[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

JP5253816B2 - チョップドストランドおよびそれを用いた繊維強化結晶性ポリエステル樹脂成形材料 - Google Patents

チョップドストランドおよびそれを用いた繊維強化結晶性ポリエステル樹脂成形材料 Download PDF

Info

Publication number
JP5253816B2
JP5253816B2 JP2007551940A JP2007551940A JP5253816B2 JP 5253816 B2 JP5253816 B2 JP 5253816B2 JP 2007551940 A JP2007551940 A JP 2007551940A JP 2007551940 A JP2007551940 A JP 2007551940A JP 5253816 B2 JP5253816 B2 JP 5253816B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
component
mass
polyester resin
crystalline polyester
chopped strand
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007551940A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2007074743A1 (ja
Inventor
良幸 青木
義朗 新野
Original Assignee
オーシーヴィー インテレクチュアル キャピタル エルエルシー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by オーシーヴィー インテレクチュアル キャピタル エルエルシー filed Critical オーシーヴィー インテレクチュアル キャピタル エルエルシー
Priority to JP2007551940A priority Critical patent/JP5253816B2/ja
Publication of JPWO2007074743A1 publication Critical patent/JPWO2007074743A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5253816B2 publication Critical patent/JP5253816B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C25/00Surface treatment of fibres or filaments made from glass, minerals or slags
    • C03C25/10Coating
    • C03C25/24Coatings containing organic materials
    • C03C25/26Macromolecular compounds or prepolymers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C25/00Surface treatment of fibres or filaments made from glass, minerals or slags
    • C03C25/10Coating
    • C03C25/24Coatings containing organic materials
    • C03C25/26Macromolecular compounds or prepolymers
    • C03C25/32Macromolecular compounds or prepolymers obtained otherwise than by reactions involving only carbon-to-carbon unsaturated bonds
    • C03C25/326Polyureas; Polyurethanes
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C25/00Surface treatment of fibres or filaments made from glass, minerals or slags
    • C03C25/10Coating
    • C03C25/24Coatings containing organic materials
    • C03C25/26Macromolecular compounds or prepolymers
    • C03C25/32Macromolecular compounds or prepolymers obtained otherwise than by reactions involving only carbon-to-carbon unsaturated bonds
    • C03C25/36Epoxy resins
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J5/00Manufacture of articles or shaped materials containing macromolecular substances
    • C08J5/04Reinforcing macromolecular compounds with loose or coherent fibrous material
    • C08J5/06Reinforcing macromolecular compounds with loose or coherent fibrous material using pretreated fibrous materials
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29KINDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASSES B29B, B29C OR B29D, RELATING TO MOULDING MATERIALS OR TO MATERIALS FOR MOULDS, REINFORCEMENTS, FILLERS OR PREFORMED PARTS, e.g. INSERTS
    • B29K2105/00Condition, form or state of moulded material or of the material to be shaped
    • B29K2105/06Condition, form or state of moulded material or of the material to be shaped containing reinforcements, fillers or inserts
    • B29K2105/08Condition, form or state of moulded material or of the material to be shaped containing reinforcements, fillers or inserts of continuous length, e.g. cords, rovings, mats, fabrics, strands or yarns
    • B29K2105/10Cords, strands or rovings, e.g. oriented cords, strands or rovings

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Geochemistry & Mineralogy (AREA)
  • General Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Reinforced Plastic Materials (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)

Description

本発明は、成形性に優れた結晶性ポリエステル樹脂成形体を得るためのチョップドストランドおよび該チョップドストランドを含有する繊維強化結晶性ポリエステル樹脂成形材料に関する。
熱可塑性樹脂は、加工性や軽量性の点から、成形体材料として広く利用されている。この熱可塑性樹脂に、合成樹脂エマルジョンやシランカップリング剤などを含有している集束剤をガラスフィラメントに付与しつつ数百〜数千本集束させたガラスストランドを切断することによって得られるチョップドストランドなどを補強材として複合させた繊維強化熱可塑性樹脂は、その成形体の機械的強度に優れているため好適に採用されている。熱可塑性樹脂のうち、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸などの結晶性ポリエステル樹脂を使用した繊維強化ポリエステル樹脂は、耐熱性、耐薬品性、機械的特性および電気的特性に優れている。
しかし、ポリエステル樹脂のなかでもポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸などの結晶性ポリエステル樹脂は、他の樹脂に比べ、ガラス転移点が比較的高く、金型温度を結晶性ポリエステル樹脂の結晶化温度近辺まで上げないと結晶性ポリエステル樹脂は充分に結晶化しなかったり、樹脂自体の結晶化の速度が遅かったりするために、成形性に劣るといった問題を有していた。このため特許文献1には、ポリエチレンテレフタレート、ガラス繊維、無機充填剤、および5,000以下の分子量を有するポリアルキレングリコールまたは多価アルコール若しくはその誘導体のエポキシ化合物のいずれかから選ばれた結晶化促進剤を用いることで、従来よりも低めの金型温度で成形しても結晶化が成形体の表層まで進み、成形体表面が美しく、かつ形状安定性の良好な成形体を得ることができる成形用のポリエステル樹脂組成物が記載されている。
特公昭54−148833号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたポリエステル樹脂組成物は、ポリエステル樹脂の結晶化を促進させる点などから成形性に優れるものの、ポリエステル樹脂組成物中(成形材料中)にポリアルキレングリコールまたは多価アルコールなどの結晶化促進剤を1〜15質量%と多く含有させるために、成形体の機械的強度の低下(長期的な低下を含む)をもたらし、また、成形時および成形体を加熱した際に発生するガスにより成形体の加工性が劣るといった問題を有していた。
従って本発明は、上記問題に鑑みて為されたものであり、本発明の目的は、結晶性ポリエステル樹脂に配合して成形材料とした場合、成形の際に成形性に優れ、しかも成形時のガス発生が少なく、また、得られる成形体の加工性に優れるチョップドストランドおよびそれを用いた繊維強化結晶性ポリエステル樹脂成形材料を提供することにある。
上記目的は以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明は、シランカップリング剤(a成分)とポリエチレングリコール(b成分)とエポキシ樹脂(c成分)とウレタン樹脂(d成分)とが付着しており、前記(b)成分の数平均分子量が200〜5,000であり、前記(a)成分、(b)成分、(c)成分および(d)成分の固形分としての合計量を100質量%としたとき、前記(b)成分の割合が5〜45質量%であることを特徴とする結晶性ポリエステル樹脂に配合するためのチョップドストランドを提供する。
上記本発明においては、前記(a)成分、(b)成分、(c)成分および(d)成分が、固形分として合計量として、前記チョップドストランド100質量%中において0.6〜2.0質量%の割合で付着していること;前記(b)成分の数平均分子量が、500〜3,000であること;前記(b)成分が、前記チョップドストランド100質量%中において、固形分として0.1〜1質%の割合で付着していることが好ましい。
また、本発明は、シランカップリング剤(a成分)を少なくとも含有している集束剤が付与された強化繊維を切断し、切断した強化繊維に、数平均分子量が200〜5,000のポリエチレングリコール(b成分)を少なくとも含有している後処理剤を付与し、前記集束剤および/または前記後処理剤が、さらにエポキシ樹脂(c成分)および/またはウレタン樹脂(d成分)を含有し、前記(a)成分、(b)成分、(c)成分および(d)成分の固形分としての合計量を100質量%としたとき、前記(b)成分の割合が5〜45質量%であることを特徴とする結晶性ポリエステル樹脂に配合するためのチョップドストランドの製造方法を提供する。
また、本発明は、シランカップリング剤(a成分)と数平均分子量が200〜5,000であるポリエチレングリコール(b成分)とエポキシ樹脂(c成分)とウレタン樹脂(d成分)とを含有している集束剤が付与された強化繊維を切断するチョップドストランドの製造方法であって、前記集束剤中の前記(a)成分、(b)成分、(c)成分および(d)成分の固形分としての合計を100質量%としたとき、前記(b)成分の割合が5〜45質量%であることを特徴とする結晶性ポリエステル樹脂に配合するためのチョップドストランドの製造方法を提供する。
また、本発明は、前記本発明のチョップドストランドを、結晶性ポリエステル樹脂に分散させ、強化繊維含有率を5〜60質量%としたことを特徴とする繊維強化結晶性ポリエステル樹脂成形材料を提供する。
上記本発明の成形材料においては、前記(b)成分が、前記繊維強化結晶性ポリエステル樹脂成形材料100質量%中において0.02〜0.3質量%を占める割合で含有されていることが好ましい。
本発明によれば、結晶性ポリエステル樹脂に配合して成形材料とした場合、成形の際に成形性に優れ、しかも成形時のガス発生が少なく、また、得られる成形体の加工性に優れるチョップドストランドおよびそれを用いた繊維強化結晶性ポリエステル樹脂成形材料を提供することができる。
次に発明を実施するための最良の形態を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。本発明のチョップドストランドは、シランカップリング剤(a成分)とポリエチレングリコール(b成分)とエポキシ樹脂(c成分)とウレタン樹脂(d成分)とが付着していることが特徴である。
なお、以下、本明細書において、チョップドストランドに付着するかかるシランカップリング剤(a成分)、ポリエチレングリコール(b成分)、エポキシ樹脂(c成分)及びウレタン樹脂(d成分)の量は、特に言及のない限り、後記する実施例の表2−1及び表2−2などに示されるように、固形分の量を意味する。

本発明のチョップドストランドに用いる強化繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維などが挙げられ、加工性の点や安価な点からガラス繊維を用いることが好ましい。強化繊維は平均繊維径(強化繊維を構成するフィラメントの平均直径)が6〜23μmのものが好ましく用いられ、より好ましくは9〜16μmである。そして、強化繊維におけるフィラメントの集束本数は100〜4,000本が好ましく、より好ましくは800〜3,000本である。これによれば、マトリックス樹脂である結晶性ポリエステル樹脂にチョップドストランドを分散させ易く、また、結晶性ポリエステル樹脂成形材料の強化繊維含有率が調整し易い。
本発明で用いる(a)成分であるシランカップリング剤は、従来から強化繊維の表面処理に用いられているシランカップリング剤が使用でき、好ましい具体例としては、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシランなどのアミノシラン類;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのエポキシシラン類;ビニルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどのビニルシラン類;γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどを挙げることができる。なお、これら(a)成分は2種類以上を用いることもできる。
(a)成分としては、上記のうち、アミノシラン類が好ましく、その中でもモノアミノシランおよびジアミノシランがより好ましく、強化繊維の色調に対する悪影響が少ない点から、これらの中でもモノアミノシランが最も好ましい。そして、チョップドストランド(強化繊維)に付着させる(a)成分の量は、(a)成分、(b)成分、(c)成分および(d)成分の合計量100質量%中において1〜30質量%を占める割合であることが好ましく、より好ましくは5〜15質量%を占める割合である。(a)成分が1質量%より少ないとチョップドストランドと結晶性ポリエステル樹脂との密着性が劣りがちで、本発明の成形材料を成形体とした際に十分な補強効果が得られにくく、一方、(a)成分が30質量%を超えると、チョップドストランドの色調が黄変することがあるばかりか、結晶性ポリエステル樹脂との密着性が劣るため好ましくない。
本発明において(b)成分として用いるポリエチレングリコールは、(a)成分、(b)成分、(c)成分および(d)成分の合計量100質量%中において5〜45質量%を占める割合でチョップドストランドに付着していることを特徴とし、より好ましくは10〜30質量%を占める割合で付着していることである。(b)成分の付着量が5質量%より少ないと、チョップドストランドを配合した成形材料における結晶性ポリエステル樹脂の結晶化温度を低下させる効果に乏しいため好ましくなく、一方、(b)成分の付着量が45質量%を超えると、本発明の成形材料からなる成形体の機械的強度やその長期間の維持が充分でないため、また、成形体の成形時にガスが発生し易くなるため好ましくない。
上記の(b)成分は、数平均分子量が200〜5,000であることが、本発明の成形材料における結晶性ポリエステル樹脂の結晶化温度を低下させる効果およびそれから得られた成形体の機械的強度の長期間の維持のために必要であり、500〜3,000であることがより好ましい。(b)成分の数平均分子量が200未満であると樹脂の加工温度よりも低い温度で(b)成分の分解や揮発が始まるために、成形体中の(b)成分の濃度が減じてしまったり、加工および成形時にガス発生量が多くなったりして、成形材料の加工性および得られる成形体の物性の面で好ましくないうえ、得られる成形体の機械的強度が低下するため好ましくない。一方、(b)成分の数平均分子量が5,000を超えると、成形体の機械的強度やその長期間の維持が充分でないため好ましくない。
本発明において(c)成分として用いるエポキシ樹脂は、特に限定せず、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂などが挙げられる。(c)成分は、(a)〜(d)成分の合計量100質量%中において50〜90質量%を占める割合でチョップドストランドに付着していることが好ましく、より好ましくは70〜85質量%を占める割合で付着していることである。(c)成分が付着している割合が50質量%より少ないと、成形材料から得られる成形体の機械的強度が充分に得られないために好ましくなく、一方、(c)成分の付着割合が90質量%を超えると、チョップドストランド中の(a)成分などの他の成分の付着量が少なくなるため、チョップドストランドと結晶性ポリエステル樹脂との密着性が劣りがちで、成形体の機械的強度が低下しがちであるので好ましくない。
本発明において(d)成分として用いるウレタン樹脂は、チョップドストランドを構成する強化繊維のフィラメントの集束性を向上させるものであり、高分子ポリオールと、有機ジイソシアネートと、さらに必要により鎖伸長剤および/または架橋剤とから誘導される従来既知のものが好ましく使用でき、エマルジョンやディスパージョンなどの水分散状にして用いることが好ましい。
上記高分子ポリオールの具体例としては、例えば、ポリエステルポリオール〔ポリエチレンアジペートジオール、ポリブチレンアジペートジオール、ポリエチレンブチレンアジペートジオール、ポリネオペンチルアジペートジオール、ポリネオペンチルテレフタレートジオール、ポリカプロラクトンジオール、ポリバレロラクトンジオール、ポリヘキサメチレンカーボネートジオールなど〕、ポリエーテルポリオール〔ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレンオキシプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール、ビスフェノール類のエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシド付加物など〕が挙げられる。
また、有機ジイソシアネートの具体例としては、例えば、芳香族ジイソシアネート〔2,4−若しくは4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,4−若しくは2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4−ジベンジルジイソシアネート、1,3−若しくは1,4−フェニレンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)など〕、脂肪族ジイソシアネート〔エチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、リジンジイソシアネートなど〕、脂環式ジイソシアネート〔イソフォロンジイソシアネート(IPDI)、4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)など〕が挙げられ、これらの2種類以上を併用してもよい。
鎖伸長剤および/または架橋剤としては、数平均分子量が60〜500未満の活性水素含有化合物が好ましく、例えば、多価アルコール〔エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチルペンタンジオール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼン、2,2−ビス(4,4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンなどの2価アルコール;グリセリン、トリメチロールプロパンなどの3価アルコール;ペンタエリスリトール、ジグリセリン、α−メチルグルコシド、ソルビトール、キシリット、マンニット、ジペンタエリスリトール、グルコース、フルクトース、ショ糖などの4〜8価のアルコールなど〕、多価フェノール類〔ピロガロール、カテコール、ヒドロキノン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど〕、ポリアミン類〔エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミンなどの脂肪族ポリアミン;イソホロンジアミン、4,4−ジシクロヘキシルメタンジアミンなどの脂環族ポリアミン;4,4−ジアミノジフェニルメタンなどの芳香族ポリアミン;キシリレンジアミンなどの芳香脂環族ポリアミン、ヒドラジン若しくはその誘導体など〕、水などが挙げられる。
本発明において、(d)成分のイソシアネート成分としては、上記で挙げた有機ジイソシアネートのなかでも特にキシリレンジイソシアネート(以下「XDI」とする)を用いることが好ましい。イソシアネート成分がXDIで構成された(d)成分を用いると、チョップドストランドを構成する強化繊維のフィラメントの集束性を向上させ易く、チョップドストランドの毛羽立ち量を抑制することができ、さらには、(d)成分の含有量が、比較的少量であっても高い集束性を付与できるので、(c)成分の含有量を増加させることができ、補強効果の高いチョップドストランドとすることができる。
また、高分子ポリオール成分として、数平均分子量が500〜6,000の上記ポリオールが好ましく、より好ましくは800〜3,000である。そして、ポリカプロラクトンジオールとXDIとで構成された(d)成分は、チョップドストランドおける強化繊維フィラメントの集束性に優れるためより好ましい。そして、(d)成分は、(a)成分、(b)成分、(c)成分および(d)成分の合計量100質量%中において、0.5〜30質量%を占める割合でチョップドストランドに付着していることが好ましく、より好ましくは5〜25質量%を占める割合で付着していることである。(d)成分が0.5質量%より少ないと集束性の維持が困難になるため好ましくなく、一方、(d)成分が30質量%を超えると成形体の機械的強度が劣り易くなるので好ましくない。
本発明でチョップドストランドに付着させるために使用する成分は、以上の(a)成分、(b)成分、(c)成分および(d)成分を必須成分とするが、さらに必要に応じて界面活性剤、潤滑剤、帯電防止剤などの各種添加剤を使用することができる。
界面活性剤としては、ノニオン系の界面活性剤が好ましく、例えば、エチレンオキサイドプロピレンオキサイドコポリマー、合成アルコール系、天然アルコール系、脂肪酸エステル系、ジスチレン化フェノール系の界面活性剤などが挙げられる。
潤滑剤としては、脂肪酸アミド、第4級アンモニウム塩などが挙げられる。脂肪酸アミドとしては、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミンなどのポリエチレンポリアミンと、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸などの脂肪酸との脱水縮合物が使用できる。また、第4級アンモニウム塩としては、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、アルキルトリメチルアンモニウム塩などが使用できる。
帯電防止剤としては、塩化リチウムやヨウ化カリウムなどの無機塩や、アンモニウムクロライド型やアンモニウムエトサルフェート型などの4級アンモニウム塩などが挙げられる。
チョップドストランドと(a)成分、(b)成分、(c)成分および(d)成分との合計(以下「チョップドストランド全量」ともいう)100質量%中において、(a)成分、(b)成分、(c)成分および(d)成分はこれらの合計量で0.6〜2.0質量%を占める割合となるようにチョップドストランドに付着させることが好ましく、1.0〜1.8質量%の割合となるように付着させることがより好ましい。(a)成分、(b)成分、(c)成分および(d)成分の合計付着量が0.6質量%より少ないと、成形材料から得られる成形体の機械的強度の向上が充分でないため好ましくなく、一方、(a)成分、(b)成分、(c)成分および(d)成分の合計付着量が2.0質量%を超えると、得られるチョップドストランドのコストが高くなるので好ましくない。
また、上記の(b)成分は、前記チョップドストランド全量100質量%中において0.1〜1質量%を占める割合で付着していることが好ましく、より好ましい付着量は0.1〜0.8質量%である。(b)成分の付着量が0.1質量%より少ないと結晶性ポリエステル樹脂の成形時の結晶化温度を低下させる効果が乏しいため好ましくなく、一方、付着量が1質量%を超えると成形材料から得られる成形体の機械的物性の低下や加工時にガス発生するので好ましくない。
本発明において、チョップドスランドを製造する方法については特に限定は無く、従来公知の様々な方法を使用することができる。例えば、ガラス繊維を例に挙げると、溶融したガラスをブッシングの底部に取り付けた多数のノズルより引き出してガラスフィラメントとし、このガラスフィラメントにアプリケーターまたはスプレーで集束剤を塗布してガラスストランドとする。この際の集束剤は、上記の(a)成分、(b)成分、(c)成分および(d)成分の全てを含有するものであってもよいし、後述のように少なくとも(a)成分を含有するものであってもよい。(a)成分、(b)成分、(c)成分および(d)成分の全てを含有する場合の集束剤は(a)成分、(b)成分、(c)成分および(d)成分を、チョップドストランドにおける各成分の付着量が上記の割合になるような固形分比率で配合して、水などの水性媒体中で混合して調製することができる。この際、必要に応じて前記の各種添加剤を合わせて混合する。また、集束剤の全固形分濃度は1〜10質量%程度であることが好ましい。
上記で得られたガラスストランドを1.5〜13mmの長さに切断する。その際、ガラスストランドを一度巻き取ってから切断してもよく、巻き取らずそのまま切断してもよい。次いで、ガラスストランドの切断物の乾燥工程に移るが、乾燥工程の前に後述の後処理剤を付与してもよい。乾燥温度および乾燥時間は任意で特に限定はないが、チョップドストランドを構成するガラスフィラメントの集束性を損なわせず乾燥工程を効率的に実施するため、乾燥温度を120〜220℃、乾燥時間を10秒〜10分間とすることが好ましい。
本発明においてチョップドスランドを製造する特に好ましい方法は、前記(a)成分を少なくとも含有している集束剤を強化繊維ストランド(例えば、上記のガラスストランド)に付与し、この強化繊維ストランドを上記のように切断し、切断した強化繊維ストランドに前記(b)成分を少なくとも含有している後処理剤を付与し、その後は上記のように乾燥する方法である。なお、切断した強化繊維ストランドに後処理剤を付与する際には、特表2003−505322号公報に記載されているような方法、すなわち回転ドラム内に切断した強化繊維ストランドを投入してこれに後処理剤を噴霧した後、回転ドラムを回転させることによって切断した強化繊維ストランドを転動させる方法を採用することができる。
その際、上記集束剤および/または上記後処理剤が、さらに(c)成分および/または(d)成分を含有するようにする。そして得られるチョップドストランドにおいて、上記の(a)成分、(b)成分、(c)成分および(d)成分の合計量を100質量%としたとき、(b)成分の割合が5〜45質量%となるように、上記の集束剤および後処理剤における(a)成分、(b)成分、(c)成分および(d)成分の配合量を調整する。上記の集束剤および後処理剤の調製方法は、前記の集束剤の調製方法と同様である。
上記のように、少なくとも(a)成分を含有する集束剤を先に強化繊維ストランドに付与し、その後に切断されたチョップドストランドに少なくとも(b)成分を含有する後処理剤を付与することで、集束剤に(a)成分、(b)成分、(c)成分および(d)成分の全てを配合した場合と比較して、(b)成分であるポリエチレングリコールが結晶性ポリエステル樹脂の結晶化温度を低下させること、または結晶化を促進することによる成形材料の成形性が向上する効果が高まる。また、(b)成分が集束剤に配合されていないことによって、チョップドストランドを構成するフィラメントの集束性が高まり、チョップドストランドを使用する際に毛羽の発生が少なくなって取り扱い性が良好となる。
上記の特に好ましい方法における集束剤は、(a)成分を必須とする他、上記の(c)成分および/または(d)成分を含有していてもよい。また、上記の後処理剤は、(b)成分を必須とする他、上記の(c)成分および/または(d)成分を含有していてもよい。また、この集束剤が(a)成分に加えて(c)成分および(d)成分を含む場合には、上記の後処理剤は(c)成分および(d)成分を含有していてもよく、含有していなくてもよい。また、後処理剤が(b)成分に加えて(c)成分および(d)成分を含有している場合には、上記集束剤は(c)成分および(d)成分を含有していてもよく、含有していなくてもよい。
上記集束剤および後処理剤も上記と同様に、チョップドストランドにおける各成分の付着量が前記の割合になるような固形分比率で配合して、水などの水性媒体中で混合して調製することができる。また、(c)成分または(d)成分を集束剤および後処理剤の両方に配合する場合は、チョップドストランドに最終的に付着している量が前記の割合になるように総配合量を設定し、その量を集束剤と後処理剤とに分けて配合すればよい。なお、(d)成分であるウレタン樹脂を集束剤と後処理剤の両方に配合することが好ましい。これによって、チョップドストランドを構成するフィラメントの集束性が高まり、樹脂との混練工程でチョップドストランドが加熱された場合の毛羽の発生が少なくなって、取り扱い性が良好になる。
上記の特に好ましい方法における集束剤においても、その全固形分濃度は1〜10質量%程度であることが好ましい。また、上記の後処理剤の全固形分濃度は10〜80質量%程度であることが好ましく、30〜70質量%であることがより好ましい。後処理剤において(b)成分に加えて(c)成分および/または(d)成分を配合する場合には、後処理剤の全固形分を100質量%としたときに(b)成分の割合が5〜95質量%にすることが好ましい。
上記のようにして本発明のチョップドストランドが得られる。また、上記のチョップドストランドを、溶融した結晶性ポリエステル樹脂に分散させることによって本発明の繊維強化結晶性ポリエステル樹脂成形材料が得られる。
また、本発明において繊維強化結晶性ポリエステル樹脂成形材料を製造する方法としては特に制限はなく、従来公知の様々な方法を用いることができる。例えば、スクリュー押出機より溶融された結晶性ポリエステル樹脂を可塑化させつつ、これに対して上記チョップドストランドを供給して溶融混練させる。溶融混練物を線状の繊維強化結晶性ポリエステル樹脂成形体に成形し、次いで、これをペレタイザーなどで切断することで繊維強化結晶性ポリエステル樹脂成形材料を得られる。また、射出成形機を用いた公知の方法により繊維強化結晶性ポリエステル樹脂成形材料を得ることもできる。
また、成形材料中の強化繊維含有率としては、成形材料中において5〜60質量%を占める割合が好ましく、より好ましくは7〜50質量%を占める割合である。強化繊維含有率が5質量%未満では成形材料から得られる成形体の機械的強度に乏しく実用性に適さず、一方、強化繊維含有率が60質量%を超えると成形材料の製造コストが高くなるため好ましくない。
本発明の繊維強化結晶性ポリエステル樹脂成形材料は、前記(b)成分が、繊維強化結晶性ポリエステル樹脂成形材料全量100質量%中において0.02〜0.3質量%の割合で含有していることが好ましい。前記含有量が0.02質量%未満では、結晶性ポリエステル樹脂成形材料を成形する時の結晶性ポリエステル樹脂の結晶化温度を低下させる効果が充分でないため好ましくなく、一方、前記含有量が0.3質量%を超えると、結晶性ポリエステル樹脂成形体の機械的物性が低下することと長期間の維持が充分でなくなることや、成形加工時のガス発生の点から好ましくない。
以下実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。しかし、これらの実施例は本発明の実施態様を具体的に説明するものであり、本発明の範囲を限定するものではない。なお、文中「%」とあるのは質量基準である。
〔チョップドストランド(CS)の作製〕
(実施例1〜7および比較例1〜9)
平均径10μmのガラス繊維を3,000本集束し、下記原料を用い後記表1に記載の配合で調製した集束剤(水分散液、固形分は後記表1における各成分の合計量)を、ガラス繊維100質量部当たり後記表2に記載の量で付着させ、ガラスストランドとした。その後、これらのガラスストランドを長さ3mmに切断してから熱風乾燥機を用いて乾燥させて実施例および比較例のチョップドストランドを得た。なお、比較例8、9で使用した(b)成分は、集束剤中に含有させずに、後述するチョップドストランドと結晶性ポリエステル樹脂とを押出機にて成形材料を作製する際に含有させた。
(実施例8、9)
平均径10μmのガラス繊維を3,000本集束し、下記原料を用い後記表1に記載の配合で調製した集束剤(水分散液、固形分は後記表1における各成分の合計量)を、ガラス繊維100質量部当たり後記表2に記載の量で付着させ、ガラスストランドとした。その後、これらのガラスストランドを長さ3mmに切断して、上記したような回転ドラムの中で切断したガラスストランドに下記の後処理剤を噴霧して後記表2に記載の量で付着させて、それに連続して転動させた後、熱風乾燥機を用いて乾燥させて実施例のチョップドストランドを得た。なお、実施例8で用いた後処理剤は、PEG1000(商品名)を20%含有する水溶液であり、実施例9で用いた後処理剤は、PEG1000(商品名)を20%およびウレタン樹脂を8%含有する水溶液である。
(集束剤原料成分)
・(a)成分:γ−アミノプロピルトリエトキシシラン
・(b)成分:
ポリエチレングリコール(PEG)200:数平均分子量200(三洋化成工業株式会社製、商品名;PEG200)
ポリエチレングリコール(PEG)1000:数平均分子量1,000(三洋化成工業株式会社製、商品名;PEG1000)
ポリエチレングリコール(PEG)2000:数平均分子量2,000(三洋化成工業株式会社製、商品名;PEG2000)
ポリエチレングリコール(PEG)4000:数平均分子量4,000(三洋化成工業株式会社製、商品名;PEG4000)
ポリエチレングリコール(PEG)6000:数平均分子量6,000(三洋化成工業株式会社製、商品名;PEG6000)
・(c)成分:ノボラック型エポキシ樹脂
・(d)成分:ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI)と芳香族ポリエステルポリオールとを使用して合成されたウレタン樹脂
・リン酸エステル金属塩:旭電化工業株式会社製、商品名;NA−11
・不均化ロジン金属塩:荒川化学工業株式会社製、商品名;パインクリスタルKM−1500
・潤滑剤:デグッサゴールドシュミット社製カチオンソフナー
・ソルビトール系界面活性剤:三井化学株式会社製、商品名;NU−6
前記実施例および比較例で得られたチョップドストランドのそれぞれとポリエチレンテレフタレート樹脂(商品名;「ダイヤナイトMA521H」、三菱レイヨン社製)とを用い、スクリュー径35mmの2軸押出機を用い、成形温度280℃として、ガラス含有率29〜31%となるペレット状の繊維強化ポリエチレンテレフタレート樹脂成形材料を得た。なお、各成形材料における(b)成分などの含有比率は後記表3に記載の通りである。また、各成形材料の結晶化温度(Tc)を下記の方法によって測定して、(b)成分などの成分を含有しない比較例1における結晶化温度からそれ以外の実施例および比較例における結晶化温度を差し引いた値(ΔTc)を求めて、ポリエチレンテレフタレート樹脂の結晶化温度の低下の度合いの指標とした。
<結晶化温度>
ペレット状の成形材料をスライスして薄片状のサンプルとし、これをDSC(示差走査熱量分析装置)を用いて昇温速度10℃/min、窒素ガス20ml/minの条件で結晶化温度を測定した。
実施例1〜9および比較例1〜9の繊維強化ポリエチレンテレフタレート樹脂成形材料を、それぞれ型締め荷重75トン、シリンダー温度280℃、金型140℃で射出成形し、下記の項目に適合する形状とした成形体を用いて下記の項目の評価を行い、結果を後記表4に示す。
〔繊維強化ポリエチレンテレフタレート樹脂成形体の性能評価〕
<引張強度測定>
ASTM D−638に準拠した方法で測定し、130MPa以上であれば良好であると判断した。
<プレッシャークッカー試験(PCT)>
試験片を、温度120℃、湿度100%の恒温・恒湿機にて50時間放置し、その後ASTM D−638に準拠した方法で引張強度を測定し、保持率を計算した。保持率は50hrで30%以上であれば耐加水分解性良好と判断した。
<IZOD衝撃強度測定>
1/8インチノッチ付で、ASTM D−256に準拠した方法で測定し、70J/m以上であれば良好であると判断した。
1/8インチノッチ無しで、ASTM D−256に準拠した方法で測定し、400J/m以上であれば良好であると判断した。
前記実施例1、2、3、8、9および比較例1のチョップドストランドのそれぞれについて、次の方法によって加熱混練時の毛羽の発生度合いを測定して、取り扱い性の良否の指標とした。その結果を後記表5に示す。
〔チョップドストランドの加熱混練時での毛羽発生度合いの評価〕
チョップドストランドを1,000g秤量し、50±5℃の温度に加温された密閉容器中に投入し、この密閉容器に備えてある二軸スクリューを回転させることによって5分間混練した後、チョップドストランドを目開き4mmの金属メッシュに通して、このメッシュの上に残留した毛羽の量を秤量して毛羽の発生度合いとした。
Figure 0005253816
Figure 0005253816
Figure 0005253816
Figure 0005253816
Figure 0005253816
Figure 0005253816
Figure 0005253816
Figure 0005253816
Figure 0005253816
Figure 0005253816
前記表4に見られるように、比較例3((b)成分の配合比率が本発明の範囲を超える例)、比較例4((b)成分の分子量が本発明の範囲を超える例)、比較例8((b)成分をチョップドストランドではなく樹脂に配合する例)および比較例9(比較例8と同じ)は、プレッシャークッカー試験の前後での引張強度の保持率が低く、耐加水分解性の評価が劣るものであった。これに対し、本発明の実施例1〜9では何れもが耐加水分解性の評価が良好であった。また、前記表3に見られるように、比較例4、比較例5〜7((b)成分が配合されていない例)および比較例8(実施例でチョップドストランドに付着させた(b)成分と同等の量を樹脂に配合した例)では、結晶化温度が殆ど低下しておらず、射出成形性の向上が認められなかった。これに対し、本発明の実施例1〜9では何れもが結晶化温度が低下する効果が発現していて、射出成形性の向上が認められた。さらに、実施例2、4、5、7は(b)成分の分子量が異なるものであるが、本発明の範囲内であっても(b)成分が高分子量でない方が結晶化温度を低下させる効果が高い傾向があることが分かる。
前記表3の実施例2と実施例8および9とを比較すると、同じ(b)成分の含有量であるにもかかわらず後者の方が結晶化温度の低下の効果が大きい。これは、本発明の特に好ましい製造方法、すなわち、後処理剤によって(b)成分を付与する方法による効果である。また、前記表5を見ると、集束剤と後処理剤の両方にウレタン樹脂を配合した実施例9が加熱混練時の毛羽の発生が少なく、(b)成分を使用しないために集束性が高い比較例1と同等である。これによって、集束剤だけではなく後処理剤にもウレタン樹脂を配合したことによって、チョップドストランドを構成するガラスフィラメントの集束性が高まり、チョップドストランドの取り扱い性が向上したことが分かる。
本発明のチョップドストランドは、繊維強化結晶性ポリエステル樹脂成形材料を得るに当たり、成形性を良好にするとともに、成形時および得られる成形体の加熱におけるガス発生を抑制する。

Claims (8)

  1. シランカップリング剤(a成分)とポリエチレングリコール(b成分)とエポキシ樹脂(c成分)とウレタン樹脂(d成分)とが付着しており、前記(b)成分の数平均分子量が200〜5,000であり、前記(a)成分、(b)成分、(c)成分および(d)成分の固形分としての合計量を100質量%としたとき、前記(b)成分の割合が5〜45質量%であることを特徴とする結晶性ポリエステル樹脂に配合するためのチョップドストランド。
  2. 前記(a)成分、(b)成分、(c)成分および(d)成分が、固形分の合計量として、前記チョップドストランド100質量%中において0.6〜2.0質量%の割合で付着している請求項1に記載のチョップドストランド。
  3. 前記(b)成分の数平均分子量が、500〜3,000である請求項1に記載のチョップドストランド。
  4. 前記(b)成分が、前記チョップドストランド100質量%中において、固形分として0.1〜1質量%の割合で付着している請求項1に記載のチョップドストランド。
  5. シランカップリング剤(a成分)を少なくとも含有している集束剤が付与された強化繊維を切断し、切断した強化繊維に、数平均分子量が200〜5,000のポリエチレングリコール(b成分)を少なくとも含有している後処理剤を付与し、前記集束剤および/または前記後処理剤が、さらにエポキシ樹脂(c成分)および/またはウレタン樹脂(d成分)を含有し、前記(a)成分、(b)成分、(c)成分および(d)成分の固形分としての合計量を100質量%としたとき、前記(b)成分の割合が5〜45質量%であることを特徴とする結晶性ポリエステル樹脂に配合するためのチョップドストランドの製造方法。
  6. シランカップリング剤(a成分)と数平均分子量が200〜5,000であるポリエチレング
    リコール(b成分)とエポキシ樹脂(c成分)とウレタン樹脂(d成分)とを含有している集束剤が付与された強化繊維を切断するチョップドストランドの製造方法であって、前記集束剤中の前記(a)成分、(b)成分、(c)成分および(d)成分の固形分としての合計量を100質量%としたとき、前記(b)成分の割合が5〜45質量%であることを特徴とする結晶性ポリエステル樹脂に配合するためのチョップドストランドの製造方法。
  7. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のチョップドストランドを、結晶性ポリエステル樹脂に分散させ、強化繊維含有率を5〜60質量%としたことを特徴とする繊維強化結晶性ポリエステル樹脂成形材料。
  8. 前記(b)成分が、前記繊維強化結晶性ポリエステル樹脂成形材料100質量%中において、
    固形分として0.02〜0.3質量%を占める割合で含有されている請求項7に記載の繊維強化結晶性ポリエステル樹脂成形材料。
JP2007551940A 2005-12-28 2006-12-22 チョップドストランドおよびそれを用いた繊維強化結晶性ポリエステル樹脂成形材料 Expired - Fee Related JP5253816B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007551940A JP5253816B2 (ja) 2005-12-28 2006-12-22 チョップドストランドおよびそれを用いた繊維強化結晶性ポリエステル樹脂成形材料

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005377483 2005-12-28
JP2005377483 2005-12-28
PCT/JP2006/325663 WO2007074743A1 (ja) 2005-12-28 2006-12-22 チョップドストランドおよびそれを用いた繊維強化結晶性ポリエステル樹脂成形材料
JP2007551940A JP5253816B2 (ja) 2005-12-28 2006-12-22 チョップドストランドおよびそれを用いた繊維強化結晶性ポリエステル樹脂成形材料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2007074743A1 JPWO2007074743A1 (ja) 2009-06-04
JP5253816B2 true JP5253816B2 (ja) 2013-07-31

Family

ID=38217963

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007551940A Expired - Fee Related JP5253816B2 (ja) 2005-12-28 2006-12-22 チョップドストランドおよびそれを用いた繊維強化結晶性ポリエステル樹脂成形材料

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP5253816B2 (ja)
WO (1) WO2007074743A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017048093A (ja) * 2015-09-03 2017-03-09 日本電気硝子株式会社 ガラスチョップドストランドの製造方法、及びガラスチョップドストランドマットの製造方法

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60122756A (ja) * 1983-12-01 1985-07-01 ピ−ピ−ジ−・インダストリ−ズ・インコ−ポレ−テツド ポリマ−性材料補強用ガラス繊維
JPH05163672A (ja) * 1991-12-13 1993-06-29 Shimadzu Corp 複合材料用オキシナイトライドガラス繊維および繊維強化プラスチック
JPH07505658A (ja) * 1991-07-12 1995-06-22 ピーピージー インダストリーズ インコーポレイテッド 安定性の良好な乳化エポキシを有するグラスファイバー用化学処理組成物および処理されたグラスファイバー
JPH09301746A (ja) * 1996-05-15 1997-11-25 Nippon Electric Glass Co Ltd ガラス繊維
JP2001164105A (ja) * 1999-12-08 2001-06-19 Teijin Chem Ltd ガラス強化難燃性ポリカーボネート樹脂組成物
JP2001518438A (ja) * 1997-09-26 2001-10-16 オウェンス コーニング コンポジッツ エスピーアールエル 工学的熱可塑性材料を強化するためのガラス繊維用のサイジング組成物

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60122756A (ja) * 1983-12-01 1985-07-01 ピ−ピ−ジ−・インダストリ−ズ・インコ−ポレ−テツド ポリマ−性材料補強用ガラス繊維
JPH07505658A (ja) * 1991-07-12 1995-06-22 ピーピージー インダストリーズ インコーポレイテッド 安定性の良好な乳化エポキシを有するグラスファイバー用化学処理組成物および処理されたグラスファイバー
JPH05163672A (ja) * 1991-12-13 1993-06-29 Shimadzu Corp 複合材料用オキシナイトライドガラス繊維および繊維強化プラスチック
JPH09301746A (ja) * 1996-05-15 1997-11-25 Nippon Electric Glass Co Ltd ガラス繊維
JP2001518438A (ja) * 1997-09-26 2001-10-16 オウェンス コーニング コンポジッツ エスピーアールエル 工学的熱可塑性材料を強化するためのガラス繊維用のサイジング組成物
JP2001164105A (ja) * 1999-12-08 2001-06-19 Teijin Chem Ltd ガラス強化難燃性ポリカーボネート樹脂組成物

Also Published As

Publication number Publication date
WO2007074743A1 (ja) 2007-07-05
JPWO2007074743A1 (ja) 2009-06-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3073988B1 (ja) 有機繊維強化樹脂ペレットの製法
US20070020446A1 (en) Process for producing chopped strands
KR101585824B1 (ko) 성형용 재료, 그 성형체, 및 그 성형체의 제조 방법
JP4060831B2 (ja) チョップドストランド及び繊維強化ポリアセタール樹脂成形材料
JP4587677B2 (ja) 長繊維強化ポリ乳酸系樹脂組成物及びその製造方法
JP2004263359A (ja) 炭素繊維束及びチョップド炭素繊維束及びその製造方法、並びに炭素繊維強化熱可塑性樹脂組成物及びその成形品
JP4882949B2 (ja) エポキシ樹脂含有ガラス繊維用集束剤
JP4270810B2 (ja) チョップド炭素繊維束の製造方法
JP6819792B2 (ja) サイジング剤、強化繊維束、繊維強化樹脂成形材料及び繊維強化複合材料
JP4005586B2 (ja) チョップドストランドの製造方法
JP5253816B2 (ja) チョップドストランドおよびそれを用いた繊維強化結晶性ポリエステル樹脂成形材料
JP2009143765A (ja) ガラス繊維集束剤、ガラス繊維とその製造方法及びガラス繊維強化熱可塑性樹脂
JPS58101146A (ja) 強化熱可塑性樹脂組成物
JP2014231452A (ja) ガラス繊維集束剤、ガラス繊維、及びガラス繊維強化ポリアミド樹脂
JP4370652B2 (ja) サイジング剤、及び該サイジング剤で処理されたチョップド炭素繊維
JPS6035944B2 (ja) ガラス繊維強化ポリエステル樹脂組成物
US7001858B2 (en) Glass fiber and thermoplastic resin composition
JP4749045B2 (ja) 変性ポリフェニレンエーテル樹脂成形材料用強化繊維の製造方法、及び繊維強化変性ポリフェニレンエーテル樹脂成形材料
JP4032037B2 (ja) 長繊維強化ポリアミド樹脂成形材料、その製造方法、及び成形体
JP4454481B2 (ja) ガラス繊維及びそれを用いたガラス繊維強化アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体樹脂成形体
JP2006283257A (ja) チョップドストランド及び繊維強化飽和ポリエステル樹脂成形材料
KR101864552B1 (ko) 탄소 섬유 사이징제, 이를 이용하여 제조된 탄소 섬유 및 탄소 섬유 강화 플라스틱
JP2006117726A (ja) 長繊維強化ポリプレピレン樹脂成形材料の製造方法
JPH05163672A (ja) 複合材料用オキシナイトライドガラス繊維および繊維強化プラスチック
JPH1179793A (ja) ガラス繊維用集束剤及び樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20091202

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121113

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130208

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130402

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130417

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160426

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees