JP5162439B2 - イムノクロマトセンサ - Google Patents
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Description
喫煙、睡眠不足等の身体への過剰の負荷、過度のストレスが原因で抗酸化作用が低下すると、活性酸素が増加して酸化ストレスが高い状態になる。
酸化ストレスが高い状態は、上記したように、喫煙、睡眠不足等の身体への過剰の負荷、過度のストレスが原因で陥る症状であるため、これが長く続くと何らかの病気に進行していく可能性がある。また、体内の細胞の酸化が進むと身体が老化するという問題もある。
酸化ストレスが高い状態になると、遺伝子を構成する核酸塩基の一つであるグアノシンが酸化損傷され、細胞外に排出され、そして血液中、尿中に排出されることが知られている。
このため、血液や尿等の体液中の8-ヒドロキシデオキシグアノシンの量を測定することにより、病気になる前の未病の状態で病気になる可能性を発見することができる。
このイムノクロマトセンサを用いれば、測定すべき物質と結合しなかった可視化物質結合抗体が判定部の抗原に結合されて保持されるので、その可視化物質の量によって試液中の測定すべき物質の量を測定することができる。
即ち、測定すべき物質の量が多ければ多い程、可視化物質結合抗体層中の可視化物質結合抗体が測定すべき物質に結合されるため判定部で捕捉される可視化物質結合抗体の量は少なくなり、結果として判定部の色は薄くなり、逆に測定すべき物質の量が少なければ少ない程、判定部の色は濃くなる。
しかし、上記したイムノクロマトセンサは、試液が、毛細管現象により、可視化物質結合抗体層を通って展開層に入り、展開層で試液中の前記測定すべき物質と前記可視化物質結合抗体とが抗体抗原反応した後、判定部を通過するように構成されているため、例えば、何らかの詰まり等が原因で試液が可視化物質結合抗体層から展開層に入っていかないトラブルが発生する可能性がある。このようなトラブルが発生した場合、単に測定ができないだけなら他のセンサを用いてもう一回測定を行えば問題は解決するが、トラブルが発生していることに気付かないと、実際には試液が判定部に到達していないから判定部に色が付いていないにも拘わらず、判定部に色が付いていないから測定すべき物質の量が極めて多いと勘違いしてしまう可能性があるので問題である。
上記した問題は、出願人が提案した低分子物質用のイムノクロマトセンサに限らず、例えば、判定部で、可視化物質結合抗体と結合した測定すべき物質そのものを捕捉するように構成されているイムノクロマトセンサにも同様の問題が生じる。
出願人は、上記した問題点を見出し、本発明を発明するに至った。
本発明は、試液が、可視化物質結合抗体層を通って展開層に入ったことを容易に確認することができるイムノクロマトセンサを提供することを目的としている。
好ましくは、前記前記判定部を外部から目視することができる窓部と、前記可視化物質結合抗体層の少なくとも一部を外部から目視することができる窓部とは一つの窓部で形成され得る。
また、前記試液吸収部は、別体の試液採取パッドで採取した試液を含浸させることができるように構成してもよく、滴下した試液を含浸させることができるように構成されていてもよく、試液を注入することができるように構成されていてもよい。
前記測定すべき物質は、例えば、8-ヒドロキシデオキシグアノシンであり、測定すべき物質の抗体が8OHdG1B1(独立行政法人 産業技術総合研究所 特許生物寄託センター 受託番号FERM P-20122)(本願の出願人が特開2006-056859にて既に提案している抗体)であり得る。
また、前記可視化物質は、例えば、金コロイド等の有色物質であり得る。
さらにまた、前記可視化物質は、ラテックス粒子、着色色素又は蛍光物質の何れか一つであり得る。
また、このように可視化物質結合抗体層の色の変化を利用して試液の流れ具合を確認することができるように構成することにより、試液の流れ具合を確認するための特別な構成を必要としないので、構造が簡単であり、安価に製造できるという効果も奏する。
結果として、試液の詰まり等のトラブルに気付かずに、判定結果を見誤るという問題がなくなる。
また、前記前記判定部を外部から目視することができる窓部と、前記可視化物質結合抗体層の少なくとも一部を外部から目視することができる窓部とは一つの窓部で形成することにより、ハウジングの加工が容易であるという効果を奏する。
前記試液吸収部を、別体の試液採取パッドで採取した試液を含浸させることができるように構成することにより、試液吸収部に直接試液をかける必要がなくなるので、試液の採取が容易である。
また、前記測定すべき物質を、8-ヒドロキシデオキシグアノシンとし、測定すべき物質の抗体を8OHdG1B1(独立行政法人 産業技術総合研究所 特許生物寄託センター 受託番号FERM P-20122)(本願の出願人が特開2006-056859にて既に提案している抗体)とすることによって、「酸化ストレス状態」を手軽に測定することが可能になる。
図中、符号1は基板を示しており、この基板1の上に、テストストリップ2及び試液吸収部3が設けられている。
テストストリップ2は、試液吸収部3に部分的に重ねて配置された試液展開層4と、前記試液展開層4に部分的に重ねて配置された可視化物質結合抗体保持層5と、標識保持層5に部分的に重ねて配置された展開層6とから成る。
可視化物質結合抗体保持層5には、測定すべき物質と特異的に反応する抗体に、その抗体の存在を可視化できる可視化物質を結合させた可視化物質結合抗体が保持されている。具体的には、例えば、測定すべき物質が8-ヒドロキシデオキシグアノシンの場合、その抗体は、8OHdG1B1(独立行政法人 産業技術総合研究所 特許生物寄託センター 受託番号FERM P-20122)(本願の出願人が特開2006-056859にて既に提案している抗体))であり、可視化物質としては金コロイドが挙げられる。この可視化物質結合抗体保持層5に保持された可視化物質結合抗体は、試液展開層4を介して試液が導入されると試液中に溶出する。このため、可視化物質結合抗体保持層5は、使用前(即ち、試液が通過する前)は、可視化物質(例えば、金コロイド)によって色付いているが、使用後、即ち、試液が正常に通過した後は、可視化物質が試液中に溶出してしまうため色が無くなる。具体的には、可視化物質結合抗体保持層5が白いメンブレンから成り、可視化物質が金コロイドである場合には、可視化物質結合抗体保持層5は、使用前は赤色であるが、使用後は白色になる。
展開層6は、前記可視化物質結合抗体保持層5に保持された可視化物質結合抗体と結合して、同抗体を捕捉する固定化用物質が固定された判定部7を有する。この判定部7は、展開層6において測定すべき物質と可視化物質結合抗体とが充分に抗体抗原反応することができるように、可視化物質結合抗体保持層5から充分に離れた位置に設けられている。
この実施例では、カバー10は、ベース基板1における試液吸収部3以外の部分を全て覆うように寸法決めされており、かつ、テストストリップ2に相当する部分には確認用窓11が形成されている。
この確認用窓11は、可視化物質結合抗体保持層5の一部と、展開層6における判定部7が露出するように形成されている。
また、カバー10における判定部7に相当する部分には、判定部7を挟むように色調表12が設けられている。この実施例では、図3における判定部7の左側に測定すべき物質の量が少ない時の色(即ち、濃い色)が、右側に測定すべき物質の量が多い時の色(即ち、薄い色)が印刷されている。
本発明に係るイムノクロマトセンサの作用を示す図であり、(a)は使用前の状態を、(b)は使用後の状態を各々示している。
この説明では、測定すべき物質は、尿中に含まれている8-ヒドロキシデオキシグアノシンの量であり、従って、抗体は、8-ヒドロキシデオキシグアノシンに特異的に反応する抗体(8OHdG1B1(独立行政法人 産業技術総合研究所 特許生物寄託センター 受託番号FERM P-20122)(本願の出願人が特開2006-056859にて既に提案している抗体)であり、可視化物質は金コロイドである。また、判定層に固定されている固定化物質は8-ヒドロキシデオキシグアノシン(8-OHdG)である。
使用者が、試液吸収部3に尿を直接かけるか、別体のスポイト(図示せず)等で試液吸収部3に尿を滴下するか、又は、予め尿をかけておいた別体の採尿パット8を試液吸収部3の上に置くことによって、尿は試液吸収部3に含浸する。試液吸収部3に含浸した尿は、毛細管現象により試液展開層4に入り、試液展開層4の幅全体に広がりながら可視化物質結合抗体保持層5に進む。そして、尿が可視化物質結合抗体保持層5を通過する時に、尿中に、同層5に保持された金コロイドが結合した抗体(8OHdG1B1(独立行政法人 産業技術総合研究所 特許生物寄託センター 受託番号FERM P-20122)(本願の出願人が特開2006-056859にて既に提案している抗体))が溶出する。金コロイド結合抗体が溶出した尿は、そのまま展開層6へ進み、同層6で8-ヒドロキシデオキシグアノシンと金コロイド結合抗体とが抗体抗原反応して、尿中にある8-ヒドロキシデオキシグアノシンに金コロイド結合抗体が結合する。展開層6に入った尿は、さらに、毛細管現象により展開層6を判定部7に向かって進む。
尿が判定部7を通過する時に、既に8-ヒドロキシデオキシグアノシンと結合した金コロイド結合抗体は判定部7を通過するが、8-ヒドロキシデオキシグアノシンと結合していない金コロイド結合抗体は判定部7に固定された固定化物質と結合して判定部7に留まる。このため、判定部7は固定化物質と結合した金コロイド結合抗体の金コロイドの色の作用で赤く見える。
尿中に含まれている8-ヒドロキシデオキシグアノシンの量が多ければ多いほど、8-ヒドロキシデオキシグアノシンと結合しない金コロイド結合抗体の量は少なくなるので判定部7の色は薄くなり、逆に、尿中に含まれている8-ヒドロキシデオキシグアノシンの量が少なければ少ないほど、8-ヒドロキシデオキシグアノシンと結合しない金コロイド結合抗体の量が多くなるので判定部7の色は濃くなる。
使用者は、判定部7の両隣にある色調表12の色と判定部7の色とを比較して、尿中に含まれている8-ヒドロキシデオキシグアノシンの量が多いか否かを判断する。
ところで、上記したように、このイムノクロマトセンサはカバー10の窓部11が、可視化物質結合抗体保持層5の一部が露出するように形成されている。このため、使用者は、窓部11から見える可視化物質結合抗体保持層5の色の変化によって、尿が展開層6に入っているか否かを確認することができる。具体的には、可視化物質結合抗体保持層5は、使用前は、そこに保持されている可視化物質結合抗体の可視化物質、ここでは金コロイドの作用で色付いている。そして、可視化物質結合抗体保持層5は試液、ここでは尿が通過すると、可視化物質結合抗体が試液中に溶出するため同層5の色はなくなる。従って、試液吸収部3から導入した尿が、何らかの原因で展開層6に進まなければ可視化物質結合抗体保持層5の色は変わらないが、試液吸収部3から導入した尿が、正確に展開層6に進めば可視化物質結合抗体保持層5の色が変わる。このため、使用者は、窓部11から見える可視化物質結合抗体保持層5の色によって試液が正確に展開層6に進んでいるか否かを確認することができるため、判定結果を間違えて認識することがない。
2 テストストリップ
3 試液吸収部
4 試液展開層
5 可視化物質結合抗体保持層
6 展開層
7 判定部
8 採尿パッド
10 カバー
11 窓部
11a 窓部
11b 窓部
12 色調表
Claims (8)
- 測定すべき物質を含む試液を導入する試液吸収部と、
測定すべき物質の抗体に、その存在を可視化できる物質を結合させた可視化物質結合抗体を含む可視化物質結合抗体層、及び試液中の前記測定すべき物質と、前記可視化物質結合抗体とが、抗原抗体反応するのに充分な大きさの展開層を備えたテストストリップと、
前記テストストリップを収容するハウジングと
を有し、
前記展開層に、
前記試液内の測定すべき物質と結合しなかった可視化物質結合抗体又は、
前記試液内の測定すべき物質と結合した可視化物質結合抗体
を結合させる抗原が固定された前記判定部が設けられ、
試液が、毛細管現象により、可視化物質結合抗体層を通って展開層に入り、展開層で試液中の前記測定すべき物質と前記可視化物質結合抗体とが抗体抗原反応した後、判定部を通過するように各層が配置され、
前記ハウジングに、少なくとも、前記判定部を外部から目視することができる窓部と、前記可視化物質結合抗体層の少なくとも一部を外部から目視することができる窓部とを設けた
ことを特徴とするイムノクロマトセンサ。 - 前記判定部を外部から目視することができる窓部と、前記可視化物質結合抗体層の少なくとも一部を外部から目視することができる窓部とが一つの窓部で形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載のイムノクロマトセンサ。 - 前記試液吸収部が、別体の試液採取パッドで採取した試液を含浸させることができるように構成されている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のイムノクロマトセンサ。 - 前記試液吸収部が、滴下した試液を含浸させることができるように構成されている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のイムノクロマトセンサ。 - 前記試液吸収部が、試液を注入することができるように構成されている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のイムノクロマトセンサ。 - 前記測定すべき物質が、8-ヒドロキシデオキシグアノシンであり、測定すべき物質の抗体が8OHdG1B1(独立行政法人 産業技術総合研究所 特許生物寄託センター 受託番号FERM P-20122)である
ことを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載のイムノクロマトセンサ。 - 前記可視化物質が、金コロイド粒子であることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載のイムノクロマトセンサ。
- 前記可視化物質がラテックス粒子、着色色素または、蛍光物質の何れかの一つである
ことを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載のイムノクロマトセンサ。
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