JP5076257B2 - 撥水性組成物、表面処理された基材、その製造方法および輸送機器用物品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水滴の付着が少なく、また付着した水滴の除去が容易な表面処理層を形成しうる撥水性組成物、該撥水性組成物から形成された表面処理層を有する表面処理された基材、該基材の製造方法および該基材からなる輸送機器用物品に関する。
【0002】
【従来の技術】
基材表面に、水滴の付着が少なく、また付着した水滴の除去が容易な性質(以下これらを水滴除去性という。)を付与することが強く求められている。従来から基材表面に水滴除去性を付与するために、たとえば含フッ素シラン化合物と親水性シラン化合物とからなる親水撥油処理剤(特開平5−331455号公報)が提案されている。しかしこの表面処理剤は親水性を有するため、撥水性を付与したい輸送機器用物品へは適用できなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、優れた水滴除去性を有し、その耐久性(耐摩耗性、耐薬品性、耐候性等)にも優れた表面処理層を形成しうる撥水性組成物の提供を目的とする。また、該撥水性組成物から形成された表面処理層を有する表面処理された基材、その製造方法および輸送機器用物品の提供を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下式1で表される化合物(以下、化合物1と記す。他の化合物も同様に記す。)と、下記化合物4と、有機溶剤を含み、任意で下記化合物5を含む撥水性組成物であって、
前記撥水性組成物における(化合物1)/(化合物1+化合物4+化合物5)で示される質量割合が、1.67/10〜5/10であり、
(化合物5)/(化合物4+化合物5)で示される質量割合が、0/10〜0.8/10であり、
前記撥水性組成物における有機溶剤の含有割合が、化合物1と化合物4と化合物5の合計量100質量部に対して100,000質量部以下の割合であることを特徴とする撥水性組成物(以下、撥水性組成物(I)と記す。)を提供する。
RfSi(R)p(X)3-p・・・式1
RFSi(R1)q(X1)3-q・・・式4
SiX 2 4 ・・・式5
ただし、式中の記号は以下の意味を示す。
Rf:エーテル性酸素原子を有する含フッ素有機基。
RF:エーテル性酸素原子を有しない含フッ素有機基。
R、R1:それぞれ独立して、炭素数1〜6のフッ素原子を含まない炭化水素基。
X、X1 、X 2 :それぞれ独立して、ハロゲン原子または加水分解性基。
p、q:それぞれ独立して、0、1または2。
【0005】
【発明の実施の形態】
化合物1は、エーテル性酸素原子を有する含フッ素有機基(以下、エーテル性の酸素原子を有する含フッ素有機基をRf基という。)を一方の分子端に有し、他方の分子端には反応性基を有する化合物である。Rf基が、撥水性組成物(I)から形成された表面処理層における、水滴の移動性または転落性の向上に寄与する。この詳細な機構は不明だが、Rf基はフッ素原子を含むため、撥水性組成物(I)から形成された表面処理層の表面エネルギーを小さくでき、かつ、エーテル性酸素原子で連結された構造に起因する高い分子鎖運動性を有するため、表面処理層は効率的なフッ素原子の配向ができる。すなわち、高い分子鎖運動性が、表面処理層の表面の水滴の移動に対応したフッ素原子の配向変化を可能にし、結果として水滴の転落性が高まると考えられる。
【0006】
従来から提案されている表面処理剤におけるエーテル性酸素原子を有しない含フッ素有機基も、フッ素原子を含むため、該表面処理剤から形成された処理層の表面エネルギーを小さくできる。しかし、該エーテル性酸素原子を有しない含フッ素有機基は非常に剛直な構造であるため、表面に存在するフッ素原子は配向変化ができにくく、水滴の移動に追従できない。そのため、水滴はある領域ではよく転落するが、別の領域では転落しにくくなり、水滴はどこかにひっかかり、水滴の転落性は低くなると考えられる。
撥水性組成物(I)において、化合物1は1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
【0007】
化合物1におけるRf基の構造は特に制限されない。化合物1において、Rfとしては、F(CF2)aO[CF(Y)CF2O]n−A−(Aは炭素数2〜32の2価有機基(ただし、CF(Y)CF2Oのみからなる2価有機基を除く。)、Yはフッ素原子またはCF3、aは2〜8の整数、nは0〜50の整数。)で表される基が好ましい。
【0008】
すなわち、化合物1としては、下式2で表される化合物が水滴除去性またはその耐久性の点で好ましい。ただし、a、n、A、R、p、Xは上記と同じ意味を示す。
F(CF2)aO[CF(CF3)CF2O]n-A-Si(R)p(X)3-p・・・式2
式1または式2において、Rはメチル基またはエチル基であることが、耐久性の点で好ましい。Xにおける加水分解性基としては、アルコキシ基、アシロキシ基、ケトオキシム基、アルケニルオキシ基、アミノ基、アミノキシ基、アミド基、イソシアネート基等が好ましく挙げられる。Xとしては、ハロゲン原子(特に塩素原子)、アルコキシ基およびイソシアネート基より選ばれる1種以上が好ましい。Xはその数(3−p)が大きいほど密着性に優れるため好ましく、pは0または1が特に好ましい。nは0〜20であることが、表面処理層の緻密性を高くできるため好ましい。aは、2、3または4が好ましく、特に3が好ましい。
【0009】
Aは、A1−R2(A1は炭素数1〜16のポリフルオロアルキレン基、R2は炭素数1〜16の2価有機基。)で表される基であることが、水滴除去性またはその耐久性の点で好ましい。A1は、直鎖構造または分岐構造のどちらでもよい。A1はペルフルオロアルキレン基が好ましく、−CF(CF3)(CF2)z−(zは0以上の整数であり、0、1、2、3または4が好ましい。)または−(CF2)y−(yは1以上の整数であり、2、3または4が好ましい。)が特に好ましい。
【0010】
R2は、炭素数1〜16のフッ素原子を含まない2価炭化水素基が好ましい。ただし、分子内にエーテル性酸素原子を含んでいてもよい。R2は、直鎖構造または分岐構造のどちらでもよいが、直鎖構造が好ましい。R2としては、−(CH2)s−(sは2〜16の整数であり、2、3または4が好ましい。)、−(CH2)t−O−(CH2)u−(tは2〜10の整数であり、2、3または4が好ましい。uは2〜14の整数であり、2、3または4が好ましい。ただしt+uは2〜16を満たす。)が好ましい。
【0011】
化合物1の具体例を以下に示す。
F[CF(CF3)CF2O]2(CF2)2(CH2)2SiCl3・・・化合物イ、
F[CF(CF3)CF2O](CF2)2(CH2)2O(CH2)3SiCl3・・・化合物ロ、
F[CF(CF3)CF2O]6(CF2)2(CH2)2SiCl3・・・化合物ハ、
F[CF(CF3)CF2O]6(CF2)2(CH2)2Si(OCH3)3・・・化合物へ、
F[CF(CF3)CF2O]2(CF2)2(CH2)2Si(NCO)3・・・化合物ト。
【0012】
化合物1はそのまま用いてもよく、加水分解生成物として使用してもよい。化合物1の加水分解物とは、水中または酸性もしくはアルカリ性の水溶液中で、化合物1の有する反応性基の全部または一部を加水分解して得られる化合物をいう。酸性の水溶液としては、塩酸、酢酸、硫酸、燐酸、スルホン酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の水溶液を使用できる。アルカリ性の水溶液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等の水溶液を使用できる。
【0013】
撥水性組成物(I)から形成される表面処理層の水滴除去性およびその耐久性を高めるために、撥水性組成物(I)には下記化合物4および/または下記化合物5を含む。
RFSi(R1)q(X1)3-q・・・式4
SiX2 4・・・式5
ただし、式中の記号は以下の意味を示す。
RF:エーテル性酸素原子を有しない含フッ素有機基。
R1:炭素数1〜6のフッ素原子を含まない炭化水素基。
X1、X2:それぞれ独立して、ハロゲン原子または加水分解性基。
q:0、1または2。
【0014】
化合物4におけるRFは、フッ素原子を有しない炭素原子(たとえば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基)が隣のケイ素原子と結合するのが好ましい。RFは、ポリフルオロアルキル基が好ましく、特に隣のケイ素原子と結合する端部がアルキレン基(特に、エチレン基)であって、他の部分がペルフルオロアルキル基であることが好ましい。ペルフルオロアルキル基の炭素数は3〜16が好ましい。
【0015】
R1は炭素数の小さいアルキル基が好ましく、メチル基またはエチル基が特に好ましい。X1またはX2は、上記のXと同じ基が好ましく挙げられるが、特に塩素原子、アルコキシ基またはイソシアネート基が好ましい。qは、密着性の点または形成された層の耐久性に優れることから0または1が好ましい。化合物4は1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0016】
化合物4の具体例を以下に示す。ただし、下式中のX1、R1は上記と同じ意味を示し、好ましい態様も同じである。eは1〜17の整数、mは2、3または4である。
F(CF2)e(CH2)mSiX1 3、
F(CF2)e(CH2)mSi(R1)X1 2、
F(CF2)eCONH(CH2)mSiX1 3、
F(CF2)eCONH(CH2)mSi(R1)X1 2、
F(CF2)eCONH(CH2)mNH(CH2)mSiX1 3、
F(CF2)eCONH(CH2)mNH(CH2)mSi(R1)X1 2。
【0017】
化合物5は、反応性基がケイ素原子に直接結合した化合物である。反応性基の効果により密着性または緻密性が高まり、耐久性の向上に寄与する。化合物5としては、テトラクロロシラン、テトライソシアネートシラン、テトラアルコキシシランまたはそれらの加水分解生成物が好ましい。化合物5は2種以上を併用してもよい。
【0018】
撥水性組成物(I)における化合物1の割合は、(化合物1)/(化合物1+化合物4+化合物5)が0.5/10〜6/10であるのが好ましい。
撥水性組成物(I)は、上記の必須成分のみからなっていてもよいが、経済性、作業性、表面処理層の厚さ制御のしやすさ等を考慮し、有機溶剤を含んでいてもよい。有機溶剤は、必須成分を溶解するものであれば特に制限されない。有機溶剤としては、アルコール類、ケトン類、芳香族炭化水素類、パラフィン系炭化水素類、酢酸エステル類等が好ましく、パラフィン系炭化水素類または酢酸エステル類が特に好ましい。有機溶剤は1種に限定されず、極性、蒸発速度等の異なる2種以上の溶剤を混合して使用してもよい。
【0019】
撥水性組成物(I)における有機溶剤の割合は、化合物1、化合物4および/または化合物5の合量の100質量部に対して、100,000質量部以下が好ましく、特に10,000質量部以下が好ましい。100,000質量部超では、処理ムラが発生する場合がある。
【0020】
撥水性組成物(I)は公知の方法で塗布できる。たとえば、はけ塗り、流し塗り、回転塗布、浸漬塗布、スキージ塗布、スプレー塗布、手塗り等の方法を用いることができる。そして、大気中または窒素雰囲気中において乾燥させることで、表面処理層を形成できる。処理方法によっては、余剰成分が発生し外観品質を損なう場合があるが、溶剤拭きまたは空拭き等で余剰成分を除去し外観を調節すればよい。
【0021】
撥水性組成物(I)から形成された表面処理層の厚さは特に限定されないが、経済性を考慮すると、50nm以下の厚さが好ましく、その下限は単分子層の厚さである。
【0022】
撥水性組成物(I)には、目的に応じて機能性添加剤を含んでもよい。機能性添加剤としては、必須成分との反応性または相溶性等を考慮して選択するのが好ましく、片末端反応性ポリジメチルシロキサン、両末端反応性ポリジメチルシロキサン等の非フッ素系撥水性材料、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア等の金属酸化物の超微粒子、染料または顔料等の着色用材料、防汚性材料、触媒、各種樹脂等が好ましく挙げられる。機能性添加剤の添加量は、化合物1、化合物4および/または化合物5の合量の100質量部に対して、0.01〜20質量部が好ましい。過剰な添加は、水滴除去性等を低下させることがある。
【0023】
本発明の表面処理された基材は、少なくとも1層の表面処理層を有し、該表面処理層の最外層が、撥水性組成物(I)から形成された層であるのが好ましい。また、表面処理層の水滴除去性またはその耐久性を向上させるために、最外層である第1層の内側に接する第2層として、化合物4を含む撥水性組成物(II)または化合物5を含む撥水性組成物(III)から形成された層を設けるのが好ましい。また、最外層である第1層の内側に接する第2層として、化合物4を含む撥水性組成物(II)から形成された層を設け、第2層の内側に接する第3層として、化合物5を含む撥水性組成物(III)から形成された層を設けるのも好ましい。
【0024】
撥水性組成物(II)における化合物4は、撥水性組成物(I)において記載した化合物4と同じ化合物が好ましく挙げられる。化合物4としては、撥水性組成物(II)から形成された層の表面の水に対する接触角の値が、100度以上である表面を形成できる化合物であることが好ましい。
撥水性組成物(III)における化合物5は、撥水性組成物(I)において記載した化合物5と同じ化合物が好ましく挙げられる。
【0025】
本発明における表面処理層の概念は、境界線が厳密に引ける状態ではなく、各層の間で、ミクロにみて界面の一部または全部が相互に入り交じっていてもよい。表面処理層に、撥水性組成物(II)から形成された層または撥水性組成物(III)から形成された層があると、水滴除去性の耐久性向上に効果がある。この機構は不明であるが、撥水性組成物(II)から形成された層はその高い撥水効果により、水に伴う各種劣化因子が層に浸透するのを防止する効果があり、撥水性組成物(III)から形成された層はその優れた反応性により、基材と撥水性組成物(I)から形成された層または撥水性組成物(II)から形成された層との密着性を高める効果があると考えられる。
【0026】
撥水性組成物(II)または撥水性組成物(III)は、化合物4または化合物5等の必須成分のみからなっていてもよいが、経済性、作業性、処理層の厚さ制御のしやすさ等を考慮して、有機溶剤を含んでいてもよい。有機溶剤としては、撥水性組成物(I)において記載した有機溶剤が好ましく使用できる。
【0027】
撥水性組成物(II)または撥水性組成物(III)には、目的に応じて機能性添加剤を含んでもよい。機能性添加剤としては、撥水性組成物(I)において記載したものが好ましく挙げられる。また、撥水性組成物(II)または撥水性組成物(III)の塗工についても、撥水性組成物(I)において記載した方法が好ましく挙げられる。
【0028】
撥水性組成物(II)または撥水性組成物(III)から形成された層の厚さは特に限定されないが、あまり厚すぎると損傷が目立ちやすくなるため、50nm以下が好ましい。その下限は単分子層の厚さである。層の厚さは各撥水性組成物の濃度、塗布条件、加熱条件等によって適宜制御しうる。表面処理層全体の厚さは、経済性も考慮して100nm以下が好ましい。
【0029】
表面処理された基材の製造方法は、基材表面に表面処理層を形成する工程を含み、かつ、該表面処理層の少なくとも最外層に撥水性組成物(I)から形成された層を有する製造方法が好ましい。少なくとも2層の表面処理層を有する表面処理された基材の製造方法は、基材表面に化合物4を含む撥水性組成物(II)または化合物5を含む撥水性組成物(III)を用いて第2層を形成する工程、撥水性組成物(I)を用いて第1層を形成する工程を含む製造方法が好ましい。
【0030】
また、少なくとも3層の表面処理層を有する表面処理された基材の製造方法は、化合物5を含む撥水性組成物(III)を用いて第3層を形成する工程、化合物4を含む撥水性組成物(II)を用いて第2層を形成する工程、撥水性組成物(I)を用いて第1層を形成する工程を含む製造方法が好ましい。
【0031】
表面処理層は基材表面に形成されるが、基材表面には蒸着膜、スパッタ膜、湿式法等により形成された各種の膜があってもよい。基材がソーダライムガラスである場合は、Naイオンの溶出を防止する膜を設けることが耐久性の点で好ましい。撥水性組成物(III)を用いて形成された層は、Naイオンの溶出を防止する機能も有する。
【0032】
撥水性組成物(I)〜(III)を基材表面に塗布する場合、特別な前処理は必要ないが、目的に応じて、酸処理(希釈したフッ酸、硫酸、塩酸等を用いた処理)、アルカリ処理(水酸化ナトリウム水溶液等を用いた処理)または放電処理(プラズマ照射、コロナ照射、電子線照射等)を行ってもよい。
撥水性組成物(I)、撥水性組成物(II)または撥水性組成物(III)を用いて表面処理層を形成するには、熱処理は必要ではなく、室温に放置すればよい。
【0033】
本発明における基材は特に限定されず、金属、プラスチック、ガラス、セラミック、またはその組み合わせ(複合材料、積層材料等)が好ましく使用できる。特にガラスまたはプラスチック等の透明な基材が好ましい。基材の形状は平板に限られず、全面または一部に曲率を有していてもよい。
【0034】
本発明の表面処理された基材は、輸送機器用物品としての用途が好ましい。
輸送機器用物品とは、電車、自動車、船舶、航空機等におけるボディー、窓ガラス(フロントガラス、サイドガラス、リアガラス)、ミラー、バンパー等が好ましく挙げられる。
【0035】
本発明の表面処理された基材または輸送機器用物品は、その表面が優れた水滴除去性を有するため、表面への水滴の付着が少なく、付着した水滴がすみやかにはじかれる。加えて輸送機器の運行に伴う風圧との相互作用により、付着した水滴は表面を急速に移動し、水滴として溜ることない。このため、水分が誘発する悪影響を排除できる。
【0036】
特に、各種窓ガラス等の透視野部での用途において、水滴の飛散により視野の確保が非常に容易となり、車輌等の運行において安全性が向上できる。また、水滴が氷結するような環境下でも氷結しにくく、氷結したとしても解凍は著しく速い。さらに、水滴の付着がほとんどないため、清浄の作業回数を少なくでき、しかも清浄作業を容易に行うことができる。
【0037】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの例に限定されない。各例における各種物性の測定は以下の方法で行い、結果を表1(単位:度)に示した。
サンプル基板:洗浄されたガラス板(10cm×10cm×厚さ3cm)。
【0038】
1.水滴除去性
1−1.接触角
サンプルの表面に置いた、直径1mmの水滴の接触角を測定した。表面における異なる5ケ所で測定を行い、その平均値を示した。
【0039】
1−2.転落角
水平に保持したサンプルの表面に50μLの水滴を滴下した後、サンプルを徐々に傾け、水滴が転落しはじめた時のサンプルと水平面との角度(転落角)を測定した。転落角が小さいほど水滴除去性に優れる。
【0040】
2.耐摩耗性
サンプルを下記試験条件にて磨耗試験を行った後、接触角および転落角を測定した。
試験機:ケイエヌテー社往復式トラバース試験機。
試験条件:ネル布、荷重1kg、摩耗回数3000往復。
【0041】
3.耐候性試験
紫外線を8時間(70℃)照射した後、湿潤曝露を4時間(50℃)行う工程を1サイクルとして、200サイクル繰り返して耐候性試験を行った後、接触角および転落角を測定した。
【0042】
[使用した化合物]
化合物ニ:F(CF2)8(CH2)2SiCl3
化合物ホ:Si(NCO)4
化合物チ:F(CF2)8(CH2)2Si(NCO)3
化合物リ:Si(OC2H5)4
化合物ヌ:F(CF2)8(CH2)2Si(OCH3)3
化合物イ、ロ、ハ、ヘ、トについては前記のものを使用。
【0043】
[処理剤1〜11の調整]
撹拌機、温度計がセットされたガラス容器に下記の各原料を入れ、25℃にて10分間撹拌して処理剤1〜11を得た。
処理剤1:化合物イを0.6g、化合物ニを2.4g、酢酸ブチルを97.0g。
処理剤2:化合物イを1.5g、化合物ニを1.5g、酢酸ブチルを97.0g。
処理剤3:化合物イを2.4g、化合物ニを0.6g、酢酸ブチルを97.0g。
処理剤4:化合物ロを0.6g、化合物ニを2.4g、酢酸ブチルを97.0g。
処理剤5:化合物ハを0.6g、化合物ニを2.4g、酢酸ブチルを97.0g。
【0044】
処理剤6:化合物イを0.6g、化合物チを2.4g、酢酸ブチルを97.0g。
処理剤7:化合物トを0.6g、化合物チを0.6g、酢酸ブチルを97.0g。
処理剤8:化合物ヌを2.4g、化合物ヘを0.6g、イソプロピルアルコールを97.0g。得られた処理剤にさらに硝酸水溶液(0.1mol/L)を3.2g滴下し、25℃で3昼夜撹拌した。
処理剤9:化合物イを2.4g、化合物ホを0.6g、酢酸ブチルを97.0g。
処理剤10:化合物イを0.5g、化合物ホを0.2g、化合物ニを2.3g、酢酸ブチルを97.0g。
【0045】
処理剤11:化合物ホを2.0g、酢酸ブチルを98.0g。
処理剤12:化合物リを3.0g、イソプロピルアルコールを97.0。得られた処理剤にさらに硝酸水溶液(0.1mol/L)を3.0g滴下し、25℃で1昼夜撹拌した。
処理剤13:化合物リを3.0g、イソプロピルアルコールを97.0g(処理剤11A)。パラトルエンスルホン酸を10.0g、イソプロピルアルコールを90.0g(処理剤11B)。処理剤11Aの50gと処理剤11Bの1gを処理の直前に撹拌混合した。
処理剤14:化合物イを3.0g、酢酸ブチルを97.0g。
処理剤15:化合物ニを3.0g、酢酸ブチルを97.0g。
【0046】
[例1]
サンプル基板に処理剤1を0.5mL滴下し、自動車のワックスがけの要領で塗り広げた。これを1昼夜室温にて保管してサンプル1を得た。
【0047】
[例2]
例1の処理剤1の代わりに処理剤2を用いた以外は、例1と同様にしてサンプル2を得た。
【0048】
[例3]
例1の処理剤1の代わりに処理剤3を用いた以外は、例1と同様にしてサンプル3を得た。
【0049】
[例4]
例1の処理剤1の代わりに処理剤4を用いた以外は、例1と同様にしてサンプル4を得た。
【0050】
[例5]
例1の処理剤1の代わりに処理剤5を用いた以外は、例1と同様にしてサンプル5を得た。
【0051】
[例6]
例1の処理剤1の代わりに処理剤6を用いた以外は、例1と同様にしてサンプル6を得た。
【0052】
[例7]
例1の処理剤1の代わりに処理剤7を用いた以外は、例1と同様にしてサンプル7を得た。
【0053】
[例8]
例1の処理剤1の代わりに処理剤8を用いた以外は、例1と同様にしてサンプル8を得た。
【0054】
[例9]
例1の処理剤1の代わりに処理剤9を用いた以外は、例1と同様にしてサンプル9を得た。
【0055】
[例10]
例1の処理剤1の代わりに処理剤10を用いた以外は、例1と同様にしてサンプル10を得た。
【0056】
[例11]
サンプル基板に処理剤11を0.5mL滴下し、自動車のワックスがけの要領で塗り広げた。室温で1分間放置後、処理剤1を0.5mL滴下し自動車のワックスがけの要領で塗り広げた。これを1昼夜室温にて保管してサンプル12を得た。
【0057】
[例12]
例11における処理剤11の代わりに処理剤12を用いた以外は、例11と同様にしてサンプル12を得た。
【0058】
[例13]
例11における処理剤11の代わりに処理剤13を用いた以外は、例11と同様にしてサンプル13を得た。
【0059】
[例14]
例11における処理剤11の代わりに処理剤15を用いた以外は、例11と同様にしてサンプル14を得た。
【0060】
[例15]
サンプル基板に処理剤11を0.5mL滴下し、自動車のワックスがけの要領で塗り広げた。室温で1分間放置後、処理剤15を0.5mL滴下し、自動車のワックスがけの要領で塗り広げた。室温にて1分間放置後、さらに処理剤1を0.5mL滴下し、自動車のワックスがけの要領で塗り広げた。これを1昼夜室温にて保管してサンプル15を得た。
【0061】
[例16]
例8のサンプル8を200℃で60分間加熱してサンプル16を得た。
【0062】
[例17]
サンプル基板に処理剤11を0.5mL滴下し、自動車のワックスがけの要領で塗り広げた。これを650℃で7分間加熱し、室温まで冷却した。次に、処理剤1を0.5mL滴下し、自動車のワックスがけの要領で塗り広げた。これを1昼夜室温にて保管してサンプル17を得た。
【0063】
[例18]
サンプル基板に処理剤12を0.5mL滴下し、自動車のワックスがけの要領で塗り広げた。これを200℃にて10分間加熱後、室温まで冷却した。次に処理剤1を0.5mL滴下し自動車のワックスがけの要領で塗り広げた。これを1昼夜室温にて保管してサンプル18を得た。
【0064】
[例19]
例1における処理剤1の代わりに処理剤14を用いた以外は、例1と同様にしてサンプル19を得た。
【0065】
[例20]
例1における処理剤1の代わりに処理剤15を用いた以外は、例1と同様にしてサンプル20を得た。
【0066】
【表1】
【0067】
[例21]
サンプル1について、表2に示す薬品に24時間浸漬し、取り出し直後に洗浄した後、外観を観察し、接触角および転落角を測定した。結果を表2に示した。
サンプル15についても、同様にして、結果を表3に示した。
【0068】
【表2】
【0069】
【表3】
【0070】
[例22]
自動車用フロント合わせガラスの表面に、例1の方法を用いて表面処理層を形成し、該ガラスを自動車のフロントに装着した。この自動車を用いて、日中2時間の走行テストを3ケ月間行い、表面への汚れ、ほこりの付着状態、また、雨天時の水滴の付着状態を肉眼で観察した。
【0071】
その結果、汚れ、ほこりの付着、水滴の付着はほとんど観察されず、よって水垢の発生もほとんど観察されなかった。まれにそれらの発生が認められても、ティッシューパーで軽く拭くことにより容易に除去できた。また雨天時の走行においては、表面の水滴がはじかれ、走行による風圧との相互作用によって水滴がすみやかに移動し、ワイパーを使用することなく視野が確保できた。
【0072】
[例23]
例22におけるフロント合わせガラスを、サイドガラスまたはリアガラスに変更して走行テストを行ったところ、例22と同じ効果が確認できた。
【0073】
[例24]
既に常用して5年間が経過した自動車用フロント合わせガラスを、炭酸カルシウムで研磨した後、水洗し、1時間乾燥した。該ガラスに例1の方法を用いて表面処理層を形成した。この自動車を用いて、例22と同様の走行テストを行ったところ、例22と同じ効果が確認できた。
【0074】
【発明の効果】
本発明の表面処理された基材または輸送機器用物品は、以下の優れた効果が認められる。
水滴除去性に優れ、ほこり、汚れ、水滴の付着がなく、それによる水垢の発生がない。まれにそれらの発生があっても、容易に除去できる。また、水が誘発する悪影響を遮断でき、表面の洗浄が簡単に行える。水滴除去性の持続性に優れ、半永久的に水滴除去性が維持できる。特別な前処理を必要とせず、常温で表面処理層が形成できるため、経済的である。本発明の表面処理された基材は輸送機器用物品に最適である。
Claims (6)
- 下式1で表される化合物と、下式4で表される化合物と、有機溶剤を含み、任意で下式5で表される化合物を含む撥水性組成物であって、
前記撥水性組成物における(式1で表される化合物)/(式1で表される化合物+式4で表される化合物+式5で表される化合物)で示される質量割合が、1.67/10〜5/10であり、
(式5で表される化合物)/(式4で表される化合物+式5で表される化合物)で示される質量割合が、0/10〜0.8/10であり、
前記撥水性組成物における有機溶剤の含有割合が、式1で表される化合物と式4で表される化合物と式5で表される化合物の合計量100質量部に対して100,000質量部以下の割合であることを特徴とする撥水性組成物。
RfSi(R)p(X)3-p・・・式1
RFSi(R1)q(X1)3-q・・・式4
SiX 2 4 ・・・式5
ただし、式中の記号は以下の意味を示す。
Rf:エーテル性酸素原子を有する含フッ素有機基。
RF:エーテル性酸素原子を有しない含フッ素有機基。
R、R1:それぞれ独立して、炭素数1〜6のフッ素原子を含まない炭化水素基。
X、X1 、X 2 :それぞれ独立して、ハロゲン原子または加水分解性基。
p、q:それぞれ独立して、0、1または2。 - 式1におけるRfが、F(CF2)aO[CF(Y)CF2O]n−A−(Aは炭素数2〜32の2価有機基(ただし、CF(Y)CF2Oのみからなる2価有機基を除く。)aは2〜8の整数、Yはフッ素原子またはCF3、nは0〜50の整数。)である、請求項1に記載の撥水性組成物。
- 式1におけるXが、ハロゲン原子、アルコキシ基およびイソシアネート基より選ばれる1種以上の加水分解性基である、請求項1または2に記載の撥水性組成物。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の撥水性組成物から形成された表面処理層を有することを特徴とする表面処理された基材。
- 基材表面に表面処理層を形成する工程を含み、かつ、該表面処理層の少なくとも最外層に請求項1〜3のいずれかに記載の撥水性組成物から形成された層を有することを特徴とする表面処理された基材の製造方法。
- 請求項4に記載の表面処理された基材からなる輸送機器用物品。
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