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JP5289127B2 - ライナー - Google Patents

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JP5289127B2
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Description

本発明は、段ボールや牛乳パックなどの各種液体容器などに用いられるライナーに関し、更に詳細には、撥水性及び防滑性に優れるライナーに関する。
一般に段ボールは、表面及び裏面を構成するライナー紙と、両ライナー紙間に位置する通常波状形状の中芯紙とからなる。
このように構成された段ボールは、種々の用途に用いられているが、水濡れに弱いという問題があった。特に青果物に用いられる箱の場合は内容物の湿気に対応するため、従来よりライナー紙に撥水性を付与することが行われている。
例えば、特許文献1には、樹脂フィルムやポリ塩化ビニルと紙との複合材料とは異なり、古紙パルプとして再利用が可能で、下塗り層にポリビニルアルコールを主体とする塗工剤を塗布し、上塗り層にスチレン・ブタジエン系共重合体を主体とする塗工剤を塗布し、塗工層が2層構造の透湿度が200g/m以下で滑り角度が29度以上の防湿紙が開示されている。しかし、従来のフィルムや塩化ビニルと紙との複合材料に比べると、古紙パルプとしては再資源化しやすいものの、段ボール用として使用した場合には、耐熱性に劣ることに加え、樹脂が紙層内部へ移行するため、塗工層表面での水濡れが発生しやすい問題を抱えている。
また、特許文献2には、3層構造からなる耐水ライナーにおいて、中間層に湿潤紙力増強剤を対パルプ0.5〜25重量部添加し、ケン化度が93以上であるポリビニルアルコールと撥水剤組成物とを混合した塗工剤を塗布した耐水ライナーが開示されている。しかし、特許文献2に係る耐水ライナーであっても、やはり製函時の熱板により、塗工した撥水剤組成物の成分が熱により紙層内部へ移行していしまうため、製函後の塗工層表面の撥水度が低下し、水濡れが発生しやすい問題を抱えている。
また、特許文献3には、吸油性の低下剤と撥水剤組成物とを混合した塗工液を塗布したライナー紙が開示されており、加熱を受けた撥水剤組成物の成分が紙層内部に浸透していくことを防止している。しかし、特許文献3に係るライナー紙は、撥水性は満足するものの、表面の摩擦抵抗が低くなり、段ボールケースにした場合、滑りやすく、荷崩れしやすい問題を抱えている。
さらにまた、特許文献4には、スチレン・アクリル共重合物を主体とするコート剤で表面処理し、コート剤の最低増膜温度以上の温度で乾燥加熱を行う易離解・防湿・防水性紙が開示されている。しかし、特許文献4に係る易離解・防湿・防水性紙は、防水性、防滑性の面では満足するものの、水に対する撥水性については、未だ満足するものではなかった。
さらに、上述のように撥水加工されたライナー紙等では、経時的に又は加熱により撥水性能が低下するという問題があった。また、特にワックス系の撥水剤組成物を塗工すると、段ボールケースに用いた場合、滑りやすく、荷崩れしやすい傾向にあり、取扱いにくい問題を抱えている。
特開2003−96697号公報 特開2004−204385号公報 特開2004−277897号公報 特開平5−25796号公報
本発明は、上述したような実情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、撥水加工を施しても、経時的に又は加熱により撥水性が低下することを防止すると共に、優れた防滑性を維持することができるライナーを提供することにある。
本発明の上記目的は、少なくとも表面層及び裏面層から成る基紙を有するライナー紙であって、前記基紙の少なくとも表面層に質量が3〜8%の撥水剤組成物及び質量が5〜10%のケン化度が98.0〜99.0mol%であるポリビニルアルコールを含有する塗工液を塗布した塗工層を有し、前記撥水剤組成物は、融点が48〜65℃のワックス樹脂を含有し、かつエマルションの平均粒子径が300〜600nmであり、また、前記表面層を剥離し、JISP8220に準じて離解した表面層の離解パルプは、JISP8211に準じて測定したカッパー価が50〜70であることを特徴とするライナーを提供することにより達成される。
また、本発明の上記目的は、前記表面層の離解パルプは、連続蒸解釜出口、及び、精選工程前又は精選工程の途中でリファイナーにて機械的に叩解しパルプ化して製造される針葉樹クラフトパルプであることを特徴とする請求項1に記載のライナーを提供することによって、効果的に達成される。
また、本発明の上記目的は、前記表面層の離解パルプは、フリーネスが500〜650ccであり、平均繊維長が2.0〜3.0mmであり、ルンケル比が0.8〜1.2であることを特徴とするライナーを提供することによって、より効果的に達成される。
さらにまた、本発明の上記目的は、前記撥水剤組成物は、さらにガラス転移温度が−50〜−15℃のラテックスを含有することを特徴とするライナーを提供することによって、より効果的に達成される。
本発明に係るライナーによれば、少なくとも表面層及び裏面層から成る基紙を有するライナー紙であって、基紙の少なくとも表面層に、撥水剤組成物、特にコスト的に有利なワックス樹脂を含有する塗工液を塗布した塗工層を形成し、また、表面層の離解パルプのカッパー価を50〜70としたので、撥水加工を施しても、経時的に又は加熱により撥水性能が低下することを防止することができると共に、防滑性を維持することもできるようになる。
図1は、本発明のライナーの好ましい1実施形態を示す断面図である。
以下、本発明に係るライナーについて、基紙が表面層及び裏面層の2層から成る場合を例に詳細に説明する。なお、本発明に係るライナーは、以下の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲を逸脱しない範囲内において、その構成を適宜変更できることはいうまでもない。
本発明に係るライナー(以下、「本ライナー」という。)は、表面層及び裏面層から成る基紙を有し、この基紙の表面層上に、ワックス系樹脂を含有する塗工液を塗布して塗工層を形成する。なお、本実施形態では、塗工層を基紙の表面層上にのみ形成する場合について説明するが、塗工層は基紙の表面層及び裏面層の表面上に形成しても良い。
本ライナーの基紙の原料パルプとしては、例えば、木材パルプ、非木材パルプ、合成パルプ、古紙パルプなど種々のものを用いることができる。より具体的には、砕木パルプ(GP)、ストーングランドパルプ(SGP)、リファイナーグランドパルプ(RGP)、加圧式砕木パルプ(PGW)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、ブリーチケミサーモメカニカルパルプ(BCTMP)等の機械パルプ(MP)、化学的機械パルプ(CGP)、半化学的パルプ(SCP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP、LKP)、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP、NKP)等のクラフトパルプ、ソーダパルプ(AP)、サルファイトパルプ(SP)、溶解パルプ(DP)等の化学的パルプ(CP)、ナイロン、レーヨン、ポリエステル、ポリビニルアルコール(PVA)等を原料とする合成パルプ、脱墨パルプ(DIP)、ウエストパルプ(WP)等の古紙パルプ、かすパルプ(TP)、木綿、亜麻、麻、黄麻、マニラ麻、ラミー等を原料とするぼろパルプ、わらパルプ、エスパルトパルプ、バガスパルプ、竹パルプ、ケナフパルプ等の茎稈パルプ、靭皮パルプ等の補助パルプなど、通常のライナーに用いられるものの一種又は数種を適宜選択して使用することができる。
また、本ライナーの基紙に使用することができる古紙パルプを形成する古紙に種類についても特に限定されるものではなく、例えば、新聞紙やチラシ等の古紙のほか、塗工紙、非塗工紙、カラー印刷された紙、白黒印刷された紙など種々の耐漂白性を有する紙を含む雑誌古紙などをも使用することができる。これらの中でも、特に坪量が100〜320g/m、好ましくは220〜320g/mであり、厚さが125〜390μm、好ましくは250〜390μmである古紙を好適に用いることができる。
また、本ライナーは、基紙全体のパルプ原料の重量(すなわち、本実施形態では表面層及び裏面層を構成する原料パルプの総重量)に対して、古紙パルプを30質量%以上配合することが好ましい。
なお、表面層と裏面層とは、同じ原料パルプを用いて構成しても良いが、通常は、質の良い構成材料で表面層を形成し、やや劣る構成材料で裏面層を形成する。具体的には、表面層をクラフトパルプと古紙パルプとを混合して用いて形成し、裏面層を古紙パルプのみで形成する等の手法が採用される。
さらに、本ライナーの基紙の表面層を構成する原料パルプには、本ライナーの撥水性能を向上させるという観点から、表面層の原料パルプの重量に対して、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)を100質量%配合することが好ましい。
また、表面層を基紙から剥離し、JISP8220に準じて離解した表面層の離解パルプ(以下、「表面層の離解パルプ」という。)は、JISP8211に準じて測定したカッパー価(以下、「カッパー価」という)が50〜70、好ましくは50〜60である。表面層の離解パルプのカッパー価が50未満であると、原料パルプ中のリグニンやその他の樹脂成分が減少する傾向にあるため、本ライナーにて使用する撥水剤組成物との反応性が弱くなり、加熱を受けた際に紙層内部へ浸透しやすくなる、すなわち加熱により撥水性が低下してしまう。一方、カッパー価が70を超えると、原料パルプ中のリグニンやその他の樹脂成分が増加する傾向にあるため、本ライナーにて使用する撥水剤組成物との反応性は高くなり、撥水剤組成物のパルプへの定着は向上するものの、加熱を受けた際の紙層内部への浸透が少なくなり、製函工程で熱板に汚れが付着する傾向になりやすいので好ましくない。
また、表面層の離解パルプは、フリーネスが500〜650ccであり、平均繊維長が2〜3mmであり、ルンケル比が0.8〜1.2、好ましくは0.93〜1.13である。これにより、本ライナーを段ボール用途として使用する際に必要な耐罫線割れ適性を有するようになる。なお、表面層の離解パルプのフリーネスが500cc未満であると、折り曲げ応力に対する強度が低下する傾向になり、耐罫線割れ適性が低下してくる。一方、650ccを超えると、耐罫線割れ適性が向上する傾向にあるが、パルプ繊維が剛直になる傾向になり、繊維同士の絡み合いが悪化する傾向になる。また、平均繊維長が2mm未満であると、水中での繊維のよれが発生しにくく、繊維の絡み合いが弱くなり強度が低下する恐れがある。一方、平均繊維長が3mmを超えると、水中での繊維のよれが発生しやすく、結束となる傾向になり、紙表面に異物として発生する傾向にある。さらに、ルンケル比が0.8未満であると、繊維自体の剛性がなくなる傾向になり、本ライナーが段ボール用途に用いられる際に必要な紙の腰がなくなる傾向にある。一方、ルンケル比が1.2を超えると、繊維の剛性が高く、硬くなる傾向にあるので、本ライナーが段ボール用途に用いられる際に必要な耐罫線割れ適性を満足することが難しくなる。
また、本ライナーに使用する針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)、特に表面層に最適なNUKPは、通常のクラフトパルプの製造工程では、紙料の調成工程(抄紙工程の前工程)にて行われるパルプの叩解処理を、パルプの蒸解工程後、及び、精選工程前又は精選工程の途中において行われたものである。
より具体的に説明すると、本ライナーに使用されるNUKPは、パルプ原料の蒸解度を下げてカッパー価を高くし、連続蒸解釜出口、及び、精選工程前又は精選工程の途中でリファイナーにて機械的に叩解して完全にパルプ化して製造される高歩留のNUKPである。このように、蒸解工程での蒸解度を下げることで、蒸解工程での蒸気・蒸解薬液の使用量を低減することができると共に、リファイナーで高濃度叩解することによりパルプ強度(特に、比引裂度)の高いNUKPを製造することができる。このように、蒸解薬液(苛性ソーダ・硫化ソーダ等)の添加量を減少させれば、パルプ繊維の傷みを減少させてパルプ強度(特に、比引裂度)を高くすることができる。さらに、パルプ濃度10〜20%でリファイナーにて機械的に叩解処理することで、パルプ繊維のフィブリル化を促進し、強度が高く結束繊維の少ないNUKPを製造することができる。
上記製造方法を実施するにあたっては、蒸解工程での蒸解度を示すカッパー価を50以上70以下とするのがよい。このカッパー価が50未満であると、原料パルプ中のリグニンやその他の樹脂成分が減少する傾向にあるため、本ライナーにて使用する撥水剤組成物との反応性が弱くなり、加熱を受けた際に紙層内部へ浸透しやすくなる。一方、カッパー価が70を超えると、原料パルプ中のリグニンやその他の樹脂成分が増加する傾向にあるため、本ライナーにて使用する撥水剤組成物との反応性は高くなり、撥水剤組成物のパルプへの定着は向上するものの、加熱を受けた際の紙層内部への浸透が少なくなり、製函工程で熱板に汚れが付着する傾向になりやすいので好ましくない。上記の観点から、この製造方法で作成されたNUKPは、本ライナーのように、撥水加工を必要とするライナーの原料パルプに好適に用いられる。
また、通常、ライナーの基紙においては、表面層と裏面層との間に中間層が設けられるが、本ライナーの基紙においても中間層を設けることが好ましい。中間層は、パルプを主たる構成材料としてなる紙からなる層である。パルプとしては、古紙パルプ、LBKPやNBKPなどの化学パルプ、GPやTMPなどの機械パルプ、ケナフやバガス等の非木材繊維、合成繊維などが挙げられ、使用に際しては単独又は2種以上混合して用いることができる。
また、中間層は、本ライナーの撥水性、吸油性低下性等の所望の効果を阻害しない範囲で、単層であっても、多層であっても良い。多層から成る場合は、2〜8層とすることが特に好ましく、また各層毎に湿潤紙力剤や、鮮度保持剤などの機能性薬剤等を配合しても良い。なお、鮮度保持剤を配合した層を設ける場合は、裏面層の近傍に設けることが、本発明の効果に乗じて好ましい。また、中間層を多層とした場合には、各層の原料パルプ等の構成は同じでも異なっていても良い。
また、本ライナーは、基紙の表面層上に撥水剤組成物を含有する塗工液を塗布して塗工層が形成され、撥水性が付与されている。
この塗工液に含有される撥水剤組成物としては、ワックス系、合成樹脂系、アクリル系、パラフィン系、フッソ系、シリコーン系などが挙げられ、使用に際しては単独もしくは2種以上を混合して用いることができる。
これらの中でも、特に、融点が48〜65℃のワックス樹脂を含有することが好ましい。このようなワックスとしては、具体的には、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックスなどを使用することができ、これらを単独もしくは二種類以上を混合して使用することができる。
また、本ライナーに塗工される塗工液に含有される撥水剤組成物は、ワックス樹脂と、ラテックスとを含む撥水剤組成物であることが好ましい。さらにワックス樹脂の含有量が撥水剤組成物全体の固形分に対して5〜40重量%が好ましく、10〜30重量%であるとより好ましい。さらに好ましくは、ラテックスの含有量が撥水剤組成物全体の固形分に対して20〜60重量%である。なお、残りの成分は樹脂や、必要に応じた種々の薬品などを加えることができる。このような撥水剤組成物を、基紙の表面層に塗布することにより、本ライナーを、撥水性、防滑性を兼ね備えたものとすることができる。また、本ライナーを段ボールシートに加工する工程で熱処理を伴うが、その熱処理で撥水度が大きく低下してしまうことも防止することができる。
また、本ライナーの塗工液の撥水剤組成物として用いられるラテックスは、ガラス転移温度(Tgと略することがある)が−15℃以下であることが好ましく、−50〜−15℃であることが更に好ましい。このようなラテックスとしては、公知の重合方法によって得られるスチレン−ブタジエン共重合ラテックス(以下、SBRと略することがある)、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合ラテックス(以下、MBRと略することがある)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ラテックス(以下、NBRと略することがある)、クロロプレン系ラテックス、イソプレン系ラテックス、塩化ビニル系ラテックス、塩化ビニリデン系ラテックス、ポリブタジエン系ラテックスおよびこれら1種以上の混合物などの合成ゴム系ラテックスが挙げられる。好ましくはSBR、MBR、NBRである。これらの中でもSBRが好ましい。また、SBRラテックスとしては、未変性のスチレン・ブタジエン共重合ラテックスの他、カルボキシル化スチレン・ブタジエン共重合ラテックスなど変性したものでもよい。
また、本ライナーの塗工液の撥水剤組成物として用いられる樹脂としては、石油樹脂、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂及びこれらの樹脂成分をマレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の二塩基酸等でアニオン変性した樹脂等が挙げられ、これらの1種を単独でまたは2種以上を混合物として用いることができる。この中でも石油樹脂、ロジン系樹脂及びこれらの樹脂成分をアニオン変性した樹脂が好ましい。
石油樹脂としては、例えば、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、脂環式系石油樹脂、あるいはこれらの混合系石油樹脂およびこれらのアニオン変性物が挙げられる。脂肪族系石油樹脂として、例えば、ブテン、イソブテン、ペンテン、ペンタジエン、イソプレン等から得られる石油樹脂が挙げられる。芳香族系石油樹脂として、例えば、インデン、メチルインデン、ビニルトルエン、スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン等から得られる石油樹脂が挙げられる。脂環式系石油樹脂として、例えば、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン(DCPD)等のモノマーから得られる石油樹脂が挙げられる。混合系石油樹脂として、例えば、前記脂肪族系と芳香族系のモノマーから得られる石油樹脂が挙げられる。このような石油樹脂のアニオン変性物としては、前記石油樹脂のマレイン酸変性物等を挙げることができる。これらの石油樹脂の中でも、混合系石油樹脂が好ましい。
ロジン系樹脂としてはガムロジン、ウッドロジンもしくはトール油ロジン及びこれらをマレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の二塩基酸等でアニオン変性したロジン等が挙げられる。
テルペン系樹脂としてはα−ピネン樹脂、β−ピネン樹脂や、α−ピネン、β−ピネン等のテルペン類とスチレン等の芳香族モノマーを共重合させた芳香族変性のテルペン系樹脂等が挙げられる。
また、本ライナーに用いられる樹脂は、酸価が10〜60mgKOH/gであることが好ましく、20〜50mgKOH/gであるとより好ましい。
なお、本明細書における樹脂酸価は、以下のように測定したものをいう。
樹脂酸価の測定法
樹脂1.5gにトルエン/メタノール=7/3の混合溶剤を加えて溶解する。これに指示薬として1%フェノールフタレインを2〜3滴加え、N/10水酸化カリウムアルコール溶液で滴定する。滴定の終点は、指示薬が30秒間持続する微紅色を呈した点とする。
酸価=V×F×5.611/S
V:N/10水酸化カリウムアルコール溶液の使用量(ml)
F:N/10水酸化カリウムアルコール溶液の力価
S:試料量(g)
さらに、本ライナーの塗工液の撥水剤組成物は、上記のワックス樹脂、ラテックス、樹脂以外に各種界面活性剤を併用することもできる。界面活性剤としてはノニオン性界面活性剤もしくはアニオン性界面活性剤を使用することができる。これらの界面活性剤は単独もしくは二種類以上を混合して使用することができる。
ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテルやポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレートなどのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;などをあげることができる。
アニオン性界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンフェニルエーテル硫酸ナトリウムなどをあげることができる。
また、本ライナーに用いられる塗工液に含有される撥水剤組成物のエマルションを得る方法としては、ワックス樹脂のエマルションを予め調整し、これらのラテックスエマルションと混合する方法、ワックス樹脂とラテックスとを混融させた状態でエマルションする方法のいずれの方法でも行うことができる。なお、撥水剤組成物に樹脂を含有する場合には、ワックス樹脂及び樹脂のエマルションを予め調製し、これらをラテックスエマルションと混合する方法、ワックス樹脂と、樹脂と、ラテックスとを混融させた状態でエマルションする方法のいずれの方法でも良い。
また、上記エマルションの調製方法は特に限定されないが、熔融物に少量の水を混合して油中水型エマルションを形成し、反転水を添加し水中油型エマルションに相転移させる方法(転相法)、熔融物を高温高圧下(例えば130〜200℃、150〜1000Kg/cm)でホモジナイザーを通して水中油型エマルションを製造する方法(メカニカル法)等が用いられる。
また、塗工液に含有される撥水剤組成物は、エマルションの平均粒子径が300〜600nmであることが好ましく、350〜500nmであるとより好ましい。エマルションの平均粒子径が300nm未満であると、紙層内部に浸透しやすく、本願の所望とする撥水性を満足することが難しくなる。一方、平均粒子径が600nmを超えると、ワックス樹脂が紙表面に止まりやすくなるため、本願の所望とする防滑性を確保することが難しくなる。
このような撥水剤組成物としては、ワックス系である近代化学株式会社製の商品名「リパックスA240」、星光化学工業株式会社製の商品名「パラテックスNS6」及び「パラテックスNS630」、パラフィン系であるサンデン化学株式会社製の商品名「サイビノールPC−10」が、再生時の水分散性が良好であるので好ましく用いられる。なお、これらの市販の撥水剤組成物は、撥水剤組成物としての有効成分を溶剤に溶解させるか又は水などに分散させてなるものである。
また、本ライナーに用いられる塗工液には、ケン化度が98.0〜99.0mol%であるポリビニルアルコール(以下、「PVA」という)が含有されていることが好ましい。具体的には、本ライナーに用いられる塗工液は、PVAの溶媒に溶解してなるPVA溶液に、撥水剤組成物を添加溶解させてなるものが好ましい。これにより、本ライナーは、撥水強度を得ると共に、表面強度・耐摩耗強度を所望の程度とすることが、より容易になる。また、PVAの重合度は450〜2000であると、皮膜強度、吸湿性、架橋効果の向上の点で好ましい。
この場合、塗工液には、撥水剤組成物が3〜8質量%、PVAが5〜10質量%配合されていることが好ましい。このように、撥水剤組成物の配合量を3質量%以上とすることにより、撥水性能が高くなり、長時間水をはじき、水が速い時間で浸透してしまうことがなくなる。また、撥水剤組成物の配合量を8質量%より多くしても、撥水性の向上効果は変わらず、コストが高くなるだけである。また、PVAの配合量を5質量%以上とすることにより、塗工後の撥水剤組成物の紙中への浸透を防止することができ、効果的に本願の所望とする撥水性能を満足することができ、また、10質量%以下とすることにより、本ライナーに必要な耐罫線割れ適性を満足することができる。
また、本ライナーにおいて、撥水剤組成物を含有する塗工液の塗工量は0.05〜2.0g/mとするのが好ましく、0.07〜1.5g/mとするのが更に好ましい。塗工液の塗工量を0.07g/m以上とすることにより、より良好な撥水性が得られ、1.5g/m以下とすることにより、撥水剤組成物に起因する滑り角度の低下を緩和できる。すなわち、本ライナーを、優れた防滑性能を有するものとすることができる。なお、塗工量については、有効成分の重量を基準とする。
本ライナーは、上記のように、表面層及び裏面層から成る基紙を有し、この基紙の表面層上に撥水剤組成物を含有する塗工液を塗布して塗工層が形成されていれば、表面層及び裏面層には、本発明の所望の効果を阻害しない範囲で、例えば表面サイズ剤、包装容器形成後の防滑剤、耐油剤、紫外線吸収剤、耐光・耐候性付与剤等の他の添加薬品を、用途に応じてさらに添加混合しても良い。さらにまた、用途等に応じて、本ライナーの表面層と塗工層との間に例えば印刷層等を設けても良い。
なお、本ライナーにおいて、吸油性を低下させる際には、塗工層を形成する前に、基紙の表面層上に吸油性低下剤を含有した塗工液を塗工して吸油性低下層を形成する。吸油性低下剤としては、スチレン−アクリル酸系ポリマー、この物質の変性物、この物質にアクリルアマイドを混合したもの、さらに、酸化澱粉、澱粉の変性物等が挙げられ、使用に際しては、単独もしくは2種以上を混合して用いることができる。なお、このような吸油性低下剤としては、近代化学工業株式会社製の商品名「ケイコートSA604」、商品名「ケイコートS−165」等の市販品を用いることもできる。
また、吸油性低下剤の配合量は、上述した撥水剤組成物100重量部に対して、1〜40重量部とするのが好ましく、3〜20重量部とするのが更に好ましい。吸油性低下剤の配合量を、3重量部以上とすることにより、吸油性抑制効果が十分に発揮され、20重量部以下とすることにより、スチレン系凝集物に起因する塗工トラブル発生がなくなるので上記範囲内とするのが好ましい。
次に、本発明に係るライナーの構造について、その好ましい1実施形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明に係るライナーの好ましい1実施形態を示す断面図である。すなわち、本実施形態のライナー1は、図1に示すように、基紙が表面層2及び裏面層4、並びに表面層2及び裏面層4間に位置する中間層3からなり、表面層2上に上記塗工液が塗布されて塗工層5が形成されている。
なお、特に図示しないが、本実施形態においては、中間層3は、同じ構成材料で形成された2つの紙層を重ね合わせて形成されている。すなわち本実施形態の中間層3は、2層の多層構造とされている。このように、中間層を単層構造とするか多層構造とするかは、用いる構成材料や製造設備に応じて任意である。また、本実施形態においては、同じ構成材料で前記の2つの紙層を構成しているが、多層構造を採用する際に、各層の構成材料を同じとするか異なるものとするかは任意である。
本実施形態においては、表面層2と裏面層4とはそれぞれ同じ構成材料で同じ構造に構成されている。そして、表面層2及び裏面層4の厚さは、それぞれ同じであっても異なっていても良いが、本実施形態においては、通常のライナーと同様に表面層2の方が薄く形成されている。
また、表面層2及び裏面層4の坪量は、それぞれ同じであっても異なっていても良いが、それぞれ30〜50g/mとするのが、層内の引張り・伸びあるいは耐折強度特性の点で好ましい。なお、本実施形態においては、通常のライナーと同様に表面層2の方が少ない坪量で形成されている。また、中間層3の坪量は、30〜110g/mとするのが、紙層構成上、各種強度(破裂・リング強度)維持の点で好ましい。
また、本実施形態においては、表面層2及び裏面層4と中間層3とは、それぞれ接着剤を介して接着されている。この際、用いることができる接着剤としては、通常、この種のライナーに用いられる天然系、PVA系、水溶性高分子系の接着剤を特に制限なく用いることができるが、塗工時には接着性を示さず、乾燥工程で接着性を発現する水分散性接着剤を好ましく用いることができる。具体的に特に好ましくは、天然系接着剤であるコーンスターチが、コスト、塗工の操業性、再生時の離解、分散の容易性から好ましい。
また、上記接着剤の塗工量は、層間剥離の問題を生じない範囲で、表面層2、裏面層4、中間層3の構成や、用途に応じて任意に設定できるが、コストの面から0.5〜5g/mとすることが好ましい。
また、粉体のコーンスターチ分散溶液は、中間層3と、表面層2又は裏面層4との接着面に塗工又は塗布しても塗工時には接着性を発現せず、乾燥工程の加熱による糊化により接着性を発現して、両者を接着させることができ、良好な層間の接着強度を得ることができるため、特に好ましい。接着剤による層間の接着は、多層からなる中間層3の構成においても同様である。
次に、本実施形態のライナーの製造方法について説明する。
本実施形態のライナーの製造方法は、上述のような少なくとも表面層2及び裏面層4と、2層の中間層3とから成る基紙を具備し、表面層2に撥水剤組成物が含有された塗工液を塗布して塗工層5が形成されてなるライナー1の製造方法であって、ライナー1の基紙の吸油性を低下させた後又は吸油性を低下させると同時に、撥水剤組成物が含有された塗工液の塗布を施す方法である。
具体的には、上述の図1に示す実施形態のライナーは、以下のような4工程を経て製造される。
(1)表面層2及び裏面層4の形成工程
まず、パルプを水に分散させてスラリーを作成する。得られたスラリーに必要に応じて他の薬剤を添加し、溶解・混合する。次いで、抄紙を行い、各層としての紙を得る。
(2)中間層3の形成工程
パルプを水に分散させてスラリーを作成する。得られたスラリーに必要に応じて他の薬剤を添加し、溶解・混合する。次いで、抄紙を行い中間層3としての紙を得る。
(3)抄き合わせ工程
得られた表面層2及び裏面層4の形成用の紙と、中間層3の形成用の紙とを抄き合わせて、本実施形態のライナーの基紙を得る。
(4)塗工液塗布工程
基紙の表面層2上に撥水剤組成物を含有する塗工液を塗布して塗工層5を形成して、本ライナー1を得る。
塗工液塗布工程で用いることができる塗工装置としては、基紙の吸油性を低下させた後に撥水剤組成物を含有する塗工液を塗布する場合には、バーコーター、噴霧シャワー、ロールバーコーター、シムサイザー、ゲートロールコーター、等が用いられ、基紙の吸油性を低下させると同時に、撥水剤組成物を含有する塗工液を塗布する場合には、バーコーター、ロールバーコーター、シムサイザー、ゲートロールコーター、キャレンダー水ドクター、等が用いられる。
本実施形態のライナーは、通常の段ボールに使用される中芯紙を組み合わせて、段ボールとして使用できる。すなわち、本ライナーは、2枚のライナーで波状形状の中芯紙を狭持して形成された3層構造の段ボールとして使用することができる。
そして、本ライナーによれば、撥水剤組成物を含有する塗工液を、本発明で使用する針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)を配合した表面層に塗布しているので、相乗効果的に撥水剤組成物が基紙の内部に浸透して撥水性が低下するのを効果的に防止することができる。
従って、本ライナーを用いた段ボールは、撥水性に優れたものであり、経時的に撥水性の低下することがない。なお、本ライナーは、上述の実施形態に制限されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、前述の層間接着剤を使用しない処方も含まれる。
本発明に係るライナーの効果を確認するため、以下のような各種の試料を作製し、これらの各試料に対する品質を評価する試験を行った。なお、本実施例において、配合、濃度等を示す数値は、固形分又は有効成分の質量基準の数値である。また、本実施例で示すパルプ・薬品等は一例にすぎないので、本発明はこれらの実施例によって制限を受けるものではなく、適宜選択可能であることはいうまでもない。
本発明に係る35種類のライナー(これを「実施例1」ないし「実施例35」とする。)と、これらの実施例1ないし実施例31と比較検討するために、2種類のライナー(これを「比較例1」、「比較例2」とする。)を、表1に示すような構成で作製した。
Figure 0005289127
〔実施例1〕
下記の原材料を用いて、下記の製造方法に従って、基紙が表面層、2層の中間層、及び裏面層の4層の紙層から構成されるライナーを得た。
<基紙>
・表面層
NUKP100質量%から成る原料パルプに、内添薬品として、サイズ剤と、内添紙力増強用澱粉と、硫酸バンドとを配合して、表面層用の原料パルプスラリーを得た。また、表面層用の原料パルプは、表面層を剥離し、JISP8220に準じて離解した表面層の離解パルプの、JISP8211に準じて測定したカッパー価が70、表面層の離解フリーネスが630cc、表面層の離解パルプの平均繊維長が2.20mm、ルンケル比が1.03となるように調整されている。
・裏面層
古紙パルプ100質量%からなる原料パルプに、内添薬品として、サイズ剤と、内添紙力増強用澱粉と、硫酸バンドとを配合して、裏面層用原料パルプスラリーを得た。
・中間層
古紙パルプ100質量%からなる原料パルプに、内添薬品として、硫酸バンドと、内添紙力増強用澱粉と、サイズ剤とを配合して、中間層用原料パルプスラリーを得た。
<塗工液>
融点が52℃であるワックス樹脂(近代化学工業株式会社製の、商品名「リパックスA−240」)を6質量%と、ガラス転移温度(Tg)が−25.0℃であるSBR(日本エイアンドエル社製の、商品名「ナルスターSR−110」)を30.0質量%とを含有して撥水剤組成物を得る。そして、この撥水組成物を、ケン化度が98mol%であるPVAを5質量%、水を54質量%配合したPVA水溶液と混合して、ワックス樹脂のエマルションの平均粒子径が350nmである塗工液を得る。
<ライナーの作成>
上述した各層のパルプスラリーを用い、抄紙速度がリールにて700m/min、温度条件がリールにて65℃、スラリーpHが6.0という製造条件で各層を構成する紙を作成した後、接着剤としてコーンスターチ分散溶液を用いて各層の抄き合わせを行い、基紙を得た。なお、本実施例においては、用いた製造設備の都合上、中間層を形成する紙層を、同じ構成材料を用いて2つ作製し、得られた2つの紙層を貼り合わせることで中間層を形成している。
次いで、得られた基紙の表面層上に、バーコーター#3(10〜11g/m)を用いて、前記塗工液を塗布した後、乾燥器(ヤマト化学株式会社製、送風定温恒温器DNG810)を用い、乾燥器内の温度を90℃として、1分間乾燥処理してライナー(実施例1)を得た。
また、実施例2〜35、及び比較例1〜2は、表1に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様にして作製した。
なお、表1中の、「繊維長(mm)」とは、作製したライナーからJISP8220に準拠してスラリー状態の試料を調整し、その後にJAPAN TAPPI No.52(2000)に規定される重量平均繊維長を測定した値である。なお、測定には、カヤニ社製の繊維長分布測定機FS−100を用いた。
これらの全実施例及び比較例について品質評価を行った結果は、表2に示すとおりであった。なお、この品質評価試験は、JIS−P8111に準拠して温度23±2℃、湿度50±2%の環境条件で行った。
表2中の「撥水度」とは、作製した各実施例に係るライナーを乾燥器(ヤマト化学株式会社製、送風定温恒温器DNG810)内の温度を90℃として1分間乾燥した後、JISP8137に基づいて測定した値である。
「加熱後の撥水度」とは、作製した各実施例に係るライナーを、乾燥器(ヤマト化学株式会社製、送風定温恒温器DNG810)内の温度を90℃として1分間、乾燥させた後、乾燥器(ヤマト化学株式会社製、送風定温恒温器DNG810)内の温度を180℃として、さらに10分間乾燥させた後、JISP8137に基づいて測定した値である。
「滑り角度(度)」とは、JISP8147(1994)に記載の傾斜法に準じて測定した値である。
また、「加熱後の滑り角度(度)」とは、前記「滑り角度」を測定した試料と同寸法の各実施例に係る試料を、乾燥器(ヤマト化学株式会社製、送風定温恒温器DNG810)内の温度を90℃として1分間、乾燥させた後、乾燥器(ヤマト化学株式会社製、送風定温恒温器DNG810)内の温度を180℃として、さらに10分間乾燥させた後、JISP8147(1994)に準じて測定した傾斜法により測定した滑り角度である。
Figure 0005289127
表2から、本発明に係るライナー、すなわち実施例1〜実施例35に係るライナーであると、撥水組成物が基紙の内部に浸透することを効果的に防止することができ、その結果、コスト面で有利な古紙パルプを混合しても、経時的に又は加熱により撥水性能が低下することなく、また、防滑性にも優れるライナーとすることがてきる。
1 ライナー
2 表面層
3 中間層
4 裏面層
5 塗工層

Claims (4)

  1. 少なくとも表面層及び裏面層から成る基紙を有するライナー紙であって、
    前記基紙の少なくとも表面層に質量が3〜8%の撥水剤組成物及び質量が5〜10%のケン化度が98.0〜99.0mol%であるポリビニルアルコールを含有する塗工液を塗布した塗工層を有し、
    前記撥水剤組成物は、融点が48〜65℃のワックス樹脂を含有し、かつエマルションの平均粒子径が300〜600nmであり、
    また、前記表面層を剥離し、JISP8220に準じて離解した表面層の離解パルプは、JISP8211に準じて測定したカッパー価が50〜70であることを特徴とするライナー。
  2. 前記表面層の離解パルプは、連続蒸解釜出口、及び、精選工程前又は精選工程の途中でリファイナーにて機械的に叩解しパルプ化して製造される針葉樹クラフトパルプであることを特徴とする請求項1に記載のライナー。
  3. 前記表面層の離解パルプは、フリーネスが500〜650ccであり、平均繊維長が2.0〜3.0mmであり、ルンケル比が0.8〜1.2であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のライナー。
  4. 前記撥水剤組成物は、さらにガラス転移温度が−50〜−15℃のラテックスを含有することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のライナー。
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