JP2008133779A - 差圧センサの診断装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単に精度よく差圧センサを診断することのできる差圧センサの診断装置を提供する。
【解決手段】内燃機関の排気通路122に設置されたDPF136と、DPF136の上流側に連通された上流側導圧路137およびDPF136の下流側に連通された下流側導圧路139にそれぞれ連通して配置された差圧センサ138を備える内燃機関の排気浄化装置において、差圧センサ138に連通された下流側導圧路139の連通を、DPF136の下流側または大気へと切替え可能な連通切替え弁142と、DPF136の上流側に設置された圧力センサ144と、所定時に、連通切替え弁を大気連通側に切替え、そのときの差圧センサ138による検出圧力と圧力センサ144による検出圧力との比較に基づき、差圧センサ138が異常か正常かを診断する診断手段と、を備える。
【選択図】図1
【解決手段】内燃機関の排気通路122に設置されたDPF136と、DPF136の上流側に連通された上流側導圧路137およびDPF136の下流側に連通された下流側導圧路139にそれぞれ連通して配置された差圧センサ138を備える内燃機関の排気浄化装置において、差圧センサ138に連通された下流側導圧路139の連通を、DPF136の下流側または大気へと切替え可能な連通切替え弁142と、DPF136の上流側に設置された圧力センサ144と、所定時に、連通切替え弁を大気連通側に切替え、そのときの差圧センサ138による検出圧力と圧力センサ144による検出圧力との比較に基づき、差圧センサ138が異常か正常かを診断する診断手段と、を備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、差圧センサの診断装置、特に、内燃機関の排気系に設けられた排気浄化用フィルタの上下流での圧力差を検出する差圧センサの診断装置に関する。
一般に、内燃機関、特にディーゼルエンジンにおいては、排気中に含まれる粒子状物質(パティキュレートマター、以下、PMと称す)の除去が重要な課題となっている。このため大気中に粒子状物質が放出されないように内燃機関の排気系に粒子状物質の捕集を行う排気浄化フィルタ(例えば、ディーゼルパティキュレートフィルタ、以下、DPFとも称す)を設ける技術が存在する。
また、内燃機関の排気通路に排気絞り弁を設け、必要に応じて排気通路を流れる排気の流量を絞る技術が知られている。これは、排気の流量を絞って背圧を上昇させることにより排気温度を上昇させるために用いられている。すなわち、排気系に設けられた排気浄化用触媒の早期暖機やPMを捕集するDPFの再生等のためである。
このDPFでは、PMの堆積量が過大となるとフィルタに目詰まりを生じ、これに起因する出力低下により燃費の悪化を招いたり、フィルタの毀損を生じるおそれがある。そこで、このような目詰まりを判定する技術として、DPFの上下流の圧力差を差圧センサにより検出することにより目詰まりの有無を判定する技術が知られている。
ところで、このような差圧センサを用いてDPFの上下流の圧力差を検出した場合、かかるDPFの上下流の圧力差は、PM堆積量が同じであっても、DPFを通過する排気流量により変化することがある。例えば、自動車が比較的低速で走行する市街地走行中には排気流量が少なく、DPFの上下流の圧力差も小さくなる、一方、高速道路で高速走行中には排気流量が多く、DPFの上下流の圧力差も大きくなる。
また、DPFの上下流の圧力差を検出する差圧センサが異常な出力、例えば、実際の圧力差に対して過大または過小な差圧信号を出力する場合には、PM堆積量の正しい判定ができず、DPFに対して適切な時期に再生処理を実行することができない。
これに対処して、特許文献1には、複数の差圧センサを設けることで相互に検出値を評価して差圧センサの異常を判断することや、内燃機関の運転状態に基づいてDPFに堆積したPMの堆積量を推定すると共に、この推定堆積量に基づいて、DPFの上下流での圧力差を推定し、この推定圧力差と、差圧センサの検出値に基づいて得られた実測圧力差とを比較することにより、差圧センサの異常を検出する技術が開示されている。
しかしながら、複数の差圧センサを設けることは、特許文献1でも指摘されているように、コストアップの要因となる。また、特許文献1に記載の技術は、内燃機関の運転状態に基づくPMの推定堆積量、さらに、この推定堆積量に基づくDPFの上下流での推定圧力差と、差圧センサの実測圧力差とを比較して、差圧センサの異常を検出するようにしているので、PMの推定堆積量を得るのに、運転状態の変化にきめ細かく対応した情報の取得が必要であり、複雑な制御を必要とする。さらに、この推定堆積量に対応する推定圧力差を得るにも多大な実験データに基づくマップ等を必要とするにもかかわらず、その診断精度に信頼性が乏しいという問題があった。
本発明はかかる事情に鑑みなされたもので、その目的は、簡単に精度よく差圧センサを診断することのできる差圧センサの診断装置を提供することにある。
上記目的を達成する本発明の一形態に係る差圧センサの診断装置は、内燃機関の排気通路に設置された排気浄化フィルタと、該排気浄化フィルタの上流側に連通された上流側導圧路および該排気浄化フィルタの下流側に連通された下流側導圧路にそれぞれ連通して配置された差圧センサを含む差圧検出手段とを備える内燃機関の排気浄化装置において、前記差圧センサに連通された下流側導圧路の連通を、前記排気浄化フィルタの下流側または大気へと切替え可能な連通切替え手段と、前記排気浄化フィルタの上流側に設置された圧力センサを含む圧力検出手段と、所定時に、前記連通切替え手段を大気連通側に切替え、そのときの前記差圧検出手段による検出圧力と前記圧力検出手段による検出圧力との比較に基づき、前記差圧センサが異常か正常かを診断する診断手段と、を備えることを特徴とする。
ここで、前記排気浄化フィルタの上流で且つ前記圧力センサの下流に排気絞り弁を備え、前記診断手段による診断の際には、前記排気絞り弁を全開作動させる排気絞り弁全開手段を備えることが好ましい。
上記本発明の一形態に係る差圧センサの診断装置においては、所定時に、差圧センサに連通された下流側導圧路の連通が連通切替え手段において大気連通側に切替えられると、差圧検出手段により上流側導圧路に連通された排気浄化フィルタの上流側の圧力と下流側導圧路が連通された大気圧との差圧、すなわち、排気浄化フィルタの上流側の圧力が絶対圧として検出される。同時に、排気浄化フィルタの上流側に設置された圧力センサを含む圧力検出手段により排気浄化フィルタの上流側の圧力が検出される。そして、これらの差圧検出手段による検出圧力と圧力検出手段による検出圧力とが比較され、差圧センサが異常か正常かが診断される。詳しくは、両者の差が所定値より小さいときは、差圧センサが正常に機能していると診断される。逆に、両者の差が所定値より大きいときは、差圧センサが正常に機能していない、すなわち、異常であると診断される。従って、上記一形態の構成によれば、絶対圧同士の比較で診断されるので、簡単に精度よく差圧センサを診断することができる。
ここで、前記排気浄化フィルタの上流で且つ前記圧力センサの下流に排気絞り弁を備え、前記診断手段による診断の際には、前記排気絞り弁を全開作動させる排気絞り弁全開手段を備える形態によれば、排気絞り弁が存在したとしても、その上下流での圧力検出の障害とならない。
以下、添付図面を用いて本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明を自動車用ディーゼルエンジンに適用した実施形態の概略構成を説明する模式図である。
図1において、100はディーゼルエンジン本体、102はエンジン100の吸気通路、104は吸気通路102に設けられたサージタンク、106はサージタンク104と各気筒の吸気ポートとを接続する吸気枝管である。本実施形態では、吸気通路102には吸気通路102を流れる吸入空気の流量を絞る吸気絞り弁108、および吸気を冷却するインタクーラ110が設けられている。吸気絞り弁108はソレノイド、バキュームアクチュエータ等の適宜な形式のアクチュエータ108Aを備え、後述する電子制御ユニット(ECU)200からの制御信号に応じた開度をとる。本実施形態では、吸気絞り弁108は、例えば機関低回転時等に吸気圧力を低下させて、後述するEGR通路152を通ってサージタンク104に還流する排気(EGRガス)量を増大させるために用いられる。
図1に112で示すのは、吸気通路102の吸気入口近傍に設けられたエアフローメータである。本実施形態では、エアフローメータ112は熱線式流量計等のように、吸気通路102を流れる吸入空気の質量流量を測定可能な形式のものが使用されている。吸気通路102に流入した大気は、エアフローメータ112を通過した後、ターボチャージャ130のタービン130Tで駆動されるコンプレッサ130Cにより昇圧され、吸気通路102に設けられたインタクーラ110により冷却された後サージタンク104、枝管106を経て各気筒に吸入される。
図1に114で示すのは、各気筒内に燃料を直接に噴射する燃料噴射弁である。燃料噴射弁114は、高圧燃料を貯留する共通の蓄圧室(コモンレール)116に接続されている。機関100の燃料は高圧燃料ポンプ118により昇圧されてコモンレール116に供給され、コモンレール116から各燃料噴射弁114を介して直接各気筒内に噴射される。
また、図1に120で示すのは各気筒の排気ポートと排気通路122とを接続する排気マニホルドであり、その後流に上述のターボチャージャ130が配置されている。ターボチャージャ130は排気通路122の排気により駆動される排気タービン130Tと、この排気タービン130Tにより駆動される吸気コンプレッサ130Cとを備えていること前述の通りである。
また、本実施形態では、ターボチャージャ130下流側の排気通路122に、触媒装置(例えば、酸化触媒または三元触媒)132が配置されると共に、その下流に排気通路122を流れる排気流量を制御するための排気絞り弁134が配置されている。排気絞り弁134は、吸気絞り弁108と同様なアクチュエータ134Aを備え、ECU200からの制御信号に応じて全開位置と所定の開度の閉弁位置とをとる。本実施形態では排気絞り弁134は、触媒装置132の早期活性化や後述するDPFの再生のために排気温度を上昇させる際に用いられる。そして、本実施形態では、排気絞り弁134の下流に上述のDPF136が配置されている。
さらに、本実施形態では、排気通路122に設置された排気絞り弁134の下流で且つDPF136の上流側に連通された上流側導圧路137およびDPF136の下流側に連通された下流側導圧路139にそれぞれ連通して配置された差圧センサ138を備えている。そして、下流側導圧路139はその途中で分岐された大気連通路140に連通され、この分岐部には、差圧センサ138とDPF136の下流側とを連通状態に維持する第1の位置および差圧センサ138と大気連通路140とを連通させる第2の位置に、不図示のアクチュエータにより切替え可能な切替え弁142が設けられている。
また、排気絞り弁134の上流側の排気通路122には圧力センサ144が設けられている。
さらに、本実施形態ではエンジン排気の一部を吸気系に還流させるEGR装置150が設けられている。EGR装置150は、排気マニホルド120と吸気サージタンク104とを連通する前述のEGR通路152、およびEGR通路152に配置されたEGR制御弁(以下、EGR弁という)154、およびEGR弁154の上流側のEGR通路152に設けられたEGRクーラ156を備えている。EGR弁154は図示しないステッパモータ、ソレノイドアクチュエータ等のアクチュエータを備え、ECU200からの制御信号に応じた開度をとり、EGR通路152を通って吸気サージタンク104に還流されるEGRガス流量を制御する。なお、EGRガスは気筒から排出された高温の排気であるため、多量のEGRガスを吸気に還流させると吸気温度が上昇してしまい、エンジンの吸気体積効率が低下することになる。本実施形態では、これを防止するために、EGR弁154上流側のEGR通路152には水冷または空冷のEGRクーラ156が設けられている。本実施形態では、EGRクーラ156を用いて吸気系に還流するEGRガス温度を低下させることにより、エンジンの吸気体積効率の低下を抑制して比較的多量のEGRガスを還流させることが可能となっている。
さらに、図1に200で示すのは、エンジン100の電子制御ユニット(ECU)である。本実施形態のECU200は、公知の構成のマイクロコンピュータとして構成され、CPU、RAM、ROM、入力ポート、出力ポートを双方向性バスで相互に接続した構成とされている。ECU200はエンジン100の燃料噴射制御、回転数制御等の基本制御を行うほか、本実施形態では後述するように、差圧センサ138が正常に機能しているか否かの診断を行なう。
これらの制御を行うため、ECU200の入力ポートには、エンジン100のクランク軸近傍に配置された回転数センサ160からエンジン回転数NEに対応する信号が入力されている他、エアフローメータ112からエンジン吸入空気量Gnに相当する信号が、また、不図示のアクセルペダル近傍に配置されたアクセル開度センサ162から運転者のアクセルペダル踏み込み量(アクセル開度)に対応する信号とEGR弁154に配置されたEGR弁開度センサ164からEGR弁開度を表す信号および差圧センサ138と圧力センサ144からの出力信号等が、それぞれ入力されている。
ECU200の出力ポートは、図示しない燃料噴射回路を介してエンジン100の燃料噴射弁114に接続され、燃料噴射弁114からの燃料噴射量と燃料噴射時期とを制御している。また、ECU200の出力ポートは図示しない駆動回路を介してEGR弁154、吸気絞り弁108、排気絞り弁134および切替え弁142のアクチュエータに接続され、それぞれの弁開度を制御している。
前述したように、DPF136にはエンジン運転中排気中のPMが捕集され、徐々にDPF136のPM捕集量が増大する。本実施形態では、差圧センサ136によりDPF136のPM捕集量の増大が検出された場合には、排気絞り弁134を閉弁して機関吸気量を低下させ、排気温度を上昇させることによりDPF136の再生操作を行なうようにしている。
ところで、差圧センサ136は排気絞り弁134の下流で且つDPF136の上流側に連通された上流側導圧路137およびDPF136の下流側に連通された下流側導圧路139にそれぞれ連通されている閉鎖系内に配置されており、DPF136の上下流の相対的圧力差は容易に検出可能であるが、絶対圧は検出できないので、DPF136へのPMの堆積による詰まりの程度を正しく反映していないときがある。このため、差圧センサ136は特性のずれが無く正しく機能しているか、換言すると、ラッショナリティが担保されているかを確実に診断することが重要である。
以下、上記構成になる本実施形態の差圧センサ136の診断の処理手順について図2のフローチャートを参照して説明する。なお、この診断はエンジン100がスタートされてから停止されるまでの、いわゆる、ワントリップにおいて、例えば、エンジン100の暖機完了後の比較的早い時期に少なくとも一回ないしは所定の周期で数回実行されればよい。従って、診断が正常に完了したときは、診断完了フラグを立てることにより、ワントリップ中における無用な診断を避けるようにしてもよい。この診断の時期ないしは回数については、予めECU200におけるプログラムに設定され得る。
そこで、ECU200において設定された時期に診断がスタートすると、この診断ルーチンのステップS201において、排気絞り弁134が全開にされる。すなわち、通常走行状態で所定の開度に維持されていた場合には、この診断ルーチンの実行の際に、強制的に全開にする駆動指令がアクチュエータ134Aに対して送られるのである。
さらに、次のステップS202において、下流側導圧路139の分岐部に設けられた切替え弁142が、差圧センサ138とDPF136の下流側とを連通状態に維持する第1の位置から、差圧センサ138と大気連通路140とを連通させる第2の位置に切替えられるべく、駆動指令が不図示のアクチュエータに対して送られる。
そして、次のステップS203において、圧力検出手段としての圧力センサ144による、DPF136の上流側の出力圧力(P1)が検出され取得される。また、ステップS204において、差圧検出手段としての差圧センサ138による、DPF136の上流側の圧力と下流側導圧路139が連通された大気圧との出力差圧(P2)、すなわち、DPF136の上流側の圧力が絶対圧として検出され取得される。
さらに、次のステップS205において、これらの圧力センサ144による出力圧力(P1)と差圧センサ138による出力差圧(P2)との差が所定の閾値αと比較され、差圧センサが異常か正常かが診断される。詳しくは、両者の差(P1−P2)が所定の閾値αより大きいときは、ステップS206に進み差圧センサ138が正常に機能していない、すなわち、異常であると診断される。切替え弁142が第2の位置に切替えられた状態では、圧力センサ144と差圧センサ138とは実質的に同一部位の絶対圧力を検出しているに他ならないから、これらに所定の閾値αより大きい差があるということは、出力が正しくないからである。一方、両者の差(P1−P2)が所定の閾値αより小さいときは、ステップS207に進み差圧センサ138が正常に機能していると診断される。
100 エンジン本体
122 排気通路
134 排気絞り弁
136 排気浄化フィルタ(DPF)
137 上流側導圧路
138 差圧センサ
139 下流側導圧路
140 大気連通路
142 切替え弁
144 圧力センサ
200 電子制御ユニット(ECU)
122 排気通路
134 排気絞り弁
136 排気浄化フィルタ(DPF)
137 上流側導圧路
138 差圧センサ
139 下流側導圧路
140 大気連通路
142 切替え弁
144 圧力センサ
200 電子制御ユニット(ECU)
Claims (2)
- 内燃機関の排気通路に設置された排気浄化フィルタと、該排気浄化フィルタの上流側に連通された上流側導圧路および該排気浄化フィルタの下流側に連通された下流側導圧路にそれぞれ連通して配置された差圧センサを含む差圧検出手段とを備える内燃機関の排気浄化装置において、
前記差圧センサに連通された下流側導圧路の連通を、前記排気浄化フィルタの下流側または大気へと切替え可能な連通切替え手段と、
前記排気浄化フィルタの上流側に設置された圧力センサを含む圧力検出手段と、
所定時に、前記連通切替え手段を大気連通側に切替え、そのときの前記差圧検出手段による検出圧力と前記圧力検出手段による検出圧力との比較に基づき、前記差圧センサが異常か正常かを診断する診断手段と、
を備えることを特徴とする差圧センサの診断装置。 - 前記排気浄化フィルタの上流で且つ前記圧力センサの下流に排気絞り弁を備え、
前記診断手段による診断の際には、前記排気絞り弁を全開作動させる排気絞り弁全開手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の差圧センサの診断装置。
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