JP5165393B2 - グリコール酸又はグリコール酸アンモニウムの製造方法 - Google Patents
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Description
(1) ニトリラーゼをグリコロニトリルに作用させることを含むグリコール酸又はグリコール酸アンモニウムの製造方法において、グリコロニトリルを含む原料中のメタノール濃度を2重量%以下にすることを特徴とするグリコール酸又はグリコール酸アンモニウムの製造方法。
(2) グリコロニトリルを含む原料をストリッピングすることで原料中のメタノール濃度を2重量%以下にすることを特徴とする、(1)に記載のグリコール酸又はグリコール酸アンモニウムの製造方法。
(3) ニトリラーゼが、微生物菌体又はその処理物、あるいは微生物菌体由来のニトリラーゼの固定化物又は懸濁液から選択される何れか1種以上の生体触媒である、(1)又は(2)に記載のグリコール酸又はグリコール酸アンモニウムの製造方法。
(4) ニトリラーゼが、Acinetobacter sp.AK226(受託番号FERM BP-08590)由来のニトリラーゼ、又はAcinetobacter sp.AK226(受託番号FERM BP-08590)のニトリラーゼ遺伝子によってコードされるタンパク質酵素である、(1)から(3)の何れかに記載のグリコール酸又はグリコール酸アンモニウムの製造方法。
(5) ニトリラーゼが、グラム陰性菌及び/またはその処理物の、固定化物及び/または懸濁液から選択される生体触媒である、(1)から(4)の何れかに記載のグリコール酸又はグリコール酸アンモニウムの製造方法。
(6) ニトリラーゼがAcinetobacter属の菌体及び/またはその処理物の、固定化物及び/または懸濁液から選択される生体触媒である、(1)から(5)の何れかに記載のグリコール酸又はグリコール酸アンモニウムの製造方法。
(7) ニトリラーゼがAcinetobacter sp.AK226(受託番号FERM BP-08590)の菌体及び/またはその処理物の、固定化物及び/または懸濁液から選択される生体触媒である、(1)から(6)の何れかに記載のグリコール酸又はグリコール酸アンモニウムの製造方法。
また、原料及び反応液中のメタノールの分析はガスクロマトグラフィーで実施した。ガスクロ本体は島津GC-14B、カラムは強極性カラム(GLサイエンス製TC-FFAP)、インジェクション温度は250℃、カラム温度は50℃×5min、昇温20℃/min、220℃×5min、検出器温度:250℃、検出器はFID、試料注入量は2μLで実施した。
塩化ナトリウム0.1重量%、リン酸二水素カリウム0.1重量%、硫酸マグネシウム七水和物0.05重量%、硫酸第一鉄七水和物0.005重量%、硫酸アンモニウム0.1重量%、硝酸カリウム0.1重量%硫酸マンガン五水和物0.005重量%を含む培養液250mlを三角フラスコに仕込み、pHが7になるように水酸化ナトリウムで調整し、121℃で20分間滅菌した後、アセトニトリル0.5重量%を添加した。これにAcinetobacter sp.AK226を接種して30℃で振とう培養した(前培養)。ミーストパウダー0.3重量%、グルタミン酸ナトリウム0.5重量%、硫酸アンモニウム0.5重量%、リン酸水素二カリウム0.2重量%、リン酸ニ水素カリウム0.15重量%、塩化ナトリウム0.1重量%、硫酸マグネシウム七水和物0.18重量%、塩化マンガン4水和物0.02重量%、塩化カルシウム二水和物0.01重量%、硫酸鉄7水和物0.003重量%、硫酸亜鉛7水和物0.002重量%、硫酸銅5水和物0.002重量%、大豆油2重量%を含む培養液3Lを5Lジャーファーメンターに仕込み、121℃で20分間滅菌した後、前記の前培養液を接種して30℃で通気攪拌を行った。培養開始10時間後から大豆油のフィードを開始した。PHは7になるようにリン酸及びアンモニア水でコントロールし、最終的に約5重量%のAcinetobacter sp.AK226懸濁液を得た。更に0.06Mリン酸バッファーを用いて2回洗浄を行い、最終的にリン酸バッファーに懸濁されたAcinetobacter sp.AK226懸濁液(乾燥菌体濃度10重量%)を得た。
原料グリコロニトリルの調製には東京化成製グリコロニトリル水溶液(52重量%グリコロニトリル)を使用した。東京化成製グリコロニトリル水溶液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、0.90重量%のメタノールを含有することが判明した。これよりもメタノール濃度の高い原料は市販メタノール(和光純薬製)を添加することで調製した。また、メタノール濃度の低い原料は、東京化成製グリコロニトリルを、50℃×40mmHg条件でストリッピング操作を行うことで水と共にメタノールを留去し、濃縮されたグリコロニトリル濃度が元の52重量%に戻るように蒸留水を添加することで調製した。
前記のように得られたAcinetobacter sp.AK226懸濁液(10重量%)と蒸留水を用いて200mL四ツ口フラスコに16.1g菌体懸濁液(乾燥菌体0.16g)を仕込んだ。該フラスコにpH計と温度計を設置し反応液のpHと温度をモニタリングできるようにして、50℃恒温水槽に入れてスターラー攪拌を実施し、内温が50℃になるまでしばらく保持した。次に原料の52重量%グリコロニトリル水溶液を、液体クロマトグラフィー用ポンプを用いて3.6g/Hrでフィードした。原料グリコロニトリル中に安定剤として含まれる硫酸を中和するため、チューブポンプで1.5重量%アンモニア水をフィードした。尚、アンモニア水フィードポンプはpH計による制御で内液pHが6.9±0.1になるようにセットした。反応中は定期的にサンプリングを行い、高速液体クロマトグラフィーでグリコロニトリルとグリコール酸アンモニウム濃度を測定し、定常グリコロニトリル濃度が2重量%以下になるように原料の添加量を調節した。使用したグリコロニトリル水溶液のメタノール濃度と反応の結果は表1、図1、図2、図3に示す。
Claims (7)
- 安定剤としてメタノールを含むホルマリンと青酸から合成されたグリコロニトリルにニトリラーゼを作用させることを含むグリコール酸又はグリコール酸アンモニウムの製造方法において、グリコロニトリルを含む原料中のメタノール濃度を0.5重量%以下にすることを特徴とするグリコール酸又はグリコール酸アンモニウムの製造方法。
- グリコロニトリルを含む原料をストリッピングすることで原料中のメタノールを除去し、メタノール濃度を0.5重量%以下にすることを特徴とする、請求項1に記載のグリコール酸又はグリコール酸アンモニウムの製造方法。
- ニトリラーゼが、微生物菌体又はその処理物、あるいは微生物菌体由来のニトリラーゼの固定化物又は懸濁液から選択される何れか1種以上の生体触媒である、請求項1又は2に記載のグリコール酸又はグリコール酸アンモニウムの製造方法。
- ニトリラーゼが、アシネトバクター・エスピー.(Acinetobacter sp.) AK226(受託番号FERM BP-08590)由来のニトリラーゼ、又はアシネトバクター・エスピー.(Acinetobacter sp.)AK226(受託番号FERM BP-08590)のニトリラーゼ遺伝子によってコードされるタンパク質酵素である、請求項1から3の何れかに記載のグリコール酸又はグリコール酸アンモニウムの製造方法。
- ニトリラーゼが、グラム陰性菌及び/またはその処理物の、固定化物及び/または懸濁液から選択される生体触媒である、請求項1から4の何れかに記載のグリコール酸又はグリコール酸アンモニウムの製造方法。
- ニトリラーゼがアシネトバクター(Acinetobacter)属の菌体及び/またはその処理物の、固定化物及び/または懸濁液から選択される生体触媒である、請求項1から5の何れかに記載のグリコール酸又はグリコール酸アンモニウムの製造方法。
- ニトリラーゼがアシネトバクター・エスピー.(Acinetobacter sp.) AK226(受託番号FERM BP-08590)の菌体及び/またはその処理物の、固定化物及び/または懸濁液から選択される生体触媒である、請求項1から6の何れかに記載のグリコール酸又はグリコール酸アンモニウムの製造方法。
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