本発明は、制御装置、画像処理装置、メモリ情報保存制御方法、メモリ情報保存制御プログラム及び記憶媒体に関し、詳細には、不具合の発生時にメモリ情報を接離可能記憶媒体に保存する制御装置、画像処理装置、メモリ情報保存制御方法、メモリ情報保存制御プログラム及び記憶媒体に関する。
従来から、UNIX(登録商標)等の汎用OS(Operating System)上でアプリケーションプログラムを実行する制御装置においては、アプリケーションプログラムの動作を正常に継続することができない場合には、OSからアプリケーションプログラムを強制的に終了させるという機能が実装されている。例えば、UNIXに代表されるような汎用OSにおいては、アプリケーションプログラムの動作を正常に継続することができない事態が発生すると、アプリケーションプログラムにシグナルを送信して、アプリケーションプログラムの処理を終了させ、OSからアプリケーションプログラムに送信されるシグナルの種類によってコアダンプ処理が実行される。
そして、近年、小型のプリンタ装置、ファクシミリ装置、複写装置、複合装置等のように予め特定の機能を組み込んだ組み込み画像処理装置においても、高機能化の要求からUNIX系の汎用OSをベースとしたOSが採用され、異常発生時等にコアダンプ処理を実行するようになってきている。
OSは、従来、このコアダンプ処理を、図12に示すように実行する。すなわち、OSは、コアダンプ処理を実行するように設定された不具合が発生すると、コアダンプ実行部を呼び出し、コアダンプ実行部が、図12に示すように、まず、コアファイルの名前を作成する(ステップS1001)。このコアファイル名は、不具合を発生させたアプリケーションプログラムの名前、プロセスID等を使用して作成される。次に、コアダンプ実行部は、コアダンプ対象のアプリケーションプログラムの作業ディレクトリにコアファイル名のファイルが作成可能かチェックし(ステップS1002)、作業ディレクトリにコアファイル名のファイルを作成することができないときには、そのままコアダンプ処理を終了する。
ステップS1002で、作業ディレクトリにコアファイル名のファイルを作成することができるときには、コアダンプ実行部は、コアファイル名でファイルの作成を行い(ステップS1003)、アプリケーションプログラムが使用しているメモリ情報をOSの管理するメモリブロックのサイズでファイルに書き込む(ステップS1004)。
メモリ情報のファイルへの書き込みを行うと、コアダンプ実行部は、書き込みが正常に行われたかチェックし(ステップS1005)、書き込みが正常に行われなかったときには、そのままコアダンプ処理を終了する。
書き込みが正常に行われると、コアダンプ実行部は、書き込んだメモリ情報がアプリケーションプログラムが使用しているメモリ中で最後のブロックであるかチェックし(ステップS1006)、最後のブロックでないときには、ステップS1004に戻って、プログラムが使用していたメモリ情報をOSの管理するメモリブロックのサイズでファイルに書き込む処理から上記同様に処理する(ステップS1004〜S1006)。
ステップS1006で、書き込んだメモリ情報がアプリケーションプログラムが使用しているメモリ中で最後のブロックであると、コアダンプ実行部は、コアダンプ処理を終了する。
そして、このようなコアダンプ処理は、ハードディスク等の大容量記憶装置に対してメモリ情報を書き出すことで行われるが、組み込み装置等の小型で安価な装置にあっては、ハードディスク等の大容量記憶装置を、コストを削減する等のために、搭載していないことが多く、このような場合、コアダンプ機能を利用することが困難である。
そして、従来、コアダンプを実行する前に、予め設定した保存サイズに適したコアファイルを生成する技術が提案されている(特許文献1参照)。
また、従来、コアファイルをネットワークを介してリモートのハードディスク装置に出力する技術が提案されている(特許文献2参照)。
特開2007−172414号公報
特開平8−328912号公報
しかしながら、上記公報記載の従来技術にあっては、安価にかつ確実にコアダンプ処理を実行する上で、改良の必要があった。
すなわち、特許文献1記載の従来技術にあっては、保存サイズを限定してコアファイルを生成しているため、保存できるコアファイルが限定され、コアファイルとして保存されなかった情報の解析が必要になった場合、再度情報の取得を行う必要があり、処理効率が悪く、利用性が悪いという問題があった。
また、特許文献2記載の従来技術にあっては、ネットワークを介してコアファイルをリモートの記憶装置に出力しているため、コアファイルの送信を行う装置がネットワークに接続されていない場合や接続されていてもコアファイルを保存するリモートの記憶装置を設置することができない場合には、コアファイルを保存することができず、改良の必要があった。
そこで、本発明は、安価にかつ確実に実行中のプログラムに関するメモリ情報を保存することのできる制御装置、画像処理装置、メモリ情報保存制御方法、メモリ情報保存制御プログラム及び記憶媒体を提供することを目的としている。
本発明の制御装置は、上記目的を達成するために、接離可能記憶装置が接続され、所定タイミングにメモリ上で実行中のプログラムに関するメモリ情報を生成して該接離可能記憶装置に保存するメモリ情報保存処理を行うメモリ情報保存手段を備えた制御装置であって、前記メモリ情報の前記接離可能記憶装置への前記メモリ情報保存処理の実行が不可能であると、該メモリ情報保存処理を停止させる停止手段と、停止中の該メモリ情報保存処理を再開させる再開手段と、該接離可能記憶装置への該メモリ情報保存処理が可能になると、該再開手段を実行させる実行手段と、を備え、該再開手段が、前記接離可能記憶装置に搭載されていることを特徴としている。
また、本発明に係る制御装置は、前記接離可能記憶装置が、停止中の前記メモリ情報保存処理を特定する特定手段を搭載し、前記再開手段が、前記停止手段によって停止されている該メモリ情報保存処理のうち該特定手段で特定される該メモリ情報保存処理を再開させることを特徴としていてもよい。
さらに、本発明の制御装置は、前記特定手段が、停止中の前記メモリ情報保存処理の発生元の前記プログラムのプロセスIDまたはプログラムファイル名によって停止中の該メモリ情報保存処理を特定、あるいは、停止中の該メモリ情報保存処理の全てを特定することを特徴としていてもよい。
また、本発明の制御装置は、前記制御装置が、前記停止手段が前記メモリ情報保存処理を停止させると、その旨を報知する報知手段を備えていることを特徴としていてもよい。
さらに、本発明の制御装置は、前記制御装置が、前記停止手段が停止した前記メモリ情報保存処理を中断させる中断手段を備えていることを特徴としていてもよい。
本発明の画像処理装置は、上記目的を達成するために、プログラムによって画像データに所定の画像処理を施す画像処理装置であって、請求項1から請求項5のいずれかに記載の制御装置を搭載していることを特徴としている。
本発明のメモリ情報保存制御方法は、接離可能記憶装置が接続され、所定タイミングにメモリ上で実行中のプログラムに関するメモリ情報を生成して該接離可能記憶装置に保存するメモリ情報保存処理を行う制御装置の実行するメモリ情報保存制御方法であって、前記メモリ情報の前記接離可能記憶装置への前記メモリ情報保存処理の実行が不可能であると、該メモリ情報保存処理を停止させる停止処理ステップと、停止中の該メモリ情報保存処理を再開させる再開処理ステップと、該接離可能記憶装置への該メモリ情報保存処理が可能になると、該再開処理ステップを実行させる実行処理ステップと、停止中の前記メモリ情報保存処理を特定する特定処理ステップを有し、前記再開処理ステップは、前記停止処理ステップで停止されている該メモリ情報保存処理のうち該特定処理ステップで特定される該メモリ情報保存処理を再開させることを特徴としている。
さらに、本発明のメモリ情報保存制御方法は、前記特定処理ステップが、停止中の前記メモリ情報保存処理の発生元の前記プログラムのプロセスIDまたはプログラムファイル名によって停止中の該メモリ情報保存処理を特定、あるいは、停止中の該メモリ情報保存処理の全てを特定することを特徴としていてもよい。
また、本発明のメモリ情報保存制御方法は、前記停止処理ステップで前記メモリ情報保存処理が停止されると、その旨を報知する報知処理ステップを、有していることを特徴としていてもよい。
本発明のメモリ情報保存制御プログラムは、コンピュータに請求項7から請求項10のいずれかに記載のメモリ情報保存制御方法を実行させることを特徴としている。
本発明によれば、メモリ上で実行中のプログラムに関するメモリ情報を生成して接離可能記憶装置に保存するメモリ情報保存処理を行う際に、該メモリ情報の該接離可能記憶装置への該メモリ情報保存処理の実行が不可能であると、該メモリ情報保存処理を停止し、その後、該接離可能記憶装置への該メモリダンプ処理が可能になると、停止中の該メモリ情報保存処理を再開させるので、メモリ情報保存処理が実行可能な状態となっていることを確認して確実に接離可能記憶装置にメモリ情報を保存することができ、メモリ情報を安価かつ確実に接離可能記憶装置に保存させることができる。
以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施例は、本発明の好適な実施例であるので、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明によって不当に限定されるものではなく、また、本実施の形態で説明される構成の全てが本発明の構成の必須の構成要件ではない。
図1〜図5は、本発明の制御装置、画像処理装置、メモリ情報保存制御方法、メモリ情報保存制御プログラム及び記憶媒体の第1実施例を示す図であり、図1は、本発明の制御装置、画像処理装置、メモリ情報保存制御方法、メモリ情報保存制御プログラム及び記憶媒体の第1実施例を適用した画像処理装置のコントローラボード1のブロック構成図である。
図1において、コントローラボード(制御装置)1は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)10、CPU(Central Processing Unit )11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、NVRAM(Non-Volatile Random Access Memory)14、RTC(リアルタイムクロック;Real Time Clock )15、エンジンインターフェイス16、USB(Universal Serial Bus)インターフェイス17、ネットワークインターフェイス18及び複数の着脱可能記憶装置装着口19a〜19n等を備えており、プリンタ装置、複写装置、ファクシミリ装置、複合装置、スキャナ装置等の画像処理を行う画像処理装置に適用されている。この画像処理装置は、通常、コントローラボード1の他に、操作表示部や印刷エンジンやスキャナエンジン等のエンジンを備えている。
操作表示部は、操作キー及び液晶ディスプレイ等の表示部を備えており、操作キーからは画像処理装置に各種処理を行わせるための各種操作が行われ、表示部(報知手段)には、操作キーからの入力内容や画像処理装置からユーザに通知する各種情報を表示、特に、後述するメモリ情報保存処理制御処理(コアダンプ処理制御処理)で、コアダンプ処理(メモリ情報保存処理)が発生したり、該コアダンプ処理が停止すると、その旨を表示して通知する。
エンジンは、読み取りエンジンや印刷エンジン等を総称したものであり、読み取りエンジンは、例えば、CCD(Charge Coupled Device )を利用したスキャナが用いられていて、原稿を主走査及び副走査して原稿の画像を読み取ってコントローラボード1に渡す。印刷エンジンは、コントローラボード1からの画像データに基づいて、所定の印刷方式、例えば、インク噴射方式や電子写真方式で用紙に画像を形成する。
ROM12は、コントローラボード1の適用されている画像処理装置の基本プログラム、後述するコアダンプ処理制御方法(メモリ情報保存制御方法)を実行するコアダンプ処理制御プログラム(メモリ情報保存制御プログラム)及びこれらの各プログラムの実行に必要なシステムデータが格納されており、ROM12は、書き換え可能なフラッシュROMを用いることで、これらのプログラムやシステムデータを適宜バージョンアップしたり、ソフトウェアの追加を容易に行うことができる。
なお、コントローラボード1の適用されている画像処理装置は、ROM、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory )、EPROM、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory )、CD−RW(Compact Disc Rewritable )、DVD(Digital Video Disk)、SD(Secure Digital)カード、MO(magneto-optic disc)等のコントローラが読み取り可能な記録媒体に記録されている本発明のメモリ情報保存制御方法を実行するメモリ情報保存制御プログラムを読み込んでROM12に導入することで、後述するアプリケーションを正常に実行できない事態等の予め設定されている自体が発生したときに該アプリケーションの使用していたメモリ領域のメモリ情報を着脱可能記憶装置装着口19a〜19nに装着されている着脱可能記憶装置(接離可能記憶装置)30に保存するコアダンプ処理制御方法(メモリ情報保存制御方法)を実行する制御装置であるコントローラボード1を搭載した画像処理装置として構築されている。このコアダンプ処理制御プログラム(メモリ情報保存制御プログラム)は、アセンブラ、C、C++、C#、Java(登録商標)等のレガシープログラミング言語やオブジェクト指向ブログラミング言語等で記述されたコンピュータ実行可能なプログラムであり、上記記録媒体に格納して頒布することができる。
CPU11は、RAM13をワークメモリとして利用して、ROM12内のプログラムを実行し、コントローラボード1の適用されている画像処理装置としての処理を実行するとともに、後述するコアダンプ処理制御処理(メモリ情報保存制御処理)を実行する。
RAM13は、CPU11のワークメモリとして利用され、各種処理途中の情報等が書き込まれる。
ASIC10は、各種画像処理やデータI/O処理等のハードウェア要素を有するカスタムICであり、USBインターフェイス16、エンジンインターフェイス17、ネットワークインターフェイス18の各機能及び着脱可能記憶装置装着口19a〜19nの機能を司る。
NVRAM14は、コントローラボード1の適用されている画像処理装置の電源が切られているときにも記憶内容を保持するメモリであり、画像処理装置の電源がオフの際にも保持する必要のあるデータをCPU11の制御下で記憶する。
RTC15は、発振回路や分周回路等を備え、現在時刻の計時や各種タイマー機能を実行し、CPU11は、このRTC15の計時する現在時刻やタイマー機能を利用して画像処理装置としての各種処理や後述するコアダンプ処理(メモリ情報保存処理)を実行する。
エンジンインターフェイス16には、上記エンジンが接続されており、エンジンインターフェイス16は、エンジンへ制御信号やビデオ信号を渡し、また、エンジンからのステータス信号や読み取り画像データを受け取る。
USBインターフェイス17は、USBコードを介してホストコンピュータやUSB機器に接続され、ホストコンピュータやUSB機器との間でデータの授受を行う。
ネットワークインターフェイス18は、インターネット等のネットワークに接続されており、ネットワークを介してホストコンピュータから送られてくるデータを受信し、また、ネットワークを介してホストコンピュータにデータを送信する。
着脱可能記憶装置装着口19a〜19nには、着脱可能記憶装置30(図2参照)が装着され、着脱可能記憶装置30には、後述するコアダンプ処理(メモリ情報保存処理)で、メモリ情報が保存される。
この着脱可能記憶装置(接離可能記憶装置)30としては、各種記録媒体、例えば、スマートメディア、 コンパクトフラッシュ(CF:登録商標)、マルチメディアカード(MMC)、SDカード(Secure Digital:SD)、メモリスティック(Memory Stick:MS)等のスロットに直接挿入される外部メモリやDVD(Digital Video Disk)、CD−R(Compact Disc Recordable )、CD−RW(Compact Disc Rewritable )及びハードディスク等の着脱可能記憶装置装着口19a〜19nに装着可能な各種記録媒体を用いることができる。
そして、上記コントローラボード1のROM12上には、図2に示すように、OS21、実行機能部22及び基本機能部23a〜23nの各プログラムが格納されており、また、着脱可能記憶装置30上には、再開機能部31のプログラムが格納されている。
OS21としては、例えば、UNIX系のOSが用いられており、画像処理装置の電源がオンになると、コントローラボード1のCPU11によってROM12からOS21がRAM13に読み込まれて、OS21の実行が開始される。OS21は、実行されると、画像処理装置の構成に従って、ROM12から基本機能部23a〜23nを読み込んで、RAM13上で実行する。
基本機能部23a〜23nは、画像処理装置の基本機能を実現させるアプリケーションプログラムであり、例えば、コピー機能、スキャナ機能、プリンタ機能、ファクシミリ機能及び操作表示機能等を実現させるアプリケーションプログラムである。
OS21は、メモリ上で実行中のプログラムに関するメモリ情報を生成して、着脱可能記憶装置30に保存するコアダンプ処理(メモリ情報保存処理)を行うとともに、該コアダンプ処理を停止可能なコアダンプ処理機能部(メモリ情報保存手段)21aを有している。
実行機能部(実行手段)22は、OS21自身以外の実行プログラム(アプリケーションプログラム)をROM12から読み出し、実行を開始する機能を有し、また、その実行プログラムでエラーが発生した場合や実行プログラムの実行が終了した場合には、その旨を検出する機能を有する。さらに、実行機能部22は、マウント処理実行処理部22a、アプリケーション実行処理部22b及びマウント場所通知処理部22cを備えており、マウント処理実行処理部22aは、着脱可能記録装置装着口19a〜19nへの着脱可能記憶装置30の装着の監視を行って、装着された着脱可能記憶装置30をシステムに認識させるマウント処理を実行する。アプリケーション実行処理部22bは、着脱可能記憶装置30に搭載されているアプリケーション、特に、再開機能部31を実行し、マウント場所通知処理部22cは、着脱可能記憶装置30からアプリケーションを実行する際に、着脱可能記憶装置30がシステム上でマウントされている場所を再開機能部31に通知する。
着脱可能記憶装置30に搭載されている再開機能部(再開手段)31は、コアダンプ処理再開処理部31aとコアファイル作成場所通知処理部31bを有し、コアダンプ処理再開処理部31aは、OS21のコアダンプ処理部21aによって停止されたコアダンプ処理を再開させる。コアファイル作成場所通知処理部31bは、実行機能部22から通知された着脱可能記憶装置30のマウントされた場所をコアファイルの作成場所としてコアダンプ処理部21aに通知する。
そして、上述のように、画像処理装置の電源がオンになると、CPU11によってROM12からOS21がRAM13に読み込まれ、OS21の実行が開始されて、画像処理装置の構成に従って、ROM12から基本機能部23a〜23n及び必要な他のアプリケーション、例えば、実行機能部22等を読み込んで、RAM13上で実行する。
すなわち、RAM13上には、図3に示すように、システムプログラム40とアプリケーションプログラム50が配置される。システムプログラム40には、OS21が含まれ、OS21は、登録されているコアファイル作成場所にメモリ情報(コアファイル)を保存するコアダンプ処理を行うコアダンプ機能部21aを有している。
アプリケーションプログラム50としては、上記実行機能部22、操作制御機能部23p、基本機能部23a、23b等を含み、アプリケーション処理を実行する。なお、操作制御機能部23pは、上記操作表示部の機能を実現する。
次に、本実施例の作用を説明する。本実施例の画像処理装置1は、そのコントローラボード1が、アプリケーションの実行に不具合が発生した場合等の予め設定されている事態が発生した場合に、メモリ情報を着脱可能記憶装置装着口19a〜19nに装着された着脱可能装着装置30に保存するコアダンプ処理を行うが、このコアダンプ処理で保存先の着脱可能装着装置30が装着されていない等の保存可能な状況でないときに、コアダンプ処理を停止し、保存可能な状態になると、停止していたコアダンプ処理を再開するコアダンプ制御処理を実行する。
すなわち、コントローラボード1は、予めコアダンプ処理(コアダンプ処理)を実行するように設定された不具合が実行中のアプリケーションプログラム50において発生すると、OS21が、図4及び図5に示すように、コアダンプ機能部21aを呼び出し、コアダンプ機能部21aが、まず、作成するメモリ情報ファイル(コアファイル)の名前を作成する(ステップS101)。コアダンプ機能部21aは、メモリ情報ファイル名(コアファイル名)の作成において、不具合を発生させたアプリケーションプログラムの名前、プロセスID等を使用して行う。
次に、コアダンプ機能部21aは、図5に示すように、作成したコアファイル名を使用してコアファイルの作成を試みる。この場合、コアダンプ機能部21aは、コアファイルの作成場所として、不具合を発生させたプログラムが作業に使用していたディレクトリを選択する。
コアダンプ機能部21aは、対象プログラムの作業ディレクトリにコアファイル名のコアファイルを作成可能か判断し(ステップS102)、コアファイルを作成することができないときには、コアダンプ処理を行うことができないため、そのまま処理を終了する。
ステップS102で、コアファイルを作成することができると、着脱可能記憶装置30を保存場所として、該保存場所にコアファイル名でコアファイルの作成を行うことができるかチェックし(ステップS103)、既に着脱可能記憶装置19a〜19nに空き領域のある着脱可能記憶装置30が装着されていて該着脱可能記憶装置30を保存場所としてコアファイル名でコアファイルの作成が可能であると、該保存場所に上記不具合の発生したアプリケーションプログラムの使用しているメモリ情報を、OS21の管理するメモリブロックのサイズで、該作成したコアファイルに書き込み(ステップS104)、書き込みが正常に行われたかチェックする(ステップS105)。
ステップS105で、書き込みが正常に行われないときには、コアダンプ機能部21aは、メモリ情報を保存することができないと判断して、コアダンプ処理(メモリ情報保存処理)を終了する。
ステップS105で、書き込みが正常に行われたときには、コアダンプ機能部21aは、書き込んだメモリ情報がプログラムが使用しているメモリの中で最後のブロックであるかチェックし(ステップS106)、最後のブロックでないときには、ステップS104に戻って、メモリ情報の書き込みから上記同様に処理する(ステップS104〜S106)。
ステップS106で、書き込んだメモリ情報がプログラムが使用しているメモリの中で最後のブロックであるときには、コアダンプ機能部21aは、コアダンプ処理(メモリ情報保存処理)が最後まで正常に終了したと判断して、メモリ情報保存処理(コアダンプ処理)を終了する。
ステップS103で、着脱可能記憶装置30を保存場所として、該保存場所にコアファイル名でコアファイルの作成を行うことができないとき、例えば、着脱可能記憶装置30が装着されていない、装着されている着脱可能記憶装置30の空き領域がない、コアファイル作成場所が読み込み専用領域である等によってコアファイルの作成を行うことができないときには、コアダンプ機能部21aは、コアダンプ処理を一時停止し、コアダンプ処理が停止したことを、例えば、シリアルコンソールへの表示、画像処理装置の操作表示部のLED等の発光体の点灯、点滅等、ブザーの鳴動の通知方法でユーザに通知して、コアダンプ処理が再開されるのを待つ(ステップS107)。
ユーザは、図5に示すように、このコアダンプ処理停止通知によって、コアダンプ処理が停止したことを認識し、コアダンプ処理を再開させるために、再開機能部31を搭載した着脱可能記憶装置30をいずれかの着脱可能記憶装置装着口19a〜19nに装着する。
実行機能部22は、そのマウント処理実行処理部22aが、着脱可能記憶装置30がいずれかの着脱可能記憶装置装着口19a〜19nに装着されたかを監視し、着脱可能記憶装置30がいずれかの着脱可能記憶装置装着口19a〜19nに装着されると、装着された着脱可能記憶装置30をシステムに認識させるマウント処理を実行する。実行機能部22は、そのアプリケーション実行処理部22bが、該装着された着脱可能記憶装置30に搭載されているアプリケーションであるコアダンプ処理再開処理部31aを実行し、マウント場所通知処理部22cが、着脱可能記憶装置30から該アプリケーションを実行する際に、着脱可能記憶装置30がファイルシステム上でマウントされている場所を、着脱可能記憶装置30の再開機能部31に通知する。このマウント場所通知処理部22cから再開機能部31へのマウント場所の通知方法としては、例えば、再開機能部31の環境変数に設定する方法、再開機能部31の実行時のパラメータとして指定する方法、共有メモリ機能やsocket機能等のプロセス間通信機能を利用した方法等を用いることができる。
そして、着脱可能記憶装置30に搭載されている再開機能部31は、アプリケーション実行処理部22bによって、その再開機能部31が実行されると、そのコアダンプ処理再開処理部31aが、コアダンプ機能部21aに停止中のコアダンプ処理の再開要求を出し、コアダンプ処理を再開させる。このコアダンプ処理を再開する際、再開機能部31は、そのコアファイル作成場所通知処理部31bが、実行機能部22のマウント場所通知処理部22cから通知された着脱可能記憶装置30がマウントされた場所を、コアファイル保存場所として、OS21のコアダンプ機能部21aに通知する。
コアダンプ機能部21aは、再開機能部31によって停止しているコアダンプ処理が再開されると、該再開に際して通知されたコアファイル保存場所にコアファイルの作成を行い(ステップS108)、コアファイルの作成に成功したかチェックする(ステップS109)。
コアダンプ機能部21aは、ステップS109で、コアファイルの作成に失敗すると、コアダンプ処理を行うことができないと判断して、そのまま処理を終了し、コアファイルの作成に成功すると、該保存場所に上記不具合の発生したアプリケーションプログラムの使用しているメモリ情報を、OS21の管理するメモリブロックのサイズで、該作成したコアファイルに書き込んで(ステップS104)、書き込みが正常に行われたかチェックする(ステップS105)。
ステップS105で、書き込みが正常に行われないときには、コアダンプ機能部21aは、メモリ情報を保存することができないと判断して、コアダンプ処理(メモリ情報保存処理)を終了し、ステップS105で、書き込みが正常に行われたときには、書き込んだメモリ情報がプログラムが使用しているメモリの中で最後のブロックであるかチェックする(ステップS106)。ステップS106で、最後のブロックでないときには、コアダンプ機能部21aは、ステップS104に戻って、メモリ情報の書き込みから上記同様に処理し(ステップS104〜S106)、ステップS106で、書き込んだメモリ情報がプログラムが使用しているメモリの中で最後のブロックであると、メモリ情報保存が最後まで正常に終了したと判断して、コアダンプ処理を終了する。
このように、本実施例の画像処理装置のコントローラボード1は、メモリ上で実行中のプログラムに関するメモリ情報を生成して着脱可能記憶装置30に保存するコアダンプ処理(メモリ情報保存処理)を行う際に、着脱可能記憶装置30が着脱可能記憶装置装着口19a〜19nに装着されていない等によって、該メモリ情報の着脱可能記憶装置30へのコアダンプ処理の実行が不可能であると、該コアダンプ処理を停止し、その後、着脱可能記憶装置30が接続される等によって着脱可能記憶装置30へのコアダンプ処理が可能になると、停止中のコアダンプ処理を再開させている。
したがって、コアダンプ処理が実行可能な状態となっていることを確認して確実に着脱可能記憶装置30にメモリ情報を保存することができ、メモリ情報を安価かつ確実に着脱可能記憶装置30に保存させることができる。
図6及び図7は、本発明の制御装置、画像処理装置、メモリ情報保存制御方法、メモリ情報保存制御プログラム及び記憶媒体の第2実施例を示す図であり、図6は、本発明の制御装置、画像処理装置、メモリ情報保存制御方法、メモリ情報保存制御プログラム及び記憶媒体の第2実施例を適用した画像処理装置におけるコントローラボードのROM及び着脱可能記憶装置上のプログラム配置を示す図である。
なお、本実施例は、上記第1実施例の画像処理装置及びそのコントローラボード1と同様の画像処理装置及びコントローラボードに適用したものであり、本実施例の説明においては、第1実施例と同様の構成部分には、同一の符号を付してその説明を省略または簡略化する。
図6において、コントローラボード1のROM12上には、第1実施例と同様のOS21、実行機能部22及び基本機能部23a〜23nの各プログラムが格納されており、また、着脱可能記憶装置30上には、第1実施例と同様のコアダンプ処理再開処理部31aとコアファイル作成場所通知処理部31bを有する再開機能部31のプログラムが格納されているとともに、再開設定機能部32のプログラムが格納されている。
再開設定機能部(特定手段)32は、再開対象記述部32aを有しており、再開対象記述部32aは、再開機能部31がコアダンプ機能部21aに通知するコアダンプ処理を再開する対象が記述されている。すなわち、再開設定機能部32は、再開対象記述部32aの記述内容によって、停止中のコアダンプ処理のうち再開対象のコアダンプ処理を特定する。
また、再開機能部31は、この再開対象記述部32aに記述されている再開対象のコアダンプ処理を再開対象コアダンプ処理として実行機能部22に通知する再開対象コアファイル処理通知部31cを有している。
本実施例の画像処理装置のコントローラボード1は、着脱可能記憶装置30の再開設定機能部32によって、停止した複数のコアダンプ処理から再開する対象のコアダンプ処理を特定して、該コアダンプ処理を再開する。
すなわち、画像処理装置は、いま、図7に示すように、複数のアプリケーション50(50a、50b等)が実行中である場合、予めコアダンプ処理(メモリ情報保存処理)を実行するように設定された不具合が実行中のアプリケーションプログラム50aにおいて発生すると、OS21は、図7に示すように、コアダンプ機能部21aを呼び出し、コアダンプ機能部21aが、コアダンプ処理を開始し、まず、作成するコアファイルの名前を、不具合を発生させたアプリケーションプログラムの名前、プロセスID等を使用して作成する。
次に、コアダンプ機能部21aは、作成したコアファイル名を使用し、コアファイルの作成場所として、不具合を発生させたプログラムが作業に使用していたディレクトリを選択して、コアファイルの作成を試みる。
コアダンプ機能部21aは、対象プログラムの作業ディレクトリにコアファイル名のコアファイルを作成可能か判断し、コアファイルを作成することができないときには、コアダンプ処理を行うことができないため、そのまま処理を終了する。コアダンプ機能部21aは、コアファイルを作成することができると、着脱可能記憶装置30を保存場所として、該保存場所にコアファイル名でコアファイルの作成を行うことができるかチェックし、既に着脱可能記憶装置19a〜19nに着脱可能記憶装置30が装着されていて該着脱可能記憶装置30を保存場所としてコアファイル名でコアファイルの作成が可能であると、該保存場所に上記不具合の発生したアプリケーションプログラムの使用しているメモリ情報を、OS21の管理するメモリブロックのサイズで、該作成したコアファイルに書き込む。コアダンプ機能部21aは、コアファイルの書き込みを行うと、書き込みが正常に行われたかチェックし、書き込みが正常に行われないときには、メモリ情報を保存することができないと判断して、コアダンプ処理(メモリ情報保存処理)を終了する。
コアファイルの書き込みが正常に行われたときには、コアダンプ機能部21aは、書き込んだメモリ情報がプログラムが使用しているメモリの中で最後のブロックであるかチェックし、最後のブロックでないときには、メモリ情報の書き込みから上記同様に処理し、書き込んだメモリ情報がプログラムが使用しているメモリの中で最後のブロックであるときには、コアダンプ機能部21aは、メモリ情報保存が最後まで正常に終了したと判断して、メモリ情報保存処理(コアダンプ処理)を終了する。
そして、コアダンプ機能部21aは、着脱可能記憶装置30を保存場所として、該保存場所にコアファイル名でコアファイルの作成を行うことができないときには、コアダンプ処理を一時停止し、コアダンプ処理が停止したことを、例えば、シリアルコンソールへの表示、画像処理装置の操作表示部のLED等の発光体の点灯、点滅等、ブザーの鳴動の通知方法でユーザに通知して、コアダンプ処理が再開されるのを待つ。
この1つのコアダンプ処理の停止中に、予めコアダンプ処理(メモリ情報保存処理)を実行するように設定された不具合が実行中の他のアプリケーションプログラム50、例えば、アプリケーション50bにおいて発生すると、OS21は、上記同様に、コアダンプ機能部21aを呼び出し、コアダンプ機能部21aは、コアダンプ処理を開始する。コアダンプ機能部21aは、コアダンプ処理を上記同様に処理して、コアファイルの作成を行うことができないときには、コアダンプ処理を一時停止し、コアダンプ処理が停止したことを、例えば、シリアルコンソールへの表示、画像処理装置の操作表示部のLED等の発光体の点灯、点滅等、ブザーの鳴動の通知方法でユーザに通知して、コアダンプ処理が再開されるのを待つ。
ユーザは、コアダンプ処理停止通知によって、コアダンプ処理が停止したことを認識し、コアダンプ処理を再開させるために、再開機能部31を搭載した着脱可能記憶装置30をいずれかの着脱可能記憶装置装着口19a〜19nに装着する。このとき、着脱可能記憶装置30には、再開機能部31だけでなく、再開対象のコアダンプ処理に関する記述である再開対象記述部32aを有する再開設定機能部32を搭載している。
この再開対象記述部32aは、ユーザが再開したいコアダンプ処理を特定するために行う記述であり、再開させるコアダンプ処理の特定方法としては、例えば、不具合を発生させたアプリケーションプログラムのファイル名で特定する方法、プロセスIDで特定する方法、停止しているコアダンプ処理の中からランダムで1つの処理を再開させる方法等を用いることができる。例えば、ある現象が発生している際に、コアダンプ処理になっている対象が判明している場合には、プロセスIDで特定する方法やプログラムファイル名で特定する方法を利用することができ、同じプログラムで複数のプロセスが存在していて、それらの複数のプロセスのうち、複数のプロセスがコアダンプ処理の停止中である場合、コアファイルの取得を行いたいプロセスが判明しているときには、プロセスIDで特定する方法を用いることができる。また、大容量の着脱可能記憶装置30が使用可能で、全てのコアダンプ処理によるコアファイルの格納が可能であることが分かっている場合には、全ての停止しているコアダンプ処理を再開させるようにしてもよい。さらに、どのプロセスがコアダンプ処理の停止中であるかが明らかでないときには、停止中のコアダンプ処理の中からランダムに1つのコアダンプ処理を特定して再開させるようにしてもよい。
実行機能部22は、そのマウント処理実行処理部22aが、着脱可能記憶装置30がいずれかの着脱可能記憶装置装着口19a〜19nに装着されたか監視し、着脱可能記憶装置30がいずれかの着脱可能記憶装置装着口19a〜19nに装着されると、装着された着脱可能記憶装置30をシステムに認識させるマウント処理を実行する。実行機能部22は、そのアプリケーション実行処理部22bが、該装着された着脱可能記憶装置30に搭載されているアプリケーションであるコアダンプ処理再開処理部31aを実行し、マウント場所通知処理部22cが、着脱可能記憶装置30から該アプリケーションを実行する際に、着脱可能記憶装置30がファイルシステム上でマウントされている場所を、着脱可能記憶装置30の裁可機能部31に通知する。このマウント場所通知処理部22cから再開機能部31へのマウント場所の通知方法としては、例えば、再開機能部31の環境変数に設定する方法、再開機能部31の実行時のパラメータとして指定する方法、共有メモリ機能やsocket機能等のプロセス間通信機能を利用した方法等を用いることができる。
そして、着脱可能記憶装置30に搭載されている再開機能部31は、実行機能部22のアプリケーション実行処理部22bによって、その再開機能部31のコアダンプ処理再開処理部31aが実行されると、再開設定機能部32の再開対象記述部32aの読み込みを行って、停止中のコアダンプ処理のうち再開させるコアダンプ処理を特定し、該特定したコアダンプ処理を、再開対象コアファイル処理通知部31cがOS21のコアダンプ機能部21aに通知するとともに、そのコアファイル作成場所通知処理部31bが、実行機能部22のマウント場所通知処理部22cから通知された着脱可能記憶装置30がマウントされた場所を、コアファイル保存場所として、OS21のコアダンプ機能部21aに通知する。
コアダンプ機能部21aは、再開機能部31によって停止しているコアダンプ処理のうち特定されたコアダンプ処理が再開されると、該再開に際して通知されたコアファイル保存場所にコアファイルの作成を行い、コアファイルの作成に成功したかチェックする。
コアダンプ機能部21aは、コアファイルの作成に失敗すると、コアダンプ処理を行うことができないと判断して、そのまま処理を終了し、コアファイルの作成に成功すると、該保存場所に上記不具合の発生したアプリケーションプログラムの使用しているメモリ情報を、OS21の管理するメモリブロックのサイズで、該作成したコアファイルに書き込んで、書き込みが正常に行われたかチェックする。
書き込みが正常に行われないときには、コアダンプ機能部21aは、メモリ情報を保存することができないと判断して、コアダンプ処理(メモリ情報保存処理)を終了し、書き込みが正常に行われたときには、書き込んだメモリ情報がプログラムが使用しているメモリの中で最後のブロックであるかチェックする。最後のブロックでないときには、コアダンプ機能部21aは、メモリ情報の書き込みから上記同様に処理し、書き込んだメモリ情報がプログラムが使用しているメモリの中で最後のブロックであると、メモリ情報保存が最後まで正常に終了したと判断して、コアダンプ処理を終了する。
このように、本実施例の画像処理装置のコントローラボード1は、着脱可能記憶装置30に、停止中のコアダンプ処理を特定する再開対象記述部32aを有する再開設定部32を搭載し、再開機能部31が、OS21のコアダンプ機能部21aによって停止されているコアダンプ処理のうち再開設定部32で特定されるコアダンプ処理を再開させている。
したがって、停止しているコアダンプ処理を選択的に再開させることができるので、停止中の複数のコアダンプ処理のうち、再開対象とするコアダンプ処理に必要なメモリサイズの着脱可能記憶装置30を用意して着脱可能記憶装置装着口19a〜19nに装着することで、コアダンプ処理を実行して、高価で大容量の記憶装置を用いることなく、メモリ情報を保存することができる。
また、本実施例のコントローラボード1は、着脱可能記憶装置30の搭載する再開設定部32が、停止中のコアダンプ処理の発生元のプログラムのプロセスIDまたはプログラムファイル名によって停止中のコアダンプ処理を特定、あるいは、停止中の複数のコアダンプ処理の全てを特定している。
したがって、再開させるコアダンプ処理を複数の特定方法のうち適宜の特定方法を用いて特定することができ、利用性を向上させつつ、適切なコアダンプ処理を実行させることができる。
そして、上述のように停止中の複数のコアダンプ処理のうち、一部のコアダンプ処理のみを再開させると、再開しなかったその他のコアダンプ処理は、そのまま停止状態を保つ。
したがって、1度コアファイルを取得すると、該取得したコアファイルを別の機器(例えば、コンピュータ等)に移して、着脱可能記憶装置30の空き容量を増やしたうえで、再度、着脱可能記憶装置装着光19a〜19nに該着脱可能記憶装置30を装着して、上記同様にコアファイルの取得を行うことができ、着脱可能記憶装置30が、大容量の記憶域を有していない場合にも、全てのコアファイルを順次着脱可能記憶装置30にコアダンプして、処理することができる。
図8〜図11は、本発明の制御装置、画像処理装置、メモリ情報保存制御方法、メモリ情報保存制御プログラム及び記憶媒体の第3実施例を示す図であり、図8は、本発明の制御装置、画像処理装置、メモリ情報保存制御方法、メモリ情報保存制御プログラム及び記憶媒体の第3実施例を適用した画像処理装置におけるコントローラボードのROM及び着脱可能記憶装置上のプログラム配置を示す図である。
なお、本実施例は、上記第1実施例の画像処理装置及びそのコントローラボード1と同様の画像処理装置及びコントローラボードに適用したものであり、本実施例の説明においては、第1実施例と同様の構成部分には、同一の符号を付してその説明を省略または簡略化する。
本実施例の画像処理装置は、停止されたコアダンプ処理を指定して中断することのできるコアダンプ処理制御処理(メモリ情報保存制御処理)を行う。
図8において、コントローラボード1のROM12上には、第1実施例と同様のOS21、実行機能部22、基本機能部23a〜23n及びUI(ユーザインターフェイス)制御部24の各プログラムが格納されており、また、着脱可能記憶装置30上には、第2実施例と同様のコアダンプ処理再開処理部31aとコアファイル作成場所通知処理部31bと再開対象コアファイル処理通知部31cを有する再開機能部31及び再開対象記述部32aを有する再開設定機能部32のプログラムが格納されている。
UI制御部(報知手段、中断手段)24は、停止中コアダンプ処理表示処理部24a、停止中コアファイル処理中断選択肢表示処理部24b及び停止中コアダンプ処理中断通知処理部24cを有している。停止中コアダンプ処理表示処理部24aは、コアダンプ機能部21aが実行中のコアダンプ処理を停止すると、画像処理装置のUI(ユーザインターフェイス)である操作表示部の表示部にコアダンプ処理が停止した旨を表示し、停止中コアファイル処理中断選択肢表示処理部24bは、停止中のコアダンプ処理を中断させる選択肢を操作表示部の表示部に表示する。停止中コアダンプ処理中断通知処理部24cは、停止中コアファイル処理中断選択肢表示処理部24bによって中断の選択されたコアダンプ処理の中断要求をコアダンプ機能部21aに出して、中断させる。
本実施例の画像処理装置のコントローラボード1は、停止したコアダンプ処理を、UIでの選択に応じて、図9及び図10に示すように、中断させる中断処理を行う。なお、図9においては、第1実施例の図4と同様の処理ステップについては、同一のステップナンバーを付して、その説明を簡略化する。
すなわち、画像処理装置は、いま、図9及び図10に示すように、実行中のアプリケーション50において予めコアダンプ処理(メモリ情報保存処理)を実行するように設定された不具合が発生すると、OS21は、コアダンプ機能部21aを呼び出し、コアダンプ機能部21aは、コアダンプ処理を開始し、まず、作成するコアファイルの名前を、不具合を発生させたアプリケーションプログラムの名前、プロセスID等を使用して作成する(ステップS101)。
次に、コアダンプ機能部21aは、作成したコアファイル名を使用し、コアファイルの作成場所として、不具合を発生させたプログラムが作業に使用していたディレクトリを選択して、コアファイルの作成を試みる。
コアダンプ機能部21aは、対象プログラムの作業ディレクトリにコアファイル名のコアファイルを作成可能か判断し(ステップS102)、コアファイルを作成することができないときには、コアダンプ処理を行うことができないため、そのまま処理を終了する。ステップS102で、コアダンプ機能部21aは、コアファイルを作成することができると、着脱可能記憶装置30を保存場所として、該保存場所にコアファイル名でコアファイルの作成を行うことができるかチェックし(ステップS103)、既に着脱可能記憶装置19a〜19nに着脱可能記憶装置30が装着されていて該着脱可能記憶装置30を保存場所としてコアファイル名でコアファイルの作成が可能であると、該保存場所に上記不具合の発生したアプリケーションプログラムの使用しているメモリ情報を、OS21の管理するメモリブロックのサイズで、該作成したコアファイルに書き込む(ステップS104)。コアダンプ機能部21aは、コアファイルの書き込みを行うと、書き込みが正常に行われたかチェックし(ステップS105)、書き込みが正常に行われないときには、メモリ情報を保存することができないと判断して、コアダンプ処理を終了する。
ステップS105で、コアファイルの書き込みが正常に行われたときには、コアダンプ機能部21aは、書き込んだメモリ情報がプログラムが使用しているメモリの中で最後のブロックであるかチェックし(ステップS106)、最後のブロックでないときには、メモリ情報の書き込みから上記同様に処理する(ステップS104〜S106)。ステップS106で、書き込んだメモリ情報がプログラムが使用しているメモリの中で最後のブロックであるときには、コアダンプ機能部21aは、コアダンプ処理が最後まで正常に終了したと判断して、コアダンプ処理を終了する。
ステップS103で、着脱可能記憶装置30を保存場所として、該保存場所にコアファイル名でコアファイルの作成を行うことができないとき、例えば、着脱可能記憶装置30が装着されていない、装着されている着脱可能記憶装置30の空き領域がない、コアファイル作成場所が読み込み専用領域である等によってコアファイルの作成を行うことができないときには、コアダンプ機能部21aは、コアダンプ処理を一時停止し、コアダンプ機能部21aがコアダンプ処理を停止すると、UI制御部24は、その停止中コアダンプ処理表示処理部24aが画像処理装置の操作表示部の表示部にコアダンプ処理が停止された旨を表示するとともに、停止中コアファイル処理中断選択肢表示処理部24bが、画像処理装置の操作表示部の表示部に、例えば、図11に示すような停止通知・中断選択画面を表示して、コアダンプ処理が再開されるか、中断が選択操作されて、中断機能が呼ばれるかチェックする(ステップS201)。このUI制御部24のコアダンプ機能部21aがコアダンプ処理停止の通知をコアダンプ機能部21aから受け取る方法は、例えば、UI制御部24が、コアダンプ機能部21aからのコアダンプ処理停止の通知を常時監視して同期的にコアダンプ処理停止の通知を受け取る方法、シグナル機能のように非同期でコアダンプ処理停止の通知を受け取る方法、または、定期的にOS21に問い合わせて、停止しているコアダンプ処理がないか確認するという方法等を用いることができる。また、コアダンプ機能部21aがUI制御部24にコアダンプ処理停止を通知する方法は、OS21からUI制御部24に直接通知する方法、別のプログラム(例えば、実行機能部22等)にまず通知を行い、そこからUI制御部24に通知する方法等を用いることができる。
UI制御部24は、コアダンプ機能部21aからコアダンプ処理停止の通知を受け取ると、上述のように、停止通知・中断選択画面にコアダンプ処理に問題が発生して停止した旨を表示し、ユーザに対して問題発生を通知するとともに、停止しているコアダンプ処理の中断を可能とする中断ボタン(中断選択肢)を画面に提示して、中断機能が選択されたかチェックする(ステップS202)。
ユーザは、図11に示したような停止通知・中断選択画面で、中断を選択するか、再開機能部31を搭載した着脱可能記憶装置30をいずれかの着脱可能記憶装置装着口19a〜19nに装着する。
ユーザが着脱可能記憶装置30を着脱可能記憶装置装着口19a〜19nのいずれかに装着すると、ステップS202で、停止したコアダンプ処理の再開が選択されたと判断して、上記第2実施例と同様に、停止しているコアダンプ処理を再開する。
UI制御部24は、ユーザが停止通知・中断選択画面で中断を選択すると、停止中コアダンプ処理中断通知処理部24cが、中断の選択されたコアダンプ処理の中断要求を、OS21のコアダンプ機能部21aに出す。
コアダンプ機能部21aは、UI制御部24の停止中コアダンプ処理中断通知処理部24cから中断要求があると、該中断要求に係るコアダンプ処理を中断させて、コアダンプ処理を終了する(ステップS203)。
このように、本実施例のコントローラボード1は、OS21のコアダンプ機能部21aがコアダンプ処理を停止させると、その旨をUI制御部24の表示部に表示する等の方法で報知している。
したがって、シリアル端末(シリアルコンソール)等の特別な装置を使用することなく、画像処理装置等のアプリケーションの処理に問題が発生して停止していることをユーザが知ることができ、問題発生時の情報取得が可能な状態となっていることをユーザが認識して、メモリ情報を適切に取得することができる。
また、本実施例のコントローラボード1は、コアダンプ機能部21aが停止したコアダンプ処理を、UI制御部24の停止中コアファイル処理中断選択肢表示処理部24の表示に応じた選択によって、停止中コアダンプ処理中断通知処理部24cがコアダンプ機能部21aに中断要求を行って、コアダンプ機能部21aが、該中断要求のあったコアダンプ処理を中断させている。
したがって、ユーザによって不要なメモリ情報の取得を中断させることができ、必要ではないメモリ情報がいつまでもメモリ上に存在しつづけ、正常に動作しているプログラムが使用可能なメモリ領域を圧迫する状態を回避することができる。
また、本実施例のコントローラボード1は、OSとしてUNIX系のOSを用いて、該OSの機能を利用して、メモリ情報の保存処理であるコアダンプを行う場合に適用している。
したがって、一般的に使用されている形式で解析に必要な情報を取得することができ、取得した情報を解析するためのソフトウェアも既存のものを利用することができる。その結果、簡単かつ容易に本発明のメモリ情報保存制御を導入することができる。
なお、OSとしては、UNIX系のOSに限るものではなく、上記コアダンプ処理機能(メモリ情報保存機能)を搭載しているか、該コアダンプ処理機能(メモリ情報保存機能)をアプリケーションプログラムで付加できるOSであればいずれのOSであってもよい。
さらに、本実施例の画像処理装置は、画像データに所定の画像処理を施す画像処理装置に制御装置としてのコントローラボード1を搭載している。
したがって、画像処理装置の動作の解析に必要なメモリ情報を適切に着脱可能記憶装置30に保存することができ、画像処理装置の解析を確実かつ効率的に行うことができる。
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例で説明したものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
本発明は、アプリケーションプログラムの不具合発生時にメモリ情報を保存する制御装置、該制御装置を搭載するファクシミリ装置、複合装置、画像読み取り装置等の画像処理装置、該メモリ情報保存制御方法、メモリ情報保存制御プログラム及び記録媒体に利用することができる。
本発明の第1実施例を適用した画像処理装置のコントローラボードのブロック構成図。
図1のROM及び着脱可能記憶装置上のプログラム配置を示す図。
図2のRAM上に展開されるプログラム配置を示す図。
図1のコントローラボードによるコアダンプ制御処理を示すフローチャート。
図1のコントローラボードによるコアダンプ制御処理の処理手順の説明図。
本発明の第2実施例のコントローラボードのROM及び着脱可能記憶装置上のプログラム配置を示す図。
図6のコントローラボードによるコアダンプ制御処理の処理手順の説明図。
本発明の第2実施例のコントローラボードのROM及び着脱可能記憶装置上のプログラム配置を示す図。
第3実施例の中断処理を含むコアダンプ制御処理を示すフローチャート。
第3実施例の中断処理を含むコアダンプ制御処理の処理手順の説明図。
図9及び図10のコアダンプ制御処理で表示される停止通知・中断選択画面の一例を示す図。
従来のコアダンプ処理を示すフローチャート。
符号の説明
1 コントローラボード
10 ASIC
11 CPU
12 ROM
13 RAM
14 NVRAM
15 RTC
16 エンジンインターフェイス
17 USBインターフェイス
18 ネットワークインターフェイス
19a〜19n 着脱可能記憶装置装着口
21 OS
21a コアダンプ処理機能部
22 実行機能部
22a マウント処理実行処理部
22b アプリケーション実行処理部
22c マウント場所通知処理部
23a〜23n 基本機能部
24 UI制御部
24a 停止中コアダンプ処理表示処理部
24b 停止中コアファイル処理中断選択肢表示処理部
24c 停止中コアダンプ処理中断通知処理部
30 着脱可能記憶装置
31 再開機能部31
31a コアダンプ処理再開処理部
31b コアファイル作成場所通知処理部
32 再開設定機能部
32a 再開対象記述部
40 システムプログラム
50 アプリケーションプログラム