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JP5248087B2 - 電動モータ - Google Patents

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JP5248087B2
JP5248087B2 JP2007283183A JP2007283183A JP5248087B2 JP 5248087 B2 JP5248087 B2 JP 5248087B2 JP 2007283183 A JP2007283183 A JP 2007283183A JP 2007283183 A JP2007283183 A JP 2007283183A JP 5248087 B2 JP5248087 B2 JP 5248087B2
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Description

この発明は、自動車等に搭載され回転速度の切換えを行うことができる電動モータに関するものである。
一般に、自動車等の車両に搭載される電動モータとしては、ブラシ付きの電動モータが多く使用されている。この種の電動モータは、円筒状のヨークの内周面に複数の永久磁石を周方向に等間隔で配置し、これら永久磁石の内側にアーマチュアが回転自在に支持されている。アーマチュアは、複数のティースが放射状に形成されたアーマチュアコアを有している。各ティース間には軸線方向に長いスロットが複数形成され、所定間隔をあけたスロット間に巻線を重ね巻き方式にて巻装することでコイルを形成している。コイルは、アーマチュアコアと隣接するように回転軸に外嵌固定されたコンミテータに導通している。
コンミテータは、金属片である複数のセグメントが互いに絶縁された状態で周方向に配設されたものであって、これらセグメントにそれぞれコイルの巻き始め端、および巻き終わり端が接続される。また、各セグメントはブラシに摺接可能に接続されており、このブラシを介してそれぞれのコイルに給電される。そして、給電されたコイルには磁界が形成され、ヨークの永久磁石との間に生じる磁気的な吸引力や反発力によって回転軸が駆動する。
ところで、このような電動モータにおいて、例えば、一対のブラシが複数のセグメントのうちの2つに確実に接触する場合には問題ないが、一方のブラシは1つのセグメントに摺接し、他方のブラシは2つのセグメントに跨るように摺接した状態になると、等価電気回路のコイル数に差が生じて各々コイルを流れる電流にバラツキが生じてしまい、電動モータの振動や騒音の原因となる。そこで、磁気バランスのとれた電動モータとするために、同電位となるセグメント同士を接続線(均圧線)によって短絡する場合がある(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
また、例えば、図8に示すように、磁気バランスのとれた電動モータとするために、巻線87を四方に等分に巻装することも考えられる。
すなわち、例えば3番セグメント84eより巻き始められた巻線87は、1−2番ティース82の間のスロット83eと5−6番ティース82の間のスロット83fとの間に順方向にn回(nは自然数)巻装され(コイル93A)、次に、スロット83e,83fから周方向に90°ずれた位置に存在する6−7番ティース82の間のスロット83bと10−11番ティース82の間のスロット83hとの間に逆方向にn回巻装される(コイル93B)。
ここで、コイル93Bは、極性の異なる磁極(永久磁石81)に対向するため、コイル93Aとは逆向きに巻装されている。さらに、同様の手順で、周方向に90°ずらしながら、11−12番ティース82の間のスロット83hと15−16番ティース82の間のスロット83iとの間に、巻線87を順方向にn回巻装してコイル93Cを形成し、16−17番ティース82の間のスロット83dと20−1番ティース82の間のスロット83jとの間にコイル93Dを形成する。その後、巻線87はスロット83jから引き出され、3番セグメント84eに隣接する4番セグメント84aに接続される。このように構成することで、四方で磁気バランスをとることが可能になる。
特開2004−7984号公報 特開2005−33843号公報
しかしながら、上述の特許文献1、特許文献2にあっては、同電位となるセグメント同士を接続線によって短絡するので、回転軸を中心に対向する通電コイルの有効導体数を等しくすることができるが、周方向に隣り合う通電コイルの有効導体数が異なる。このため、四方で磁気バランスをとることが困難で、それに伴う振動や騒音の低減化に限界があるというという課題がある。
一方、図8に示すように、周方向に90°ずれたスロット93間に、順方向と逆方向とを順番に繰り返しながら巻線87を巻装して4つのコイル93A,93B,93C,93Dを形成する場合、並列回路数が磁極数と同じになる。つまり、例えば、図8に示すように、4極20スロット20セグメントの電動モータ80にあっては、並列回路数が4つとなる。したがって、磁極数が増大するほど並列回路数も多くなるので、巻線が細径化し、巻線の巻回数を増大する必要がある。このため、巻装時間が増大して製造コストが増大するばかりか、各コイルのテンション(張力)管理が困難になるという課題がある。
そこで、この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、全ての位置関係で磁気バランスをとることができ、振動や騒音を低減することができると共に、製造管理が容易で製造コストを低減することができる電動モータを提供するものである。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、極対数が2以上のヨークに軸支される回転軸と、前記回転軸に取り付けられ径方向に向かって放射状に延び、巻線を巻装するための複数のティースと、前記ティース間に形成され軸線方向に沿って延びる複数のスロットを有するアーマチュアコアと、前記回転軸に前記アーマチュアコアと隣接して設けられ、複数のセグメントを周方向に配置したコンミテータとから成り、隣接するセグメント間に前記巻線が電気的に接続されると共に、各磁極に対向するスロット間に前記巻線が巻装されてコイルを形成し、各コイルは、前記回転軸を中心に点対称位置に存在するコイル同士の巻装方向が同方向で、且つ隣り合うコイルの巻装方向が互いに逆方向となるように、各々周方向に等分に巻装され、前記極対数をP、前記スロットの数をN、aを0または正の整数としたとき、N=2P(a+2)を満たすように、Nを決定し、前記コンミテータに同電位となるセグメント同士を短絡する接続線を設け、前記接続線は、前記各コイルと前記接続線とを一連で巻装可能に各セグメント間にそれぞれ1本ずつ接続されており、前記コンミテータの前記セグメントに摺接可能なブラシを設け、前記ブラシは、低速用ブラシと、前記低速用ブラシから所定角度周方向に離間して設けられた高速用ブラシと、これら低速用ブラシ、および高速用ブラシに共通使用される共通ブラシとの3つのブラシで構成され、前記低速用ブラシ、および前記高速用ブラシの何れか一方のブラシと、前記共通ブラシとが、それぞれ1つの前記セグメントに摺接した状態で、かつ前記低速用ブラシ、および前記高速用ブラシの何れか他方のブラシが、隣接する2つの前記セグメントに跨るように摺接した状態において、短絡されている前記コイル、および通電されている前記コイルが、周方向全体に亘って等しく分布されるように構成されていることを特徴とする。
請求項2に記載した発明は、前記コイルは、前記スロット間に前記巻線を短節巻にて巻装することで形成されていることを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、前記コイルは、前記スロット間に前記巻線を全節巻にて巻装することで形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、各コイルは回転軸を中心に点対称位置に存在するコイル同士の巻装方向が同方向で、且つ隣り合うコイルの巻装方向が互いに逆方向となるようにスロット間に巻装されるので、全ての位置関係で磁気バランスをとることができる。このため、電動モータの振動や騒音を低減することが可能になる。
また、コンミテータに同電位となるセグメント同士を短絡する接続線を設けると共に、これら接続線を各コイルと接続線とを一連で巻装可能に各セグメント間にそれぞれ1本ずつ接続されている。
このため、低速用ブラシと、この低速用ブラシから所定角度周方向に離間して設けられた高速用ブラシと、これら低速用ブラシ、および高速用ブラシに共通使用される共通ブラシとの3つのブラシを設置するだけで、極対数が2以上で、且つ回転速度の切換え可能な電動モータを提供することが可能になる。
これに加え、磁極数に係らず並列回路数を2つとすることができるので、巻線の細径化を防止し、巻線のティースへの巻回数を低減することが可能になる。このため、巻装時間の低減化を図りことが可能になり製造コストを低減できると共に、各コイルのテンション管理を容易にすることが可能になる。
次に、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図3に示すように、電動モータ1は、例えば、自動車のパワーウインドウモータ、ワイパモータ、およびファンモータ等の駆動源として用いられるものであって、有底円筒形状のヨーク2内にアーマチュア3が回転自在に配置されている。ヨーク2の内周面には周方向に4つの永久磁石4が固定されている。すなわち、この実施形態の電動モータ1は4極型の電動モータであり、極対数は2となっている。
アーマチュア3は、回転軸5に固定されたアーマチュアコア6と、アーマチュアコア6に巻装されたアーマチュアコイル7と、アーマチュアコア6の一端側に配置されたコンミテータ13とから構成されている。アーマチュアコア6は、複数の金属板を軸線方向に積層したものである。金属板の外周部にはT字型のティース9(図2参照)が周方向に沿って等間隔に複数個(本実施形態では20個)放射状に形成されている。複数枚の金属板を回転軸5に外嵌することにより、アーマチュアコア6の外周には隣接するティース9間に蟻溝状のスロット11が形成されている。
スロット11は軸線方向に沿って延びており、周方向に沿って等間隔に複数個(本実施形態では20個)形成されている。
ここで、スロット11の数「N」は、極対数を「P」、「a」を0または正の整数としたとき、下式により決定される。
N=2P(a+2)
すなわち、本実施形態では、スロット11の数Nが「20」、極対数Pが「2」であるため、aが「3」となり、数式を満たしていることになる。
また、このスロット11間にはエナメル被覆の巻線12が巻装され、これによりアーマチュアコア6の外周に複数のアーマチュアコイル7が形成されている。
コンミテータ13は回転軸5の一端に外嵌固定されている。コンミテータ13の外周面には、導電材で形成されたセグメント14が複数枚(本実施形態では20枚)取り付けられている。セグメント14は軸線方向に長い板状の金属片からなり、互いに絶縁された状態で周方向に沿って等間隔に並列に固定されている。各セグメント14のアーマチュアコア6側の端部には、外径側に折り返す形で折り曲げられたライザ15が一体形成されている。ライザ15には、アーマチュアコイル7の巻き始め端部と巻き終わり端部となる巻線12が掛け回わされ、巻線12は、ヒュージングによりライザ15に固定されている。これにより、セグメント14とこれに対応するアーマチュアコイル7とが電気的に接続される。
また、同電位となるセグメント14、すなわち、回転軸5を中心にして互いに対向するセグメント14(本実施形態では9つ置きのセグメント14)にそれぞれ対応するライザ15には、各々接続線25が掛け回され、この接続線25がヒュージングによりライザ15に固定されている(図2参照)。接続線25は、同電位となるセグメント14同士を短絡するためのものであって、コンミテータ13とアーマチュアコア6との間に配索されている。
回転軸5の他端側は、ヨーク2に突出形成されたボス内の軸受け16によって回転自在に支持されている。ヨーク2の開口端にはカバー17が設けられており、このカバー17の内側にはホルダステー18が取り付けられている。ホルダステー18には周方向3箇所にブラシホルダ19が形成されている。ブラシホルダ19には、それぞれブラシ21が各々スプリングSを介して付勢された状態で出没自在に内装されている。これらブラシ21の先端部はスプリングSによって付勢されているためコンミテータ13に摺接しており、外部からの電源(不図示)がブラシ21を介してコンミテータ13に供給される。
図3に詳示するように、ブラシ21は、陽極側に接続されている低速用ブラシ21a、および高速用ブラシ21bと、これら低速用ブラシ21aと高速用ブラシ21bとに共通使用され陰極側に接続されている共通ブラシ21cとで構成されている。低速用ブラシ21aと共通ブラシ21cは互いに電気角で180°、つまり、機械角で周方向に90°間隔をあけて配設されている。一方、高速用ブラシ21bは、低速用ブラシ21aから周方向に角度αだけ離間して配置されている。なお、この実施形態では、共通ブラシ21cを陰極側とし、低速用ブラシ21a及び高速用ブラシ21bを陽極側として説明するが、陽極側と陰極側を反対にしてもよい。
ここで、コンミテータ13の同電位となるセグメント14、すなわち、回転軸5を中心にして互いに対向するセグメント14同士は接続線25によって短絡されているため、ブラシ21が摺接していないセグメントにも給電することが可能になる。したがって、図3に2点鎖線で示すように、各ブラシ21a,21b,21cの回転軸5を中心にして対向する位置にもそれぞれブラシ21a’,21b’,21c’が存在しているとみなすことができる。
これによれば、高速用ブラシ21b’は低速用ブラシ21aよりも角度θだけ進角した位置に存在していることになる。
そして、電動モータ1は、低回転駆動時は共通ブラシ21cと低速用ブラシ21aによって、高回転駆動時は共通ブラシ21cと高速用ブラシ21bによって電力供給される。このため、高回転駆動時は、高速用ブラシ21bによって電動モータ1は進角され、低回転駆動時よりも高回転で作動する。
次に、図4、図5に基づいて電動モータ1におけるアーマチュア3への巻線12の巻装方法について説明する。
図4、図5は、アーマチュア3の展開図であり、隣接するティース9間の空隙がスロット11に相当している。なお、以下の図面においては、各セグメント14、および各ティース9にそれぞれ符号を附して説明する。
ここで、同電位となるセグメント14同士は、接続線25によって短絡されている。つまり、本実施形態においては、9つ置き(例えば、1番セグメント14aと11番セグメント14d)のセグメント14同士が接続線25によってそれぞれ短絡されている。そして、これら接続線25は、アーマチュアコイル7と接続線25とを一連で巻装可能に各セグメント14間にそれぞれ1本ずつ接続されている。
また、巻線12は、一対の隣接するセグメント14の間に回転軸5を中心にして点対称位置に存在するスロット11間の巻装方向が同方向で、且つ隣り合うスロット11間の巻装方向が互いに逆方向になるように短節巻にて四方に等分に巻装されている。
より具体的には、例えば、11番セグメント14cのライザ15に巻き始め端30が掛け回された巻線12は、まず、11番セグメント14cと同電位のセグメントである1番セグメント14aのライザ15に掛けまわされる。続けて、巻線12を19−20番ティース9の間のスロット11aと3−4番ティース9の間のスロット11cとの間に順方向にn回巻装してコイル7Aを形成する。
次に、巻線12をスロット11a,11cから周方向に90°ずれた位置に存在する4−5番ティース9の間のスロット11dと8−9番ティース9の間のスロット11eとの間に逆方向にn回巻装してコイル7Bを形成する。
ここで、コイル7Bは、極性の異なる磁極(永久磁石4)に対向するため、コイル7Aとは逆向きに巻装されている。引き続き、4−5番ティース9の間のスロット11dから引き出された巻線12をスロット11d,11eから周方向に90°ずれた位置に存在する9−10番ティース9の間のスロット11fと13−14番ティース9の間のスロット11gとの間に順方向にn回巻装してコイル7Cを形成する。
さらに、スロット11f,11gから周方向に90°ずれた位置に存在する14−15番ティース9の間のスロット11hと18−19番ティース9の間のスロット11iとの間に巻線12を逆方向にn回巻装してコイル7Dを形成する。その後、巻線12はスロット11hから引き出され、11番セグメント14cに隣接する12番セグメント14dのライザ15に掛け回される。
続いて、12番セグメント14dのライザ15に掛け回された巻線12を12番セグメント14dと同電位のセグメントである2番セグメント14bのライザ15に掛けまわす。そして、20−1番ティース9の間のスロット11bに巻線12を引き込む。これを順次繰り返し行うことにより、一筆書きのような作業でアーマチュアコア6に短節巻のアーマチュアコイル7を形成すると共に、同電位のセグメント14間同士を短絡させる。
したがって、アーマチュアコア6には、周方向に90°ずれたスロット11間に順方向と逆方向とを順番に繰り返しながら巻線12が巻装された、つまり、回転軸5を中心に点対称位置に存在するコイル同士の巻装方向が同方向で、且つ隣り合うコイルの巻装方向が互いに逆方向となるように巻装された4つのコイル7A,7B,7C,7Dが形成されることになる。
また、各接続線25は、同電位のセグメント14同士を短絡させるにあたり、各々全周に配索されることなく、対応するセグメント14間にそれぞれ1本ずつ接続されることになる。
図5、図6に示すように、このように巻装されたアーマチュア3に、例えば、低回転駆動時において2番セグメント14eに低速用ブラシ21a、7番セグメント14fに共通ブラシ21cが摺接した場合、高速用ブラシ21bは13番セグメント14gと14番セグメント14hとに跨って摺接する。このとき、13番セグメント14gは3番セグメント14bと短絡し、14番セグメント14hは4番セグメント14cと短絡しているため、各コイル7A,7B,7C,7Dが高速用ブラシ21bによって短絡される。
しかしながら、これらコイル7A,7B,7C,7Dは四方に等分に巻装されているため、通電されているアーマチュアコイル7のエリア(図6における2点鎖線部分)を四方共に等しくなる。すなわち、回転軸5を中心に四方の通電コイルの有効導体数が等しくなる。
次に、図5に基づいて、各アーマチュアコイル7への通電状態について説明する。
ここで、例えば、低速用ブラシ21a(陽極側)と共通ブラシ21c(陰極側)を用いて電動モータ1を低回転駆動させた場合、低速用ブラシ21aが摺接している2番セグメント14bに接続されているアーマチュアコイル7に電流が流れ、この電流は引き続き各セグメント14、接続線25、およびこれらに対応するアーマチュアコイル7を通って共通ブラシ21cが摺接している7番セグメント14eへと流れていく(図5における実線矢印参照)。
一方、12番セグメント14dは、低速用ブラシ21aが摺接している2番セグメント14bに接続線25によって短絡されている。このため、12番セグメント14dに接続されているアーマチュアコイル7にも電流が流れる。そして、この電流は引き続き各セグメント14、接続線25、およびこれらに対応するアーマチュアコイル7を通って共通ブラシ21cが摺接している7番セグメント14eへと流れていく(図5における破線矢印参照)。
すなわち、低速用ブラシ21aが2番セグメント14bを印加することによって流れる電流は、2番セグメント14bに接続されているアーマチュアコイル7から共通ブラシ21cに向かって流れる電流と、12番セグメント14dに接続されているアーマチュアコイル7から共通ブラシ21cに向かって流れる電流との2通り存在することになる。したがって、アーマチュアコア6に巻装されているアーマチュアコイル7は2つの並列回路数を有する構造になっていることになる。このことは、高速用ブラシ21b(陽極側)と共通ブラシ21c(陰極側)を用いて電動モータ1を高回転駆動させた場合であっても同様である。
したがって、上述の実施形態によれば、高速用ブラシ21bによって短絡されるコイル7A,7B,7C,7Dが四方に等分に巻装されているため、全ての位置関係で磁気バランスをとることが可能になる。このため、電動モータの振動や騒音を従来よりもさらに低減することができる。
また、コンミテータ13に同電位となるセグメント14同士を短絡する接続線25を設けると共に、これら接続線25をアーマチュアコイル7と接続線25とを一連で巻装可能に各セグメント14間にそれぞれ1本ずつ接続されている。
このため、低速用ブラシ21aと、この低速用ブラシ21aから周方向に角度αだけ離間して配置された高速用ブラシ21bと、これら低速用ブラシ21a、および高速用ブラシ21bに共通使用される共通ブラシ21cとの3つのブラシを設置するだけで、回転速度の切換え可能な電動モータ1を提供することが可能になる。
これに加え、磁極数に係らず並列回路数を2つとすることができるので、巻線12の細径化を防止し、巻線12のティース9への巻回数を低減することが可能になる。このため、巻装時間の低減化を図りことが可能になり製造コストを低減できると共に、各コイル7A,7B,7C,7Dのテンション(張力)管理を容易にすることが可能になる。
なお、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述の実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
また、上述の実施形態では、4つのコイル7A,7B,7C,7Dが各スロット11間に巻線12をn回巻装することで形成されている場合について説明したが、これに限られるものではなく、例えば、巻線12の総巻回数を奇数にしたい場合、つまり、総巻回数がコイル7A,7B,7C,7Dの数である「4」で割れないような場合にあっては、各コイル7A,7B,7C,7D全てが同じ巻回数でなくてもよい。
さらに、上述の実施形態では、電動モータ1はヨーク2に永久磁石4が4つ固定され、アーマチュアコア6に20個のスロット11が形成され、コンミテータ13に20枚のセグメント14が取り付けられた4極20スロット20セグメントの電動モータである場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、極対数が2以上で、且つスロット11の数を「N」、極対数を「P」、「a」を0または正の整数としたとき、NがN=2P(a+2)を満たすように構成されていればよい。
そして、上述の実施形態では、ブラシ21が低速用ブラシ21aと、高速用ブラシ21bと、これら低速用ブラシ21a、および高速用ブラシ21bに共通使用される共通ブラシ21cとの3つのブラシで構成されている場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、4極以上であって、同電位のセグメント同士を短絡する接続線25をアーマチュアコイル7と接続線25とを一連で巻装可能に設けた電動モータ全てに採用可能である。すなわち、接続線25だけでは解消しきれない磁気的なアンバランスを本実施形態のような巻線12の巻装構造とすることでアンバランスを解消することができる。
このことは、例えば、ブラシ数が2つの場合や極数と同数(例えば、4極の場合は4つ)の場合であっても採用することが可能であるといえる。すなわち、ブラシ数が2つの場合や4つの場合にあっては、本発明の3ブラシのような磁気的なアンバランスが生じ難いものの、本発明における巻線12の巻装構造、および接続線25を用いた構造を採用することにより、さらに確実に磁気的なバランスがとれた電動モータを提供することが可能になる。
また、上述の実施形態では、アーマチュアコア6の各スロット11間に巻線12を短節巻にて巻装した場合について説明したが、これに限られるものではなく、全節巻にて巻装してもよい。
さらに、上述の実施形態では、アーマチュアコア6が複数の金属板を軸線方向に積層したものである場合について説明したが、これに限られるものではなく、アーマチュアコアを軟磁性粉末を加圧成形することで形成される、所謂圧粉磁性体により形成してもよい。
本発明の実施形態における電動モータの構成を示す縦断面図である。 本発明の実施形態におけるアーマチュアの上面図である。 本発明の実施形態におけるブラシの配置図である。 本発明の実施形態におけるアーマチュアコイルの巻装状態を示すアーマチュアの展開図である。 本発明の実施形態におけるアーマチュアコイルの巻装状態を示すアーマチュアの展開図である。 本発明の実施形態におけるコイルの短絡状態を示す説明図である。 従来のコイルの巻装状態を示すアーマチュアの展開図である。
符号の説明
1 電動モータ
2 ヨーク
3 アーマチュア
4 永久磁石(磁極)
5 回転軸
6 アーマチュアコア
7 アーマチュアコイル
7A,7B,7C,7D コイル
9 ティース
11,11a〜11i スロット
12 巻線
13 コンミテータ
14 セグメント
21 ブラシ
21a 低速用ブラシ
21b 高速用ブラシ
21c 共通ブラシ
25 接続線

Claims (3)

  1. 極対数が2以上のヨークに軸支される回転軸と、
    前記回転軸に取り付けられ径方向に向かって放射状に延び、巻線を巻装するための複数のティースと、前記ティース間に形成され軸線方向に沿って延びる複数のスロットを有するアーマチュアコアと、
    前記回転軸に前記アーマチュアコアと隣接して設けられ、複数のセグメントを周方向に配置したコンミテータとから成り、
    隣接するセグメント間に前記巻線が電気的に接続されると共に、各磁極に対向するスロット間に前記巻線が巻装されてコイルを形成し、
    各コイルは、前記回転軸を中心に点対称位置に存在するコイル同士の巻装方向が同方向で、且つ隣り合うコイルの巻装方向が互いに逆方向となるように、各々周方向に等分に巻装され、
    前記極対数をP、前記スロットの数をN、aを0または正の整数としたとき、
    N=2P(a+2)
    を満たすように、Nを決定し、
    前記コンミテータに同電位となるセグメント同士を短絡する接続線を設け、
    前記接続線は、前記各コイルと前記接続線とを一連で巻装可能に各セグメント間にそれぞれ1本ずつ接続されており、
    前記コンミテータの前記セグメントに摺接可能なブラシを設け、
    前記ブラシは、
    低速用ブラシと、
    前記低速用ブラシから所定角度周方向に離間して設けられた高速用ブラシと、
    これら低速用ブラシ、および高速用ブラシに共通使用される共通ブラシとの3つのブラシで構成され、
    前記低速用ブラシ、および前記高速用ブラシの何れか一方のブラシと、前記共通ブラシとが、それぞれ1つの前記セグメントに摺接した状態で、かつ前記低速用ブラシ、および前記高速用ブラシの何れか他方のブラシが、隣接する2つの前記セグメントに跨るように摺接した状態において、短絡されている前記コイル、および通電されている前記コイルが、周方向全体に亘って等しく分布されるように構成されていることを特徴とする電動モータ。
  2. 前記コイルは、前記スロット間に前記巻線を短節巻にて巻装することで形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電動モータ。
  3. 前記コイルは、前記スロット間に前記巻線を全節巻にて巻装することで形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電動モータ。
JP2007283183A 2007-10-31 2007-10-31 電動モータ Active JP5248087B2 (ja)

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