JP5080801B2 - N−アルキルアミノプロピオン酸エステル及びn−アルキルアミノプロピオン酸塩の製造方法 - Google Patents
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Description
従来、N−アルキルアミノプロピオン酸塩は、N−アルキルアミノプロピオン酸エステルをアルカリ水溶液存在下で加水分解することにより製造されてきた(特許文献1等)。このとき、該塩は、該エステルに対し3〜5倍になるように水で希釈する必要があり、該エステルの体積に比べて該塩の体積が約3〜5倍に増大することから、工業的には、該エステルを製造するのには小さな反応容器を用い、該塩を製造するのには大きな反応容器を用いるとともに、該エステルを作り置きしておいて、ドラムやコンテナやタンクに一時保管し、必要に応じて該塩を製造することが必要となる。必然的に、該エステルを得てから加水分解反応を行うまでに、該エステルの状態のまま維持する期間が発生してしまう。LAP塩を製造するのに用いる大きな反応容器中でLAPエステルを製造すれば、エステルの状態で維持することなく、引き続き加水分解反応を行うことができるとも考えられるが、反応容器あたり製造できるLAPエステル量が少なくなるため、LAPエステルの製造経費が高くなってしまう。また、LAPエステルを製造するのに使用する反応容器は減圧にして用いるため、容量を大きくすると反応容器の費用が高くなってしまい経済的でない。他方、夜間や年末年始に工場の操業を停止することもあり、この場合もLAPエステルのまま維持されることとなる。
ところが、LAPエステルのまま維持されると、特に屋外等の高温となりうる環境下で長期保管した場合、得られるN−アルキルアミノプロピオン酸塩に濁りや析出物が発生し、問題となる。また、N−ラウリルアミノプロピオン酸エチルエステルの場合、その凝固点が12℃くらいなので、冬季は貯蔵中に固化してしまうことから、加温保存するか又は使用時に加熱して融解させる必要があった。しかし、加温保存したものを室温に戻して使用すると、得られるN−アルキルアミノプロピオン酸塩に濁りや析出物が発生してしまうという問題があった。
本発明者らは、N−アルキルアミノプロピオン酸塩の低温安定性を低下させる原因が、LAPエステル製造において副生するアルキルアミノプロピオン酸アミドにあることを解明し、さらに一定時間放置すると副生するアルキルアミノプロピオン酸アミドの量が増大するとの知見を得た。従って、本発明はまた、LAPエステルを製造するときに副生するアルキルアミノプロピオン酸アミドの量を低減することを課題とする。
(a)脂肪族第一アミンとアクリル酸エステルとを反応させて、N−アルキルアミノプロピオン酸エステルを含有する反応生成物を製造する工程と、
(b)前記(a)で得られた反応生成物に、水を添加し、次いで減圧することにより、反応生成物に含まれる水分を留去してN−アルキルアミノプロピオン酸エステルを得る工程と、
を含み、
前記(b)工程において得られるN−アルキルアミノプロピオン酸エステルの水分量を、該エステルの質量を基準にして0.5質量%以下、及び脂肪族第一アミン量を、該エステルの質量を基準にして0.8質量%以下に調整することを特徴とするN−アルキルアミノプロピオン酸エステルの製造方法を提供する。
本発明において使用できる脂肪族第一アミンは、下記の式(I)で表される。
R1NH2 (I)
式中、R1は炭素数6〜24、好ましくは10〜22の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖の炭化水素基を示す。該炭化水素基は置換されていてもよく、置換基としては例えばヒドロキシル基、ハロゲノ基等が挙げられる。R1の例としては、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸、エルカ酸、ヤシ脂肪酸、牛脂脂肪酸に由来する炭化水素基等が挙げられる。
脂肪族第一アミンとしては市販品を用いても良く、対応する脂肪酸又はアルコールから公知の製法により製造することもできる。市販品としては、例えばライオンアクゾ株式会社から商品名アーミン12Dとして入手できるものがあげられる。
本発明において使用できるアクリル酸エステルは、アクリル酸と、炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖のアルコールとから構成させる。アクリル酸エステルを構成するアルコールとしては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n-ブタノールが好ましく、メタノール、エタノールが最も好ましい。
アクリル酸エステルは、発熱による急激な温度上昇を抑制する観点から徐々に添加するのがよく、例えばアクリル酸エステル250g程度であれば1時間かけて滴下するのが好ましい。反応は、常圧または加圧にて、通常100℃以下、好ましくは50〜90℃の温度で行うのが好ましい。100℃より高いと、N−アルキルアミノプロピオン酸塩の臭い及び色相が悪くなることがある。
上記温度において、通常3〜12時間、好ましくは4〜8時間熟成させると、LAPエステルを含有する反応生成物が得られる。このような時間で熟成させることにより、未反応の第一アミンおよびアクリル酸エステルを低減できる。反応生成物中にLAPエステルが含まれていることは、ガスクロマトグラフィー分析により確認することができる。
前記(a)で得られた反応生成物に水を添加するが、これに先立ち、熟成温度を維持したまま、徐々に減圧することにより、例えば、0.1〜2時間をかけて、6.7kPa以下まで減圧することにより、反応生成物中に含まれる未反応物であるアクリル酸エステルと反応溶媒である低級アルコール又は水とを留去するのが好ましい。アクリル酸エステルと低級アルコール又は水とを留去することにより、この後の工程で、水を添加してアクリル酸エステルを効率的に除去することができる。水を添加する前にアクリル酸エステルを除去しておいた方が、水を添加した後にアクリル酸エステルを除去するよりも、より少ない水量でアクリル酸エステルを除去できる。
アクリル酸エステルと低級アルコール又は水を留去した後、水を添加する前に、温度及び圧力を維持したまま所定時間、例えば0.1〜5時間維持するのが好ましい。これにより、残存する未反応のアクリル酸エステル量を十分に低減できる。
反応生成物を得た後減圧にした場合、水を添加する前に常圧に戻す。常圧に戻す場合、通常0.02〜30分かけて行う。
本発明者らが得た知見によれば、LAPエステル貯蔵時に水分が併存していても、水分が該LAPエステルの性質に殆ど影響を与えないにもかかわらず、工程(b)において、得られるLAPエステルの水分量を、該LAPエステルの質量を基準にして0.5質量%以下に調整し、さらに該LAPエステルに含まれる脂肪族第一アミン量を、該LAPエステルの質量を基準にして0.8質量%以下に調整すると、驚くべきことに、副生するアルキルアミノプロピオン酸アミドの量を、該LAPエステルの質量を基準にして0.8質量%以下に低減することができることがわかった。水分量は、工程(b)において、前記反応生成物を、50〜100℃の温度において、6.7kPa以下の圧力で0.5時間以上維持することにより、前記反応生成物に含まれる水分を留去するのが好ましい。
このようにして得られるLAPエステルは、製造直後はもちろん加温下で貯蔵後も無色透明であり、肉眼で観察できる析出物はない。
アルカリ水溶液を調製するのに用いることのできるアルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等があげられる。アルカリ水溶液の濃度は、通常5〜48質量%である。
加水分解は、LAPエステルに水を添加し、攪拌しながら、通常50〜100℃、好ましくは60〜90℃に昇温し、アルカリ水溶液を0.5〜2時間かけて滴下し、60〜95℃において 0.5〜7時間熟成することにより行うことができる。添加する水の量は、LAPエステルの質量に対して、1〜5倍とするのが良い。
[実施例1]
(a)1リットルの四つ口フラスコ(撹拌機付)に、ラウリルアミン(ライオンアクゾ(株)製「アーミン12D」)410.0g(2.2モル)、エタノール(関東化学(株)製)83.0gを仕込んだ後、55℃で加熱撹拌しながら、アクリル酸エチル(三菱化学製)265.0g(2.7モル)を滴下漏斗より1時間かけて滴下した後、70℃に維持しながら5時間熟成を行った。
(b)付加反応後、70℃で、徐々に減圧し、残存するアクリル酸エステルとエタノールを留去した。1.7kPa(20mmHg)で1時間維持後、常圧に戻した。水41.0g添加し、再度、65℃で、徐々に減圧し、2.0kPa(15mmHg)で1時間維持して水を留去後、常圧に戻し、N−ラウリルアミノプロピオン酸エチルエステルを得た。
残存アミンは0.20%、水分量は0.07%、アミドは0.01%、液の外観は無色透明で、析出物は見られなかった。
得られたN−ラウリルアミノプロピオン酸エチルエステルを40℃で2週間保存した。保存後のアミド量を測定すると、0.12%と増えていた。保存後のN−ラウリルアミノプロピオン酸エチルエステルは室温下でも無色透明で、析出はみられなかった。
(a)1リットルの四つ口フラスコ(撹拌機付)に、ラウリルアミン(ライオンアクゾ(株)製「アーミン12D」)410.0g(2.2モル)、エタノール(関東化学(株)製)41.0gを仕込んだ後、55℃で加熱撹拌しながら、アクリル酸エチル(三菱化学製)242.9g(2.4モル)を滴下漏斗より1時間かけて滴下した後、65℃に維持しながら4.5時間熟成を行った。
(b)付加反応後、65℃で、徐々に減圧し、残存するアクリル酸エステルとエタノールを留去した。1.7kPa(20mmHg)で1時間維持後、常圧に戻した。水41.0g添加し、再度、65℃で、徐々に減圧し、2.0kPa(15mmHg)で1時間維持して水を留去後、常圧に戻し、N−ラウリルアミノプロピオン酸エチルエステルを得た。
残存アミンは0.70%、水分量は0.06%、アミドは0.01%、液の外観は無色透明で、析出物は見られなかった。
得られたN−ラウリルアミノプロピオン酸エチルエステルを40℃で2週間保存した。保存後のアミド量を測定すると、0.28%と増えていた。保存後のN−ラウリルアミノプロピオン酸エチルエステルは室温下でも無色透明で、析出はみられなかった。
(a)1リットルの四つ口フラスコ(撹拌機付)に、ラウリルアミン(ライオンアクゾ(株)製「アーミン12D」)410.0g(2.2モル)、エタノール(関東化学(株)製)62.0gを仕込んだ後、55℃で加熱撹拌しながら、アクリル酸エチル(三菱化学製)242.9g(2.7モル)を滴下漏斗より1時間かけて滴下した後、70℃に維持しながら5時間熟成を行った。
(b)付加反応後、70℃で、徐々に減圧し、残存するアクリル酸エステルとエタノールを留去した。1.7kPa(20mmHg)で1時間維持後、常圧に戻した。水41.0g添加し、再度、70℃で、徐々に減圧し、4.0kPa(30mmHg)で1時間維持して水を留去後、常圧に戻し、N−ラウリルアミノプロピオン酸エチルエステルを得た。
残存アミンは0.40%、水分量は0.28%、アミドは0.02%、液の外観は無色透明で、析出物は見られなかった。
得られたN−ラウリルアミノプロピオン酸エチルエステルを40℃で2週間保存した。保存後のアミド量を測定すると、0.36%と増えていた。保存後のN−ラウリルアミノプロピオン酸エチルエステルは室温下でも無色透明で、析出はみられなかった。
(a)1リットルの四つ口フラスコ(撹拌機付)に、ラウリルアミン(ライオンアクゾ(株)製「アーミン12D」)410.0g(2.2モル)、エタノール(関東化学(株)製)41.0gを仕込んだ後、55℃で加熱撹拌しながら、アクリル酸エチル(三菱化学製)253.9g(2.5モル)を滴下漏斗より1時間かけて滴下した後、65℃に維持しながら3.5時間熟成を行った。
(b)付加反応後、65℃で、徐々に減圧し、残存するアクリル酸エステルとエタノールを留去した。1.7kPa(20mmHg)で1時間維持後、常圧に戻した。水41.0g添加し、再度、65℃で、徐々に減圧し、6.7kPa(50mmHg)で1時間維持して水を留去後、常圧に戻し、N−ラウリルアミノプロピオン酸エチルエステルを得た。
残存アミンは0.80%、水分量は0.50%、アミドは0.02%、液の外観は無色透明で、析出物は見られなかった。
得られたN−ラウリルアミノプロピオン酸エチルエステルを40℃で2週間保存した。保存後のアミド量を測定すると、0.81%と増えていた。保存後のN−ラウリルアミノプロピオン酸エチルエステルは室温下でも無色透明で、析出はみられなかった。
(a)1リットルの四つ口フラスコ(撹拌機付)に、ラウリルアミン(ライオンアクゾ(株)製「アーミン12D」)410.0g(2.2モル)、エタノール(関東化学(株)製)41.0gを仕込んだ後、55℃で加熱撹拌しながら、アクリル酸エチル(三菱化学製)242.9g(2.4モル)を滴下漏斗より1時間かけて滴下した後、60℃に維持しながら4.5時間熟成を行った。
(b)付加反応後、60℃で、徐々に減圧し、残存するアクリル酸エステルとエタノールを留去した。1.7kPa(20mmHg)で1時間維持後、常圧に戻した。水41.0g添加し、再度、60℃で、徐々に減圧し、8.0kPa(60mmHg)で1時間維持して水を留去後、常圧に戻し、N−ラウリルアミノプロピオン酸エチルエステルを得た。
残存アミンは0.70%、水分量は0.61%、アミドは0.02%、液の外観は無色透明で、析出物は見られなかった。
得られたN−ラウリルアミノプロピオン酸エチルエステルを40℃で2週間保存した。保存後のアミド量を測定すると、0.97%と増えていた。保存後のN−ラウリルアミノプロピオン酸エチルエステルは室温下でも透明で、析出はみられなかった。
(a)1リットルの四つ口フラスコ(撹拌機付)に、ラウリルアミン(ライオンアクゾ(株)製「アーミン12D」)410.0g(2.2モル)、エタノール(関東化学(株)製)32.8gを仕込んだ後、55℃で加熱撹拌しながら、アクリル酸エチル(三菱化学製)242.9g(2.4モル)を滴下漏斗より1時間かけて滴下した後、60℃に維持しながら7時間熟成を行った。
(b)付加反応後、60℃で、徐々に減圧し、残存するアクリル酸エステルとエタノールを留去した。1.7kPa(20mmHg)で1時間維持後、常圧に戻した。水41.0g添加し、再度、60℃で、徐々に減圧し、6.7kPa(50mmHg)で1時間維持して水を留去後、常圧に戻し、N−ラウリルアミノプロピオン酸エチルエステルを得た。
残存アミンは1.10%、水分量は0.50%、アミドは0.02%、液の外観は無色透明で、析出物は見られなかった。
得られたN−ラウリルアミノプロピオン酸エチルエステルを40℃で2週間保存した。保存後のアミド量を測定すると、0.95%と増えていた。保存後のN−ラウリルアミノプロピオン酸エチルエステルは室温下で、白色の析出物が見られた。
(a)1リットルの四つ口フラスコ(撹拌機付)に、ラウリルアミン(ライオンアクゾ(株)製「アーミン12D」)410.0g(2.2モル)、エタノール(関東化学(株)製)20.5gを仕込んだ後、55℃で加熱撹拌しながら、アクリル酸エチル(三菱化学製) 253.9g(2.5モル)を滴下漏斗より1時間かけて滴下した後、60℃に維持しながら9時間熟成を行った。
(b)付加反応後、60℃で、徐々に減圧し、残存するアクリル酸エステルとエタノールを留去した。1.7kPa(20mmHg)で1時間維持後、常圧に戻した。水41.0g添加し、再度、60℃で、徐々に減圧し、13.3kPa(100mmHg)で1時間維持して水を留去後、常圧に戻し、N−ラウリルアミノプロピオン酸エチルエステルを得た。
残存アミンは1.30%、水分量は0.81%、アミドは0.03%、液の外観は無色透明で、析出物は見られなかった。
得られたN−ラウリルアミノプロピオン酸エチルエステルを40℃で2週間保存した。保存後のアミド量を測定すると、1.80%と増えていた。保存後のN−ラウリルアミノプロピオン酸エチルエステルは室温下で、白色の析出物が見られた。
<分析法>
(1)水分
カールフィッシャー水分計 AQUACOUNTER AQV−7(平沼製作所)にて測定した。
(2)アミンおよびアミド
ガスクロマトグラフィーにて測定した。
GC条件
GC装置:HP5890(Agilent社製)
カラム:DB-17(50% Phenyl 50% Methyl Polysiloxane)、0.25mm×30m、df 0.25mm
カラム温度 :50℃→280℃(5℃/min)→20min
Inj.温度 :200℃
Det.温度 :280℃
検出器 :FID
注入量 :1μL
サンプル濃度:エタノール1%溶液
クロマトピーク:アミン18.7分、アミド 57分
(3)外観の評価
室温下1日放置後、目視で評価した。結果は、○×で示した。なお、各記号の意味は以下の通りである。
○:無色透明であり、析出物が認められなかった
×:白色の析出物が認められた
1L四つ口フラスコ(撹拌機付)に、実施例1で40℃2週間保存したN−ラウリルアミノプロピオン酸エチルエステル200.0g、水388.5gを加えて、攪拌しながら、70℃へ昇温した。48%NaOH水溶液(関東化学製水酸化ナトリウムを水で希釈して48%に調整)60.8gを1時間かけて滴下した後、75℃で2時間熟成を行い、N−ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウムを得た。
[実施例6]
1L四つ口フラスコ(撹拌機付)に、実施例2で40℃2週間保存したN−ラウリルアミノプロピオン酸エチルエステル100.0g、水382.6gを加えて、攪拌しながら、70℃へ昇温した。25%NaOH水溶液(関東化学製水酸化ナトリウムを水で希釈して25%に調整)58.7gを1時間かけて滴下した後、75℃で2時間熟成を行い、N−ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウムを得た。
実施例3の40℃2週間保存品を用いた以外は実施例6と同様に反応を行い、N−ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウムを得た。
[実施例8]
実施例4の40℃2週間保存品を用いた以外は実施例6と同様に反応を行い、N−ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウムを得た。
比較例1の40℃2週間保存品を用いた以外は実施例5と同様に反応を行い、N−ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウムを得た。
[比較例5]
比較例2の40℃2W保存品を用いた以外は実施例6と同様に反応を行い、N−ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウムを得た。
[比較例6]
比較例3の40℃2W保存品を用いた以外は実施例6と同様に反応を行い、N−ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウムを得た。
目視で評価した。結果は、○×で示した。なお、各記号の意味は以下の通りである。
○:透明
×:白色の析出物あり
(2)ラウリルアミノプロピオン酸NaのAI量測定方法
水分計PD−600(ケット科学研究所社製)を用い、サンプル量5gとし、110℃、60分において測定した。
Claims (6)
- 脂肪族第一アミンと、アクリル酸エステルとからN−アルキルアミノプロピオン酸エステルを製造する方法であって、
脂肪族第一アミンが、下記式(I)で表され、
R 1 NH 2 (I)
(式中、R 1 は炭素数6〜24の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖の炭化水素基を示す。)
前記アクリル酸エステルが、アクリル酸と炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖のアルコールとから構成され、
(a)脂肪族第一アミンとアクリル酸エステルとを反応させて、N−アルキルアミノプロピオン酸エステルを含有する反応生成物を製造する工程と、
(b)前記(a)で得られた反応生成物に、水を添加し、次いで減圧することにより、反応生成物に含まれる水分を留去してN−アルキルアミノプロピオン酸エステルを得る工程と、
を含み、
前記(a)工程において、脂肪族第一アミンに対して過剰量のアクリル酸エステルを使用し、脂肪族第一アミンとアクリル酸エステルとの反応を、反応溶媒として、低級アルコール又は水を使用して行い、
前記(b)工程において添加する水の量が、前記反応生成物の質量に対して1〜200質量%である、
前記(b)工程において得られるN−アルキルアミノプロピオン酸エステルの水分量を、該エステルの質量を基準にして0.5質量%以下、及び脂肪族第一アミン量を、該エステルの質量を基準にして0.8質量%以下に調整することを特徴とするN−アルキルアミノプロピオン酸エステルの製造方法。 - 前記(b)工程において、減圧下、0.5〜5時間維持することを特徴とする請求項1記載のN−アルキルアミノプロピオン酸エステルの製造方法。
- 前記(a)工程において、脂肪族第一アミンとアクリル酸エステルとを50〜100℃の温度において反応させ、得られた反応生成物を、50〜100℃において3〜12時間熟成させる、請求項1又は2記載のN−アルキルアミノプロピオン酸エステルの製造方法。
- 前記(a)工程において、低級アルコール又は水と脂肪族第一アミンとを質量比0.05〜1.0において及びアクリル酸エチルと脂肪族第一アミンとをモル比1.1〜2.0において、50〜90℃の温度で4時間以上反応させることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項記載のN−アルキルアミノプロピオン酸エステルの製造方法。
- 前記(b)工程において、前記反応生成物を、50〜100℃の温度において、6.7kPa以下の圧力で0.5時間以上維持することにより、前記反応生成物に含まれる水分を留去することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項記載のN−アルキルアミノプロピオン酸エステルの製造方法。
- 請求項1〜5のいずれか1項記載の製造方法により得られるN−アルキルアミノプロピオン酸エステルを、アルカリ水溶液中において加水分解することを特徴とするN−アルキルアミノプロピオン酸塩の製造方法。
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