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JP2009288399A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

定着装置及び画像形成装置 Download PDF

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JP2009288399A JP2008139346A JP2008139346A JP2009288399A JP 2009288399 A JP2009288399 A JP 2009288399A JP 2008139346 A JP2008139346 A JP 2008139346A JP 2008139346 A JP2008139346 A JP 2008139346A JP 2009288399 A JP2009288399 A JP 2009288399A
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秀敏 片柳
Mikihiko Takada
幹彦 高田
Naohiko Hanyu
羽生  直彦
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Abstract

【課題】押圧ローラより幅方向長さが短い定着ベルトが蛇行しても定着ベルトの縁部により押圧ローラが摩耗することなく、且つ、潤滑剤が漏れ出すことがない定着装置。
【解決手段】回転する回転部材と、内周面に潤滑剤を有し、回転部材に圧接して回転する無端状の定着ベルトと、定着ベルトを内周面側から回転部材の方向に押圧する押圧部材と、定着ベルトと押圧部材との間に配置された摺動部材と、定着ベルトを張架するローラの一つであって、幅方向にわたって少なくとも表面が金属から形成され、定着ベルトを回転部材に圧接させる押圧ローラと、を有し、回転部材と定着ベルトとの間に形成されたニップ部で記録材上のトナー像を定着する定着装置において、押圧ローラにおける、定着ベルトの幅方向縁部が接触可能な端部領域の表面粗さを、幅方向で端部領域より中央側に位置する中央領域の表面粗さより小に形成したこと。
【選択図】図2

Description

本発明は無端状の定着ベルトを有する定着装置、及び該定着装置を備えた画像形成装置に関する。
複写機、プリンタ、ファクシミリ、及びこれらの諸機能を備えた複合機等の電子写真方式の画像形成装置においては、原稿に対応した潜像を感光体ドラムに形成し、この潜像にトナーを付与することによって顕像化し、この顕像化されたトナー像を記録材に転写し、この後、記録材のトナー像を定着して排紙している。
また、カラー画像を形成する場合には、原稿色に対応したY,M,C,Kの潜像を4個の感光体ドラムに各々形成し、顕像化された4色のトナー像を無端状の中間転写ベルトに一次転写した後、記録材に二次転写して、記録材に転写されたトナー像を定着して排紙している。
このようにトナー像を定着する定着装置として、ハロゲンランプ等の加熱手段を内蔵した定着ローラと、定着ローラを加圧する加圧ローラとによって形成されたニップ部で、トナー像が転写された記録材を挟持・搬送しながら、加熱・加圧する熱ローラ定着方式の定着装置があり、このような定着装置は構成が簡便であるため、広く利用されている。
ところで、このような定着装置において、高速化を図るためにはトナーと記録材に充分な熱量を供給する必要があり、このためにはニップ幅を広くする必要がある。ニップ幅を広くするためには、加圧ローラが定着ローラを加圧する荷重や、加圧ローラ内のシリコーンゴム等から形成された弾性層の厚みや、二つのローラの径等を増大させることが考えられる。
しかし、加圧ローラの荷重や弾性層の厚みを増大させると、軸方向のニップ幅が不均一になることがあり、定着ムラや記録材のしわが発生する虞がある。また、ローラの径を増大させると、定着装置が大型化するばかりでなく、ウォーミングアップタイムが長くなるという問題がある。
この問題を解決するために、ハロゲンランプを内蔵して回転する定着ローラ(加熱定着ロール)と、複数の張架ローラ(支持ロール)に張架された定着ベルト(エンドレスベルト)と、定着ベルトを内周面側から定着ローラの方向に押圧する押圧部材(圧力付与部材)と、を備え、定着ローラと定着ベルトとの間に形成されたニップ部で、トナー像が転写された記録材を挟持・搬送しながら加熱・加圧する定着装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
このような定着装置は、定着ローラと定着ベルトとの間に幅広のニップ部が形成されるので高速化に対応でき、しかも、定着ベルトの熱容量が小さいので、ウォーミングアップタイムが短縮し、省エネになるという利点を有する。
また、この定着装置においては、定着ベルトを張架する張架ローラの一つでありニップ部出口側に配置された張架ローラ(以下、押圧ローラと称す)が定着ベルトを押圧し、定着ベルトを定着ローラに圧接させている。この押圧ローラによって定着ローラの弾性層が変形し、ニップ部の出口付近が凹形状になるので、定着された記録材は定着ローラに付着せずに分離されて、排出される。
また、押圧部材はシリコーンゴム等から形成されているので、このまま定着ベルトが摺動すると、大きな摩擦力が生ずる。そこで、定着ベルトと押圧部材との間に、フッ素樹脂コーティングのガラス繊維シート等から形成された低摩擦の摺動シートを固定配置し、定着ベルトが摺動シートに対して摺動するようにしている。また、定着ベルトと摺動シートとの摩擦抵抗を更に低減させるために、定着ベルトの内周面にシリコーンオイル等の潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布部材も設けている。
更に、定着ローラや押圧ローラ等の張架ローラの平行度や捻れにより、定着ベルトは回転中に幅方向へ片寄りや蛇行をし易い。この片寄りや蛇行を抑制するために、押圧ローラ以外の張架ローラの一つの傾きを制御することを行っている。
ところで、張架ローラにおける定着ベルトと接触する部分の軸方向の長さは、定着ベルトの幅より長く形成されているのが一般的である。
この結果、定着ベルトの幅方向の縁部が張架ローラに摺接し、張架ローラの表面が摩耗する現象が生ずる。
この問題を解決するために、特許文献1と同様の構成の定着装置であって、定着ベルトを張架する張架ローラについて、定着ベルトの幅方向の縁部が摺接する端部領域の引っ張り強さ(硬度)を縁部が摺接しない中央領域より大きくしたり、端部領域の動摩擦係数を中央領域より小さくしたりした定着装置が知られている(特許文献2参照)。
張架ローラの表面が摩耗する現象は、定着ベルトを押圧し定着ベルトと最も密接している押圧ローラで顕著であり、特に押圧ローラを金属で形成した場合には、金属の摩耗粉が定着ベルトの内周面や他の張架ローラを摩耗させるといった問題が生ずる。
特開平11−45018号公報 特開2007−139809号公報
特許文献2に記載の如き定着装置においては、定着ベルトと張架ローラ(特に定着ベルトと接触圧が大きい押圧ローラ)との接触部において、定着ベルトの内周面に塗布された潤滑剤が両端に押し出されて漏れ出すといった問題が発生し易い。潤滑剤が漏れると、内部の潤滑剤が枯渇し、定着ベルトと摺動シートの摩擦抵抗が増大して駆動トルクが増大する虞がある。このような問題に関する課題やその解決手段については特許文献2に何ら記載されていない。
本発明はかかる問題に鑑みてなされたものであり、押圧ローラの幅より短い定着ベルトが蛇行しても定着ベルトの縁部により押圧ローラが摩耗することなく、且つ潤滑剤が漏れ出すことがないようにした定着装置、該定着装置を備えた画像形成装置を提案することを目的とする。
前記目的は、下記に記載した発明により達成される。
1.回転する回転部材と、
内周面に潤滑剤を有し、前記回転部材に圧接して回転する無端状の定着ベルトと、
前記定着ベルトを内周面側から前記回転部材の方向に押圧する押圧部材と、
前記定着ベルトと前記押圧部材との間に配置された摺動部材と、
前記定着ベルトを張架するローラの一つであって、幅方向にわたって少なくとも表面が金属から形成され、前記定着ベルトを前記回転部材に圧接させる押圧ローラと、
を有し、
前記回転部材と前記定着ベルトとの間に形成されたニップ部で記録材上のトナー像を定着する定着装置において、
前記押圧ローラにおける、前記定着ベルトの幅方向縁部が接触可能な端部領域の表面粗さを、前記幅方向で前記端部領域より中央側に位置する中央領域の表面粗さより小に形成したことを特徴とする定着装置。
2.前記回転部材は、加熱源を有するローラであることを特徴とする前記1に記載の定着装置。
3.前記回転部材は、複数のローラに張架された無端状のベルトであることを特徴とする前記1に記載の定着装置。
4.前記1〜3の何れか1項に記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
本発明の定着装置及び画像形成装置によれば、押圧ローラより幅が短い定着ベルトが蛇行しても定着ベルトの縁部により押圧ローラが摩耗し難く、金属の摩耗粉も生じ難い。また、定着ベルトと押圧ローラとの接触部において、定着ベルトの内周面に塗布された潤滑剤が両端に押し出されて漏れ出すといった問題も生ぜず、潤滑剤が枯渇する虞もない。
以下に本発明の定着装置に関する実施の形態を図を参照して説明する。
先ず、本発明の定着装置を用いた画像形成装置の一例を図1の構成図に基づいて説明する。
本画像形成装置は画像形成装置本体GHと画像読取装置YSとから構成される。
画像形成装置本体GHは、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、複数組の画像形成部10Y,10M,10C,10K、ベルト状の中間転写体5、給紙搬送手段及び定着装置8等からなる。
画像形成装置本体GHの上部には、自動原稿送り装置201と原稿画像走査露光装置202から成る画像読取装置YSが設置されている。自動原稿送り装置201の原稿台に載置された原稿dは搬送手段により搬送され、原稿画像走査露光装置202の光学系により原稿の片面又は両面の画像が走査露光され、ラインイメージセンサCCDに読み込まれる。
ラインイメージセンサCCDにより光電変換されて形成された信号は、画像処理部において、アナログ処理、A/D変換、シェーディング補正、画像圧縮処理等が行われた後、露光手段3Y,3M,3C,3Kに送られる。
イエロー(Y)色の画像を形成する画像形成部10Yは、感光体ドラム1Yの周囲に帯電手段2Y、露光手段3Y、現像手段4Y及びクリーニング手段7Yを配置している。マゼンタ(M)色の画像を形成する画像形成部10Mは、感光体ドラム1Mの周囲に帯電手段2M、露光手段3M、現像手段4M及びクリーニング手段7Mを配置している。シアン(C)色の画像を形成する画像形成部10Cは、感光体ドラム1Cの周囲に帯電手段2C、露光手段3C、現像手段4C及びクリーニング手段7Cを配置している。黒(K)色の画像を形成する画像形成部10Kは、感光体ドラム1Kの周囲に帯電手段2K、露光手段3K、現像手段4K及びクリーニング手段7Kを配置している。そして、帯電手段2Yと露光手段3Y、帯電手段2Mと露光手段3M、帯電手段2Cと露光装置3C、及び帯電手段2Kと露光装置3Kは、潜像形成手段を構成する。
なお、現像手段4Y,4M,4C,4Kは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及び黒(K)の小粒径のトナーとキャリアからなる2成分現像剤を内包する。
中間転写体5は、複数のローラにより巻回され、回動可能に支持されている。
定着装置8は、加熱された定着ローラ81と定着ベルト82との間に形成されたニップ部で記録紙(記録材)Pのトナー像を加熱・加圧して定着する。
かくして、画像形成部10Y,10M,10C,10Kより形成された各色の画像は、回動する中間転写体5に転写手段6Y,6M,6C,6Kにより逐次転写されて(1次転写)、カラー画像合成されたトナー像が形成される。給紙カセット20内に収容された記録紙Pは、給紙手段21により給紙され、給紙ローラ22A,22B,22C,22D,レジストローラ23等を経て、転写手段6Aに搬送され、記録紙Pにカラー画像が転写される(2次転写)。カラー画像が転写された記録紙Pは定着装置8において加熱・加圧され、記録紙Pのカラートナー像が定着される。その後、排紙ローラ24に挟持されて機外の排紙トレイ25に載置される。
一方、転写手段6Aにより記録紙Pにカラー画像を転写した後、記録紙Pを曲率分離した中間転写体5は、クリーニング手段7Aにより残留トナーが除去される。
なお、以上はカラー画像を形成する画像形成装置であったが、モノクロ画像を形成する画像形成装置であってもよいし、中間転写体を用いても用いなくてもよい。
次に、本発明の定着装置8の主要構成の実施の形態を図2を参照して説明する。同図は記録紙Pの搬送方向における断面図である。
定着装置8は主として、回転する定着ローラ81(回転部材)と、定着ローラ81に圧接して回転する無端状の定着ベルト82と、定着ベルト82を内周面側から定着ローラ81の方向に押圧する押圧部材90とから構成される。
定着ローラ81は、中央にハロゲンランプ(加熱源)Hを内蔵し、アルミニュウムやステンレス等の金属から成る円筒状芯金81Aと、円筒状芯金81Aを被覆し、耐熱性のシリコーンゴムから成る弾性層81Bと、更に弾性層81Bを被覆し、PFA(パーフルオロアルコキシエチレン)チューブから成る表層81Cとから構成される。
定着ベルト82は、ポリイミドから成る基体と、該基体を被覆し、PFA等から成る表層から構成され、無端状に形成されている。
また、定着ベルト82は、押圧ローラ83、入口ローラ84及びステアリングローラ85により張架されている。
押圧ローラ83は、ニップ部Nの出口側に配置され、定着ベルト82を押圧して定着ローラ81に圧接させる。
入口ローラ84は、ニップ部Nの入口側に配置され、定着ベルト82を定着ローラ81に直接圧接させてはいないが、押圧ローラ83との間に位置する定着ベルト82を定着ローラ81に圧接させ、記録紙Pの搬送方向に長いニップ部Nを形成する。
そして、入口ローラ84と押圧部材90と押圧ローラ83により定着ローラ81と定着ベルト82との間に形成されたニップ部Nで記録材P上のトナー像を定着する。
ステアリングローラ85は、定着ベルト82の縁部の位置を不図示のセンサにより検知した結果を基に、押圧ローラ83や入口ローラ84に対して平行度を変化させ、定着ベルト82の幅方向への寄りを是正する不図示の機構を有する。
なお、押圧ローラ83、入口ローラ84及びステアリングローラ85はステンレス等の金属から成る。
また、ステアリングローラ85は、定着ベルト82の片寄り是正能力を確保するために、定着ベルト82との摩擦力を所定以上持たせることが必要で、表面に耐熱性ゴムを形成する場合もある。
押圧部材90は、ホルダー91、シム92、支持板93、加圧パッド94及び摺動シート95から構成される。
ホルダー91はステンレス等から成り、ホルダー91の上に順次、耐熱性樹脂から成るシム92、ステンレス等から成る支持板93、シリコーンゴムから成る加圧パッド94が積層される。なお、不図示の圧縮バネがシム92を押圧し、加圧パッド94を介して定着ベルト82を定着ローラ81に圧接している。
また、摺動シート95(摺動部材)は、フッ素樹脂でコーティングしたガラス繊維シート等より形成され、ホルダー91から加圧パッド94に至る各部材の周囲を被覆している。摺動シート95の幅方向長さは加圧パッド94の幅方向長さより長く形成されている。摩擦係数の低い摺動シート95を設けることにより、摩擦係数の高い加圧パッド94が定着ベルト92に接触することがない。
潤滑剤塗布部材87は、シリコーンオイル等を含浸したフェルトを多孔性の樹脂シートで被覆して構成され、定着ベルト82の内周面と摺接して該内周面に潤滑剤を塗布する。
なお、定着ローラ81を除く以上の各部材は不図示のフレームにより支持され、定着ローラ81に対して接離作動し、定着ベルト82が定着ローラ81に圧接する圧接状態と、定着ベルト82が定着ローラ81より離間する離間状態とにフレームの姿勢を切り換え可能に構成されている。そして、記録紙Pを定着するときは、圧接状態に切り換えてニップ部Nを形成し、ジャム状態になった記録紙Pを取り除くときは、離間状態に切り換える。
以上の如き定着装置8において、ハロゲンランプHにより加熱され、不図示の駆動装置によって駆動された定着ローラ81が時計方向に回転する。また、押圧ローラ83及び押圧部材90は前述の圧接状態になっており、押圧ローラ83及び加圧パッド94は定着ベルト82を定着ローラ81に圧接している。従って、定着ローラ81と定着ベルト82との間に幅広のニップ部Nが形成される。また、定着ローラ81の回転によって定着ベルト82は反時計方向に回転するので、トナー像が転写された記録紙Pが搬送されると、ニップ部Nで挟持され、加熱・加圧されて定着される。
また、押圧ローラ83は定着ベルト82が定着ローラ81に食い込む様に押圧し、弾性層81Bが凹形状に弾性変形するので、定着された記録紙Pは部分的に大きな曲率になって排紙され、定着ローラ81から確実に分離する。
また、定着ベルト82が回転すると、潤滑剤塗布部材87が定着ベルト82の内周面に潤滑剤を塗布するので、定着ベルト82は摺動シート95に対して円滑に摺動する。
ここで、定着ローラ81、押圧ローラ83及び入口ローラ84の平行度や捻れにより、定着ベルト82が幅方向に片寄ったり蛇行したりする現象が生ずる。前述したステアリングローラ85の制御により定着ベルト82の移動は所定の蛇行範囲内に抑えられるものの、定着ベルト82を強く押圧している押圧ローラ83は、定着ベルト82より幅が長いので、摺接する定着ベルト82の幅方向の縁部により表面が摩耗し易い。この摩耗により生じた金属の摩耗粉が定着ベルト82の内周面や入口ローラ84等の張架ローや摺動シート95を摩耗させる。
更に、定着ベル82トと押圧ローラ83との接触部において、定着ベルト82の内周面に塗布された潤滑剤が両端に押し出されて漏れ出すといった問題が生ずる。この結果、潤滑剤が枯渇し、定着ベルト82と摺動シート95の摩擦抵抗が増大して駆動トルクが増大する虞がある。
一方、押圧ローラ83の外周面を平滑に仕上げる程、定着ベルト82の幅方向縁部と押圧ローラ83との摩擦抵抗が低減し、定着ベルト82による押圧ローラ83の摩耗を減少させることが可能になる。しかし、押圧ローラ83全体を平滑に仕上げると、定着ベルト82と押圧ローラ83との間で潤滑剤を保持し難くなり、定着ベルト82と押圧ローラ83との接触部で潤滑剤が定着ベルト82の幅方向に押し出されて漏れ出す虞がある。潤滑剤が漏れ出さないようにするためには、押圧ローラ83を平滑に仕上げずに粗く仕上げて潤滑剤を保持できるようにしなければならない。
そこで、押圧ローラ83の摩耗を減少させ、且つ、潤滑剤の漏れ出しを防止するという相反する問題を解決するためには、押圧ローラ83の幅方向にわたって少なくとも表面を金属により形成すると共に、押圧ローラ83における定着ベルト82の幅方向縁部が接触可能な端部領域の表面粗さを小さく形成し、定着ベルト82の縁部が接触不能な中央領域の表面粗さを大きく形成すればよい。即ち、定着ベルト82の幅方向縁部が接触可能な端部領域の表面粗さを、定着ベルト82の縁部が接触不能な中央領域の表面粗さより小に形成すればよい。
一方、特許文献2のステアリングローラでは、端部領域と中央領域とで材質を異ならせ、端部にメッキ、中央部にゴムが使用されているが、表面粗さについては記載がなく、強度若しくは摩擦係数に着目している。しかしながら、強度若しくは摩擦係数だけでは潤滑剤の漏れ出しを防止することが困難である。
このように形成した押圧ローラ83の一例を図3に示す。
図3においては、軸長が354mmの押圧ローラ83により、幅長が340mmの定着ベルト82が張架されるものとする。そして、定着ベルト82は設計上は実線の位置にあるが、実際には前述の如く幅方向に片寄りするので、その移動量を±6mmとする。この場合、定着ベルト82が左右どちらに片寄っても、押圧ローラ83の両端部より14mmの端部領域83Bを除いた326mmの中央領域83Aは定着ベルト82の幅方向縁部82Aが接触することがない。一方、端部領域83Bは定着ベルト82の片寄りに対して余裕を持っているが、大部分は定着ベルト82の幅方向縁部82Aが接触する。
そこで、押圧ローラ83をステンレス(例えばSUS303)で形成したとき、中央領域83Aの表面粗さが例えばRy6.3S以上、Ry12.6S以下になるように仕上げ、端部領域83Bの表面粗さが例えばRy3.2S以下になるように仕上げることにより、潤滑剤が漏れ出すことがない。なお、端部領域83BをRy1.6S以下に仕上げることが更に望ましい。
なお、押圧ローラ83に表面粗さの異なる中央領域83Aと端部領域83Bを形成するためには、例えば押圧ローラ83の全体を研削加工した後、端部領域83Bを研磨加工すればよい。
その他に、本発明に係わる表面粗さを変化させる押圧ローラとしては、図2に示す定着装置8の押圧ローラ83に限定されるものではなく、例えば、図4の如きツインベルト方式の定着装置100の押圧ローラ104であってもよい。図4においては、無端状の下定着ベルト105が押圧ローラ104と下入口ローラ106に張架され、無端状の上定着ベルト102(回転部材)が定着ローラ101とハロゲンランプH(加熱源)を有する上入口ローラ103に張架され、押圧ローラ104が下定着ベルト105を上定着ベルト102に圧接させている。従って、上述の如く押圧ローラ104の摩耗を減少させるためには、押圧ローラ104の中央領域と端部領域とで表面粗さを変化さればよい。また、場合によっては定着ローラ101の表面粗さも変化させてもよい。
画像形成装置の構成図である。 定着装置の主要部の断面図である。 押圧ローラにおける端部領域と中央領域とを示す図である。 ツインベルト方式の定着装置の概略図である。
符号の説明
8 定着装置
81 定着ローラ
82 定着ベルト
82A 幅方向縁部
83,104 押圧ローラ
83A 中央領域
83B 端部領域
87 潤滑剤塗布部材
90 押圧部材
94 加圧パッド
95 摺動シート
102 上定着ベルト
N ニップ部
H ハロゲンランプ
P 記録紙

Claims (4)

  1. 回転する回転部材と、
    内周面に潤滑剤を有し、前記回転部材に圧接して回転する無端状の定着ベルトと、
    前記定着ベルトを内周面側から前記回転部材の方向に押圧する押圧部材と、
    前記定着ベルトと前記押圧部材との間に配置された摺動部材と、
    前記定着ベルトを張架するローラの一つであって、幅方向にわたって少なくとも表面が金属から形成され、前記定着ベルトを前記回転部材に圧接させる押圧ローラと、
    を有し、
    前記回転部材と前記定着ベルトとの間に形成されたニップ部で記録材上のトナー像を定着する定着装置において、
    前記押圧ローラにおける、前記定着ベルトの幅方向縁部が接触可能な端部領域の表面粗さを、前記幅方向で前記端部領域より中央側に位置する中央領域の表面粗さより小に形成したことを特徴とする定着装置。
  2. 前記回転部材は、加熱源を有するローラであることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記回転部材は、複数のローラに張架された無端状のベルトであることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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