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JP5003240B2 - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

定着装置及び画像形成装置 Download PDF

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JP5003240B2
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Description

本発明は、定着ベルトを有する定着装置、及び該定着装置を備えた画像形成装置に関する。
複写機、プリンタ、ファクシミリ、及びこれらの諸機能を備えた複合機等の電子写真方式の画像形成装置においては、原稿に対応した潜像を感光体ドラムに形成し、この潜像にトナーを付与することによって顕像化し、この顕像化されたトナー像を記録材上に転写し、この後、記録材上のトナー像を定着して排紙している。
また、カラー画像を形成する場合には、原稿色に対応したY,M,C,Kの潜像を4個の感光体ドラムに形成し、顕像化された4色のトナー像を無端状の中間転写ベルトに一次転写した後、記録材上に二次転写して、記録材上に転写されたトナー像を定着して排紙している。
このようにトナー像を定着する定着装置として、ハロゲンランプ等の加熱手段を内蔵した定着ローラと、定着ローラを加圧する加圧ローラとによって形成されたニップ部で、トナー像が転写された記録材を挟持・搬送しながら、加熱・加圧する熱ローラ定着方式の定着装置があり、このような定着装置は構成が簡便であるため、広く利用されている。
ところで、このような定着装置において、高速化を図るためにはトナーと記録材に充分な熱量を供給する必要があり、このためにはニップ幅を広くする必要がある。ニップ幅を広くするためには、加圧ローラが定着ローラを加圧する荷重や、加圧ローラ内のシリコーンゴム等から形成された弾性層の厚みや、二つのローラの径等を増大させることが考えられる。
しかし、加圧ローラの荷重や弾性層の厚みを増大させると、幅方向のニップ幅が不均一になることがあり、定着ムラや記録材のしわが発生する虞がある。また、ローラの径を増大させると、定着装置が大型化するばかりでなく、ウォーミングアップタイムが長くなるという問題がある。
この問題を解決するために、シリコーンゴムから形成された弾性層を有し中央にハロゲンランプ等の加熱手段を内蔵して回転する定着ローラと、定着ローラによって駆動されて回転する無端状の定着ベルトと、定着ベルトの内周面に配置された加圧パッドと、を備え、加圧パッドにより定着ベルトを定着ローラの方向に押圧して定着ベルトを定着ローラに圧着させ、定着ローラと定着ベルトとの間に記録材上のトナー像を定着するためのニップ部を形成する方式の定着装置、所謂FBNF(Free Belt Nip Fuser)方式の定着装置が特許公報に開示されている(特許文献1参照)。
この定着装置によれば、加圧パッドにより定着ローラに押圧された定着ベルトが弾性変形し、定着ローラと定着ベルトとの間に幅広のニップ部が形成される。従って、高速化に対応でき、定着装置が大型化することもない。更に、定着ベルトの熱容量が小さいので、ウォーミングアップタイムが短縮し、省エネになる。
このようなFBNF方式の定着装置において、定着ベルトと加圧パッドとの摺動抵抗が大きいと、定着ローラを駆動するモータの消費電力が増大したり、該モータの減速歯車が破損したり、定着ベルトのずれによる画像ずれが発生したり、定着ベルトの内面の摩耗が促進するといった不具合が発生する。
そこで、定着ベルトの内周面と加圧パッドとの間に、ガラス繊維シートをフッ素樹脂(PTFE)やテフロン(登録商標)でコーティングした摺動シートを配置している。摺動シートは摩擦係数が小さいので、定着ベルトと加圧パッドとの間の摺動抵抗は小さくなり、上記不具合の発生は低減する。
加えて、スポンジ等から形成されてシリコーンオイル等からなる潤滑剤を含浸したオイルパッドを定着ベルトの内周面に圧着することにより、オイルパッドから潤滑剤が定着ベルトの内周面や摺動シートの外表面に供給されるので、摺動抵抗は一層小さくなって、上記不具合の発生は更に低減する。
しかし、定着処理を繰り返すことにより、摺動シートの外表面上の潤滑剤は次第に幅方向(記録材の搬送方向と直交する方向)の端部に移動して漏れ出し、定着ベルトの外周面に付着する虞がある。このようなことになると、潤滑剤が記録材に付着して記録材が汚染されたり、記録材が滑って画像ずれが発生したりして、最終的には潤滑剤が枯渇する。
このような問題を解決するために、定着ベルトの両端を支持して案内する一対の案内部材に、定着ベルトの回転方向の上流側から下流側に向かって定着ベルトの幅方向中央の方向に傾斜した複数本の溝を設けた定着装置が特許公報に開示されている(特許文献2参照)。
特許文献2には、この構成により定着ベルトの内面に付着した潤滑剤が複数本の溝に沿って定着ベルトの内側に送られ、定着ベルトの端部から潤滑剤が漏れて、記録材に付着することを防止することが可能であるという内容が記載されている。
特開2002−357964号公報 特開2002−357968号公報
従来技術の特許文献2における定着装置は、定着ベルトの両端を支持して案内する一対の案内部材に、定着ベルトの回転方向の上流側から下流側に向かって定着ベルトの幅方向中央の方向に傾斜した複数本の溝を設け、潤滑剤を溝に沿って定着ベルトの内側に送っている。
しかし、上記の定着装置に用いられる潤滑剤は低粘度であると揮発して枯渇する虞があるので、比較的高粘度のものが用いられる。従って、溝の中に入った潤滑剤は簡単に移動せず、やがて溝が潤滑剤で埋まって目詰まりすると、端部からの漏れを防止できなくなる。また、定着装置の長期の使用によって、潤滑剤に各種の摩耗粉が混入するので、これによっても潤滑剤が移動し難くなる。
従って、特許文献2の構成では何も対策を取らない場合よりは潤滑剤の漏れを防止できるが、長期の使用に関しては充分な対策にはなっていない。
本発明はかかる問題に鑑みてなされたものであり、簡単な構成で長期に使用しても端部からの潤滑剤の漏れを確実に防止できる定着装置、及び該定着装置を備えた画像形成装置を提案することを目的とする。
前記目的は、下記に記載した発明により達成される。
1.加熱手段を有して回転する定着ローラと、
前記定着ローラによって駆動されて回転する無端状の定着ベルトと、
回転する前記定着ベルトの幅方向両端部を内周面側から支持して案内する一対の案内部材と、
前記定着ベルトを内周面側から前記定着ローラの方向に押圧して前記定着ベルトを前記定着ローラに圧着させ、前記定着ローラと前記定着ベルトとの間に記録材上のトナー像を定着するためのニップ部を形成する加圧部材と、
前記定着ベルトの内周面に潤滑剤を供給する潤滑剤供給部材と、
を備えた定着装置において、
前記案内部材における前記定着ベルトを案内する案内部を筒状に形成し、前記案内部に、前記案内部の外表面に沿って前記定着ベルトの回転方向の上流側から下流側に向かって前記定着ベルトの幅方向中央の方向に傾斜した第1の縁部を持つ端面と、前記案内部の外表面に沿って前記第1の縁部の前記定着ベルトの回転方向の最も上流側の位置から前記定着ベルトの回転方向と直交し前記定着ベルトの幅方向中央の方向に延在した第2の縁部を持つ端面と、を有する開口部を設けたことを特徴とする定着装置。
2.前記第1の縁部を角状に形成したことを特徴とする1に記載の定着装置。
3.前記開口部を、前記案内部における前記ニップ部に対向する部所の近傍にて、且つ該部所に対して前記定着ベルトの回転方向の上流側に配置したことを特徴とする1又は2に記載の定着装置。
4.前記定着ベルトの内周面と前記加圧部材との間に配置された摺動部材を有し、
前記摺動部材の前記定着ベルトの回転方向と直交方向の端部は、前記筒状の案内部の径方向内側であって前記開口部に対向するように配置されていることを特徴とする1〜3の何れか1項に記載の定着装置。
5.1〜4の何れか1項に記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
本発明の定着装置及び画像形成装置によれば、長期に使用しても端部からの潤滑剤の漏れを確実に防止できるので、潤滑剤が記録材に付着して記録材が汚染されたり、記録材が滑って画像ずれが発生したりして、最終的には潤滑剤が枯渇するようなことは生じない。
以下に本発明の定着装置に関する実施の形態を図を参照して説明する。
先ず、本発明の定着装置を用いた画像形成装置の一例を図1の構成図に基づいて説明する。
本画像形成装置は画像形成装置本体GHと画像読取装置YSとから構成される。
画像形成装置本体GHは、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、複数組の画像形成部10Y,10M,10C,10K、ベルト状の中間転写体6、給紙搬送手段及び定着装置9等からなる。
画像形成装置本体GHの上部には、自動原稿送り装置201と原稿画像走査露光装置202から成る画像読取装置YSが設置されている。自動原稿送り装置201の原稿台上に載置された原稿dは搬送手段により搬送され、原稿画像走査露光装置202の光学系により原稿の片面又は両面の画像が走査露光され、ラインイメージセンサCCDに読み込まれる。
ラインイメージセンサCCDにより光電変換されて形成された信号は、画像処理部において、アナログ処理、A/D変換、シェーディング補正、画像圧縮処理等が行われた後、露光手段3Y,3M,3C,3Kに送られる。
イエロー(Y)色の画像を形成する画像形成部10Yは、感光体ドラム1Yの周囲に帯電手段2Y、露光手段3Y、現像手段4Y及びクリーニング手段8Yを配置している。マゼンタ(M)色の画像を形成する画像形成部10Mは、感光体ドラム1Mの周囲に帯電手段2M、露光手段3M、現像手段4M及びクリーニング手段8Mを配置している。シアン(C)色の画像を形成する画像形成部10Cは、感光体ドラム1Cの周囲に帯電手段2C、露光手段3C、現像手段4C及びクリーニング手段8Cを配置している。黒(K)色の画像を形成する画像形成部10Kは、感光体ドラム1Kの周囲に帯電手段2K、露光手段3K、現像手段4K及びクリーニング手段8Kを配置している。そして、帯電手段2Yと露光手段3Y、帯電手段2Mと露光手段3M、帯電手段2Cと露光装置3C、及び帯電手段2Kと露光装置3Kは、潜像形成手段を構成する。
なお、現像手段4Y,4M,4C,4Kは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及び黒(K)の小粒径のトナーとキャリアからなる2成分現像剤を内包する。
中間転写体6は、複数のローラにより巻回され、回動可能に支持されている。
定着装置100は、加熱された定着ローラ101と定着ベルト102との間に形成されたニップ部で記録紙(記録材)P上のトナー像を加熱・加圧して定着する。
かくして、画像形成部10Y,10M,10C,10Kより形成された各色の画像は、回動する中間転写体6上に転写手段7Y,7M,7C,7Kにより逐次転写されて(1次転写)、カラー画像合成されたトナー像が形成される。給紙カセット20内に収容された記録紙Pは、給紙手段21により給紙され、給紙ローラ22A,22B,22C,22D,レジストローラ23等を経て、転写手段7Aに搬送され、記録紙P上にカラー画像が転写される(2次転写)。カラー画像が転写された記録紙Pは定着装置100において加熱・加圧され、記録紙P上のカラートナー像が定着される。その後、排紙ローラ24に挟持されて機外の排紙トレイ25上に載置される。
一方、転写手段7Aにより記録紙Pにカラー画像を転写した後、記録紙Pを曲率分離した中間転写体6は、クリーニング手段8Aにより残留トナーが除去される。
なお、以上はカラー画像を形成する画像形成装置であったが、モノクロ画像を形成する画像形成装置であってもよいし、中間転写体を用いても用いなくてもよい。
次に、本発明の定着装置100の主要構成の実施の形態を図2を参照して説明する。図2は定着ベルト102等の幅方向に対して直交する断面図である。
定着ローラ101は、中央にハロゲンランプ(加熱手段)Hを内蔵し、アルミニュウムや鉄等から形成された円筒状芯金101Aと、円筒状芯金101Aを被覆し耐熱性の高いシリコーンゴムから成る弾性層101Bと、更に弾性層101Bを被覆しPFA(パーフルオロアルコキシ)若しくはPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素樹脂から成る離型層101Cと、により構成されている。
定着ベルト102は、約100μmの厚みのポリイミドにより形成された基体と、基体の外表面を被覆する約25μmの厚みのPFA若しくはPTFEで形成された離型層とにより構成されていて、無端状に形成されている。
加圧パッド103(加圧部材)は、硬度JISA約10°のシリコーンゴムから形成され、ステンレスから形成されたベース板金104、及び耐熱樹脂から形成されたベース部材105と共に、耐熱樹脂から形成されたホルダー108に保持されている。また、ベース部材105の裏面には圧縮バネ106が配置されている。
分離部材107は定着された記録紙Pの分離性を向上させるために、記録紙Pの搬送方向下流側に配置されている。分離部材107は耐熱樹脂若しくはアルミニュウム等の金属を用いて、先端部が曲率の大きい円弧に形成され、ベース板金104等と耐熱樹脂から形成されたホルダー109とにより保持されている。
そして、ホルダー108,109は中央に配置された金属製のフレーム110によって保持されている。
摺動部材111は、ガラス繊維シートをフッ素樹脂(PTFE)やテフロン(登録商標)でコーティングして形成され、定着ベルト102の内周面と加圧パッド103との間、及び定着ベルト102の内周面と分離部材107との間に配置され、一端がフレーム110に固定されている。
オイルパッド112(潤滑剤供給部材)はスポンジ等から形成されてシリコーンオイル等からなる潤滑剤を含浸し、ホルダー109に保持され、定着ベルト102の内周面に圧着している。
なお、定着ベルト102の回転時に、ホルダー108は摺動部材111を介して定着ベルト102を案内し、ホルダー109は定着ベルト102を直接案内する案内部材としての機能も有する。
このように構成された定着装置100において、ハロゲンランプHにより加熱され、不図示の駆動手段によって駆動された定着ローラ101が時計方向に回転する。また、加圧パッド103が圧縮バネ106によりベース板金104及びベース部材105を介して押圧され、加圧パッド103は摺動部材111を介して定着ベルト102を定着ローラ101に押圧する。更に、分離部材107が摺動部材111を介して定着ベルト102を定着ローラ101を押圧する。
従って、定着ベルト102は、定着ローラ101の回転によって反時計方向に回転し、加圧パッド103により定着ローラ101に押圧されて弾性変形するので、定着ベルト102と定着ローラ101との間に幅広のニップ部Nが形成される。そして、搬送された記録紙P上の未定着トナーはニップ部Nで加熱・加圧されて定着される。
また、定着ベルト102の内周面は回転時に摺動部材111に摺動するが、摺動部材111は摩擦係数が小さいので、両者の間の摺動抵抗は小さい。更に、オイルパッド112から潤滑剤としてのシリコーンオイルが定着ベルト102の内周面と摺動部材111の外表面に供給されるので、更に摺動抵抗は小さくなる。
次に、定着ベルト102の端部の構成を図3に示す定着装置の長手方向断面図を参照して説明する。なお、図3は定着装置の右端のみを示しているが、左右対称であって左端に関しても全く同様である。また、図2に示した部材と同一の部材には同一の符号を付してある。
図3において、定着ベルト102は幅方向に延在していて両端部は内周面側から一対の案内部材116の案内部116Aによりそれぞれ支持されている。更に、双方の案内部材116は作動について後述する回動部材117により支持されている。
フレーム110も長手方向に延在していて両端部が一対の案内部材116に設けた角穴116Gにそれぞれ挿着されて固定されている。
ここで、案内部材116の形状を図4の斜視図を参照して詳述する。
案内部材116の案内部116Aは筒状に形成されている。但し、ニップ部Nにおいては、定着ベルト102が定着ローラ101に押圧されて凹むので、これに対応してニップ部Nに対向する案内部116Aの部所は四角形に切り欠かれた切り欠き部116Hが形成されている。
また、ニップ部Nに対向する案内部116Aの部所、即ち切り欠き部116Hに対する定着ベルト102の回転方向(矢印A)の上流側に位置し、定着ベルト102の回転方向の上流側から下流側に向かって定着ベルト102の幅方向中央の方向に傾斜した端面116Cを有する開口部116Bが穿設されている。そして、端面116Cと案内部116Aの外表面とが成す縁部116Dは角状に形成されている。なお、縁部116Dの角状に関しては、90度の直角に形成されていることが好ましいが、必ずしも90度でなくてもよく、45°の鋭角から120°の鈍角まで許容できる。また、縁部116Dには極く小さい円弧があってもよいし、面取り状に形成されていてもよい。要は、縁部116Dが、定着ベルト102の内周面に付着したシリコーンオイルを掻き落とすことが可能な形状に形成されていればよい。
また、定着ベルト102の回転方向と直交する縁部116Eに関しては、必ずしも角状に形成されていなくてもよく、円弧状に形成されていてもよい。
以上の如く端部が形成された定着装置において、定着ベルト102が図4の矢印Aの方向に回転すると、定着ベルト102の内周面に付着したシリコーンオイルが縁部116Dにて定着ベルト102の幅方向中央の方向に向かって掻き落とされ、開口部116Bより落下する。従って、シリコーンオイルが定着ベルト102の端部から漏れて外表面に廻り込むことはなく、シリコーンオイルが記録紙Pに付着して記録紙Pが汚染されるようなことは生じない。また、従来技術の溝とは異なって開口部であるので、高粘度の潤滑剤であっても目詰まりすることがない。
また、開口部116Bの下方には摺動部材111の端部111Aが延在していて、落下したシリコーンオイルは端部111Aに付着する。このために、落下したシリコーンオイルは潤滑剤として再利用される。
なお、定着ベルト102の回転方向に対する端面116Cの傾斜角度は30°から45°の範囲が望ましい。
更に、開口部116Bは、ニップ部Nに対向する案内部116Aの部所、即ち切り欠き部116Hの近傍にて、且つ、該部所に対して上流側に位置していることが望ましい。このように開口部116Bを配置することにより、定着ベルト102の端部から漏れて定着ベルト102の外表面に達する可能性が少なくなる。
その他に、案内部116Aに複数の開口部116Bを穿設してもよい。
次に、画像形成装置の出荷時や、記録紙のジャム処理時や、メインテナンスのときのために、定着ベルト102を前述の加圧手段と共に定着ローラ101より離間させ、定着ベルト102による定着ローラ101への圧着を解除させる圧着解除手段が設けられている。この圧着解除手段を図5を参照して説明する。図5(a)は定着装置の使用時の状態の図で、図5(b)は定着ベルト102による定着ローラ101への圧着を解除した図である。
図5(a)において、回動部材117は支軸131に軸支されて回動可能である。そして、回動部材117の端部117Aが圧縮バネ132により押圧され、回動部材117は反時計方向に付勢されている。従って、案内部材116を介して定着ベルト102も回動し、定着ベルト102は定着ローラ101に圧着している。
また、定着ベルト102による定着ローラ101への圧着を解除するときは、図5(b)に示す如く、カム133を回転させる。カム133が回転すると、回動部材117の底部117Bがカム133によって押圧され、回動部材117は圧縮バネ132の付勢力に抗して時計方向に回動する。従って、案内部材116を介して定着ベルト102も回動し、定着ベルト102は定着ローラ101より退避するので、定着ベルト102による定着ローラ101への圧着が解除される。
次に、案内部の形状に関する比較実験について記す。
実験は、案内部に何も処理しなかった場合、案内部に従来技術の如く複数の溝を設けた場合、上記実施の形態の如く開口部を設けた場合の3通りについて行った。
3種の案内部で共通している項目は下記の通りである。
・定着装置:図2の如き構成
・摺動シート:ガラス繊維性のシートにフッ素樹脂(PTFE)をコーティング
・オイルパッド:t=4.7mm、W=10mm、L=360mmの形状で、目付け量950g/m2であって、潤滑剤として粘度1000csのジメチルシリコーンオイルを3g含浸させた。
・案内部:外径34mm、幅10mm
溝と開口部の形状・寸法については図6に示す。図6は案内部の展開図である。
図6(A)は複数の溝を設けた場合の図であり、案内部の外周面の全体に10.7mmピッチで10本の溝を30°の傾斜で形成した。溝の断面形状は矩形であり、幅2mm、深さ1mmである。なお、この溝の幅と深さは特許文献2に記載の溝より大きい。
図6(B)は開口部を設けた場合の図であり、案内部の外周面に開口部を30°の傾斜で一つ形成した。なお、縁部116Dは直角に形成されている。
このような3種の案内部を用いて、300kc回まで定着装置を作動させた。なお、1kcは1000回の定着を意味する。
そして、目視により3段階に判定した。
○:定着ベルトの端部から潤滑剤の漏れ出しが見られない。
△:定着ベルトの端部に潤滑剤の漏れ出しが見られるが、定着ベルトの外周面に回り込んではいない。
×:定着ベルトの端部から潤滑剤が漏れ出し、定着ベルトの外周面に回り込んでいる。
以上の実験結果を表1に示す。
Figure 0005003240
表1によれば、未実施と溝形式とで大きな差がなかったが、溝形式と開口部形式とでは大きな差が生じた。
画像形成装置の構成図である。 定着装置の軸方向に対して直交する方向の断面図である。 定着装置の軸方向の断面図である。 案内部材の斜視図である。 圧着解除手段の図である。 溝と開口部に関する案内部の展開図である。
符号の説明
100 定着装置
101 定着ローラ
102 定着ベルト
103 加圧パッド
111 摺動部材
112 オイルパッド
116 案内部材
116A 案内部
116B 開口部
116C 端面
116D 縁部
116H 切り欠き部
H ハロゲンランプ
P 記録紙
N ニップ部

Claims (5)

  1. 加熱手段を有して回転する定着ローラと、
    前記定着ローラによって駆動されて回転する無端状の定着ベルトと、
    回転する前記定着ベルトの幅方向両端部を内周面側から支持して案内する一対の案内部材と、
    前記定着ベルトを内周面側から前記定着ローラの方向に押圧して前記定着ベルトを前記定着ローラに圧着させ、前記定着ローラと前記定着ベルトとの間に記録材上のトナー像を定着するためのニップ部を形成する加圧部材と、
    前記定着ベルトの内周面に潤滑剤を供給する潤滑剤供給部材と、
    を備えた定着装置において、
    前記案内部材における前記定着ベルトを案内する案内部を筒状に形成し、前記案内部に、前記案内部の外表面に沿って前記定着ベルトの回転方向の上流側から下流側に向かって前記定着ベルトの幅方向中央の方向に傾斜した第1の縁部を持つ端面と、前記案内部の外表面に沿って前記第1の縁部の前記定着ベルトの回転方向の最も上流側の位置から前記定着ベルトの回転方向と直交し前記定着ベルトの幅方向中央の方向に延在した第2の縁部を持つ端面と、を有する開口部を設けたことを特徴とする定着装置。
  2. 前記第1の縁部を角状に形成したことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記開口部を、前記案内部における前記ニップ部に対向する部所の近傍にて、且つ該部所に対して前記定着ベルトの回転方向の上流側に配置したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の定着装置。
  4. 前記定着ベルトの内周面と前記加圧部材との間に配置された摺動部材を有し、
    前記摺動部材の前記定着ベルトの回転方向と直交方向の端部は、前記筒状の案内部の径方向内側であって前記開口部に対向するように配置されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の定着装置。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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