以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
《発明の実施形態》
図1は、実施形態に係る駆動装置1の概略構成図であり、図2は、アクチュエータ本体4の斜視図である。駆動装置1は、図1に示すように、ステージ11と、超音波アクチュエータ2と、該超音波アクチュエータ2を駆動制御する制御装置10とを備えている。
ステージ11は、ガイド(図示省略)に摺動可能に取り付けられている。つまり、ステージ11は、ガイドが延びる方向(図中の矢印A,Bの方向)に沿って移動可能に構成されている(このガイドの延びる方向がステージ11の可動方向に相当する)。このステージ11は、平面視略方形の板状部材である。そして、前記超音波アクチュエータ2は、このステージ11の裏面に後述する駆動子49,49が接触するように配設されている。
前記超音波アクチュエータ2は、振動を発生させるアクチュエータ本体4と、該アクチュエータ本体4の駆動力をステージ11に伝達させる駆動子49,49と、該アクチュエータ本体4を収容するケース3と、アクチュエータ本体4とケース3との間に介設されてアクチュエータ本体4を弾性的に支持する支持ゴム34,34と、アクチュエータ本体4を前記ステージ11に付勢するための付勢ゴム35とを備えている。この超音波アクチュエータ2が振動型アクチュエータを構成する。
前記アクチュエータ本体4は、圧電素子で構成されている。アクチュエータ本体4は、略長方形状の互いに対向する一対の主面4A,4Bと、この主面4A,4Bと直交して該主面の長手方向に延びる、互いに対向する一対の長辺側面4C,4Dと、これら主面4A,4B及び長辺側面4C,4Dの両方と直交して該主面4A,4Bの短手方向に延びる、互いに対向する一対の短辺側面4E,4Fとを有する略直方体状をしている。主面4A,4Bは、後述する圧電体層41,41,…の積層方向を向く面であり、圧電体層41の主面で構成される面である。これら長辺側面4C,4D及び短辺側面4E,4Fが、主面4A,4Bの周縁に形成された側面であり、圧電体層41,41,…の積層方向と平行な面である。このアクチュエータ本体4は、詳しくは後述するが、伸縮振動と屈曲振動とを調和的に発生させ、長手方向に沿った駆動方向へ駆動力を出力する。
アクチュエータ本体4の長辺側面(以下、設置面ともいう)4Cには、2個の駆動子49,49が設けられている(図2では省略)。
各駆動子49は、円柱状に形成されている。駆動子49の先端は、半球状に形成されている。この駆動子49は、ジルコニア、アルミナ、窒化ケイ素、炭化ケイ素、タングステンカーバイド等で形成されている。この駆動子49は、接着剤を介してアクチュエータ本体4の設置面4Cに取り付けられている。
接着剤としては、アクチュエータ本体4の材料及び駆動子49の材料よりも柔らかいことが望ましい。具体的には、合成樹脂、特にエポキシ樹脂、シリコーン樹脂が挙げられる。このような材料を用いることによって、アクチュエータ本体4の後述する振動をできるだけ阻害せずに、駆動子49と設置面4Cとの間の固定を実現することができる。
また、駆動子49,49が設けられた位置は、設置面4Cにおいて、アクチュエータ本体4の長手方向両端部から該設置面4Cの全長の30〜35%距離だけ内側に入った位置であり、即ち、アクチュエータ本体4の後述する屈曲振動の2次モードの腹の位置であって、振動が最も大きくなる位置である。
前記ケース3は、樹脂製であって、前記アクチュエータ本体4に対応した略コ字形状をしている。このケース3は、長辺壁部31と、長辺壁部31の一端部に設けられた第1短辺壁部32と、長辺壁部31の他端部に設けられた第2短辺壁部33とを有している。
このように構成されたケース3内に前記アクチュエータ本体4が収容されている。アクチュエータ本体4は、駆動子49,49が設けられていない長辺側面がケース3の長辺壁部31と対向するようにしてケース3内に収容されている。アクチュエータ本体4の該長辺側面とケース3の長辺壁部31との間には付勢ゴム35が介設されている。このとき、駆動子49,49はケース3から突出している。また、アクチュエータ本体4の一方の短辺側面とケース3の第1短辺壁部32との間およびアクチュエータ本体4の他方の短辺側面とケース3の第2短辺壁部33との間には、それぞれ支持ゴム34,34が介設されている。このアクチュエータ本体4の両短辺側面は後述する縦振動の腹の部分である。しかし、支持ゴム34,34は弾性体であるため、アクチュエータ本体4の縦振動を阻害することなく、該アクチュエータ本体4を支持することができる。
尚、これら支持ゴム34及び付勢ゴム35の代わりに、板バネ等の弾性部材を採用してもよい。
このように構成された超音波アクチュエータ2は、駆動子49,49がステージ11の裏面と当接する状態で、ケース3が基台(図示省略)に固定される。詳しくは、超音波アクチュエータ2は、アクチュエータ本体4の短手方向がステージ11の裏面に直交すると共に、アクチュエータ本体4の長手方向がステージ11の裏面と平行で且つステージ11の可動方向と平行になるように配置される。さらに換言すれば、超音波アクチュエータ2は、アクチュエータ本体4の屈曲振動の振動方向がステージ11の裏面と直交すると共に、アクチュエータ本体4の縦振動の振動方向がステージ11の可動方向を向くように配置される。
このとき、前記付勢ゴム35が圧縮変形している。この付勢ゴム35の弾性力によって駆動子49,49がステージ11に付勢されている。超音波アクチュエータ2のステージ11への付勢力は、付勢ゴム35の弾性力によって決まる。
前記制御装置10は、外部からの動作指令を受けて、その動作指令に応じた周波数の交流電圧を動作指令に応じた位相差でアクチュエータ本体4に印加する。制御装置10は、フレキシブルプリント基板9を介して超音波アクチュエータ2に接続されている。つまり、制御装置10は、アクチュエータ本体4に縦振動と屈曲振動とを調和的に発生させて、駆動子49,49を周回運動させることで、ステージ11を移動させる。
続いて、アクチュエータ本体4の構成について、図3,4を参照しながら、さらに詳しく説明する。図3は、アクチュエータ本体4の分解斜視図であり、図4は、圧電体層の形状を説明するための圧電体層の主面を表す説明図である。
アクチュエータ本体4は、図3に示すように、複数の圧電体層41,41,…と複数の内部電極層5,…,6,…とを交互に積層して構成される。このアクチュエータ本体4が積層体を構成する。
前記各圧電体層41は、例えばチタン酸ジルコン酸鉛、ジルコニア、アルミナ、窒化珪素等のセラミック材料からなる絶縁体層である。圧電体層41は、前記アクチュエータ本体4と同様に、一対の主面41a,41bと、一対の長辺側面41c,41dと、一対の短辺側面41e,41fとを有する略直方体状をしている。主面41a,41b、長辺側面41c,41d及び短辺側面41e,41fのうち、主面41a,41bが最大の面積を有している。これら長辺側面41c,41d及び短辺側面41e,41fが、主面の周縁に形成された側面を構成する。圧電体層41は、一対の主面41a,41bが対向する方向(即ち、厚み方向)に分極されている。
各圧電体層41の側面には、複数の側面電極が形成されている。詳しくは、一方の長辺側面41cには、アクチュエータ本体4の長手方向一端部に第1側面電極71aが、長手方向中央部に第3側面電極73aが、長手方向他端部に第2側面電極72aが形成されている。他方の長辺側面41dには、アクチュエータ本体4の長手方向一端部に第2側面電極72bが、長手方向中央部に第3側面電極73bが、長手方向他端部に第1側面電極71bが形成されている。一方の短辺側面41eには、アクチュエータ本体4の短手方向一端部に第1側面電極71cが形成されている。他方の短辺側面41fには、アクチュエータ本体4の短手方向一端部に第2側面電極72cが形成されている。これら側面電極71a〜73bは、金や銀やパラジウムなどの金属を焼き付けや溶射、スパッタなどの方法で圧電体層41の側面に形成されている。
内部電極層5,…,6,…は、積層方向に圧電体層41を挟んで交互に配された、プラス電極層5とマイナス電極層6とで構成される。換言すれば、プラス電極層5及びマイナス電極層6はそれぞれ、圧電体層41,41で挟持されている。これらプラス電極層5及びマイナス電極層6のそれぞれは、例えば、銀、パラジウム等を主成分とする金属からなる電極層である。プラス電極層5とマイナス電極層6とは、互いに絶縁されて導通されていない。これらプラス電極層5とマイナス電極層6が内部電極を構成する。
また、プラス電極層5及びマイナス電極層6のそれぞれは、各圧電体層41の主面41a上に印刷されている。そして、プラス電極層5が印刷された圧電体層41とマイナス電極層6が印刷された圧電体層41とを、電極層が印刷された面を一方向に向けて(図3であれば、上方に向けて)交互に積層させることによって、プラス電極層5とマイナス電極層6とが圧電体層41を挟んで交互に配された構成となる。かかる構成では、各圧電体層41は、一方の主面41a(41b)にプラス電極層5が位置し、他方の主面41b(41a)にマイナス電極層6が位置する。こうして、圧電体層41は、積層方向において、プラス電極層5とマイナス電極層6とで挟持された状態となる。ただし、隣り合う圧電体層41,41では、積層方向におけるプラス電極層5とマイナス電極層6との位置が反対になっている。具体的には、図3の示すように、上から2番目の圧電体層41では、上側の主面41aにプラス電極層5が位置する一方、下側の主面41bにマイナス電極層6が位置する。それに対して、該圧電体層41に隣り合う、上から3番目の圧電体層41では、上側の主面41aにマイナス電極層6が位置する一方、下側の主面41bにプラス電極層5が位置する。ここで、各圧電体層41は、プラス電極層5からマイナス電極層6の方向へ分極されている。換言すれば、圧電体層41の分極方向に対して順方向に電圧を印加するときにプラス側、即ち、陽極となる電極層がプラス電極層5であり、マイナス側、即ち、陰極となる電極層がマイナス電極層6である。
アクチュエータ本体4の最外層には、プラス電極層5やマイナス電極層6が露出しないように構成されている。つまり、アクチュエータ本体4の最外層の圧電体層41と、それと隣り合う圧電体層41との間には、プラス電極層5又はマイナス電極層6が設けられているが、最外層の圧電体層41の外側を向く主面41a(41b)には、プラス電極層5もマイナス電極層6も設けられていない。例えば、図3に示すように、アクチュエータ本体4の上側の最外層には、1つ内側の圧電体層41のプラス電極層5を覆うようにして、プラス及びマイナス電極層5,6が形成されていない圧電体層41が設けられている。一方、下側の最外層には、マイナス電極層6が形成された圧電体層41が設けられており、プラス及びマイナス電極層5,6が形成されていない圧電体層41が別途設けられているわけではない。このマイナス電極層6は、最外層の圧電体層41の主面41a,41bのうち、1つ内側の圧電体層41と対向する側の主面41aに設けられているため、マイナス電極層6は外部に露出していない。したがって、下側の最外層の圧電体層41は、マイナス電極層6が設けられた圧電体層41で構成されている。
前記プラス電極層5は、図4に示すように、圧電体層41の主面41aをその長手方向L及び短手方向Sにそれぞれ2等分してなる4つの領域A1〜A4のうち一方の対角線方向に並ぶ第1分割電極51A,51Cと、他方の対角線方向に並ぶ第2分割電極52B,52Dとを有している。これら第1分割電極51A,51Cが第1電極を構成し、第2分割電極52B,52Dが第1分割電極51A,51Cと異なるパターンで配置された第2電極を構成する。各分割電極は、略長方形状をしている。また、プラス電極層5は、第1分割電極51A,51Cが接続電極51Eにより接続され且つ第2分割電極52B,52Dが独立に配置された第1パターンのプラス電極層5Xと、第2分割電極52B,52Dが接続電極52Eにより接続され且つ、第1分割電極51A,51Cが独立に配置された第2パターンのプラス電極層5Yとを含んでいる。以下、第1パターンと第2パターンとを区別しないときには、単に「プラス電極層5」と称する。
また、分割電極51A〜52Dにはそれぞれ、圧電体層41の周縁、即ち、側面まで延びる引出電極51a〜52cが設けられている。
具体的には、第1分割電極51Aには、圧電体層41の長辺側面41cに近接する長辺から該長辺側面41cの第1側面電極71aまで延びる引出電極51aと、圧電体層41の短辺側面41eに近接する短辺から該短辺側面41eの第1側面電極71cまで延びる引出電極51cとが設けられている。すなわち、第1分割電極51Aは、引出電極51aを介して第1側面電極71aに接続されていると共に、引出電極51cを介して第1側面電極71cに接続されている。また、第1分割電極51Cには、圧電体層41の長辺側面41dに近接する長辺から該長辺側面41dの第1側面電極71bまで延びる引出電極51bが設けられている。すなわち、第1分割電極51Cは、引出電極51bを介して第1側面電極71bに接続されている。
また、第2分割電極52Bには、圧電体層41の長辺側面41cに近接する長辺から該長辺側面41cの第2側面電極72aまで延びる引出電極52aと、圧電体層41の短辺側面41fに近接する短辺から該短辺側面41fの第2側面電極72cまで延びる引出電極52cとが設けられている。すなわち、第2分割電極52Bは、引出電極52aを介して第2側面電極72aに接続されていると共に、引出電極52cを介して第2側面電極72cに接続されている。また、第2分割電極52Dには、圧電体層41の長辺側面41dに近接する長辺から該長辺側面41dの第2側面電極72bまで延びる引出電極52bが設けられている。すなわち、第2分割電極52Dは、引出電極52bを介して第2側面電極72bに接続されている。
前記マイナス電極層6は、圧電体層41の主面41aの略全面に亘って形成され、長方形状をしている。このマイナス電極層6が対向電極を構成する。また、マイナス電極層6は、第1分割電極51A,51Cと圧電体層41を挟んで対向する第1対向電極を構成すると共に、第2分割電極52B,52Dと圧電体層41を挟んで対向する第2対向電極も構成する。マイナス電極層6は、積層方向を向いて見たときに、第1及び第2分割電極51A〜52Dと重なるものの、引出電極51a〜52cとは重ならないように、主面41aの周縁部には設けられていない。マイナス電極層6には、一方の長辺の中央部から圧電体層41の長辺側面41cの第3側面電極73aまで延びる引出電極6aと、他方の長辺の中央部から圧電体層41の長辺側面41dの第3側面電極73bまで延びる引出電極6bとが設けられている。すなわち、マイナス電極層6は、引出電極6aを介して第3側面電極73aに接続されていると共に,引出電極6bを介して第3側面電極73bに接続されている。
前記プラス電極層5の引出電極51a〜52cは、積層方向において、マイナス電極層6及びマイナス電極層6の引出電極6a,6bとは重なっていない。このため、圧電体層41の、引出電極51a〜52cや引出電極6a,6bに対応する部分は、圧電体層41の厚み方向への電界が生じず、圧電的に不活性な部分となる。
このように構成された圧電体層41,41,…を積層させると、圧電体層41の側面に形成された第1〜第3側面電極71a〜73bが積層方向に繋がり、圧電体層41,41,…の積層体、即ち、アクチュエータ本体4の側面には、一体的に繋がった第1〜第3側面電極71A〜73Bが形成される。詳しくは、図2に示すように、アクチュエータ本体4の長辺側面4Cには、複数の第1側面電極71a,71a,…が一まとまりに繋がった第1側面電極71A、複数の第3側面電極73a,73a,…が一まとまりに繋がった第3側面電極73A、及び複数の第2側面電極72a,72a,…が一まとまりに繋がった第2側面電極72Aが形成される。アクチュエータ本体4の長辺側面4Dには、複数の第2側面電極72b,72b,…が一まとまりに繋がった第2側面電極72B、複数の第3側面電極73b,73b,…が一まとまりに繋がった第3側面電極73B、及び複数の第1側面電極71b,71b,…が一まとまりに繋がった第1側面電極71Bが形成される。アクチュエータ本体4の短辺側面4Eには、複数の第1側面電極71c,71c,…が一まとまりに繋がった第1側面電極71Cが形成される。アクチュエータ本体4の短辺側面4Fには、複数の第2側面電極72c,72c,…が一まとまりに繋がった第2側面電極72Cが形成される。
その結果、異なる圧電体層41,41,…に設けられた第1分割電極51A,51A,…は、第1側面電極71A及び第1側面電極71Cを介して互いに導通している。また、異なる圧電体層41,41,…に設けられた第1分割電極51C,51C,…は、第1側面電極71Bを介して互いに導通している。さらに、第1パターンのプラス電極層5Xにおいては、第1分割電極51Aと第1分割電極51Cとが、接続電極51Eを介して互いに導通している。つまり、第2パターンのプラス電極層5Yにおける第1分割電極51Aと第1分割電極51Cとは、第1側面電極71A,71B,71C及び第1パターンのプラス電極層5Xを介して、互いに導通している。
同様に、異なる圧電体層41,41,…に設けられた第2分割電極52B,52B,…は、第2側面電極72A及び第2側面電極72Cを介して互いに導通している。また、異なる圧電体層41,41,…に設けられた第2分割電極52D,52D,…は、第2側面電極72Bを介して互いに導通している。さらに、第2パターンのプラス電極層5Yにおいては、第2分割電極52Bと第2分割電極52Dとが、接続電極52Eを介して互いに導通している。つまり、第1パターンのプラス電極層5Xにおける第2分割電極52Bと第2分割電極52Dとは、第2側面電極72A,72B,72C及び第2パターンのプラス電極層5Yを介して、互いに導通している。
さらに、異なる圧電体層41,41,…の主面41a,41a,…に設けられたマイナス電極層6,6,…は、第3側面電極73A及び第3側面電極73Bを介して互いに導通している。
そして、アクチュエータ本体4の最外層の圧電体層41の外側に露出する主面41a(即ち、アクチュエータ本体4の主面4A)には、第1分割電極51A,51Cに給電するための第1外部電極81と、第2分割電極52B,52Dに給電するための第2外部電極82と、マイナス電極層6に給電するための第3外部電極83とが形成されている。これら第1〜第3外部電極81〜83は、金や銀やパラジウムなどの金属を焼き付けや溶射、スパッタなどの方法で圧電体層41の主面41aに形成されている。第1〜第3外部電極81〜83は、アクチュエータ本体4の主面4Aの重心を通って短手方向に延びる直線に対して線対称に配置されている。
第1外部電極81は、図2に示すように、アクチュエータ本体4の主面4Aの一の隅部(即ち、角部)においてL字状に形成されている。第1外部電極81の一端は、長辺側面4Cの第1側面電極71Aに接続される一方、他端は、短辺側面4Eの第1側面電極71Cに接続されている。詳しくは、第1外部電極81と第1側面電極71Aとは、アクチュエータ本体4の主面4Aと長辺側面4Cとで形成される長辺稜線部40cにおいて接続されている。また、第1外部電極81と第1側面電極71Cとは、アクチュエータ本体4の主面4Aと短辺側面4Eとで形成される短辺稜線部40eにおいて接続されている。このように接続された第1外部電極81及び第1側面電極71A,71Cは、2つの稜線部40c,40eに跨って形成されている。こうして、第1外部電極81は、2つの第1側面電極71A,71Cを介して第1分割電極51A,…,51C,…と導通している。
第2外部電極82は、アクチュエータ本体4の、第1外部電極81の位置とは別の隅部(長手方向の反対側の隅部)においてL字状に形成されている。第2外部電極82の一端は、長辺側面4Cの第2側面電極72Aに接続される一方、他端は、短辺側面4Fの第2側面電極72Cに接続されている。詳しくは、第2外部電極82と第2側面電極72Aとは、アクチュエータ本体4の主面4Aと長辺側面4Cとで形成される長辺稜線部40cにおいて接続されている。また、第2外部電極82と第2側面電極72Cとは、アクチュエータ本体4の主面4Aと短辺側面4Fとで形成される短辺稜線部40fにおいて接続されている。このように接続された第2外部電極82及び第2側面電極72A,72Cは、2つの稜線部40c,40fに跨って形成されている。こうして、第2外部電極82は、2つの第2側面電極72A,72Cを介して第2分割電極52B,…,52D,…と導通している。
第3外部電極83は、アクチュエータ本体4の主面4Aの長手方向中央において短手方向に延びる直線状に形成されている。第3外部電極83の一端は、長辺側面4Cの第3側面電極73Aに接続される一方、他端は、長辺側面4Dの第3側面電極73Bに接続されている。詳しくは、第3外部電極83と第3側面電極73Aとは、アクチュエータ本体4の主面4Aと長辺側面4Cとで形成される長辺稜線部40cにおいて接続されている。また、第3外部電極83と第3側面電極73Bとは、アクチュエータ本体4の主面4Aと長辺側面4Dとで形成される長辺稜線部40dにおいて接続されている。このように接続された第3外部電極83及び第3側面電極73A,73Bは、2つの稜線部40c,40dに跨って形成されている。こうして、第3外部電極83は、2つの第3側面電極73A,73Bを介してマイナス電極層6,6,…と導通している。
このように構成されたアクチュエータ本体4においては、第1〜第3外部電極81〜83が外表面に露出している。これら第1〜第3外部電極81〜83を給電端子として、アクチュエータ本体4に給電が行われる。詳しくは、図1に示すように、アクチュエータ本体4の主面4Aにおいて、第1〜第3外部電極81〜83にフレキシブルプリント基板9が接続されている。このフレキシブルプリント基板9が給電線を構成する。フレキシブルプリント基板9は、3本の導線部91〜93を有している。各導線部91〜93の端子部91a〜93aがそれぞれ、第1〜第3外部電極81〜83にACF(Anisotropic Conductive Film)を介して接続されている。ここで、第1〜第3外部電極81〜83とフレキシブルプリント基板9の端子部91a〜93aとの接続部は、アクチュエータ本体4の屈曲振動のノード部に位置している。また、第3外部電極83とフレキシブルプリント基板9の端子部93aとの接続部の位置は、アクチュエータ本体4の伸縮振動のノード部の位置でもある。このフレキシブルプリント基板9は、制御装置10にも接続されている。つまり、制御装置10は、フレキシブルプリント基板9を介してアクチュエータ本体4に給電する。
次に、制御装置10の構成及びアクチュエータ本体4の動作について、図5〜8を参照しながら、説明する。図5は、制御装置10の一部を構成するハーフブリッジ回路の回路図であり、図6は、アクチュエータ本体の1次モードの伸縮振動の変位図であり、図7は、アクチュエータ本体の2次モードの屈曲振動の変位図であり、図8は、アクチュエータ本体の1次モードの伸縮振動と2次モードの屈曲振動との合成振動の変位図である。
制御装置10は、4つのスイッチ12,12,…と2つのコイル13,13とを有し、2つのハーフブリッジを構成している。ハーフブリッジは、電源電圧と同じ電圧値の矩形波の電圧を出力する。圧電体層41は、コイル13,13とハーフブリッジとの間に接続されている。圧電体層41の容量とコイル13のインダクタンスによりローパスフィルタが形成され、圧電体層41には、正弦波の駆動電圧が印加される。コイル13のインダクタンスと圧電体層41の容量によるローパスフィルタのカットオフ周波数は、超音波アクチュエータ2の駆動周波数より高いことが好ましい。
制御装置10は、CPU(図示省略)を有しており、CPUによりスイッチ12,12,…をスイッチングすることによって、2つのハーフブリッジと2つのコイル13,13とにより、2相の正弦波の駆動電圧を圧電体層41に印加する。具体的には、制御装置10は、第1のハーフブリッジと第1のコイル13により正弦波の第1駆動電圧を発生し、これを圧電体層41の第1分割電極51A,51Cとマイナス電極層6との間に印加する一方、第2のハーフブリッジと第2のコイル13により第2駆動電圧を発生し、これを圧電体層41の第2分割電極52B,52Dとマイナス電極層6との間に印加する。尚、ここでは、第1及び第2駆動電圧を発生する2chのハーフブリッジで説明したが、2chのフルブリッジやアンプ構成で電源回路を実現してもよい。ただし、フルブリッジ回路を適用する場合には、マイナス電極層6を第1分割電極51A,51Cに対向するマイナス電極層と、第2分割電極52B,52Dに対向するマイナス電極層とに分割する必要がある。
制御装置10は、第1及び第2交流電圧の電圧値、周波数、位相を調節することによって、アクチュエータ本体4に種々の振動を誘起させる。制御装置10は、ハーフブリッジのゲート信号を変更することによって、第1駆動電圧及び第2駆動電圧の周波数を所定の範囲内で変更したり、第1駆動電圧と第2駆動電圧との位相差を変更したりすることができる。例えば、制御装置10が、略同じ電圧値、周波数の第1及び第2交流電圧を同位相でアクチュエータ本体4に印加すると、アクチュエータ本体4には図6に示す1次モードの伸縮振動が誘起される。一方、制御装置10が、略同じ電圧値、周波数の第1及び第2交流電圧を180°の位相差でアクチュエータ本体4に印加すると、アクチュエータ本体4には図7に示す2次モードの屈曲振動が誘起される。
ところで、アクチュエータ本体4の伸縮振動の共振周波数及び屈曲振動の共振周波数は、それぞれ、アクチュエータ本体4の材料や形状等により決定される。本実施形態では、アクチュエータ本体4の材料や形状等は、1次モードの伸縮振動の共振周波数及び2次モードの屈曲振動の共振周波数が略一致するように決定されている。
ここで、制御装置10が、略同じ電圧値で、1次モードの伸縮振動の共振周波数及び2次モードの屈曲振動の共振周波数と略同じ周波数の第1及び第2交流電圧を90°又は−90°の位相差でアクチュエータ本体4に印加すると、アクチュエータ本体4には1次モードの伸縮振動と2次モードの屈曲振動とが調和的に誘起される。その結果、アクチュエータ本体4の形状が、図8(A)〜(D)に示すような順で変化すし、アクチュエータ本体4に設けられた駆動子49,49が、図8の紙面に直交する方向を向いて見て周回運動、具体的には、略楕円運動する。つまり、アクチュエータ本体4の伸縮振動及び屈曲振動の合成振動により駆動子49,49が略楕円運動する。この楕円運動により駆動子49,49が当接しているステージ11は、アクチュエータ本体4に対して相対的に、図1に示す矢印A又は矢印Bの方向に移動する。つまり、アクチュエータ本体4は、長手方向へ駆動力を出力する。この長手方向が駆動方向に相当する。尚、アクチュエータ本体4の異常発熱を防止すべく、アクチュエータ本体4の縦振動と屈曲振動との共通の共振周波数よりも少し高い周波数の交流電圧を印加するようにしてもよい。
尚、ステージ11の移動量、移動速度及び移動加速度は、給電する交流電圧の電圧値、周波数及び給電時間の少なくとも1つを調整する、又は給電する各交流電圧の位相のずれを変更する等によって調整することができる。
ここで、伸縮振動の振動方向は、アクチュエータ本体4の主面の長手方向、つまり、ステージ11の移動方向であり、屈曲振動の振動方向は、駆動子49,49がステージ11を押圧する方向である。アクチュエータ本体4の積層方向は、伸縮振動の伸縮方向及び屈曲振動の振動方向の両方と垂直な方向である。
このように超音波アクチュエータ2は、駆動子49,49を縦振動の振動方向(長手方向)と屈曲振動の振動方向(短手方向)とを含む平面内で周回運動させて、駆動子49,49とステージ11との間の摩擦力の増大と緩和とを繰り返しながら、該ステージ11を駆動している。
ここで、本実施形態では、給電電極となる第1〜第3外部電極81〜83がアクチュエータ本体4の主面4Aに配置されている。こうすることで、1つのフレキシブルプリント基板9によって第1〜第3外部電極81〜83に給電することができる。その結果、配線の取り回しを簡素化できると共に組立性を向上させることができる。
このように第1〜第3外部電極81〜83をアクチュエータ本体4の主面4Aに配置する構成においては、第1〜第3外部電極81〜83と内部電極層5,…,6,…とを導通させるために、アクチュエータ本体4の側面に側面電極71A〜73Bを形成して、対応する第1〜第3外部電極81〜83と内部電極層5,…,6,…とを該側面電極を介して接続している。かかる構成においては、アクチュエータ本体4の主面4Aに形成された第1〜第3外部電極81〜83とアクチュエータ本体4の側面に形成された側面電極71A〜73Bとは、該主面4Aと側面4C〜4Fとで形成される稜線部40c〜40fにおいて接続される。この稜線部は、外部からの衝撃等によって欠け易い部分である。特に、圧電体層41がセラミック材料で構成されている場合には、セラミック材料は脆弱材料であるため、稜線部がより欠け易くなる。稜線部の欠損に伴って、外部電極と側面電極との接続部が欠損すると、外部電極と側面電極とが断線してしまう。外部電極と側面電極との接続部が部分的に欠損した場合であっても、外部電極と側面電極との導通抵抗が増大してしまう。さらに、圧電体層41を構成するセラミック材料等の熱膨張係数(数ppm/℃)と、外部電極及び側面電極を構成する金属等の熱膨張係数(数十ppm/℃)とは数倍異なるため、圧電体層41と外部電極及び側面電極との間で大きな熱応力が発生する。この熱応力は、稜線部に集中する。つまり、この熱応力によっても、稜線部の欠損が生じる虞がある。このように、外部電極と側面電極とを稜線部において接続する構成においては、超音波アクチュエータ2の信頼性がどうしても低くなってしまう。
それに対して、本実施形態では、同電位となる外部電極と内部電極層とを2つの側面電極で接続している。詳しくは、同電位となる第1外部電極81と第1分割電極51A,51Cとは、2つの第1側面電極71A,71Cを介して接続されている。第1側面電極71aはアクチュエータ本体4の長辺稜線部40cにおいて、第1側面電極71cはアクチュエータ本体4の短辺稜線部40eにおいて、それぞれ第1外部電極81に接続されている。こうすることによって、長辺稜線部40c又は短辺稜線部40eの欠損により、第1外部電極81と第1側面電極71Aとの接続部及び第1外部電極81と第1側面電極71Cとの接続部の何れか一方が欠けたとしても、他方の接続部は存続しているため、第1外部電極81と第1分割電極51A,51Cとの導通を維持することができる。
また、同電位となる第2外部電極82と第2分割電極52B,52Dとは、2つの第2側面電極72A,72Cを介して接続されている。このように、第2外部電極82も、アクチュエータ本体4の長辺稜線部40c及び短辺稜線部40fの2つの稜線部において、それぞれ第2側面電極72A,72Cと接続されている。こうすることによって、長辺稜線部40c又は短辺稜線部40fの欠落によって、第2外部電極82と第2側面電極72Aとの接続部及び第2外部電極82と第2側面電極72Cとの接続部の何れか一方が欠けたとしても、他方の接続部は存続しているため、第2外部電極82と第2分割電極52B,52Dとの導通を維持することができる。
さらに、同電位となる第3外部電極83とマイナス電極層6とは、2つの第3側面電極73A,73Bを介して接続されている。このように、第3外部電極83も、アクチュエータ本体4の長辺稜線部40c及び長辺稜線部40dの2つの稜線部において、それぞれ第3側面電極73A,73Bと接続されている。こうすることによって、長辺稜線部40c又は長辺稜線部40dの欠落によって、第3外部電極83と第3側面電極73Aとの接続部及び第3外部電極83と第3側面電極73Bとの接続部の何れか一方が欠けたとしても、他方の接続部は存続しているため、第3外部電極83とマイナス電極層6との導通を維持することができる。また、第3外部電極83と各第3側面電極73A,73Bとの接続部の稜線部に沿った長さ(以下、単に接続部の長さという)は、第1外部電極81と各第1側面電極71A,71Cとの接続部の長さ、及び第2外部電極82と各第2側面電極72A,72Cとの接続部の長さよりも長くなっている。
したがって、本実施形態によれば、アクチュエータ本体4の稜線部40c〜40fにおいて接続される側面電極71A〜73Bを外部電極81〜83ごとに複数設けることによって、外部電極81〜83と側面電極71A〜73Bとの接続部の1つで欠損が生じたとしても、別の接続部で導通が維持されるため、超音波アクチュエータ2の信頼性を向上させることができる。
また、第1外部電極81に設けられた複数の第1側面電極71A,71Cは、長辺稜線部40cと短辺稜線部40eとの異なる稜線部において第1外部電極81に接続されているため、1つの稜線部が欠損したとしても、第1側面電極71A,71Cの何れか一方と第1外部電極81との接続部は残存するため、第1外部電極81と第1分割電極51A,51Cとの導通を維持することができる。すなわち、仮に、第1外部電極81と第1側面電極71A,71Cとを同じ稜線部において接続していると、該稜線部が広い範囲で欠損した場合には、第1外部電極81と全ての第1側面電極71A,71Cとの接続部も欠損してしまう虞がある。それに対して、第1外部電極81と第1側面電極71A,71Cとの接続部を異なる稜線部に設けることによって、接続部の欠損の危険性を分散することができる。その結果、超音波アクチュエータ2の信頼性を向上させることができる。
同様に、第2外部電極82に設けられた複数の第2側面電極72A,72Cは、長辺稜線部40cと短辺稜線部40fとの異なる稜線部において第2外部電極82に接続されているため、1つの接続部が欠損したとしても、第2側面電極72A,72Cの何れか一方と第2外部電極82との接続部は残存するため、第2外部電極82と第2分割電極52B,52Dとの導通を維持することができる。
さらに、第3外部電極83に設けられた複数の第3側面電極73A,73Bは、長辺稜線部40cと長辺稜線部40dとの異なる稜線部において第3外部電極83に接続されているため、1つの接続部が欠損したとしても、第3側面電極73A,73Bの何れか一方と第3外部電極83との接続部は残存するため、第3外部電極83とマイナス電極層6との導通を維持することができる。
さらに、第1外部電極81を、長辺稜線部40cと短辺稜線部40eとの、互いに平行でない2つの稜線部において第1側面電極71A,71Cと接続することによって、超音波アクチュエータ2の信頼性をさらに向上させることができる。すなわち、アクチュエータ本体4を製造工程等において機械等で搬送するときには、アクチュエータ本体4はチャック等によって両側から挟持される。このような保持部材によってアクチュエータ本体4が挟持されるときには、保持部材と当接する稜線部が欠損する虞がある。そして、アクチュエータ本体4の平行な稜線部は保持部材により共に挟持される可能性が高く、そのため、平行な稜線部は一度に欠損する虞がある。また、アクチュエータ本体4が製造工程等において搬送されるときには、保持部材によって挟持されたり、搬送台等に載置されたりして、一定の姿勢のまま移動することがよくある。つまり、平行な稜線部は全て進行方向に対して同じ姿勢となるため、外部の障害物に接触する危険性が全ての平行な稜線部で同じになってしまう。よって、このような場合にも、平行な稜線部が一度に欠損する虞がある。さらに、外部電極等を圧電体層41に印刷する際には、例えば、圧電体層41にマスク処理を施し、外部電極となる溶融材料を圧電体層41に対して一定の方向に塗布していく。そのため、平行な稜線部では、溶融材料の塗布状態(例えば、厚さ等)が同じ様になってしまう。例えば、圧電体層41の主面41aに対して溶融材料を長手方向に塗布する場合には、一対の長辺稜線部40c,40dでは同じ様な塗布状態となる可能性が高いが、長辺稜線部40c(40d)と短辺稜線部40e(40f)とでは、塗布方向に対する稜線部の延びる方向が異なるため塗布状態が異なる可能性が高い。したがって、場合によっては、全ての接続部が均一に薄くなる、即ち、均一に欠損しやすくなる虞がある。それに対して、第1外部電極81と第1側面電極71A,71Cとの接続部を、互いに平行でない2つの稜線部(即ち、長辺稜線部40cと短辺稜線部40e)に設けることによって、全ての接続部が一度に欠損してしまうことを防止することができると共に、全ての接続部が均一に薄く形成されることを防止することができる。
同様に、第2外部電極82と第2側面電極72A,72Cとの接続部を、長辺稜線部40cと短辺稜線部40fとの、互いに平行でない2つの稜線部に設けることによって、全ての稜線部が一度に欠損してしまうことを防止することができると共に、全ての接続部が均一に薄く形成されることを防止することができる。
さらに、第1〜第3外部電極81〜83をアクチュエータ本体4の主面4Aにおいて、主面4Aの重心を通って短手方向に延びる直線に対して線対称に配置することによって、アクチュエータ本体4の振動の対称性を確保することができる。それにより、超音波アクチュエータ2から出力される駆動力を安定化させると共に、駆動方向の両側に対して均一に駆動力を出力することができる。
さらにまた、第1〜第3外部電極81〜83とフレキシブルプリント基板9との接続部を屈曲振動のノード部近傍に配置することによって、第1〜第3外部電極81〜83とフレキシブルプリント基板9との接続部がアクチュエータ本体4の振動を阻害してしまうことを抑制することができる。さらに、第3外部電極83とフレキシブルプリント基板9との接続部を屈曲振動及び伸縮振動のノード部近傍に配置することによって、アクチュエータ本体4の振動を阻害してしまうことをより一層、抑制することができる。
また、第3外部電極83と第3側面電極73A,73Bとの接続部の長さを、第1外部電極81と第1側面電極71A,71Cとの接続部の長さ、及び第2外部電極82と第2側面電極72A,72Cとの接続部の長さよりも長くすることによって、電力の損失を低減することができる。つまり、本実施形態では、第1分割電極51A,51Cと、第2分割電極52B,52Dに対する対向電極をマイナス電極層6で共通化している。そのため、マイナス電極層6には、第1分割電極51A,51Cや第2分割電極52B,52Dと比較して大きな電流が流れる。そこで、より大きな電流が流れる、第3外部電極83と第3側面電極73A,73Bとの接続部の長さを長くすることによって、導通抵抗を低減して、電力の損失を低減することができる。
さらに、アクチュエータ本体4の主面4Aは駆動力を出力する駆動方向である長手方向と平行であるため、第1〜第3外部電極81〜83を主面4Aに設けることによって、第1〜第3外部電極81〜83に接続したフレキシブルプリント基板9を駆動方向に沿って延設することができる。こうして、第1〜第3外部電極81〜83に接続するフレキシブルプリント基板9を、該第1〜第3外部電極81〜83から、駆動力の出力方向である長手方向に沿って延設することによって、フレキシブルプリント基板9の取り回しを簡略にすることができる。つまり、本実施形態では、ステージ11が駆動方向へ移動するため、フレキシブルプリント基板9をアクチュエータ本体4から、該駆動方向に直交する短手方向や厚み方向に引き延ばすと、フレキシブルプリント基板9がステージ11やステージ11と共に移動する物体に干渉する虞がある。それに対して、フレキシブルプリント基板9を駆動方向に沿って延設すると、フレキシブルプリント基板9とステージ11及びステージ11と共に移動する物体との干渉を防止することができる。また、ステージ11が固定されており、超音波アクチュエータ2が取り付けられている物体がステージ11に対して移動する構成(即ち、自走式の構成)においては、駆動方向には超音波アクチュエータ2が移動するためのスペースが確保されている。フレキシブルプリント基板9を駆動方向に沿って延設することによって、このスペースを利用してフレキシブルプリント基板9を延設することができる。その結果、フレキシブルプリント基板9がステージ11等の固定体に干渉することを防止することができる。
<変形例1>
続いて、前記実施形態の変形例1について説明する。変形例1に係る超音波アクチュエータは、アクチュエータ本体104の内部電極105,106の構成が前記アクチュエータ本体4の内部電極層5,6の構成と異なる。
アクチュエータ本体104では、図9に示すように、圧電体層41の主面41aの領域A3,A4(図4参照)にだけ電極が設けられている。すなわち、アクチュエータ本体104のプラス電極層105は、圧電体層41の主面41aをその長手方向L及び短手方向Sにそれぞれ2等分してなる4つの領域A1〜A4のうちの領域A3に設けられた第1分割電極51Cと、領域A3に対して長手方向に隣り合う領域A4に設けられた第2分割電極52Dとを含んでいる。そして、アクチュエータ本体104のマイナス電極層106は、第1及び第2分割電極51C,52Dに対する共通電極ではなく、第1分割電極51Cと圧電体層41を挟んで対向する第1対向分割電極61Cと、第2分割電極52Dと圧電体層41を挟んで対向する第2対向分割電極62Dとを含んでいる。これらプラス電極層105及びマイナス電極層106が内部電極を構成し、第1分割電極51Cが第1電極を、第2分割電極52Dが第1分割電極51Cと異なるパターンで配置された第2電極を構成し、第1対向分割電極61Cが第1対向電極を、第2対向分割電極62Dが第2対向電極を構成する。
また、圧電体層41の長辺側面41dには、長手方向一端部に第2側面電極72bが、長手方向他端部に第1側面電極71bが、長手方向中央よりも第2側面電極72b寄りの位置に第4側面電極74bが、長手方向中央よりも第1側面電極71b寄りの位置に第3側面電極73bが設けられている。圧電体層41の一方の短辺側面41eには、短手方向一端部に第4側面電極74cが、短手方向他端部に第2側面電極72cが設けられている。圧電体層41の他方の短辺側面41fには、短手方向一端部に第3側面電極73cが、短手方向他端部に第1側面電極71cが設けられている。
そして、第1分割電極51Cには、長辺側面41dの第1側面電極71bまで延びる引出電極51bと、短辺側面41fの第1側面電極71cまで延びる引出電極51cとが設けられている。すなわち、第1分割電極51Cは、引出電極51bを介して第1側面電極71bに接続されていると共に、引出電極51cを介して第1側面電極71cに接続されている。また、第2分割電極52Dには、長辺側面41dの第2側面電極72bまで延びる引出電極52bと、短辺側面41eの第2側面電極72cまで延びる引出電極52cとが設けられている。すなわち、第2分割電極52Dは、引出電極52bを介して第2側面電極72bと接続されていると共に、引出電極52cを介して第2側面電極72cに接続されている。さらに、第1対向分割電極61Cには、長辺側面41dの第3側面電極73bまで延びる引出電極61bと、短辺側面41fの第3側面電極73cまで延びる引出電極61cとが設けられている。すなわち、第1対向分割電極61Cは、引出電極61bを介して第3側面電極73bに接続されていると共に、引出電極61cを介して第3側面電極73cに接続されている。さらにまた、第2対向分割電極62Dには、長辺側面41dの第4側面電極74bまで延びる引出電極62bと、短辺側面41eの第4側面電極74cまで延びる引出電極62cとが設けられている。すなわち、第2対向分割電極62Dは、引出電極62bを介して第4側面電極74bに接続されていると共に、引出電極62cを介して第4側面電極74cに接続されている。
このように構成された圧電体層41,41,…を積層させると、圧電体層41の側面に形成された第1〜第4側面電極71b〜74cが積層方向に繋がり、圧電体層41,41,…の積層体、即ち、アクチュエータ本体104の側面には、一体的に繋がった第1〜第4側面電極71B〜74Cが形成される。詳しくは、図10に示すように、アクチュエータ本体104の長辺側面4Dには、複数の第2側面電極72b,72b,…が一まとまりに繋がった第2側面電極72B、複数の第4側面電極74b,74b,…が一まとまりに繋がった第4側面電極74B、複数の第3側面電極73b,73b,…が一まとまりに繋がった第3側面電極73B、及び複数の第1側面電極71b,71b,…が一まとまりに繋がった第1側面電極71Bが形成される。アクチュエータ本体104の短辺側面4Eには、複数の第4側面電極74c,74c,…が一まとまりに繋がった第4側面電極74C、及び複数の第2側面電極72c,72c,…が一まとまりに繋がった第2側面電極72Cが形成される。アクチュエータ本体104の短辺側面4Fには、複数の第3側面電極73c,73c,…が一まとまりに繋がった第3側面電極73C、及び複数の第1側面電極71c,71c,…が一まとまりに繋がった第1側面電極71Cが形成される。
そして、アクチュエータ本体104の最外層の圧電体層41の外側に露出する主面41a(即ち、アクチュエータ本体104の主面4A)には、第1分割電極51Cに給電するための第1外部電極81と、第2分割電極52Dに給電するための第2外部電極82と、第1対向分割電極61Cに給電するための第3外部電極83と、第2対向分割電極62Dに給電するための第4外部電極84が形成されている。第1〜第4外部電極81〜84は、アクチュエータ本体104の主面4Aの重心を通って短手方向に延びる直線に対して線対称に配置されている。
第1外部電極81は、アクチュエータ本体104の主面4Aの一の隅部においてL字状に形成されている。第1外部電極81の一端は、長辺側面4Dの第1側面電極71Bに接続される一方、他端は、短辺側面4Fの第1側面電極71Cに接続されている。詳しくは、第1外部電極81と第1側面電極71Bとは、アクチュエータ本体104の主面4Aと長辺側面4Dとで形成される長辺稜線部40dにおいて接続されている。また、第1外部電極81と第1側面電極71Cとは、アクチュエータ本体104の主面4Aと短辺側面4Fとで形成される短辺稜線部40fにおいて接続されている。このように接続された第1外部電極81及び第1側面電極71B,71Cは、2つの稜線部40d,40fに跨って形成されている。こうして、第1外部電極81は、2つの第1側面電極71B,71Cを介して第1分割電極51C,51C,…と導通している。
第2外部電極82は、アクチュエータ本体104の、第1外部電極81の位置とは別の隅部(長手方向の反対側の隅部)においてL字状に形成されている。第2外部電極82の一端は、長辺側面4Dの第2側面電極72Bに接続される一方、他端は、短辺側面4Eの第2側面電極72Cに接続されている。詳しくは、第2外部電極82と第2側面電極72Bとは、アクチュエータ本体104の主面4Aと長辺側面4Dとで形成される長辺稜線部40dにおいて接続されている。また、第2外部電極82と第2側面電極72Cとは、アクチュエータ本体104の主面4Aと短辺側面4Eとで形成される短辺稜線部40eにおいて接続されている。このように接続された第2外部電極82及び第2側面電極72B,72Cは、2つの稜線部40d,40eに跨って形成されている。こうして、第2外部電極82は、2つの第2側面電極72B,72Cを介して第2分割電極52D,52D,…と導通している。
第3外部電極83は、第1外部電極81が設けられた隅部において該第1外部電極81を囲むように、L字状に形成されている。第3外部電極83の一端は、長辺側面4Dの第3側面電極73Bに接続される一方、他端は、短辺側面4Fの第3側面電極73Cに接続されている。詳しくは、第3外部電極83と第3側面電極73Bとは、アクチュエータ本体104の主面4Aと長辺側面4Dとで形成される長辺稜線部40dにおいて接続されている。また、第3外部電極83と第3側面電極73Cとは、アクチュエータ本体104の主面4Aと短辺側面4Fとで形成される短辺稜線部40fにおいて接続されている。このように接続された第3外部電極83及び第3側面電極73B,73Cは、2つの稜線部40d,40fに跨って形成されている。こうして、第3外部電極83は、2つの第3側面電極73B,73Cを介して第1対向分割電極61C,61C,…と導通している。
第4外部電極84は、第2外部電極82が設けられた隅部において該第2外部電極82を囲むように、L字状に形成されている。第4外部電極84の一端は、長辺側面4Dの第4側面電極74Bに接続される一方、他端は、短辺側面4Eの第4側面電極74Cに接続されている。詳しくは、第4外部電極84と第4側面電極74Bとは、アクチュエータ本体104の主面4Aと長辺側面4Dとで形成される長辺稜線部40dにおいて接続されている。また、第4外部電極84と第4側面電極74Cとは、アクチュエータ本体104の主面4Aと短辺側面4Eとで形成される短辺稜線部40eにおいて接続されている。このように接続された第4外部電極84及び第4側面電極74B,74Cは、2つの稜線部40d,40eに跨って形成されている。こうして、第4外部電極84は、2つの第4側面電極74B,74Cを介して第2対向分割電極62D,62D,…と導通している。
このように構成されたアクチュエータ本体104においては、第1〜第4外部電極81〜84が外表面に露出している。これら第1〜第4外部電極81〜84を給電端子として、アクチュエータ本体104に給電が行われる。詳しくは、アクチュエータ本体104の主面4Aにおいて、第1〜第4外部電極81〜84にフレキシブルプリント基板(図示省略)が接続される。そして、第1分割電極51C及び第1対向分割電極61Cと、第2分割電極52D及び第2対向分割電極62Dとにそれぞれ、位相が90°ずれた第1及び第2駆動電圧を印加することによって、アクチュエータ本体104に1次モードの伸縮振動と2次モードの屈曲振動とを調和的に発生させることができる。その結果、駆動子49,49が周回運動を行い、アクチュエータ本体104の長手方向へ駆動力を出力する。
かかる構成においても、外部電極ごとに2つの側面電極が設けられている。これにより、外部電極と側面電極との接続部の1つで欠損が生じたとしても、別の接続部で導通が維持されるため、超音波アクチュエータ2の信頼性を向上させることができる。例えば、第1外部電極81には、稜線部40d,40fにおいて2つの第1側面電極71B,71Cが接続されている。仮に稜線部40dが欠損して、第1外部電極81と第1側面電極71Bとが断線したとしても、第1外部電極81と第1側面電極71Cとは接続されているため、第1外部電極81と第1分割電極51C,51C,…との導通が維持される。
<変形例2>
次に、変形例2に係る超音波アクチュエータについて説明する。変形例2に係る超音波アクチュエータは、アクチュエータ本体204の内部電極の構成が前記アクチュエータ本体4の内部電極層5,6の構成と異なる。
アクチュエータ本体204は、図11に示すように、内部電極層として、第1プラス電極層5Tと、第2プラス電極層5Lと、マイナス電極層206とを有している。第1プラス電極層5Tは、4つの第1〜第2分割電極51A,52B,51C,52Dを有している。第2プラス電極層5Lは、圧電体層41の主面41aの略全面に亘って形成された1つの電極である。マイナス電極層206も、第2プラス電極層5Lと同様に、圧電体層41の主面41aの略全面に亘って形成された1つの電極である。これら第1プラス電極層5T、第2プラス電極層5L及びマイナス電極層206が内部電極を構成し、第1分割電極51A,51Cが第1電極を、第2分割電極52B,52Dが第1分割電極51A,51Cと異なるパターンで配置された第2電極を構成する。また、第2プラス電極層5Lも、第1分割電極51A,51Cと異なるパターンで配置された第2電極を構成する。マイナス電極層206は、第1分割電極51A,51Cと圧電体層41を挟んで対向する第1対向電極を構成すると共に、第2分割電極52B,52Dと圧電体層41を挟んで対向する第2対向電極も構成し、さらに、第2プラス電極層5Lと圧電体層41を挟んで対向する第2対向電極も構成する。
アクチュエータ本体204は、第1プラス電極層5Tが設けられた圧電体層41、マイナス電極層206が設けられた圧電体層41、第2プラス電極層5Lが設けられた圧電体層41、マイナス電極層が設けられた圧電体層41の順で、複数の圧電体層41,41,…が積層されて構成されている。
また、圧電体層41の長辺側面41cには、長手方向一端部に第1側面電極71aが、長手方向他端部に第2側面電極72aが、長手方向中央よりも第1側面電極71a寄りの位置に第4側面電極74aが、長手方向中央よりも第2側面電極72a寄りの位置に第3側面電極73aが設けられている。圧電体層41の長辺側面41dには、長手方向一端部に第2側面電極72bが、長手方向他端部に第1側面電極71bが、長手方向中央よりも第2側面電極72b寄りの位置に第4側面電極74bが、長手方向中央よりも第1側面電極71b寄りの位置に第3側面電極73bが設けられている。圧電体層41の一方の短辺側面41eには、短手方向一端部に第1側面電極71cが、短手方向他端部に第2側面電極72cが設けられている。圧電体層41の他方の短辺側面41fには、短手方向一端部に第2側面電極72dが、短手方向他端部に第1側面電極71dが設けられている。
そして、第1分割電極51Aには、長辺側面41cの第1側面電極71aまで延びる引出電極51aと、短辺側面41eの第1側面電極71cまで延びる引出電極51cとが設けられている。すなわち、第1分割電極51Aは、引出電極51aを介して第1側面電極71aに、引出電極51cを介して第1側面電極71cに接続されている。また、第1分割電極51Cには、長辺側面41dの第1側面電極71bまで延びる引出電極51bと、短辺側面41fの第1側面電極71dまで延びる引出電極51dとが設けられている。すなわち、第1分割電極51Cは、引出電極51bを介して第1側面電極71bに、引出電極51dを介して第1側面電極71dに接続されている。
また、第2分割電極52Bには、長辺側面41cの第2側面電極72aまで延びる引出電極52aと、短辺側面41fの第2側面電極72dまで延びる引出電極52dとが設けられている。すなわち、第2分割電極52Bは、引出電極52aを介して第2側面電極72aに、引出電極52dを介して第2側面電極72dに接続されている。第2分割電極52Dには、長辺側面41dの第2側面電極72bまで延びる引出電極52bと、短辺側面41eの第2側面電極72cまで延びる引出電極52cとが設けられている。すなわち、第2分割電極52Dは、引出電極52bを介して第2側面電極72bに、引出電極52cを介して第2側面電極72cに接続されている。
さらに、第2プラス電極層5Lには、長辺側面41cの第3側面電極73aまで延びる引出電極53aと、長辺側面41dの第3側面電極73bまで延びる引出電極53bとが設けられている。すなわち、第2プラス電極層5Lは、引出電極53aを介して第3側面電極73aに、引出電極53bを介して第3側面電極73bに接続されている。
さらにまた、マイナス電極層206には、長辺側面41cの第4側面電極74aまで延びる引出電極6aと、長辺側面41dの第4側面電極74bまで延びる引出電極61bとが設けられている。すなわち、マイナス電極層206は、引出電極6aを介して第4側面電極74aに、引出電極61bを介して第4側面電極74bに接続されている。
このように構成された圧電体層41,41,…を積層させると、圧電体層41の側面に形成された第1〜第4側面電極71a〜74bが積層方向に繋がり、圧電体層41,41,…の積層体、即ち、アクチュエータ本体204の側面には、一体的に繋がった第1〜第4側面電極71A〜74Bが形成される。詳しくは、図12に示すように、アクチュエータ本体204の長辺側面4Cには、複数の第1側面電極71a,71a,…が一まとまりに繋がった第1側面電極71A、複数の第4側面電極74a,74a,…が一まとまりに繋がった第4側面電極74A、複数の第3側面電極73a,73a,…が一まとまりに繋がった第3側面電極73A、及び複数の第2側面電極72a,72a,…が一まとまりに繋がった第2側面電極72Aが形成される。アクチュエータ本体204の長辺側面4Dには、複数の第2側面電極72b,72b,…が一まとまりに繋がった第2側面電極72B、複数の第4側面電極74b,74b,…が一まとまりに繋がった第4側面電極74B、複数の第3側面電極73b,73b,…が一まとまりに繋がった第3側面電極73B、及び複数の第1側面電極71b,71b,…が一まとまりに繋がった第1側面電極71Bが形成される。アクチュエータ本体204の短辺側面4Eには、複数の第1側面電極71c,71c,…が一まとまりに繋がった第1側面電極71C、及び複数の第2側面電極72c,72c,…が一まとまりに繋がった第2側面電極72Cが形成される。アクチュエータ本体204の短辺側面4Fには、複数の第2側面電極72d,72d,…が一まとまりに繋がった第2側面電極72D、及び複数の第1側面電極71d,71d,…が一まとまりに繋がった第1側面電極71Dが形成される。
そして、アクチュエータ本体204の最外層の圧電体層41の外側に露出する主面41a(即ち、アクチュエータ本体204の主面4A)には、第1分割電極51A,51A,…に給電するための第1外部電極81Aと、第1分割電極51C,51C,…に給電するための第1外部電極81Cと、第2分割電極52Bに給電するための第2外部電極82Bと、第2分割電極52Dに給電するための第2外部電極82Dと、第2プラス電極層5Lに給電するための第3外部電極83と、マイナス電極層206に給電するための第4外部電極84が形成されている。第1〜第4外部電極81A〜84は、アクチュエータ本体204の主面4Aの重心を通って短手方向に延びる直線に対して線対称に配置されている。
第1外部電極81Aは、アクチュエータ本体204の主面4Aを長手方向及び短手方向に2分割して形成される4つの領域のうちの領域A1(図4参照)において、主面4Aの隅部を囲むようにL字状に形成されている。第1外部電極81Aの一端は、長辺側面4Cの第1側面電極71Aに接続される一方、他端は、短辺側面4Eの第1側面電極71Cに接続されている。詳しくは、第1外部電極81Aと第1側面電極71Aとは、アクチュエータ本体204の主面4Aと長辺側面4Cとで形成される長辺稜線部40cにおいて接続されている。また、第1外部電極81Aと第1側面電極71Cとは、アクチュエータ本体204の主面4Aと短辺側面4Eとで形成される短辺稜線部40eにおいて接続されている。このように接続された第1外部電極81A及び第1側面電極71A,71Cは、2つの稜線部40c,40eに跨って形成されている。こうして、第1外部電極81Aは、2つの第1側面電極71A,71Cを介して第1分割電極51A,51A,…と導通している。
第1外部電極81Cは、アクチュエータ本体204の主面4Aを長手方向及び短手方向に2分割して形成される4つの領域のうちの領域A3(図4参照)において、主面4Aの隅部を囲むようにL字状に形成されている。第1外部電極81Cの一端は、長辺側面4Dの第1側面電極71Bに接続される一方、他端は、短辺側面4Fの第1側面電極71Dに接続されている。詳しくは、第1外部電極81Cと第1側面電極71Bとは、アクチュエータ本体204の主面4Aと長辺側面4Dとで形成される長辺稜線部40dにおいて接続されている。また、第1外部電極81Cと第1側面電極71Dとは、アクチュエータ本体204の主面4Aと短辺側面4Fとで形成される短辺稜線部40fにおいて接続されている。このように接続された第1外部電極81C及び第1側面電極71B,71Dは、2つの稜線部40d,40fに跨って形成されている。こうして、第1外部電極81Cは、2つの第1側面電極71B,71Dを介して第1分割電極51C,51C,…と導通している。
第2外部電極82Bは、アクチュエータ本体204の主面4Aを長手方向及び短手方向に2分割して形成される4つの領域のうちの領域A2(図4参照)において、主面4Aの隅部を囲むようにL字状に形成されている。第2外部電極82Bの一端は、長辺側面4Cの第2側面電極72Aに接続される一方、他端は、短辺側面4Fの第2側面電極72Dに接続されている。詳しくは、第2外部電極82Bと第2側面電極72Aとは、アクチュエータ本体204の主面4Aと長辺側面4Cとで形成される長辺稜線部40cにおいて接続されている。また、第2外部電極82Bと第2側面電極72Dとは、アクチュエータ本体204の主面4Aと短辺側面4Fとで形成される短辺稜線部40fにおいて接続されている。このように接続された第2外部電極82B及び第2側面電極72A,72Dは、2つの稜線部40c,40fに跨って形成されている。こうして、第2外部電極82Bは、2つの第2側面電極72A,72Dを介して第2分割電極52B,52B,…と導通している。
第2外部電極82Dは、アクチュエータ本体204の主面4Aを長手方向及び短手方向に2分割して形成される4つの領域のうちの領域A4(図4参照)において、主面4Aの隅部を囲むようにL字状に形成されている。第2外部電極82Dの一端は、長辺側面4Dの第2側面電極72Bに接続される一方、他端は、短辺側面4Eの第2側面電極72Cに接続されている。詳しくは、第2外部電極82Dと第2側面電極72Bとは、アクチュエータ本体204の主面4Aと長辺側面4Dとで形成される長辺稜線部40dにおいて接続されている。また、第2外部電極82Dと第2側面電極72Cとは、アクチュエータ本体204の主面4Aと短辺側面4Eとで形成される短辺稜線部40eにおいて接続されている。このように接続された第2外部電極82D及び第2側面電極72B,72Cは、2つの稜線部40d,40eに跨って形成されている。こうして、第2外部電極82Dは、2つの第2側面電極72B,72Cを介して第2分割電極52D,52D,…と導通している。
第3外部電極83は、前記領域A2,A3内であって、アクチュエータ本体204の主面4Aの長手方向中央近傍の位置において、短手方向に延びる直線状に形成されている。第3外部電極83の一端は、長辺側面4Cの第3側面電極73Aに接続される一方、他端は、長辺側面4Dの第3側面電極73Bに接続されている。詳しくは、第3外部電極83と第3側面電極73Aとは、アクチュエータ本体204の主面4Aと長辺側面4Cとで形成される長辺稜線部40cにおいて接続されている。また、第3外部電極83と第3側面電極73Bとは、アクチュエータ本体204の主面4Aと長辺側面4Dとで形成される長辺稜線部40dにおいて接続されている。このように接続された第3外部電極83及び第3側面電極73A,73Bは、2つの稜線部40c,40dに跨って形成されている。こうして、第3外部電極83は、2つの第3側面電極73A,73Bを介して第2プラス電極層5L,5L,…と導通している。
第4外部電極84は、前記領域A1,A4内であって、アクチュエータ本体204の主面4Aの長手方向中央近傍の位置において、短手方向に延びる直線状に形成されている。第4外部電極84の一端は、長辺側面4Cの第4側面電極74Aに接続される一方、他端は、長辺側面4Dの第4側面電極74Bに接続されている。詳しくは、第4外部電極84と第4側面電極74Aとは、アクチュエータ本体204の主面4Aと長辺側面4Cとで形成される長辺稜線部40cにおいて接続されている。また、第4外部電極84と第4側面電極74Bとは、アクチュエータ本体204の主面4Aと長辺側面4Dとで形成される長辺稜線部40dにおいて接続されている。このように接続された第4外部電極84及び第4側面電極74A,74Bは、2つの稜線部40c,40dに跨って形成されている。こうして、第4外部電極84は、2つの第4側面電極74A,74Bを介してマイナス電極層206,206,…と導通している。
このように構成されたアクチュエータ本体204においては、第1〜第4外部電極81A〜84が外表面に露出している。これら第1〜第4外部電極81A〜84を給電端子として、アクチュエータ本体204に給電が行われる。詳しくは、アクチュエータ本体204の主面4Aにおいて、第1〜第4外部電極81A〜84にフレキシブルプリント基板(図示省略)が接続される。そして、第1外部電極81A,81C及び第4外部電極84を介して第1分割電極51A,51C及びマイナス電極層206に第1駆動電圧を印加すると共に、第2外部電極82B,82D及び第4外部電極84を介して第2分割電極52B,52D及びマイナス電極層206に第1駆動電圧と位相が180°異なる第2駆動電圧を印加することによって、第1プラス電極層5Tとマイナス電極層206とに挟持された圧電体層41に屈曲振動を生じさせる。それに加えて、第3外部電極83を介して第2プラス電極層5Lに第1駆動電圧及び第2駆動電圧とそれぞれ位相が90°ずれた第3駆動電圧を印加する。これにより、第2プラス電極層5Lとマイナス電極層206とに挟持された圧電体層41に伸縮振動を生じさせる。屈曲振動を生じる圧電体層41と伸縮振動を生じる圧電体層41とは、積層されて一体となったアクチュエータ本体204を構成するため、アクチュエータ本体204には、全体としては、伸縮振動と圧縮振動とが調和的に発生する。その結果、駆動子49,49が周回運動を行い、駆動力を出力する。
かかる構成においても、外部電極ごとに2つの側面電極が設けられている。これにより、外部電極と側面電極との接続部の1つで欠損が生じたとしても、別の接続部で導通が維持されるため、超音波アクチュエータ2の信頼性を向上させることができる。例えば、第1外部電極81Aには、稜線部40c,40eにおいて2つの第1側面電極71A,71Cが接続されている。仮に稜線部40cが欠損して、第1外部電極81Aと第1側面電極71Aとが断線したとしても、第1外部電極81Aと第1側面電極71Cとは接続されているため、第1外部電極81Aと第1分割電極51A,51A,…との導通が維持される。
<変形例3>
次に、変形例3に係る超音波アクチュエータについて説明する。変形例3に係る超音波アクチュエータは、アクチュエータ本体304の内部電極の構成が前記アクチュエータ本体4の内部電極層5,6の構成と異なる。
アクチュエータ本体304は、図13に示すように、内部電極層として、第1プラス電極層5Tと、第2プラス電極層5Lと、第1マイナス電極層6Tと、第2マイナス電極層6Lとを有している。第1プラス電極層5Tは、前記領域A1,A3に設けられた2つの第1分割電極51A,51Cと該第1分割電極51A,51Cを接続する接続電極51Eとを有している。第2プラス電極層5Lは、圧電体層41の主面41aの略全面に亘って形成された1つの電極である。第1マイナス電極層6Tは、前記領域A1,A3に設けられた2つの第1対向分割電極61A,61Cと該第1対向分割電極61A,61Cを接続する接続電極61Eとを有している。第2マイナス電極層6Lは、第2プラス電極層5Lと同様に、圧電体層41の主面41aの略全面に亘って形成された1つの電極である。第1プラス電極層5Tの接続電極51Eと、第1マイナス電極層6Tの接続電極61Eとは、長手方向にずれており、積層方向を向いて見て、互いに重ならないようになっている。これら第1プラス電極層5T、第2プラス電極層5L、第1マイナス電極層6T及び第2マイナス電極層6Lが内部電極を構成する。また、第1分割電極51A,51Cが第1電極を構成し、第2プラス電極層5Lが、第1分割電極51A,51Cと異なるパターンで配置された第2電極を構成する。さらに、第1対向分割電極61A,61Cが第1対向電極を構成し、第2マイナス電極層6Lが、第2プラス電極層5Lと圧電体層41を挟んで対向する第2対向電極を構成する。
アクチュエータ本体304は、第1プラス電極層5Tが設けられた圧電体層41、第1マイナス電極層6Tが設けられた圧電体層41、第2プラス電極層5Lが設けられた圧電体層41、第2マイナス電極層6Lが設けられた圧電体層41の順で、複数の圧電体層41,41,…が積層されて構成されている。
また、圧電体層41の長辺側面41cには、長手方向一端部に第3側面電極73aが、長手方向他端部に第4側面電極74aが設けられている。圧電体層41の長辺側面41dには、長手方向一端部に第2側面電極72bが、長手方向他端部に第1側面電極71bが設けられている。圧電体層41の一方の短辺側面41eには、短手方向一端部に第3側面電極73cが、短手方向他端部に第2側面電極72cが設けられている。圧電体層41の他方の短辺側面41fには、短手方向一端部に第4側面電極74dが、短手方向他端部に第1側面電極71dが設けられている。
そして、第1プラス電極層5Tの第1分割電極51Cには、長辺側面41dの第1側面電極71bまで延びる引出電極51bと、短辺側面41fの第1側面電極71dまで延びる引出電極51dとが設けられている。すなわち、第1分割電極51Cは、引出電極51bを介して第1側面電極71bに、引出電極51dを介して第1側面電極71dに接続されている。
また、第1マイナス電極層6Tの第1対向分割電極61Aには、長辺側面41cの第3側面電極73aまで延びる引出電極61aと、短辺側面41eの第3側面電極73cまで延びる引出電極61cとが設けられている。すなわち、第1対向分割電極61Aは、引出電極61aを介して第3側面電極73aに、引出電極61cを介して第3側面電極73cに接続されている。
さらに、第2プラス電極層5Lには、長辺側面41dの第2側面電極72bまで延びる引出電極52bと、短辺側面41eの第2側面電極72cまで延びる引出電極52cとが設けられている。すなわち、第2プラス電極層5Lは、引出電極52bを介して第2側面電極72bに、引出電極52cを介して第2側面電極72cに接続されている。
さらにまた、第2マイナス電極層6Lには、長辺側面41cの第4側面電極74aまで延びる引出電極61aと、短辺側面41fの第4側面電極74dまで延びる引出電極61dとが設けられている。すなわち、第2マイナス電極層6Lは、引出電極61aを介して第4側面電極74aに、引出電極61dを介して第4側面電極74dに接続されている。
このように構成された圧電体層41,41,…を積層させると、圧電体層41の側面に形成された第1〜第4側面電極71b〜74dが積層方向に繋がり、圧電体層41,41,…の積層体、即ち、アクチュエータ本体304の側面には、一体的に繋がった第1〜第4側面電極71B〜74Dが形成される。詳しくは、図14に示すように、アクチュエータ本体304の長辺側面4Cには、複数の第3側面電極73a,73a,…が一まとまりに繋がった第3側面電極73A、及び複数の第4側面電極74a,74a,…が一まとまりに繋がった第4側面電極74Aが形成される。アクチュエータ本体304の長辺側面4Dには、複数の第2側面電極72b,72b,…が一まとまりに繋がった第2側面電極72B、及び複数の第1側面電極71b,71b,…が一まとまりに繋がった第1側面電極71Bが形成される。アクチュエータ本体304の短辺側面4Eには、複数の第3側面電極73c,73c,…が一まとまりに繋がった第3側面電極73C、及び複数の第2側面電極72c,72c,…が一まとまりに繋がった第2側面電極72Cが形成される。アクチュエータ本体304の短辺側面4Fには、複数の第4側面電極74d,74d,…が一まとまりに繋がった第4側面電極74D、及び複数の第1側面電極71d,71d,…が一まとまりに繋がった第1側面電極71Dが形成される。
そして、アクチュエータ本体304の最外層の圧電体層41の外側に露出する主面41a(即ち、アクチュエータ本体304の主面4A)には、第1プラス電極層5T,5T,…に給電するための第1外部電極81と、第2プラス電極層5L,5L,…に給電するための第2外部電極82と、第1マイナス電極層6T,6T,…に給電するための第3外部電極83と、第2マイナス電極層6L,6L,…に給電するための第4外部電極84とが形成されている。第1〜第4外部電極81〜84は、アクチュエータ本体304の主面4Aの重心を通って短手方向に延びる直線に対して線対称に配置されている。
第1外部電極81は、アクチュエータ本体304の主面4Aを長手方向及び短手方向に2分割して形成される4つの領域のうちの領域A3(図4参照)において、主面4Aの隅部を囲むようにL字状に形成されている。第1外部電極81の一端は、長辺側面4Dの第1側面電極71Bに接続される一方、他端は、短辺側面4Fの第1側面電極71Dに接続されている。詳しくは、第1外部電極81と第1側面電極71Bとは、アクチュエータ本体304の主面4Aと長辺側面4Dとで形成される長辺稜線部40dにおいて接続されている。また、第1外部電極81と第1側面電極71Dとは、アクチュエータ本体304の主面4Aと短辺側面4Fとで形成される短辺稜線部40fにおいて接続されている。このように接続された第1外部電極81及び第1側面電極71B,71Dは、2つの稜線部40d,40fに跨って形成されている。こうして、第1外部電極81は、2つの第1側面電極71B,71Dを介して第1プラス電極層5T,5T,…と導通している。
第2外部電極82は、アクチュエータ本体304の主面4Aを長手方向及び短手方向に2分割して形成される4つの領域のうちの領域A4(図4参照)において、主面4Aの隅部を囲むようにL字状に形成されている。第2外部電極82の一端は、長辺側面4Dの第2側面電極72Bに接続される一方、他端は、短辺側面4Eの第2側面電極72Cに接続されている。詳しくは、第2外部電極82と第2側面電極72Bとは、アクチュエータ本体304の主面4Aと長辺側面4Dとで形成される長辺稜線部40dにおいて接続されている。また、第2外部電極82と第2側面電極72Cとは、アクチュエータ本体304の主面4Aと短辺側面4Eとで形成される短辺稜線部40eにおいて接続されている。このように接続された第2外部電極82及び第2側面電極72B,72Cは、2つの稜線部40d,40eに跨って形成されている。こうして、第2外部電極82は、2つの第2側面電極72B,72Cを介して第2プラス電極層5L,5L,…と導通している。
第3外部電極83は、アクチュエータ本体304の主面4Aを長手方向及び短手方向に2分割して形成される4つの領域のうちの領域A1(図4参照)において、主面4Aの隅部を囲むようにL字状に形成されている。第3外部電極83の一端は、長辺側面4Cの第3側面電極73Aに接続される一方、他端は、短辺側面4Eの第3側面電極73Cに接続されている。詳しくは、第3外部電極83と第3側面電極73Aとは、アクチュエータ本体304の主面4Aと長辺側面4Cとで形成される長辺稜線部40cにおいて接続されている。また、第3外部電極83と第3側面電極73Cとは、アクチュエータ本体304の主面4Aと短辺側面4Eとで形成される短辺稜線部40eにおいて接続されている。このように接続された第3外部電極83及び第3側面電極73A,73Cは、2つの稜線部40c,40eに跨って形成されている。こうして、第3外部電極83は、2つの第3側面電極73A,73Cを介して第1マイナス電極層6T,6T,…と導通している。
第4外部電極84は、アクチュエータ本体304の主面4Aを長手方向及び短手方向に2分割して形成される4つの領域のうちの領域A2(図4参照)において、主面4Aの隅部を囲むようにL字状に形成されている。第4外部電極84の一端は、長辺側面4Cの第4側面電極74Aに接続される一方、他端は、短辺側面4Fの第4側面電極74Dに接続されている。詳しくは、第4外部電極84と第4側面電極74Aとは、アクチュエータ本体304の主面4Aと長辺側面4Cとで形成される長辺稜線部40cにおいて接続されている。また、第4外部電極84と第4側面電極74Dとは、アクチュエータ本体304の主面4Aと短辺側面4Fとで形成される短辺稜線部40fにおいて接続されている。このように接続された第4外部電極84及び第4側面電極74A,74Dは、2つの稜線部40c,40fに跨って形成されている。こうして、第4外部電極84は、2つの第4側面電極74A,74Dを介して第2マイナス電極層6L,6L,…と導通している。
このように構成されたアクチュエータ本体304においては、第1〜第4外部電極81〜84が外表面に露出している。これら第1〜第4外部電極81〜84を給電端子として、アクチュエータ本体304に給電が行われる。詳しくは、アクチュエータ本体304の主面4Aにおいて、第1〜第4外部電極81〜84にフレキシブルプリント基板(図示省略)が接続される。そして、第1及び第3外部電極81,83を介して第1プラス電極層5T及び第1マイナス電極層6Tに第1駆動電圧を印加する。これにより、第1プラス電極層5Tと第1マイナス電極層6Tとに挟持された圧電体層41に屈曲振動を生じさせる。それに加えて、第2及び第4外部電極82,84を介して第2プラス電極層5L及び第2マイナス電極層6Lに第1駆動電圧と位相が90°ずれた第2駆動電圧を印加する。これにより、第2プラス電極層5Lと第2マイナス電極層6Lとに挟持された圧電体層41に伸縮振動を生じさせる。屈曲振動を生じる圧電体層41と伸縮振動を生じる圧電体層41とは、積層されて一体となったアクチュエータ本体304を構成するため、アクチュエータ本体304には、全体としては、伸縮振動と圧縮振動とが調和的に発生する。その結果、駆動子49,49が周回運動を行い、駆動力を出力する。
かかる構成においても、外部電極ごとに2つの側面電極が設けられている。これにより、外部電極と側面電極との接続部の1つで欠損が生じたとしても、別の接続部で導通が維持されるため、超音波アクチュエータ2の信頼性を向上させることができる。例えば、第1外部電極81には、稜線部40d,40fにおいて2つの第1側面電極71B,71Dが接続されている。仮に稜線部40dが欠損して、第1外部電極81と第1側面電極71Bとが断線したとしても、第1外部電極81と第1側面電極71Dとは接続されているため、第1外部電極81と第1プラス電極層5T,5T,…との導通が維持される。
《その他の実施形態》
本発明は、前記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
例えば、アクチュエータ本体4,104,204,304の構成は、前記の構成に限られるものではない。つまり、アクチュエータ本体4,104,204,304は、1次モードの伸縮振動と2次モードの屈曲振動とを調和的に発生させているが、これに限られるものではない。それ以外のモード、振動形態の振動を調和的に発生させてもよい。
また、内部電極層5,5T,5L,6,206,6T,6Lの構成も前記の構成に限られるものではない。
さらに、外部電極ごとに2つの側面電極が接続されているが、これに限られるものではない。外部電極ごとに複数の側面電極が接続されていればよく、外部電極ごとに3つ以上の側面電極が接続された構成であってもよい。
また、外部電極ごとに設けられた複数の側面電極は、同じ稜線部に設けられていても、平行な稜線部に設けられていてもよい。
さらに、圧電体層の厚みは全て同じとなっているが、異なっていてもよい。特に、最外の圧電体層の厚みは、他の圧電体層の厚みよりも厚い方が好ましい。これにより、外部電極による最外の圧電体層の不要振動の発生を抑制することができる。
さらに、外部電極と側面電極は、屈曲振動の節の部分近傍で接続されることが好ましい。特に、長辺稜線部40c,40dは、アクチュエータ本体4,104,204,304の屈曲振動に伴って屈曲変形する。そのため、外部電極と側面電極とをこれら長辺稜線部40c,40dにおいて接続する場合には、屈曲振動の節の部分近傍で接続することが好まし。節の部分では応力の発生が少ないので、外部電極と側面電極との接続部の欠損の可能性をさらに抑制することができる。
尚、外部電極81,82等は、L字型に形成され、アクチュエータ本体4等の主面4Aの隅部(角部)には形成されていないが、外部電極が隅部に形成されていても、同様の作用効果を奏することができる。
また、アクチュエータ本体4,104,204,304への給電は、フレキシブルプリント基板9以外にも、ワイヤによる給電や、コンタクトピンによる給電など、他の給電方法を用いてもよい。かかる場合であっても、前記実施形態と同様の効果が得られる。
また、前記実施形態では、超音波アクチュエータ2の駆動力が付与されて駆動される可動体は、平板状のステージ11であるが、これに限られるものではなく、可動体の構成としては任意の構成を採用できる。例えば、図15に示すように、可動体は所定の軸X回りに回動可能な円板体17であり、超音波アクチュエータ2の駆動子49,49が該円板体17の側周面17aに当接するように構成された駆動装置401を採用してもよい。かかる構成の場合、超音波アクチュエータ2を駆動すると、駆動子49,49の概略楕円運動によって、該円板体17が所定の軸X回りに回動させられる。また、図16に示すように、可動体は所定の軸X回りに回動可能な円板体18であり、超音波アクチュエータ2の駆動子49,49が該円板体18の平面部18aに当接するように構成された駆動装置501を採用してもよい。かかる構成の場合、超音波アクチュエータ2を駆動すると、駆動子49,49の概略楕円運動によって、該円板体18が駆動子49,49と当接部における接線方向に駆動され、結果として該円板体18が所定の軸X回りに回動させられる。
また、前記実施形態では、駆動子49,49をアクチュエータ本体4,104,204,304の長辺側面4Cに設けた構成について説明したが、アクチュエータ本体4,104,204,304の短辺側面4E(4F)に設けてもよい。この場合、1次モードの伸縮振動の伸縮方向は、駆動子49がステージ11に直交する方向となり、2次モードの屈曲振動の振動方向は、ステージ11の移動方向となる。
尚、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。