〜10個のβ-D-2'-デオキシリボフラノシルヌクレオシドを含む。
本発明の別の実施態様において、オリゴマー化合物は、約8〜約40のヌクレオシド及び/又は長さが修飾されたヌクレオシド若しくは擬態を含む。さらなる実施態様において、オリゴマー化合物は、約8〜約20個のヌクレオシド及び/又は長さが修飾されたヌクレオシド若しくは擬態を含む。なおさらなる実施態様において、オリゴマー化合物は、約10〜約16個のヌクレオシド及び/又は長さが修飾されたヌクレオシド若しくは擬態を含む。別の実施態様において、オリゴマー化合物は、約10〜約14個のヌクレオシド及び/又は長さが修飾されたヌクレオシド若しくは擬態を含む。
また、1つ又は複数の細胞、組織又は動物を本発明のオリゴマー化合物と接触させることを含む、遺伝子発現を阻害する方法が提供される。
(発明の詳細な説明)
本発明は、6-修飾された二環式ヌクレオシド、これから製造されるオリゴマー化合物及び組成物、新規合成中間体、並びにヌクレオシド、オリゴマー化合物、組成物及び新規合成中間体を製造する方法を提供する。より詳細には、本発明は、式:2'-O-C(H)(Z)-4'を有するリボース部分の4'と2'-位置との間にブリッジを有するヌクレオシド、並びにこれから製造されるオリゴマー及び組成物を提供する。好ましい実施態様において、Zは、特定の配置において、(R)又は(S)異性体のいずれかを提供する。本発明の一部の実施態様において、オリゴマー化合物及び組成物は、一部の標的RNAにハイブリダイズするようにデザインされる。別の実施態様において、本発明のオリゴマー化合物は、インビボの状況において異常タンパク質に結合することができるオリゴマー化合物であるアプタマーのデザインに使用することができる。
本発明の二環式ヌクレオシドは、これらが組み込まれるオリゴマー化合物の所望の特性を増強するために有用である。本発明のオリゴマーは、診断適用におけるプライマー及びプローブとしても有用であろう。好ましい実施態様において、本発明の6-修飾された二環式ヌクレオシドは、下記に示した構造を有する:
一つの態様において、本発明は、式I:
を有する二環式ヌクレオシドを提供する:
(式中:
Bxは、複素環塩基部分であり;
T1は、H又はヒドロキシル保護基であり;
T2は、H、ヒドロキシル保護基又は反応性リン基であり;
Zは、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C1-C6アルキリデニル、C-C6アルケニリデニル、置換されたC1-C6アルキル、置換されたC2-C6アルケニル、置換されたC2-C6アルキニル、置換されたC1-C6アルキリデニル、置換されたC-C6アルケニリデニル、アシル、置換されたアシル、置換されたアミド、チオール又は置換されたチオである)。
一つの実施態様において、それぞれの置換された基は、独立して、ハロゲン、オキソ、ヒドロキシル、OJ1、NJ1J2、SJ1、N3、OC(=X)J1、OC(=X)NJ1J2、NJ3C(=X)NJ1J2及びCNから独立して選択される任意に保護された置換基で一置換又は多置換されており、式中それぞれのJ1、J2及びJ3は、独立してH又はC1-C6アルキルであり、かつXは、O、S又はNJ1である。
本発明の一態様において、直交性に保護された反応基を有し、かつ反応性リン基を更に含む、二環式ヌクレオシドが製造される。このような二環式ヌクレオシドは、オリゴマー合成のための単量体として有用である。このような二環式ヌクレオシド単量体の1つの例示的な例は、式:
を有する:
(式中、点線の箱によって囲まれた基は、変えられる。また、6位の基は、S配置(R及びSの名称は、可変位置の基に応じて変化してもよいことに留意されたい)で製造することができる。示した二環式ヌクレオシド単量体は、一般的にジメトキシトリチルホスホルアミダイトと、又はより形式的にIUPAC命名法を使用して、(1S,3R,4R,6R,7S)-7-[2-シアノエトキシ(ジイソプロピルアミノ)ホスフィノキシ]-1-(4,4'-ジメトキシトリチロキシメチル)-3-(ウラシル-1-イル)-6-メチル-2,5-ジオキサビシクロ[2.2.1]ヘプタンといわれる)。
本発明の6-修飾された二環式ヌクレオシドは、他の修飾されていない1つ又は複数の位置でオリゴマー化合物を修飾するために有用である。このような修飾されたオリゴマー化合物は、特定のモチーフを有すると記述することができる。本発明に適用できるモチーフには、ギャップがあるモチーフ、ヘミマー(hemimer)モチーフ、ブロックマー(blockmer)モチーフ、完全に修飾されたモチーフ、位置的に修飾されたモチーフ及び交互モチーフを含むが、限定されない。これらのモチーフと組み合わせて、一様に、又は組み合わせて使用されるリン酸ジエステル及びホスホロチオアート結合を含むが、限定されない、多種多様な結合を使用することができる。6-修飾された二環式ヌクレオシドの位置及び結合ストラテジーの使用により、特定の標的のための最高の活性のために、容易に最適化することができる。代表的なモチーフの製造を教示する代表的な米国特許には、第5,013,830号;第5,149,797号;第5,220,007号;第5,256,775号;第5,366,878号;第5,403,711号;第5,491,133号;第5,565,350号;第5,623,065号;第5,652,355号;第5,652,356号;第及び号;第5,700,922号を含むが、限定されない。これらのいくつかは、本出願と共に共通して所有されており、またこれらのそれぞれは、その全体が引用として本明細書に組み込まれる。また、モチーフは、2005年6月2日に出願され、かつ2005年12月22日にWO2005/121371として公開された国際出願PCT/US2005/019219号及び2005年6月2日に出願され、かつ2005年12月22日にWO2005/121372として公開されたPCT/US2005/019220号にも開示されており;そのそれぞれは、その全体が引用として本明細書に組み込まれる。
「安定な化合物」及び「安定な構造」という用語は、反応混合物及び効果的な治療薬内の製剤からの有用な純度の程度での単離に耐えるほど十分に強い化合物を示すことを意味する。安定な化合物のみが、本明細書において想定される。
本明細書に記述した化合物内の選択される置換基は、繰り返して用いられる程度を示す。この文脈において、「繰り返して用いられる置換基」とは、置換基がそれ自体の別の例を詳述することを意味する。このような置換基の繰り返して用いられる性質のため、理論的には、任意の所与の請求項に多数が存在し得る。医薬品化学及び有機化学の当業者であれば、このような置換基の総数が意図した化合物の所望の特性によって当然限定されることを理解する。このような特性には、例えば、この例に限らないが、分子量、溶解度又は対数Pなどの物理的特性、標的に対する活性などの適用性及び合成の容易さなどの実用的特性を含む。
繰り返して用いられる置換基は、本発明の意図された態様である。医薬品化学及び有機化学の当業者であれば、このような置換基の多用性を理解する。繰り返して用いられる置換基が本発明の請求項に存在する程度で、総数は、前述のように決定されるであう。
本明細書に使用される「アルキル」という用語は、24個までの炭素原子を含む飽和直鎖又は分枝の炭化水素ラジカルをいう。アルキル基の例には、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソプロピル、n-ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシルなどを含むが、限定されない。アルキル基は、典型的には1〜約24個の炭素原子、より典型的には1〜約12個の炭素原子(C1-C12アルキル)を含み、1〜約6個の炭素原子がより好ましい。本明細書に使用される「低級アルキル」という用語は、1〜約6個の炭素原子を含む。本明細書に使用されるアルキル基は、任意に1つ又は複数のさらなる置換基を含んでいてもよい。
本明細書に使用される「アルケニル」という用語は、24個までの炭素原子を含み、かつ少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を有する直鎖状又は分枝の炭化水素鎖ラジカルをいう。アルケニル基の例には、エテニル、プロペニル、ブテニル、1-メチル-2-ブテン-1-イル、1,3-ブタジエンなどのジエンを含むが、限定されない。アルケニル基は、典型的には2〜約24個の炭素原子、より典型的には2〜約12個の炭素原子を含み、2〜約6個の炭素原子がより好ましい。本明細書に使用されるアルケニル基には、任意に1つ又は複数のさらなる置換基を含んでいてもよい。
本明細書に使用される「アルキニル」という用語は、24個までの炭素原子を含み、かつ少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を有する直鎖状又は分枝の炭化水素ラジカルをいう。アルキニル基の例には、エチニル、1-プロピニル、1-ブチニルなどを含むが、限定されない。アルキニル基は、典型的には2〜約24個の炭素原子、より典型的には2〜約12個の炭素原子を含み、2〜約6個の炭素原子がより好ましい。本明細書に使用されるアルキニル基は、任意に1つ又は複数のさらなる置換基を含んでいてもよい。
本明細書に使用される「アミノアルキル」という用語は、アミノ置換されたアルキルラジカルをいう。本用語は、任意の位置にてアミノ置換基を有するC1-C12アルキル基を含み、アルキル基が親分子に対してアミノアルキル基を結合することを意味する。アミノアルキル基のアルキル及び/又はアミノ部分は、置換基で更に置換することができる。
本明細書に使用される「脂肪族」という用語は、任意の2つの炭素原子間の飽和が一重、二重又は三重結合である24個までの炭素原子を含む直鎖状又は分枝の炭化水素ラジカルをいう。脂肪族基は、好ましくは1〜約24個の炭素原子、より典型的には1〜約12個の炭素原子を含み、1〜約6個の炭素原子がより好ましい。脂肪族基の直鎖状又は分枝の鎖は、窒素、酸素、硫黄及びリンを含む1つ又は複数のヘテロ原子が割り込んでもよい。ヘテロ原子によって割り込まれるこのような脂肪族基には、限定されないが、ポリアルキレングリコールなどのポリアルコキシ、ポリアミン及びポリイミンを含む。本明細書に使用される脂肪族基は、任意にさらなる置換基を含んでいてもよい。
「脂環式化合物(alicyclic)」又は「脂環式化合物の(alicyclyl)」という用語は、環が脂肪族である環状の環系をいう。環系には、少なくとも1つの環が脂肪族である1つ以上の環を含むことができる。好ましい脂環式化合物は、環に約5〜約9個の炭素原子を有する環を含む。本明細書に使用される脂環式化合物は、任意にさらなる置換基を含んでいてもよい。
本明細書に使用される「アルコキシ」という用語は、アルキル基と酸素原子との間に形成されるラジカルであって、酸素原子が親分子にアルコキシ基を結合するために使用されているラジカルをいう。アルコキシ基の例には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、n-ペントキシ、ネオペントキシ、n-ヘキソキシなどを含むが、限定されない。本明細書に使用されるアルコキシ基は、任意にさらなる置換基を含んでいてもよい。
本明細書に使用される「ハロ」及び「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素から選択される原子をいう。
本明細書に使用される「アリール」及び「芳香族」という用語は、1つ以上の芳香環を有する単環式又は多環式の炭素環式環系ラジカルをいう。アリール基の例には、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニル、インデニルなどを含むが、限定されない。好ましいアリール環系は、1つ以上の環に約5〜約20個の炭素原子を有する。本明細書に使用されるアリール基は、任意にさらなる置換基を含んでいてもよい。
本明細書に使用される「アラルキル」及び「アリールアルキル」という用語は、アルキル基とアリール基との間に形成されるラジカルであって、アルキル基が親分子にアラルキル基を結合するために使用されるラジカルをいう。例には、ベンジル、フェネチルなどを含むが、限定されない。本明細書に使用されるアラルキル基は、任意にラジカル基を形成するアルキル、アリール又は両基に結合したさらなる置換基を含んでいてもよい。
本明細書に使用される「複素環ラジカル」という用語は、少なくとも1つのヘテロ原子を含み、かつ不飽和か、部分的に飽和したか、若しくは完全に飽和したラジカル単環式又は多環式環系をいい、これによりヘテロアリール基を含む。また、複素環は、融合環の1つ又は複数が少なくとも1つのヘテロ原子を含み、かつその他の環が1つ以上のヘテロ原子を含むことができるか、又は任意にヘテロ原子を含むことができない融合環系を含むことが意味される。複素環基は、典型的には、硫黄、窒素又は酸素から選択される少なくとも1つの原子を含む。複素環基の例には、[1,3]ジオキソラン、ピロリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、オキサゾリジニル、イソキサゾリジニル、モルホリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、キノキサリニル、ピリダジノニル、テトラヒドロフリルなどを含む。本明細書に使用される複素環基は、任意にさらなる置換基を含んでいてもよい。
本明細書に使用される「ヘテロアリール」及び「複素環芳香族化合物」という用語は、少なくとも1つの環が芳香族であり、かつ1つ以上のヘテロ原子を含む、単環芳香環若しくは多環芳香環、環系又は融合環系を含むラジカルをいう。また、ヘテロアリールは、融合環の一つ以上がヘテロ原子を含まない系を含む融合環系を含むことが意味される。ヘテロアリール基は、典型的には硫黄、窒素又は酸素から選択される1つの環原子を含む。ヘテロアリール基の例には、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、チオフェニル、フラニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、キノキサリニルなどを含むが、限定されない。ヘテロアリールラジカルは、直接又は脂肪族基又はヘテロ原子などの連結部分を介して、親分子に結合させることができる。本明細書に使用されるヘテロアリール基は、任意にさらなる置換基を含んでいてもよい。
本明細書に使用される「ヘテロアリールアルキル」という用語は、ヘテロアリールアルキル基を親分子に結合することができるアルキルラジカルを有する、以前に定義したようなヘテロアリール基をいう。例には、ピリジニルメチル、ピリミジニルエチル、ナフチリジニルプロピルなどを含むが、限定されない。本明細書に使用されるヘテロアリールアルキル基は、ヘテロアリール又はアルキル部分の一方又は両方に任意にさらなる置換基を含んでいてもよい。
本発明に使用される「単環構造又は多環構造」という用語は、融合され、若しくは連結された環を有する単環又は多環である全ての環系を含み、かつ個々に脂肪族、脂環、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、アリールアルキル、複素環、ヘテロアリール、芳香族複素環、ヘテロアリールアルキルから選択される単環及び混合環系を含むことが意味される。このような単環構造及び多環構造には、完全飽和、部分的飽和、完全不飽和を含む、一様又は様々な飽和度を有する環を含むことができる。それぞれの環は、C環原子のみを含む環に加えて、C、N、O及びSから選択される環原子を含み複素環を生じることができ、これは例えば、1つの環が炭素環原子のみを有し、かつ融合環が2つの窒素原子を有するベンズイミダゾールなどの混合モチーフに存在することができる。単環構造又は多環構造は、例えば1つの環に結合される2つの=O基を有するフタルイミドなど、更に置換基で置換することができる。別の態様において、単環構造又は多環構造は、環原子を介して直接か、置換基又は二官能性連結部分を介して、親分子に結合することができる。
本明細書に使用される「アシル」という用語は、有機酸からのヒドロキシル基の除去によって形成され、かつ一般式-C(O)-X(式中、Xは、典型的には脂肪族、脂環式化合物又は芳香族である)を有するラジカルをいう。例には、脂肪族カルボニル、芳香族カルボニル、脂肪族スルホニル、芳香族スルフィニル、脂肪族スルフィニル、芳香族ホスフェート、脂肪族ホスフェートなどを含む。本明細書に使用されるアシル基は、任意にさらなる置換基を含んでいてもよい。
「ヒドロカルビル」という用語は、C、O及びHを含む基を含む。任意の飽和度を有する直鎖、分枝及び環状の基を含む。このようなヒドロカルビル基は、N、O及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含むことができ、更に1つ以上の置換基で一又は多置換することができる。
本明細書に使用される「置換基(substituent)」及び「置換基(substituent group)」という用語は、典型的には、所望の特性を増強し、又は所望の効果を与えるために、その他の基又は親化合物に付加される基を含むことが意味される。また、置換基は、保護すること、又は保護されていないことができ、及び親化合物の1つの利用できる部位に、又は多くの利用できる部位に付加することができる。また、置換基は、その他の置換基で更に置換してもよく、親化合物に対して直接、又はアルキル又はヒドロカルビル基などの連結基を介して結合してもよい。このような基には、以下を含むが限定されない:ハロゲン、ヒドロキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アシル(-C(O)Raa)、カルボキシル(-C(O)O-Raa)、脂肪族基、脂環基、アルコキシ、置換されたオキシ(-O-Raa)、アリール、アラルキル、複素環、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、アミノ(-NRbbRcc)イミノ(=NRbb)、アミド(-C(O)N-RbbRcc又は-N(Rbb)C(O)Raa)、アジド(-N3)、ニトロ(-NO2)、シアノ(-CN)、カルバミド(-OC(O)NRbbRcc又は-N(Rbb)C(O)ORaa)、ウレイド、(-N(Rbb)C(O)NRbbRcc)、チオウレイド(-N(Rbb)C(S)NRbbRcc)、グアニジニル(-N(Rbb)C(=NRbb)NRbbRcc)、アミジニル(-C(=NRbb)NRbbRcc又は-N(Rbb)C(NRbb)Raa)、チオール(-SRbb)、スルフィニル(-S(O)Rbb)、スルホニル(-S(O)2Rbb)、スルホンアミジル(- S(O)2NRbbRcc又は-N(Rbb)-S(O)2Rbb)及び共役基。式中、それぞれのRaa、Rbb及びRccは、独立して時間、任意に連結された化学官能基又は更に置換基であり、好ましい一覧は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、脂肪族、アルコキシ、アシル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、脂環式化合物、複素環及びヘテロアリールアルキルを含むが、限定されない。
「オキソ」という用語は、基(=O)をいう。
本明細書に記述される化合物(例えば、二環式ヌクレオシド)は、例えば下記の実施例で例証したように、任意の有機合成の適用できる技術によって製造することができる。多くのこのような技術が当該技術分野において周知である。しかし、公知の技術の多くは、以下に詳しく述べられている:有機合成法の概論(Compendium of Organic Synthetic Methods) (John Wiley & Sons, New York)、第1巻、Ian T. Harrison and Shuyen Harrison (1971); 第2巻、 Ian T. Harrison and Shuyen Harrison (1974); 第3巻、 Louis S. Hegedus and Leroy Wade (1977); 第4巻、Leroy G. Wade Jr., (1980); 第5巻、Leroy G. Wade Jr. (1984);及び第6巻、Michael B. Smith;並びにMarch, J.の文献、高等有機化学(Advanced Organic Chemistry)、第3の版、John Wiley & Sons, New York (1985);総合有機合成。現代有機化学における選択性、ストラテジー及び効率(Comprehensive Organic Synthesis. Selectivity, Strategy & Efficiency in Modern Organic Chemistry)、9巻のもの、Barry M. Trost, Editor-in-Chief, Pergamon Press, New York (1993);高等有機化学、パートB:反応及び合成(Advanced Organic Chemistry, Part B: Reactions and Synthesis)、第4版; Carey and Sundberg; Kluwer Academic/Plenum Publishers: New York (2001); 高等有機化学、反応、メカニズム及び構造(Advanced Organic Chemistry, Reactions, Mechanisms , and Structure)、第2版、March, McGraw Hill (1977);有機合成における保護基(Protecting Groups in Organic Synthesis)、第2版、Greene, T.W.,及びWutz, P.G.M., John Wiley & Sons, New York (1991);並びに総合有機変換(Comprehensive Organic Transformations)、第2版、Larock, R.C., John Wiley & Sons, New York (1999)。
本発明の一つの態様において、オリゴマー化合物は、1つ以上の共役基の共有結合によって修飾される。一般に、共役基は、薬力学的、薬物動態学的、結合、吸収、細胞分布、細胞摂取、電荷及びクリアランス含むが、限定されない結合したオリゴマー化合物の1つ以上の特性を修飾する。共役基は、化学技術分野において日常的に使用されており、オリゴマー化合物などの親化合物に、直接又は任意の連結部分若しくは連結基を介して連結される。好ましい共役基の一覧には、インターカレーター、リポーター分子、ポリアミン、ポリアミド、ポリエチレングリコール、チオエーテル、ポリエーテル、コレステロール、チオコレステロール、コール酸部分、葉酸、脂質、リン脂質、ビオチン、フェナジン、フェナントリジン、アントラキノン、アダマンタン、アクリジン、フルオレッセイン、ローダミン、クマリン及び色素を含むが、限定されない。
当該技術分野において公知のものなどの連結基又は二官能性連結部分は、本発明に適用できる。連結基は、例えばオリゴマー化合物などの親化合物における選択的部位に対する化学官能基、共役基、レポーター基及びその他の基の結合のために有用である。一般に、二官能性連結部分には、2つの官能基を有するヒドロカルビル部分を含む。官能基の一方は、関心対象の分子又は化合物を親に結合するように選択され、他方は、化学官能基又は共役基などの本質的に任意の選択した基に結合するように選択される。一部の実施態様において、リンカーには、エチレングリコール又はアミノ酸単位などの反復単位の連鎖構造又はオリゴマーを含む。二官能性連結部分においてルーチン的に使用される官能基の例には、求電子性基と反応するための求核基及び求核試薬と反応するための求電子試薬を含むが、限定されない。一部の実施態様において、二官能性連結部分は、アミノ、ヒドロキシル、カルボン酸、チオール、不飽和(例えば、二重又は三重結合)などを含む。二官能性連結部分のいくつかの非限定的な例には、8-アミノ-3,6-ジオキサオクタン酸(ADO)、スクシンイミジル4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボキシラート(SMCC)及び6‐アミノヘキサン酸(AHEX又はAHA)を含む。その他の連結基には、置換されたC1-C10アルキル、置換若しくは非置換のC2-C10アルケニル又は置換若しくは非置換のC2-C10アルキニルを含むが、限定されず、好ましい置換基の非限定的な一覧には、ヒドロキシル、アミノ、アルコキシ、カルボキシ、ベンジル、フェニル、ニトロ、チオール、チオ・アルコキシ、ハロゲン、アルキル、アリール、アルケニル及びアルキニルを含む。
本明細書に使用される「保護基」という用語は、合成手順の間の望まれない反応に対して、ヒドロキシル、アミノ及びチオール基を含むが、限定されない反応基を保護することが当該技術分野において公知である不安定な化学物質部分をいう。保護基は、典型的にはその他の反応部位における反応の間に、部位を保護するように選択的及び/又は直交性に使用され、次いで除去して、さらなる反応のために、又は利用可能であるように保護されていない基を残すことができる。当技術分野において公知の保護基は、Greene及びWutsの文献、有機合成の保護基(Protective Groups in Organic Synthesis)、第3版、John Wiley & Sons, New York (1999)において一般に記述されているである。
基は、前駆体として本発明のオリゴマー化合物に選択的に組み込むことができる。例えば、アミノ基は、合成において所望の位置にてアミノ基に化学的に変換することができるアジド基として、本発明の化合物内に配置することができる。一般に、基は、適切な時期にこれらの最終的な基に変換するために親分子のその他の領域を修飾する反応に対して不活性であろう前駆体として保護され、又は存在する。さらなる代表的な保護基又は前駆体基は、Agrawalらの文献、オリゴヌクレオチド抱合体のためのプロトコル(Protocols for Oligonucleotide Conjugates)、編集、Humana Press;New Jersey、1994;Vol. 26 pp. 1-72において論議されている。
ヒドロキシル保護基の例には、以下を含むが、限定されない:アセチル、t-ブチル、t-ブトキシメチル、メトキシメチル、テトラヒドロピラニル、1-エトキシエチル、1-(2-クロロエトキシ)エチル、p-クロロフェニル、2,4-ジニトロフェニル、ベンジル、2,6-ジクロロベンジル、ジフェニルメチル、p-ニトロベンジル、ビス(2-アセトキシエトキシ)メチル(ACE)、2-トリメチルシリルエチル、トリメチルシリル、トリエチルシリル、t-ブチルジメチルシリル、t-ブチルジフェニルシリル、トリフェニルシリル、[(トリイソプロピルシリル)オキシ]メチル(TOM)、ベンゾイルホルマート、クロロアセチル、トリクロロアセチル、トリフルオロアセチル、ピバロイル、ベンゾイル、p-フェニルベンゾイル、9-フルオレニルメチルカーボネート、メシラート、トシラート、トリフェニルメチル(トリチル)、モノメトキシトリチル、ジメトキシトリチル(DMT)、トリメトキシトリチル、1(2-フルオロフェニル)-4-メトキシピペリジン-4-イル(FPMP)、9-フェニルキサンチン-9-イル(Pixyl)及び9-(p-メトキシフェニル)キサンチン-9-イル(MOX)。より好ましいヒドロキシル保護基には、ベンジル、2,6-ジクロロベンジル、t-ブチルジメチルシリル、t-ブチル-ジフェニルシリル、ベンゾイル、メシラート、トシラート、ジメトキシトリチル(DMT)、9-フェニルキサンチン-9-イル(Pixyl)及び9-(p-メトキシフェニル)キサンチン-9-イル(MOX)を含むが、限定されない。
アミノ保護基の例には、以下を含むが、限定されない:2-トリメチルシリルエトキシカルボニル(Teoc)、1-メチル-1-(4-ビフェニルイル)-エトキシカルボニル(Bpoc)、t-ブトキシカルボニル(BOC)、アリルオキシカルボニル(Alloc)、9-フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)及びベンジルオキシカルボニル(Cbz)などのカルバメート-保護基;ホルミル、アセチル、トリハロアセチル、ベンゾイル及びニトロフェニルアセチルなどのアミド-保護基;2-ニトロベンゼンスルホニルなどのスルホンアミド-保護基;並びにフタルイミド及びジチアスクシノイルなどのイミン-及び環状イミド-保護基。
チオール保護基の例には、トリフェニルメチル(トリチル)、ベンジル(Bn)などを含むが、限定されない。
いくつかの好ましい実施態様において、オリゴマー化合物は、任意に保護されたリン含有ヌクレオシド間結合でヌクレオシドを結合することによって製造される。リン酸ジエステル及びホスホロチオアート結合などのリン含有ヌクレオシド間結合のための代表的な保護基は、β-シアノエチル、ジフェニルシリルエチル、δ-シアノブテニル、シアノp-キシリル(CPX)、N-メチル-N-トリフルオロアセチルエチル(META)、アセトキシフェノキシエチル(APE)及びブテン-4-イル基を含む。例えば、米国特許番号4,725,677及びRe. 34,069(β-シアノエチル);Beaucage, S.L.及びIyer, R.P. の論文、Tetrahedron、49 No.10、pp. 1925-1963(1993);Beaucage, S.L.及びIyer, R.P.の論文、Tetrahedron、49 No.46、pp. 10441-10488(1993);Beaucage, S.L.及びIyer, R.P. の論文、Tetrahedron、48 No.12、pp. 2223-2311(1992)を参照されたい。
本明細書に使用される、「直交性に保護された」という用語は、異なる種類の保護基で保護された官能基をいい、保護基のそれぞれのクラスは、任意の順序で、及びその他の全てのクラスの存在下において除去することができる。(Barany, G., 及びMerrifield、R.B.の論文、J. Am., Chem. Soc., 1977、99、7363;同上、1980、102、3084を参照されたい)直交性保護は、例えば自動化されたオリゴヌクレオチド合成において広く使用されている。官能基は、脱ブロッキング手順による影響を受けない1つ以上のその他の保護された官能基の存在下において脱ブロック化される。この脱ブロック化された官能基は、いくつかの様式で、及びいくつかの時点で反応して、更に直交性保護基は、異なる反応条件のセット下で除去される。これにより、所望の化合物又はオリゴマー化合物に到するために選択的な化学が可能になる。
本発明は、例えばリン酸ジエステル及びホスホロチオアートヌクレオシド間結合を含むヌクレオシド間結合を形成するために有用な反応性リン基を有する化合物を提供する。このような反応性リン基は、当該技術分野において公知であり、ホスホルアミダイト、H-ホスホナート、リン酸トリエステル及びリン含有キラル補助剤を含むが、限定されないPIII又はPv価電子状態のリン原子を含む。好ましい合成的固相合成は、反応性ホスファイトとしてホスホルアミダイト(PIII化学)を利用する。中間体ホスファイト化合物は、その後に公知の方法を使用してPv状態に酸化させて、好ましい実施態様において、リン酸ジエステル又はホスホロチオアートヌクレオチド間結合を得る。さらなる反応性ホスフェート及びホスファイトは、Tetrahedron Report Number 309(Beaucage及びIyer、Tetrahedron 1992、48、2223-2311)に開示されている。
本発明に有用なオリゴマー化合物の具体例には、修飾された、例えば天然に存在しないヌクレオシド間結合を含むオリゴヌクレオチドを含む。ヌクレオシド間結合の2つの主なクラスは、リン原子の有無によって定義される。リン原子を有する修飾されたヌクレオシド間結合には、以下を含むが限定されない:ホスホロチオアート、キラルホスホロチオアート、ホスホロジチオアート、リン酸トリエステル、アミノアルキルリン酸トリエステル、3'-アルキレンホスホナート、5'-アルキレンホスホナート及びキラルホスホナートを含むメチル及びその他のアルキルホスホナート、ホスフィナート、3'-アミノホスホロアミダート及びアミノアルキルホスホロアミダートを含むホスホロアミダート、チオノホスホロアミダート、チオノアルキルホスホナート、チオノアルキルホスホトリエステル、通常の3'-5'結合を有するセレノホスフェート及びボラノホスフェート、これらの2'-5'結合類似体、並びに反転した極性を有するものであって、1つ又は複数のヌクレオチド間の結合が、3'から3'、5'から5'、又は2'から2'の結合であるものを含む。また、反転した極性を有するオリゴヌクレオチドは、最も3'のヌクレオチド間結合において単一の3'から3'の結合を含むことができる、すなわち無塩基(核酸塩基がなくなっているか、又はこれらの代わりにヒドロキシル基を有するもの)である単一の反転したヌクレオシド残基を含み得る。また、種々の塩、混合塩及び遊離酸の形態が含まれる。
上記のリン含有結合の製造を教示する代表的な米国特許には、US:3,687,808;4,469,863;4,476,301;5,023,243;5,177,196;5,188,897;5,264,423;5,276,019;5,278,302;5,286,717;5,321,131;5,399,676;5,405,939;5,453,496;5,455,233;5,466,677;5,476,925;5,519,126;5,536,821;5,541,306;5,550,111;5,563,253;5,571,799;5,587,361;5,194,599;5,565,555;5,527,899;5,721,218;5,672,697及び5,625,050を含むが、限定されない。これらのいくつかは、本出願と共に係属しており、それぞれが本明細書に引用として組み込まれる。
リン原子を有していない修飾されたヌクレオシド間結合には、短鎖アルキル若しくはシクロアルキルヌクレオシド間結合、混合されたヘテロ原子及びアルキル若しくはシクロアルキルヌクレオシド間結合、又は1つ以上の短鎖ヘテロ原子若しくは複素環ヌクレオシド間結合によって形成されるものを含むが、限定されない。これらには、シロキサンバックボーン;スルフィド、スルホキシド及びスルホンバックボーン;ギ酸アセチル及びチオギ酸アセチルバックボーン;メチレンギ酸アセチル及びチオギ酸アセチルバックボーン;リボアセチルバックボーン;アルケン含有バックボーン;スルファマートバックボーン;メチレンイミノ及びメチレンヒドラジノバックボーン;スルホナート及びスルホンアミドバックボーン;アミドバックボーン;及び混合したN、O、S及びCH2構成要素を有するその他を有するものを含む。
上記のオリゴヌクレオシドの製造を教示する代表的な米国特許は、US:5,034,506;5,166,315;5,185,444;5,214,134;5,216,141;5,235,033;5,264,562;5,264,564;5,405,938;5,434,257;5,466,677;5,470,967;5,489,677;5,541,307;5,561,225;5,596,086;5,602,240;5,610,289;5,602,240;5,608,046;5,610,289;5,618,704;5,623,070;5,663,312;5,633,360;5,677,437;5,792,608;5,646,269及び5,677,439を含むが、限定されない。これらのいくつかは、本出願と共に係属しており、それぞれが本明細書に引用として組み込まれる。
本明細書に記述した化合物は、1つ以上の不斉中心を含み、従って、エナンチオマー、ジアステレオマー及び絶対立体化学に関して(R)-若しくは(S)-として、α若しくはβ又は、アミノ酸についてなどの(D)-又は(L)-として定義され得るその他の立体異性の形態を生じる。本発明は、全てのこのような可能な異性体、並びにこれらのラセミ形態及び光学的に純粋な形態を含むことが意味される。光学異性体は、上記の手順によってこれらのそれぞれの光学活性前駆体から、又はラセミ混合物を分割することによって製造してもよい。分割は、分割薬の存在下において、クロマトグラフィーによって、又は結晶化の繰り返しによって、又は当業者に公知であるこれらの技術のいくつかの組み合わせによって、実施することができる。分割に関するさらなる詳細は、Jacquesらの文献、エナンチオマー、ラセミ体及び分割(John Wiley & Sons, 1981)に見いだすことができる。本明細書に記述された化合物がオレフィン二重結合、その他の不飽和、又はその他の幾何学的非対称の中心を含むときは、特に明記しない限り、化合物には、E及びZ幾何異性体又はシス-及びトランス異性体を含むことが意図される。同様に、全ての互変異性型が含まれることも意図される。本明細書に出現する任意の炭素-炭素二重結合の配置は、便宜のためのみに選択されており、本文がそのように述べない限り、特定の配置を命名することは意図されない;従って、任意に本明細書にトランスとして示された炭素-炭素二重結合又は炭素-ヘテロ原子二重結合は、シス、トランス又は任意の比率の2つの混合物であってもよい。
本発明の状況において、「オリゴマー化合物」という用語は、少なくとも、核酸分子にハイブリダイズすることができる領域を有する重合体をいう。「オリゴマー化合物」という用語には、オリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオチド類似体及び/又はオリゴヌクレオシド、並びにヌクレオチド擬態及び核酸と非核酸成分とを含む混合重合体を含む。オリゴマー化合物は、直線的にルーチン的に製造されるが、環状に連結する工程、又はさもなければ製造することができ、また分枝を含んでいてもよい。オリゴマー化合物は、例えばハイブリダイズして二重鎖組成物を形成する2つの鎖などの二本鎖構築物を形成することができる。二本鎖組成物は、連結、又は分離することができ、末端にオーバーハングを含むことができる。一般に、オリゴマー化合物には、それぞれの連結された単量体サブユニットが複素環塩基部分に直接又は間接的に結合されている連結された単量体サブユニットのバックボーンを含む。また、オリゴマー化合物は、複素環塩基部分に連結されない単量体サブユニットを含み、それによって無塩基部位を提供してもよい。単量体サブユニット、糖残基又は代用物及び複素環塩基部分を連結する結合は、独立して修飾することができる。複素環塩基を含んでいても、又は含まなくてもよい結合-糖単位は、ペプチド核酸の単量体などの擬態で置換してもよい。オリゴマー化合物のそれぞれの位置の部分又は全ての単量体を修飾し、又は置換する能力により、多数の可能なモチーフが生じる。
当技術分野において公知のとおり、ヌクレオシドは、塩基-糖の組み合わせである。ヌクレオシドの塩基部分は、通常複素環塩基部分である。このような複素環塩基の2つの最も一般的クラスは、プリン及びピリミジンである。ヌクレオチドには、ヌクレオシドの糖部分に共有結合で連結されたリン酸基を更に含むヌクレオシドである。ペントフラノシル糖を含むこれらのヌクレオシドに関しては、リン酸基を糖の2'、3'又は5'ヒドロキシル部分のいずれにも連結することができる。オリゴヌクレオチドを形成する際に、リン酸基は、互いに隣接するヌクレオシドに共有結合で連結して、直鎖状重合体化合物を形成する。この直鎖状高分子構造のそれぞれの末端は、ハイブリダイゼーションによって、又は共有結合の形成によって環状構造を形成するように連結することができるが、しかし、開いた直線状構造が一般には望まれる。オリゴヌクレオチド構造内の、リン酸基は、一般にオリゴヌクレオチドのヌクレオシド間結合を形成するものといわれている。RNA及びDNAの正常なヌクレオシド間結合は、5'に対する3'ホスホジエステル結合である。
本発明の状況において「オリゴヌクレオチド」という用語は、リボ核酸(RNA)又はデオキシリボ核酸(DNA)のオリゴマー又は重合体をいう。本用語は、天然に存在する核酸塩基、糖及び共有結合性ヌクレオシド間結合で構成されるオリゴヌクレオチドを含む。「オリゴヌクレオチド類似体」という用語は、1つ以上の天然に存在しない部分を有するオリゴヌクレオチドをいう。このような天然に存在しないオリゴヌクレオチドは、例えば細胞の摂取の増強、核酸標的に対する親和性の増強、ヌクレアーゼの存在下における安定性の増加などの望ましい特性のため、天然に存在する形態以上に望まれることが多い。
本発明の状況において「オリゴヌクレオシド」という用語は、リン原子を有さないヌクレオシド間結合によって連結された一連のヌクレオシドをいう。このタイプのヌクレオシド間結合には、短鎖アルキル、シクロアルキル、混合ヘテロ原子アルキル、混合ヘテロ原子シクロアルキル、1つ以上の短鎖ヘテロ原子及び1つ以上の短鎖複素環を含む。これらのヌクレオシド間結合には、シロキサン、スルフィド、スルホキシド、スルホン、アセチル、ギ酸アセチル、チオギ酸アセチル、メチレンギ酸アセチル、チオギ酸アセチル、アルケニル、スルファマート、メチレンイミノ、メチレンヒドラジノ、スルホナート、スルホンアミド、アミド、並びに混合されたN、0、S及びCH2構成要素を有するその他を含むが、限定されない。
上記のオリゴヌクレオシドの製造を教示する代表的な米国特許は、US:5,034,506;5,166,315;5,185,444;5,214,134;5,216,141;5,235,033;5,264,562;5,264,564;5,405,938;5,434,257;5,466,677;5,470,967;5,489,677;5,541,307;5,561,225;5,596,086;5,602,240;5,610,289;5,602,240;5,608,046;5,610,289;5,618,704;5,623,070;5,663,312;5,633,360;5,677,437;5,792,608;5,646,269及び5,677,439を含むが、限定されない。これらのいくつかは、本出願と共に係属しており、それぞれが本明細書に引用として組み込まれる。
本明細書に使用される「核酸塩基」又は「複素環塩基部分」という用語は、「核酸塩基又はその擬態」と同義であることが意図される。一般に、核酸塩基は、核酸の塩基に対して水素結合できる1つ以上の原子又は原子群を含む任意の下部構造である。
本明細書に使用される「修飾されていない」又は「天然の」核酸塩基には、プリン塩基アデニン(A)及びグアニン(G)、並びにピリミジン塩基チミン(T)、シトシン(C)及びウラシル(U)を含む。修飾された核酸塩基には、5‐メチルシトシン(5-me-C)、5‐ヒドロキシメチルシトシン、キサンチン、ヒポキサンチン、2-アミノアデニン、アデニン及びグアニンの6-メチル及びその他のアルキル誘導体、アデニン及びグアニンの2-プロピル及びその他のアルキル誘導体、2-チオウラシル、2-チオチミン及び2-チオシトシン、5-ハロウラシル及びシトシン、ピリミジン塩基の5-プロピニル(-C≡C-CH3)ウラシル及びシトシン及びその他のアルキニル誘導体、6-アゾウラシル、シトシン及びチミン、5-ウラシル(プソイドウラシル)、4-チオウラシル、8-ハロ、8-アミノ、8-チオール、8-チオアルキル、8-ヒドロキシル及びその他の8置換されたアデニン及びグアニン、5ハロ、特に5-ブロモ、5-トリフルオロメチル及びその他の5置換されたウラシル及びシトシン、7-メチルグアニン及び7-メチルアデニン、2-F-アデニン、2-アミノ-アデニン、8‐アザグアニン及び8-アザアデニン、7-デアザグアニン及び7-デアザアデニン、3-デアザグアニン及び3-デアザアデニン、本明細書で定義したような普遍的塩基、疎水性塩基、乱交雑塩基、サイズ拡大塩基及びフッ化の塩基などのその他の合成、並びに天然の核酸塩基を含む。さらなる修飾された核酸塩基には、フェノキサジンシチジン(1H-ピリミド[5,4-b][1,4]ベンゾキサジン-2(3H)-オン)、フェノチアジンシチジン(1H--ピリミド[5,4-b][1,4]ベンゾチアジン-2(3H)-オン)、置換されたフェノキサジンシチジンなどのG-クランプ(例えば、9-(2-アミノエトキシ)-H-ピリミド[5,4-b][1,4]ベンゾキサジン-2(3H)-オン)、カルバゾールシチジン(2H-ピリミド[4,5-b]インドール-2-オン)、ピリドインドールシチジン(H-ピリド[3',2':4,5]ピロロ[2,3-d]ピリミジン-2-オン)などの三環系ピリミジンを含む。また、修飾された核酸塩基には、プリン又はピリミジン塩基がその他の複素環で置換されたもの、例えば7-デアザ-アデニン、7-デアザグアノシン、2-アミノピリジン及び2-ピリドンを含んでいてもよい。さらなる核酸塩基は、米国特許第3,687,808号に開示されたもの、重合体化学及び操作の簡易百科事典(The Concise Encyclopedia Of Polymer Science And Engineering)、858-859ページ、Kroschwitz、J.I.編John Wiley & Sons, 1990に開示されたもの、Englischらの論文、Angewandte Chemie、International Edition、1991、30、613に開示されたもの及びものによってしたものはSanghvi、Y.S.らの文献、第15章、アンチセンス研究及び適用(Antisense Research and Applications)、289-302ページ、Crooke、S.T.及びLebleu B.編、CRC Press、1993に開示されたものを含む。
修飾された核酸塩基には、本明細書で定義したような、普遍的塩基、疎水性塩基、乱交雑塩基、サイズ拡大塩基及びフッ化塩基を含むが、限定されない。これらの核酸塩基のいくつかは、特に本発明のオリゴマー化合物の結合親和性を増加させるために有用である。これらには、2-アミノプロピルアデニン、5-プロピニルウラシル及び5-プロピニルシトシンを含む、5-置換されたピリミジン、6-アザピリミジン並びにN-2、N-6及びO-6置換されたプリンを含む。5‐メチルシトシン置換は、0.6〜1.2℃まで核酸二重鎖安定性を増大することが示されており(Sanghvi, Y.S., Crooke, S.T.及びLebleu, B.の文献、編、アンチセンス研究及び適用(Antisense Research and Applications)、CRC Press、Boca Raton、1993、pp. 276-278)、目下のところ、特に2'-O-メトキシエチル糖修飾と組み合わせたときに、更に好適な塩基置換である。
上記の修飾された核酸塩基、並びにその他の修飾された核酸塩基のいくつかの製造を教示する代表的な米国特許は、US:3,687,808並びにUS:4,845,205;5,130,302;5,134,066;5,175,273;5,367,066;5,432,272;5,457,187;5,459,255;5,484,908;5,502,177;5,525,711;5,552,540;5,587,469;5,594,121;5,596,091;5,614,617;5,645,985;5,830,653;5,763,588;6,005,096;及び5,681,941(これらのいくつかは、本出願と共に係属しており、それぞれが本明細書に引用として組み込まれる)及び米国特許5,750,692号(これは、本出願と共に係属しており、また本明細書に引用として組み込まれる)を含むが、限定されない。
また、本発明のオリゴマー化合物は、修飾された糖残基を有する1つ以上のヌクレオシドを含んでいてもよい。フラノシル糖骨格環は、置換基での置換、BNAを形成するための架橋及びS又はN(R)などのヘテロ原子での4'-Oの置換を含む多数の方法で修飾することができる。このような修飾された糖の製造を教示するいくつかの代表的な米国特許は、US:4,981,957;5,118,800;5,319,080;5,359,044;5,393,878;5,446,137;5,466,786;5,514,785;5,519,134;5,567,811;5,576,427;5,591,722;5,597,909;5,610,300;5,627,053;5,639,873;5,646,265;5,658,873;5,670,633;5,792,747;5,700,920;6,600,032及び2005年6月2日出願され、かつ2005年12月22日にWO2005/121371として公開された国際出願PCT/US2005/019219を含むが、限定されない。これらのいくつかは、本出願と共に係属しており、それぞれが本明細書に引用として組み込まれる。好ましい修飾された糖の代表的な一覧には、2'-F、2'-OCH2又は2'-O(CH22-OCH3置換基を有する置換された糖;4'チオ修飾された糖及び二環の修飾された糖を含むが、限定されない。
本明細書に使用される「ヌクレオシド擬態」という用語は、オリゴマー化合物の1つ又は複数の位置の、糖又は糖と塩基を置換するために使用される構造(結合ではない)、例えばモルホリノを有するヌクレオシド擬態又はビシクロ[3.1.0]ヘキシル糖擬態、例えばホスホジエステル結合を伴う非フラノース糖単位などを含むことが意図される。「糖代用物」という用語は、わずかにより広い「ヌクレオシド擬態」という用語と重なるが、糖単位(フラノース環)のみの置換を示すことが意図される。「ヌクレオチド擬態」という用語は、オリゴマー化合物の1つ以上の位置のヌクレオシド及び結合を置換するために使用される構造、例えばペプチド核酸又はモルホリノ(-N(H)-C(=O)-O-又はその他の非リン酸ジエステル結合によって連結されたモルホリノ)を含むことが意図される。
本発明に従ったオリゴマー化合物は、約8〜約80ヌクレオシド及び/又は長さ修飾されたヌクレオシド若しくは擬態を含むことができる。当業者であれば、本発明が8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79又は80ヌクレオシドのオリゴマー化合物及び/又は長さが修飾されたヌクレオシド若しくは擬態、又はその中の任意の範囲を例示することを認識するであろう。
別の実施態様において、本発明のオリゴマー化合物は、8〜40ヌクレオシド及び/又は長さが修飾されたヌクレオシド若しくは擬態である。当業者であれば、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39又は40ヌクレオシドのオリゴマー化合物及び/又は長さが修飾されたヌクレオシド若しくは擬態、又はその中の任意の範囲を例示することを認識するであろう。
別の実施態様において、本発明のオリゴマー化合物は、8〜20ヌクレオシド及び/又は長さが修飾されたヌクレオシド若しくは擬態である。当業者であれば、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20ヌクレオシドのオリゴマー化合物及び/又は長さが修飾されたヌクレオシド若しくは擬態、又はその中の任意の範囲を例示することを認識するであろう。
別の実施態様において、本発明のオリゴマー化合物は、10〜16ヌクレオシド及び/又は長さが修飾されたヌクレオシド若しくは擬態である。当業者であれば、10、11、12、13、14、15又は16ヌクレオシドのオリゴマー化合物及び/又は長さが修飾されたヌクレオシド若しくは擬態、又はその中の任意の範囲を例示することを認識するであろう。
別の実施態様において、本発明のオリゴマー化合物は、10〜14ヌクレオシド及び/又は長さが修飾されたヌクレオシド若しくは擬態である。当業者であれば、10、11、12、13又は14ヌクレオシドのオリゴマー化合物及び/又は長さが修飾されたヌクレオシド若しくは擬態、又はその中の任意の範囲を例示することを認識するであろう。
本発明のキメラオリゴマー化合物は、2つ以上の位置にて差動的に修飾されたヌクレオシドを有し、かつモチーフを有することが一般に定義される。本発明のオリゴマー化合物は、上記の通りの2つ以上のオリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオチド類似体、オリゴヌクレオシド及び/又はオリゴヌクレオチド擬態の複合体構造として形成されてもよい。このようなハイブリッド構造の製造を教示する代表的な米国特許は、US:5,013,830;5,149,797;5,220,007;5,256,775;5,366,878;5,403,711;5,491,133;5,565,350;5,623,065;5,652,355;5,652,356;及び5,700,922を含むが、限定されない。これらのいくつかは、本出願と共に係属しており、それぞれが本明細書に引用として組み込まれる。
修飾されたヌクレオシド及び修飾されていないヌクレオシド並びにこれらの擬態のオリゴマー形成は、本発明の一つの態様において、適切なようにDNA(オリゴヌクレオチド及び類似体のためのプロトコル(Protocols for Oligonucleotides and Analogs))、Agrawal編、(1993), Humana Press)合成及び/又はRNA(Scaringeの論文、Methods(2001), 23, 206-217;Chemicallyらの文献、RNA:タンパク質相互作用におけるキメラ合成されたRNAの適用(Applications of Chemically synthesized RNA in RNA:Protein Interactions), Smith編, (1998)1-36;Galloらの論文、Tetrahedron(2001), 57, 5707-5713)合成のための文献手順に従って行われる。固相合成のためのさらなる方法は、Caruthers、米国特許第4,415,732号;第4,458,066号;第4,500,707号;第4,668,777号;第4,973,679号;及び第5,132,418号;及びKoster、米国特許第4,725,677号及びRe.34,069において見いだされるであろう。
オリゴマー化合物及び関連化合物の支持媒体に基づいた合成のためのルーチンで使用される市販の設備は、例えばApplied Biosystems(Foster City, CA)を含むいくつかの売主によって販売されている。当該技術分野において公知のこのような合成のための任意のその他の手段を更に、又は代わりに使用してもよい。自動合成技術を含む適切な固相技術には、F. Eckstein(編)、オリゴヌクレオチド及び類似体、実践的アプローチ(Oligonucleotides and Analogues, a Practical Approach), Oxford University Press, New York (1991)に記述されている。
DNA及び関連した類似体の合成と関連するRNA並びに関連した類似体の合成は、RNAi増大の試みにつれて増大してきた。現在商業的に使用される主要なRNA合成ストラテジーは、5'-O-DMT-2'-O-t-ブチルジメチルシリル(TBDMS)、5'-O-DMT-2'-O-[1(2-フルオロフェニル)-4-メトキシピペリジン-4-イル](FPMP)、2'-O-[(トリイソプロピルシリル)オキシ]メチル(2'-O-CH2-O-Si(iPr)3(TOM)及び5'-O-シリルエーテル-2'-ACE(5'-O-ビス(トリメチルシロキシ)シクロドデシルオキシシリルエーテル(DOD)-2'-O-ビス(2-アセトキシエトキシ)メチル(ACE)を含む。現在RNA製品を提供する大手企業のいくつかの現行リストには、Pierce Nucleic Acid Technologies、Dharmacon Research社、Ameri Biotechnology社及びIntegrated DNA Technologies社を含む。1つの会社Princeton Separationsは、特にTOM及びTBDMS化学との結合時間を減少させることが宣伝されているRNA合成活性化因子を市販している。また、このような活性化因子も、本発明に適用できるであろう。
市販のRNA合成のために使用される主要なグループには、以下がある:
TBDMS = 5'-O-DMT-2'-O-t-ブチルジメチルシリル;
TOM = 2'-O-[(トリイソプロピルシリル)オキシ]メチル;
DOD/ACE = 5'-O-ビス(トリメチルシロキシ)シクロドデシルオキシシリルエーテル-2'-O-ビス(2-アセトキシエトキシ)メチル、
FPMP = 5'-O-DMT-2'-O-[1(2-フルオロフェニル)-4-メトキシピペリジン-4-イル]
である。
上述したRNA合成ストラテジーの全てを本発明に適用できる。例えば別のストラテジーからの2'-O-保護を伴う1つのストラテジーからの5'保護基を使用する、上記のハイブリッドであろうストラテジーも、本発明に適用できる。
本発明の状況において、「ハイブリダイゼーション」は、オリゴマー化合物の相補鎖の対形成を意味する。本発明において、対形成の1つのメカニズムには、水素結合を含み、これは、オリゴマー化合物の鎖の相補ヌクレオシド又はヌクレオチド塩基(核酸塩基)間のワトソン-クリック、Hoogsteen又は逆Hoogsteen水素結合であってもよい。例えば、アデニン及びチミンは、水素結合の形成を介して対となる相補核酸塩基である。ハイブリダイゼーションは、異なる環境下で生じさせることができる。
オリゴマー化合物は、特異的結合が望まれる条件下、すなわちインビボアッセイ法又は治療的処置の場合における生理学的条件下、及びインビトロアッセイ法の場合にアッセイが行われる条件下で、標的核酸に対する化合物の結合が、標的核酸の正常機能を妨げる活性の喪失を生じさせ、かつ、非標的核酸配列に対するオリゴマー化合物の非特異的結合を回避するほどの十分な相補性の程度であるときに、特異的にハイブリダイズ可能である。
本明細書に使用される「相補的」とは、位置する場所に関係なく、2つの核酸塩基の正確に対形成する能力をいう。例えば、オリゴマー化合物の特定の位置の核酸塩基が、標的核酸の特定の位置の核酸塩基と水素結合でき、標的核酸がDNA、RNA又はオリゴヌクレオチド分子である場合、オリゴヌクレオチドと標的核酸との間の水素結合の位置は、相補的位置であるとみなされる。オリゴマー化合物及びさらなるDNA、RNA又はオリゴヌクレオチド分子は、それぞれの分子において十分な数の相補的位置が互いに水素結合することができる核酸塩基によって占められるときに、互いに相補的である。従って、「特異的にハイブリダイズ可能」及び「相補的」とは、安定かつ特異的な結合がオリゴヌクレオチドと標的核酸との間で生じるような、核酸塩基の十分な数にわたって十分な程度の正確な対形成又は相補性を示すために使用される用語である。
オリゴマー化合物の配列は、特異的にハイブリダイズ可能であるその標的核酸のものに対して100%相補的である必要はないことが当該技術分野において理解される。更に、オリゴヌクレオチドは、介在又は隣接するセグメントがハイブリダイゼーション・イベントに含まれないように、1つ以上のセグメントにわたってハイブリダイズしてもよい(例えば、ループ構造又はヘアピン構造)。本発明のオリゴマー化合物は、これらが標的とする標的核酸配列内の標的領域に対して少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%又は少なくとも約99%の配列相補性を含むことができる。例えば、オリゴマー化合物の20核酸塩基のうちの18個が標的領域に対して相補的であり、及び従って、特異的にハイブリダイズするであろうオリゴマー化合物は、90パーセントの相補性を示すであろう。この例では、残りの非相補的な核酸塩基は、相補核酸塩基とクラスター形成しても、又は点在していてもよく、互いに、又は相補核酸塩基に隣接する必要はない。従って、標的核酸と完全に相補的な2つの領域に隣接する四(4)個の非相補的核酸塩基を有する18核酸塩基の長さのオリゴマー化合物は、標的核酸と77.8%の全体的相補性を有するであろうし、従って、本発明の範囲内に入るであろう。オリゴマー化合物の標的核酸の領域とのパーセント相補性は、当該技術分野において公知のBLASTプログラム(塩基局所整列検索ツール)及びPowerBLASTプログラムを使用して、ルーチンで決定することができる(Altschulらの論文、J. Mol. Biol., 1990、215、403-410;Zhang及びMaddenの論文、Genome Res., 1997、7、649-656)。
標的核酸の少なくとも一部にハイブリダイズするアンチセンスオリゴマー化合物、アンチセンスオリゴヌクレオチド、リボザイム、外部ガイド配列(EGS)オリゴヌクレオチド、オルタネートスプライサー、プライマー、プローブ及びその他のオリゴマー化合物などのオリゴマー化合物も、本発明に更に含まれる。従って、これらのオリゴマー化合物は、一本鎖、二本鎖、環状又はヘアピンオリゴマー化合物の形態で導入してもよく、内部若しくは末端隆起又はループなどの構造エレメントを含んでいてもよい。一旦系に導入されれば、本発明のオリゴマー化合物は、1つ以上の酵素又は構造タンパク質の作用を誘発して、標的核酸の修飾を行うであろう。
このような酵素の1つの非限定の例には、RNA:DNA二重らせんのRNA鎖を切断する細胞エンドヌクレアーゼであるRNAse Hがある。「DNA様」である一本鎖オリゴマー化合物は、RNAse Hを誘発することが当該技術分野において公知である。従って、RNAse Hの活性化により、RNA標的の切断を生じ、これによりオリゴヌクレオチドを媒介した遺伝子発現の阻害の効率を非常に増強する。同様の役割は、RNase III及び酵素のリボヌクレアーゼLファミリーにおけるものなど、その他のリボヌクレアーゼについても想定されてきた。
オリゴマー化合物の一形態は、一本鎖アンチセンスオリゴヌクレオチドであるが、多くの種において、二重鎖RNA(dsRNA)分子などの二本鎖構造の導入により、アンチセンスを媒介した、遺伝子又はその関連遺伝子産物の機能の強力かつ特異的な減少を誘導することが示されている。この現象は、植物及び動物の両方で生じ、ウイルスの防御及びトランスポゾンサイレンシングと進化的関連を有すると考えられている。
一部の実施態様において、「適切な標的セグメント」を、選択されたタンパク質の発現を調整するさらなるオリゴマー化合物についてのスクリーンに使用してもよい。「モジュレーター」は、タンパク質をコードする核酸分子の発現を減少又は増加させ、かつ適切な標的セグメントに対して相補的である少なくとも8個の核酸塩基部分を含むオリゴマー化合物である。スクリーニング法には、タンパク質をコードする核酸分子の適切な標的セグメントを1つ以上の候補モジュレーターと接触させる工程、及び、タンパク質をコードする核酸分子の発現を減少又は増大する1つ以上の候補モジュレーターを選択する工程を含む。一旦候補モジュレーター又はモジュレーターがペプチドをコードする核酸分子の発現を調整する(例えば、減少又は増加する)ことができることが示されたら、モジュレーターを更にペプチドの機能の調査研究に、又は本発明に従った研究試薬、診断薬若しくは治療薬としての使用のために使用してもよい。
また、本発明の適切な標的セグメントは、本発明のそれらのそれぞれの相補的アンチセンスオリゴマー化合物と組み合わせて、安定化された二本鎖(二重)オリゴヌクレオチドを形成してもよい。このような二本鎖オリゴヌクレオチド部分は、当該技術分野において、標的発現を調整し、並びに翻訳及びアンチセンスメカニズムを介したRNAプロセシングを調節することが示されている。更に、二本鎖部分は、化学修飾に供してもよい(Fireらの論文、Nature、1998、391、806-811;Timmons及びFireの論文、Nature 1998、395、854;Timmonsらの論文、Gene、2001、263、103-112;Tabaraらの論文、Science、1998、282、430-431;Montgomeryらの論文、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、1998、95、15502-15507の;Tuschlらの論文、Genes Dev., 1999、13、3191-3197;Elbashirらの論文、Nature、2001、411、494-498;Elbashirらの論文、Genes Dev. 2001、15、188-200)。例えば、このような二本鎖部分は、古典的な標的に対する二重鎖のアンチセンス鎖のハイブリダイゼーションによって標的を阻害し、これにより標的の酵素的分解をトリガーすることが示されている(Tijstermanらの論文、Science、2002、295、694-697)。
また、本発明のオリゴマー化合物は、創薬及び標的バリデーションの領域に適用することもできる。本発明は、タンパク質と疾病状態、表現型又は状態との間に存在する関係を解明する創薬努力において、本明細書において同定されたオリゴマー化合物及び標的の使用を包含する。これらの方法には、標的ペプチドを検出又は調整することを含み、試料、組織、細胞又は生物体を本発明のオリゴマー化合物と接触させること、療法後のいくつかの時点にて標的の核酸若しくはタンパク質レベル及び/又は関連した表現型若しくは化学物質指標を測定すること、並びに任意に計測値を無処置の試料又は本発明のさらなるオリゴマー化合物で処理した試料と比較することを含む。標的ペプチドを検出又は調整することを含む。また、これらの方法は、標的バリデーションの過程の間に未知の遺伝子の機能を決定するために、又は特定の疾患、状態又は表現型の治療又は予防のための標的としての特定の遺伝子産物の妥当性を決定するために、その他の実験と平行して又は組み合わせて行うことができる。
RNAi活性に対するヌクレオシド修飾の効果は、既存の文献に従って評価される(Elbashirらの論文、Nature(2001)411、494-498;Nishikuraらの論文、Cell(2001)107、415-416;及びBassらの論文、Cell(2000)101、235-238)。
本発明のオリゴマー化合物は、診断、治療、予防のために、並びに研究試薬及びキットとして利用することができる。更にまた、卓抜した特異性で遺伝子発現を阻害することができるアンチセンスオリゴヌクレオチドは、特定の遺伝子の機能を解明するために、又は生物学的経路の種々のメンバーの機能間を区別するために、当業者によって使用されることが多い。
キット及び診断に使用するためには、本発明のオリゴマー化合物を単独で、又はその他のオリゴマー化合物若しくは治療薬と組み合わせて、細胞及び組織内に発現された部分的又は完全に相補的な遺伝子の発現パターンを解明するための差動的及び/又は組み合わせ解析におけるツールとして使用することができる。
1つの非限定的例として、1つ以上のオリゴマー化合物で処理した細胞又は組織内の発現パターンをオリゴマー化合物で処理されていない対照細胞又は組織と比較して、生じるパターンを、これらが、例えば調べた遺伝子の疾患関連、シグナリング経路、細胞局在、発現レベル、サイズ、構造又は機能に関係する遺伝子発現の差動的レベルについて解析する。これらの解析は、刺激され、又は刺激されていない細胞で、及びその他の化合物及び/又は発現パターンに影響を及ぼすオリゴマー化合物の有無において行うことができる。
当該技術分野において公知の遺伝子発現解析の方法の例には、以下を含む:DNAアレイ又はマイクロアレイ(Brazma及びViloの論文、FEBS Lett., 2000、480、17-24;Celis、らの論文、FEBS Lett., 2000、480、2-16)、SAGE(遺伝子発現の経時的解析)(Madden、らの論文、Drug Discov. Today、2000、5、415-425)、READS(消化されたcDNAの制限酵素増幅)(Prashar及びWeissmanの論文、Methods Enzymol.、1999、303、258-72)、TOGA(総遺伝子発現解析)(Sutcliffeらの論文、Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 2000、97、1976-81)、タンパク質アレイ及びプロテオミクス(Celisらの論文、FEBS Lett.、2000、480、2-16;Jungblutらの論文、Electrophoresis、1999、20、2100-10)、発現配列タグ(EST)シーケンシング(Celisらの論文、FEBS Lett.、2000、480、2-16;Larssonらの論文、J. Biotechnol.、2000、80、143-57)、サブトラクティブRNAフィンガープリント法(SuRF)(Fuchsらの論文、Anal. Biochem.、2000、286、91-98;Larsonらの論文、Cytometry、2000、41、203-208)、サブトラクティブクローニング、ディファレンシャルディスプレイ(DD)(Jurecic及びBelmontの論文、Curr. Opin. Microbiol.、2000、3、316-21)、比較ゲノムハイブリダイゼーション(Carulliらの論文、J. Cell Biochem. Suppl.、1998、31,1286-96)、FISH(蛍光インサイチューハイブリダイゼーション)技術(Going及びGustersonの論文、Eur. J. Cancer、1999、35、1895-904)及び質量分析法(Toの論文、Comb. Chem. High Throughput Screen、2000、3、235-41)。
本発明のオリゴマー化合物は、タンパク質をコードする核酸にハイブリダイズするので、これらのオリゴマー化合物は、研究及び診断のために有用である。例えば、有効なタンパク質阻害剤であるとして本明細書に開示したような効率で、及び条件下でハイブリダイズすることが示されるオリゴヌクレオチドは、また、それぞれ、遺伝子増幅又は検出を支持する条件下で有効なプライマー又はプローブでもあろう。これらのプライマー及びプローブは、タンパク質をコードする核酸分子の特異的な検出を必要とする方法に、及び検出のため、又はさらなる研究に使用するための核酸分子の増幅に有用である
本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチド、特にプライマー及びプローブの核酸とのハイブリダイゼーションは、当該技術分野において公知の手段によって検出することができる。このような手段には、オリゴヌクレオチドに対する酵素の抱合、オリゴヌクレオチドの放射標識又は任意のその他の適切な検出手段を含み得る。また、試料中の選択されたタンパク質のレベルを検出するためのこのような検出手段を使用するキットを製造してもよい。
本発明は、その実施態様のいくつかに従って具体的に記述したが、以下の実施例は、本発明を例証するためのみに役立ち、これを限定することは意図されない。
(実施例1)
ウリジン6-(R)-メチルBNA ホスホルアミダイト、(lS,3R,4R,6R,7S)-7-[2-シアノエトキシ(ジイソプロピルアミノ)ホスフィンオキシ]-1-(4,4'-ジメトキシトリチルオキシメチル)-3-(ウラシル-1-イル)-6-メチル-2,5-ジオキサ-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン(15)の調製
A)5-O-(tert-ブチルジメチルシリル)-3-O-ベンジル-l,2-O-イソプロピリデン-4-C-ヒドロキシメチル-α-D-エリスロ-ペントフラノース(3)
tert-ブチルジメチルシリルクロライド(6.24g、40.7mmol)のジクロロメタン(10mL)溶液をジオール2(12g、38.8mmol、Moffattらの論文J. Org. Chem. 1979, 44, 1301, Ref.1の手順に従って調製した)、トリエチルアミン(11.44ml、81.5mmol)及び4-ジメチルアミノエチルピリジン(0.47g、3.9mmol)のCH2Cl2(184ml)溶液の冷却(O℃)溶液に、滴下漏斗を介して、10分にわたって添加した。添加完了後、反応を段階的に室温に暖めて、更に16時間撹拌した。反応をCH2Cl2で希釈して、5% HCl水溶液、飽和NaHCO3、鹹水で連続して洗浄し、乾燥させて(Na2SO4)、真空下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO2、10%〜30%のEtOAc/ヘキサンで溶出する)による精製により、白色固体としてアルコール3(11.53g、59%)及びアルコール4(3.93g、22%)を提供した。
B)アルコール(6)
ジメチルスルホキシド(3.36mL、47.5mmol)をCH2Cl2(130mL)中の塩化オキサリル(2.08mL、23.7mmol)の冷却(-78℃)溶液に滴下した。30分間撹拌後、アルコール3(6.7g、15.8mmol)のCH2Cl2(20mL)溶液を、反応に添加した。撹拌を-78℃にて45分間続けて、トリエチルアミン(10.0mL、71.2mmol)を反応に添加した。反応を-78℃にて15分間撹拌し、その後氷浴を除去して、反応を45分にわたって段階的に暖めた。次いで、反応をCH2Cl2に注ぎ、有機相を連続して5% HCl水溶液、飽和NaHCO3、鹹水で洗浄し、乾燥させて(Na2SO4)、真空下で濃縮して、アルデヒド5を提供し、これをこれ以上精製することなく使用した。
塩化セリウムIII(5.84g、23.7mmol)のTHF(130mL)中の懸濁液を、室温にて90分間撹拌した。反応を氷浴中で冷却して、メチル臭化マグネシウム(17.0mL、1MのTHF溶液)を5分にわたって添加して、撹拌を更に90分間続けた。粗製アルデヒド5(上記のものから)のTHF(20mL)溶液を、反応に添加した。更に90分間撹拌した後に、反応を飽和NH4Cl溶液でクエンチして、EtOAcに注いだ。有機層を連続して5% HCl水溶液、飽和NaHCO3、鹹水で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、真空下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO2、15% EtOAc/ヘキサンで溶出する)による精製により、アルコール6(5.52g、3から80%)を提供した。
C)メシラート(7)
メタンスルホニルクロライド(0.55mL、7.0mmol)をアルコール6(2.77g、6.4mmol)、トリエチルアミン(1.1mL、7.7mmol)及び4-ジメチルアミノピリジン(84mg、0.7mmol)のCH2Cl2(14mL)中の冷却(0℃)溶液に添加した。室温にて1時間撹拌後、反応をCHCl3に注ぎ、有機層を5% HCl水溶液、飽和NaHCO3、鹹水で連続して洗浄し、乾燥させて(Na2SO4)、真空下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO2、15%のEtOAc/ヘキサンで溶出する)による精製により、メシラート7(2.97g、91%)を提供した。
D)トリアセタート(8)
濃H2SO4(3滴)を氷酢酸(29mL)及び無水酢酸(5.8mL)中のメシラート7(2.97g、5.8mmol)溶液に添加した。室温にて1時間撹拌して、反応をEtOAcに注ぎ、有機層を水、飽和NaHCO3、鹹水で洗浄し、乾燥させて(Na2SO4)、真空下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO2、33%〜50%のEtOAc/ヘキサンで溶出する)による精製により、トリアセタート8(2.48g、88%)に提供した。1H NMR (CDCl3, βアノマー): δ7.39-7.30 (m, 5H), 6.23 (s, 1H), 5.37 (d, 1H), 5.19 (q, 1H), 4.62 (d, 1H), 4.52 (d, 1H), 4.38 (s, 1H), 4.34 (d, 1H), 3.98 (d, 1H), 2.91 (s, 3H), 2.12 (s, 3H), 2.08 (s, 3H), 2.06 (s, 3H), 1.55 (d, 3H). LCMS:保持時間1.35分;M+23 計算値 511.1、実測値 511.0。
E)ヌクレオシド(11)
N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(4.9mL、20.0mmol)を、CH3CN(15mL)中のトリアセタート8(2.47g、5.0mmol)及びウラシル(0.70g、6.3mmol)の懸濁液に添加した。透明溶液を得るために40℃にて15分間加熱後、トリメチルシリルトリフラート(1.18mL、6.5mmol)を反応に添加した。2時間還流した後、反応を室温に冷却して、EtOAcに注いだ。有機層を飽和NaHCO3、鹹水で洗浄して、乾燥させて(Na2SO4)、真空下で濃縮して粗製ヌクレオシド9を提供し、これを何ら精製することなく使用した。
K2CO3(2.07g、15mmol)をヌクレオシド9(上記のものから)のMeOH(50mL)溶液に添加した。室温にて16時間撹拌した後、溶媒を真空下で除去して、残渣を25%のピリジン/EtOAcと鹹水との間で分けた。有機相を収集し、乾燥させて(Na2SO4)、真空下で濃縮して、10を提供し、これをこれ以上精製することなく使用した。1H NMR (MeOD): δ7.74 (d, 2H), 7.29-7.14 (m, 5H), 5.53 (d, 1H), 5.38 (s, 1H), 4.48 (s, 2H), 4.18 (s, 1H), 4.14 (sm, 1H), 3.92 (s, 1H), 3.66 (s, 2H), 1.08 (d, 3H). LCMS: 保持時間2.40 分; M+H calcd. 360.1, 実測値 361.0。
tert-ブチルジフェニルシリルクロライド(1.73mL、6.7mmol)をヌクレオシド10(上記のものから)、トリエチルアミン(1.4mL、10.0mmol)及び4-ジメチルアミノピリジン(80mg、0.7mmol)のCH2Cl2(9mL)中の冷却(0℃)溶液に添加した。室温にて16時間撹拌後、反応をEtOAcに注ぎ、有機相を5% HCl水溶液、飽和NaHCO3で連続して洗浄し、乾燥させて(Na2SO4)、真空下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO2、50%のEtOAc/ヘキサンで溶出する)による精製により、白色固体としてヌクレオシド11(2.02g、8から79%)を提供した。
F)ヌクレオシド(12)
三塩化ホウ素(CH2Cl2中の1M溶液の16.7mL、)を、CH2Cl2(40mL)中のヌクレオシド11(2.0g、3.3mmol)の冷却(-15℃)溶液に慎重に添加した。-15℃にて1時間撹拌後、反応を-78℃に冷却して、MeOH/CH2Cl2(1:1、10mL)の添加によって慎重にクエンチした。更に10分の間撹拌後、反応をCH2Cl2に注ぎ、有機相を5% HCl水溶液、飽和NaHCO3、鹹水で連続して洗浄し、乾燥させて(Na2SO4)、真空下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO2、50%〜80%のEtOAc/ヘキサンで溶出する)による精製により、白色固体(1.02g、60%)としてヌクレオシド12を提供した。
G)ヌクレオシド(13)
ポリプロピレンチューブにおいて、トリエチルアミントリハイドロフルオライド(2.98mL、18.3mmol)をヌクレオシド12(1.86g、3.7mmol)及びトリエチルアミン(1.03mL、7.3mmol)のTHF(36mL)溶液に添加した。室温にて16時間撹拌した後、反応を真空下で濃縮して、残渣をEtOAcに溶解した。有機層を水、飽和NaHCO3、鹹水で連続して洗浄し、乾燥させて(Na2SO4)、真空下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO2、15%のMeOH/CHCl3)による精製により、白色固体としてヌクレオシド13(1.31g、トリエチルアミンとの混入生成物)を提供した。
H)ヌクレオシド(14)
4,4'-ジメトキシトリチルクロライド(DMTCl)(1.23g、3.7mmol)をヌクレオシド13(上記のものから)のピリジン(18mL)溶液に添加した。室温にて16時間撹拌した後、さらなるDMTCl(0.12g)を反応に添加して、更に8時間撹拌を続けた。次いで、反応をEtOAcに注ぎ、有機層を連続して鹹水で抽出して、乾燥させて(Na2SO4)、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO2、15%のアセトン/CHCl3で溶出する)による精製により、白い泡としてヌクレオシド14(1.85g、89%)を提供した。1H NMR (CDCl3): δ8.03 (d, 1H), 7.44-2.28 (m, 14H), 6.86 (d, 4H), 5.63 (d, 1H), 5.60 (s, 1H), 4.32 (m, 1H), 4.13 (s, 1H), 3.81 (s, 6H), 3.49 (d, 1H), 3.37 (d, 1H), 1.18 (d, 3H)。
I)ホスホルアミダイト,(1S,3R,4R,6R,7S)-7-[2-シアノエトキシ-(ジイソプロピルアミノ)ホスフィンオキシ]-1-(4,4'-ジメトキシトリチルオキシメチル)-3-(ウラシル-1-イル)-6-メチル-2,5-ジオキサ-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン(15)の調製
2-シアノエチルテトライソプロピルホロジアミダイト(0.69mL、2.2mmol)をヌクレオシド14(0.83g、1.4mmol)、テトラゾール(80mg、1.2mmol)及びN-メチルイミダゾール(29μL、0.36mmol)のDMF(7.2mL)溶液に添加した。室温にて8時間撹拌後、反応をEtOAcに注ぎ、有機層を90%鹹水、鹹水で洗浄し、乾燥させて(Na2SO4)、濃縮した。残渣を極少量のEtOAcに溶解して、この溶液をヘキサンに添加した。生じた沈殿物を収集して、カラムクロマトグラフィー(SiO2、66%〜75%のEtOAc/ヘキサンで溶出する)によって更に精製し、白色固体(1.04g、94%)としてホスホルアミダイト15を提供した。31P NMR(CDCl3)δ:149.21, 149.79。
(実施例2)
ウリジンN-Bz-シトシン-6-(R)-メチルBNA ホスホルアミダイト,(1S,3R,4R,6R,7S)-7-[2-シアノエトキシ(ジイソプロピルアミノ)ホスフィンオキシ]-1-(4,4'-ジメトキシトリチルオキシメチル)-3-(4-N-ベンゾイルシトシン-1-イル)-6-メチル-2,5-ジオキサ-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン(21)
A)ヌクレオシド(16)
tert-ブチルジメチルシリルクロライド(0.79g、5.2mmol)をヌクレオシド14(1.0g、1.7mmol)及びイミダゾール(0.70g、10.4mmol)のDMF(3.5ml)溶液に添加した。室温にて16時間撹拌後、反応をEtOAcに注ぎ、有機相を連続して鹹水で抽出し、乾燥させて(Na2SO4)、真空下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO2、50%のEtOAc/ヘキサンで溶出する)による精製により、白色固体としてヌクレオシド16(1.17g、99%)を提供した。
B)ヌクレオシド(19)
オキシ塩化リン(1.27mL、13.6mmol)を、CH3CN(21mL)中の1,2,4-トリアゾール(4.0g、58.0mmol)の冷却(0℃)懸濁液に添加した。15分間撹拌した後、トリエチルアミン(9.57mL、68mmol)を反応に添加して、撹拌を30分間続けた。ヌクレオシド16(1.17g、1.7mmol)のCH3CN(10mL)溶液を、0℃にて反応に添加した。10分間撹拌した後、氷浴を除去して、反応を室温にて4時間撹拌した。次いで、溶媒を真空下で除去して、残渣をEtOAcと水との間で分けた。次いで、有機層を飽和NaHCO3、鹹水で洗浄して、乾燥させて(Na2SO4)、真空下で濃縮し、粗製17を提供して、これをこれ以上精製することなく使用した。
アンモニア水(4mL)を、ヌクレオシド17(上記のものから)のジオキサン(20mL)溶液に添加した。室温にて16時間撹拌後、反応を真空下で濃縮して、高真空上で8時間乾燥させ、ヌクレオシド18を提供し、これを何ら更に精製することなく使用した。
安息香酸無水物(0.65g、2.9mmol)をヌクレオシド18(上記のものから)のDMF(3mL)溶液に添加した。室温にて16時間撹拌後、反応をEtOAcに注ぎ、有機層を飽和NaHCO3、鹹水で抽出し、乾燥させて(Na2SO4)、真空下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO2、50%のEtOAc/ヘキサンで溶出する)による精製により、白色固体としてヌクレオシド19(1.2g、16から90%)を提供した。
C)ヌクレオシド(20)
トリエチルアミントリヒドロフルオライド(1.48mL、9.1mmol)を、THF(15mL)ポリプロピレンチューブ中のヌクレオシド19(1.86g、3.7mmol)及びトリエチルアミン(1.03mL、7.3mmol)の溶液に添加した。室温にて16時間撹拌後、反応を真空下で濃縮して、残渣をEtOAcに溶解して、有機層を連続して水、飽和NaHCO3、鹹水で洗浄し、乾燥させて(Na2SO4)、真空下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO2、5%のMeOH/CHCl3で溶出する)による精製により、白色固体としてヌクレオシド20(0.91g、90%)を提供した。1H NMR (MeOD) δ: 8.62 (d, 1H), 8.02 (d. 1H), 7.63 (m, 6H), 7.38 (m, 7H), 6.96 (d, 4H), 6.65 s, 1H), 4.49 (s, 1H), 4.36 (s, 1H), 4.25 (m, 1H), 3.53 (d, 1H), 3.41 (d, 1H), 1.18 (d, 3H)。
D)(1S,3R,4R,6R,7S)-7-[2-シアノエトキシ(ジイソプロピルアミノ)ホスフィノキシ]-1-(4,4'-ジメトキシトリチルオキシメチル)-3-(4-N-ベンゾイルシトシン-1-イル)-6-メチル-2,5-ジオキサ-ビシクロ-[2.2.1]ヘプタン(21)
2-シアノエチルテトライソプロピルホロジアミダイト(0.63mL、2.0mmol)を、DMF(6.6mL)中のヌクレオシド20(0.89g、1.3mmol)、テトラゾール(73mg、1.1mmol)及びN-メチルイミダゾール(26μL、0.33mmol)の溶液に添加した。室温にて8時間撹拌後、反応をEtOAcに注ぎ、有機層を90%の鹹水(鹹水)を乾燥させて(Na2SO4)、濃縮して洗浄した。残渣を極少量のEtOAcに溶解して、この溶液をヘキサンに添加した。生じる沈殿物を収集して、カラムクロマトグラフィー(SiO2、75%〜90%のEtOAc/ヘキサンで溶出する)によって更に精製し、白色固体(1.1g、95%)としてホスホルアミダイト21を提供した。31P NMR(CDCl3)δ:149.34,149.77。
(実施例3)
ウリジン-6-(S)-メチルBNAホスホルアミダイト、(1S,3R,4R,6S,7S)-7-[2-シアノエトキシ(ジイソプロピルアミノ)ホスフィンオキシ]-1-(4,4'-ジメトキシトリチルオキシメチル)-3-(ウラシル-1-イル)-6-メチル-2,5-ジオキサ-ビシクロ[2.2.1]ヘプタンの調製(38)
A)アルコール(22)
水素化ナトリウム(2.39g、59.8mmol)を、DMF(75mL)中の市販の1,2:5,6-ジ-O-イソプロピリデン-α-D-アロフラノース1(12.Og、46mmol)の冷却(0℃)溶液に慎重に添加した。20分間撹拌した後、ナフチルブロミド(11.12g、50.8mmol)を反応に添加して、撹拌を更に2時間続けた。反応を慎重にH20でクエンチして、次いでEtOAcに注ぎ、有機層を水、鹹水で洗浄し、乾燥させて、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO2、10%〜33%のEtOAc/ヘキサン)による精製により、白色固体(18.1g、98%)としてアルコール22を提供した。
B)ジオール(25)
アルコール22(18g、46mmol)を氷酢酸(150ml)及びH20(60ml)に溶解した。反応を室温にて16時間撹拌し、その後これを真空下で濃縮した。次いで、残渣をEtOAcに溶解して、有機層を飽和NaHCO3、鹹水で洗浄して、乾燥させて、濃縮し、粗製23を提供し、これをこれ以上精製することなく使用した。
過ヨウ素酸ナトリウム(48mmol、10g)の水溶液(350mL)を、1,4-ジオキサン(140mL)中の、上記で得た粗製ジオール23の溶液に添加した。室温にて90分間攪拌後で、反応をEtOAcで抽出して、有機層を水、鹹水で更に洗浄して、乾燥させて(Na2SO4)、濃縮してアルデヒド24を提供し、これをこれ以上精製することなく使用した。
上記のものからの粗製アルデヒド24をTHF:H20(1:1、100mL)の混合物に溶解して、反応を氷浴中で冷却した。ホルムアルデヒド(25mL、35%w/w)及び1N NaOH(100mL)を反応に添加した。室温にて16時間撹拌した後、ホルムアルデヒド(5mL)を反応に添加して、撹拌を更に32時間続けた。次いで、反応を乾燥まで濃縮して、残渣をEtOAcと水との間で分けた。層を分離して、有機層をさらなる1N NaOH、水、鹹水で洗浄し、乾燥させて、濃縮し、白色固体としてジオール25(12.96g、80%、3工程)を提供した。
C)アルコール(26)
tert-ブチルジフェニルシリルクロライド(0.75ml、2.9mmol)をジオール25(1g、2.8mmol)及びトリエチルアミン(0.45ml、3.2mmol)の冷却(0℃)溶液に添加した。室温にて16時間撹拌後、反応を、EtOAcに注ぎ、5% HCl、飽和NaHCO3、鹹水で連続して洗浄し、乾燥させて(Na2SO4)、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO2、10%〜40%のEtOAc/ヘキサンで溶出する)による精製により、油(0.42gの位置異性体のシリル保護されたジオールも単離された)としてアルコール26(1.02g、61%)を提供した。
D)アルコール(28)
ジメチルスルホキシド(1.6mL、22.4mmol)を、CH2Cl2(70mL)中の塩化オキサリル(0.98mL、11.2mmol)の冷却(-78℃)溶液に滴下した。30分間撹拌した後、アルコール26(4.8g、8.0mmol)のCH2Cl2(20mL)溶液を反応に添加した。撹拌を-78℃にて45分間続けて、トリエチルアミン(4.72mL、33.7mmol)を反応に添加した。反応を-78℃にて15分間撹拌し、氷浴を除去して、反応を45分にわたって段階的に暖めた。次いで、反応をCH2Cl2に注ぎ、有機相を5%の水溶液HCl、飽和NaHCO3、鹹水で連続して洗浄し、乾燥させて(Na2SO4)、真空下で濃縮して、アルデヒド27を提供し、これをこれ以上精製することなく使用した。
塩化セリウムIII(2.96g、12.0mmol)のTHF(50mL)中の懸濁液を室温にて90分間撹拌した。反応を氷浴中で冷却して、メチル臭化マグネシウム(8.6mL、1.4MのTHF(12mmol)溶液)を5分にわたって添加して、撹拌を更に90分間続け、その後反応を-78℃に冷却した。粗製アルデヒド27(上記のものから)のTHF(20mL)溶液を反応に添加した。更に90分間撹拌した後、反応を飽和NH4Cl溶液でクエンチして、EtOAcに注いだ。有機層を5% HCl水溶液、飽和NaHCO3、鹹水で連続して洗浄し、乾燥させて(Na2SO4)、真空下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO2、20%のEtOAc/ヘキサンで溶出する)による精製により、アルコール28(4.37g、26からの89%)を提供した。
E)ジアセタート(32)
ジメチルスルホキシド(1.41mL、19.9mmol)を、CH2Cl2(70mL)中の塩化オキサリル(0.87mL、10.0mmol)の冷却(-78℃)溶液に滴下した。30分間撹拌した後、アルコール28(4.35g、7.1mmol)のCH2Cl2(20mL)溶液を反応に添加した。撹拌を-78℃にて45分間続けて、トリエチルアミン(4.20mL、30.0mmol)を反応に添加した。反応を-78℃にて15分間撹拌し、氷浴を除去して、反応を45分にわたって段階的に暖めた。次いで、反応をCH2Cl2に注ぎ、有機相を5% HCl水溶液、飽和NaHCO3、鹹水で連続して洗浄し、乾燥させて(Na2SO4)、真空下で濃縮して、ケトン29を提供し、これをこれ以上精製することなく使用した。
水素化ジイソブチルアルミニウム(13.7mL、1MのCH2Cl2(13.7mmol)溶液)を、CH2Cl2(15mL)中のケトン29(上記のものから)の冷却溶液に添加した。-78℃にて2時間撹拌した後、反応を飽和NH4Clの添加によってクエンチして、CHCl3に注いだ。次いで、有機層を5% HCl水溶液、飽和NaHCO3、鹹水で連続して洗浄し、乾燥させて(Na2SO4)、真空下で濃縮し、アルコール30を提供して、これをこれ以上精製することなく使用した。
メタンスルホニルクロライド(0.11mL、1.4mmol)を、CH2Cl2(21mL)中のアルコール30(上記のものから)(トリエチルアミン(1.77mL、10.5mmol)及び4-ジメチルアミノピリジン(85mg、0.7mmol))の冷却(0℃)溶液に添加した。室温にて1時間撹拌後、反応をCHCl3に注ぎ、有機層を5%の水溶液HC1、飽和NaHCO3、鹹水で連続して洗浄し、乾燥させて(Na2SO4)、真空下で濃縮して、メシラート31を提供し、これを任意の精製することなく使用した。
濃縮H2SO4(2滴)を氷酢酸(15mL)及びメシラート31(上記のものから)の無水酢酸(3.0mL)溶液に添加した。室温にて1時間撹拌後、反応をEtOAcに注ぎ、有機層を水、飽和NaHCO3、鹹水で洗浄し、乾燥させて(Na2SO4)、真空下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO2、20%〜33%のEtOAc/ヘキサンで溶出する)による精製により、ジアセタート32(3.0g、28からの58%)を提供した。
F)ヌクレオシド(34)
N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(3.45mL、14.0mmol)を、CH3CN(20mL)中のジアセタート32(3.0g、4.1mmol)及びウラシル(0.57g、5.1mmol)の懸濁液に添加した。透明溶液を得るために15分間40℃にて加熱後、トリメチルシリルトリフラート(0.95mL、5.3mmol)を反応に添加した。2時間還流した後、反応を室温に冷却して、EtOAcに注いだ。有機層を飽和NaHCO3、鹹水で洗浄して、乾燥させて(Na2SO4)、真空下で濃縮し、粗製ヌクレオシド33を提供し、これを何ら精製することなく使用した。
K2CO3(1.66g、12.0mmol)をヌクレオシド33(上記のものから)のMeOH(40mL)溶液に添加した。室温にて16時間撹拌後、反応を真空下で濃縮して、残渣を25%のピリジン/EtOAcに溶解して、鹹水で抽出し、乾燥させて(Na2SO4)、真空下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO2、40%のEtOAc/ヘキサンで溶出する)による精製により、白色固体としてヌクレオシド34(2.0g、32からの76%)を提供した。
G)ヌクレオシド(35)
2,3-ジクロロ-5,6ジシアノ-1,4-ベンゾキノン(DDQ)(1.4g、6.2mmol)をジクロロメタン(30mL)及びヌクレオシド34(2.0g、3.1mmol)のH20(1.5mL)溶液に添加した。室温にて3時間撹拌した後、さらなるDDQ(0.5g)を反応に添加した。更に10分間撹拌した後に、反応を真空下で濃縮して、残渣をEtOAcに溶解した。次いで、有機層を水、水:飽和NaHCO3(1:1)、鹹水で連続して洗浄し、乾燥させて(Na2SO4)、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO2、80%のEtOAc/ヘキサン)による精製により、白色固体としてヌクレオシド35(1.25g、80%)を提供した。
H)ヌクレオシド(36)
トリエチルアミントリヒドロフロライド(2.4mL、14.7mmol)をポリプロピレンチューブにおいてヌクレオシド35(1.25g、2.5mmol)及びトリエチルアミン(1.0mL、7.4mmol)のTHF(25mL)溶液に添加した。室温にて24時間撹拌した後、反応を真空下で濃縮して、残渣をEtOAcに溶解した。次いで、有機層を水、飽和NaHCO3、鹹水で洗浄し、乾燥させて(Na2SO4)、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO2、5%〜10%のMeOH/CHCl3で溶出する)による精製により、白色固体としてヌクレオシド36(0.88g)を提供した(ET3Nとの混入生成物)。
I)ヌクレオシド(37)
ジメトキシトリチルクロライド(0.91g、2.7mmol)をヌクレオシド36(上記のものから)のピリジン(12mL)溶液に添加した。室温にて16時間撹拌した後、反応をEtOAcに注ぎ、有機層を鹹水で洗浄し、乾燥させて、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO2、90%のEtOAc/ヘキサンで溶出する)による精製により、白色固体としてヌクレオシド37(1.28g、36からの86%)を提供した。
J)(1S,3R,4R,6S,7S)-7-[2-シアノエトキシ(ジイソプロピルアミノ)ホスフィンオキシ]-1-(4,4'-ジメトキシトリチルオキシメチル)-3-(ウラシル-1-イル)-6-メチル-2,5-ジオキサ-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン(38)
2-シアノエチル テトライソプロピルホロジアミダイト(0.46mL、1.5mmol)をヌクレオシド37(0.59g、1.0mmol)、テトラゾール(57mg、0.82mmol)及びN-メチルイミダゾール(20μL、0.25mmol)のDMF(5mL)溶液に添加した。室温にて8時間撹拌後、反応をEtOAcに注ぎ、有機層を90%鹹水、鹹水で洗浄し、乾燥させて(Na2SO4)、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO2、66%〜75% EtOAc/ヘキサンで溶出する)による精製により、白色固体(0.75g、97%)として、ホスホルアミダイト38を提供した。31P NMR(CDCl3)δ:149.36, 149.53。
(実施例4)
N-Bz-シトシン-6-(S)-メチルBNAホスホルアミダイトの調製、2.2(1S,3R,4R,6S,7S)-7-[2-シアノエトキシ(ジイソプロピルアミノ)ホスフィンオキシ]-1-(4,4'-ジメトキシトリチルオキシメチル)-3-(4-N-ベンゾイルシトシン-1-イル)-6-メチル-2,5-ジオキサ-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン(44)の調製
A)ヌクレオシド(39)
tert-ブチルジメチルシリルクロライド(0.45g、3.0mmol)をヌクレオシド(0.59g、1.0mmol)及びイミダゾール(0.41g、6.0mmol)のDMF(2mL)溶液に添加した。室温にて16時間撹拌後、反応をEtOAcに注ぎ、有機相を鹹水で連続して抽出し、乾燥させて(Na2SO4)、真空下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO2、50% EtOAc/ヘキサンで溶出する)による精製により、白色固体としてヌクレオシド(39)(0.68g、97%)を提供した。
B)ヌクレオシド(42)
オキシ塩化リン(0.74mL、8.0mmol)を、CH3CN(16mL)中の1,2,4-トリアゾール(2.35g、34.0mmol)の冷却(0℃)懸濁液に添加した。15分間撹拌した後、トリエチルアミン(5.6mL、40mmol)を反応に添加して、撹拌を30分間続けた。ヌクレオシド39(0.68g、1.0mmol)のCH3CN(7mL)溶液を0℃にて反応に添加した。10分間撹拌した後、氷浴は除去して、反応を室温にて4時間撹拌した。次いで、溶媒を真空下で除去して、残渣をEtOAcと水との間で分けた。次いで、有機層を飽和NaHCO3、鹹水で洗浄し、乾燥させて(Na2SO4)、真空下で濃縮し、粗製40を提供し、これをこれ以上精製することなく使用した。
アンモニア水(2.5mL)をヌクレオシド40(上記のものから)のジオキサン(12mL)溶液に添加した。室温にて16時間撹拌後、反応を真空下で濃縮して、8時間高真空上で乾燥させ、ヌクレオシド41を提供し、これを何らさらなる精製することなく使用した。
安息香酸無水物(0.38g、1.7mmol)をヌクレオシド41(上記のものから)のDMF(2mL)溶液に添加した。室温にて16時間撹拌後、反応をEtOAcに注ぎ、有機層を飽和NaHCO3、鹹水で抽出し、乾燥させて(Na2SO4)、真空下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO2、50%のEtOAc/ヘキサンで溶出する)による精製により、白色固体としてヌクレオシド42(0.72g、39からの91%)を提供した。
C)ヌクレオシド(43)
トリエチルアミントリハイドロフルオライド(0.89mL、5.5mmol)をヌクレオシド42(0.72g、0.91mmol)及びトリエチルアミン(0.30mL、2.2mmol)のTHF(9mL)ポリプロピレンチューブ溶液に添加した。室温にて16時間撹拌後、反応を真空下で濃縮して、残渣をEtOAcに溶解して、有機層を連続して水、飽和NaHCO3、鹹水で洗浄し、乾燥させて(Na2SO4)、真空下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO2、25%〜40%のアセトン/CHCl3で溶出する)による精製により、白色固体としてヌクレオシド43(0.53g、87%)を提供した。1H NMR (CDCl3): δ8.34 (s, br, 1H), 8.33 (d, 1H), 7.83 (d, 1H), 7.57-7.26 (m, 16H), 6.89 (d, 4H), 5.72 (s, 1H), 4.75 (s, 1H), 4.22 (s, 1H), 4,14 (m, 1H), 3.83 (s, 6H), 3.63 (d, 1H), 3.46 (s, 1H), 1.20 (d, 3H)。
D)(1S,3R,4R,6S,7S)-7-[2-シアノエトキシ(ジイソプロピルアミノ)ホスフィンオキシ]-1-(4,4'-ジメトキシトリチルオキシメチル)-3-(4-N-ベンゾイルシトシン-1-イル)-6-メチル-2,5-ジオキサ-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン(44)
2-シアノエチル テトライソプロピルホロジアミダイト(0.37mL、1.2mmol)をヌクレオシド43(0.89g、1.3mmol)、テトラゾール(43mg、0.63mmol)及びN-メチルイミダゾール(16μL、0.20mmol)のDMF(4mL)溶液に添加した。室温にて8時間撹拌後、反応をEtOAcに注いで、有機層を90%鹹水、鹹水で洗浄し、乾燥させて(Na2SO4)、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO2、75%〜90% EtOAc/ヘキサンで溶出する)による精製により、白色固体(0.61g、90%)として、ホスホルアミダイト44を提供した。
(実施例5)
(1S,3R,4R,6S,7S)-7-[2-シアノエトキシ(ジイソプロピルアミノ)ホスフィンオキシ]-1-(4,4'-ジメトキシトリチルオキシメチル)-3-(6-ベンゾイルアデニン-9-イル)-6-メチル-2,5-ジオキサ-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン(51)
A)ヌクレオシド(46)
N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(1.1mL、4.50mmol)をジアセタート32(1.0g、1.4mmol)及びにおける6-N-ベンゾイルアデニン(0.48g、2.0mmol)のジクロロエタン(14mL)中の懸濁液に添加した。反応混合物は、45分の還流後に透明になり、氷浴中で冷却して、トリメチルシリルトリフラート(0.49mL、2.7mmol)を添加した。8時間還流後、反応を室温に冷却して、EtOAcに注いだ。次いで、有機層を乾燥させ(Na2SO4)、飽和NaHCO3及び鹹水で洗浄して、真空下で濃縮して、粗製ヌクレオシド45を提供し、これを精製することなく使用した。
K2CO3(0.38g、2.7mmol)をヌクレオシド45(上記のものから)のMeOH(14mL)溶液に添加した。室温にて24時間撹拌後、反応を真空下で濃縮した。残渣をEtOAcに懸濁し、次いで水及び鹹水で抽出し、乾燥させて(Na2SO4)、真空下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO2、1〜2.5%のMeOH/CHCl3で溶出する)による精製により、白色固体(0.69g、32からの73%)として、ヌクレオシド46を提供した。
B)ヌクレオシド47
ヌクレオシド47は、ヌクレオシド46から、乾燥DMF中で安息香酸無水物(1.5〜2当量)との反応によって製造される。
C)ホスホルアミダイト51
ホスホルアミダイト51は、ヌクレオシド34からホスホルアミダイト38について実施例3で例証した手順を使用して、ヌクレオシド47から製造される。
(実施例6)
(1S,3R,4R,6R,7S)-7-[2-シアノエトキシ(ジイソプロピルアミノ)ホスフィンオキシ]-1-(4,4'-ジメトキシトリチルオキシメチル)-3-(6-N-ベンゾイルアデニン-9-イル)-6-メチル-2,5-ジオキサ-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン(60)
A)ジアセタート(52)
メタンスルホニルクロライド(1.33mL、16.8mmol)をアルコール28(7.37g、12.0mmol)、トリエチルアミン(2.82mL、20.2mmol)及びDMAP(0.20g、1.1mmol))のジクロロメタン(25mL)中の冷却(0℃)溶液に滴下した。室温にて2時間撹拌後、反応をジクロロメタンで希釈して、有機層を5%のHCl、飽和炭酸水素ナトリウム溶液、鹹水で洗浄し、乾燥させて(Na2SO4)、濃縮した。こうして得られた粗製メシラート52を更に精製することなく使用した。
B)ジアセタート(53)
濃硫酸(10滴)を無水酢酸(7.2mL)及びメシラート52(上記のものから)の酢酸(36mL)溶液に添加した。室温にて2時間撹拌後、反応を高真空下で濃縮した。残渣を酢酸エチルに溶解して、有機層を水、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(pH >8まで)及び鹹水で慎重に洗浄し、次いで乾燥させて(Na2SO4)、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、25〜35%のEtOAc/ヘキサンで溶出する)によって精製し、粘稠性の油としてジアセタート53(7.66g、28から87%)を提供した。
C)ホスホルアミダイト(60)
ホスホルアミダイト60は、ジアセタート32からホスホルアミダイト51について実施例3において図示した手順を使用して、ジアセタート53から製造される。
(実施例7)
(1S,3R,4R,6S,7S)-7-[2-シアノエトキシ(ジイソプロピルアミノ)ホスフィンオキシ]-1-(4,4'-ジメトキシトリチルオキシメチル)-3-(2-N-イソブチリルグアニン-9-イル)-6-メチル-2,5-ジオキサ-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン(67)
A)ヌクレオシド(61)
N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(3.8mL、15.5mmol)をジアセタート32(3.44g、4.7mmol)及び2-アミノ-6-クロロプリン(1.18g、7.0mmol)のジクロロエタン(46mL)中の懸濁液に添加した。45分を還流後に透明溶液を得て、反応を氷浴中で冷却して、トリメチルシリルトリフラート(1.69mL、9.4mmol)を添加した。8時間還流後、反応を室温に冷却して、クロロホルムに注いだ。有機層を飽和NaHCO3及び鹹水で洗浄して、次いで乾燥させて(Na2SO4)、真空下で濃縮して、粗製ヌクレオシド61を提供し、これを精製することなく使用した。
B)ヌクレオシド(62)
3-ヒドロキシプロピオニトリル(1.67mL、24.5mmol)を水素化ナトリウム(1.07g、27.0mmol、60%w/w)の乾燥THF(10mL)中の撹拌懸濁液に滴下した。20分間撹拌した後、粗製ヌクレオシド61(上記のものから)の乾燥THF(25mL)溶液を添加した。攪拌を室温にて5時間続け、その後に飽和塩化アンモニウム溶液の添加によって反応を慎重にクエンチした。反応を酢酸エチルに注ぎ、有機層を鹹水で抽出し、乾燥させて(Na2SO4)、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO2、2.5%のMeOH/CHCl3にCHCl3で溶出する)による残渣の精製により、薄茶色の固体としてヌクレオシド62(3.18g、32から82%)を提供した。
C)ヌクレオシド(63)
イソ酪酸無水物(1.5mL、9.3mmol)をヌクレオシド62(3.19g、4.6mmol)及び4-ジメチルアミノメチルピリジン(0.11g、0.93mmol)のDMF(27mL)溶液に添加した。60℃にて14時間撹拌後、イソ酪酸無水物(1.5mL、9.3mmol)のさらなる量を反応に添加して、攪拌を更に60℃にて12時間続けた。反応を室温に冷却し、EtOAcで希釈して、有機層を水、飽和炭酸水素ナトリウム溶液、鹹水で洗浄して、乾燥させて(Na2SO4)、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO2、5%〜10%のアセトン/CHCl3)による精製により、黄色がかった泡としてヌクレオシド63(2.5g、71%)を提供した。
D)ヌクレオシド(64)
DDQ(1.12g、5.0mmol)をジクロロメタン(33mL)及びヌクレオシド63(2.5g、3.3mmol)のH20(1.7mL)溶液に添加した。室温で2時間撹拌後、さらなるDDQ(1.0g)を添加した。攪拌を室温で更に6時間続け、その後に、反応を冷蔵庫(4℃)において16時間貯蔵した。次いで、反応を真空下で濃縮して、残渣を酢酸エチルに溶解した。有機層を水、10%亜硫酸水素ナトリウム溶液(2×)、飽和炭酸水素ナトリウム溶液及び鹹水で洗浄し、次いで乾燥させて(Na2SO4)、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO2、5%のMeOH/CHCl3で溶出する)による精製により、ヌクレオシド64(1.84g、91%)を提供した。
E)ヌクレオシド(65)
トリエチルアミントリヒドロフルオライド(2.88mL、17.9mmol)をポリプロピレンチューブにおいてヌクレオシド64(1.84g、3.0mmol)及びトリエチルアミン(1.25mL、8.9mmol)のTHF(30mL)溶液に添加した。室温にて24時間撹拌後、反応を真空下で濃縮して、残渣をEtOAcに溶解した。次いで、有機層を水、飽和NaHCO3及び鹹水で洗浄し、次いで乾燥させて(Na2SO4)、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO2、5%〜10%のMeOH/CHCl3で溶出する)による精製により、白色固体としてヌクレオシド65(1.05g、97%)を提供した。
F)ヌクレオシド(66)
ジメトキシトリチルクロライド(1.07g、3.2mmol)をヌクレオシド65(1.00g、2.7mmol)のピリジン(13mL)溶液に添加した。室温にて16時間撹拌後、反応をEtOAcに注ぎ、有機層を鹹水で洗浄し、乾燥させて、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO2、2.5〜5%のMeOH/CHCl3で溶出する)による精製により、白い泡としてヌクレオシド66(1.52g、85%)を提供した。
G)(1S,3R,4R,6S,7S)-7-[2-シアノエトキシ(ジイソプロピルアミノ)ホスフィンオキシ]-1-(4,4'-ジメトキシトリチルオキシメチル)-3-(2-N-イソブチリルグアニン-9-イル)-6-メチル-2,5-ジオキサ-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン(67)
2-シアノエチルテトライソプロピルホスホロジアミダイト(1.06mL、3.4mmol)をヌクレオシド66(1.52g、2.2mmol)、テトラゾール(0.12g、1.7mmol)及びN-メチルイミダゾール(45μL、0.56mmol)のDMF(11mL)溶液に添加した。室温にて8時間撹拌後、反応をEtOAcに注ぎ、有機層を90%鹹水、鹹水で洗浄し、乾燥させて(Na2SO4)、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO2、2.5%のMeOH/CHCl3で溶出する)による精製により、白色固体(1.65g、84%)として、ホスホルアミダイト67を提供した。31P NMR(CDCl3)δ:148.70,145.81。
(実施例8)
(1S,3R,4R,6R,7S)-7-[2-シアノエトキシ(ジイソプロピルアミノ)ホスフィンオキシ]-1-(4,4'-ジメトキシトリチルオキシメチル)-3-(2-N-イソブチリルグアニン-9-イル)-6-メチル-2,5-ジオキサ-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン(74)
ホスホルアミダイト74は、ジアセタート32からホスホルアミダイト67について例証したのと同じ手順を使用して、ジアセタート53から製造される。
(実施例9)
(1S,3R,4R,6R,7S)-7-[2-シアノエトキシ(ジイソプロピルアミノ)ホスフィンオキシ]-1-(4,4'-ジメトキシトリチルオキシメチル)-3-(ウラシル-1-イル)-6-メトキシメチル-2,5-ジオキサ-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン(83)
A)アルコール(75a-b)
ジメチルスルホキシド(3.5mL、50.0mmol)を-78℃にて塩化オキサリル(2.2mL、25.0mmol)のジクロロメタン(130mL)溶液に添加した。30分撹拌後、アルコール26(10.0g、16.7mmol)のジクロロメタン(30mL)溶液を10分にわたって反応に添加した。更に45分間撹拌した後、トリエチルアミン(10.5mL、75.0mmol)を反応にゆっくり添加した。添加完了後、氷浴を除去して、反応を0℃までを段階的に暖め(およそ1時間)、分液漏斗へ移した。有機層を、5%のHCl、飽和重炭酸ナトリウムの溶液及び鹹水で連続して洗浄し、次いで乾燥させて(Na2SO4)、濃縮し、アルデヒド27を提供して、これを高真空(18時間)下で乾燥させて、更に精製することなく使用した。
マグネシウム旋削くず(2.5g、102.8mmol)及び塩化水銀(II)(93mg、0.34mmol)の混合物を乾燥THF(5mL)で覆って、反応を-20℃に冷却した。数滴の純粋なメトキシメチルブロミドを添加して反応を開始させた。数分間待った後、メトキシメチルブロミド(9.33mL、102.8mmol)のTHF(12mL)溶液を、およそ3時間にわたって反応に添加した(注射器を経て1mL/10分)。外部浴温度は、添加の間に、非常に慎重に-20〜-25℃の間に維持した。少量の乾燥THF(5mL)を断続的に(3時間にわたって)反応に添加し、撹拌を促進させた。ブロミドの添加完了後、反応を-25℃にて100分間撹拌して、粗製アルデヒド(27)のTHF(30mL)溶液を添加した。-20℃にて45分間撹拌した後、開始アルデヒド27は、TLCによって検出されなかった。反応を飽和塩化アンモニウムの溶液で慎重にクエンチして、酢酸エチルで希釈した。有機層を5%のHCl、炭酸水素ナトリウムの飽和溶液及び鹹水で洗浄して、次いで乾燥させて(Na2SO4)、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO2、25〜30%のEtOAc/ヘキサンで溶出する)による精製により、アルコール75a-b(定量的)を混合物(ca 1:1の異性体)として提供した。
B)メシラート(76a-b)
メタンスルホニルクロライド(2.3mL、29.2mmol)を、トリエチルアミン(5.3mL、37.9mmol)及びDMAP(0.36g、2.9mmol)のジクロロメタン(42mL)溶液に溶解したアルコール75a-b(13.38g、20.8mmol)の冷却(0℃)溶液に添加した。2時間の撹拌後、さらなるメタンスルホニルクロライド(0.5mL)を添加した。撹拌を1時間続けて、反応をクロロホルムで希釈した。有機層を5%のHCl、炭酸水素ナトリウム及び鹹水の飽和溶液で連続して洗浄して、次いで乾燥させて(Na2SO4)、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO2、20%のEtOAc/ヘキサンで溶出する)による精製により、粘稠性の油として、メシラート76a-b(12.8g、85%)を提供する。
C)ジアセテート(77a-b)
濃硫酸(6滴)をメシラート76a-b(12.8g、17.8mmol)、酢酸(50mL)及び無水酢酸(10mL)の溶液に添加した。室温で3時間撹拌後、反応をLCMSによって完了であると判断して、大部分の溶媒を高真空下で蒸発させた。濃縮された混合物を酢酸エチルで希釈して、有機層を水、炭酸水素ナトリウムの飽和溶液(pH >10まで)及び鹹水で洗浄して、次いで乾燥させて(Na2SO4)、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO2、20%のEtOAc/ヘキサンで溶出する)による精製により、粘稠性の油としてジアセタート77a-b(11.44g、84%)のアノマー混合物を提供した。
D)ヌクレオシド(79a-b)
N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(14.76mL、59.9mmol)をジアセタート77a-b(11.44g、15.0mmol)及びウラシル(3.35g、29.9mmolのCH3CN(75mL)中の懸濁液)に添加した。40℃にて15分間加熱して、透明溶液を得た後、反応を氷浴中で冷却して、トリメチルシリルトリフレート(4.06mL、22.5mmol)を添加した。2時間還流後、反応を室温に冷却して、EtOAcに注いだ。有機層を半分の飽和炭酸水素ナトリウム溶液及び鹹水で洗浄して、次いで乾燥させて(Na2SO4)、真空下で濃縮して、粗製ヌクレオシド78a-bを提供し、これを精製することなく使用した。
炭酸カリウム(5.30g、38.4mmol)をヌクレオシド78a-b(上記のものから)のメタノール(130mL)溶液に添加した。室温にて16時間撹拌後、反応を真空下で濃縮した。残渣を酢酸エチルに溶解し、水及び鹹水で抽出し、次いで乾燥させて(Na2SO4)、真空下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO2、5〜7.5%のアセトン/クロロホルムで溶出する)による精製により、白色固体としてヌクレオシド79a-b(9.0g、77a-bから89%)を提供した。
E)ヌクレオシド(80a及び80b)
DDQ(20.0mmol、4.5g)を、ジクロロメタン(130mL)及び水(6.5mL)中のヌクレオシド79a-b(9.0g、13.3mmol)の溶液に添加した。二相性の反応を室温にて2時間撹拌し、その後にさらなるDDQ(2.75g)を反応に添加した。更に2時間後、さらなるDDQ(1.1g)を反応に添加して、撹拌を更に4時間続け、反応を冷蔵庫に16時間貯蔵した。翌朝、LCMSにより、微量のヌクレオシド79a-bを示したので、さらなるDDQ(0.9g)を反応に添加して、撹拌を、TLC及びLCMSによってさらなるヌクレオシド79a-bが検出されない時点の2時間続けた。溶媒を真空下で蒸発させて、残渣を酢酸エチルと水との間で分けた。有機層を亜硫酸水素ナトリウム溶液(2×)、飽和炭酸水素ナトリウム溶液及び鹹水で洗浄し、次いで乾燥させて(Na2SO4)、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO2、10〜20%のアセトン/クロロホルムを溶出させる))による精製により、ヌクレオシド80a(よりゆっくり移動するスポット)及び80b(より速く移動するスポット)をそれぞれ(合わせて7.0g収率、98%)提供した。
F)ヌクレオシド(81)
トリエチルアミントリヒドロフルオライド(12.2mL、74.8mmol)をヌクレオシド80a(6.7g、12.5mmol)及びトリエチルアミン(5.2mL、37.4mmol)のTHF(120mL)溶液に添加した。16時間室温にて撹拌後、反応を真空下で乾燥まで濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、7.5%〜12.5%のMeOH/CHCl3で溶出する)によって精製して、ヌクレオシド81(トリエチルアミン. ヒドロフルオライド塩との混入物、収量>100%)を提供し、これを更に精製することなく使用した。
G)ヌクレオシド(82)
4,4'-ジメトキシトリチルクロライド(DMTCl、4.8g、14.3mmol)をヌクレオシド81(〜12.5mmol)のピリジン(75mL)溶液に添加した。室温で16時間撹拌した後、さらなるDMTCl(2.4g)を反応に添加した。更に4時間撹拌後、MeOH(10mL)を添加した。30分間攪拌後、反応を酢酸エチルで希釈して、有機層を水及び鹹水で洗浄し、次いで乾燥させて(Na2SO4)、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO2、60〜75%のEtOAc/ヘキサン)による精製により、白い泡としてヌクレオシド82(6.73g、90%)を提供した。
H)(1S,3R,4R,6R,7S)-7-[2-シアノエトキシ(ジイソプロピルアミノ)ホスフィンオキシ]-1-(4,4'-ジメトキシトリチルオキシメチル)-3-(ウラシル-1-イル)-6-メトキシメチル-2,5-ジオキサ-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン(83)
2-シアノエチルテトライソプロピルホスホロジアミダイト(1.58mL、5.0mmol)をヌクレオシド82(2.0g、3.3mmol)、テトラゾール(0.19g、2.6mmol)及びN-メチルイミダゾール(68μL、0.83mmol)のDMF(16mL)溶液に添加した。室温にて8時間撹拌後、反応をEtOAcに注ぎ、有機層を90%鹹水、続いて鹹水で洗浄し、次いで乾燥させて(Na2SO4)、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO2、66%〜75% EtOAc/ヘキサンで溶出する)による精製により、白色固体(2.54g、96%)として、ホスホルアミダイト83を提供した。31P NMR(CDCl3)δ:149.78,149.44。
(実施例10)
(1S,3R,4R,6S,7S)-7-[2-シアノエトキシ(ジイソプロピルアミノ)ホスフィンオキシ]-1-(4,4'-ジメトキシトリチルオキシメチル)-3-(ウラシル-1-イル)-6-メトキシメチル-2,5-ジオキサ-ビシクロ-[2.2.1]ヘプタン(86)
A)ヌクレオシド(84)
トリエチルアミン. トリヒドロフルオライド(11.6mL、71.5mmol)をヌクレオシド80b(6.43g、12.0mmol)及びトリエチルアミン(5.0mL、35.7mmol)のTHF(125mL)溶液に添加した。室温にて16時間撹拌後、反応を真空下で乾燥に濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、7.5%〜12.5%のMeOH/CHCl3で溶出する)によって精製して、ヌクレオシド84(トリエチルアミン.ヒドロフルオライド塩との混入物、収量>100%)を提供し、これを更に精製することなく使用した。
B)ヌクレオシド(85)
4,4'-ジメトキシトリチルクロライド(DMTCl、4.6g、13.8mmol)をヌクレオシド84(〜12.0mmol)のピリジン(72mL)溶液に添加した。室温で、16時間撹拌後、さらなるDMTCl(2.3g)を反応に添加した。更に4時間撹拌後、MeOH(10mL)を添加した。30分間攪拌後、反応を酢酸エチルで希釈して、有機層を水及び鹹水で洗浄し、次いで乾燥させて(Na2SO4)、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO2、60〜75%のEtOAc/ヘキサン)による精製により、白い泡としてヌクレオシド85(6.52g、91%)を提供した。
C)(1S,3R,4R,6S,7S)-7-[2-シアノエトキシ(ジイソプロピルアミノ)ホスフィンオキシ]-1-(4,4'-ジメトキシトリチルオキシメチル)-3-(ウラシル-1-イル)-6-メトキシメチル-2,5-ジオキサ-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン(86)
2-シアノエチルテトライソプロピルホスホロジアミダイト(1.58mL、5.0mmol)をヌクレオシド85(2.0g、3.3mmol)、テトラゾール(0.19g、2.7mmol)及びN-メチルイミダゾール(68μL、0.83mmol)のDMF(17mL)溶液に添加した。室温にて8時間撹拌後、反応をEtOAcに注ぎ、有機層を90%鹹水、次いで鹹水で洗浄して、乾燥させて(Na2SO4)、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO2、66%〜75% EtOAc/ヘキサンで溶出する)による精製により、白色固体(2.55g、96%)として、ホスホルアミダイト86を提供した。31P NMR(CDCl3)δ:149.97, 149.78。
(実施例11)
(1S,3R,4R,6R,7S)-7-[2-シアノエトキシ(ジイソプロピルアミノ)ホスフィンオキシ]-1-(4,4'-ジメトキシトリチルオキシメチル)-3-(4-N-ベンゾイルシトシン-1-イル)-6-メトキシメチル-2,5-ジオキサ-ビシクロ[2.2.1|ヘプタン(92)
(A)ヌクレオシド(87)
tert-ブチルジメチルシリルクロライド(2.40g、15.9mmol)をヌクレオシド82(3.20g、5.3mmol)及びイミダゾール(2.16g、31.8mmol)のDMF(10.6ml)に溶液に添加した。室温にて16時間撹拌後、反応をEtOAcに注ぎ、有機相を、鹹水で連続して抽出し、乾燥させて(Na2SO4)、真空下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO2、50%のEtOAc/ヘキサンで溶出する)による精製により、白色固体としてヌクレオシド87(3.70g、98%)を提供した。
B)ヌクレオシド(90)
オキシ塩化リン(3.86mL、41.4mmol)を、CH3CN(80mL)中の1,2,4-トリアゾール(12.15g、176.1mmol)の冷却(0℃)懸濁液に添加した。15分間撹拌後、トリエチルアミン(29.0mL、207.2mmol)を添加して、撹拌を30分続けた。ヌクレオシド87(3.70g、5.2mmol)のCH3CN(20mL)溶液を、0℃にて反応混合物に添加した。10分間撹拌後、氷浴を除去して、反応を室温で4時間撹拌した。溶媒を真空下で除去して、残渣をEtOAcと水との間で分けた。次いで、有機層を飽和NaHCO3及び鹹水で洗浄して、次いで乾燥させて(Na2SO4)、真空下で濃縮し、粗製88を提供し、これを更に精製することなく使用した。
アンモニア水(10mL)をヌクレオシド88(上記のものから)のジオキサン(50mL)溶液に添加した。室温にて16時間撹拌後、反応を真空下で濃縮して、8時間高真空上で乾燥させ、ヌクレオシド89を提供し、これをさらなる精製することなく使用した。
安息香酸無水物(1.99g、8.8mmol)をヌクレオシド89(上記のものから)のDMF(10mL)溶液に添加した。室温にて16時間撹拌後、反応をEtOAcに注ぎ、有機層をNaHCO3及び鹹水で抽出し、次いで飽和を乾燥させて(Na2SO4)、真空下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO2、50%のEtOAc/ヘキサンで溶出する)による精製により、白色固体としてヌクレオシド90(3.86g、87からの91%)を提供した。
C)ヌクレオシド(91)
トリエチルアミントリヒドロフルオライド(4.54mL、27.9mmol)をヌクレオシド90(3.81g、4.7mmol)及びトリエチルアミン(1.56mL、11.2mmol)のTHF(46mL)ポリプロピレンチューブ溶液に添加した。室温にて16時間撹拌後、反応を真空下で乾燥させ、残渣をEtOAcに溶解した。有機層を水、飽和NaHCO3及び鹹水で連続して洗浄し、次いで乾燥させて(Na2SO4)、真空下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO2、5%のMeOH/CHCl3で溶出する)による精製により、白色固体としてヌクレオシド91(3.07g、94%)を提供した。
D)(1S,3R,4R,6R,7S)-7-[2-シアノエトキシ(ジイソプロピルアミノ)ホスフィンオキシ]-1-(4,4'-ジメトキシトリチルオキシメチル)-3-(4-N-ベンゾイルシトシン-1-イル)-6-メチル-2,5-ジオキサ-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン(92)
2-シアノエチルテトライソプロピルホスホロジアミダイト(0.90mL、4.3mmol)をヌクレオシド91(2.0g、2.8mmol)、テトラゾール(0.16g、2.3mmol)及びN-メチルイミダゾール(58μL、0.71mmol)のDMF(14mL)溶液に添加した。反応を室温にて8時間撹拌後、反応をEtOAcに注ぎ、有機層を90%鹹水、続いて鹹水で洗浄し、次いで乾燥させて(Na2SO4)、濃縮した。残渣を極少量のEtOAcに溶解して、この溶液をヘキサンに添加した。生じる沈殿物を収集して、カラムクロマトグラフィー(SiO2、75%〜90%のEtOAc/ヘキサンで溶出する)によって更に精製し、白色固体(2.14g、84%)としてホスホルアミダイト92を提供した。31P NMR(CDCl3)δ:149.82。
(実施例12)
(1S,3R,4R,6S,7S)-7-[2-シアノエトキシ(ジイソプロピルアミノ)ホスフィンオキシ]-1-(4,4'-ジメトキシトリチルオキシメチル)-3-(4-N-ベンゾイルシトシン-1-イル)-6-メトキシメチル-2,5-ジオキサ-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン(98)
A)ヌクレオシド(93)
tert-ブチルジメチルシリルクロライド(2.25g、15.0mmol)をヌクレオシド85(3.0g、5.0mmol)及びイミダゾール(2.03g、29.9mmol)のDMF(10mL)溶液に添加した。室温にて16時間撹拌後、反応をEtOAcに注ぎ、有機相を連続して鹹水で抽出し、乾燥させて(Na2SO4)、真空下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO2、50%のEtOAc/ヘキサンで溶出する)による精製により、白色固体としてヌクレオシド93(3.45g、97%)を提供した。
B)ヌクレオシド(96)
オキシ塩化リン(3.59mL、38.5mmol)を、CH3CN(80mL)中の1,2,4-トリアゾール(11.3g、163.9mmol)の冷却(0℃)懸濁液に添加した。15分間撹拌後、トリエチルアミン(27.0mL、192.8mmol)を反応に添加して、撹拌を30分間続けた。ヌクレオシド93(3.45g、4.82mmol)のCH3CN(20mL)溶液を、0℃にて反応に添加した。10分間撹拌後、氷浴を除去して、反応を室温で4時間撹拌した。次いで、溶媒を真空下で除去して、残渣をEtOAcと水との間で分けた。次いで、有機層をNaHCO3の飽和溶液及び鹹水で洗浄し、次いで乾燥させて(Na2SO4)、真空下で濃縮し、粗製94を提供し、これを更に精製することなく使用した。
アンモニア水(10mL)をヌクレオシド94(上記のものから)のジオキサン(50mL)溶液に添加した。室温にて16時間撹拌後、反応を真空下で濃縮して、8時間高真空上で乾燥させ、ヌクレオシド95を提供し、これをさらなる精製することなく使用した。
安息香酸無水物(1.63g、7.2mmol)をヌクレオシド95(上記のものから)のDMF(9mL)溶液に添加した。室温にて16時間撹拌後、反応をEtOAcに注ぎ、有機層をNaHCO3及び鹹水で抽出し、次いで飽和を乾燥させて(Na2SO4)、真空下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO2、50%のEtOAc/ヘキサンで溶出する)による精製により、白色固体としてヌクレオシド96(3.53g、93からの89%)を提供した。
C)ヌクレオシド(97)
トリエチルアミントリヒドロフルオライド(4.20mL、25.8mmol)をポリプロピレンチューブにおいてヌクレオシド96(3.53g、4.3mmol)及びトリエチルアミン(1.43mL、10.3mmol)のTHF(43mL)溶液に添加した。室温にて16時間撹拌後、反応を真空下で乾燥させ、残渣をEtOAcに溶解した。有機層を水、飽和NaHCO3及び鹹水で連続して洗浄し、次いで乾燥させて(Na2SO4)、真空下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO2、25%〜40%のアセトン/CHCl3で溶出する)による精製により、白色固体としてヌクレオシド97(2.87g、95%)を提供した。
D)(1S,3R,4R,6S,7S)-7-[2-シアノエトキシ(ジイソプロピルアミノ)ホスフィンオキシ]-1-(4,4'-ジメトキシトリチルオキシメチル)-3-(4-N-ベンゾイルシトシン-1-イル)-6-メチル-2,5-ジオキサ-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン(98)
2-シアノエチルテトライソプロピルホスホロジアミダイト(1.35mL、4.3mmol)をヌクレオシド97(2.0g、2.8mmol)、テトラゾール(0.16mg、2.3mmol)及びN-メチルイミダゾール(58μL、0.71mmol))のDMF(14mL)溶液に添加した。室温にて8時間撹拌後、反応をEtOAcに注ぎ、有機層を90%鹹水、続いて鹹水で洗浄し、次いで乾燥させて(Na2SO4)、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO2、75%〜90%のEtOAc/ヘキサンで溶出する)による精製により、白色固体(2.15g、84%)として、ホスホルアミダイト98を提供した。31P NMR(CDCl3)δ:150.33。
(実施例13)
(1S,3R,4R,6R,7S)-7-[2-シアノエトキシ(ジイソプロピルアミノ)ホスフィンオキシ]-1-(4,4'-ジメトキシトリチルオキシメチル)-3-(6-N-ベンゾイルアデニン-9-イル)-6-メトキシメチル-2,5-ジオキサ-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン(105)
ホスホルアミダイト105は、ジアセタート混合物77a-bからホスホルアミダイト83の合成について例証した手順を使用して、ジアセタート77a-bから製造される。
(実施例14)
(1S,3R,4R,6S,7S)-7-[2-シアノエトキシ(ジイソプロピルアミノ)ホスフィンオキシ]-1-(4,4'-ジメトキシトリチルオキシメチル)-3-(6-N-ベンゾイルアデニン-9-イル)-6-メチル-2,5-ジオキサ-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン(108)
ホスホルアミダイト108は、80bからホスホルアミダイト86の合成について例証した手順を使用して、ヌクレオシド102bから製造される。
(実施例15)
(1S,3R,4R,6R,7S)-7-[2-シアノエトキシ(ジイソプロピルアミノ)ホスフィンオキシ]-1-(4,4'-ジメトキシトリチルオキシメチル)-3-(2-N-イソブチリルグアニン-9-イル)-6-メトキシメチル-2,5-ジオキサ-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン(114)
ホスホルアミダイト114は、ジアセタート混合物77a-bからホスホルアミダイト83の合成について例証した手順を使用して、ジアセタート77a-bから製造される。
(実施例16)
(1S,3R,4R,6S,7S)-7-[2-シアノエトキシ(ジイソプロピルアミノ)ホスフィンオキシ]-1-(4,4'-ジメトキシトリチルオキシメチル)-3-(2-N-イソブチリルグアニン-9-イル)-6-メトキシメチル-2,5-ジオキサ-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン(117)
ホスホルアミダイト117は、80bからホスホルアミダイト86の合成について例証した手順を使用して、ヌクレオシド111bから製造される。
(実施例17)
6-CH2OH BNA 合成
A)ヌクレオシド118
ジメチルスルホキシド(1.77mL、25.0mmol)を、ジクロロメタン(60mL)中の塩化オキサリル(1.10mL、12.5mmol)の冷却(-78℃)溶液に滴下した。30分間撹拌した後、アルコール26(5.0g、8.4mmol)のジクロロメタン(20mL)溶液を反応に添加した。攪拌を更に45分間-78℃にて続けて、その後にトリエチルアミン(5.05mL、37.5mmol)を反応に滴下した。10分間攪拌後、氷浴を除去して、反応をおよそ0℃に段階的に温め、その時点で、TLC解析では、開始アルコールを示さなかった。反応をジクロロメタンで希釈して、有機層を10%のHCl、飽和NaHCO3、鹹水で連続して洗浄し、乾燥させて(Na2SO4)、濃縮して、アルデヒド27を提供し、これを何ら精製することなく次の工程のために使用した。
B)ヌクレオシド118
nBuLi(2.5M、4.34ml、10.9mmol)を乾燥THF(60ml)中のトリフェニルホスホニウムブロミド(3.88g、10.9mmol)の冷却(0℃)した撹拌溶液に滴下した。1時間を撹拌後、赤い溶液、-78℃に冷却し、上記からのアルデヒド27(8.4mmol)の乾燥THF(15mL)溶液を反応に滴下した。反応を室温に段階的に温め、撹拌を更に16時間続けた。次いで、反応を飽和NH4Clを使用して慎重にクエンチして、EtOAcと水との間で分けた。有機層を連続して鹹水で洗浄し、乾燥させて(Na2SO4)、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO2、10%のEtOAcのヘキサン溶液で溶出する)による精製により、無色油状物としてオレフィン118(4.84g、26からの97%)を提供した。
C)ヌクレオシド119
フッ化テトラブチルアンモニウム(1M THF溶液、10.00mL、10.0mmol)をオレフィン118(4.83g、8.1mmol)のTHF(35mL)溶液に添加した。反応を室温で16時間撹拌し、溶媒を真空下で除去して、残渣をEtOAcに溶解した。有機層を水、鹹水で洗浄し、乾燥させて(Na2SO4)、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO2、40%のEtOAcのヘキサン溶液で溶出する)による精製により、無色油状物としてアルコール119(2.79g、97%)を提供した。
D)ヌクレオシド120
水素化ナトリウム(鉱油中の60% w/w、0.4g、10mmol)をアルコール119(1.44g、4.1mmol)及び臭化ベンジル(0.71mL、6.0mmol)の冷却した(0℃)DMF(16mL)溶液に添加した。0℃にて1時間撹拌した後、反応を慎重に水でクエンチして、EtOAcと水との間で分けた。有機層を分離して、鹹水で洗浄し、乾燥させて(Na2SO4)、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO2、10〜25%のEtOAcのヘキサン溶液で溶出する)による精製により、無色油状物としてオレフィン120(1.84g、定量的)を提供した。
E)ヌクレオシド121
オスミウムテトラオキシド(OsO4、25%のiPrOH溶液、lmL)をオレフィン120(1.80g、4.0mmol)及びN-メチルモルホリン-N-オキシド(NMO、0.94g、8.0mmol)の95%アセトン/水(25mL)溶液に添加した。室温にて16時間撹拌後、さらなるOsO4溶液(0.5mL)及びNMO(0.40g)を反応に添加した。合計48時間撹拌した後、反応をEtOAcで希釈して、10%のNaHSO3、鹹水で洗浄し、乾燥させて(Na2SO4)、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO2、40〜50%のEtOAcのヘキサン溶液で溶出する)による精製により、無色油状物としてジオール121(1.68g、87%、異性体のca. 1:1混合物)を提供した。
F)ヌクレオシド122及び123
TBSCl(0. 66g、4.4mmol)をジオール121(1.63g、3.4mmol)の冷却した(0℃)ピリジン(17mL)溶液に添加した。0℃にて4時間撹拌後、反応をEtOAcで希釈して、有機層を水鹹水で洗浄し、乾燥させて、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO2、10〜20%のEtOAcのヘキサン溶液で溶出する)による精製により、無色油状物としてアルコール122及び123(0.90g及び1.17g、絶対立体化学は割り当てられない)を提供した。
G)ヌクレオシド124
メタンスルホニルクロライド(0.24mL、3.0mmol)をアルコール123(0.9g、1.5mmol、絶対立体化学は割り当てられない)、トリエチルアミン(0.46mL、3.3mmol)及びジメチルアミノピリジン(37mg、0.3mmol)の冷却した(0℃)ジクロロメタン(5mL)溶液に滴下した。室温にて7時間後、さらなるメタンスルホニルクロライド(0.12mL)及びトリエチルアミン(0.23mL)を反応に添加した。室温にて更に9時間撹拌後、反応をEtOAcに注ぎ、有機層を10% HCl、飽和NaHCO3、鹹水で洗浄し、乾燥させて(Na2SO4)、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO2、10〜15%のEtOAcのヘキサン溶液で溶出する)による精製により、メシラート124(0.44g、44%)及び開始ジオール123(0.32g、40%)を提供した。
H)ヌクレオシド125
トリエチルアミントリヒドロフルオライド(0.64mL、4.0mmol)をメシラート124(0.44g、0.6mmol)及びトリエチルアミン(0.23mL、1.7mmol)のTHF(7mL)溶液に添加した。室温にて16時間撹拌後、反応をEtOAcで希釈して、有機相を飽和NaHCO3、鹹水、で洗浄し、乾燥させて(Na2SO4)、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO2、50%のEtOAcのヘキサン溶液で溶出する)による精製により、アルコール125(0.40g、定量的)を提供した。
I)ヌクレオシド127
塩化ピバロイル(0.12mL、1.0mmol)をアルコール125(0.72mmol、0.4g)、ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA、0.17mL、1.0mmol)及びジメチルアミノピリジン(12mg、0.1mmol)の冷却(0℃)ジクロロメタン(2mL)溶液に滴下した。次いで、氷浴を除去して、反応を室温で2時間撹拌して、その後に、さらなるDIPEA(0.17mL)及びピバロイルクロライド(0.12mL)を添加して、反応を室温で16時間撹拌した。次いで、反応をEtOAcで希釈して、有機層を10%のHCl、飽和NaHCO3、鹹水で洗浄し、乾燥させて(Na2SO4)、濃縮し、粗製ピバロアート126を提供し、これをこれ以上精製することなく使用した。
濃硫酸(2滴)を氷酢酸(2.5mL)及び粗製ピバロアート126(上記のものから)の無水酢酸(0.5mL)溶液に添加した。室温にて2時間撹拌後、溶媒を高真空下で除去して、残渣をEtOAcに溶解して、有機層を飽和NaHCO3、鹹水で洗浄し、乾燥させて(Na2SO4)、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO2、10〜15%のEtOAcのヘキサン溶液で溶出する)による精製により、無色油状物(アノマーの混合物)として、ジアセタート127(0.45g、125から92%)を提供した。
J)ヌクレオシド129a
N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(0.8mL、3.3mmol)を、CH3CN(3.5mL)中のジアセタート127(0.45g、0.65mmol)及びウラシル(0.15g、1.3mmol)の懸濁液に添加した。15分間40℃にて加熱後に透明溶液を得て、トリメチルシリルトリフラート(0.24mL、1.3mmol)を反応に添加した。2時間還流した後、反応を室温に冷却して、EtOAcに注いだ。有機層を飽和NaHCO3、鹹水で洗浄して、乾燥させて(Na2SO4)、真空下で濃縮し、粗製ヌクレオシド128aを提供て、これを何ら精製することなく使用した。
K2CO3(40mg、0.3mmol)をヌクレオシド128a(0.11g、0.15mmol)のMeOH(1.5mL)溶液に添加した。室温にて16時間撹拌した後、溶媒を真空下で除去して、残渣をEtOAcと鹹水との間で分けた。有機相を収集し、乾燥させて(Na2SO4)、真空下で濃縮して129a(絶体立体化学は、決定されない)を提供した。カラムクロマトグラフィー(SiO2、35% アセトンのCHCl3溶液で溶出する)による精製により、ヌクレオシド129a(57mg、127から74%)を提供した。1H NMR (CDCl3): δ9.37 (s, 1H), 7.92-7.61 (m, 5H), 7.55-7.23 (m, 9H), 5.58 (s, 1H), 5.43 (d, 1H, J = 8.1), 4.79 (d, 1H, J 11.7), 4.66 (d, 1H, J = 11.7), 4.58 (m, 2H), 4.51 (s, 1H), 4.44 (m, 1H), 4.05 (s, 1H), 3.95-3.72 (m, 4H). LCMS: 保持時間3.34 分; M+H calcd. 517.19, 実測値 517.1。
(実施例18)
ヌクレオシド 128b、128c及び128dは、それぞれN-Bz-シトシン、6-N-Bz-アデニン及び2-アミノ-6-クロロプリンを使用して、Vorbrugen反応によって、(スキーム18)糖前駆体127から製造される。128b及び128cのK2CO3及びMeOHでの処理により、それぞれヌクレオシド129b及び129cを提供する。128dの水素化ナトリウム及び3-ヒドロキシプロピオニトリルでの処理によりヌクレオシド129dを提供する。TMSClでのヒドロキシル基の一過性保護、続いて塩化ベンゾイルでの反応により、それぞれヌクレオシド130b及び130cを提供する。或いは、上記の変換は、また、溶媒として安息香酸無水物を使用してヌクレオシド129b及び129cを、DMFと反応することによって達成することができる。ヌクレオシド130dは、ピリジン中の過剰TMSClでの一過性保護、続いてイソブチリルクロライドとの反応によって製造される。
(実施例19)
6'-置換された類似体の製造
スキーム19
ヌクレオシド131は、溶媒としてジクロロメタンを使用して、DASTなどのフッ素化剤での処理によってヌクレオシド130から製造される。ヌクレオシド132は、130から、最初に1級ヒドロキシル基をデス-マーチン ペルヨージナンで、又はスワーン条件下で酸化し、続いて生じるアルデヒドをDASTで処理することによって製造される。ヌクレオシド133は、130から、最初に1級ヒドロキシル基をDess-Martinペルヨージナンで、又はSwern条件下で酸化し、続いて氷酢酸及びナトリウムシアノボロハイドライドなどの還元剤の存在下における1級又は2級アミンと生じるアルデヒドの還元アミノ化によって製造される。ヌクレオシド134は、ヒドロキシル基を脱離基(メシラート、トシラート、ハライド)に変換し、続いて過剰なアジ化ナトリウムと共に加熱することによって、130から製造される。ヌクレオシド135は、130から、1級アルコールのカルボン酸への酸化、続いてHATU又は他の任意のペプチド結合試薬の存在下におけるアミンとの反応によって製造される。ヌクレオシド136は、130から、ヒドロキシル基のカルボニルジミムダゾール(dimimdazole)での活性化、続いてアミンとの反応によって製造される。ヌクレオシド137は、130から、適切なヒドロキシル基を脱プロトン化し、続いて塩基アルキル化試薬で陰イオンをクエンチすることによって調製される。ヌクレオシド138は、130から、ヒドロキシル基を脱離基に変換し、続いてチオール求核試薬で置換することによって製造される。ヌクレオシド139は、134から、アジド基の還元、続いてイソシアネート又はイソチオシアナートとの反応によって製造される。ヌクレオシド140は、134から、アジド基の還元及び活性化されたチオ尿素を提供するためのFmocNCSとの反応によって製造される。更に、EDCの存在下におけるアミンとのfmoc活性化されたチオ尿素の反応により、置換されたグアニジンを提供する。fmoc保護基の除去により、ヌクレオシド140が遊離する。
(実施例20)
6-置換されたBNAホスホルアミダイトヌクレオシドの製造
スキーム20
ヌクレオシド142は、ヌクレオシド130-140から、3'-及び5'-O保護基を除去するために触媒水素化することによって製造される。或いは、142は、130-140から、最初にDDQで3'O-Nap基を除去し、続いて5' O-ベンジル基を除去するために触媒水素化することによって製造することができる。その後のジメトキシトリチルエーテルとしての5'ヒドロキシル基の保護、続く亜リン酸化(phosphitilation)反応により、ホスホルアミダイト143を提供する。
(実施例21)
6-CH2Fヌクレオシドの製造
A)ヌクレオシド(131a)
ジエチルアミノサルファートリフルオライド(DAST、0.16mL、1.4mmol)をヌクレオシド129a(0.1g、0.2mmol)の冷却した(-50℃)ジクロロメタン(2mL)溶液に添加した。反応を室温に段階的に暖めて16時間撹拌し、その後に飽和NaHCO3溶液で慎重にクエンチした。次いで、反応をEtOAcと鹹水との間で分けて、乾燥させて(Na2SO4)、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO2、33% EtOAcのヘキサン溶液)による精製により、異性体の混合物としてヌクレオシド131a(51mg、52%、環の開いた不純物を15〜20%で混入した)を提供した。19F NMR(CDCl3):δ-227.98(m)及び-231.07(m)。LCMS:保持時間3.84分;M+H calcd. 519.19、実測値 519.1及び3.89分;M+H calcd.519.19、実測値 519.1。
B)ヌクレオシド(141a)
DDQ(44mg、0.2mmol)をヌクレオシド131a(51mg、0.1mmol)のジクロロメタン(1mL)及び水(2滴)溶液に添加した。室温にて8時間撹拌後、反応をEtOAcで希釈して、有機相を10%のNaHSO3溶液、飽和NaHCO3溶液、鹹水で洗浄し、乾燥させて(Na2SO4)、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO2、30%のアセトンのクロロホルム溶液)による精製により、ヌクレオシド141aを提供した(41mg、異性体の混合物として定量的)。19F NMR(CDCl3):δ-229.3(t)及び-230.97(dt)。LCMS:保持時間2.66分;M+H calcd.379.12, 実測値379.0
C)ヌクレオシド(142a)
ヌクレオシド141a(41mg、上記のものから)及び木炭(10mg)上の10%パラジウムのメタノール(2mL)中の混合物を、水素バルーンを使用して水素付加した。3時間後に、全ての開始ヌクレオシド141aが消費された(反応混合物のLCMS解析によって示されるもの)。
反応を、セライトを通して濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO2、10〜20%メタノールのクロロホルム溶液)による精製により、異性体の混合物として、ヌクレオシド142a(14mg、50%)を提供した。19F NMR(CDCl3):δ-231.45(t)及び-232.88(dt)。LCMS:保持時間1.72分;M+Na calcd.311.08、実測値 311.0。
D)ヌクレオシド(142aa)
DMTCl(24mg、0.07mmol)をヌクレオシド142a(14mg、0.049mmol)のピリジン(0.25mL)溶液に添加した。室温で3時間撹拌した後、反応を減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO2、20〜30%アセトンのクロロホルム溶液)による精製により、異性体の混合物として、ヌクレオシド142aa(16mg、55%)を提供した。19F NMR(CDCl3):δ-228.6(t)及び-230.91(dt)。LCMS:保持時間3.56分;M+Na calcd.613.21、実測値613.1。
E)アミダイト(143a)
アミダイト143aは、実施例1に記載されているように、亜リン酸化(phosphitilation)反応を使用して、ヌクレオシド142aaから製造される。
(実施例22)
ヌクレオシドホスホルアミダイトの合成
ヌクレオシドホスホルアミダイトの調製は、本明細書に図示される手順、及び米国特許6,426,220及び公開されたPCT国際公開第02/36743に限定するのではないが、そのような当該技術分野における手順に従って行われる。
(実施例23)
オリゴヌクレオチド及びオリゴヌクレオシド合成
本発明によって使用されるオリゴマー化合物は、固相合成の周知の技術を介して、都合よく日常的になされてもよい。このような合成のための設備は、例えば、Applied Biosystems(Foster City, CA)を含むいくつかの売主によって販売される。当該技術分野において公知のこのような合成のための任意のその他の手段を、更に、又は代わり使用してよい。ホスホロチオアート及びアルキル化誘導体などのオリゴヌクレオチドを製造するために、同様の技術を使用することも周知である。
オリゴヌクレオチド:非置換及び置換されたリン酸ジエステル(P=O)オリゴヌクレオチドは、ヨウ素による酸化を伴う標準的なホスホロアミダイト化学を使用する自動化されたDNA合成装置(Applied Biosystemsモデル394)にて合成することができる。
ホスホロチオアート(P=S)は、以下の例外を除いてリン酸ジエステルオリゴヌクレオチドと同様に合成される:硫化は、亜リン酸結合の酸化のための3,H-1,2-ベンゾジチオール-3-オン 1,1-二酸化物のアセトニトリル中の10% w/v溶液を利用することによって遂行される。硫化反応ステップ時間を180秒まで増加し、正常なキャッピング工程の後に行われる。CPGカラムからの切断及び55℃での濃水酸化アンモニウム中での脱保護(12-16時間)の後、オリゴヌクレオチドを3倍体積以上のエタノールで1M 酢酸アンモニウム溶液から沈殿させることによって回収する。ホスフィナートオリゴヌクレオチドは、米国特許第5,508,270号に記載されているように製造することができる。
アルキルホスホナートオリゴヌクレオチドは、米国特許第4,469,863号に記載されているように製造することができる。
3'-デオキシ-3'-メチレンホスホナートオリゴヌクレオチドは、米国特許第5,610,289号又は第5,625,050号に記載されているように製造することができる。
ホスホルアミダイトリゴヌクレオチドは、米国特許第5,256,775号又は米国特許第5,366,878号に記載されているように製造することができる。
アルキルホスホンチオ酸エステルオリゴヌクレオチドは、公開されたPCT出願PCT/US94/00902及びPCT/US93/06976(それぞれ、WO94/17093及びWO94/02499として公開された)に記載されているように製造することができる。
3'-デオキシ-3'-アミノホスホロアミダートオリゴヌクレオチドは、米国特許第5,476,925号に記載されているように製造することができる。
リン酸トリエステルオリゴヌクレオチドは、米国特許第5,023,243号に記載されているように製造することができる。
ボランリン酸塩オリゴヌクレオチドは、米国特許第5,130,302号及び第5,177,198号に記載されているように製造することができる。
また、オリゴヌクレオシド:メチレンメチルイミノが連結したオリゴヌクレオシドは、MMI連結したオリゴヌクレオシドとしても同定され、メチレンジメチルヒドラゾが連結したオリゴヌクレオシドは、またMDH連結したオリゴヌクレオシドとしても同定され、メチレンカルボニルアミノが連結したオリゴヌクレオシドは、またアミド3連結したオリゴヌクレオシドとしても同定され、メチレンアミノカルボニルが連結したオリゴヌクレオシドは、またアミド4連結したオリゴヌクレオシドとしても同定され、並びに例えば交互にMMI及びP=O又はP=S結合を有する混合主鎖オリゴマー化合物は、米国特許第5,378,825号;第5,386,023号;第5,489,677号;第5,602,240号及び第5,610,289号に記載されているように製造することができる。
ギ酸アセタール及びチオギ酸アセタールが連結したオリゴヌクレオシドは、米国特許第5,264,562号及び第5,264,564号に記載されているように製造することができる。
エチレンオキサイドが連結したオリゴヌクレオシドは、米国特許第5,223,618号に記載されているように製造することができる。
(実施例24)
オリゴヌクレオチドの単離
制御された細孔ガラス固体支持体からの切断及び濃水酸化アンモニウム中での55℃にて12〜16時間の脱保護の後、3倍体積以上のエタノールとの1 M酢酸アンモニウムによる沈殿により回収する。合成したオリゴヌクレオチドをエレクトロスプレー質量分析(分子量決定)及びキャピラリーゲル電気泳動によって解析する。合成において得られたホスホロチオアート及びホスホジエステル結合の相対量を、-16amu生成物(+/-32 +/-48)と比較した正確な分子量の比率によって決定する。いくつかの研究については、オリゴヌクレオチドを、Chiangらの論文、J. Biol. Chem. 1991, 266, 18162-18171によって記述されたようにHPLCによって精製する。HPLCで精製した材料で得られた結果は、一般にHPLC精製していない材料で得られたものと同様である。
(実施例25)
オリゴヌクレオチド合成-96ウェルプレート形式
オリゴヌクレオチドは、96ウェル形式で同時に96個の配列を構築することができる自動シンセサイザーの固相P(III)ホスホロアミダイト化学を経て合成することができる。リン酸ジエステルヌクレオチド間結合は、ヨウ素水溶液による酸化によってもたらされる。ホスホロチオアートヌクレオチド間結合は、3,H-1,2ベンゾジチオール-3-オン 1,1二酸化物(Beaucage 試薬)のアセトニトリル無水物溶液を利用する硫化によって生成される。標準的な塩基保護されたβ-シアノエチル-ジイソプロピルホスホルアミダイトは、市販の売主(例えばPE-Applied Biosystems, Foster City, CA、又はPharmacia, Piscataway, NJ)から購入する。非標準ヌクレオシドは、標準的な、又は特許を受けた方法に従って合成する。これらは、塩基保護されたβ-シアノエチルジイソプロピルホスホルアミダイトとして利用される。
オリゴヌクレオチドを支持体から切断し、高温(55〜60℃)にて12〜16時間、濃アンモニアで脱保護し、次いで遊離した生成物を真空中でを乾燥させた。次いで、乾燥生成物を滅菌水に再懸濁してマスタープレートを作り、次いでそこから、全ての解析及び試験プレート試料をロボットピペッターを利用して希釈する。
(実施例26)
96ウェルプレート形式を使用するオリゴヌクレオチド解析
それぞれのウェルにおけるオリゴヌクレオチドの濃度は、試料の希釈及びUV吸収分光によって評価する。個々の生成物の全長の完全性は、96ウェル形式(Beckman P/ACE(商標) MDQ)か、又は個々に調製された試料については、市販のCE装置(例えば、Beckman P/ACE(商標) 5000, ABI 270)でのキャピラリー電気泳動法(CE)によって評価する。塩基及びバックボーン組成は、エレクトロスプレー-質量分析法を利用するオリゴマー化合物の質量分析によって確認する。全てのアッセイの試験プレートを単一及びマルチチャンネルロボットピペッターを使用してマスタープレートから希釈する。プレート上のオリゴマー化合物の少なくとも85%が、少なくとも85%の全長である場合、プレートは許容し得ると判断される。
(実施例27)
細胞培養及びオリゴヌクレオチド処理
標的核酸の発現に対するオリゴマー化合物の効果は、種々の細胞型のいずれかにおいて試験することができるが、標的核酸が測定可能なレベルにて存在することを条件とする。これは、例えば、PCR又はノーザンブロット解析を使用してルーチンで決定することができる。複数の組織及び種に由来する株化細胞は、American Type Culture Collection(ATCC, Manassas, VA)から得ることができる。
以下の細胞型は、説明の便宜上提供してあるが、標的が選択される細胞型に発現されることを条件として、その他の細胞型をルーチンでに使用することができる。これは、当該技術分野におけるルーチンの方法、例えばノーザンブロット解析、リボヌクレアーゼ保護アッセイ法又はRT-PCRによって容易に決定することができる。
b.END細胞:マウス脳内皮細胞株b.ENDは、Max Plank研究所(Bad Nauheim, Germany)のDr. Werner Risauから得た。b.END細胞は、10%のウシ胎児血清(Invitrogen Life Technologies, Carlsbad, CA)を補った高グルコースDMEM(Invitrogen Life Technologies, Carlsbad, CA)においてルーチンで培養した。細胞は、およそ90%の集密に到達した時に、トリプシン処理及び希釈によりルーチンで継代した。オリゴマー化合物トランスフェクション実験含むが、限定されない使用のために、細胞は、およそ3000細胞/ウェルの密度にて、96ウェルプレート(ファルコン-Primaria #353872、BD Biosciences、Bedford、MA)に播種した。
オリゴマー化合物による細胞の処理を含む実験:
細胞が適切な集密度に達するとき、これらを以下に記述されるトランスフェクション方法を使用してオリゴマー化合物で処理する。
リポフェクチン(商標)
細胞が65〜75%の集密度に達したとき、これらをオリゴヌクレオチドで処理する。オリゴヌクレオチドは、Opti-MEM(商標)-1血清減少培地(Invitrogen Life Technologies, Carlsbad, CA)においてLIPOFECTIN(商標)(Invitrogen Life Technologies, Carlsbad, CA)と混合し、所望のオリゴヌクレオチド濃度及び100 nMオリゴヌクレオチドあたり2.5又は3μg/mLのLIPOFECTIN(商標)の濃度を達成する。このトランスフェクション混合物を室温にておよそ0.5時間インキュベートした。96ウェルプレートにおいて培養した細胞については、ウェルを、100μLのOPTI-MEM(商標)-1で一度洗浄し、次いで130μLのトランスフェクション混合物で処理した。24ウェルプレート又はその他の標準的な組織培養プレートにて培養した細胞も、適切な体積の培地及びオリゴヌクレオチドを使用して同様に処理する。細胞を処理し、データを二連又は三連で得る。37℃でのおよそ4〜7時間の処理の後、トランスフェクション混合物を含む培地を新鮮な培養液と置換する。細胞をオリゴヌクレオチド処理の16〜24時間後に収集する。
当該技術分野において公知のその他の適切なトランスフェクション試薬は、CYTOFECTIN(商標)、LIPOFECTアミン(商標)、OLIGOFECTAMINE(商標)及びFUGENE(商標)を含むが、限定されない。
当該技術分野において公知のその他の適切なトランスフェクション方法には、電気穿孔法を含むが、限定されない。
(実施例28)
標的発現のオリゴヌクレオチド阻害の解析
標的発現のアンチセンス調節は、当該技術分野において公知の種々の方法でアッセイすることができる。例えば、標的mRNAのレベルは、例えばノーザンブロット解析、競合的ポリメラーゼ連鎖反応法(PCR)又はリアルタイムPCRによって定量化できる。リアルタイム定量的PCRが、現在望まれている。RNA解析は、総細胞RNA又はポリ(A)+ mRNAで行うことができる。本発明のRNA解析の一つの方法は、本明細書のその他の実施例に記載されているように、総細胞RNAの使用である。RNA単離の方法は、当該技術分野において周知である。ノーザンブロット解析は、また、当該技術分野においてルーチンである。リアルタイム定量的PCRは、PE-Applied Biosystems, Foster City, CAから利用できる、市販のABI PRISM(商標) 7600、7700又は7900 Sequence Detection Systemを使用して利便よく達成することができ、製造業者の説明書に従って使用される。
標的のタンパク質レベルは、当該技術分野において周知の種々の方法、例えば免疫沈降号、ウエスタンブロット解析(イムノブロッティング)、酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)又は蛍光標示式細胞分取(FACS)で定量化することができる。標的に対する抗体を同定することができ、抗体のMSRSカタログ(Aerie Corporation, Birmingham, MI)などの種々の供与源から得ることができ、又は当該技術分野において周知の従来のモノクローナル或いはポリクローナル抗体の産生法を介して製造することができる。ポリクローナル抗血清の調製のための方法は、例えば、Ausubel, F.M.らの論文、分子生物学の現代のプロトコル(Current Protocols in Molecular Biology), 第2巻, pp. 11.12.1-11.12.9, John Wiley & Sons, Inc., 1997において教示される。モノクローナル抗体の調製は、例えば、Ausubel, F.M.らの論文、Current Protocols in Molecular Biology, Volume 2, pp. 11.4.1-11.11.5, John Wiley & Sons, Inc., 1997において教示されている。
免疫沈降方法は、当該技術分野において標準的であり、例えば、Ausubel, F.M.らの論文、分子生物学の現代のプロトコル(Current Protocols in Molecular Biology), 第2巻, pp. 10.16.1-10.16.11, John Wiley & Sons, Inc., 1998に見いだすことができる。ウエスタンブロット(イムノブロット)解析は、当該技術分野において標準的であり、例えば、Ausubel, F.M.らの論文、分子生物学の現代のプロトコル(Current Protocols in Molecular Biology), 第2巻, pp. 10.8.1-10.8.21, John Wiley & Sons, Inc., 1997に見いだすことができる。酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)は、当該技術分野において標準的であり、例えば、Ausubel, F.M.らの論文、分子生物学の現代のプロトコル(Current Protocols in Molecular Biology), 第2巻, pp. 11.2.1-11.2.22, John Wiley & Sons, Inc., 1991に見いだすことができる。
(実施例29)
標的阻害剤の使用のための表現型アッセイ法及びインビボ研究のデザイン
表現型アッセイ法
一旦、標的阻害剤が本明細書に開示した方法によって同定されたら、それぞれ、特定の疾病状態又は条件の治療における有効性を予測する測定可能な指標を有していオリゴマー化合物は、1つ又は複数の表現型アッセイ法で更に調査する。
これらの使用のための表現型アッセイ法、キット及び試薬は、当業者に周知であり、健康及び疾患における標的の役割及び/又は関連を調査するために、本明細書に使用される。代表的な表現型のアッセイ法は、いくつかの市販の売主のいずれか一つから購入することができ、これには、細胞生存率、細胞障害性、増殖又は細胞生存を決定するためのもの(Molecular Probes, Eugene, OR;PerkinElmer, Boston, MA)、酵素アッセイ法を含むタンパク質に基づいたアッセイ法(Panvera, LLC, Madison, WI;BD Biosciences, Franklin Lakes, NJ;Oncogene Research Products, San Diego, CA)、細胞制御、シグナル伝達、炎症、酸化過程及びアポトーシス(Assay Designs Inc., Ann Arbor, MI)、トリグリセリド蓄積(Sigma-Aldrich, St. Louis, MO)、血管形成アッセイ法、チューブ形成アッセイ法、サイトカイン及びホルモンアッセイ法、並びに代謝性アッセイ法(Chemicon International Inc., Temecula, CA;Amersham Biosciences、Piscataway NJ)を含む。
非限定的な例の一つにおいて、特定の表現型アッセイ法に適することが決定された細胞(すなわち、乳癌研究のために選択されるMCF-7細胞; 肥満症研究のための脂肪細胞)をインビトロ研究から同定された標的阻害剤で、並びに上記の方法によって決定された最適濃度の対照化合物で処理する。処理期間の終わりに、処理細胞及び未処理細胞を、表現型の結果及び指標を決定するためのアッセイ法に特異的な1つ又は複数の方法によって解析する。
表現型の指標には、タンパク質、時間又は処理用量に対する細胞形態の変化、並びに脂質、核酸、ホルモン、糖又は金属などの細胞の成分のレベルにおける変化を含む。pH、細胞周期の段階、細胞による生物学的指標の摂取又は排出を含む細胞状態の測定も、関心対象の指標である。
また、処理後の細胞の一つ又は複数の遺伝子の発現の測定も、標的阻害剤の効力又は能力の指標として使用される。特徴遺伝子若しくは特異的な疾病状態、条件又は表現型と関連することが疑われる遺伝子を、処理細胞及び未処理細胞の両方において測定する。
インビボ研究
本明細書に記述されるインビボ研究の個々の対象は、ヒトを含む温血脊椎動物である。
(実施例30)
ポリ(A)+ mRNAの単離
ポリ(A)+ mRNAは、Miuraらに従って単離される(Clin. Chem., 1996, 42, 1758-1764)。ポリ(A)+ mRNA単離のためのその他の方法は、当該技術分野においてルーチンである。簡潔には、96ウェルプレートで培養した細胞については、増殖培地を細胞から除去し、それぞれのウェルを200μlの冷却PBSで洗浄する。60μlの溶解緩衝液(10 mM Tris-HC1、pH 7.6, 1 mM EDTA, 0.5 M NaCl, 0.5% NP-40, 20 mMバナジル-リボヌクレオシド複合体)をそれぞれのウェルに添加し、プレートを穏やかに撹拌し、次いで室温で5分間インキュベートする。55μlの可溶化液をOligo d(T)コートした96ウェルプレート(AGCT Inc., Irvine CA)へ移す。プレートを室温で60分間インキュベートし、200μlの洗浄緩衝液(10 mM Tris-HC1 pH 7.6, 1 mM EDTA, 0.3M NaCl)で3回洗浄する。最後の洗浄の後、プレートを紙タオルの上で拭いて過剰な洗浄緩衝液を除去し、次いで5分間空気乾燥する。予め70℃に熱した60μlの溶出緩衝液(5mM Tris-HC1 pH 7.6)をそれぞれのウェルに添加し、プレートを5分間90℃のホットプレート上でインキュベートし、次いで溶出液を新鮮な96ウェルプレートに移す。
100 mm又はその他の標準的なプレート上で培養した細胞も、適切な体積の全ての溶液を使用して同様に処理してもよい。
総RNA単離
総RNAを、製造業者の推奨された手順に従って、Qiagen社(Valencia、CA)から購入したRNEASY 96(商標)キット及び緩衝液を使用して単離する。簡潔には、96ウェルプレート上で培養した細胞については、増殖培地を細胞から除去し、それぞれのウェルを200μlの冷却PBSで洗浄する。150μlの緩衝液RLTをそれぞれのウェルに添加し、プレートを20秒間勢いよく撹拌する。次いで、150μlの70%エタノールをそれぞれのウェルに添加し、内容物をピペット操作によって上下に3回混合する。次いで、試料を、廃棄物収集トレーを装備し、真空源を取り付けた、QIAVAC(商標)マニホルドに取り付けたRNEASY 96(商標)ウェルプレートへ移す。真空を1分間適用する。500μlの緩衝液RW1をRNEASY 96(商標)プレートのそれぞれのウェルに添加し、15分間インキュベートし、真空を再び1分間適用する。更に500μlの緩衝液RW1をRNEASY 96(商標)プレートのそれぞれのウェルに添加し、真空を2分間適用する。次いで、1 mlの緩衝液RPEをRNEASY 96(商標)プレートのそれぞれのウェルにし、真空を90秒の期間の間適用する。緩衝液RPE洗浄を次いで繰り返し、真空を更に3分間適用する。次いで、プレートをQIAVAC(商標)マニホルドから除去し、紙タオルの上で拭い乾燥する。次いで、プレートを、1.2 mlの収集管を含む収集管ラックを装備したQIAVAC(商標)マニホルドに再び付ける。次いで、RNAをそれぞれのウェル内に140μlのRNAseを含まない水をピペッティングし、1分間インキュベートし、次いで3分間の真空を適用することにより溶出する。
繰り返しのピペット操作及び溶出工程は、QIAGEN Bio-Robot 9604(Qiagen, Inc., Valencia CA)を使用して自動化してもよい。本質的に、培養プレート上で細胞を溶解した後は、ピペッティング操作を行うロボットデッキに移し、DNase処理及び溶出工程を実施する。
(実施例31)
標的mRNAレベルのリアルタイム定量的PCR解析
標的mRNAレベルの定量化は、製造業者の説明書に従って、ABI PRISM(商標) 7600、7700又は7900のSequence Detection System(PE-Applied Biosystems, Foster City, CA)を使用して、リアルタイム定量的PCRによって達成した。これは、閉管の非ゲルベースの蛍光検出システムであり、リアルタイムにおけるポリメラーゼ連鎖反応法(PCR)産物のハイスループットの定量化を可能とする。PCRが完了した後に増幅産物が定量化される標準的なPCRとは対照的に、リアルタイム定量的PCRの産物は、これらが蓄積するにつれて定量化される。これは、PCR反応においてフォワードとリバースPCRプライマーとの間に特異的にアニールし、かつ2つの蛍光色素を含むオリゴヌクレオチドプローブ含むことによって達成される。レポーター色素(例えばPE-Applied Biosystems, Foster City, CA、Operon Technologies Inc., Alameda, CA又はIntegrated DNA Technologies Inc., Coralville, IAのいずれかから得られるFAM又はJOE)をプローブの5'末端に結合し、クエンチャー色素(例えば、PE-Applied Biosystems, Foster City, CA、Operon Technologies Inc., Alameda, CA又はIntegrated DNA Technologies Inc., Coralville, IAのいずれかから得られるTAMRA)をプローブの3'末端に結合する。プローブ及び色素が無処置のときは、3'クエンチャー色素が近接していることにより、レポーター色素の発光がクエンチされる。増幅の間、標的配列に対するプローブのアニーリングにより、Taqポリメラーゼの5'-エキソヌクレアーゼ活性によって切断することができる基質を生じる。PCR増幅サイクルの伸長段階の間に、Taqポリメラーゼによるプローブの切断により、残りのプローブから(及び、従ってクエンチャー部分から)レポーター色素を放出し、配列特異的な蛍光シグナルを生じる。それぞれのサイクルで、別のレポーター色素分子が、これらのそれぞれのプローブから切断され、蛍光強度は、ABI PRISM(商標) Sequence Detection Systemに組み込まれるレーザー光学機によって定期的にモニターされる。それぞれのアッセイ法において、未処理の対照試料からのmRNAの段階希釈を含む一連の並列の反応により、試験試料のアンチセンスオリゴヌクレオチド処理の後の阻害率を定量化するために使用される標準曲線を作成する。
定量的PCR解析の前に、測定される標的遺伝子に特異的なプライマー-プローブセットを、これらがGAPDH増幅反応と共に「多重増幅できる」かについて評価する。多重化において、標的遺伝子及び内部標準遺伝子GAPDHは、単一の試料において同時に増幅される。この解析では、未処理の細胞から単離されたmRNAを段階希釈する。それぞれの希釈を、GAPDHだけ、標的遺伝子だけ(「一重」)又は両方(多重化)に特異的なプライマー-プローブセットの存在下において増幅する。PCR増幅に続いて、GAPDHの標準曲線及び希釈の関数としての標的mRNAシグナルを、一重及び多重化試料から作成する。多重化試料から作成されるGAPDH及びターゲットシグナルの勾配及び相関係数が、一重の試料から作成されるこれらに対応する値の10%に入る場合、その標的に特異的なプライマー-プローブセットは、多重化可能であると考えられる。その他のPCRの方法も、当該技術分野において公知である。
RT及びPCR試薬は、Invitrogen Life Technologies(Carlsbad, CA)から得た。RT、リアルタイムPCRは、20μLのPCRカクテル(MgCl2を含まない2.5倍濃度PCR緩衝液、6.6mM MgCl2、375μMずつのdATP、dCTP、dCTP及びdGTP、375 nMずつのフォワードプライマー及びリバースプライマー、125 nMのプローブ、4 単位RNAse阻害剤、1.25 単位PLATINUM(登録商標) Taq、5 Units MuLV逆転写酵素及び2.5×ROX色素)を、30μLの総RNA溶液(20〜200 ng)を含む96ウェルプレートに添加することによって行った。RT反応は、48℃で30分間インキュベーションすることによって行った。PLATINUM (登録商標)Taqを活性化するための95℃での10分のインキュベーションに続いて、40サイクルの二段階PCRプロトコルが行った:95℃、15秒(変性)、続いて60℃、1.5分(アニーリング/伸長)。
RT、リアルタイムPCRによって得られた遺伝子標的量を、発現が一定である遺伝子のGAPDH発現レベルを使用して、又はRIBOGREEN(商標)(Molecular Probes, Inc. Eugene, OR)を使用して総RNAを定量化することによって規準化する。リアルタイムRT -PCRによって、標的と同時に実行されることにより(多重化)、又は別々に、GAPDH発現を定量化する。総RNAをRiboGreen(商標) RNA定量化試薬(Molecular Probes, Inc. Eugene, OR)を使用して定量化する。RIBOGREEN(商標)によるRNA定量化の方法は、Jones, L.J.らの論文(Analytical Biochemistry、1998、265、368-374)に教示されている。
このアッセイ法では、170μLのRIBOGREEN(商標)実施試薬(10 mM Tris-HCl, 1 mM EDTA, pH 7.5において1:350に希釈されたRIBOGREEN(商標)試薬)を30μLの精製された細胞RNAを含む96ウェルプレート内にピペットで移す。プレートを、485nmの励起光及び530nmの発光にて、CytoFluor 4000(PE Applied Biosystems)で読み込む。
(実施例32)
標的特異的プライマー及びプローブ
プローブ及びプライマーは、公開された配列情報を使用して、標的配列にハイブリダイズするようにデザインしてもよい。
例えば、ヒトPTENについては、以下のプライマー-プローブセットを、公開された配列情報を使用してデザインした(GENBANK(商標)アクセッション番号U92436.1、配列番号:1)。 フォワードプライマー:AATGGCTAAGTGAAGATGACAATCAT(配列番号:2)。
リバースプライマー:TGCACATATCATTACACCAGTTCGT(配列番号:3)
及びPCRプローブ:FAM-TTGCAGCAATTCACTGTAAAGCTGGAAAGG-TAMRA(配列番号:4)、
式中FAMは蛍光色素であり、TAMRAはクエンチャー色素である。
(実施例33)
標的タンパク質レベルのウエスタンブロット解析
ウエスタンブロット解析(イムノブロット解析)は、標準的方法を使用することによって実施される。オリゴヌクレオチド処理後16〜20時間で細胞を収集し、PBSで一度洗浄し、Laemmli緩衝液(100μl/ウェル)に懸濁し、5分間煮沸し、16%のSDS-PAGEゲルにロードする。ゲルを150 Vにて1.5時間泳動し、ウエスタンブロッティングのために膜へ移す。一次抗体種に対する放射標識された、又は蛍光標識された二次抗体と共に、標的に対する適切な一次抗体を使用する。バンドを、PHOSPHORIMAGER(商標)(Molecular Dynamics, Sunnyvale CA)を使用して視覚化する。
(実施例34)
PTENを標的とする6-(R又はS)-CH3及び6-(R又はS)-CH2-O-CH3 BNA 2-10-2ギャップオリゴマー:インビトロ研究
本発明に従って、オリゴマー化合物を合成し、これらが用量の範囲にわたってPTEN発現を減少させる能力について試験した。b.END細胞を、本明細書に記述される方法を使用して、6-(R又はS)-CH3-BNA(それぞれ392748及び392749)及び6-(R又はS)- CH2-O-CH3(それぞれ396004及び396005)の修飾されたオリゴマーで、0.3125、0.0625、1.25、2.5、5、10又は20 nMの濃度にて処理した。PTENの発現レベルを、リアルタイムPCRを使用して決定して、本明細書のその他の実施例に記載されているように、RIBOGREEN(商標)に規準化した。生じる用量反応曲線は、以下に示すようにEC50を決定するために使用した。4μM 6-(R又はS)-CH3-BNA又は6-(R又はS)-CH2-O-CH3修飾されたオリゴマー及び4μM相補RNAを使用して、Tmを100 mMリン酸緩衝液、0.1 mM EDTA、pH 7中で260nmにて評価した。
全てのヌクレオシド間結合は、ホスホロチオアートであり、太字のヌクレオシドは、6-(R又はS)-CH3 BNAヌクレオシドであり、下線を引いた太字のヌクレオシドは、6-(R又はS)-CH2-O-CH3 BNAヌクレオシドであり、下付R及びSは、6炭素原子での配置を示す。6-修飾されたBNAオリゴマー化合物が、Tmのわずかな減少にもかかわらず、より優れた能力を示したことは注目すべきである。
(実施例35)
PTENを標的とする6-(S)-CH3-BNA及び6-(R)-CH3-BNA 2-10-2ギャップオリゴマー:インビボ研究
6週間齢のBalb/cマウス(Jackson Laboratory, Bar Harbor, ME)に、PTEN を標的とした6-CH3-BNA修飾したオリゴマー(6-(S)又は6-(R))を、0.5又は2μmol/kgの用量にて、3週間、毎週2回注射した。マウスを最終的な投与の48時間後に屠殺した。肝臓組織をホモジナイズし、未処理の対照レベル(%UTC)との比較のために、本明細書に記述したように、mRNAレベルを、リアルタイムPCRを使用して定量化した。
全てのヌクレオシド間結合はホスホロチオアートであって、太字のヌクレオシドは6-CH3-BNAヌクレオシドであって、下付R及びSは、6炭素原子にての配置を示す。
(実施例36)
PTENを標的とする6-(S)-CH3-BNA及び6-(R)-CH3-BNA 2-10-2ギャップオリゴマー:インビボ研究
6週間齢のBalb/cマウス(Jackson Laboratory, Bar Harbor, ME)に、PTEN を標的とした6-CH3-BNA修飾したオリゴマー(6-(S)又は6-(R))を、1、2、4又は8μmol/kgの用量にて、一度注射した。マウスを投与の72時間後に屠殺した。肝臓組織をホモジナイズし、未処理の対照レベル(%UTC)との比較のために本明細書に記述したように、mRNAレベルを、リアルタイムPCRを使用して定量化した。
全てのヌクレオシド間結合はホスホロチオアートであって、太字のヌクレオシドは6-CH3-BNAヌクレオシドであって、下付S及びRは、6炭素原子にての配置を示す。
(実施例37)
PTENを標的とする6-(S)-CH3-O-CH2-BNA及び6-(R)-CH3-O-CH2-BNA 2-10-2ギャップオリゴマー:インビボ研究
6週間齢のBalb/cマウス(Jackson Laboratory, Bar Harbor, ME)に、PTEN を標的とした6-CH3-BNA修飾したオリゴマー(6-(S)又は6-(R))を、1、2、4又は8μmol/kgの用量にて、一度注射した(8μmol/kgのデータのみを下記に示してある)。マウスを投与の72時間後に屠殺した。肝臓組織をホモジナイズし、未処理の対照レベル(%UTC)との比較のために本明細書に記述したように、mRNAレベルを、リアルタイムPCRを使用して定量化した。
全てのヌクレオシド間結合はホスホロチオアートであって、太字のヌクレオシドは6-CH3-O-CH2-BNAヌクレオシドであって、下付S及びRは、6炭素原子にての配置を示す。
(実施例38)
SVPD 処理した6-(R又はS)-CH3-BNA修飾オリゴマーのヌクレアーゼ安定性
6-(R又はS)-CH3-BNA(それぞれ392748及び392749)修飾オリゴマーのヌクレアーゼ安定性を、ヘビ毒ホスホジエステラーゼ(SVPD)を使用して決定した。研究には、それぞれの6非置換のギャップマー(4'-CH2-O-2'架橋BNA、392745、下付1)及び比較のための2'-O-MOE ギャップマー(2'-O-(CH22-OCH3、392753、下付e)が含まれた。それぞれのオリゴマーは、以下を含む500μLの混合物として調製される:5μL 100μMオリゴマー、SVPD緩衝液(50 mM Tris-HcL、pH 7.5、8 mM MgCl2)における0.5 Units/mLの50μLホスホジエステラーゼI、終濃度は、0.05 Units/mL、445μL SVP緩衝液。試料を水浴において37℃にてインキュベートした。1及び2日目にて新鮮な酵素を添加して、一定分量(100μL)を0、1、2及び4日に採取した。酵素活性をクエンチするために、EDTAを除去の直後に一定分量に添加した。試料は、IP HPLC/MS上で解析した。
全てのヌクレオシド間結合は、ホスホロチオアートであって、太字のヌクレオシドは修飾されたヌクレオシドであって、下付R及びSは、6-CH3-BNAヌクレオシドについての6炭素原子にての配置を示し、下付eは、2'-O-MOEヌクレオシドを示し、下付1は、4'-CH2-O-2'修飾されたヌクレオシドを示す。6-メチル置換されたBNA含む化合物(392748及び392749)は、置換されていないBNA含む化合物(392745)を上回る顕著な改善を有した。
(実施例39)
SVPD 処理した6-(R又はS)-CH3-BNA、4'-CH2-O-2' BNA、及び2'-O-MOE修飾オリゴマーのヌクレアーゼ安定性
6-CH3-BNA修飾されたオリゴマーのヌクレアーゼ安定を、ヘビ毒ホスホジエステラーゼ(SVPD)を使用して決定した。それぞれのオリゴマーは、5μLのオリゴマー(2μLの5μMオリゴマー及び3μLの5'32Pラベルされたオリゴマー)、75μLの水及び10μLの10倍濃度緩衝液(500 mM Tris-HCl、700 mM NaCl及び140 mM MgCl2、pH 8.6)を含む90μL混合物として調製する。0分と同等な時間に、9μLを上記のように調製したオリゴマー試料から除去し、10μLの停止緩衝液(6.67 M尿素、16.67% ホルムアミド及び83.3 mM EDTA)に添加し、続いて1μLの水を添加し、2.5〜3分間100℃にて熱した。アッセイのカイネティクスを9μLのSVPD(0.5 Units/mL)の添加によって開始した。最終的な酵素濃度は、0.05 Units/mLであった。オリゴマーカイネティクス溶液のそれぞれの一定分量10μLを、10μLの停止緩衝液に添加し、上記の通りに熱で失活させた。カイネティクスの時間点を1、3、9、27、80、240及び1290分とした。試料を45ワット/ゲルにて2時間の12%アクリルアミド PAGEによって解析した。
全てのヌクレオシド間結合はホスホロチオアートであって、太字のヌクレオシドは修飾されたヌクレオシドであって、下付R及びSは、6-CH3-BNAヌクレオシドについての6炭素原子にての配置を示し、下付eは、2'-O-MOEヌクレオシドを示し、下付1は、4'-CH2-O-2'修飾されたヌクレオシドを示す。
(実施例40)
3週間の複数用量のインビボ研究におけるPTENを標的とする6-(S)-CH3-BNA、4'-CH2-O-2-BNA及び2'-O-MOEギャップオリゴマー
6週間齢のBalb/cマウス(Jackson Laboratory, Bar Harbor, ME)に、PTEN を標的とした6-(S)- CH3-BNA(2-10-2、14mer)、4'-CH2-O-2'-BNA(2-10-2、14mer)及び2'-O-MOE(5-10-5、20mer)修飾されたオリゴマーを、3.2、1.0、0.32及び0.1μmol/kgの用量にて、3週間毎週2回注射した(3.2及び1μmol/kgのデータのみを下記に示してある)。マウスを最終投与の48時間後に屠殺した。肝臓組織をホモジナイズし、未処理の対照レベル(%UTC)との比較のために、本明細書に記述したように、mRNAレベルを、リアルタイムPCRを使用して定量化した。血漿組成及び肝臓重量は、屠殺した後で決定した。
全てのヌクレオシド間結合はホスホロチオアートであり、太字のヌクレオシドは修飾の位置であり、下付sは、6-(S)-CH3-BNAを示し、下付1は、4'-CH2-O-2'BNAを示し、下付eは、2'-O-MOEを示し、MeC、は、5'-メチルシトシンヌクレオシドを示す。
研究の最高点では、高用量集団の動物は、オリゴマーを含む4'-CH2-O-2' BNA(392063、3.2μmol/kgの用量群)について、肝臓重量における有意な増大を示した(生理食塩水と比較して153%)。対照的に、オリゴマーを含む6-(S)-CH3 BNA(392749、3.2μmol/kg用量グループ)についての肝臓重量は、生理食塩水と比較して117%であった。2' O-MOEを含むオリゴマー(116847、1.0μmol/Kgの用量グループ)についての肝臓重量は、生理食塩水と比較して116%であった。本実施例は、6-(S)-CH3-BNA修飾が、4'-CH2-O-2' BNA修飾化合物を上回るALTレベルの劇的な改善と共に、4'-CH2-O-2' BNAによって与えられる能力を維持するアンチセンスオリゴマーのデザインを可能にすることを証明している。
(実施例41)
PTENを標的とする6-(R又はS)-CH3、6-(R又はS)-CH2-OCH3、4'-CH2-O-2' BNA 2-10-2ギャップオリゴマー:インビボ研究
6週間齢のBalb/cマウス(Jackson Laboratory, Bar Harbor, ME)に、PTENを標的とした修飾された6-(R又はS)-CH3(それぞれ396568及び396024)、6-(R又はS)-CH2-OCH3(それぞれ396007及び396008)、4'-CH2-O-2' BNA 2-10-2ギャップオリゴマーを、2.5、5、10及び20μmol/kgの用量にて、一度注射した(5及び10μmol/kgのデータのみを下記に示してある)。マウスを、投与の66時間後に屠殺した。肝臓組織をホモジナイズした。
全てのヌクレオシド間結合は、ホスホロチオアートであり、太字のヌクレオシドは、修飾されたヌクレオシドであり、下付R及びSが、示されたように6-CH3-BNA(太字だけ)及び6-CH2-O-CH3-BNA(太字及び下線が引いた)ヌクレオシドについて6炭素原子での配置を示し、下付1は4'-CH2-O-2'ヌクレオシドを示し、かつMeCは、5'-メチルシトシンヌクレオシドを示す。
上記のオリゴヌクレオシドについては、1つ(Isis No.392056)は、6炭素原子にてキラルであるヌクレオシドを含まず、一方、その他の4つ(Isis番号396024、396568、396008及び396007)は、含む。具体的には、これらの4つは、1、2、13及び14の位置にてそのようなヌクレオシドを含む。含まないものは、含む4つのオリゴヌクレオシドと比較して、肝臓における相対的により高い毒性を有する。
(実施例42)
PTENを標的とした2-14-2ギャップオリゴマー:インビボ研究
6週間齢のBalb/cマウス(Jackson Laboratory, Bar Harbor, ME)に、PTENを標的とした6-CH3-BNA修飾したオリゴマーを、2又は10μmol/kgの用量にて、一度注射した。マウスを投与の72時間後に屠殺した。肝臓組織をホモジナイズし、未処理の対照レベル(%UTC)との比較のために本明細書に記述したように、mRNAレベルを、リアルタイムPCRを使用して定量化した。
全てのヌクレオシド結合はホスホロチオアートであり、太字のヌクレオシドは、修飾されたヌクレオシドであり、下付R及びSは、示されているように6-CH3-BNA及び6-CH2-0-CH3-BNAヌクレオシドについて6炭素原子にての配置を示し、下付eは、2'-O-MOEヌクレオシドを示し、かつMeCは、5'-メチルシトシンヌクレオシドを示す。
本明細書において参照した全ての刊行物、特許及び特許出願は、引用として本明細書に組み込まれる。前述の明細書において、本発明は、その特定の好ましい実施態様に関して記述し、例証目的で多くの詳細を記載したが、本発明は、さらなる実施態様に影響を受けること、及び本明細書に記述された特定の詳細な記載は、本発明の基本原理から逸脱することなく、非常に変動されうることは、当業者には明らかであろう。

Claims (49)

  1. 式:

    を有する二環式ヌクレオシド:
    (式中:
    Bxは、複素環塩基部分であり;
    T1は、H又はヒドロキシル保護基であり;
    T2は、H、ヒドロキシル保護基又は反応性リン基であり;
    Zは、C 1 -C 6 アルキル又は置換されたC 1 -C 6 アルキルであり;かつ、
    式中、置換された基のそれぞれは、独立して、ハロゲン、オキソ、ヒドロキシル、OJ1、NJ1J2、SJ1、N3、OC(=X)J1、OC(=X)NJ1J2、NJ3C(=X)NJ1J2及びCNから独立して選択される任意に保護された置換基で一置換又は多置換されており、式中それぞれのJ1、J2及びJ3は、独立してH又はC1-C6アルキルであり、かつXは、0、S又はNJ1である)。
  2. Zがメチルである、請求項記載の化合物。
  3. Zが、置換されたC1-C6アルキルである、請求項記載の化合物。
  4. 前記置換基がC1-C6アルコキシである、請求項記載の化合物。
  5. ZがCH3OCH2-である、請求項記載の化合物。
  6. 前記Z基が以下の配置である、請求項1〜5のいずれか1項記載の化合物:

  7. 前記Z基が以下の配置である、請求項1〜5のいずれか1項記載の化合物:

  8. T1及びT2の少なくとも1つがヒドロキシル保護基である、請求項1〜7のいずれか1項記載の化合物。
  9. 前記ヒドロキシル保護基のそれぞれが、独立してベンジル、ベンゾイル、2,6-ジクロロベンジル、t-ブチルジメチルシリル、t-ブチル-ジフェニルシリル、メシラート、トシラート、ジメトキシトリチル(DMT)、9-フェニルキサンチン-9-イル(Pixyl)及び9-(p-メトキシフェニル)キサンチン-9-イル(MOX)から選択される、請求項記載の化合物。
  10. T1がアセチル、ベンジル、t-ブチルジメチルシリル、t-ブチルジフェニルシリル及びジメトキシトリチルから選択される、請求項記載の化合物。
  11. 前記T1が4,4'-ジメトキシトリチルである、請求項10記載の化合物。
  12. T2が反応性リン基である、請求項1〜7のいずれか1項記載の化合物。
  13. 前記反応性リン基がジイソプロピル-シアノエトキシホスホルアミダイト又はH-ホスホナートである、請求項12記載の化合物。
  14. T1が4,4'-ジメトキシトリチルであり、かつT2がジイソプロピルシアノエトキシホスホルアミダイトである、請求項1〜7のいずれか1項記載の化合物。


  15. の、又は式

    の、又は式

    の少なくとも1つの単量体を有するオリゴマー化合物:
    (式中、
    Bxは、複素環塩基部分であり;
    T3は、H、ヒドロキシル保護基、連結された抱合体基、又はヌクレオシド、ヌクレオチド、オリゴヌクレオシド、オリゴヌクレオチド、単量体サブユニット若しくはオリゴマー化合物に結合したヌクレオシド間連結基であり;
    T4は、H、ヒドロキシル保護基、連結された抱合体基、又はヌクレオシド、ヌクレオチド、オリゴヌクレオシド、オリゴヌクレオチド、単量体サブユニット若しくはオリゴマー化合物に結合したヌクレオシド間連結基であり;
    式中、T3及びT4の少なくとも1つは、ヌクレオシド、ヌクレオチド、オリゴヌクレオシド、オリゴヌクレオチド、単量体サブユニット又はオリゴマー化合物に結合したヌクレオシド間連結基であり;かつ、
    Zは、C 1 -C 6 アルキル又は置換されたC 1 -C 6 アルキルであり;かつ、
    式中、置換された基のそれぞれは、独立して、ハロゲン、オキソ、ヒドロキシル、OJ 1 、NJ 1 J 2 、SJ 1 、N 3 、OC(=X)J 1 、OC(=X)NJ 1 J 2 、NJ 3 C(=X)NJ 1 J 2 及びCNから独立して選択される任意に保護された置換基で一置換又は多置換されており、式中それぞれのJ 1 、J 2 及びJ 3 は、独立してH又はC 1 -C 6 アルキルであり、かつXは、0、S又はNJ 1 である)。
  16. 少なくとも1つのZがメチルである、請求項15記載のオリゴマー化合物。
  17. 少なくとも1つのZが、置換されたC1-C6アルキルである、請求項15記載のオリゴマー化合物。
  18. 前記置換基のそれぞれがC1-C6アルコキシである、請求項17記載のオリゴマー化合物。
  19. 少なくとも1つのZがCH3OCH2-である、請求項17記載のオリゴマー化合物。
  20. それぞれのZがメチル又はCH3OCH2-である、請求項15〜19のいずれか1項記載のオリゴマー化合物。
  21. 前記式の少なくとも1つの単量体のZ基が、式:

    又は、式:

    又は、式:

    によって表されるとおりの配置である、請求項15〜20のいずれか1項記載のオリゴマー化合物。
  22. 前記式のそれぞれの単量体それぞれのZ基が式(IV)、(V)または(VI)の配置である、請求項21記載のオリゴマー化合物。
  23. 少なくとも1つの単量体のZ基が、式:

    又は、式:

    又は、式:

    によって表されるとおりの配置である、請求項15〜20のいずれか1項記載のオリゴマー化合物。
  24. 前記式のそれぞれの単量体それぞれのZ基が式(VII)、(VIII)または(IX)で示される配置である、請求項23記載のオリゴマー化合物。
  25. T3がH又はヒドロキシル保護基である、請求項15〜24のいずれか1項記載のオリゴマー化合物。
  26. T3がヌクレオシド、ヌクレオチド又は単量体サブユニットに結合したヌクレオシド間連結基である、請求項15〜24のいずれか1項記載のオリゴマー化合物。
  27. T3がオリゴヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドに結合したヌクレオシド間連結基である、請求項15〜24のいずれか1項記載のオリゴマー化合物。
  28. T3がオリゴマー化合物に結合したヌクレオシド間連結基である、請求項15〜24のいずれか1項記載のオリゴマー化合物。
  29. T4がH又はヒドロキシル保護基である、請求項15〜28のいずれか1項記載のオリゴマー化合物。
  30. T4がヌクレオシド、ヌクレオチド又は単量体サブユニットに結合したヌクレオシド間連結基である、請求項15〜28のいずれか1項記載のオリゴマー化合物。
  31. T4がオリゴヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドに結合したヌクレオシド間連結基である、請求項15〜28のいずれか1項記載のオリゴマー化合物。
  32. T4がオリゴマー化合物に結合したヌクレオシド間連結基である、請求項15〜28のいずれか1項記載のオリゴマー化合物。
  33. T3及びT4の少なくとも1つが、リン酸ジエステル又はホスホロチオアートから選択されるヌクレオシド間連結基を含む、請求項15〜24のいずれか1項記載のオリゴマー化合物。
  34. 前記式の少なくとも2つの隣接する単量体の少なくとも1つの領域を含む、請求項15〜33のいずれか1項記載のオリゴマー化合物。
  35. 前記式の少なくとも2つの隣接する単量体の少なくとも2つの領域を含む、請求項34記載のオリゴマー化合物。
  36. ギャップがあるオリゴマー化合物を含む、請求項35記載のオリゴマー化合物。
  37. 約8〜約14個の隣接するβ-D-2'-デオキシリボフラノシルヌクレオシドの少なくとも1つの領域を更に含む、請求項34又は35のいずれか記載のオリゴマー化合物。
  38. 約9〜約12個の隣接するβ-D-2'-デオキシリボフラノシルヌクレオシドの少なくとも1つの領域を更に含む、請求項37記載のオリゴマー化合物。
  39. 前記式の2〜3個の隣接する単量体1つの領域、前記式の1つ又は2つの隣接する単量体の任意の第2の領域、及び8〜14個のβ-D-2'-デオキシリボフラノシルヌクレオシドの第3の領域を含み、前記第3の領域は、前記第1と前記第2の領域との間に位置する、請求項34記載のオリゴマー化合物。
  40. 8〜10個のβ-D-2'-デオキシリボフラノシルヌクレオシドを含む、請求項39記載のオリゴマー化合物。
  41. 長さ約8〜約40個のヌクレオシド及び/又は修飾されたヌクレオシド若しくは擬態を含む、請求項15〜40のいずれか1項記載のオリゴマー化合物。
  42. 長さ約8〜約20個のヌクレオシド及び/又は修飾されたヌクレオシド若しくは擬態を含む、請求項15〜40のいずれか1項記載のオリゴマー化合物。
  43. 長さ約10〜約16個のヌクレオシド及び/又は修飾されたヌクレオシド若しくは擬態を含む、請求項15〜40のいずれか1項記載のオリゴマー化合物。
  44. 長さ約10〜約14個のヌクレオシド及び/又は修飾されたヌクレオシド若しくは擬態を含む、請求項15〜40のいずれか1項記載のオリゴマー化合物。
  45. インビトロで1つ又は複数の細胞若しくは組織を、又は非ヒト動物を、請求項15〜44のいずれか1項記載のオリゴマー化合物と接触することを含む、遺伝子発現の阻害方法。
  46. 薬物療法に使用するための、請求項15〜44のいずれか1項記載の化合物。
  47. 遺伝子発現を阻害するための医薬の製造のための、請求項15〜44のいずれか1項記載の化合物の使用。
  48. 請求項15〜44のいずれか1項記載の化合物を含む医薬。
  49. 請求項15〜44のいずれか1項記載の化合物を含む、遺伝子発現を阻害するための医薬。
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