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JP5253751B2 - 穿孔パンチ - Google Patents

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JP5253751B2 JP2007094027A JP2007094027A JP5253751B2 JP 5253751 B2 JP5253751 B2 JP 5253751B2 JP 2007094027 A JP2007094027 A JP 2007094027A JP 2007094027 A JP2007094027 A JP 2007094027A JP 5253751 B2 JP5253751 B2 JP 5253751B2
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Description

本発明は用紙やシート等の紙葉類に穿孔をする穿孔パンチに関し、特に、穿孔荷重を低減するための省力構造に関する。
従来、基台、支持台、ハンドルおよびパンチ部材等によって構成される一般的な穿孔パンチにおいて、穿孔荷重を低減するための構成が提案されている。例えば、基台から突出する方向に伸延し、穿孔を行うパンチ部材に対し荷重をかけるためのハンドル(把手部材)を極力長く形成した穿孔パンチがある。
また、ハンドルにおける基台側の一端に対する他端を力点とし、パンチ部材を作用点としたときの、パンチ部材から支点(例えばハンドルの回動軸)までの距離を短くし、ハンドルの角度が大きく形成された穿孔パンチがあった。
またこのような穿孔荷重の低減に配慮した一般的な穿孔パンチの他の例として、支点が移動する穿孔パンチ(以下、「支点移動パンチ」とする)と支点が固定された穿孔パンチ(以下、「支点固定パンチ」とする)がある。なお、「支点が移動する」とは、基台上の支持台に対するハンドルの回動軸の位置が移動することをいい、「支点が固定された」とは、当該支持台とハンドルの回動軸との位置関係がほぼ固定されていることをいう。
ここで図6を用いて支点移動パンチについて概略を説明する。
図6に示すように、支点移動パンチ200は、ベース202の上面に固定具203によって固定された支持台204の一端に、ベース202の上面と略直交する方向に長さ方向を有する支持軸ガイド孔205が設けられ、さらにベース202の上面と略平行な方向に長さ方向を有する回動軸ガイド溝206が設けられている。ハンドル207のベース202側の一端には、丸穴208と丸穴209が設けられ、この丸穴208と支持台204の回動軸ガイド溝206に回動軸210を挿通させて当該ハンドル207が回動自在に支持台204に取付けられる。また、ハンドル207の丸穴209と支持台204の支持軸ガイド孔205には、支持軸ガイド孔205と同方向に延伸するパンチ部材211を備えた支持軸212が、ベース202の上面と平行に通されている。
この支点移動パンチ200により、紙葉等のシート材に対して穿孔するときは、次のようにして行われる。まず図6(A)のように、支点移動パンチ200のハンドル207(力点)に力が加わらず、パンチ部材211の先端(刃部)が最もベース202の上面から離隔している状態において、ベース202の上面と支持台204の間の隙間213に紙葉等を挿入する。
次に、図6(B)に示すように操作者がハンドル207を押し下げることにより、回動軸210を支点としてハンドル207を回動させ、当該ハンドル207の先端を、ベース202の上面に近接させる方向(図6(B)におけるX1方向)へ押し下げる。
このハンドル207の押し下げにより、ハンドル207の丸穴209に通され、パンチ部材211が取り付けられた支持軸212が、支持台204の支持軸ガイド孔205に案内されて、ハンドル207の先端がベース202の上面に近接する方向(図6(B)におけるY1方向)へ移動し、隙間213に挿入された紙葉等に対し、パンチ部材211によって穿孔がなされる。
このように、ハンドル207が回動されて、丸穴209を介し支持軸212に手動力が作用する。この支持軸212が支持軸ガイド孔205により案内され、ベース202の上面と直交する方向に往復直線運動をすることにより、パンチ部材211が穿孔運動する。したがって支持軸212は、ベース202の上面と平行な方向(図6(B)におけるZ1方向)において支持軸ガイド孔205に規制され、ハンドル207の回動に伴って回動することはなく、パンチ部材211がベース202の上面と直交する方向へ移動(降下)する。
また、回動軸210は支持台204に設けられた回動軸ガイド溝206に案内されて、ベース202の上面と平行な方向(図6(B)におけるZ1方向)に、支持軸212から離隔する(移動量をtとする)。
一般に穿孔パンチは、紙葉等に穿孔を開始する時点で、穿孔に必要な荷重としての最大の穿孔荷重(以下、単に「最大穿孔荷重」という)がかかるようになっている。この点、支点移動パンチ200において、図6(B)に示すような最大穿孔荷重を受けるとき、回動軸210および支持軸212の軸中心の間の距離L2a’は、回動軸210がパンチ部材211から移動量t分だけ離隔するので、図6(A)に示すパンチ部材211の降下開始時における支点と作用点(回動軸210と支持軸212との軸中心)間の距離L2aより長くなる。
梃の原理から計算すると、この従来の支点移動パンチ200のハンドル207が最大穿孔荷重を受けるとき、すなわち当該ハンドル207の先端にかかる荷重は以下のようになる。
[数1]
F1a’=F2a’×L2a’/L1a’ (1)
ただし、
F1a’:パンチ部材211に対し、降下する方向に作用する作用力
F2a’:作用力F1a’に対する反作用力
L1a’:力点と支点(ハンドル207の一点と回動軸210)の距離
L2a’:支点と作用点(回動軸210および支持軸212の軸中心)の間の距離
式(1)で示されるように、最大穿孔荷重を受けるとき、回動軸210の中心と支持軸212の間の距離L2a’は、穿孔開始時の回動軸210と支持軸212の間の距離L2aより回転軸210の離隔移動量tの分だけ長くなるため、最大穿孔荷重は増加する(例えば、特許文献1)。
したがって、図6(A)に示されるような従来の支点移動パンチ200より、作用点(支持軸)から支点(回動軸)が離隔しない支点固定パンチの方が最大穿孔荷重のときのハンドルにかかる荷重を軽減することができる。次に図7を用いて、従来の支点固定パンチについて概略を説明する。
図7は、従来の支点固定パンチ300の概略側面図を示す。
図7に示すように、支点固定パンチ300は、前述の支点移動パンチ200と同じく、固定具303により固定されたベース302上面の支持台304の一端に支持軸ガイド孔305が設けられている。しかし、支点固定パンチ300では、回動軸310を挿通させて回動可能に保持しつつ、その位置を固定する固定穴306が設けられている。つまり、支点固定パンチ300においては、支持台304と回動軸310との位置関係が固定されている(図7)。
また、ハンドル307の一端に、ハンドル307に対して回動軸310が移動可能な状態で挿通される回動軸ガイド穴308と、ハンドル307に対して支持軸312が固定された状態で挿通される丸穴309が設けられている。この丸穴309と、支持台304の支持軸ガイド孔305には、支持軸ガイド孔305と同方向に延伸するパンチ部材311を備えた支持軸312が、ベース302の上面と平行に通されている。
この支点固定パンチ300により、紙葉等のシート材に対して穿孔するときは、次のようにして行われる。まず、図7(a)のように、支点固定パンチ300のハンドル307(力点)が荷重を受けない状態において、隙間313に紙葉等を挿入する。この時の支持軸ガイド孔305における支持軸312の中心位置をaとし、回動軸ガイド穴306における回動軸310の中心位置をcとする(図8参照)。
次に、図7(b)に示すように操作者がハンドル307を押し下げることにより、回動軸310を支点としてハンドル307を回動させ、当該ハンドル307の先端をベース302の上面に近接させる方向へ押し下げる(図7(b)におけるX2方向)。
このハンドル307の押し下げにより、当該ハンドル307の丸穴309に通された支持軸312が、支持台304の支持軸ガイド孔305に案内されて、パンチ部材311の先端(刃部)がベース302の上面に近接する方向(図7(b)におけるY2方向)へ移動され、紙葉等に対しパンチ部材311による穿孔が開始される。
次に、図7(b)の状態から、さらにハンドル307がX2方向へ回動され、図7(c)に示すように支持軸ガイド孔305に案内されたパンチ部材311が降下し(図7(b)におけるY2方向)、隙間313に挿入された紙葉等に対し、パンチ部材311による穿孔が完了する。このときの支持軸ガイド孔305における支持軸312の中心位置をbとする。
このように、ハンドル307が回動され、丸穴309を介し支持軸312に手動力が作用する。この支持軸312が支持軸ガイド孔305に案内され、ベース302の上面と直交する方向に往復直線運動することにより、パンチ部材311が穿孔運動する。したがって支持軸312は、ベース302の上面と平行な方向(図7(c)におけるZ2方向)において支持軸ガイド孔305に規制され、ハンドル307の回動に伴って回動することはなく、パンチ部材311がベース302の上面と直交する方向へ移動(降下)する(図7(c)参照)。
ここで図8を用いて、ハンドル307が押し下げられることにより支持軸312に作用する力の変化について説明する。図8は、従来の支点固定パンチ300における支持軸312の受ける摩擦力について説明するための概略拡大断面図である。
まず、図7(a)に示すようにパンチ部材311の降下開始時においては、支持軸312の中心位置が図8における「a」にある。つまり、支持軸312が回動することに起因して支持軸312と支持軸ガイド孔305との間に働く摩擦力は、この時点ではほとんどない。
しかし、ハンドル307が図7(b)・(c)のようにX2方向へ押し下げられると、支持軸312が、支持台304に回転可能に固定された回動軸310を支点として運動軌跡弧adを描こうとするのを、支持軸ガイド孔305が規制する(図8参照)。つまり支持軸312は、Z2方向とY2方向(図7参照)との間の方向へ働く力を受けつつ降下するので摩擦力を受ける。
この従来の支点固定パンチ300は、穿孔終了時(図7(c)参照)において、図8に示すように回動軸310の中心位置cと、支持軸ガイド孔305がなかったときの本来の支持軸312の位置dが最も離れるような構造となっている。
したがって、支持軸ガイド孔305に規制され、支持軸312が本来の運動軌跡弧adを描けずに降下していくときに受ける摩擦力(Z2方向への反力)は、パンチ部材311の降下開始時点(図7(a))から増加していき穿孔終了時点では次の式Lmaxで最大となる。すなわち、
Lmax=ac−cb=bd(図8参照)
となる。この摩擦力の増加は、穿孔パンチにおける穿孔荷重の増加を招来するおそれがある。
このように穿孔パンチにおいては、支持軸のガイド穴と支持軸の間に生ずる摩擦力を軽減させ、穿孔荷重に対する影響を低減させる構成が必要になる。摩擦力を軽減させる穿孔パンチとして従来、支持軸に直接手動力を伝達するために設けられるハンドルの穴を長穴としているものがある。この穿孔パンチについて図9を用いて説明する。
図9は、従来の穿孔パンチ400におけるパンチ部材411が降下を開始したとき(a)、最大穿孔荷重を受けるとき(b)、穿孔終了点(c)の概略側面図および部分拡大図を示す。
前述の支点固定パンチ300等と同様、図9(a)に示すこの支持台404の一端には、支持軸ガイド孔405が設けられている。また、回動軸410を回動可能に保持しつつ、その位置を固定する固定穴406が設けられている。つまり、支持台404における回動軸410の軸中心位置が固定されている。
また、ハンドル407のベース402側の一端には、丸穴408と遊びを有する長穴409が設けられ、この丸穴408と、支持台404の固定穴406に回動軸410を挿通させて当該回動軸410が回動自在に支持台404に取り付けられる。また、ハンドル407の長穴409と支持台404の支持軸ガイド孔405には、支持軸ガイド孔405と同方向に延伸するパンチ部材411を備え、ベース402の上面とほぼ平行にされた支持軸412が通されている。
この従来の穿孔パンチ400においても前述の支点固定パンチ300と同様の工程で紙葉等への穿孔が行われる。穿孔パンチ400により穿孔を行う場合、前述の支点固定パンチ300と比べて、ハンドル407に設けられた長穴409が遊びを有することにより、ハンドル407が摩擦力を軽減させる方向に移動しながら回動するので、支持軸ガイド孔405と支持軸412との間で増加する摩擦力を軽減させる。
特開2006−198684号公報
しかしながら図9に示すような従来の穿孔パンチ400では、図9(a)のパンチ部材411の降下開始時点から、図9(b)の最大穿孔荷重を受ける時点までの間およびパンチ部材411が紙葉等に穿孔を開始し始めた時点から図9(c)の穿孔終了時点までの間においては、ハンドル407(力点)に加わった力が、長穴409を介して支持軸412に伝わる際に分散してしまい効率が悪い。
すなわち、図9(a)に示すように、ハンドル407に加わった力は、回動軸410を支点として、ハンドル407の長穴409を介して支持軸412に作用する。このとき、図9(a)の部分拡大図に示すように、長穴409の直線部分が支持軸412に対して支持軸ガイド孔405に対して傾斜して接するので、長穴409を介して作用する力はF1方向へ働く。ただし、このF1方向へ作用する力は、支持軸ガイド孔405に規制される。したがって、このF1方向へ作用する力は、パンチ部材411と平行なF1y方向と、直交するF1x方向に分解されてしまうことになる。
同じく、図9(c)に示すように、長穴409の直線部分が支持軸ガイド孔405と直交する時点から、穿孔終了時までの間においても、図9(c)の部分拡大図に示すように、長穴409の直線部分が支持軸412に対して支持軸ガイド孔405に対し傾斜して接する。したがってハンドル407に加わった力は、長穴409を介してF3方向へ働き、支持軸ガイド孔405に規制されることにより、パンチ部材411と平行なF3y方向と、直交するF3x方向に分解されてしまうことになる。
一方、従来の支点固定パンチでは、支持軸を保持するハンドル側の穴により支持軸を固定すると、摩擦力を軽減させる手段がなく、前述のように摩擦力を受け穿孔荷重が増加してしまうおそれがある。また、特許文献1のような支持移動パンチは、支点と作用点が離隔するように移動して最大穿孔荷重が大きくなってしまうという問題がある。
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、穿孔パンチにおいてパンチ部材に効率よく力を伝達させるとともに、摩擦力を低減させ、その結果穿孔荷重を低減させる技術の提供を目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は、基台、該基台の一面から立設する支持台および先端側が回動可能に該支持台に他の一端側が支持される把手部材を有し、紙葉類に穿孔を行うための穿孔パンチであって、前記支持台に形成された軸穴に挿通されることによって該支持台における軸中心位置が固定される、前記把手部材が回動するための回動軸と、前記把手部材の前記一端側に形成され、前記回動軸が通され該回動軸の回動に対応して前記把手部材の位置を変位可能とする遊びを有する長穴と、前記支持台の前記軸穴より前記把手部材の前記先端側の位置に形成され、前記基台の一面と直交する方向へ長さ方向を有する支持軸ガイド孔と、前記支持軸ガイド孔と前記把手部材の前記回動軸の位置より前記先端側に形成された支持穴とに挿通され、前記把手部材における位置が固定されるとともに、該把手部材が押し下げられて前記回動軸を中心に回動されたとき、前記支持穴を介して押し下げられるとともに、前記長穴により前記支持軸ガイド孔に直線状に案内される支持軸と、前記基台の一面側の一端に刃部を有し、前記支持軸と直交するように該支持軸に保持されて該支持軸とともに移動するパンチ部材と、を備え、前記回動軸の軸中心は、前記支持軸ガイド孔の両端を結ぶ線分の垂直2等分線上に位置すること、前記回動軸の軸中心位置から前記支持軸ガイド孔までの最短距離が、前記支持軸ガイド孔の長さより短いこと、前記基台の一面は、前記回動軸側の一端側から他端側にかけて下り傾斜になるよう形成されていること、を特徴とする穿孔パンチである。
また、本発明は、基台の一端側から他端側に向けて下り傾斜する一面に固定されて立設する支持台と、前記支持台における前記一面と離れた位置において、該一面と平行に設けられた軸穴と、前記支持台において、前記軸穴より前記他端側の位置に設けられ、前記基台の一面に直交する方向に延伸する支持軸ガイド孔と、前記基台の一面と平行となるように支持軸ガイド孔に挿通される支持軸と、柱状を成し、一端に刃部を有し、該刃部の長手方向が前記基台の一面と直交するように、他端側を前記支持軸に固定されたパンチ部材と、前記基台の一面と平行となるように軸穴に挿通されることにより支持されて、前記支持台に対する軸中心位置が固定された回動軸と、一端に前記回動軸が通され、遊びを有する長穴と、前記支持軸の軸中心位置を固定して支持する支持穴とを有し、他端側を押し下げられて該回動軸を支点として回動することにより、前記支持軸及び前記パンチ部材を前記長穴により直線状に押し下げる把手部材と、を備え、前記回動軸の位置は、該回動軸の軸中心位置を頂点とし前記支持軸ガイド孔を底辺とする三角形が2等辺三角形をなすように配置されること、前記回動軸の軸中心位置から前記支持軸ガイド孔までの最短距離が、該支持軸ガイド孔の長さより短いこと、を特徴とする穿孔パンチである。
上記の本発明による穿孔パンチは、把手部材に設けられ把手部材の回動軸が通された長穴が遊びを有するとともに把手部材に対して支持軸の軸中心位置が固定されているので、長穴により回動軸に対する把手部材の位置を変位させて摩擦力を抑制しつつ、把手部材から支持穴を介して支持軸に伝達する力が効率よく伝わる。
また、本発明による穿孔パンチは、把手部材の回動軸が支持台に対して軸中心位置がほぼ変位しないようにかつ回転可能に軸穴に挿通されている。また、把手部材が、軸穴の径より大きな遊びを有する長穴と、該長穴の近傍に、前記支持軸よりやや大きな径を有する支持穴とを有している。
したがって、把手部材において支持軸が挿通される支持穴が、支持軸の軸中心位置を固定して支持するように形成されているから、把手部材に加えられた手動力を支持軸に効率よく伝達させることを可能とする。また、回動軸を通す長穴が遊びを有することにより、穿孔方向と直交する方向への不要な力を抑制させている。
また、本発明による穿孔パンチの回動軸の軸中心は、支持軸ガイド孔の両端を結ぶ線分の垂直2等分線上の近傍に位置するように形成されている。または穿孔パンチの回動軸110の軸中心位置を頂点とし支持軸ガイド孔を底辺とする三角形がほぼ2等辺三角形を形成するように構成されている。したがって、穿孔方向と平行な方向における支持軸の軸中心位置の最大変位量を低減させ、支持軸と支持軸ガイド孔との間で生じる摩擦力を軽減させることができる。また、穿孔開始点およびその前後で回動軸と支持軸が最も近接するので、パンチ部材に対する作用力を増大させることができる。
さらに上記の構成により、支持軸を直線運動させるために支持軸と支持軸ガイド孔との摩擦力を長穴で吸収させるが、そのときの長穴の長さも最短とすることができる。その分把手部材を回転させたときの力の伝達の効率が改善される。つまり長穴が長い分だけ遊びが生じるためエネルギー伝達の効率が悪化するが、それを最小限に抑制することを可能とする。以上のことから穿孔パンチの穿孔荷重を低減させることが可能となる。
(全体構成)
この発明の実施形態にかかる穿孔パンチの構成について、図1〜図3を参照して概略を説明する。図1は、この発明の実施形態にかかる穿孔パンチ100の外形を示す概略斜視図である。また、図2(A)は、この発明の実施形態にかかる穿孔パンチ100を図1のA方向から見た時の概略右側面図であり。図2(B)は、この発明の実施形態にかかる穿孔パンチ100を図1のB方向から見た時の概略背面図である。図2(C)は、この発明の実施形態にかかる穿孔パンチ100を図1のC方向から見た時の概略上面図である。また、図3(A)は、本実施形態にかかる穿孔パンチ100の概略上面図を示す図2(C)のA−A’断面図であり、また、図3(B)は、図3(A)の部分拡大図である。
図1および図2(C)に示すように、この実施形態にかかる穿孔パンチ100は、方形状から一辺の一部が切欠かれ、凹形状にされたベース102の一面を底面として設置される。このベース102は、平面状に形成された底面側の底部カバー102aと、同じく平面状に形成された上面側の上部カバー102bとによって構成されている。上部カバー102bは底部カバー102aとほぼ同じ輪郭で、底部カバー102aよりやや小さく形成されている。この上部カバー102bが底部カバー102aに嵌合することによってベース102が形成されている。また内部は空洞であり、穿孔パンチ100により穿孔された紙葉等の穿孔くずが収容されるくず収容部101(図2(A))となっている。
また図1および図2(A)に示すように、穿孔パンチ100におけるベース102(本発明における「基台」の一例に該当する)は、上部カバー102bにおいて切欠かれている周縁部側が低く形成され(以下、「正面側」という)、対向する周縁部側(以下、「背面側」という)に向かって徐々に高くなるように形成されている。すなわち、上部カバー102bの上面は、正面側から背面側にかけて底部カバー102aの底面に対し傾斜するように形成されている。
このように傾斜させることで、ハンドル107とベース102とによってなされる角を狭めることができ、穿孔パンチ100の穿孔作業において操作性が向上する。さらにこの傾斜角度を5°〜15°に設定することにより、穿孔作業におけるハンドル107の押し下げ工程(穿孔過程)の大半において穿孔荷重を低減させることが可能となる。穿孔荷重の低減の観点から、より好ましくはベース102上面の傾斜角度を7°に傾斜させることが望ましい。
また、図1および図2(A)・(B)に示すように、ベース102の上面の両側部には一対の固定具103を介して一対の支持台104が、互いに対して平行に、かつベース102の上面と略直交するように立設している。この支持台104は、ハンドル107を回動可能に支持しており、かつ支持軸112(水平軸)を介してパンチ部材111を往復移動可能に支持している。
すなわち図2(A)・(B)に示すように、一対の支持台104(第1の支柱・第2の支柱に該当)には、ベース102における背面側の一端に回動軸110(回転軸)が支持台104の立設する方向と直交し、かつベース102の上面と平行に挿通されている。また、当該回動軸110はハンドル107に対しても挿通されており、支持台104およびハンドル107の双方に対して回転可能にされている。この回動軸110の両端には、支持台104およびハンドル107から外れないように回動軸110や後述の軸穴106の径および長穴108の幅より大きな径を有する軸止めが形成されている(図1,3参照)。
また図2(A)に示すように支持台104における回動軸110の近傍の正面側には、支持軸112が支持台104の立設する方向と直交し、かつベース102の上面と平行に通されている。この支持軸112は図3(A)に示すように支持台104に設けられた支持軸ガイド孔105(ガイド溝)に案内されるように通されている。さらに当該支持軸112は、ハンドル107に対して軸中心位置が固定されて挿通されている。また、この支持軸112の両端には、支持台104およびハンドル107から外れないように支持軸112や後述の支持穴109の径および支持軸ガイド孔105の幅より大きな径を有する軸止めが形成されている(図3参照)。
また、この支持軸112は、図2(B)に示すように、ベース102の上面と略直交する方向に長さ方向を有するパンチ部材111と直交し、かつ当該ベース102の上面と略平行に挿通されている。
また、回動軸110を回動中心として一対の支持台104に支持されたハンドル107(本発明における「把手部材」の一例に該当する)は、図2(B)に示すように、支持台104の幅より大きい幅を有する接続部107aを支持台104に対応する位置に備えている。接続部107aは、支持台104を挟むように対向して設けられた一対の平板によって構成されている。また接続部107aは、背面側の一端であって、一対の平板の双方に長穴108を備えている。この長穴108は、支持台104から突出し、支持台104に挿通された回動軸110を挿通させるものである。
また、図3に示すようにハンドル107の接続部107aは、長穴108の近傍の正面側であって、支持台104から突出した支持軸112に対応する位置において、ハンドル107に対して支持軸112が移動しないように挿通させるため、支持軸112より若干大きな径を有する略円形状の支持穴109を備えている。
また、ハンドル107は接続部107aから、ベース102に対して傾斜しつつ離隔するように設けられたアーム部107bが左右一対の接続部107aと一体に形成されている。このハンドル107のベース102に対する傾斜の度合いは、図2(A)に示すように穿孔パンチ100を側面からみたときに、ベース102の上面と、ハンドル107の接続部107aからアーム部107bを結ぶ線とによってなす角が鋭角となるように形成される。
また、支持軸112が挿通されることにより、当該支持軸112を介して支持軸ガイド孔105にガイドされつつ上下移動可能に支持されるパンチ部材111には、その外側にパンチ部材111よりやや大きな径を有するバネ部材(図示せず)が設けられている。このバネ部材は、一端が支持軸112と直交するように当接して規制されており、当該一端に対する他端はベース102の上面と当接して規制されている。ハンドル107が押し下げられるとハンドル107の支持穴109を介して支持軸112が降下し(図3)、バネ部材を押し下げ、他端がベース102の上面に規制されていることにより、バネ部材が収縮される。
また、図2(A)に示すように固定具103の背面側の一端から、ベース102の上面の背面側の端縁までの間には、支持台104と固定具103とベース102とによって囲われた紙葉等挿入口113が形成される。紙葉等挿入口113は、穿孔パンチ100において、単数または複数の紙葉等が挿入され、この紙葉等を保持して穿孔を行うための空間である。
パンチ部材111は、当該紙葉等挿入口113を通過し、さらにベース102の上面におけるパンチ部材111に対応する位置に形成されたパンチ穴(図3(A)参照)を通過して、上部カバー102b・底部カバー102aによって囲われたくず収容部101まで至る。当該パンチ穴はパンチ部材111を挿通可能にかつ、穿孔した紙葉等の穿孔くずが確実に収容されるような(パンチ部材111の径より広い)大きさに形成される。
なお、本実施形態の穿孔パンチ100は設置されて使用されてもよく、また手で持って使用されてもよい。また、本発明の穿孔パンチは、設置して使用することが想定される設置型でなくてもよく、例えば手持ち型のものでもよい。
(支持台の構成)
次に、図3および図4を用いて支持台104におけるハンドル107との接続部分の構造を詳細に説明する。ここで図4は、本実施形態にかかる穿孔パンチ100の支持軸ガイド孔105における支持軸112の往復移動経路を示す部分拡大図である。
図3(A)に示すように、支持台104における背面側の一端側に形成される支持軸ガイド孔105は、ベース102の上面と直交する方向に長さ方向を有する直線状の長穴形状となっており、両端は円弧(半円)状となっている。また、この支持軸ガイド孔105の幅は、支持軸112が往復移動可能に挿通されるように支持軸112の径よりやや大きく形成される。
また、支持軸ガイド孔105の長さは、支持軸112およびパンチ部材111の最大可動範囲を定めるものであり、支持軸112が上端にあるときは紙葉等挿入口113に紙葉等を挿入可能とし、かつ下端にあるときは紙葉等の全てにパンチ部材111が貫通され、穿孔が完了するような長さに形成される。
すなわち、穿孔パンチ100によって紙葉等に穿孔を行うためには、まず紙葉等挿入口113に紙葉等を挿入可能にする必要があるので、パンチ部材111の降下開始前においては図3(A)に示すように、少なくともパンチ部材111の下端を紙葉等挿入口113の上端より上に位置させるように、パンチ部材111を支持する支持軸112の位置決めがなされている。
一方、パンチ部材111が紙葉等挿入口113に挿入された紙葉等の上面に当接するまでの移動距離が長くなると、その分ハンドル107に対し余計な手動力をかけなければならないので、降下開始前のパンチ部材111の下端が紙葉等挿入口113の上端から離れすぎないようにする必要がある。このパンチ部材111の降下開始前の支持軸112の位置決めは、支持軸112が支持軸ガイド孔105によって可動範囲を規制されていることから、支持台104における支持軸ガイド孔105の上端(ベース102の上面から最も離れた端部)の位置によって定められる。
したがって、図3(A)に示すように支持軸ガイド孔105の上端は、少なくとも支持台104の下端(紙葉等挿入口113の上端)から、支持軸112とパンチ部材111の下端との距離L1に支持軸112の径の分を加算した距離だけ離れた位置に形成される。
また、穿孔パンチ100による穿孔を確実に行うためには、パンチ部材111の刃部が紙葉等に穿孔を開始してから、紙葉等を貫通させる必要がある。よってパンチ部材111が最も降下した状態では、紙葉等挿入口113に保持された紙葉等の全てに対して当該刃部を貫通させるように、パンチ部材111を支持する支持軸112の位置決めをする必要がある。
このパンチ部材111の降下終了時(穿孔完了時)における支持軸112の位置決めは、支持軸112の可動範囲を規制する支持軸ガイド孔105の下端(ベース102の上面に最も近い端部)の位置によって定められる。また確実に穿孔を実行するために、穿孔完了時において、少なくともパンチ部材111の刃部の大半がくず収容部101に収容されるように、支持軸112の軸中心の下端位置を定めることが望ましい。したがってこの支持軸ガイド孔105の下端位置は、当該支持軸ガイド孔105の上端位置から、パンチ部材111の刃部の上端とくず収容部101との距離L2に支持軸112の径分を加算した距離だけ離れた位置になるように形成される(図3(A)参照)。
次に本実施形態における穿孔パンチ100の支持台104における軸穴106および当該軸穴106に挿通される回動軸110の位置について説明する。回動軸110はハンドル107が回動するときの中心(支点)となるものである。
図3(A)に示すように、支持台104において回動軸110を支持する軸穴106は、略円形状となっている。また、この軸穴106の径は、回動軸110が回転可能なように、かつ支持台104に対して軸中心位置がほぼ変位しないように回動軸110の径よりやや大きく形成され、支持台104に保持される。なお、回動軸110が軸穴106内を回転できるように構成するのは、ハンドル107を円滑に回動させるためである。また、回動軸110は、軸穴106の位置に固着されていてもよい(この場合は軸穴106は不要となる)。
また、軸穴106の位置は、支持台104における支持軸ガイド孔105よりさらに背面側であり、かつ支持軸ガイド孔105の長手方向における上端と下端を結ぶ線分の垂直2等分線上に形成される。つまり、当該支持軸ガイド孔105の上端と下端を底辺とし、軸穴106を頂点として略2等辺三角形が形成されるように軸穴106の位置が定められる(図3(A))。
また、図3(B)に示すように軸穴106の位置は、軸穴106と支持軸ガイド孔105との最短距離が、支持軸ガイド孔105の長手方向(上端から下端まで)の長さより短くなるような位置に形成されることが好ましい。
したがって、ベース102の上面とパンチ部材111が最も離れている状態での支持軸112の上端位置(図4(A))と、パンチ部材111により穿孔が完了する状態での支持軸112の下端位置との中間に支持軸112が位置するとき、図4(B)に示すように最も回動軸110と支持軸112が近接することになる。また、本実施形態における穿孔パンチ100では、パンチ部材111の刃部が紙葉等に当接し穿孔を開始する時点、つまりパンチ部材111が最大穿孔荷重を受けるときに、支持軸112が当該支持軸ガイド孔105の中間地点またはその近傍に位置するように構成される。
このように構成することにより、最大穿孔荷重を受ける時点と、支点としての回動軸110と作用点としての支持軸112とが最も近接する時点とがほぼ同じになることにより、力点としてのハンドル107にかかる手動力がより大きく作用点に作用させることが可能となり穿孔作業の省力化を可能とする。この構成により、本実施形態における穿孔パンチ100は次のような特徴を有する。
上述したように、図4において回動軸110が支持軸ガイド孔105の垂直2等分線上にあるため、ハンドル107を回転させると支持軸112が図4(A)の中心位置「a」から中心位置「b」へ移動するのに伴い、長さLmax=cd−co=odだけ支持軸112が円弧運動しようとするのをハンドル107側に設けられた長穴108によって
Lmax=od分の移動を吸収することにより、支持軸112は、中心位置「a」→位置「o」→中心位置「b」へ直線運動するように構成される。
このことによって、回動軸110が支持軸ガイド孔105を底辺とする2等辺三角形の頂点にあることから、長さLmax=odが最短となって、支持軸112の直線運動時にもたらされる摩擦力を最小とすることができる。
また、支持軸112を直線運動させるために長さLmax=odの最大変位量を長穴108で吸収させるが、そのときの長穴108の長さも最短とすることができる。その分ハンドル107を回転させたときの力の伝達の効率が改善される。つまり長穴108が長い分だけ遊びが生じるためエネルギー伝達の効率が悪化するが、それを最小限に抑制することを可能とする。
さらに、ハンドル107の回動中心位置である回動軸110は、支持台104に固定されており、さらに支持軸112とハンドル107の間も遊びがなく直接ハンドル107の回動による作用力が伝達できるので、効率がよい。
(ハンドルの構成)
次に、図5を用いてハンドル107における支持台104との接続部分の構造を詳細に説明する。ここで図5(A)は、本実施形態にかかるパンチ部材111が降下開始したときの穿孔パンチ100を示す側面図および部分拡大図であり、図5(B)は、本実施形態にかかる穿孔パンチ100が最大穿孔荷重を受けるときの状態を示す側面図および部分拡大図である。また、図5(C)は、本実施形態にかかる穿孔パンチ100における穿孔終了時の状態を示す概略側面図および部分拡大図である。
図5(A)に示すように、穿孔パンチ100におけるハンドル107は、接続部107a(図2(B))の長穴108に回動軸110を挿通させ、支持穴109に支持軸112を挿通させて支持台104に接続されている。
また、図5(A)に示すように、ハンドル107の長穴108は、穿孔パンチ100の背面側となる接続部107aにおいて支持台104の軸穴106に対応する位置に形成される。この長穴108は、パンチ部材111の降下開始前においては、支持軸ガイド孔105の上端に向かって、支持軸ガイド孔105に対し傾斜するように形成されている。
また、この長穴108の幅は、摩擦力を吸収するため当該長穴108の範囲内で回動軸110が移動可能となるように回動軸110の径よりやや大きく形成され、遊びを有するように形成される。また支点と作用点との距離が離れすぎないように回動軸110の移動量を最小とするように形成される。回動軸110に対し、この長穴108は、支持軸112と支持軸ガイド孔105との摩擦力を軽減させ穿孔荷重を軽減させるものである(上記のように、図4(A)の長さLmax=odの移動を吸収する)。
また、図3(B)および図5(A)に示すように、ハンドル107の支持穴109は、長穴108の近傍かつ穿孔パンチ100の正面側であって、接続部107aにおいて支持軸ガイド孔105に対応する位置に形成される。また、支持穴109は、略円形状であり、ハンドル107に対して支持軸112の軸中心位置がほぼ変位しないように支持軸112を保持する。
この支持穴109は、支持軸112との位置関係が固定されているので、力点としてのハンドル107に加えられた手動力が作用点としての支持軸112に効率よく伝わる。また支持穴109が、ハンドル107における支持軸112の軸中心位置を固定しているのに対し、長穴108は、遊びを有しつつ回動軸110を保持する。
すなわち、図5(A)〜(C)に示すように、遊びを有する長穴108が、ハンドル107の回動に伴って、当該ハンドル107と回動軸110との位置関係を調整することにより、ハンドル107が回動する際に支持軸112と支持軸ガイド孔105との間で生じる摩擦力を軽減させる。さらに図5(B)に示すように支持軸112が支持軸ガイド孔105の中間に位置する時点で、長穴108の遊びにより支持軸ガイド孔105の端部に回動軸110を近接させて、支点としての回動軸110と作用点としての支持軸112を最も近接させることにより、ハンドル107に加わった手動力を支持軸112により大きく作用させることが可能となる。なお、支持穴109を備えず、支持穴109のある位置に支持軸112を固着させてもよい。
(穿孔パンチの動作および作用・効果)
次に、図5を用いてこの発明の実施形態にかかる穿孔パンチ100を用いた穿孔作業および穿孔パンチ100における各機構の動作および作用・効果について説明する。
まず、ハンドル107に力が加えられず、パンチ部材111が降下を開始していない状態において、紙葉等挿入口113に紙葉等を挿入し位置決めをする。
紙葉等挿入口113における紙葉等の位置決めがされた後、ハンドル107をベース102の上面に近接させる方向へ押し下げる(図5(A)のR方向)。このようにハンドル107に手動力が加わると、ハンドル107は図5(A)に示すように、回動軸110を支点として回動し始める。このハンドル107の回動により、接続部107aの支持穴109を介してハンドル107の手動力が支持軸112に作用する。
支持軸112は、支持穴109に押し下げられ、ハンドル107との位置関係を保持したまま支持台104の支持軸ガイド孔105に案内されてベース102の上面に直交する方向へ降下する。このとき回動軸110は、その軸中心と支持台104との位置関係を保持されたまま、ハンドル107の回動に連動して回転する。また、回動軸110は、ハンドル107における長穴108の遊びにより、支持軸112と支持軸ガイド孔105の摩擦力を軽減させつつ、ハンドル107に対する位置を変位させ支持軸112に近接していく。
ハンドル107がさらに回動され、支持穴109を介して支持軸112が降下していき、図5(B)に示すように支持軸ガイド孔105における中間地点に支持軸112が到達すると、支持軸ガイド孔105の垂直2等分線上に軸穴106を形成したことにより、回動軸110と支持軸112とが最も近接する。この時点またはこの時点の前後にパンチ部材111の刃部が紙葉等に当接し、穿孔を開始する。
このように、パンチ部材111を介して穿孔を開始する時点すなわち最大穿孔荷重を受ける時点において、支持軸112と回動軸110が最も近接されることにより、ハンドル107に作用する手動力が支持軸112を介してパンチ部材111により大きく作用するので穿孔荷重の軽減を図ることが可能となる。また、図9に示す従来の穿孔パンチ400のように、支持軸に手動力を伝えるため部分(ハンドル407に形成された長穴409)が遊びを有する構造である場合と比較して、本実施形態においては支持軸112とハンドル107との位置が変位しないので、手動力を効率よく作用させることが可能となる。
図5(B)の状態からさらにハンドル107が回動され、支持穴109を介して支持軸112が降下していき、図5(C)に示すようにパンチ部材111が紙葉等に穿孔を開始してからさらにベース102に近接する方向へ降下し、刃部が紙葉等を貫通すると、当該パンチ部材111の刃部がベース102の上面に形成されたパンチ穴を通過して、上部カバー102b・底部カバー102aによって囲われたくず収容部101まで至る。このとき支持軸ガイド孔105の垂直2等分線上に軸穴106を形成したことにより、支持軸112が図5(B)の状態から(C)の状態に移行するに際して支持軸112と支持軸ガイド孔105との間に生じる摩擦力を軽減させることが可能となる。
以上説明したこの発明の実施形態にかかる穿孔パンチ100においては、ハンドル107で回動軸110を移動可能に支持する長穴108が摩擦力を軽減し、支持穴109が支持軸112を保持することにより効率よく手動力が伝達されて穿孔荷重を軽減させることが可能となる。さらに、本実施形態にかかる穿孔パンチ100は、前述の通り支持台104における支持軸ガイド孔105と軸穴106の位置関係によって最大穿孔荷重を軽減させるとともに摩擦力を軽減させることができる。
また、軸穴106が回動軸110の軸中心位置を支持台104に対して変位させないように保持しているので、従来の支点移動パンチ(図6参照)と比較して最大穿孔荷重を受けるときに回動軸110と支持軸112が離隔しないのでハンドル107が受けた手動力をより大きく支持軸112に伝達することが可能となる。
また、本実施形態にかかる穿孔パンチ100は、ベース102の底部カバー102aに対して上部カバー102b(底面に対して上面が)傾斜されて形成されているから、ハンドル107とベース102とによってなされる角を狭めることができ、穿孔パンチ100の穿孔作業において操作性が向上する。
(変形例)
次に、以上に述べた実施形態にかかる穿孔パンチの変形例について、以下に説明する。
本実施形態にかかる穿孔パンチ100では、ハンドル107の上面(ベース102側と反対側の面)が平面状に形成されているが、本発明はこの実施形態に限られない。
例えば、ハンドル107の上面における先端部分に突出部を設け、当該突出部からハンドル107の上面側へ傾斜させる把持部を形成してもよい。このようにハンドル107の先端に把持部を形成することにより、穿孔のためのハンドル107の押し下げ工程において、最も支持軸112と離れたハンドル107の先端を把持等することができ、操作性を向上させることが可能となる。また、この様な把持部を設けなくても、ハンドル107の先端部を上面と離隔する方向に反らせて形成してもよく、先端に凹部を設けてもよい。このような構成においても操作性を向上させることができる。
この発明の実施形態にかかる穿孔パンチの外形を示す概略斜視図である。 (A)この発明の実施形態にかかる穿孔パンチの概略右側面図。 (B)この発明の実施形態にかかる穿孔パンチの概略背面図。 (C)この発明の実施形態にかかる穿孔パンチの概略上面図。 (A)この発明の実施形態にかかる穿孔パンチの図2(C)における概略A−A`断面図。 (B)図3(A)の部分拡大図。 この発明の実施形態にかかる穿孔パンチの支持軸ガイド孔における支持軸の往復移動経路を示す部分拡大図。 (A)この発明の実施形態にかかるパンチ部材が降下開始したときの穿孔パンチを示す側面図および部分拡大図。 (B)この発明の実施形態にかかる穿孔パンチが最大穿孔荷重を受けるときの状態を示す側面図および部分拡大図。 (C)この発明の実施形態にかかる穿孔パンチにおける穿孔終了時の状態を示す概略側面図および部分拡大図。 従来の支点移動パンチの概略側面図である。 従来の支点固定パンチの概略側面図。 従来の支点固定パンチにおける支持軸の受ける摩擦力について説明するための概略拡大断面図。 従来の穿孔パンチの概略側面図。
符号の説明
100 穿孔パンチ
101 くず収容部
102 ベース
102a 底部カバー
102b 上部カバー
103 固定具
104 支持台
105 支持軸ガイド孔
106 軸穴
107 ハンドル
107a 接続部
107b アーム部
108 長穴
109 支持穴
110 回動軸
111 パンチ部材
112 支持軸
113 紙葉等挿入口

Claims (5)

  1. 基台、該基台の一面から立設する支持台および先端側が回動可能に該支持台に他の一端側が支持される把手部材を有し、紙葉類に穿孔を行うための穿孔パンチであって、
    前記支持台に形成された軸穴に挿通されることによって該支持台における軸中心位置が固定される、前記把手部材が回動するための回動軸と、
    前記把手部材の前記一端側に形成され、前記回動軸が通され該回動軸の回動に対応して前記把手部材の位置を変位可能とする遊びを有する長穴と、
    前記支持台の前記軸穴より前記把手部材の前記先端側の位置に形成され、前記基台の一面と直交する方向へ長さ方向を有する支持軸ガイド孔と、
    前記支持軸ガイド孔と前記把手部材の前記回動軸の位置より前記先端側に形成された支持穴とに挿通され、前記把手部材における位置が固定されるとともに、該把手部材が押し下げられて前記回動軸を中心に回動されたとき、前記支持穴を介して押し下げられるとともに、前記長穴により前記支持軸ガイド孔に直線状に案内される支持軸と、
    前記基台の一面側の一端に刃部を有し、前記支持軸と直交するように該支持軸に保持されて該支持軸とともに移動するパンチ部材と、を備え、
    前記回動軸の軸中心は、前記支持軸ガイド孔の両端を結ぶ線分の垂直2等分線上に位置すること、前記回動軸の軸中心位置から前記支持軸ガイド孔までの最短距離が、前記支持軸ガイド孔の長さより短いこと、前記基台の一面は、前記回動軸側の一端側から他端側にかけて下り傾斜になるよう形成されていること、を特徴とする穿孔パンチ。
  2. 基台の一端側から他端側に向けて下り傾斜する一面に固定されて立設する支持台と、
    前記支持台における前記一面と離れた位置において、該一面と平行に設けられた軸穴と、
    前記支持台において、前記軸穴より前記他端側の位置に設けられ、前記基台の一面に直交する方向に延伸する支持軸ガイド孔と、
    前記基台の一面と平行となるように支持軸ガイド孔に挿通される支持軸と、
    柱状を成し、一端に刃部を有し、該刃部の長手方向が前記基台の一面と直交するように、他端側を前記支持軸に固定されたパンチ部材と、
    前記基台の一面と平行となるように軸穴に挿通されることにより支持されて、前記支持台に対する軸中心位置が固定された回動軸と、
    一端に前記回動軸が通され、遊びを有する長穴と、前記支持軸の軸中心位置を固定して支持する支持穴とを有し、他端側を押し下げられて該回動軸を支点として回動することにより、前記支持軸及び前記パンチ部材を前記長穴により直線状に押し下げる把手部材と、を備え、
    前記回動軸の位置は、該回動軸の軸中心位置を頂点とし前記支持軸ガイド孔を底辺とする三角形が2等辺三角形をなすように配置されること、前記回動軸の軸中心位置から前記支持軸ガイド孔までの最短距離が、該支持軸ガイド孔の長さより短いこと、を特徴とする穿孔パンチ。
  3. 前記把手部材における前記基台側と反対側の面であって、前記一端に対する他端側には、該他端側から前記一端側へ下り傾斜となる柄部が設けられていること、
    を特徴とする請求項1または2に記載の穿孔パンチ。
  4. 一端側に回動するための接続部を有し、他端側を把手可能とする把手部材と、
    基台の表面であって前記把手部材の前記一端側から前記他端側に向けて下り傾斜する表面に立設され回動軸を水平に固定された第1の支柱と、
    前記基台の表面に前記第1の支柱近くで前記把手部材の他端方向よりに設けられ、前記基台の表面に垂直な支持軸ガイド孔を有し該支持軸ガイド孔に水平に通された支持軸を上下にガイドする第2の支柱と、
    柱状を成し一端に刃部を有し該刃部を前記基台の表面に垂直になるよう他端側を前記支持軸に固定されたパンチ部材と、を有し、
    前記接続部は、下側に前記回動軸を通し遊びのある大きさの長穴が形成され、かつ該長穴より前記把手部材の他端よりに前記支持軸が固定されていて、前記把手部材が前記回動軸を中心に回動して該支持軸を押し下げることにより、前記パンチ部材を前記支持軸ガイド孔に沿って前記長穴により直線状に移動させ、さらに、
    前記回動軸の軸中心位置を頂点とし前記支持軸ガイド孔を底辺とする三角形が2等辺三角形を形成するように構成され、かつ前記回動軸の軸中心位置から前記支持軸ガイド孔までの最短距離が、該支持軸ガイド孔の長さより短いこと、を特徴とする穿孔パンチ。
  5. 前記第1の支柱と前記第2の支柱は一体であることを特徴とする請求項4に記載の穿孔パンチ。
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