JP5195632B2 - パワーユニットの締結構造 - Google Patents
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Description
請求項1に記載の発明は、内燃機関に設けられた接合面と変速機に設けられた接合面とを互いに当接させた状態でこれら接合面に設けられた複数の挿通孔にそれぞれボルトを挿通し、これら複数のボルトによって前記内燃機関と前記変速機とを一体に締結してパワーユニットを形成するパワーユニットの締結構造において、前記接合面における各挿通孔の間に位置するボルトスパン部に、前記ボルトの締結に伴う押圧力の作用によって内燃機関側の前記接合面と変速機側の前記接合面とが互いに密接するように弾性変形する突出部を設けることをその要旨とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載のパワーユニットの締結構造において、前記変速機から前記接合面に伝達される振動に起因して前記ボルトスパン部で発生する固有振動の波形を予め分析し、前記ボルトスパン部における前記固有振動の振幅が最大になる位置に前記突出部を設けることをその要旨とする。
これに対して、ボルトスパン部を挟むように位置する一対の挿通孔の間からオフセットするように接合面の軌跡が延びている場合には、ボルトの締結による押圧力が接合面に作用しにくく、隙間が生じやすい。そのため、振動や騒音を効果的に抑制するためには、上記請求項5に記載されているように、ボルトスパン部のうち、同ボルトスパン部を挟むように位置する一対の挿通孔を結ぶ直線から前記接合面の軌跡がオフセットしているボルトスパン部に突出部を設ける構成を採用することが望ましい。
尚、図3(a)は図2における破線で囲まれた部分Xを拡大して示す拡大図であり、図3(b)は図3(a)におけるb‐b線断面図である。
(1)接合面10,20の加工ばらつきやボルト30を締結するときの組み付け誤差、機関運転に伴う熱膨張に起因する接合面10,20の変形等によりボルトスパン部20aにおいて各接合面10,20が離間して隙間が生じた場合に、弾性変形していた突出部25が対向する接合面10と当接した状態で復元するようになる。そのため、接合面10,20の間に隙間が生じた場合であっても、突出部25が設けられた部位にあっては、突出部25と接合面10とが当接した状態が保たれるようになる。したがって、突出部25を介して接合面10,20が互いに支持されるようになるため、この隙間における接合面10,20の振動が抑制されるようになる。すなわち、ハイブリッドトランスアクスル200から伝達される振動に起因して内燃機関100とハイブリッドトランスアクスル200との接合面10,20で発生する振動や騒音を抑制することができるようになる。
・接合面20の軌跡がオフセットしており、その長さが他のボルトスパン部20b〜20jよりも長くなっているボルトスパン部20aにのみ突出部25を設ける構成を示したが、その他のボルトスパン部20b〜20jに突出部25を設けるようにしてもよい。
・上記実施形態にあっては、図3(a)に示されるようにボルトスパン部20aのほぼ中央に突出部25を設ける構成を例示したが、突出部25を設ける位置は適宜変更することができる。尚、ハイブリッドトランスアクスル200から伝達される振動に起因する接合面10,20の共振の発生を抑制する上では、上記実施形態のように、予め行う実験等の結果に基づいてハイブリッドトランスアクスル200から各接合面10,20に伝達される振動の周波数を分析し、これに基づいて突出部25を設ける位置を設定すればよい。具体的には、共振の発生を効果的に抑制することができるように、突出部25を設けた場合のボルトスパン部における固有振動数が、ハイブリッドトランスアクスル200から伝達される振動の周波数と重ならなくなるように突出部25の位置を設定すればよい。
・上記実施形態にあっては、内燃機関100とハイブリッドトランスアクスル200とを締結することによって構成されるパワーユニットに、本願発明にかかるパワーユニットの締結構造を適用したものを例示した。これに対して、本願発明にかかるパワーユニットの締結構造は、その他の変速機と内燃機関100とを締結するパワーユニットに適用することもできる。
Claims (9)
- 内燃機関に設けられた接合面と変速機に設けられた接合面とを互いに当接させた状態でこれら接合面に設けられた複数の挿通孔にそれぞれボルトを挿通し、これら複数のボルトによって前記内燃機関と前記変速機とを一体に締結してパワーユニットを形成するパワーユニットの締結構造において、
前記接合面における各挿通孔の間に位置するボルトスパン部に、前記ボルトの締結に伴う押圧力の作用によって内燃機関側の前記接合面と変速機側の前記接合面とが互いに密接するように弾性変形する突出部を設ける
ことを特徴とするパワーユニットの締結構造。 - 請求項1に記載のパワーユニットの締結構造において、
前記ボルトスパン部における前記突出部を設ける位置は、同突出部を設けた場合の前記ボルトスパン部の固有振動数が前記変速機から伝達される振動の周波数と重ならないように、前記変速機から伝達される振動の周波数に基づいて設定される
ことを特徴とするパワーユニットの締結構造。 - 請求項1又は請求項2に記載のパワーユニットの締結構造において、
前記ボルトスパン部に設けられる前記突出部の数は、同突出部を設けた場合の前記ボルトスパン部の固有振動数が前記変速機から伝達される振動の周波数と重ならないように、前記変速機から伝達される振動の周波数に基づいて設定される
ことを特徴とするパワーユニットの締結構造。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載のパワーユニットの締結構造において、
前記変速機から前記接合面に伝達される振動に起因して前記ボルトスパン部で発生する固有振動の波形を予め分析し、
前記ボルトスパン部における前記固有振動の振幅が最大になる位置に前記突出部を設ける
ことを特徴とするパワーユニットの締結構造。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載のパワーユニットの締結構造において、
前記突出部は、前記ボルトスパン部のうち、同ボルトスパン部を挟むように位置する一対の前記挿通孔を結ぶ直線から前記接合面の軌跡がオフセットしているボルトスパン部に設けられる
ことを特徴とするパワーユニットの締結構造。 - 請求項1〜5のいずれか一項に記載のパワーユニットの締結構造において、
前記突出部は、前記ボルトスパン部のうち、その軌跡が最も長いボルトスパン部に設けられる
ことを特徴とするパワーユニットの締結構造。 - 請求項1〜6のいずれか一項に記載のパワーユニットの締結構造において、
前記突出部は前記接合面が直線状に延びている部位に設けられる
ことを特徴とするパワーユニットの締結構造。 - 請求項1〜7のいずれか一項に記載のパワーユニットの締結構造において、
前記接合面はフライス盤で平滑になるように切削加工されてなり、
前記突出部は前記切削加工の際に同突出部に対応する位置で前記フライス盤の刃の高さを変更することによって形成される
ことを特徴とするパワーユニットの締結構造。 - 請求項1〜7のいずれか一項に記載のパワーユニットの締結構造において、
前記突出部は平滑な前記接合面上に板状の部材を固定することにより形成される
ことを特徴とするパワーユニットの締結構造。
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