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JP5263123B2 - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

内燃機関の排気浄化装置 Download PDF

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JP5263123B2 JP2009251031A JP2009251031A JP5263123B2 JP 5263123 B2 JP5263123 B2 JP 5263123B2 JP 2009251031 A JP2009251031 A JP 2009251031A JP 2009251031 A JP2009251031 A JP 2009251031A JP 5263123 B2 JP5263123 B2 JP 5263123B2
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Description

本発明は、内燃機関の排気通路に設けられて排気中の粒子状物質を捕集するフィルタと、排気通路におけるフィルタの下流側に設けられて同排気通路の流路断面積を可変とする排気絞り弁と、排気通路のフィルタの上流側における排気の圧力を検出する圧力検出手段とを備え、圧力検出手段の検出結果に基づきフィルタの詰まり異常を診断する内燃機関の排気浄化装置に関する。
この種の内燃機関の排気浄化装置としては、例えば特許文献1に記載のものがある。特許文献1に記載のものも含めて従来一般の排気浄化装置においては、排気通路において上流側から順に、排気中の粒子状物質(Particulate Matter、以下、「PM」)を捕集するフィルタ、及び排気通路の流路断面積を可変とする排気絞り弁が設けられている。また、排気通路のフィルタの上流側には排気の圧力を検出する圧力センサが設けられている。
こうした排気浄化装置にあっては、排気絞り弁が閉弁したまま開弁しなくなるといった異常が生じるおそれがあることから、以下の閉固着異常診断を通じて、こうした異常の有無を診断するようにしている。すなわち、排気絞り弁に対して閉弁指令を出力することで同弁が閉弁されると、これに伴い同弁の上流側の排気の圧力は高い状態となる。一方、排気絞り弁に対して開弁指令を出力することで同弁が開弁されると、これに伴い同弁の上流側の排気の圧力は低い状態となる。これらのことから、排気絞り弁に対して閉弁指令を出力している状態において、開弁指令を出力し、それから所定期間経過後に、圧力センサにより検出される排気の圧力が所定圧以上であるときには、排気絞り弁の閉固着異常が生じているものと診断するようにしている。
また、排気浄化装置にあっては、フィルタに捕集されたPMの堆積量(以下、「PM堆積量」)が増加すると、フィルタの上流側における排気の圧力が上昇し、これに伴い内燃機関の燃料消費量が悪化するといった問題が生じる。そこで、所定の実行条件が成立するときに、圧力センサにより検出される排気の圧力が許容値よりも大きいときには、PM堆積量が許容量を超えるおそれがあるとして、フィルタに捕集されたPMを燃焼除去することでフィルタの再生を行うようにしている。
こうしたフィルタの詰まり異常診断の実行条件としては、従来、例えば以下の条件(A)〜(C)の全てが満たされているときに、成立するものとしている。
(A)機関運転状態が定常運転状態である。
(B)排気絞り弁の閉弁制御が実行されていない。
(C)排気絞り弁の閉固着異常診断の結果、異常なしと診断されている。
特開2008―12519号公報
ところで、従来の内燃機関の排気浄化装置にあっては、排気絞り弁が閉固着異常となった後、排気絞り弁の閉固着異常診断が完了する前に、フィルタの詰まり異常診断の実行条件が成立して、同診断が行われた場合には、フィルタの詰まり異常が生じているとの誤診断がなされるといった問題が生じる。すなわち、例えば図10に示すように、タイミングt1において排気絞り弁に対して閉弁指令が出力され、実際に排気絞り弁が全閉となっている状態においてこれが固着したとする。この場合、その後のタイミングt2において閉弁指令が出力されても、排気絞り弁は全閉のままとなる。このとき、その後のタイミングt3において排気絞り弁の異常診断が完了して閉固着異常であると診断されるとなるまでには所定の時間を要する。しかしながら、従来の内燃機関の制御装置においては、タイミングt2の直後に、すなわちタイミングt3よりも前に、フィルタの詰まり異常診断の実行条件である上記条件(A)〜(C)が成立し、このことをもってフィルタの詰まり異常診断が実行される。そのため、実際にはフィルタの詰まり異常が生じていないにもかかわらず、排気絞り弁が閉固着異常であることに起因して圧力センサにより検出される排気の圧力Pexが上記許容値Pfth以上となり、その結果、フィルタの詰まり異常が生じていると誤診断されることとなる。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、フィルタの詰まり異常の誤診断がなされることを抑制することのできる内燃機関の排気浄化装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
(1)請求項1に記載の発明は、内燃機関の排気通路に設けられて排気中の粒子状物質を捕集するフィルタと、前記排気通路における前記フィルタの下流側に設けられて同排気通路の流路断面積を可変とする排気絞り弁と、前記排気絞り弁の開閉を制御する開閉制御手段と、前記排気通路の前記フィルタの上流側における排気の圧力を検出する圧力検出手段と、前記圧力検出手段により検出される排気の圧力に基づき前記フィルタの詰まり異常を診断する異常診断手段と、を備える内燃機関の排気浄化装置において、前記排気通路の前記排気絞り弁の上流側における排気の圧力であって同弁が全開のときの圧力よりも大きく全閉のときの圧力よりも小さい判定値を機関運転状態に基づき設定する判定値設定手段と、前記異常診断手段による前記フィルタの異常診断を行うに先立ち、前記圧力検出手段により検出される排気の圧力が、前記判定値設定手段により設定される前記判定値よりも大きいと判断されるときには、当該異常診断を禁止する禁止手段と、を備えることをその要旨としている。
同構成によれば、フィルタの異常診断が行われる際には、これに先立ち、排気通路の排気絞り弁の上流側における排気の圧力が上記判定値よりも大きいか否かが判断される。すなわち、排気絞り弁が閉じているか否かが判断される。そして、排気絞り弁が閉じていると判断される場合には、仮にフィルタの詰まり異常診断を行い、同異常診断において圧力検出手段により検出される排気の圧力が許容値以上となったとしても、そのことが、フィルタの詰まり異常によるものか、或いは排気絞り弁が閉じていることによるものかを区別することができず、フィルタの詰まり異常を精度良く診断することができないとして、フィルタの異常診断が禁止される。従って、フィルタの詰まり異常の誤診断がなされることを抑制することができるようになる。
(2)請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置において、前記判定値設定手段は、前記排気通路を流通する排気の流量が多いときほど前記判定値を大きく設定することをその要旨としている。
排気通路の排気絞り弁の上流側における排気の圧力は、その他の状態が同一であれば、排気通路を流通する排気の流量が多いときほど高くなる。上記構成によれば、判定値設定手段を通じて、排気通路を流通する排気の流量に応じて上記判定値が設定されることから、上記判定値を排気の圧力に即した適切な値に設定することができるようになる。
(3)請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の内燃機関の排気浄化装置において、前記判定値設定手段は、内燃機関の吸気通路を流通する吸気の流量が多いときほど前記判定値を大きく設定することをその要旨としている。
排気通路を流通する排気の流量は、吸気通路を流通する吸気の流量が多いときほど多くなる。上記構成によれば、判定値設定手段を通じて、吸気通路を流通する吸気の流量に応じて、すなわち排気の流量に応じて上記判定値が設定されることから、上記判定値を排気の圧力に即した適切な値に簡易な態様にて設定することができるようになる。
(4)請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の内燃機関の排気浄化装置において、前記判定値設定手段は、内燃機関の燃料噴射量が多いときほど前記判定値を大きく設定することをその要旨としている。
排気通路を流通する排気の流量は、燃料噴射量が多いときほど多くなる。上記構成によれば、判定値設定手段を通じて、燃料噴射量に応じて、すなわち排気の流量に応じて上記判定値が設定されることから、上記判定値を排気の圧力に即した適切な値に簡易な態様にて設定することができるようになる。
(5)請求項5に記載の発明は、請求項2〜請求項4のいずれか一項に記載の内燃機関の排気浄化装置において、前記判定値設定手段は、前記排気通路を流通する排気の温度が高いときほど前記判定値を大きく設定することをその要旨としている。
排気通路の排気絞り弁の上流側における排気の圧力は、その他の状態が同一であれば、排気通路を流通する排気の温度が高いときほど高くなる。そのため、吸気通路を流通する吸気の流量のみに基づき上記判定値を設定する構成にあっては、排気の温度が基準温度から大きく乖離する場合には、上記判定値を排気の圧力に即した適切な値に設定することができない場合がある。この点、上記構成によれば、判定値設定手段を通じて、排気通路を流通する排気の温度に応じて上記判定値が設定されることから、排気の温度が基準温度から大きく乖離する場合であれ、上記判定値を排気の圧力に即した適切な値に設定することができるようになる。
(6)請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の内燃機関の排気浄化装置において、機関運転状態に基づき前記フィルタに堆積した前記粒子状物質の量を推定する堆積量推定手段を備え、前記判定値設定手段は、前記堆積量推定手段により推定される堆積量が多いときほど前記判定値を大きく設定することをその要旨としている。
排気通路の排気絞り弁の上流側における排気の圧力は、その他の状態が同一であれば、フィルタの粒子状物質の堆積量が多いときほど高くなる。上記構成によれば、判定値設定手段を通じて、フィルタに堆積した粒子状物質の量に応じて判定値が設定されることから、粒子状物質の堆積量が基準量から大きく乖離する場合であれ、上記判定値を排気の圧力に即した適切な値に設定することができるようになる。
(7)請求項7に記載の発明は、請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の内燃機関の排気浄化装置において、前記禁止手段は、前記圧力検出手段により検出される排気の圧力が前記判定値以下となってから所定期間が経過するまでは、前記異常診断手段による前記フィルタの異常診断を禁止することをその要旨としている。
排気絞り弁の開弁に伴って、排気通路の排気絞り弁よりも上流側における排気の圧力が上記判定値以下となっても、そのときの機関運転状態によっては、その後に直ぐさま、排気の圧力が同判定値よりも一時的に大きくなることがある。こうした場合には、圧力検出手段により検出される排気の圧力が上記判定値となったことをもって直ぐさま、異常診断手段によるフィルタの詰まり異常診断が行われると、フィルタの詰まり異常の誤診断がなされるおそれがある。この点、上記構成によれば、圧力検出手段により検出される排気の圧力が上記判定値以下となってから所定期間が経過するまでは、異常診断手段によるフィルタの異常診断が禁止されることから、排気絞り弁の開弁に伴って、排気通路の排気絞り弁よりも上流側における排気の圧力が上記判定値以下となって、その後に直ぐさま、排気の圧力が同判定値よりも一時的に大きくなる場合であれ、フィルタの詰まり異常の誤診断がなされることを抑制することができるようになる。
本発明に係る内燃機関の排気浄化装置について、内燃機関の概略構成を示す概略構成図。 同実施形態におけるフィルタの詰まり異常診断処理の処理手順を示すフローチャート。 同実施形態における高レベル判定フラグの設定処理の処理手順を示すフローチャート。 同実施形態における高レベル判定フラグ設定処理について、排気の温度と補正係数との関係を規定したマップ。 同実施形態における高レベル判定フラグ設定処理について、補正後吸気量と判定値との関係を規定したマップ。 (a)〜(f)同実施形態におけるフィルタの詰まり異常診断について、その作用を示すタイミングチャート。 (a)〜(f)同実施形態におけるフィルタの詰まり異常診断について、その作用を示すタイミングチャート。 (a)〜(f)同実施形態におけるフィルタの詰まり異常診断について、その作用を示すタイミングチャート。 (a)〜(f)同実施形態におけるフィルタの詰まり異常診断について、その作用を示すタイミングチャート。 従来技術におけるフィルタの詰まり異常診断について、その作用を示すタイミングチャート。
以下、図1〜図9を参照して、本発明に係る内燃機関の排気浄化装置を、車載用4気筒ディーゼル機関(以下、「内燃機関」)の排気浄化装置として具体化した一実施形態について説明する。
図1に、本実施形態の内燃機関10の概略構成を示す。尚、同図では、機関10を構成する4つの気筒のうちの1つの気筒11についてその断面構造を模式的に示している。
同図に示すように、内燃機関10には、その気筒11に形成される燃焼室12、同燃焼室12に吸気を供給する吸気通路13、及び燃焼室12での燃焼により生じた排気を排出する排気通路14を備えている。
吸気通路13には、燃焼室12に供給される吸気を調量するためのスロットル弁15及び同スロットル弁15を開閉駆動するアクチュエータ17が設けられている。吸気通路13を通じて燃焼室12に吸気が供給されると、燃料噴射弁16から燃焼室12に燃料が噴射供給されることでこれら吸気と燃料とが混合され、こうして混合された混合気がピストンにより圧縮されることで着火して燃焼する。
排気通路14には、排気中の炭化水素(HC)や一酸化炭素(CO)を酸化して浄化する酸化触媒21が設けられている。また、排気通路14において酸化触媒21の下流側には、排気中の粒子状物質(Particulate Matter、以下、「PM」)を捕集するフィルタ22が設けられている。フィルタ22は多孔質材料によって形成されている。尚、本実施形態では、酸化触媒21とフィルタ22とを別体にて構成しているが、フィルタに酸化触媒を担持させることにより、これらを一体にて構成することもできる。
また、排気通路14においてフィルタ22の下流側には、排気通路14の流路断面積を可変とする排気絞り弁18及び同排気絞り弁18を全開と全閉との間で開閉駆動するためのアクチュエータ19が設けられている。
こうした内燃機関10の各種制御は、電子制御装置40により実施される。電子制御装置は、機関制御に係る各種演算処理を実行するCPU、その制御に必要なプログラムやデータの記憶されたROM、CPUの演算結果等が一時的に記憶されるRAM、及び外部との間で信号を入力・出力するための入力ポート・出力ポート等を備えて構成されている。電子制御装置40により、燃料噴射弁16からの燃料噴射制御(以下、燃料噴射制御)、スロットル弁15の開度制御(以下、スロットル開度制御)、排気絞り弁18の開閉制御等の機関制御を含む各種制御が行われる。
電子制御装置40の入力ポートには、以下の各種センサ31〜38等が接続されている。
(31)吸気通路13においてスロットル弁15の上流側に設けられ、吸気量GAを検出する吸気量センサ31
(32)排気通路14において酸化触媒21とフィルタ22との間に設けられ、排気の温度ThCを検出する温度センサ32
(33)排気通路14において酸化触媒21とフィルタ22との間に設けられ、排気の圧力(絶対圧)Pexを検出する圧力センサ33
(34)機関出力軸の回転速度である機関回転速度を検出する機関回転速度センサ34
(35)アクセルペダルの踏み込み量であるアクセル開度を検出するアクセル開度センサ35
(36)スロットル弁15の近傍に設けられて、スロットル弁15の開度であるスロットル開度TAを検出するスロットル開度センサ36
(37)排気通路14においてフィルタ22と排気絞り弁18との間に設けられ、排気の空燃比A/Fを検出する空燃比センサ37
(38)排気通路14において酸化触媒21の上流側に設けられ、排気の温度を検出する上流側排気温センサ38
また、電子制御装置40の出力ポートには、スロットル弁15、燃料噴射弁16、及び排気絞り弁18等の駆動回路が接続されている。
電子制御装置40は、上記各種センサから入力される検出信号により把握される機関運転状態に応じて、上記出力ポートに接続された各機器類の駆動回路に対して指令信号を出力する。このようにして燃料噴射制御、スロットル開度制御、及び排気絞り弁の開閉制御等の各種制御が行われる。
さて、こうした内燃機関10の排気浄化装置にあっては、排気絞り弁18が閉弁したまま開弁しなくなるといった異常が生じるおそれがあることから、以下の閉固着異常診断を通じて、こうした異常の有無を診断するようにしている。すなわち、排気絞り弁18に対して閉弁指令を出力することで同弁18が閉弁されると、これに伴い同弁18の上流側の排気の圧力は高い状態となる。一方、排気絞り弁18に対して開弁指令を出力することで同弁18が開弁されると、これに伴い同弁18の上流側の排気の圧力は低い状態となる。これらのことから、排気絞り弁18に対して閉弁指令を出力している状態において、開弁指令を出力し、それから所定期間経過後に、排気の圧力Pexと判定値Pexthとの大小関係を比較するとともに、その結果、排気の圧力Pexが判定値Pexth以上であるときには、排気絞り弁18の閉固着異常が生じているものと診断するようにしている。
また、内燃機関10の排気浄化装置にあっては、フィルタ22に捕集されたPMの堆積量(以下、「PM堆積量」)が増加すると、フィルタ22の上流側における排気の圧力が上昇し、これに伴い内燃機関10の燃料消費量が悪化するといった問題が生じる。そこで、所定の実行条件が成立するときに、排気の圧力Pexが許容値Pfthよりも大きいときには、PM堆積量が許容量を超えるおそれがあるとして、フィルタ22に堆積したPMを燃焼させて浄化するフィルタの再生制御が行われる。こうしたフィルタ再生制御は、排気絞り弁18の作動により排気の温度及排気の圧力を上昇させるとともに、フィルタ22に担持された酸化触媒に未燃燃料成分を供給することで行われる。これにより、未燃燃料成分の排気中や触媒上での酸化に伴う発熱により触媒を活性化させるとともに触媒周りのPMを燃焼させる。尚、フィルタ再生制御での触媒への未燃燃料成分の供給は、内燃機関10の駆動に寄与する燃料噴射弁16からの燃料噴射の後、例えば排気行程中での燃料噴射であるポスト噴射等によって行われる。
こうしたフィルタ22の詰まり異常診断の実行条件としては、従来、例えば以下の条件(A)〜(C)の全てが満たされているときに、成立するものとしている。
(A)機関運転状態が定常運転状態である。
(B)排気絞り弁18の閉弁制御が実行されていない。
(C)排気絞り弁18の閉固着異常診断の結果、異常なしと診断されている。
ちなみに、機関運転状態が定常運転状態である場合において、排気絞り弁18が全閉のときの排気の圧力P1は、排気絞り弁18が全開であり、且つフィルタ22のPM堆積量が許容量以上であるときの排気の圧力P2よりも大きい(P1>>P2)。このことから、フィルタ22の詰まり異常診断における上記許容値Pfthは、排気絞り弁18の閉固着異常診断における上記判定値Pexthよりも小さい値として設定される(Pfth<Pexth)。
ところで、こうした従来の内燃機関10の排気浄化装置にあっては、前述したように、排気絞り弁18が閉固着異常となった後、排気絞り弁18の閉固着異常診断が完了する前に、フィルタ22の詰まり異常診断の実行条件が成立して、同診断が行われた場合には、フィルタ22の詰まり異常が生じているとの誤診断がなされるといった問題が生じる。
そこで、本実施形態では、フィルタ22の異常診断を行うに先立ち、圧力センサ33により検出される排気の圧力Pexが上記判定値Pexthよりも大きいと判断されるときには、当該異常診断を禁止するようにしている。また、上記判定値Pexthを、そのときどきの機関運転状態に基づき設定するようにしている。これにより、フィルタ22の詰まり異常の誤診断がなされることを抑制するようにしている。
次に、図2〜図5を参照して、本実施形態におけるフィルタ22の詰まり異常診断処理について詳細に説明する。
図2は、フィルタ22の詰まり異常診断処理の処理手順を示すフローチャートである。尚、同図に示される一連の処理は、機関運転中に所定周期毎に繰り返し実行される。
同図に示すように、この一連の処理では、まず、各種センサ31〜38等からの検出結果に基づき把握される機関運転状態が読み込まれる(ステップS1)。そして、次に、高レベル判定フラグ設定処理が行われる(ステップS2)。
ここで、図3を参照して、高レベル判定フラグ設定処理について説明する。
図3は、高レベル判定フラグの設定処理の処理手順を示すフローチャートである。尚、同図に示される一連の処理は、図2に示すフローチャートにおいてステップS2の処理に移行したときに実行される。
同図に示すように、この一連の処理では、まず、そのときの吸気量GA及び排気の温度ThCに基づき判定値Pexthを設定する(ステップS21)。具体的には、図4及び図5に示すマップを参照して、判定値Pexthを設定する。ここで、判定値Pexthは、排気通路14の排気絞り弁18の上流側における排気の圧力であって同弁18が全開のときの圧力よりも大きく同弁18が全閉のときの圧力よりも小さい値として設定される。従って、排気の圧力がより高くなる機関運転状態のときほど、上記判定値Pexthは大きな値として設定される。本実施形態では、その他の状態が同一であれば、吸気量GAが多いときほど、これに伴い排気の流量が多くなり、排気の圧力が高くなることに着目して、吸気量GAに基づき上記判定値Pexthを設定している。また、吸気量GAが同一であれば、排気の温度ThCが高いときほど排気の圧力が高くなることに着目して、排気の温度ThCにより吸気量GAを補正するとともに補正後吸気量GACに基づき上記判定値Pexthを設定している。
図4は、排気の温度ThCと補正係数Kとの関係を規定したマップである。また、図5は、吸気量GAに対して補正係数Kを乗じた値である補正後吸気量GACと判定値Pexthとの関係を規定したマップである。
図4に示すように、排気の温度ThCが高くなるほど補正係数Kが大きくなるように設定されている。また、図5に示すように、補正後吸気量GACが多くなるほど判定値Pexthが大きくなるように設定されている。従って、本実施形態では、吸気量GAが多いときほど、また排気の温度が高いときほど判定値Pexthは大きな値に設定される。
こうしてステップS21において判定値Pexthを設定すると、次に、そのときの排気の圧力Pexが判定値Pexth以上であるか否かを判断する(ステップS22)。そしてこの結果、排気の圧力Pexが判定値Pexth以上である場合(ステップS22:「YES」)には、排気絞り弁18が閉じているとして、次に、高レベル判定フラグFを「ON」として(ステップS23)、この一連の処理を終了する。
一方、ステップS22において、排気の圧力Pexが判定値Pexth以上ではない場合には(ステップS22:「NO」)、排気絞り弁18が閉じていないとして、次に、高レベル判定フラグFを「OFF」として(ステップS24)、この一連の処理を終了する。
こうして高レベル判定フラグFの設定が行われると、次に、図2に示すように、そのときの機関運転状態が定常運転状態であるか否かを判断する(ステップS3)。本実施形態では、例えば、吸気量GAの単位時間当たりの変化量が所定量未満であること、機関回転速度の単位時間当たりの変化量が所定量未満であること、燃料噴射量の単位時間当たりの変化量が所定量未満であるといった条件が全て成立しているときに、機関運転状態が定常運転状態であると判断する。機関運転状態が定常運転状態ではない場合、例えば吸気量GAの単位時間当たりの変化量が大きい場合には、これに伴い排気の圧力が大きく変動することとなり、フィルタ22の詰まり異常を精度良く診断することができない。そのため、ステップS3では、そうした状態であるか否かを判断している。
ここで、機関運転状態が定常運転状態である場合(ステップS3:「YES」)には、次に、排気絞り弁18に対して閉弁指令が出力されていないか否かを判断する(ステップS4)。排気絞り弁18に対して閉弁指令が出力されている場合には、フィルタ22の詰まり度合にかかわらず排気の圧力Pexが上記許容値Pfth以上となり、フィルタ22の詰まり異常を精度良く診断することができない。そのため、ステップS4では、そうした状態であるか否かを判断している。
ここで、排気絞り弁18への閉弁指令が出力されていない場合(ステップS4:「YES」)には、次に、高レベル判定フラグFが「OFF」であるか否かを判断する(ステップS5)。高レベル判定フラグFが「ON」である場合には、排気絞り弁18が閉じているといえ、仮にフィルタ22の詰まり異常診断を行い、同異常診断において圧力センサ33により検出される排気の圧力Pexが許容値Pfth以上となったとしても、そのことが、フィルタ22の詰まり異常によるものか、或いは排気絞り弁18が閉じていることによるものかを区別することができず、フィルタ22の詰まり異常を精度良く診断することができない。そのため、ステップS5では、そうした状態であるか否かを判断している。
そして、高レベル判定フラグFが「OFF」である場合には(ステップS5:「YES」)、フィルタ22の詰まり異常診断の実行条件が成立したとして、次に、そのときの排気の圧力Pexが許容値Pfthよりも大きいか否かを判断する(ステップS6)。そしてこの結果、排気の圧力Pexが許容値Pfthよりも大きい場合には(ステップS6:「YES」)、PM堆積量が許容量を超えているとして、次に、フィルタ22の詰まり異常有りと診断して(ステップS7)、この一連の処理を一旦終了する。
一方、排気の圧力Pexが許容値Pfth以下である場合には(ステップS6:「NO」)、PM堆積量が許容量以下であるとして、この一連の処理を一旦終了する。
尚、機関運転状態が定常運転状態ではない場合(ステップS3:「NO」)や、排気絞り弁18への閉弁指令が出力されている場合(ステップS4:「NO」)、高レベル判定フラグFが「ON」である場合(ステップS5:「NO」)には、フィルタ22の詰まり異常診断の実行条件が成立しないとして、この一連の処理を一旦終了する。
次に、図6〜図9を参照して、本実施形態におけるフィルタの詰まり異常診断の作用について説明する。
図6は、フィルタ22のPM堆積量が許容量以下であり、排気絞り弁18の閉固着異常が生じない場合におけるタイミングチャートである。
図7は、フィルタ22のPM堆積量が許容量以下であり、排気絞り弁18の閉固着異常が生じる場合におけるタイミングチャートである。
尚、これら図6、図7に示すタイミングチャートにおいては、機関運転状態は、定常運転状態であるとする(図6(a)、図7(a)参照)。
図6に示すように、タイミングt11において、排気絞り弁18に対して閉弁指令が出力されると(b)、それまで全開であった排気絞り弁18は全閉となる(c)。これにより、排気の圧力Pexは、それまでの所定値P0(<Pfth)から上昇して、タイミングt13において所定値P1(>Pexth)となる(d)。その後、タイミングt14において、排気絞り弁18に対して開弁指令が出力されると(b)、排気絞り弁18は正常に駆動されて全開となる(c)。これにより、排気の圧力Pexは、それまでの所定値P1から低下して、タイミングt16において所定値P0となる(d)。ここで、高レベル判定フラグFは、タイミングt12において排気の圧力Pexが判定値Pexth(Pfth<Pexth<P1)以上となることに伴い、「OFF」から「ON」に切り替えられる。またその後、タイミングt15において排気の圧力Pexが判定値Pexth未満となると、「ON」から「OFF」に切り替えられる。また、フィルタ22の詰まり異常診断の実行条件は、排気絞り弁18に対して閉弁指令が出力されたタイミングt11から、排気の圧力Pexが判定値Pexth未満となったタイミングt15まで不成立となる。すなわち、タイミングt15以降において成立することとなる。
一方、図7に示すように、タイミングt13とタイミングt14との間のタイミングにおいて、排気絞り弁18に閉固着異常が生じた場合には、タイミングt15以降においても、排気の圧力Pexが判定値Pexth以上のままとなることから、高レベル判定フラグFは、「ON」のまま切り替えられることはない(e)。そのため、タイミングt15以降、フィルタ22の詰まり異常診断の実行条件も不成立のままとなる。従って、タイミングt14以降において、直前に生じた排気絞り弁18の閉固着異常について、閉固着異常診断が完了しておらず、前回の診断結果が異常なしであること、機関運転状態が定常運転状態であること(a)、及び排気絞り弁18への閉弁指令が出力されていないことをもってフィルタ22の詰まり異常診断が行われることはない。
図8は、フィルタ22のPM堆積量が許容量よりも多く、排気絞り弁18の閉固着異常が生じない場合におけるタイミングチャートである。
図9は、フィルタ22のPM堆積量が許容量よりも多く、排気絞り弁18の閉固着異常が生じる場合におけるタイミングチャートである。
尚、これら図8、図9に示すタイミングチャートにおいては、機関運転状態は、定常運転状態であるとする(図8(a)、図9(a)参照)。
図8に示すように、タイミングt21において、排気絞り弁18に対して閉弁指令が出力されると(b)、それまで全開であった排気絞り弁18は全閉となる(c)。ここで、フィルタ22のPM堆積量が許容量よりも多いため、排気の圧力Pexは、それまでの所定値P2(Pfth<P2<Pexth)から上昇して、タイミングt23において所定値P1(>Pexth)となる(d)。その後、タイミングt24において、排気絞り弁18に対して開弁指令が出力されると(b)、排気絞り弁18は正常に駆動されて全開となる(c)。これにより、排気の圧力Pexは、それまでの所定値P1から低下して、タイミングt26において所定値P2となる(d)。ここで、高レベル判定フラグFは、タイミングt22において排気の圧力Pexが判定値Pexth(Pfth<Pexth<P1)以上となることに伴い、「OFF」から「ON」に切り替えられる。またその後、タイミングt25において排気の圧力Pexが判定値Pexth未満となると、「ON」から「OFF」に切り替えられる。また、フィルタ22の詰まり異常診断の実行条件は、排気絞り弁18に対して閉弁指令が出力されたタイミングt21から、排気の圧力Pexが判定値Pexth未満となったタイミングt25まで不成立となる。すなわち、タイミングt25以降において成立することとなる。
一方、図9に示すように、タイミングt23とタイミングt24との間において、排気絞り弁18に閉固着異常が生じた場合には、タイミングt25以降においても、排気の圧力Pexが判定値Pexth以上のままとなることから、高レベル判定フラグFは、「ON」のまま切り替えられることはない(e)。そのため、タイミングt25以降、フィルタ22の詰まり異常診断の実行条件も不成立のままとなる。従って、タイミングt24以降において、直前に生じた排気絞り弁18の閉固着異常について、閉固着異常診断が完了しておらず、前回の診断結果が異常なしであること、機関運転状態が定常運転状態であること(a)、及び排気絞り弁18への閉弁指令が出力されていないことをもってフィルタ22の詰まり異常診断が行われることはない。
以上説明した本実施形態に係る内燃機関の排気浄化装置によれば、以下に示す作用効果が得られるようになる。
(1)内燃機関10は、排気通路14に設けられて排気中のPMを捕集するフィルタ22と、排気通路14におけるフィルタ22の下流側に設けられて同排気通路14の流路断面積を可変とする排気絞り弁18とを備えるものとした。また、電子制御装置40を通じて、排気絞り弁18の開閉を制御するものとした。また、排気通路14のフィルタ22の上流側における排気の圧力Pexを検出する圧力センサ33を備え、電子制御装置40を通じて、圧力センサ33により検出される排気の圧力Pexに基づきフィルタ22の詰まり異常を診断するものとした。そして、電子制御装置40は、排気通路14の排気絞り弁18の上流側における排気の圧力であって同弁18が全開のときの圧力よりも大きく全閉のときの圧力よりも小さい判定値Pexthを機関運転状態に基づき設定するものとした。また、フィルタ22の異常診断を行うに先立ち、圧力センサ33により検出される排気の圧力Pexが、判定値Pexthよりも大きいと判断されるときには、当該異常診断を禁止するものとした。これにより、フィルタ22の異常診断が行われる際には、これに先立ち、排気通路14の排気絞り弁18の上流側における排気の圧力Pexが上記判定値Pexthよりも大きいか否かが判断される。すなわち、排気絞り弁18が閉じているか否かが判断される。そして、排気絞り弁18が閉じていると判断される場合には、仮にフィルタ22の詰まり異常診断を行い、同異常診断において圧力センサ33により検出される排気の圧力Pexが許容値Pfth以上となったとしても、そのことが、フィルタ22の詰まり異常によるものか、或いは排気絞り弁18が閉じていることによるものかを区別することができず、フィルタ22の詰まり異常を精度良く診断することができないとして、フィルタ22の異常診断が禁止される。従って、フィルタ22の詰まり異常の誤診断がなされることを抑制することができるようになる。
(2)電子制御装置40を通じて、吸気量GAが多いときほど上記判定値Pexthを大きく設定するものとした。排気通路14の排気絞り弁18の上流側における排気の圧力は、その他の状態が同一であれば、排気通路14を流通する排気の流量が多いときほど高くなる。また、排気の流量は、吸気通路13を流通する吸気の流量が多いときほど多くなる。上記実施形態によれば、電子制御装置40を通じて、吸気量GAに応じて、すなわち排気の流量に応じて上記判定値Pexthが設定されることから、上記判定値Pexthを排気の圧力に即した適切な値に簡易な態様によって設定することができるようになる。
(3)電子制御装置40を通じて、排気通路14を流通する排気の温度ThCが高いときほど判定値Pexthを大きく設定するものとした。排気通路14の排気絞り弁18の上流側における排気の圧力は、その他の状態が同一であれば、排気通路14を流通する排気の温度が高いときほど高くなる。そのため、吸気量GAのみに基づき上記判定値Pexthを設定する構成にあっては、排気の温度ThCが基準温度から大きく乖離する場合には、上記判定値Pexthを排気の圧力に即した適切な値に設定することができない場合がある。この点、上記構成によれば、電子制御装置40を通じて、排気通路14を流通する排気の温度ThCに応じて上記判定値Pexthが設定されることから、排気の温度ThCが基準温度から大きく乖離する場合であれ、上記判定値Pexthを排気の圧力に即した適切な値に設定することができるようになる。
尚、本発明に係る内燃機関の排気浄化装置は、上記実施形態にて例示した構成に限定されるものではなく、これを適宜変更した例えば次のような形態として実施することもできる。
・上記実施形態では、過給機を備えていない内燃機関10について例示したが、これに代えて、過給機や排気再循環装置を備える内燃機関に対しても本発明を適用することができる。特に、排気駆動式の過給機を備える内燃機関にあっては、同過給機を構成するタービンと酸化触媒21との間に、触媒を設けるようにすることもできる。
・上記実施形態では、排気の圧力Pexが判定値Pexth以下となると直ぐに、高レベル判定フラグFを「OFF」としている。しかしながら、排気絞り弁18の開弁に伴って、排気の圧力Pexが上記判定値Pexth以下となっても、そのときの機関運転状態によっては、その後に直ぐさま、排気の圧力Pexが同判定値Pexthよりも一時的に大きくなることがある。こうした場合には、圧力センサ33により検出される排気の圧力Pexが上記判定値Pexthとなったことをもって直ぐさま、フィルタ22の詰まり異常診断が行われると、フィルタ22の詰まり異常の誤診断がなされるおそれがある。そこで、排気の圧力Pexが判定値Pexth以下となってから所定期間が経過するまでは、高レベル判定フラグFを「OFF」とせずに、フィルタ22の異常診断を禁止するようにしてもよい。これにより、排気絞り弁18の開弁に伴って、排気通路14の排気絞り弁18よりも上流側における排気の圧力が上記判定値Pexth以下となって、その後に直ぐさま、排気の圧力Pexが同判定値Pexthよりも一時的に大きくなる場合であれ、フィルタ22の詰まり異常の誤診断がなされることを抑制することができるようになる。ちなみに、ここでの所定期間としては、実験等により予め求められる値を設定することができる。
・上記実施形態では、吸気量GA及び排気の温度ThCに基づき判定値Pexthを設定するようにしているが、これに加えて、周知の堆積量推定手段により推定されるPM堆積量に基づき判定値を設定するようにすることもできる。すなわち、圧力センサ33により検出される排気の圧力Pexは、その他の状態が同一であれば、フィルタ22のPM堆積量が多いときほど高くなる。そこで、上述したように、PM堆積量が多いときほど判定値Pexthを大きく設定することとすれば、判定値を、排気の圧力に即した適切な値に設定することができるようになる。
・上記実施形態によるように、排気通路14を流通する排気の温度ThCが高いときほど判定値Pexthを大きく設定することが、排気の温度ThCが基準温度から大きく乖離する場合であれ、上記判定値Pexthを排気の圧力に即した適切な値に設定する上では望ましい。しかしながら、本発明はこれに限られるものではなく、例えば排気の温度ThCと基準温度との乖離度合が小さい場合においてのみ、本発明を適用するのであれば、排気の温度ThCに基づいて判定値Pexthを設定しなくともよい。
・上記実施形態では、排気通路14の排気絞り弁18の上流側における排気の圧力が、その他の状態が同一であれば、排気通路14を流通する排気の流量が多いときほど高くなること、また排気の流量は、吸気通路13を流通する吸気の流量が多きときほど多くなることを考慮して、吸気量GAに基づいて判定値Pexthを設定するようにしている。しかしながら、排気の流量を推定するための構成はこれに限られるものではなく、他に例えば、内燃機関10の燃料噴射量Qに基づき排気の流量を推定するようにしてもよい。この場合、燃料噴射量Qが多いときほど判定値を大きく設定するようにすればよい。また、排気の流量を直接検出する手段を備える構成にあっては、同手段により検出される排気の流量に基づき判定値を設定するようにしてもよい。
・上記実施形態では、従来の実行条件(A)〜(C)が成立していることに加えて、高レベル判定フラグFが「OFF」である場合に、フィルタ22の詰まり異常診断を実行するようにしているが、本発明はこれに限られるものではなく、高レベル判定フラグFが「OFF」であることのみをもってフィルタ22の詰まり異常診断を行うようにしてもよい。
・上記実施形態では、排気絞り弁18の閉固着異常診断については、従来の診断態様、すなわち、排気絞り弁18に対して閉弁指令を出力している状態において、開弁指令を出力し、それから所定期間経過後に、排気の圧力Pexが判定値Pexth以上であるときには、排気絞り弁18の閉固着異常が生じていると診断する態様を採用している。しかしながら、本発明の技術思想に基づき以下の閉固着異常診断を行うようにすることもできる。すなわち、排気絞り弁18への閉弁指令が出力されているときにフィルタの異常診断を行うものとし、フィルタの異常診断を行うに先立ち、排気の圧力Pexが、判定値Pexthよりも大きいと判断されるときに、当該異常診断を禁止するとともに、排気絞り弁18が閉固着異常であると診断する。このような診断を行うことにより、排気絞り弁18の閉固着異常が生じている場合には、これをより早期に把握することができるようになる。
10…内燃機関、11…気筒、12…燃焼室、13…吸気通路、14…排気通路、15…スロットル弁、16…燃料噴射弁、17…アクチュエータ、18…排気絞り弁、19…アクチュエータ、21…酸化触媒、22…フィルタ、31…エアフローメータ、32…温度センサ、33…圧力センサ(圧力検出手段)、34…機関回転速度センサ、35…アクセル開度センサ、36…スロットル開度センサ、37…空燃比センサ、38…上流側排気温センサ、40…電子制御装置(開閉制御手段、診断手段、判定値設定手段、禁止手段)。

Claims (7)

  1. 内燃機関の排気通路に設けられて排気中の粒子状物質を捕集するフィルタと、前記排気通路における前記フィルタの下流側に設けられて同排気通路の流路断面積を可変とする排気絞り弁と、前記排気絞り弁の開閉を制御する開閉制御手段と、前記排気通路の前記フィルタの上流側における排気の圧力を検出する圧力検出手段と、前記圧力検出手段により検出される排気の圧力に基づき前記フィルタの詰まり異常を診断する異常診断手段と、を備える内燃機関の排気浄化装置において、
    前記排気通路の前記排気絞り弁の上流側における排気の圧力であって同弁が全開のときの圧力よりも大きく全閉のときの圧力よりも小さい判定値を機関運転状態に基づき設定する判定値設定手段と、
    前記異常診断手段による前記フィルタの異常診断を行うに先立ち、前記圧力検出手段により検出される排気の圧力が、前記判定値設定手段により設定される前記判定値よりも大きいと判断されるときには、当該異常診断を禁止する禁止手段と、を備える
    ことを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  2. 請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置において、
    前記判定値設定手段は、前記排気通路を流通する排気の流量が多いときほど前記判定値を大きく設定する
    ことを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  3. 請求項2に記載の内燃機関の排気浄化装置において、
    前記判定値設定手段は、内燃機関の吸気通路を流通する吸気の流量が多いときほど前記判定値を大きく設定する
    ことを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  4. 請求項2に記載の内燃機関の排気浄化装置において、
    前記判定値設定手段は、内燃機関の燃料噴射量が多いときほど前記判定値を大きく設定する
    ことを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  5. 請求項2〜請求項4のいずれか一項に記載の内燃機関の排気浄化装置において、
    前記判定値設定手段は、前記排気通路を流通する排気の温度が高いときほど前記判定値を大きく設定する
    ことを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の内燃機関の排気浄化装置において、
    機関運転状態に基づき前記フィルタに堆積した前記粒子状物質の量を推定する堆積量推定手段を備え、
    前記判定値設定手段は、前記堆積量推定手段により推定される堆積量が多いときほど前記判定値を大きく設定する
    ことを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の内燃機関の排気浄化装置において、
    前記禁止手段は、前記圧力検出手段により検出される排気の圧力が前記判定値以下となってから所定期間が経過するまでは、前記異常診断手段による前記フィルタの異常診断を禁止する
    ことを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
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