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JP5172207B2 - 固体酸化物型燃料電池の単セル用の薄板体 - Google Patents

固体酸化物型燃料電池の単セル用の薄板体 Download PDF

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Description

本発明は、固体酸化物型燃料電池(以下、「SOFC」と称呼する。)のセラミックス薄板体に関する。
従来から、固体電解質層と、前記固体電解質層の一側面に形成されてその一側面から燃料ガス(例えば、水素等)の供給を受ける燃料極層と、前記固体電解質層の他側面に形成されてその他側面から酸化性ガス(例えば、空気等)の供給を受ける空気極層と、が積層・焼成されてなるSOFCの単セル用の薄板体が知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
特開2006−139966号公報
係る薄板体では、一般に、Ni−YSZサーメット等から構成される燃料極層の熱膨張率はジルコニアから構成される固体電解質層の熱膨張率よりも大きく、LSM(ランタンストロンチウムマンガナイト)等から構成される空気極層の熱膨張率は固体電解質層の熱膨張率と略等しい。従って、焼成された薄板体は、層間の熱膨張率差に起因する内部応力(熱応力)により変形し易い。また、焼成時の層間の収縮量の差異によっても内部応力(熱応力)が発生して変形することがある。
ところで、近年、SOFCの小型化、内部電気抵抗の低減等の目的を達成するために、係る薄板体を極めて薄く形成する試みがなされてきている。このように薄板体を極めて薄く形成すると、薄板体中の支持部(薄板体を支持する層)が薄くなることから上述した薄板体の変形が顕著となり得る。
この場合、種々の問題が発生する。例えば、燃料極層の一側面又は空気極層の他側面と対向する部分に形成される燃料ガス流路又は空気流路は極めて狭い。従って、変形した薄板体がこれらの流路を閉じてしまうという問題が発生する可能性がある。また、薄板体が流路を閉じない程度に変形した場合であっても、空気や燃料ガス等の流体が流路を流れる際の圧力損失が薄板体の変形によって増大するという問題が発生する。
係る薄板体の変形(反り)を低減するためには、例えば、燃料極層の一側面、或いは空気極層の他側面の表面に、熱膨張率の相違に起因して発生する薄板体の反りを低減するための層(反り矯正層)を積層することが考えられる。
しかしながら、この場合、反り矯正層が燃料ガス流路と燃料極層との間、或いは空気流路と空気極層との間に介在することになり、燃料ガス流路から燃料極層の一側面への燃料ガスの流通、或いは空気流路から空気極層の他側面への空気の流通が阻害され得る。この結果、単セル内でのガス透過性が低下し、SOFCの発電効率が低下するという新たな問題が発生し得る。
従って、本発明の目的は、反りが抑制され得、且つガス透過性が十分に確保され得る、極めて薄いSOFCの単セル用の薄板体を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明による固体酸化物型燃料電池の薄板体は、固体電解質層と、前記固体電解質層の一側面に形成された前記固体電解質層よりも熱膨張率が大きい第1電極層であって前記第1電極層の一側面から燃料ガスの供給を受ける第1電極層(燃料極層)と、前記固体電解質層の他側面に形成された第2電極層であって前記第2電極層の他側面から酸化性ガスの供給を受ける第2電極層(空気極層)と、前記第1電極層の一側面に形成された前記第1電極層よりも熱膨張率が小さい多孔質の絶縁体からなる多孔質層(上記反り矯正層に対応)と、が積層・焼成されてなる。
これによれば、固体電解質層と燃料極層との間の熱膨張率差に起因する内部応力に基づく薄板体の変形方向と、燃料極層と多孔質層との間の熱膨張率差に起因する内部応力に基づく薄板体の変形方向とを逆にすることができる。この結果、層間の熱膨張率差に起因する内部応力に対する薄板体の反りを抑制することができる。なお、一般に、この絶縁体からなる多孔質層の材質としてはジルコン等の酸化物が採用され得る。この場合、酸化物の多孔質層が燃料極層の上に形成されることになる。従って、多孔質層が酸素を介して燃料極層の上に安定して密着し得、この結果、上述した反りの抑制効果が安定して発揮され得る。
加えて、燃料極層の一側面(表面)に積層される多孔質層は、多孔質(の絶縁体)からなる。従って、多孔質層が燃料ガス流路と燃料極層との間に介在しても、燃料ガス流路から燃料極層の一側面への燃料ガスの流路が十分に確保され得、燃料ガスの燃料極層の一側面への流通が阻害され難い。この結果、単セル内での燃料ガスの透過性が確保され得、SOFCの発電効率の低下を抑制することができる。
この場合、平面視にて前記薄板体全体に対して前記多孔質層が占める面積の割合が50%以上であることが好適である。これによれば、多孔質層(即ち、上記反り矯正層)による上述した薄板体の反り低減効果を均一且つ十分に発揮することができる。
上記本発明に係る薄板体においては、前記固体電解質層、前記第1電極層、及び前記第2電極層の厚さがそれぞれ、例えば、15〜50μm、3〜50μm、及び3〜50μmとされ、前記多孔質層と前記第1電極層との熱膨張率差が、4〜9.5ppm/Kとされ得る。この場合、前記多孔質層の厚さが10〜30μmであり、前記多孔質層の気孔率が20〜70%であると、上記ガスの透過性を確保しつつ、上記反り低減効果を十分に発揮し得ることが判明した。
これは、上記ガスの透過性が、多孔質層の気孔率が大きいほど、或いは多孔質層の厚さが小さいほど向上する傾向、加えて、多孔質層の気孔率が大きいほど、上記反り低減効果を十分に発揮するために必要な多孔質層の厚さが大きくなる傾向、が存在することに基づく。
また、上記本発明に係る薄板体においては、前記固体電解質層、前記第1電極層、及び前記第2電極層の厚さがそれぞれ、例えば、1〜10μm、50〜250μm、及び3〜50μmとされ、前記多孔質層と前記第1電極層との熱膨張率差が、4〜9.5ppm/Kとされ得る。この場合、前記多孔質層の厚さが10〜50μmであり、前記多孔質層の気孔率が20〜70%であると、上記ガスの透過性を確保しつつ、上記反り低減効果を十分に発揮し得ることが判明した。これも、上記と同様の理由に基づく。
上記本発明に係る薄板体においては、前記第1電極層の一側面において前記多孔質層が形成されていない部分が存在する場合、この部分に、前記薄板体の発電反応により発生した電子を外部へ取り出すための電極端子が形成されることが好適である。即ち、前記端子は、固体電界質層の一側面に直接形成される。
この場合、平面視にて、前記薄板体全体の一部であって前記薄板体全体の面積の50%の面積を有するいかなる領域(好ましくは、薄板体全体と相似形状を有する領域)内においても、同領域に対して前記端子が占める面積の割合が3%以上50%以下であることが好ましい。
この態様は、例えば、平面視にて前記薄板体全体の面積が25mm以上40000mm以下であり、且つ前記端子が互いに離間して4個以上形成されている場合において、平面視にて各端子について他の端子との間隔のうちで最小のものを最小間隔としてそれぞれ取得した場合における前記各最小間隔が0.5mm以上10mm以下となるように複数の前記端子を配置・形成することで達成され得る。
これによれば、平面視にて、薄板体全体の領域内において端子の存在領域が極めて均一に配置され得る。従って、前記第1電極層の一側面において前記端子が形成されていない残りの部分の全体(或いは、95%以上)に多孔質層を形成することで、薄板体全体の領域内において多孔質層の存在領域を極めて均一に配置することができる。この結果、多孔質層による上述した薄板体の反り低減効果を極めて均一且つ十分に発揮することができる。
加えて、薄板体全体の領域内において端子の存在領域が極めて均一に配置されることで、第1電極層の一側面において端子(の根元部)と接触している領域(以下、「端子接触領域」とも称呼する。)の外周の総和を大きくすることができる。ここで、平面視にて薄板体全体から端子を除いた領域から第1電極層の内部へ侵入した燃料ガスは、第1電極層の内部において平面視にて端子が存在する領域内に回り込む特性を有する(以下、「拡散現象」と称呼する。)。このことは、端子接触領域の外周の総和が大きいほど、上記拡散現象がより顕著となることを意味する。従って、上記構成によれば、燃料ガスがより均一に固体電解質層の一側面に到達し得るから、(平面視にて端子の総面積が一定の場合(即ち、ガス透過性が一定の場合)において)SOFCの発電効率をより高めることができる。
また、「端子が占める面積の割合が3%以上50%以下」については、端子の面積割合が小さいほどガスの透過性が向上する傾向、並びに、端子の面積割合が大きいほど端子の内部抵抗が小さくなる傾向が考慮されて決定され得る。
以上、第1電極層の一側面に第1電極層よりも熱膨張率が小さい多孔質の絶縁体からなる多孔質層を形成することで、反りを抑制しつつ、ガス透過性を十分に確保することができることを説明した。同様に、第2電極層の他側面に第2電極層よりも熱膨張率が大きい多孔質の絶縁体からなる多孔質層を形成しても、同様の作用・効果を得ることができる。
この場合も、第1電極層の一側面に多孔質層を形成する場合と同様の理由により、平面視にて前記薄板体全体に対して前記多孔質層が占める面積の割合が50%以上であることが好適である。
また、前記固体電解質層、前記第1電極層、及び前記第2電極層の厚さがそれぞれ、15〜50μm、3〜50μm、及び3〜50μmであり、前記多孔質層と前記第2電極層との熱膨張率差が、1.7〜3.5ppm/Kである場合、前記多孔質層の厚さは20〜40μmであり、前記多孔質層の気孔率は20〜70%であることが好適である。
同様に、前記固体電解質層、前記第1電極層、及び前記第2電極層の厚さがそれぞれ、1〜10μm、50〜250μm、及び3〜50μmであり、前記多孔質層と前記第2電極層との熱膨張率差が、1.7〜3.5ppm/Kである場合、前記多孔質層の厚さは20〜50μmであり、前記多孔質層の気孔率は20〜70%であることが好適である。
加えて、前記第2電極層の他側面において前記多孔質層が形成されていない部分に、前記薄板体の発電反応により発生した電子を外部へ取り出すための電極端子が形成されることが好ましい。
この場合、平面視にて、前記薄板体全体の一部であって前記薄板体全体の面積の50%の面積を有するいかなる領域(好ましくは、薄板体全体と相似形状を有する領域)内においても、同領域に対して前記端子が占める面積の割合が3%以上50%以下であることが好適である。
この態様は、例えば、平面視にて前記薄板体全体の面積が25mm以上40000mm以下であり、且つ前記端子が互いに離間して4個以上形成されている場合において、平面視にて各端子について他の端子との間隔のうちで最小のものを最小間隔としてそれぞれ取得した場合における前記各最小間隔が0.5mm以上10mm以下となるように複数の前記端子を配置・形成することで達成され得る。
以下、図面を参照しつつ本発明の各実施形態に係る薄板体について説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る薄板体10を使用した固体酸化物形燃料電池(SOFC。以下、単に「燃料電池」と称呼する。)Aの破断斜視図である。燃料電池Aは、薄板体10と支持部材20とが交互に積層されることにより形成されている。即ち、燃料電池Aは、スタック構造を備えている。薄板体10は、燃料電池Aの「単セル」とも称呼される。支持部材20は、「インターコネクタ」とも称呼される。
図1の一部拡大図である図2に示すように、隣り合う薄板体10と支持部材20(の区画板部)との間に形成された各空間には、金属からなる集電用のメッシュ(ウール)30が介装・充填されている。各メッシュ30の上下端は、各薄板体10の上下面、並びに各支持部材20の区画板部の上下面にそれぞれ形成された多孔質の金属からなる集電用の焼成膜40に接触している。これにより、各薄板体10の発電反応により発生した電子を、焼成膜40、メッシュ30、及び支持部材20を介して外部へ取り出すことができるようになっている。
なお、図2では、メッシュ30は、各空間の全域に渡って充填されているが、各空間の一部分にのみ充填されていても良い。同様に、図2では、焼成膜40は、各支持部材20の区画板部の上下面の全域に渡って形成されているが、各区画板部の上下面の一部分にのみ形成されていても良い。
燃料電池Aは、例えば、図3に示したように、薄板体10の上面(後述する燃料極層12側)と支持部材20の(区画板部の)下面との間に形成された燃料流路Pfに燃料(燃料ガス)が供給され、且つ、薄板体10の下面(後述する空気極層13側)と支持部材20の(区画板部の)上面との間に形成された空気流路Paに空気が供給されることにより、以下に示す化学反応式(1)及び(2)に基づく発電を行う。
(1/2)・O+2e−→O2− (於:空気極層13) …(1)
+O2−→HO+2e− (於:燃料極層12) …(2)
次に、第1実施形態に係る薄板体10の構造について、図4、及び図5を参照しながら詳細に説明する。図4は薄板体10の斜視図であり、図5は、図4において長さbの辺に平行な4−4線を含むとともに薄板体10の平面に垂直な平面に沿って薄板体10を切断した薄板体10の一部断面図である。
薄板体10は、正方形の平面形状を有する焼成された板体である。薄板体10の一辺の長さa,bは、5mm以上且つ200mm以下である。薄板体10の厚さは、24μm以上且つ360μm以下である。即ち、薄板体10は極めて薄く、反り易い。
薄板体10は、電解質層(固体電解質層)11と、電解質層11の上側面(一側面)に積層・形成された燃料極層12と、電解質層11の下側面(他側面)に積層・形成された空気極層13と、を有している。燃料極層12は、その上側面から上記燃料流路Pf内の燃料ガスの供給を受ける層であり、空気極層13は、その下側面から上記空気流路Pa内の空気の供給を受ける層である。
更に、燃料極層12の上側面(一側面)には、多孔質層14と端子15とが積層・形成されている。端子15は、平面視にて格子状に(図4を参照)且つ側方断面が長方形に(図5を参照)形成されている。多孔質層14は、燃料極層12の上側面において端子15が形成されていない残りの部分の全体(端子15の側面近傍を除く)に亘って形成されている。
端子15の高さは多孔質層14の厚さよりも若干大きい。多孔質層14と端子15の上面には上述した焼成膜40(図2を参照)が形成される。これにより、端子15は、薄板体10の発電反応により発生した電子を、焼成膜40、メッシュ30、及び支持部材20を介して外部へ取り出すことができるようになっている。一方、後述するように、多孔質層14は、薄板体10の反りを抑制するために形成されている。
本例では、電解質層11はセラミックス層であるYSZ(イットリア安定化ジルコニア)の緻密な焼成体である。燃料極層12は、Ni−YSZからなる焼成体であり、多孔質電極層である。空気極層13はLSM(La(Sr)MnO3:ランタンストロンチウムマンガナイト)−YSZからなる焼成体であり、多孔質電極層である。電解質層11、燃料極層12、及び空気極層13の常温から1000℃での平均熱膨張率はそれぞれ、およそ、10.8ppm/K、12.5ppm/K、及び11(10.8)ppm/Kである。即ち、燃料極層12の熱膨張率は電解質層11の熱膨張率よりも大きく、空気極層13の熱膨張率は電解質層11の熱膨張率と(略)等しい。
多孔質層14は、多孔質であって絶縁体である例えばジルコンからなる焼成体である。多孔質層14の気孔率(全体に対して気孔が占める体積の割合)は、10〜80%である。好ましくは、20〜70%(30〜60%)である。多孔質層14の800℃における電気抵抗は、10〜10Ω・mである。多孔質層14の常温から1000℃での平均熱膨張率は、およそ、4.2ppm/Kである。即ち、多孔質層14の熱膨張率は、燃料極層12の熱膨張率よりも小さい。
以上の構成及び寸法を有する、燃料電池Aの単セルとして使用される薄板体10では、燃料極層12の熱膨張率は電解質層11の熱膨張率よりも大きく、多孔質層14の熱膨張率は燃料極層12(及び電解質層11)の熱膨張率よりも小さい。従って、電解質層11−燃料極層12間の熱膨張率差に起因する内部応力に基づく薄板体10の変形方向と、燃料極層12−多孔質層14間の熱膨張率差に起因する内部応力に基づく薄板体の変形方向とを逆にすることができる。この結果、層間の熱膨張率差に起因する内部応力に対する薄板体10全体の変形を小さくすることができる。
また、燃料ガス流路Pf(図3を参照)と燃料極層12との間に介在する多孔質層14は、多孔質からなる。従って、燃料ガス流路Pfから燃料極層12の上側面への燃料ガスの流路が十分に確保され得る。従って、燃料ガスの燃料極層12の上側面への流通が阻害され難い。この結果、薄板体10(単セル)内での燃料ガスの透過性が確保され得、燃料電池Aの発電効率の低下を抑制することができる。
また、上記構成では、平面視にて薄板体10全体に対して多孔質層14が占める面積の割合が50%以上である。従って、多孔質層14による上述した薄板体10の反り低減効果を均一且つ十分に発揮することができる。
加えて、平面視にて、薄板体10全体の領域内において端子15の存在領域が極めて均一に配置されている。具体的には、平面視にて、薄板体10全体の一部であって薄板体10全体の面積の50%の面積を有するいかなる正方形の領域内においても、同正方形領域に対して端子15が占める面積の割合が3%以上50%以下となっている。
そして、燃料極層12の上側面において端子15が形成されていない残りの部分の略全体(95%以上)に亘って多孔質層14が形成されている。即ち、薄板体10全体の領域内において多孔質層14の存在領域も極めて均一に配置されている。この結果、多孔質層14による上述した薄板体10の反り低減効果を極めて均一且つ十分に発揮することができる。
また、上述のように、薄板体10全体の領域内において端子15の存在領域が極めて均一に配置されることにより、燃料極層12の上側面において端子15(の根元部)と接触している領域(上記端子接触領域)の外周の総和が大きい。ここで、平面視にて薄板体10全体から端子15を除いた領域から燃料極層12の内部へ侵入した燃料ガスは、燃料極層12の内部において平面視にて端子15が存在する領域内に回り込む特性を有する(上記拡散現象)。このことは、端子接触領域の外周の総和が大きいほど、上記拡散現象がより顕著となることを意味する。従って、上記実施形態によれば、燃料ガスがより均一に電解質層11の上側面に到達し得る。この結果、平面視にて端子14の総面積が一定の場合(即ち、ガス透過性が一定の場合)において、燃料電池Aの発電効率をより高めることができる。
なお、上記「端子15が占める面積の割合が3%以上50%以下」は、端子15の面積割合が小さいほどガスの透過性が向上する傾向、並びに、端子15の面積割合が大きいほど薄板体10の内部抵抗が小さくなる傾向が考慮されて決定されている。
次に、上記ガスの透過性の確保と上記反り低減効果の発揮とを考慮した場合における、電解質層11、燃料極層12、及び空気極層13の厚さ、多孔質層14と燃料極層12との熱膨張率差、並びに、多孔質層14の厚さと気孔率、の最適な組み合わせについて説明する。
先ず、薄板体10において、電解質層11、燃料極層12、及び空気極層13の厚さがそれぞれ、15〜50μm、3〜50μm、及び3〜50μmであり(即ち、電解質層11により薄板体10が支持される場合であり)、且つ、燃料極層12と多孔質層14との熱膨張率差が4〜9.5ppm/Kである場合について考える。
図6は、このような薄板体10の一例として、電解質層11、燃料極層12、及び空気極層13の厚さがそれぞれ30μm、15μm、及び15μmであり且つ多孔質層14がジルコンからなる薄板体10の試験品(セル)を、多孔質層14の厚さと気孔率との種々の組み合わせについてそれぞれ作製し、各試験品について発電特性と焼成後の反り状態との評価をそれぞれを行った実験の結果を示している。発電特性としては、800℃での定格出力(0.7V)におけるセル出力の出力密度(mW/cm)を使用した。この出力密度が小さいほどガス透過性(燃料ガスの透過性)が低いことを意味する。
図6から理解できるように、多孔質層14の厚さが10μm未満では、反りが大きくて評価不能であった。これは、多孔質層14の厚さが小さすぎて多孔質層14の剛性不足により反り低減効果が十分でないことによるものと考えられる。一方、多孔質層14の厚さが10μm以上では、反り低減効果が十分に発揮され得た。ただし、多孔質層14の厚さが40μm以上では、出力密度が小さかった。これは、多孔質層14の厚さが大きすぎてガス透過性が低くなったことによるものと考えられる。
また、多孔質層14の気孔率が15%以下では、出力密度が小さかった。これは、多孔質層14の気孔率が小さすぎてガス透過性が低くなったことによるものと考えられる。一方、多孔質層14の気孔率が20%以上では、300(mW/cm)以上の十分な出力密度が得られた。ただし、多孔質層14の気孔率が75%以上では、反りが大きかった。これは、多孔質層14の気孔率が大きすぎて多孔質層14の剛性不足により反り低減効果が十分でないことによるものと考えられる。
以上より、この場合、多孔質層14の厚さは10〜30μmであり、気孔率は20〜70%であることが好ましい。これにより、上記ガス(燃料ガス)の透過性を確保しつつ、上記反り低減効果を十分に発揮し得ることが判明した。これは、上記ガスの透過性が、多孔質層14の気孔率が大きいほど、或いは多孔質層14の厚さが小さいほど向上する傾向、加えて、多孔質層14の気孔率が大きいほど、上記反り低減効果を十分に発揮するために必要な多孔質層14の厚さが大きくなる傾向、が存在することに基づくものと推定される。
次に、薄板体10において、電解質層11、燃料極層12、及び空気極層13の厚さがそれぞれ、1〜10μm、50〜250μm、及び3〜50μmであり(即ち、燃料極層12により薄板体10が支持される場合であり)、且つ、燃料極層12と多孔質層14との熱膨張率差が4〜9.5ppm/Kである場合について考える。
図7は、このような薄板体10の一例として、電解質層11、燃料極層12、及び空気極層13の厚さがそれぞれ3μm、90μm、及び15μmであり且つ多孔質層14がジルコンからなる薄板体10の試験品(セル)を、多孔質層14の厚さと気孔率との種々の組み合わせについてそれぞれ作製し、各試験品について発電特性と焼成後の反り状態との評価をそれぞれを行った実験の結果を示している。発電特性としては、図6の場合と同様、800℃での定格出力(0.7V)におけるセル出力の出力密度(mW/cm)を使用した。
図7から理解できるように、多孔質層14の厚さが10μm未満では、反りが大きくて評価不能であった。これは、多孔質層14の厚さが小さすぎて多孔質層14の剛性不足により反り低減効果が十分でないことによるものと考えられる。一方、多孔質層14の厚さが10μm以上では、反り低減効果が十分に発揮され得た。ただし、多孔質層14の厚さが60μm以上では、出力密度が小さかった。これは、多孔質層14の厚さが大きすぎてガス透過性が低くなったことによるものと考えられる。
また、多孔質層14の気孔率が15%以下では、出力密度が小さかった。これは、多孔質層14の気孔率が小さすぎてガス透過性が低くなったことによるものと考えられる。一方、多孔質層14の気孔率が20%以上では、700(mW/cm)以上の十分な出力密度が得られた。ただし、多孔質層14の気孔率が75%以上では、反りが大きかった。これは、多孔質層14の気孔率が大きすぎて多孔質層14の剛性不足により反り低減効果が十分でないことによるものと考えられる。
以上より、この場合、多孔質層14の厚さは10〜50μmであり、気孔率は20〜70%であることが好ましい。これにより、上記ガス(燃料ガス)の透過性を確保しつつ、上記反り低減効果を十分に発揮し得ることが判明した。
以上、上記第1実施形態によれば、燃料極層12の上側面に燃料極層12よりも熱膨張率が小さい多孔質の絶縁体からなる多孔質層14を積層・形成することで、薄板体10の反りを抑制しつつ、ガス透過性を十分に確保することができる。
加えて、平面視にて、多孔質層14、及び端子15が極めて均一に配置されている。この結果、多孔質層14による上述した薄板体10の反り低減効果を極めて均一且つ十分に発揮することができる。
以下、図4、及び図5に示した薄板体10の製造方法の一例について付言する。先ず、正方形のセラミックスシート(電解質層11となる層)の上面に、正方形のシート(燃料極層12となる層)を印刷法により形成し、その上面に多孔質層14に対応する形状のパターン(多孔質層14となる層)を印刷法により形成しこれらを1400℃・1時間にて焼成する。
次いで、その焼成体の下面に、正方形のシート(空気極層13となる層)を同じく印刷法により形成し、これらを1200℃・1時間にて焼成する。そして、その焼成体の上面に、端子15に対応する形状のパターン(端子15となる層)を印刷法により形成し、これらを1000℃・1時間にて焼成する。これにより、図4、及び図5に示した薄板体10が形成される。
なお、本発明は上記第1実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、上記第1実施形態では、図5に示すように、側方断面において、多孔質層14の側面と端子15の側面との間には、僅かな隙間が形成されているが、図8に示すように、側方断面において、多孔質層14と端子15との側面同士を互いに接触させてもよい。
また、上記第1実施形態では、端子15の側方断面が長方形に形成されているが、図9に示すように、端子15の側方断面が略T字状に形成されてもよい。更には、図10に示すように、側方断面において、多孔質層14の上面と端子15の上面とが凸状に形成されてもよい。
また、上記第1実施形態では、平面視にて、端子15が格子状に形成されているが(図4を参照)、図11に示すように、平面視にて、端子15が互いに離間して縦横に整列された複数の島状に形成されてもよい。この場合、平面視にて薄板体10全体の面積が25mm以上40000mm以下であり、且つ端子15が互いに離間して4個以上形成されていて、平面視にて各端子15について他の端子との間隔のうちで最小のものを最小間隔としてそれぞれ取得した場合における各最小間隔が0.5mm以上10mm以下となるように複数の端子15が配置・形成されている。
また、図12に示すように、平面視にて、端子15が、上記第1実施形態のものよりも各枠幅が広い格子状に形成されてもよい。更には、図13に示すように、平面視にて、端子15が、互いに離間して配置された複数の島と、隣り合う島同士を結ぶ橋とから構成される形状に形成されてもよい。
加えて、上記第1実施形態では、燃料極層12の上に多孔質層14が形成されているが、図14及び図15に示すように、燃料極層12の内部に燃料極層12よりも熱膨張率が小さい多孔質の絶縁体からなる多孔質層14が埋設されてもよい。この場合、端子15が不要となる。図14及び図15では、平面視にて、例えば、多孔質層14が格子状に形成されている例が示されている。
このように燃料極層12の内部に多孔質層14が埋設されても、上記第1実施形態と同様の作用・効果を奏し得る。この場合も、平面視にて薄板体10全体に対して多孔質層14が占める面積の割合が50%以上であることが好ましい。また、固体電解質層11、燃料極層12、及び空気極層13の厚さがそれぞれ、15〜50μm、3〜50μm、及び3〜50μmであり、多孔質層14と燃料極層12との熱膨張率差が、4〜9.5ppm/Kであるように構成され得る。また、固体電解質層11、燃料極層12、及び空気極層13の厚さがそれぞれ、1〜10μm、50〜250μm、及び3〜50μmであり、多孔質層14と燃料極層12との熱膨張率差が、4〜9.5ppm/Kであるように構成され得る。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る薄板体10の構造について、図16、及び図17を参照しながら詳細に説明する。図16は第2実施形態の薄板体10の斜視図であり、図17は、図16において長さaの辺に平行な12−12線を含むとともに薄板体10の平面に垂直な平面に沿って薄板体10を切断した薄板体10の一部断面図である。
第2実施形態に係る薄板体10は、空気極層13の下側面に、空気極層13よりも熱膨張率が大きい多孔質の絶縁体からなる多孔質層16、及び、端子17が形成されている点において、上記第1実施形態と異なる。以下、係る相違点を中心に説明する。
上記第1実施形態と同様、第2実施形態の薄板体10は、正方形の平面形状を有する焼成された板体である。薄板体10の一辺の長さa,bは、5mm以上且つ200mm以下である。薄板体10の厚さは、24μm以上且つ360μm以下である。即ち、薄板体10は極めて薄く、反り易い。
薄板体10は、上記第1実施形態と同様、電解質層11と、燃料極層12と、空気極層13とを有している。更に、空気極層13の下側面(他側面)には、多孔質層16と端子17とが積層・形成されている。端子17は、平面視にて格子状に(図12を参照)且つ側方断面が長方形に(図13を参照)形成されている。多孔質層16は、空気極層13の下側面において端子17が形成されていない残りの部分の全体(端子17の側面近傍を除く)に亘って形成されている。
端子17の高さは多孔質層16の厚さよりも若干大きい。多孔質層16と端子17の下面には上述した焼成膜40(図2を参照)が形成される。これにより、端子17は、薄板体10の発電反応により発生した電子を、焼成膜40、メッシュ30、及び支持部材20を介して外部へ取り出すことができるようになっている。一方、後述するように、多孔質層16は、薄板体10の反りを抑制するために形成されている。
本例では、電解質層11、燃料極層12、及び、空気極層13の材質は、上記第1実施形態のものと同じである。即ち、燃料極層12の熱膨張率は電解質層11の熱膨張率よりも大きく、空気極層13の熱膨張率は電解質層11の熱膨張率と(略)等しい。
多孔質層16は、多孔質であって絶縁体であるマグネシアからなる焼成体である。多孔質層16の気孔率(全体に対して気孔が占める体積の割合)は、10〜80%である。好ましくは、20〜70%(30〜60%)である。多孔質層16の電気抵抗は、10〜10Ω・mである。多孔質層16の常温から1000℃での平均熱膨張率は、およそ、14.5ppm/Kである。即ち、多孔質層16の熱膨張率は、空気極層13の熱膨張率よりも大きい。
以上の構成及び寸法を有する、燃料電池Aの単セルとして使用される薄板体10では、燃料極層12の熱膨張率は電解質層11の熱膨張率よりも大きく、多孔質層14の熱膨張率は空気極層13(及び電解質層11)の熱膨張率よりも大きい。従って、電解質層11−燃料極層12間の熱膨張率差に起因する内部応力に基づく薄板体10の変形方向と、空気極層13−多孔質層16間の熱膨張率差に起因する内部応力に基づく薄板体の変形方向とを逆にすることができる。この結果、層間の熱膨張率差に起因する内部応力に対する薄板体10全体の変形を小さくすることができる。
また、空気流路Pa(図3を参照)と空気極層13との間に介在する多孔質層16は、多孔質からなる。従って、空気流路Paから空気極層13の下側面への空気の流路が十分に確保され得る。従って、空気の空気極層13の下側面への流通が阻害され難い。この結果、薄板体10(単セル)内での空気の透過性が確保され得、燃料電池Aの発電効率の低下を抑制することができる。
また、上記構成では、平面視にて薄板体10全体に対して多孔質層16が占める面積の割合が50%以上である。従って、多孔質層16による上述した薄板体10の反り低減効果を均一且つ十分に発揮することができる。
加えて、平面視にて、薄板体10全体の領域内において端子17の存在領域が極めて均一に配置されている。具体的には、平面視にて、薄板体10全体の一部であって薄板体10全体の面積の50%の面積を有するいかなる正方形の領域内においても、同正方形領域に対して端子17が占める面積の割合が3%以上50%以下となっている。
そして、空気極層13の下側面において端子17が形成されていない残りの部分の略全体(95%以上)に亘って多孔質層16が形成されている。即ち、薄板体10全体の領域内において多孔質層16の存在領域も極めて均一に配置されている。この結果、多孔質層16による上述した薄板体10の反り低減効果を極めて均一且つ十分に発揮することができる。
また、上述のように、薄板体10全体の領域内において端子17の存在領域が極めて均一に配置されることにより、空気極層13の下側面において端子17(の根元部)と接触している領域(上記端子接触領域)の外周の総和が大きい。即ち、上記第1実施形態と同様、上記拡散現象がより顕著となる。従って、この第2実施形態によれば、空気がより均一に電解質層11の下側面に到達し得る。この結果、平面視にて端子17の総面積が一定の場合(即ち、ガス透過性が一定の場合)において、燃料電池Aの発電効率をより高めることができる。
なお、上記「端子17が占める面積の割合が3%以上50%以下」は、端子17の面積割合が小さいほどガスの透過性が向上する傾向、並びに、端子17の面積割合が大きいほど薄板体10の内部抵抗が小さくなる傾向が考慮されて決定されている。
次に、上記ガスの透過性の確保と上記反り低減効果の発揮とを考慮した場合における、電解質層11、燃料極層12、及び空気極層13の厚さ、多孔質層16と空気極層13との熱膨張率差、並びに、多孔質層16の厚さと気孔率、の最適な組み合わせについて説明する。
先ず、薄板体10において、電解質層11、燃料極層12、及び空気極層13の厚さがそれぞれ、15〜50μm、3〜50μm、及び3〜50μmであり(即ち、電解質層11により薄板体10が支持される場合であり)、且つ、多孔質層16と空気極層13との熱膨張率差が1.7〜3.5ppm/Kである場合について考える。
図18は、このような薄板体10の一例として、電解質層11、燃料極層12、及び空気極層13の厚さがそれぞれ30μm、15μm、及び15μmであり且つ多孔質層16がマグネシアからなる薄板体10の試験品(セル)を、多孔質層16の厚さと気孔率との種々の組み合わせについてそれぞれ作製し、各試験品について発電特性と焼成後の反り状態との評価をそれぞれを行った実験の結果を示している。発電特性としては、図6の場合と同様、800℃での定格出力(0.7V)におけるセル出力の出力密度(mW/cm)を使用した。
図18から理解できるように、多孔質層16の厚さが20μm未満では、反りが大きくて評価不能であった。これは、多孔質層16の厚さが小さすぎて多孔質層16の剛性不足により反り低減効果が十分でないことによるものと考えられる。一方、多孔質層16の厚さが20μm以上では、反り低減効果が十分に発揮され得た。ただし、多孔質層16の厚さが50μm以上では、出力密度が小さかった。これは、多孔質層16の厚さが大きすぎてガス透過性が低くなったことによるものと考えられる。
また、多孔質層16の気孔率が15%以下では、出力密度が小さかった。これは、多孔質層16の気孔率が小さすぎてガス透過性が低くなったことによるものと考えられる。一方、多孔質層16の気孔率が20%以上では、300(mW/cm)以上の十分な出力密度が得られた。ただし、多孔質層16の気孔率が75%以上では、反りが大きかった。これは、多孔質層16の気孔率が大きすぎて多孔質層16の剛性不足により反り低減効果が十分でないことによるものと考えられる。
以上より、この場合、多孔質層16の厚さは20〜40μmであり、気孔率は20〜70%であることが好ましい。これにより、上記ガス(空気)の透過性を確保しつつ、上記反り低減効果を十分に発揮し得ることが判明した。これは、上記ガスの透過性が、多孔質層16の気孔率が大きいほど、或いは多孔質層16の厚さが小さいほど向上する傾向、加えて、多孔質層16の気孔率が大きいほど、上記反り低減効果を十分に発揮するために必要な多孔質層16の厚さが大きくなる傾向、が存在することに基づくものと推定される。
次に、薄板体10において、電解質層11、燃料極層12、及び空気極層13の厚さがそれぞれ、1〜10μm、50〜250μm、及び3〜50μmであり(即ち、燃料極層12により薄板体10が支持される場合であり)、且つ、多孔質層16と空気極層13との熱膨張率差が1.7〜3.5ppm/Kである場合について考える。
図19は、このような薄板体10の一例として、電解質層11、燃料極層12、及び空気極層13の厚さがそれぞれ3μm、90μm、及び15μmであり且つ多孔質層16がマグネシアからなる薄板体10の試験品(セル)を、多孔質層16の厚さと気孔率との種々の組み合わせについてそれぞれ作製し、各試験品について発電特性と焼成後の反り状態との評価をそれぞれを行った実験の結果を示している。発電特性としては、図6の場合と同様、800℃での定格出力(0.7V)におけるセル出力の出力密度(mW/cm)を使用した。
図19から理解できるように、多孔質層16の厚さが20μm未満では、反りが大きくて評価不能であった。これは、多孔質層16の厚さが小さすぎて多孔質層16の剛性不足により反り低減効果が十分でないことによるものと考えられる。一方、多孔質層16の厚さが20μm以上では、反り低減効果が十分に発揮され得た。ただし、多孔質層16の厚さが60μm以上では、出力密度が小さかった。これは、多孔質層16の厚さが大きすぎてガス透過性が低くなったことによるものと考えられる。
また、多孔質層16の気孔率が15%以下では、出力密度が小さかった。これは、多孔質層16の気孔率が小さすぎてガス透過性が低くなったことによるものと考えられる。一方、多孔質層16の気孔率が20%以上では、650(mW/cm)以上の十分な出力密度が得られた。ただし、多孔質層16の気孔率が75%以上では、反りが大きかった。これは、多孔質層16の気孔率が大きすぎて多孔質層16の剛性不足により反り低減効果が十分でないことによるものと考えられる。
以上より、この場合、多孔質層16の厚さは20〜50μmであり、気孔率は20〜70%であることが好ましい。これにより、上記ガス(空気)の透過性を確保しつつ、上記反り低減効果を十分に発揮し得ることが判明した。
以上、上記第2実施形態によれば、空気極層13の下側面に空気極層13よりも熱膨張率が大きい多孔質の絶縁体からなる多孔質層16を積層・形成することで、薄板体10の反りを抑制しつつ、ガス透過性を十分に確保することができる。
加えて、平面視にて、多孔質層16、及び端子17が極めて均一に配置されている。この結果、多孔質層16による上述した薄板体10の反り低減効果を極めて均一且つ十分に発揮することができる。
以下、図16、及び図17に示した第2実施形態の薄板体10の製造方法の一例について付言する。先ず、正方形のセラミックスシート(電解質層11となる層)の上面に、正方形のシート(燃料極層12となる層)を印刷法により形成し、これらを1400℃・1時間にて焼成する。次いで、その焼成体の下面に、正方形のシート(空気極層13となる層)を同じく印刷法により形成し、更に多孔質層16に対応する形状のパターン(多孔質層16となる層)を印刷法により形成し、これらを1200℃・1時間にて焼成する。
その後、その焼成体の下面に、端子17に対応する形状のパターン(端子17となる層)を印刷法により形成し、1000℃・1時間にて焼成する。これらにより、図16、及び図17に示した第2実施形態の薄板体10が形成される。
なお、本発明は上記第2実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、上記第2実施形態では、図17に示すように、側方断面において、多孔質層16の側面と端子17の側面との間には、僅かな隙間が形成されているが、図20に示すように、側方断面において、多孔質層16と端子17との側面同士を互いに接触させてもよい。
また、上記第2実施形態では、端子17の側方断面が長方形に形成されているが、図21に示すように、端子17の側方断面が略T字状に形成されてもよい。更には、図22に示すように、側方断面において、多孔質層16の下面と端子17の下面とが凸状に形成されてもよい。
また、上記第2実施形態では、平面視にて、端子17が格子状に形成されているが(図16を参照)、図23に示すように、平面視にて、端子17が互いに離間して縦横に整列された複数の島状に形成されてもよい。この場合、平面視にて薄板体10全体の面積が25mm以上40000mm以下であり、且つ端子17が互いに離間して4個以上形成されていて、平面視にて各端子17について他の端子との間隔のうちで最小のものを最小間隔としてそれぞれ取得した場合における各最小間隔が0.5mm以上10mm以下となるように複数の端子17が配置・形成されている。
また、図24に示すように、平面視にて、端子17が、上記第2実施形態のものよりも各枠幅が広い格子状に形成されてもよい。更には、図25に示すように、平面視にて、端子17が、互いに離間して配置された複数の島と、隣り合う島同士を結ぶ橋とから構成される形状に形成されてもよい。
加えて、上記第2実施形態では、空気極層13の下に多孔質層16が形成されているが、図26及び図27に示すように、空気極層13の内部に空気極層13よりも熱膨張率が大きい多孔質の絶縁体からなる多孔質層16が埋設されてもよい。この場合、端子17が不要となる。図26及び図27では、平面視にて、例えば、多孔質層16が格子状に形成されている例が示されている。
このように空気極層13の内部に多孔質層16が埋設されても、上記第2実施形態と同様の作用・効果を奏し得る。この場合も、平面視にて薄板体10全体に対して多孔質層16が占める面積の割合が50%以上であることが好ましい。また、固体電解質層11、燃料極層12、及び空気極層13の厚さがそれぞれ、15〜50μm、3〜50μm、及び3〜50μmであり、多孔質層14と燃料極層12との熱膨張率差が、1.7〜3.5ppm/Kであるように構成され得る。また、固体電解質層11、燃料極層12、及び空気極層13の厚さがそれぞれ、1〜10μm、50〜250μm、及び3〜50μmであり、多孔質層14と燃料極層12との熱膨張率差が、1.7〜3.5ppm/Kであるように構成され得る。
また、燃料極層12の上側面に燃料極層12よりも熱膨張率が小さい多孔質の絶縁体からなる多孔質層14を形成し、且つ、空気極層13の下側面に空気極層13よりも熱膨張率が大きい多孔質の絶縁体からなる多孔質層16を形成してもよい。これによっても、薄板体10の反りを抑制しつつ、ガス透過性を十分に確保することができる。
更には、燃料極層12の内部に燃料極層12よりも熱膨張率が小さい多孔質の絶縁体からなる多孔質層14を埋設し、且つ、空気極層13の内部に空気極層13よりも熱膨張率が大きい多孔質の絶縁体からなる多孔質層16を埋設してもよい。これによっても、薄板体10の反りを抑制しつつ、ガス透過性を十分に確保することができる。
本発明の第1実施形態に係る薄板体を使用したSOFCの破断斜視図である。 図1に示したSOFCの一部拡大図である。 図1に示したSOFCにおける燃料と空気の流通を説明する図である。 図1に示した薄板体の斜視図である。 図4に示した4−4線を含むとともに薄板体の平面と垂直な平面に沿って薄板体を切断した薄板体の一部断面図である。 本発明の第1実施形態に係る薄板体を使用したSOFCであって電解質層により薄板体が支持される場合において、多孔質層の厚さと気孔率の最適な組み合わせを確認するための実験結果を示した表である。 本発明の第1実施形態に係る薄板体を使用したSOFCであって燃料極層により薄板体が支持される場合において、多孔質層の厚さと気孔率の最適な組み合わせを確認するための実験結果を示した表である。 本発明の第1実施形態の変形例に係る薄板体の一部断面図である。 本発明の第1実施形態の他の変形例に係る薄板体の一部断面図である。 本発明の第1実施形態の他の変形例に係る薄板体の一部断面図である。 本発明の第1実施形態の他の変形例に係る薄板体の斜視図である。 本発明の第1実施形態の他の変形例に係る薄板体の斜視図である。 本発明の第1実施形態の他の変形例に係る薄板体の斜視図である。 本発明の第1実施形態の他の変形例に係る薄板体の斜視図である。 図14に示した14−14線を含むとともに薄板体の平面と垂直な平面に沿って薄板体を切断した薄板体の一部断面図である。 本発明の第2実施形態に係る薄板体の斜視図である。 図16に示した12−12線を含むとともに薄板体の平面と垂直な平面に沿って薄板体の一部断面図である。 本発明の第2実施形態に係る薄板体を使用したSOFCであって電解質層により薄板体が支持される場合において、多孔質層の厚さと気孔率の最適な組み合わせを確認するための実験結果を示した表である。 本発明の第2実施形態に係る薄板体を使用したSOFCであって燃料極層により薄板体が支持される場合において、多孔質層の厚さと気孔率の最適な組み合わせを確認するための実験結果を示した表である。 本発明の第2実施形態の変形例に係る薄板体の一部断面図である。 本発明の第2実施形態の他の変形例に係る薄板体の一部断面図である。 本発明の第2実施形態の他の変形例に係る薄板体の一部断面図である。 本発明の第2実施形態の他の変形例に係る薄板体の斜視図である。 本発明の第2実施形態の他の変形例に係る薄板体の斜視図である。 本発明の第1実施形態の他の変形例に係る薄板体の斜視図である。 本発明の第2実施形態の他の変形例に係る薄板体の斜視図である。 図26に示した26−26線を含むとともに薄板体の平面と垂直な平面に沿って薄板体を切断した薄板体の一部断面図である。
符号の説明
10…薄板体、11…電解質層、12…燃料極層、13…空気極層、14,16…多孔質層、端子…15,17

Claims (19)

  1. 固体電解質層と、
    前記固体電解質層の一側面に形成された前記固体電解質層よりも熱膨張率が大きい第1電極層であって前記第1電極層の一側面から燃料ガスの供給を受ける第1電極層と、
    前記固体電解質層の他側面に形成された第2電極層であって前記第2電極層の他側面から酸化性ガスの供給を受ける第2電極層と、
    前記第1電極層の一側面に形成された前記第1電極層よりも熱膨張率が小さい多孔質の絶縁体からなる多孔質層と、
    が積層・焼成されてなる固体酸化物型燃料電池の薄板体であって、
    前記固体電解質層、前記第1電極層、及び前記第2電極層の厚さはそれぞれ、15〜50μm、3〜50μm、及び3〜50μmであり、
    前記多孔質層と前記第1電極層との熱膨張率差は、4〜9.5ppm/Kである薄板体
  2. 請求項1に記載の薄板体において、
    前記多孔質層の厚さは10〜30μmであり、前記多孔質層の気孔率は20〜70%である薄板体。
  3. 固体電解質層と、
    前記固体電解質層の一側面に形成された前記固体電解質層よりも熱膨張率が大きい第1電極層であって前記第1電極層の一側面から燃料ガスの供給を受ける第1電極層と、
    前記固体電解質層の他側面に形成された第2電極層であって前記第2電極層の他側面から酸化性ガスの供給を受ける第2電極層と、
    前記第1電極層の一側面に形成された前記第1電極層よりも熱膨張率が小さい多孔質の絶縁体からなる多孔質層と、
    が積層・焼成されてなる固体酸化物型燃料電池の薄板体であって、
    前記固体電解質層、前記第1電極層、及び前記第2電極層の厚さはそれぞれ、1〜10μm、50〜250μm、及び3〜50μmであり、
    前記多孔質層と前記第1電極層との熱膨張率差は、4〜9.5ppm/Kである薄板体
  4. 請求項3に記載の薄板体において、
    前記多孔質層の厚さは10〜50μmであり、前記多孔質層の気孔率は20〜70%である薄板体。
  5. 請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の薄板体において、
    平面視にて前記薄板体全体に対して前記多孔質層が占める面積の割合が50%以上である薄板体。
  6. 請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の薄板体において、
    前記第1電極層の一側面において前記多孔質層が形成されていない部分に、前記薄板体の発電反応により発生した電子を外部へ取り出すための電極端子が形成された薄板体。
  7. 請求項6に記載の薄板体において、
    平面視にて、前記薄板体全体の一部であって前記薄板体全体の面積の50%の面積を有するいかなる領域内においても、同領域に対して前記端子が占める面積の割合が3%以上50%以下である薄板体。
  8. 請求項7に記載の薄板体において、
    平面視にて前記薄板体全体の面積が25mm以上40000mm以下であり、
    前記端子が互いに離間して4個以上形成されていて、
    平面視にて各端子について他の端子との間隔のうちで最小のものを最小間隔としてそれぞれ取得した場合、前記各最小間隔が0.5mm以上10mm以下である薄板体。
  9. 固体電解質層と、
    前記固体電解質層の一側面に形成された前記固体電解質層よりも熱膨張率が大きい第1電極層であって前記第1電極層の一側面から燃料ガスの供給を受ける第1電極層と、
    前記固体電解質層の他側面に形成された第2電極層であって前記第2電極層の他側面から酸化性ガスの供給を受ける第2電極層と、
    が積層・焼成されてなる固体酸化物型燃料電池の薄板体であって、
    前記第1電極層の内部に、前記第1電極層よりも熱膨張率が小さい多孔質の絶縁体からなる多孔質層が埋設された固体酸化物型燃料電池の薄板体。
  10. 固体電解質層と、
    前記固体電解質層の一側面に形成された前記固体電解質層よりも熱膨張率が大きい第1電極層であって前記第1電極層の一側面から燃料ガスの供給を受ける第1電極層と、
    前記固体電解質層の他側面に形成された第2電極層であって前記第2電極層の他側面から酸化性ガスの供給を受ける第2電極層と、
    前記第2電極層の他側面に形成された前記第2電極層よりも熱膨張率が大きい多孔質の絶縁体からなる多孔質層と、
    が積層・焼成されてなる固体酸化物型燃料電池の薄板体。
  11. 請求項10に記載の薄板体において、
    平面視にて前記薄板体全体に対して前記多孔質層が占める面積の割合が50%以上である薄板体。
  12. 請求項10又は請求項11に記載の薄板体において、
    前記固体電解質層、前記第1電極層、及び前記第2電極層の厚さはそれぞれ、15〜50μm、3〜50μm、及び3〜50μmであり、
    前記多孔質層と前記第2電極層との熱膨張率差は、1.7〜3.5ppm/Kである薄板体。
  13. 請求項12に記載の薄板体において、
    前記多孔質層の厚さは20〜40μmであり、前記多孔質層の気孔率は20〜70%である薄板体。
  14. 請求項10又は請求項11に記載の薄板体において、
    前記固体電解質層、前記第1電極層、及び前記第2電極層の厚さはそれぞれ、1〜10μm、50〜250μm、及び3〜50μmであり、
    前記多孔質層と前記第2電極層との熱膨張率差は、1.7〜3.5ppm/Kである薄板体。
  15. 請求項14に記載の薄板体において、
    前記多孔質層の厚さは20〜50μmであり、前記多孔質層の気孔率は20〜70%である薄板体。
  16. 請求項10乃至請求項15の何れか一項に記載の薄板体において、
    前記第2電極層の他側面において前記多孔質層が形成されていない部分に、前記薄板体の発電反応により発生した電子を外部へ取り出すための電極端子が形成された薄板体。
  17. 請求項16に記載の薄板体において、
    平面視にて、前記薄板体全体の一部であって前記薄板体全体の面積の50%の面積を有するいかなる領域内においても、同領域に対して前記端子が占める面積の割合が3%以上50%以下である薄板体。
  18. 請求項17に記載の薄板体において、
    平面視にて前記薄板体全体の面積が25mm以上40000mm以下であり、
    前記端子が互いに離間して4個以上形成されていて、
    平面視にて各端子について他の端子との間隔のうちで最小のものを最小間隔としてそれぞれ取得した場合、前記各最小間隔が0.5mm以上10mm以下である薄板体。
  19. 固体電解質層と、
    前記固体電解質層の一側面に形成された前記固体電解質層よりも熱膨張率が大きい第1電極層であって前記第1電極層の一側面から燃料ガスの供給を受ける第1電極層と、
    前記固体電解質層の他側面に形成された第2電極層であって前記第2電極層の他側面から酸化性ガスの供給を受ける第2電極層と、
    が積層・焼成されてなる固体酸化物型燃料電池の薄板体であって、
    前記第2電極層の内部に、前記第2電極層よりも熱膨張率が大きい多孔質の絶縁体からなる多孔質層が埋設された固体酸化物型燃料電池の薄板体。
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