JP5129947B2 - 足場固定装置におけるキャッチクランプ - Google Patents
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つまり長孔が可動クランプや締付体に加わる振動や衝撃を吸収する役目を果たすのであり、そのため締付体の先端が常にフラットバーとブロックの間で確実に固定され、鎌形状の締付体の強固な係止状態を維持することができる。
この一対のクランプ体の一方の固定クランプ体はフラットバーの一端側に固定すると共に、他方の可動クランプ体はフラットバーの長さ方向に沿って移動可能とし、更に該可動クランプ体を、適宜の係止手段によって所定の位置に係止し、かつ容易に係止解除することができるようにしたことにある。
図1は本発明の第1実施例のキャッチクランプの斜視図、図2は同正面図、図3は同平面図である。
キャッチクランプ1は、一端にアンカーナット3を固着した、所要の長さを有する角柱状のフラットバー2に、一対のクランプ体4,5を、その凹部4A,5Aが向き合うようにして取り付ける。このクランプ体4,5はフラットバー2を挟む同形、同大、かつH形鋼PのフランジPFの縁が係合する凹部4A,5Aを設けた2枚一組のクランプ板41,42,51,52で構成している。
前記一対のクランプ体4,5の一方の固定クランプ体4はフラットバー2の一端側に固定すると共に、他方の可動クランプ体5はフラットバー2の長さ方向に沿って移動可能とし、更にこの可動クランプ体5を係止手段によってベース杆2上の所定の位置に係止して固定し、かつ容易にその係止状態を解除することができるようにしたものである。
図1、図2に示すように、フラットバー2の下面の、固定クランプ体4と反対側の適宜位置に、固定クランプ体4側が深くなるように断面三角形状の切り込みを入れて傾斜面2A,2Aを形成する。
一方、可動クランプ体5を構成するクランプ板51,52の上部間に、鎌形状の締付体6を軸7によって垂直方向回動自在に軸着する。そして、クランプ板51,52の下部間に、前記フラットバー2の下面に形成した傾斜面2A,2Aと接触しながらスライドする傾斜面8aを有する押圧台8を取り付ける。
更にクランプ板51,52の上部中央部の適宜位置に、前記鎌形状の締付体6の先端6aがフラットバー2との間に食い込むときに当たるブロック9を取り付けている。
これにより可動クランプ体5に振動等による力が加わっても、軸7は長孔5B内部をわずかに移動することによって、その衝撃を鎌形状の締付体6に直接伝えることはなく、軸7や鎌形状の締付体6あるいは可動クランプ体5の破損を防止できる。
つまり長孔5Bが可動クランプ体5や締付体6に加わる振動や衝撃を吸収する役目を果たすのであり、そのため鎌形状の締付体6の先端が常にフラットバー2とブロック9の間で確実に固定され、鎌形状の締付体6の強固な係止状態を維持することができる。なお、鎌形状の締付体6に衝撃が加えられても上記と同様の作用をなす。
符号10はクランプ板51,52の上部寄りの中央部間に設けた補強ブロックである。
H形鋼Pをクランプするときには、図1に示す如く、締付体6を上方に持ち上げ、かつ可動クランプ体5を固定クランプ体4と反対側に斜めに倒しながらフラットバー2の長さ方向に沿って移動させる。そして図2のように、H形鋼Pの両方のフランジPFの縁が夫々各クランプ板41,42,51,52の凹部4A,5A内に入る位置まで可動クランプ体5を固定クランプ体4に近づけ、これら両者の間にH形鋼Pを左右から挟みこんで係合するのである。
そして、係合した後、締付体6を下側に回動させ、適宜の工具を用いて衝撃を加える。これにより図2に示す如く、締付体6の先端6aがX点でブロック9と接触し、Y点でフラットバー2と接触し、同時に押圧台8の傾斜面8aとフラットバー2の傾斜面2Aとの接触面Zが夫々強く接触して、可動クランプ体5はフラットバー2に強固に固定されるのである。
前記において図1中、矢印M方向より(図2の右方向に向かって)力がかかった場合には、X点、Y点、Z点の3点に生じる摩擦力による係合力によってフラットバー2は移動せず、可動クランプ体5との係合状態は保たれるのである。
また、作業が終了し可動クランプ体5を解除するときには、締付体6の折曲部分と可動クランプ体5との隙間Sに適宜の工具を差し入れてこじればよく、これにより簡単、迅速に解除することができるのである。
本実施例と前記第1実施例とは、クランプ体の構成において一致し、可動クランプ体の係止手段の点において相違するものである。尚、前記第1実施例と同一の部材には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
この係止手段は、フラットバー2の下面における、固定クランプ体4と反対側の適宜位置に、フラットバー2の長さ方向に連続した円弧状の凹部11,11,・・を形成する一方、固定クランプ体4を構成するクランプ板51,52の上部間にナット12を固着し、該ナット12に締付ボルト13を垂直方向に進退するように螺入せしめる。更にクランプ板51,52の下部間に、前記フラットバー2に形成した凹部11,11,・・に入るピン14,14を複数並行に取り付けることによって構成している。
H形鋼Pをクランプするときには、可動クランプ体5をフラットバー2の長さ方向に沿って移動させる。そして、H形鋼Pの両方のフランジPFの縁が夫々各クランプ板41,42,51,52の凹部4A,5A内に入り係合する位置まで可動クランプ体5を固定クランプ体4に近づけ、これら両者の間にH形鋼Pを左右から挟み込むようにして係合するのである。
その後、締付ボルト13を回して螺進させる。締付ボルト13の先端がH形鋼PのフランジPFに接触した後更に螺進することにより可動クランプ体5は上側に引きつけられ、そのピン14,14がフラットバー2の凹部11,11内に嵌合する。そして締付ボルト13を更に強く締め付けることにより、該可動クランプ体5は締付ボルト13によってH形鋼PのフランジPFをフラットバー2の上面に強く押しつけた状態でフラットバー2に強固に係止されるのである。
本実施例と前記第1実施例とは、可動クランプ体の構成と、可動クランプ体の係止手段の点において相違するものである。尚、前記第1実施例と同一の部材には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
他方の可動クランプ体5を、中央部にフラットバー2を挿通するための緩挿孔15aを穿設したブロック15によって構成する。このブロック15の上下端部に、固定クランプ体4側に向けてフラットバー2と平行な上側の張出部16と下側の張出部17を形成し、上側の張出部16に垂直方向に進退する締付ボルト18を螺装することによって可動クランプ体5の係止手段を構成する。
H形鋼Pをクランプするときには、可動クランプ体5をフラットバー2の長さ方向に沿って移動させる。そして、H形鋼Pの両方のフランジPFの縁が夫々クランプ板41,42と可動クランプ体5の上側の張出部16とフラットバー2との間隙に入る位置まで可動クランプ体5を固定クランプ体4に近づけ、これら両者の間においてH形鋼Pを左右から挟み込むようにして係合する。
その後、締付ボルト18を回して螺進させる。締付ボルト18の先端がH形鋼Pのフランジに接触した後更に螺進することにより可動クランプ体5は上側に引きつけられ、可動クランプ体5の緩挿孔15aの下面と下側の張出部17が、フラットバー2の下面と接触する。
そして更に強く締め付けることにより、該可動クランプ体5は締付ボルト18によってH形鋼PのフランジPFをフラットバー2の上面に強く押しつけた状態でフラットバー2に強固に固定されるのである。
このように本実施例によれば、締付ボルト18とフランジPF、フランジPFとフラットバー2の上面、およびフラットバー2の下面および下側の張出部17の上面と緩挿孔15aの下面の、夫々に生じる摩擦力によって安定した係合状態が保たれるのである。
2 フラットバー
2A フラットバーの傾斜面
3 アンカーナット
4 固定クランプ体
5 可動クランプ体
4A 凹部
5A 凹部
5B 長孔
41 クランプ板
42 クランプ板
51 クランプ板
52 クランプ板
6 鎌形状の締付体
7 鎌形状の締付体の軸
8 押圧台
8a 押圧台の傾斜面
9 ブロック
11 円弧状の凹部
12 ナット
13 締付ボルト
14 ピン
15 ブロック
15a 緩挿孔
16 張出部
17 張出部
18 締付ボルト
Claims (3)
- 建造物を構成するH形鋼を掴むキャッチクランプと、該キャッチクランプと足場とを連結する連結具とからなる足場固定装置のキャッチクランプにおいて、
端部に前記連結具を取り付けるためのアンカーナットを固着したフラットバーに、前記H形鋼のフランジを係合する凹部を設けた一対のクランプ体を、その凹部が向き合うようにして取り付け、前記一対のクランプ体の一方の固定クランプ体はフラットバーの一端側に固定し、他方の可動クランプ体はフラットバーの長さ方向に沿って移動可能とすると共に、係止手段によってフラットバーの所定位置に係止可能とし、
前記固定クランプ体と可動クランプ体を、フラットバーを挟む同形、同大の2枚一組のクランプ板で構成し、
前記可動クランプ体の係止手段を、フラットバーの下面の適宜位置に、固定クランプ体側に向かって深くなるように断面三角形状の切り込みを入れて傾斜面を形成する一方、可動クランプ体を構成するクランプ板の上部間に鎌形状の締付体を垂直方向回動自在に軸着すると共に、クランプ板の下部間に、前記フラットバーの下面に形成した傾斜面と摺動接触する押圧台を取り付け、更にクランプ板の中央部に、前記鎌形状の締付体の先端をフラットバーとの間で固定するブロックを取り付けることによって構成した足場固定装置のキャッチクランプ。 - 前記鎌形状の締付体の基部に長孔を穿設し、この長孔に前記可動クランプ体を構成するクランプ板の上部間に掛け渡した軸を挿通することにより、鎌形状の締付体を垂直方向回動自在に軸着した請求項1記載の足場固定装置のキャッチクランプ。
- 建造物を構成するH形鋼を掴むキャッチクランプと、該キャッチクランプと足場とを連結する連結具とからなる足場固定装置のキャッチクランプにおいて、
端部に前記連結具を取り付けるためのアンカーナットを固着したフラットバーに、前記H形鋼のフランジを係合する凹部を設けた一対のクランプ体を、その凹部が向き合うようにして取り付け、前記一対のクランプ体の一方の固定クランプ体はフラットバーの一端側に固定し、他方の可動クランプ体はフラットバーの長さ方向に沿って移動可能とすると共に、係止手段によってフラットバーの所定位置に係止可能とし、
前記固定クランプ体と可動クランプ体を、フラットバーを挟む同形、同大の2枚一組のクランプ板で構成し、
前記可動クランプ体の係止手段を、フラットバーの下面の適宜位置に連続した円弧状の凹部を形成する一方、可動クランプ体を構成するクランプ板の上部間にナットを固着し、該ナットに締付ボルトを上下方向進退可能に取り付け、更に前記クランプ板の下部間に、前記フラットバーに形成した円弧状の凹部に係合するピンを取り付けることによって構成した足場固定装置におけるキャッチクランプ。
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