JP5250929B2 - トランジスタおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
また近年、有機半導体材料を用いた薄膜トランジスタが盛んに研究されている。有機半導体材料は、真空プロセスを用いず、例えば、印刷プロセスで作成できるため、低温でトランジスタの製造の可能性があり、可撓性のプラスチック基材上に設けられる等の利点を有する。
しかしながら、有機半導体材料は、移動度が極めて低く、また経時劣化にも弱いという難点があり、未だ広範な使用、実用に至っていない。
上記非特許文献1に記載の材料を用いたアモルファス酸化物半導体を半導体活性層として用いることで、室温でPET基板上に移動度が10cm2/Vs前後の優れた特性を持つ透明電界効果型トランジスタの作成に成功している。
K. Nomura et al. Nature,432, 488(2004)
しかしながら、本発明は、酸化物半導体をチャネル層に用いると、チャネル層とソース電極、ドレイン電極間の接触抵抗が大きくなり、良好なトランジスタが得られない恐れがあった。
また、前記チャネル層にドレイン集中が生じやすく同様に良好なトランジスタが得られない恐れがあった。
基材上にゲート電極を設ける工程と、
該ゲート電極上に、ゲート絶縁層、酸化物半導体からなるチャネル層を設ける工程と、
前記チャネル層上に、前記チャネル層の導電率よりも高い導電率を有する酸化物半導体からなる介在層を設ける工程と、
前記介在層上に、ソース電極とドレイン電極を形成するための電極層を形成する工程と、
前記ソース電極と前記ドレイン電極を形成する工程と、
を有し、
前記チャネル層および介在層が、同一組成で、組成比が異なる酸化物半導体であるInGaZnOからなり、前記チャネル層の導電率σ1が、10 −9 ≦σ1≦10 −3 S/cm、介在層の導電率σ2が、10 −3 <σ1≦10 3 S/cmの範囲とし、前記ゲート絶縁層が、チャネル層より導電率が小さい酸化物半導体から構成され、前記ゲート絶縁膜が、前記チャネル層および介在層と、同一組成で、組成比が異なる酸化物半導体であることを特徴とするトランジスタの製造方法である。
基材上にゲート電極を設ける工程と、
該ゲート電極上に、ゲート絶縁層、酸化物半導体からなるチャネル層を設ける工程と、
前記チャネル層上に、前記チャネル層の導電率よりも高い導電率を有する酸化物半導体からなる介在層を設ける工程と、
少なくとも前記チャネル層と介在層の周辺部をエッチング処理により、島状とする工程と、
前記介在層上に、ソース電極とドレイン電極を形成するための電極層を形成する工程と、
前記ソース電極と前記ドレイン電極を形成する工程と、
を有し、
前記チャネル層および介在層が、同一組成で、組成比が異なる酸化物半導体であるInGaZnOからなり、前記チャネル層の導電率σ1が、10 −9 ≦σ1≦10 −3 S/cm、介在層の導電率σ2が、10 −3 <σ1≦10 3 S/cmの範囲とし、前記ゲート絶縁層が、チャネル層より導電率が小さい酸化物半導体から構成され、前記ゲート絶縁膜が、前記チャネル層および介在層と、同一組成で、組成比が異なる酸化物半導体であることを特徴とするトランジスタの製造方法である。
また、ゲート絶縁層とチャネル層、介在層のうち、少なくとも二層を、組成が同じで、酸素以外の構成元素の組成比が異なる酸化物半導体を用いることで、複数層を連続成膜することができ、高スループット、かつ、界面汚染の抑制が可能となった。
基材1上に設けられたゲート電極2と、該ゲート電極2上に、ゲート絶縁層3、酸化物半導体からなるチャネル層4、およびチャネル領域10を有するソース電極8とドレイン電極9を順次備えた半導体装置において、前記チャネル層4とソース電極8とドレイン電極9の間に、チャネル領域10を有し、かつ前記チャネル層4より導電率が高い介在層7を設けたことを特徴とするトランジスタである。
また、ゲート電極2は、インジウム(In)、アルミニウム(Al)、金(Au)、銀(Ag)等の金属薄膜であってもよいし、酸化インジウム(In2O3)、酸化スズ(SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化カドミウム(CdO)、酸化インジウムカドミウム(CdIn2O4)、酸化カドミウムスズ(Cd2SnO4)、酸化亜鉛スズ(Zn2SnO4)等の酸化物材料でもよい。
また、前記酸化物材料に不純物をドープしたものも好適に用いられる。例えば、In2O3にスズ(Sn)やモリブデン(Mo)、チタン(Ti)をドープしたもの、SnO2にアンチモン(Sb)やフッ素(F)をドープしたもの、ZnOにインジウム、アルミニウム、ガリウム(Ga)をドープしたものなどである。
また、前記それぞれの電極は、真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、レーザーアブレーション法、プラズマCVD法、光CVD法、ホットワイヤーCVD法、または、導電性ペーストを用いてスクリーン印刷等の方法を用いて形成される。そして、それぞれの電極は、膜厚が15nm以上とすること好ましい。
このチャネル層4に用いる酸化物半導体は、導電率σ1が、10-9≦σ1≦10-3 S/cmであるのが好ましい。
この介在層4に用いる酸化物半導体は、導電率σ2が、10-3<σ2≦103 S/cmの範囲であるのが好ましい。
具体的には、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化イットリウム、酸化ハフニウム、ハフニウムアルミネート、酸化ジルコニアなどのいずれかの単独、もしくは二種以上の混合系、または二層以上積層して使用できるが、これらに限定されるものではない。
特に、前記チャネル層4および介在層7と同じ組成で、組成比が異なる高抵抗の酸化物半導体を用いるのが好ましい。具体的には、ゲート絶縁膜は、導電率σ3が、10-14≦σ3 <10-9S/cmの範囲の酸化物半導体を用いるのが好ましい。
そして、ゲート絶縁層4は、真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、レーザーアブレーション法、プラズマCVD(Chemical VaporDeposition)、光CVD法、ホットワイヤーCVD法、ゾルゲル法などの方法を用いて形成される。
絶縁層4は、厚さが40nmnm〜1μmの範囲であることが望ましいが、これらに限定されるものではない。
基材上にスパッタリング法等を用いゲート電極層を形成後、フォトリソグラフィーなど公知の手法でゲート電極2を形成する(図2(a)参照。
次に、前記ゲート電極上に、ゲート絶縁層3、酸化物半導体からなるチャネル層4を、スパッタリング法など公知の手法で設け、さらに介在層7を同様にスパッタリング法など公知の手法で設ける(図2(b)参照)。
ここで、介在層7は、前記チャネル層の導電率よりも高い導電率を有する酸化物半導体を使用する。
次に、チャネル層4と介在層7をフォトリソグラフィーなどの手法で、周辺部を一括エッチングして、島状にとする(図2(c)参照)。
このとき、ゲート絶縁層3も同様に周辺部を一括エッチングしての島状としてもよい。
前記電極層6および介在層7にチャネル領域10を形成することで、ソース電極8とドレイン電極9を形成され、トランジスタが完成する(図2(e)参照)。
なお、電極層6および介在層7にチャネル領域10の形成は、まず、電極層6を、フォトリソグラフィーなどの手法で、ソース電極8とドレイン電極9を形成した後、このソース電極8とドレイン電極9をマスクとして用い、介在層7にドレイン領域10を形成する。
あるいは、電極層6および介在層7を、フォトリソグラフィーなどの手法で同時に処理し、ドレイン領域10を形成する。
次に、スパッタリング法によりゲート絶縁層3と、チャネル層となる半導体層4と介在層7を連続成膜し、積層構成とする。
このとき、少なくともチャネル層4および介在層7を構成する酸化物半導体5は、InGaZnOで構成され、チャネル層4形成と介在層7形成時で、スパッタリングのガス雰囲気を、チャネル層4形成時の酸素流量比が2%、介在層7形成時の酸素流量比が0%とすることで、チャネル層4の導電率が1×10-4 S/cm、介在層7の導電率がσ×100S/cmであった。
そして、チャネル層となる半導体層4と介在層7を、フォトリソグラフィー法で一括エッチングしてトランジスタを形成する領域を島状とした。
次に、アルミニウムをターゲットとし、スパッタリング法で、ソース電極、ドレイン電極となる電極層6を製膜した。
前記電極層6をフォトリソグラフィー法で、ソース電極8とドレイン電極9を形成した。
そして、ソース電極8とドレイン電極9間の介在層9を、エッチングしてトランジスタのチャネル領域10を形成した。
以上の工程を経て、プラスチック基板上に設置されたゲート電極と、ゲート絶縁層と島状のチャネル層と介在層が積層され設けられたトランジスタを得ることができた。
また、介在層の上には、ソース電極とドレイン電極が形成され、ソース電極とドレイン電極の間にはチャネル領域が形成された構成とすることができた。
2・・・ゲート電極
3・・・ゲート絶縁層
4・・・チャネル層
6・・・電極層
7・・・介在層
8・・・ソース電極
9・・・ドレイン電極
10・・・ドレイン領域
Claims (6)
- 基材上に設けられたゲート電極と、該ゲート電極上に、ゲート絶縁層、酸化物半導体からなるチャネル層、およびソース電極とドレイン電極を順次備えた半導体装置において、前記チャネル層とソース電極とドレイン電極の間に、前記チャネル層より導電率が高い介在層を設け、前記チャネル層および介在層が、同一組成で、組成比が異なる酸化物半導体であるInGaZnOからなり、前記チャネル層の導電率σ1が、10 −9 ≦σ1≦10 −3 S/cm、介在層の導電率σ2が、10 −3 <σ1≦10 3 S/cmの範囲とし、前記ゲート絶縁層が、チャネル層より導電率が小さい酸化物半導体から構成され、前記ゲート絶縁膜が、前記チャネル層および介在層と、同一組成で、組成比が異なる酸化物半導体であることを特徴とするトランジスタ。
- 前記ゲート絶縁膜の導電率σ3が、10−14≦σ3<10−9 S/cmの範囲であることを特徴とする請求項1記載のトランジスタ。
- 前記基材が、プラスチック基材であることを特徴とする請求項1または2記載のトランジスタ。
- 基材上にゲート電極を設ける工程と、
該ゲート電極上に、ゲート絶縁層、酸化物半導体からなるチャネル層を設ける工程と、
前記チャネル層上に、前記チャネル層の導電率よりも高い導電率を有する酸化物半導体からなる介在層を設ける工程と、
前記介在層上に、ソース電極とドレイン電極を形成するための電極層を形成する工程と、
前記ソース電極と前記ドレイン電極を形成する工程と、
を有し、
前記チャネル層および介在層が、同一組成で、組成比が異なる酸化物半導体であるInGaZnOからなり、前記チャネル層の導電率σ1が、10 −9 ≦σ1≦10 −3 S/cm、介在層の導電率σ2が、10 −3 <σ1≦10 3 S/cmの範囲とし、前記ゲート絶縁層が、チャネル層より導電率が小さい酸化物半導体から構成され、前記ゲート絶縁膜が、前記チャネル層および介在層と、同一組成で、組成比が異なる酸化物半導体であることを特徴とするトランジスタの製造方法。 - 基材上にゲート電極を設ける工程と、
該ゲート電極上に、ゲート絶縁層、酸化物半導体からなるチャネル層を設ける工程と、
前記チャネル層上に、前記チャネル層の導電率よりも高い導電率を有する酸化物半導体からなる介在層を設ける工程と、
少なくとも前記チャネル層と介在層の周辺部をエッチング処理により、島状とする工程と、
前記介在層上に、ソース電極とドレイン電極を形成するための電極層を形成する工程と、
前記ソース電極と前記ドレイン電極を形成する工程と、
を有し、
前記チャネル層および介在層が、同一組成で、組成比が異なる酸化物半導体であるInGaZnOからなり、前記チャネル層の導電率σ1が、10 −9 ≦σ1≦10 −3 S/cm、介在層の導電率σ2が、10 −3 <σ1≦10 3 S/cmの範囲とし、前記ゲート絶縁層が、チャネル層より導電率が小さい酸化物半導体から構成され、前記ゲート絶縁膜が、前記チャネル層および介在層と、同一組成で、組成比が異なる酸化物半導体であることを特徴とするトランジスタの製造方法。 - 前記チャネル層と介在層が、連続成膜法により形成することを特徴とする請求項4または5記載のトランジスタの製造方法。
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