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JP5275100B2 - 脱水ケークの処理方法 - Google Patents

脱水ケークの処理方法 Download PDF

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JP5275100B2 JP2009072976A JP2009072976A JP5275100B2 JP 5275100 B2 JP5275100 B2 JP 5275100B2 JP 2009072976 A JP2009072976 A JP 2009072976A JP 2009072976 A JP2009072976 A JP 2009072976A JP 5275100 B2 JP5275100 B2 JP 5275100B2
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Description

本発明は、脱水ケークの処理方法に関し、特に石膏を含む脱水ケークのハンドリング性を向上させることができる処理方法に関する。
近年、セメントの石膏成分として廃棄物から製造された石膏を使用することが提案されている。
例えば、セメントキルンのキルン尻からボトムサイクロンに至るまでのキルン排ガス流路より燃焼ガスの一部を抽気し、抽気ガス中のダストの粗粉を分離し、微粉を含む抽気ガスを湿式集塵装置で溶媒を用いて集塵し、集塵ダストスラリーを固液分離し、得られた脱塩ダストケークをセメントミル系へ添加することにより、石膏を含む脱塩ダストケークをセメントの石膏成分として有効利用することが提案されている(特許文献1)。
また、石膏ボード廃材から得られる石膏をセメントの石膏成分として使用することも提案されている。しかし、石膏ボード廃材には、起泡剤として界面活性剤が含有されているため、石膏ボード廃材から得られた石膏をセメントに配合すると、強度発現に悪影響を及ぼすことが知られている。このため、セメントへの再利用の際に、石膏ボード廃材を粉砕し、篩かけして紙を除去した後、石膏ボード廃材粉砕物を水洗浄して界面活性剤を除去する方法が提案されている(特許文献2)。
特開2004−2143号公報 特開2009−34573号公報
セメント製造工場において、石膏は一般にベルトコンベアーで輸送されている。このため、セメント製造工場においては、輸送時におけるハンドリング性等から、一般に含水率が15質量%以下の石膏が使用されている。
上記特許文献1や2に記載される方法では、石膏を含むスラリーを固液分離する必要がある。固液分離して得られる脱水ケークは、通常含水率が40質量%程度であり、ハンドリング性が悪いため、該脱水ケークをそのまま、セメント製造工場において石膏成分として使用することは困難である。そのため、上記特許文献1や2に記載される石膏をセメント製造工場において使用する場合は、脱水ケークを長時間乾燥した後使用する必要があり、手間とコストがかかるという問題があった。
そこで、本発明の目的は、長時間の乾燥を必要とせずに、石膏を含む脱水ケークのハンドリング性を容易に向上することができる脱水ケークの処理方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、石膏を含むスラリーを固液分離して得られる脱水ケークと、石膏粉末を混合して団粒を形成させることにより、石膏を含む脱水ケークのハンドリング性が向上することを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、石膏を含むスラリーを固液分離して得られる脱水ケークと、含水率が5質量%以下の石膏粉末を、回転ドラム型のコーティング機に供給して混合し、脱水ケークの表面に石膏粉末をコーティングして、粒径10cm以下の団粒を形成することを特徴とする脱水ケークの処理方法である。
して、本発明においては、石膏粉末として、半水石膏粉末又は2水石膏粉末と半水石膏粉末の混合物を好適に併用することができる。
本発明の処理を行うことにより、石膏を含むスラリーを固液分離して得られる脱水ケークのハンドリング性を容易に向上することができる。そのため、石膏を含む脱水ケークを長時間乾燥しなくてもセメント製造工場において石膏成分として使用することが可能になる。
本発明の実施形態の1例を示す図である。 本発明の実施形態の1例を示す図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明においては、石膏を含むスラリーを固液分離して得られる脱水ケークと、含水率が5質量%以下の石膏粉末を混合し、粒径10cm以下の団粒を形成することにより、石膏を含む脱水ケークのハンドリング性を向上させるものである。
石膏を含むスラリーとしては、例えば、(1)セメントキルンのキルン尻からボトムサイクロンに至るまでのキルン排ガス流路より燃焼ガスの一部を抽気し、抽気ガス中のダストの粗粉を分離し、微粉を含む抽気ガスを湿式集塵装置で溶媒を用いて集塵して得たスラリーや、(2)石膏ボード廃材を粉砕し、篩かけして紙を除去した後、石膏ボード廃材粉砕物と水を混練して得たスラリー等が挙げられる。
石膏を含むスラリーを固液分離する方法は、特に限定されず、フィルタープレス、ロールプレス、遠心分離機等の慣用の装置を使用して行うことができる。
本発明においては、脱水ケークと混合する石膏粉末量の低減等の観点から、脱水ケーク中の水分量は、50質量%以下であることが好ましく、45質量%以下がより好ましい。なお、脱水ケーク中の水分量が15質量%以下の場合は、脱水ケークのハンドリング性を向上させる必要性は特にないので、本発明が処理の対象とする脱水ケークの水分量の下限は15質量%である。
ここで、脱水ケーク中の水分量とは、脱水ケークを45℃で恒量に達するまでに失われる水分量を意味する。
脱水ケークと石膏粉末との混合は、粒径10cm以下の団粒を効率良く形成させるために、回転ドラム型のコーティング機を使用して行うことが好ましい。回転ドラム型のコーティング機としては、ドラムミキサー等を使用することができる。
そして、本発明においては、粒径10cm以下の団粒を効率良く形成させる観点や脱水ケークがコーティング機等に付着することを防止するために、
(1)図1に示すように、石膏粉末を連続して回転ドラム型のコーティング機に供給しつつ、脱水ケークを不連続的に石膏粉末の上に載せるようにして回転ドラム型のコーティング機に供給し、脱水ケークの表面に石膏粉末をコーティングすることにより、団粒を形成することや、
(2)図2に示すように、石膏粉末を連続して回転ドラム型のコーティング機に供給しつつ、脱水ケークをチューブポンプ、ピストンポンプ、モーノポンプ等を使用して不連続的に回転ドラム型のコーティング機内に供給し、脱水ケークの表面に石膏粉末をコーティングすることにより、団粒を形成すること、
が好ましい。この場合、粒径10cm以下の団粒を効率良く形成させる観点やコスト低減等から、単位時間当たりに回転ドラム型のコーティング機に供給する石膏粉末と脱水ケークの比率(質量比)は、2以上:1とするのが好ましく、2.4以上:1とするのがより好ましい。また、粒径10cm以下の団粒を効率良く形成させる観点やコスト低減等から、回転ドラムの周速は0.3m/sec以下であることが好ましく、0.1m/sec以下であることがより好ましい。さらに、粒径10cm以下の団粒を効率良く形成させる観点やコスト低減等から、コーティング時間は、300秒以下が好ましく、100秒以下であることがより好ましい。
なお、図1や図2において、脱水ケークの表面にコーティングせずに排出された石膏粉末は、コーティング用粉末として再利用することができる。コーティングせずに排出された石膏粉末と団粒は、篩かけ等で分離することができる。
本発明においては、形成する団粒の粒径は10cm以下が好ましく、9cm以下がより好ましい。団粒の粒径が10cmを超えると、コーティング中やコーティング機からの排出の際、さらにはベルトコンベアーでの輸送の際に団粒が壊れ易くなり、その結果として、脱水ケークと混合する石膏粉末量が多くなり、コストが高くなることや石膏ボード廃材等の廃棄物の有効利用の促進を図ることが困難となることがある。また、脱水ケークのハンドリング性を向上させることが困難となることもあるので好ましくない。一方、形成する団粒の粒径が小さくなると、脱水ケークと混合する石膏粉末量が多くなり、コストが高くなることや石膏ボード廃材等の廃棄物の有効利用の促進を図ることが困難となるので、形成する団粒の粒径は5cm以上が好ましく、6cm以上がより好ましい。
なお、団粒の粒径は、円相当径を意味する。
石膏粉末としては、2水石膏粉末、半水石膏粉末、無水石膏粉末やこれらの混合物を使用することができる。本発明においては、コストや形成する団粒の強度等から、半水石膏粉末、又は2水石膏粉末と半水石膏粉末の混合物を使用することが好ましい。
石膏粉末は、コストや粒径10cm以下の団粒を効率良く形成させること等から、ブレーン比表面積が2000〜20000cm2/g(より好ましくは2500〜18000cm2/g、特に好ましくは3000〜15000cm2/g)のものを使用することが好ましい。
また、石膏粉末は、粒径10cm以下の団粒を効率良く形成させる観点等から、含水率が5質量%以下(より好ましくは4質量%以下、特に好ましくは3質量%以下)のものを使用することが好ましい。ここで、石膏粉末の含水率とは、石膏粉末を45℃で恒量に達するまでに失われる水分量を意味する。
本発明において得られる団粒は、その表面がほぼ乾燥状態の石膏粉末でコーティングされているので、ベルトコンベアー等で輸送する際にベルトコンベアー等に付着することはない。また、本発明において得られる団粒は、コーティング機からの排出の際やベルトコンベアー等で輸送する際に壊れることもない。このように、本発明においては、石膏を含むスラリーを固液分離して得られる脱水ケークと、石膏粉末を混合して団粒を形成することにより、石膏を含む脱水ケークのハンドリング性を著しく向上させることができる。
なお、本発明において得られる団粒は、その主成分が石膏であるので、セメント製造工場において石膏成分として使用することが可能である。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[1.石膏を含む脱水ケークの調製]
水/2水石膏(質量比)が9/1(10質量%)のスラリーを遠心分離機で固液分離して、水分量が35、40、45質量%の脱水ケークを調製した。
[2.団粒の調製]
図1に示すように、石膏粉末を連続して回転ドラム型のコーティング機(内径250mm×長さ300mm)に供給しつつ、上記1.で調製した各脱水ケークを不連続的に石膏粉末の上に載せるようにして回転ドラム型のコーティング機に供給し、脱水ケークの表面に石膏粉末をコーティングすることにより、粒径5〜15cmの団粒を形成した。なお、10分間当たりの石膏粉末と脱水ケークの供給量の比率(質量比)は2.5:1とし、回転ドラムの周速は0.1m/secで、コーティング時間は30、60、100、300秒とした。
コーティング用の石膏粉末としては半水石膏粉末(ブレーン比表面積4500cm2/g)を使用した。また、団粒の粒径は、供給する脱水ケークの量を調整することにより変化させた。
なお、本実施例においては、回転ドラム型のコーティング機を使用して、水分量が35〜45質量%の脱水ケークを、半水石膏粉末で30〜300秒コーティングすることにより、粒径5〜15cmの団粒を形成することが可能であった。
[3.ハンドリング性の評価]
上記調製した団粒のハンドリング性を評価した。
その結果、粒径が5〜10cmの団粒では、コーティング機からの排出の際やバット上での往復運動、さらには1mの高さからの落下試験(落下床面はコンクリート)でも団粒が壊れることはなかった。また、バットや落下衝突面への付着も認められず、ハンドリング性が良好であった。
一方、粒径が10cmを超える団粒では、コーティング中やコーティング機からの排出の際に団粒が壊れ易く、その結果、コーティング材として用いる半水石膏粉末量が増大することが認められた。
なお、未処理の脱水ケーク(水分量が35〜45質量%もの)では、バット等への付着量が多く、ハンドリング性は非常に悪かった。
1 石膏粉末
2 脱水ケーク
3 団粒
4 コーティングせずに排出される石膏粉末
5 回転ドラム型のコーティング機
6 チューブポンプ

Claims (2)

  1. 石膏を含むスラリーを固液分離して得られる脱水ケークと、含水率が5質量%以下の石膏粉末を、回転ドラム型のコーティング機に供給して混合し、脱水ケークの表面に石膏粉末をコーティングして、粒径10cm以下の団粒を形成することを特徴とする脱水ケークの処理方法。
  2. 石膏粉末として、半水石膏粉末、又は2水石膏粉末と半水石膏粉末の混合物を使用する請求項1に記載の脱水ケークの処理方法。
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