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JP5026689B2 - 往復動圧縮機 - Google Patents

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Description

本発明は、例えばシリンダ内でピストンを往復動させることにより空気等の気体を圧縮するのに好適に用いられる往復動圧縮機に関する。
一般に、往復動圧縮機として、シリンダ内でピストンを往復動させることにより空気等の吸込み、圧縮、吐出を行うものが知られている(例えば、特許文献1参照)。このような特許文献1の往復動圧縮機は、アルミニウム合金により形成されたシリンダと、該シリンダ内を往復動するピストンとを備える構成としている。
特開2000−283043号公報
このとき、ピストンが往復動するシリンダの内壁には、アルミニウム合金の表面硬度を高めるために陽極酸化処理による皮膜が形成されている。また、この皮膜の膜厚は、例えば50〜70μm程度に設定されている。
一方、ピストンの外周側にはシリンダの内壁を摺動する幅広形状のライダリングが装着されており、該ライダリングがシリンダの内壁を摺動する。そして、ライダリングは、四フッ化エチレン樹脂等の低摩擦材料によってリング状に形成され、シリンダとピストンとの間の摩耗を減少させると共に、ピストンの傾きを防止している。
ところで、上述した従来技術では、ライダリングは例えば炭素繊維10%を含む四フッ化エチレン樹脂を用いて形成され、摺動面の表面粗さは最大高さRmax25〜30μm程度である。この場合、例えば1.0MPaよりも低い圧力の圧縮気体を吐出するときには、問題なく使用することができる。しかし、圧縮気体の高圧化や圧縮機の長寿命化を図るには、ライダリングの摩擦力が高く、耐摩耗性が不足すると共に、シリンダ内面の摩耗量が多いという問題がある。また、シリンダとライダリングとの間の摩擦力によってピストンに対して抵抗が生じるから、ピストンを駆動するための消費電力が増大するという問題もある。
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、ライダリングとシリンダとの間の摩擦力を低減し、耐久性の向上および省電力化を図ることができる往復動圧縮機を提供することにある。
上述した課題を解決するために請求項1の発明は、アルミニウム合金を用いて筒状に形成され内壁が陽極酸化処理されたアルマイト皮膜が形成されたシリンダと、該シリンダ内を往復動するピストンと、該ピストンの外周に装着され前記シリンダの内壁を摺動するライダリングとを備えた往復動圧縮機において、前記シリンダの前記アルマイト皮膜が形成された内壁は、硬さがビッカース350Hv以上、面粗さがRmax2μm以下に形成し、前記ライダリングは、炭素繊維が5〜15重量%、酸化亜鉛ウィスカが5〜15重量%、かつこれら炭素繊維と酸化亜鉛ウィスカの合計量を15〜30重量%含む四フッ化エチレン樹脂複合材を用いて形成し、前記ライダリングは、その摺動部の面粗さがRmax20μm以下またはRa2μm以下に形成し、前記ライダリングに対して前記シリンダに向けて作用する押付け荷重が0.4MPa以下に設定したことを特徴としている。
請求項1の発明によれば、シリンダのアルマイト皮膜が形成された内壁は、硬さがビッカース350Hv以上、面粗さがRmax2μm以下に形成し、ライダリングは、四フッ化エチレン樹脂複合材を用いて形成し、その摺動部の面粗さがRmax20μm以下またはRa2μm以下に形成したから、ライダリングの表面粗さを低くして摺動時のライダリングの摩擦力を低下することができる。このため、ライダリングおよびシリンダのアルマイト皮膜が形成された内壁の摩耗を低減して耐久性を向上することができると共に、圧縮機の運転時の入力値を小さくすることができ、省電力化を図ることができる。

また、ライダリングは、炭素繊維および酸化亜鉛ウィスカが所定量含まれた四フッ化エチレン樹脂複合材を用いて形成すると共に、ライダリングに対してシリンダに向けて作用する押付け荷重が0.4MPa以下に設定したから、ライダリングおよびシリンダの耐摩耗性を向上することができる。このため、圧縮機の寿命を向上することができ、長期間に亘ってメンテナンスを行う必要がなくなる。
以下、本発明の実施の形態による往復動圧縮機として空気圧縮機を例に挙げ、添付図面に従って詳細に説明する。
図中、1は空気圧縮機の本体部分を構成する圧縮機本体を示し、該圧縮機本体1は、例えば金属材料等により形成されたクランクケース2と、後述のクランク軸3、シリンダ4、ピストン7、連接棒11とによって大略構成されている。
3はクランクケース2に回転可能に設けられたクランク軸で、該クランク軸3には、プーリ3Aが取付けられている。そして、クランク軸3は、モータ(図示せず)によりプーリ3A等を介して回転駆動される。
4はクランクケース2に設けられたシリンダで、該シリンダ4上には、弁座部材5を介してシリンダヘッド6が搭載され、このシリンダヘッド6には、吸込サイレンサ等が接続された吸込ポート6Aと、吐出配管等が接続された吐出ポート6Bとが設けられている。また、弁座部材5には、シリンダ4内に対して吸込ポート6Aを連通,遮断する吸込弁5Aと、シリンダ4内に対して吐出ポート6Bを連通,遮断する吐出弁5Bとが設けられている。
ここで、シリンダ4は、アルミニウム合金鋳物が銅を含むアルミニウム合金ダイカストを用いて筒状に形成されている。このため、シリンダ4は、鋳造物よりも肉厚が薄くなっており、軽量化が図られると共に、加工費が安価に抑えられている。また、シリンダ4の内壁には、アルミニウム合金の表面硬度を高めるために陽極酸化処理が施され、例えば50〜70μm程度の膜厚をもった皮膜(アルマイト皮膜)が形成されている。これにより、シリンダ4の内壁は、その硬さがビッカース350Hv以上に設定されると共に、面粗さが最大高さRmax2μm以下に形成され、後述するライダリング10との間の摩耗を防止している。
7はシリンダ4内に往復動可能に設けられたピストンで、該ピストン7は、シリンダ4内に吸込まれた空気を圧縮するものであり、ピストンピン8等を用いて後述の連接棒11と連結されている。また、ピストン7の外周側には、先端側(シリンダヘッド6側)に位置する狭幅溝7Aと基端側(クランクケース2側)に位置する広幅溝7Bとが形成され、狭幅溝7A、広幅溝7Bには後述のピストンリング9、ライダリング10がそれぞれ取付けられている。そして、ピストン7は、シリンダ4内に空気を圧縮する圧縮室Sを画成している。
9はピストン7の狭幅溝7Aに取付けられたピストンリングで、該ピストンリング9は、シリンダ4の内壁面(内周面)に摺接し、シリンダ4の外周面とピストン7の内壁面との間を封止している。これにより、ピストンリング9は、シリンダ4とピストン7との間から圧縮室S内の空気が漏洩するの防止している。
10はピストン7の広幅溝7Bに取付けられたライダリングで、該ライダリング10は、低摩擦材料としての四フッ化エチレン樹脂複合材を用いてリング状に形成されている。そして、ライダリング10は、シリンダ4の内壁面に摺接し、シリンダ4とピストン7との間の摩耗を減少させると共に、ピストン7の傾きを防止している。
ここで、ライダリング10は、例えば炭素繊維および酸化亜鉛ウィスカを含む四フッ化エチレン樹脂複合材を用いて形成される。このとき、ライダリング10は、炭素繊維が5〜15重量%、酸化亜鉛ウィスカが5〜15重量%、かつこれら炭素繊維と酸化亜鉛ウィスカの合計量を15〜30重量%含む四フッ化エチレン樹脂複合材を用いて形成するのが好ましい。そして、ライダリング10の製造方法としては、基材となる粉状の四フッ化エチレンに炭素繊維、酸化亜鉛ウィスカを配合し、ミキサによって均一に混ぜた後に、圧縮成形および熱処理を行う。このように成形された炭素繊維および酸化亜鉛ウィスカを含む四フッ化エチレン樹脂複合材は、例えば数mm程度の膜厚をもった薄いシート状に切削加工し、ローラ加工によって外周面の研磨加工を施して、表面粗さが最大高さRmax20μm以下または中心線平均粗さRa2μm以下に仕上げられる。これにより、四フッ化エチレン樹脂複合材は、ピストン7の広幅溝7Bに応じた寸法形状に形成され、図2に示すように円筒形状をなしたライダリング10となる。また、ライダリング10は、シリンダ4に向けて作用する押付け荷重が0.4MPa以下に設定するのが好ましい。
以上により、ライダリング10は、摺動抵抗が軽減されると共に、炭素繊維、酸化亜鉛ウィスカによって厚さ方向のつぶれに対する圧縮強度が高められる。これにより、ライダリング10およびシリンダ4の耐久性が向上すると共に、ライダリング10の交換時期が延びるものである。
11はクランク軸3とピストン7とを連結する連接棒で、該連接棒11は、大端部が軸受11Aを介してクランク軸3に回転可能に連結され、小端部が他の軸受11Bを介してピストンピン8に揺動可能に連結されている。
そして、圧縮機の運転時には、モータによってクランク軸3が回転駆動されると、その回転が連接棒11によってピストン7の往復動に変換され、シリンダ4内では、ピストン7が往復動することによって圧縮行程と吐出行程とを交互に行われる。これにより、圧縮行程では、吸込弁5Aが開弁して吐出弁5Bが閉弁し、吸込ポート6Aからシリンダ4内に空気が吸込まれる。また、吐出行程では、吸込弁5Aが閉弁して吐出弁5Bが開弁することにより、シリンダ4内で圧縮された圧縮空気が吐出ポート6Bから外部に吐出される。
本実施の形態による空気圧縮機は上述の如き構成を有するもので、次にその作動について説明する。
まず、電動モータ等を用いてクランク軸3を回転駆動すると、クランク軸3に連結されたピストン7は、シリンダ4内で往復動する。そして、吸込行程では、ピストン7が上死点から下死点に向けて変位するから、シリンダ4内に生じる負圧によって吸込弁5Aが弁座部材5から離座して開弁し、外部の空気が吸込ポート6Aを経由して圧縮室Sに吸込まれる。一方、吐出行程では、ピストン7が下死点から上死点に向けて変位するから、シリンダ4内の空気が圧縮され、圧縮室S内の圧力が上昇する。この結果、圧縮室S内の圧力によって吐出弁5Bが弁座部材5から離座して開弁するから、圧縮室S内の圧縮空気は吐出ポート6Bを経由して空気タンク(図示せず)等に向けて吐出される。
然るに、ピストン7の往復動に伴ってシリンダ4とライダリング10とが互いに摺接するから、シリンダ4とライダリング10との間に摩擦力が生じ、シリンダ4の内壁面およびライダリング10の外周面に摩耗が生じる。このとき、シリンダ4およびライダリング10の摩耗量は、シリンダ4の内壁の硬度と表面粗さ、ライダリング10の材質と表面粗さ、シリンダ4に対するライダリング10の押付け荷重に応じて異なる。
そこで、シリンダ4の内壁の硬度と表面粗さ、ライダリング10の材質と表面粗さ、ライダリング10の押付け荷重を種々の状態に設定し、相対入力値、ライダリング10の摩耗量およびシリンダ4の摩耗量を測定した。その結果を以下の表1に示す。
Figure 0005026689
なお、表1は、負荷(圧縮空気の圧力)が1.0MPaの状態で10000時間連続して空気の圧縮運転を行った場合の結果を示している。また、表1中の相対入力値は、実施例1のライダリング10を用いた場合の入力値(ピストン7駆動用のモータの入力電力値)11kWを基準値としたときに、この基準値に対する差分値を示している。
また、相対入力値の目標値は、基準値よりも増加量が5%以内になる値として、+50W以下とした。また、ライダリング10の摩耗量の目標値は、ライダリング10の合口の間隔および初期の膜厚寸法を考慮して、500μm以下とした。さらに、シリンダ4の摩耗量の目標値は、アルマイト皮膜の初期の膜厚寸法を考慮して、30μm以下とした。
表1において、実施例1ないし実施例8は、シリンダ4の陽極酸化処理の皮膜(アルマイト層)の硬さをビッカース350Hv以上とし、その表面粗さをRmax2μm以下とすると共に、ライダリング10の表面粗さをRmax20μm以下とし、その押付け荷重を0.4MPa以下とした範囲で、ライダリング10の四フッ化エチレン樹脂複合材を種々の組成で形成した場合を示している。
具体的には、実施例1では、ライダリング10の四フッ化エチレン樹脂複合材は、炭素繊維が下限値の5重量%で、炭素繊維と酸化亜鉛ウィスカとの合計量が下限値の15重量%となるように配合している。
実施例2では、ライダリング10の四フッ化エチレン樹脂複合材は、炭素繊維が下限値の5重量%で、酸化亜鉛ウィスカが上限値の15重量%で、かつ炭素繊維と酸化亜鉛ウィスカとの合計量が20重量%となるように配合している。
実施例3では、ライダリング10の四フッ化エチレン樹脂複合材は、酸化亜鉛ウィスカが下限値の5重量%で、炭素繊維と酸化亜鉛ウィスカとの合計量が下限値の15重量%となるように配合している。
実施例4では、ライダリング10の四フッ化エチレン樹脂複合材は、炭素繊維および酸化亜鉛ウィスカがいずれも中央値の10重量%で、炭素繊維と酸化亜鉛ウィスカとの合計量が20重量%となるように配合している。
実施例5では、ライダリング10の四フッ化エチレン樹脂複合材は、炭素繊維が中央値の10重量%で、酸化亜鉛ウィスカが上限値の15重量%で、かつ炭素繊維と酸化亜鉛ウィスカとの合計量が25重量%となるように配合している。
実施例6では、ライダリング10の四フッ化エチレン樹脂複合材は、炭素繊維が上限値の15重量%で、酸化亜鉛ウィスカが下限値の5重量%、炭素繊維と酸化亜鉛ウィスカとの合計量が20重量%となるように配合している。
実施例7では、ライダリング10の四フッ化エチレン樹脂複合材は、炭素繊維が上限値の15重量%で、酸化亜鉛ウィスカが中央値の10重量%で、かつ炭素繊維と酸化亜鉛ウィスカとの合計量が25重量%となるように配合している。
実施例8では、ライダリング10の四フッ化エチレン樹脂複合材は、炭素繊維および酸化亜鉛ウィスカがいずれも上限値の15重量%、炭素繊維と酸化亜鉛ウィスカとの合計量が30重量%となるように配合している。
また、実施例9ないし実施例12は、ライダリング10の四フッ化エチレン樹脂複合材は、炭素繊維および酸化亜鉛ウィスカが中央値の10重量%となるように配合した状態で、シリンダ4の内壁の硬さと表面粗さ、ライダリング10の表面粗さと押付け荷重を種々の状態に設定した場合を示している。
具体的には、実施例9では、シリンダ4の内壁の硬さを下限値のビッカース350Hvに設定している。
実施例10では、シリンダ4の内壁の表面粗さを上限値のRmax2μmに設定している。
実施例11では、ライダリング10の外周面の表面粗さを上限値のRmax20μmに設定している。
実施例12では、ライダリング10の幅寸法(軸方向寸法)を小さくし、シリンダ4に向う押付け荷重を上限値の0.4MPaに設定している。
試験の結果、実施例1〜12の場合には、表1に示すように、運転時の相対入力値、耐久試験後のライダリング10とシリンダ4の摩耗量のいずれも目標値を満足しており、省電力化および長寿命化が可能であることが分かった。
一方、比較例1ないし比較例9は、シリンダ4′の内壁の硬度と表面粗さ、ライダリング10′の材質と表面粗さ、ライダリング10′の押付け荷重のうちいずれかが上記実施例1ないし実施例12の範囲外となった場合を示している。
具体的には、比較例1では、従来のライダリング10′の材質として、酸化亜鉛ウィスカを省き、炭素繊維を10重量%とし、四フッ化エチレン樹脂を90重量%とした四フッ化エチレン樹脂複合材を用いている。試験の結果、比較例1の場合には、相対入力値、ライダリング10′の摩耗量、シリンダ4′の内壁(アルマイト皮膜)の摩耗量のいずれも目標値を満足しなかった。
比較例2では、シリンダ4′の内壁の硬さを下限値以下のビッカース300Hvに設定している。試験の結果、比較例2の場合には、相対入力値は目標値を満足したものの、シリンダ4′の内壁の摩耗量が著しく多く、運転開始から10000時間を経過する前に50μm以上の摩耗が生じた。このため、試験を途中で中断した。
比較例3では、シリンダ4′の内壁の表面粗さを上限値以上のRmax3μmに設定している。試験の結果、比較例3の場合には、相対入力値が目標値よりも高いのに加え、ライダリング10′の摩耗量が著しく多く、運転開始から10000時間を経過する前に1000μm以上の摩耗が生じた。このため、試験を途中で中断した。
比較例4では、ライダリング10′の表面粗さを上限値以上のRmax25μmに設定している。試験の結果、比較例4の場合には、ライダリング10′の摩耗量は目標値を満足したが、相対入力値およびシリンダ4′の摩耗量が目標値を満足しなかった。
比較例5では、ライダリング10′の幅を実施例12よりもさらに小さくし、シリンダ4′に向う押付け荷重を上限値以上の0.5MPaに設定している。試験の結果、比較例5の場合には、相対入力値が目標値よりも高いのに加え、ライダリング10′の摩耗量が著しく多く、運転開始から10000時間を経過する前に1000μm以上の摩耗が生じた。このため、試験を途中で中断した。
比較例6では、ライダリング10′の四フッ化エチレン樹脂複合材は、炭素繊維が下限値以下の3重量%で、酸化亜鉛ウィスカが上限値の15重量%で、かつ炭素繊維と酸化亜鉛ウィスカとの合計量が18重量%となるように配合している。試験の結果、比較例6の場合には、相対入力値およびシリンダ4′の摩耗量は目標値を満足したが、ライダリング10′の摩耗量は765μmとなり、目標値を満足しなかった。
比較例7では、ライダリング10′の四フッ化エチレン樹脂複合材は、炭素繊維が上限値以上の18重量%で、酸化亜鉛ウィスカが下限値の5重量%で、かつ炭素繊維と酸化亜鉛ウィスカとの合計量が23重量%となるように配合している。試験の結果、比較例7の場合には、相対入力値およびライダリング10′の摩耗量は目標値を満足したが、シリンダ4′の摩耗量は40μmとなり、目標値を満足しなかった。
比較例8では、ライダリング10′の四フッ化エチレン樹脂複合材は、酸化亜鉛ウィスカが下限値以下の3重量%で、炭素繊維が上限値の15重量%で、かつ炭素繊維と酸化亜鉛ウィスカとの合計量が18重量%となるように配合している。試験の結果、比較例8の場合でも、比較例7の場合と同様に、相対入力値およびライダリング10′の摩耗量は目標値を満足したが、シリンダ4′の摩耗量は39μmとなり、目標値を満足しなかった。
比較例9では、ライダリング10′の四フッ化エチレン樹脂複合材は、酸化亜鉛ウィスカが上限値以上の18重量%で、炭素繊維が下限値の5重量%で、かつ炭素繊維と酸化亜鉛ウィスカとの合計量が23重量%となるように配合している。試験の結果、比較例9の場合には、相対入力値およびシリンダ4′の摩耗量は目標値を満足したが、ライダリング10′の摩耗量は698μmとなり、目標値を満足しなかった。
かくして、本実施の形態では、シリンダ4の内壁は、その硬さがビッカース350Hv以上で、かつ面粗さがRmax2μm以下に形成し、ライダリング10は、四フッ化エチレン樹脂複合材を用いて形成し、その摺動部(外周面)の面粗さがRmax20μm以下またはRa2μm以下に形成した。これにより、ライダリング10の表面粗さを低くして摺動時のライダリング10の摩擦力を低下させることができるから、ライダリング10およびシリンダ4の内壁の摩耗を低減して耐久性を向上することができると共に、圧縮機の運転時の入力値を小さくすることができ、省電力化を図ることができる。
また、ライダリング10は、炭素繊維および酸化亜鉛ウィスカが所定量含まれた四フッ化エチレン樹脂複合材を用いて形成すると共に、シリンダ4に向うライダリング10の押付け荷重を0.4MPa以下に設定したから、ライダリング10およびシリンダ4の耐摩耗性を向上することができる。このため、圧縮機の寿命を向上して、長期間に亘ってメンテナンスを行う必要がなく、信頼性を高めることができる。
なお、前記実施の形態の表1では、ライダリング10の表面粗さを最大高さRmax20μm以下に設定するものとした。しかし、本発明はこれに限らず、ライダリング10の表面粗さを中心線平均粗さRa2μm以下に設定する構成としてもよい。
また、前記実施の形態では、空気圧縮機を例に挙げて説明したが、空気以外の気体を圧縮する各種の往復動圧縮機にも適用することができる。
本発明の第1の実施の形態による空気圧縮機を示す断面図である。 図1中のシリンダおよびピストンを拡大して示す拡大断面図である。 図1中のライダリングを単体で示す斜視図である。
符号の説明
4 シリンダ
7 ピストン
10 ライダリング

Claims (1)

  1. アルミニウム合金を用いて筒状に形成され内壁が陽極酸化処理されたアルマイト皮膜が形成されたシリンダと、該シリンダ内を往復動するピストンと、該ピストンの外周に装着され前記シリンダの内壁を摺動するライダリングとを備えた往復動圧縮機において、
    前記シリンダの前記アルマイト皮膜が形成された内壁は、硬さがビッカース350Hv以上、面粗さがRmax2μm以下に形成し、
    前記ライダリングは、炭素繊維が5〜15重量%、酸化亜鉛ウィスカが5〜15重量%、かつこれら炭素繊維と酸化亜鉛ウィスカの合計量を15〜30重量%含む四フッ化エチレン樹脂複合材を用いて形成し
    前記ライダリングは、その摺動部の面粗さがRmax20μm以下またはRa2μm以下に形成し
    前記ライダリングに対して前記シリンダに向けて作用する押付け荷重が0.4MPa以下に設定したことを特徴とする往復動圧縮機。
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